JP6697947B2 - 電解研磨装置 - Google Patents

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Description

この発明は、主として金属材料の分析用試料を調製するための電解研磨装置に関する。
一般に金属試料の分析に際し、試料表面の酸化を防止しながら研磨する方法として電解研磨が広く採用されており、この電解研磨では電解液中に浸漬する試料の表面を均質に研磨するために、又は通電による電解液の液温の上昇(試料温度の上昇)を防止するために槽内の電解液を撹拌し若しくは電解液中での試料の支持位置や姿勢を変動させることが望ましい。
これに対し、従来は、特許文献1に示すように、電解槽を冷却水槽に浸漬して冷却するとともに、電解槽の底面下に水平回転するマグネットを、電解槽内には上記マグネットの回転によって回転駆動して電解液を撹拌する回転子(羽根)をそれぞれ設け、さらに研磨対象物である試料を収容する籠型電極を上下動させる上下動機構を設けたものが知られている。その他電解研磨や電気メッキの分野で電解液をバブリングや流動によって撹拌することも公知である(特許文献2参照)。
特許第5005369号公報 特許第5323677号公報
しかし上記特許文献1の発明では、電解槽内の電解液の撹拌のために槽外にモーターやマグネットを、槽内に該マグネットにより非接触で回転する回転子(羽根)を設ける必要があるほか、対象物を籠型電極と共に上下動させる上下動機構を設ける必要があり、さらに電解槽を冷却する冷却槽を設けている等、全体として装置が大型化、複雑化する欠点がある。
さらに上記上下動機構にはこれを駆動させるモーター等のアクチュエータやカム機構等を必要とするだけでなく、この機構による籠型電極の上下動では対象物の支持姿勢の変動効果が十分得られず、その結果研磨ムラが生じる場合があるという問題がある。特に含有酸素分析用の金属小片を対象物として電解研磨する場合、研磨ムラにより対象物表面に残存した酸化層に起因して酸素分析値が高めに出るという問題があった。
その他特許文献2のバブリングや電解液の流動は電解液の撹拌は行うが、対象物自体を転動させ又は姿勢変動させるものではない。
また、特許文献1の装置は、電解研磨装置と洗浄装置が並設されているものの、両装置による研磨と洗浄は非連続的に各別に行われる。そのため作業が非効率であり、作業者によって処理時間や電解液洗浄液の交換時期などの運用条件がばらつく結果、電解研磨処理の再現性が確保できていなかった。
本発明は、従来の電解研磨装置に関わる上述の課題を解決し、より均一且つ安定した処理が可能であり且つ分析作業の現場においてより効率が高く操作に任意性が入る余地が少ない、電解研磨装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の電解研磨装置は、第1に電解液6を収容し、該電解液6中に電解研磨の対象物を浸漬して電解研磨を行う電解槽1に対し、該電解槽1内の電解液6中で上記対象物に対してバブリングガスを噴出させてバブリングを生じさせる噴出ノズル12と、電解槽1に対して電解液6の供給と排出を同時に行う供給・排出装置とのいずれか一方又は両方を設置し、上記バブリング又は電解液の供給・排出のうち少なくとも一方により電解液6内で対象物の転動又は姿勢変動をさせ、前記電解槽1と、電解研磨した対象物を洗浄する超音波洗浄槽14と、洗浄後の対象物を取出す取出部Cとを並設して処理ラインLを形成し、上記対象物を受取って収容し且つ電解槽1と超音波洗浄槽14上で昇降して浸漬するホルダー8と、上記処理ラインL上で該ホルダー8を移送する移送装置62と、取出部C上でホルダー8を下向きに反転回動させて対象物を取出部Cに放出する反転装置66とを設けてなることを特徴としている。
に、前記取出部Cの上方から内部に向かって非酸化性ガスを吹付ける吹付ノズル73を設けたことを特徴としている。
に、前記処理ラインLの途中又は前記処理ラインLの延長上にホルダー8に対象物を投入する供給部Dを設けてなることを特徴としている。
以上のように構成される本発明の装置によれば、電解研磨に際して、電解液自体の槽内での流動とバブリングの一方又は両方によって、対象物を転動又は上下方向及び横方向に位置移動や姿勢変動させることができるため、上質で且つ均質な研磨が行われる。特に上記対象物の転動は、籠型電極であるホルダー内で行われることにより、安定的に且つ変動性に富んだ動きとなる利点がある。さらに電解液自体の槽内での流動、バブリングのいずれにも電解液の撹拌効果もあることから、電解槽内に電解液撹拌用回転子を設ける必要がなくなるとともに、外部にも回転子を駆動させるマグネット、駆動用モーターや籠型電極を介して対象物を上下動させるための上下動機構等を設ける必要がない。したがって装置構成を簡素化することができ、装置の小型化や信頼性向上を図ることができる。加えてバブリングにより、電解液中の溶存酸素を低減する脱気効果も奏する。バブリングガスとして非酸化性ガスを用いることができるので、表面の酸化防止ができ、研磨の質向上も可能である。
なお、電解液の槽内での流動やガスによるバブリングは、通電による液温上昇を受けて対象物の温度が上昇するのを防止する効果があるが、さらに強力な冷却が必要な場合は、電解液供給路中にチラー(冷却機)を設けて強制的に冷却又は恒温保持することが可能である。
また、電解液の冷却のために電解槽自体を冷却する冷却水槽を必ずしも設ける必要がない等、全体として、小型化と低コスト化ができる利点があるほか、電解液の供給方向や供給自体の工夫により、電解液の撹拌や対象物の転動の効果をさらに高めることもできる。
さらに、研磨、洗浄、取出の各装置を処理ラインとして並設し、ホルダーの昇降や処理ライン上の移送、取出反転を検出することにより、研磨作業の大半を自動化できるため、作業者の負荷を大幅に軽減できるという効果がある。
上記以外の各構成の具体的な効果は発明の実施形態の説明中で詳述する。
本発明を適用した電解研磨装置の研磨部と洗浄部の配管の概略を示す説明図である。 本電解研磨装置の全体構造を示す透視正面図である。 本電解研磨装置の全体構造を示す透視側面図である。 処理ラインの要部を示す正断面図である。 取出部と供給部の構成を示す要部拡大正面図である。 取出部と供給部の構成を示す要部拡大側面図である。
図面は本発明の一実施形態を示し、図1は本発明の装置における(電解)研磨部Aと洗浄部Bの電解液、バブリングガス、洗浄水、有機溶剤洗浄液の供給及び排出経路の概略図であり、本実施形態では、各洗浄液は電解研磨装置内に備えた供給タンクから供給し、排液タンクに貯留するタイプのものが示されている。
研磨部Aには電解液(この例では塩酸)6が収容される電解槽1が設けられている。この電解槽1は例えば容量1000mL(注:以下「リットル」は「L」で表す))程度であり、槽外の供給配管2、排出配管3及び循環ポンプ4によって構成される供給・排出装置(循環路)に接続され、電解研磨中は循環ポンプ4によって例えば500mL/min程度の流量で電解液が循環供給される。符号7は上記循環路に設けられた排液バルブである。
上記電解槽1内の電解液6中には、例えば板厚2〜3mm、直径5〜8mm程度に打抜形成された電解研磨対象となる金属試料片(図示しない)が、電極を兼ねた白金製の籠型のホルダー8に収容されて浸漬されている。上記循環路の供給配管2側には冷却回路9を介して供給電解液を強制的に冷却又は恒温保持することができるチラー(冷却機)11が設けられている。
電解液は上記のように槽外から循環させることにより槽内で液流が生じる結果撹拌効果も伴うので、液の冷却(温度上昇防止)と対象物表面の均等な研磨に貢献するほか、必要に応じてチラー(冷却機)11により冷却することにより、さらに効果的な液温上昇の防止ができる。ちなみに、液温上昇の防止は、電解反応に伴う液温の上昇により対象物自体の温度上昇を招くと対象物の表面が酸化し易くなるために行われるものである。
電解槽1内の電解液中には、浸漬されたホルダー8(ホルダー8内の対象物)に向ってバブリングガス(対象物の酸化防止のために窒素などの非酸化性ガスが望ましく、アルゴンその他の不活性ガスがより望ましい)を上向きに噴出するノズル12が設置され、このノズル12は槽外のガス供給配管13に接続されている。このバブリングガスの噴出により対象物は転動や上下方向及び横方向に移動するため、全周面が均等に電解研磨される。加えて、対象物近傍の電解液6はバブリングガスの噴出により撹拌もされるため、対象物に接する電解液は常に新鮮に保たれ且つ電解反応に伴う電解液温の上昇も緩和される。さらには、電解液中に溶存する酸素を低減する、いわゆる「脱気」の効果も期待できる。上記バブリングガスの供給は例えば3L/min程度で行われる。
図1に示すように、ノズル12をガス供給配管13の代わりに電解液供給配管2と接続して、バブリングガスの代わりに電解液を選択的に対象物に向かって噴出させて対象物を転動や上下方向及び横方向に移動させることも可能である。上記のほか、対象物をより効率的に転動や上下方向及び横方向に移動させるために、ノズルから噴出する電解液の量や圧力を調整できるようにしたり、複数のノズルを使用して、ノズルに接続する循環回路に個別のポンプを持たせノズルから噴出する電解液の量や圧力を個別に調整できるようにしたり、それぞれの吹き出し方向、配置、吹き出しのタイミングや圧力などを調整することも可能である。また例えば、電解液の流動に指向性を持たせたり、渦流を起こしやすくさせるような先端形状を有するノズルを選択することも可能である。
ノズル12を複数取付けバブリングガスの噴出と電解液の噴出を組み合わせて、それぞれ別のノズルから同時または各々任意のタイミングで噴出させて対象物を転動や上下方向及び横方向に移動させる効果をさらに高めることもできる。
洗浄部Bには超音波振動装置(図示しない)を備えた超音波洗浄槽14が設けられ、この洗浄槽14内に超音波伝動媒体となる洗浄水16が収容され、この洗浄水16には対象物に付着した電解液を洗浄する精製水17と対象物に付着した水分を除去する有機溶剤(この例では、エタノール)18をそれぞれ収容する水洗浄槽19と溶剤洗浄槽21とが浸漬されている。この実施形態では各洗浄槽19、21は、共に188mLの容量のものを使用している。
本例では、各洗浄槽19、21に対してそれぞれ精製水17と有機溶剤18を供給するための供給タンク22、23がそれぞれ設けられ、いずれも洗浄槽19、21の上部側に開口する給液管24、26を介し、供給ポンプ27、28によってタンク22、23より給液される。また各洗浄槽19、21の底部に吸引口を開口する排液管29、31と排液ポンプ32、33により、各洗浄槽19、21に対応して設けられた排液タンク34、36に排出貯留される。各供給タンク22、23には液の下限を検出する下限センサー37が、排液タンク34、36には液の上限を検出する上限センサー38がそれぞれ設けられている。
電解槽1と水洗浄槽19にはオーバーフロー管39が設けられ、その排出端は前記排液タンク34に接続されており、溶剤洗浄槽21に設けられたオーバーフロー管41は排液タンク36に接続されている。上記各排液管29、31がそれぞれの洗浄槽19、21の底部に開口しているのは、洗浄によって生じた沈殿物等を早期に吸引排出するためである。なお本実施形態では、各洗浄液の給液、排液用のタンク及び排液タンクを電解研磨装置の中に設置しているが、これらを研磨装置とは別に定置形にし又はタンクを設けないタイプのものにすることも可能である。
本例では、上述のように洗浄部Bに給液排液配管系を備えており、供給ポンプ27、28及び排液ポンプ32、33をシーケンサ等により連動させて自動動作させることにより、精製水17や有機溶剤18を交換する煩雑なメンテナンス作業に伴う負荷を大幅に軽減できる。さらに予め設定した電解研磨回数毎に自動で給排液動作をさせれば、精製水17や有機溶剤18の汚染による対象物の汚染や再酸化を防ぐことができ、作業者は該メンテナンス作業を意識することなく、安定した電解研磨処理を連続して実施できる。例えば各供給タンク22、23の容量を10Lとすれば,容量188mLの各洗浄槽19、21に対して50回程度連続して供給できる。なお,各排液タンク34、36の容量は各供給タンク22、23の容量と同等以上であればよい。
次に図2〜図6に示す本発明の装置の具体例につき説明する。この電解研磨装置は、例えば幅600mm、奥行450mm、高さ1500mm程度のサイズのボックス状のフレーム51を備え、内部は中床52を介して上段の機械室51aと、下段の収納室51bに分かれている。
下段の収納室51bはさらに左右に区切られ、左室には操作用タッチパネル等を備えた操作パネル53その他の制御部(図示しない)、電解研磨用電源54等が収納されており、ドア付の右室には前述した供給タンク22、23及び排液タンク34、36が上下二段に分かれて出し入れ可能に収納されている。フレーム51の背面には前述したバブリングと、後述する対象物の取出時の洗浄液の吹き飛ばし及び酸化防止のための非酸化性ガスの吹き付けに用いる非酸化性ガス(望ましくはアルゴン等の不活性ガス)のボンベ56が設置されている。固定配管によりユーティリティとして非酸化性ガスの供給が受けられる場所に設置する場合には、ボンベ56を取り外して動作させることも可能である。
図2〜図4に示すように機械室51a内の中床52上には左側から電解槽1、水洗浄槽19及び溶剤洗浄槽21を収容する超音波洗浄槽14、取出部Cを構成する受取りホッパー57が右方向に並設されて全体として左右方向の処理ラインLを形成している。そして前述した白金製の籠状電極を兼ねて対象物を収容するホルダー8は、上下端が開放された上下方向の筒状のガイドシリンダー58の下部開放端に取付けられ、上記処理ラインLに沿って左右移動し且つ研磨部A、洗浄部B、取出部Cの上方で昇降移動可能に支持されている。すなわち、ホルダー8は処理ラインLに沿って左右動する時は上昇姿勢にあり、研磨部A、洗浄部Bで電解研磨作業中、洗浄中は下降姿勢にあり、図4に示すように取出部Cでは上昇位置にあって対象物を放出するために上下反転可能状態にある。
図4は処理ラインLの詳細を示す正面図で、電解槽1内ではホルダー8とともに電解液6に浸漬された対象物に対して、ノズル12が対向してバブリングを生じさせる状態を示し、この状態でホルダー8の外周には、リング状に形成された電極50が浸漬状態で保持されるように電解槽1側に取付け固定されている。
機械室51aの上方後部位置には左右方向に平行なガイドロッド60とスクリュー軸(ボールねじ)59及びスクリュー軸59を回転駆動するモーター61とを備えた移送装置62が設置され、上記ガイドロッド60、スクリュー軸59には、モーター61の正逆転によりガイドロッド60に沿って左右スライドするスライダー63が装着されている。前記ホルダー8のガイドシリンダー58は上下方向の昇降アクチュエータ(エアシリンダー)64を介してスライダー63に昇降可能に取付けられている。
符号55は、上記スライダー63の左右動に伴って湾曲状態を保持しながら伸縮変動する配線・配管用のハーネスであり、符号65も昇降アクチュエータ(エアシリンダー)64の作動に伴って追従伸縮するハーネスである。
さらに上記昇降アクチュエータ(エアシリンダー)64とガイドシリンダー58との間には、ガイドシリンダー58及びホルダー8を正面視上下反転駆動し、ホルダー8内の研磨対象物を漏斗状の受取りホッパー57内に放出させるための反転装置(ロータリーアクチュエータ)66が介設されている。
図5及び図6に示すように、上記受取りホッパー57の下方には正面に開閉カバー67を備え、閉蓋時には外部と遮蔽できるボックス状の取出室68が設けられ、該取出室68の天板には上記受取りホッパー57の下端を昇降スライド可能に挿入するガイド管69が設けられている。取出室68内の上記ガイド管69の下部開放端下方には開閉蓋71a付の取出カップ71が出し入れ可能に且つ開蓋状態で配置されている。
符号72は、上記ガイド管69を取出室68上で昇降スライド可能に支持するアクチュエータ(エアシリンダー)で、ガイド管69に取り付けた上下2段のフランジ70a、70bにより下降状態で取出室68及び取出カップ71を密閉し、上昇状態では両者を開放状態とし且つ取出カップ71を出し入れ可能な状態にするものである。上記受取りホッパー57の上方には、受取りホッパー57内側下方に向って非酸化性ガスを噴出し、ホルダー8より放出された対象物に付着した洗浄液を吹き飛ばし且つ取出室68をパージする吹付ノズル73(図4参照)が設けられている。
すなわち、電解研磨と洗浄が完了した研磨対象物は、取出部Cにおいて反転したホルダー8から受取りホッパー57内に放出されると、吹付ノズル73から噴出する非酸化性ガスによって対象物の表面に付着した洗浄液は瞬時に吹き飛ばされる。この非酸化性ガスは対象物とともに取出室68、取出カップ71内に導入される。この時、アクチュエータ72を下降状態として上記取出室68、取出カップ71をフランジ70a、70bにより密閉することにより、非酸化性ガスが充満する。アクチュエータ72を上昇状態とした後、取出カップ71の開閉蓋71aを閉じることにより、該対象物は、非酸化雰囲気中に保持されたまま取出される。ここで使用されるガスは例えば窒素などの非酸化性ガスであれば足りるが、この例では、大気(空気)よりも比重が大きい不活性ガスであるアルゴンが使用されており、且つより望ましい。
上記取出部Cの上方には、試料をホルダー8に投入供給する供給部Dが形成され、この供給部Dは受取りホッパー57の上方においてホルダー8及びガイドシリンダー58の上向き姿勢での待機位置上に上下方向に支持される投入管74が設けられ、この投入管74はフレーム51の処理ラインLの正面上部を覆う開閉カバー76に取付けられていて上部の開放端(投入口)は外部に露出し、対象物は開閉カバー76を閉じた状態で外部から投入する機構になっている。
また開閉カバー76を閉じた上記状態での投入管74の下端と、その下方にあるガイドシリンダー58の上端との間には、同芯位置で両者を連通させるパイプからなる導入管を兼ねた投入シャッター77が支持されている。この投入シャッター77は、図5及び図6で示すように、正面視左右方向に作動するエアシリンダー又はソレノイド等のアクチュエータ78により、フレーム51側に左右動可能に支持されて取付けられている。符号75は前記移送装置62を囲むことにより前記処理ラインLから隔離し、蒸散した電解液による腐食を防止するための隔壁であり、上記アクチュエータ78はこの隔壁75を介してフレーム51側に取付けられている。
上記投入シャッター77をアクチュエータ78により投入位置と投入待機位置とに切換えることにより、それぞれ試料の投入が可能な状態と不可能な状態とに切換えることができる。すなわち、投入シャッター77を正面視左端まで動かした状態では、投入シャッター77は投入管74、ガイドシリンダー58の両者と同芯位置で連通し、投入管74の上部から投入された対象物をガイドシリンダー58の下端にあるホルダー8に収容する。投入シャッター77を正面視右端まで動かした状態では、投入シャッター77はアクチュエータ78側へ退避して、投入管74の下端を塞いで新たな対象物が投入シャッター77上で待機できる状態にするとともに、投入管74とガイドシリンダー58の間に生じた空間において、反転装置(ロータリーアクチュエータ)66で上下反転させてもガイドシリンダー58が衝突することなく対象物を受取りホッパー57内へ放出する。
符号79は研磨部Aと洗浄部Bの下部正面を覆う開閉カバー、符号81はフレーム51の機械室51aの上部左端に設けられた操作スイッチパネルである。
上記装置による対象物(試料)の電解研磨は、装置の運転待機状態で、供給部Dの投入管74に対象物を投入してホルダー8がこれを受け取った後、スライダー63を処理ラインL上で作動させてホルダー8を研磨部A上に移送し、昇降アクチュエータ(エアシリンダー)64を下降作動させて電解液6中に対象物を浸漬、通電して電解研磨を行う。この電解研磨中に既に述べた電解液の流動、循環と非酸化性ガスによるバブリングの一方又は両方を行い、必要ならチラー(冷却機)11を作動、経由させて電解液の冷却を行う。
上記研磨終了後は昇降アクチュエータ(エアシリンダー)64によりホルダー8を上昇させ、次工程の洗浄部Bに横移動させ、水洗浄槽19と溶剤洗浄槽21で、それぞれホルダー8の昇降を伴って順次超音波洗浄を行い、次の取出部Cに移動して取出工程に移る。
取出工程では反転装置(ロータリーアクチュエータ)66により、ガイドシリンダー58及びホルダー8を上下反転させて受取りホッパー57に対象物を放出し、この時吹付ノズル73により、アルゴンガス等の非酸化性ガスを噴出させて対象物の表面に付着した洗浄液を吹き飛ばすとともに、非酸化性ガスは、対象物とともに、受取りホッパー57及びガイド管69を通って、取出室68内及び取出カップ71内に送られ、対象物を外部と遮断された非酸化雰囲気下で保持する。取出カップ71を閉蓋して取出室68より取出すことにより、対象物は非酸化雰囲気の中に保持されたまま次の分析工程へ移送される。
尚、上記装置においては、対象物の投入と取出しを除いては、いずれもアクチュエータを用いて作動させており、各作動部や変動部にセンサーやリミットスイッチを付設することにより、自動運転が可能になる。さらにロボットアーム等を活用して、電解研磨装置に対する対象物の投入や取出し、処理済み対象物の分析装置への移送、投入を自動化した機構などと組み合わせて、連続した電解研磨処理や自動分析に対応させてもよい。その他、本発明はこれら実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
本発明の電解研磨装置によれば、金属材料の分析試料の調製に適した均一且つ安定した電解研磨処理を実現できることから、研磨ムラに起因して酸素分析値が高めに出る問題は解消された。加えて本発明の電解研磨方法では、装置構造の簡略化及び小型化が図れるとともに、電解研磨作業に従事する作業者の運転及びメンテナンスに関わる負荷を自動運転で大幅に軽減できる。以上により、従来の電解研磨装置に関わる課題を,本発明により解決することができた。
1 電解槽
2 供給配管
3 排出配管
4 循環ポンプ
6 電解液
7 排液バルブ
8 ホルダー(電極)
9 冷却回路
11 チラー(冷却機)
12 ノズル
13 ガス供給配管
14 超音波洗浄槽
16 洗浄水
17 精製水
18 有機溶剤
19 水洗浄槽
21 溶剤洗浄槽
22 供給タンク
23 供給タンク
24 給液管
26 給液管
27 供給ポンプ
28 供給ポンプ
29 排液管
31 排液管
32 排液ポンプ
33 排液ポンプ
34 排液タンク
36 排液タンク
37 下限センサー
38 上限センサー
39 オーバーフロー管
41 オーバーフロー管
50 電極
51 フレーム
51a 機械室
51b 収納室
52 中床
53 操作パネル
54 電解研磨用電源
55 ハーネス
56 ボンベ
57 受取りホッパー
58 ガイドシリンダー
59 スクリュー軸(ボールねじ)
60 ガイドロッド
61 モーター
62 移送装置
63 スライダー
64 昇降アクチュエータ(エアシリンダー)
65 ハーネス
66 反転装置(ロータリーアクチュエータ)
67 開閉カバー
68 取出室
69 ガイド管
70a フランジ
70b フランジ
71 取出カップ
71a 開閉蓋
72 アクチュエータ(エアシリンダー)
73 吹付ノズル
74 投入管
75 隔壁
76 開閉カバー
77 投入シャッター
78 アクチュエータ
79 開閉カバー
81 操作スイッチパネル
A 研磨部
B 洗浄部
C 取出部
D 供給部
L 処理ライン

Claims (3)

  1. 電解液を収容し、該電解液中に電解研磨の対象物を浸漬して電解研磨を行う電解槽に対し、該電解槽内の電解液中で上記対象物に対してバブリングガスを噴出させてバブリングを行う噴出ノズルと、電解槽に対して電解液の供給・排出を同時に行う供給・排出装置とのいずれか一方又は両方を設置し、上記バブリング又は電解液の供給・排出のうち少なくとも一方により電解液内で対象物の転動又は姿勢変動をさせる電解研磨装置であって、前記電解槽と、電解研磨した対象物を洗浄する超音波洗浄槽と、洗浄後の対象物を取出す取出部とを並設して処理ラインを形成し、上記対象物を受取って収容し且つ電解槽と超音波洗浄槽上で昇降して浸漬するホルダーと、上記処理ライン上で該ホルダーを移送する移送装置と、取出部上でホルダーを反転回動させて対象物を取出部に放出する反転装置とを設けてなる電解研磨装置。
  2. 前記取出部の上方から内部に向かって非酸化性ガスを吹付ける吹付ノズルを設けた請求項に記載の電解研磨装置。
  3. 前記処理ラインの途中又は前記処理ラインの延長上にホルダーに対象物を投入する供給部を設けてなる請求項またはのいずれかに記載の電解研磨装置。
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