JP2018104691A - 高耐熱性ポリカーボネート樹脂及び成形体 - Google Patents

高耐熱性ポリカーボネート樹脂及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレンに由来する構成単位が少なくても、高い耐熱性を有する新規なポリカーボネート樹脂を提供する。【解決手段】ポリカーボネート樹脂が、下記式(1)で表される構成単位を含む。(式中、環Z1は縮合多環式アレーン環(ナフタレン環など)、R1及びR2はそれぞれ置換基、k及びmはそれぞれ0以上の整数を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、9,9−ビス(ヒドロキシ縮合多環式アリール)フルオレンに由来する構成単位を有する新規なポリカーボネート樹脂及びその製造方法、ポリカーボネート樹脂で形成された成形体(例えば、光学フィルム、光学レンズなどの光学用成形体)並びに前記構成単位を導入して耐熱性を向上する方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は、透明性や寸法安定性、機械的特性などが優れていることから、光学用成形体材料として利用されている。光学的特性に優れたポリカーボネート樹脂として、特開平10−101787号公報(特許文献1)には、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有する繰り返し単位を主として含むポリカーボネート樹脂が開示されている。引用文献1の実施例では、重合成分として2,2’−[9H−フルオレン−9−イリデンビス(4,1−フェニレンオキシ)]−ビスエタノール〔9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(略号:BPEF)〕などを用いたポリカーボネート樹脂を調製している。
特許文献1記載のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、145℃程度と比較的高い。しかし、高温環境下での製造や使用が想定される用途(例えば、車載用レンズなど)には適用できない場合がある。
特開2004−331688号公報(特許文献2)には、耐熱性及び熱安定性が良好で、複屈折が小さく、透明性に優れたポリカーボネート樹脂として、全芳香族ジヒドロキシ成分の50〜95モル%が9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(BCF)であり、50〜5モル%が一般的なビスフェノール類であるポリカーボネート共重合体が開示されている。特許文献2の実施例では、55モル%以上のBCFと、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」)や1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル]ベンゼン(「ビスフェノールM」)とを用いたポリカーボネート樹脂が調製されている。
特許文献2記載のポリカーボネート樹脂によれば、ガラス転移温度を高く設定することができる。しかし、そのためにはBCF由来の構成単位を多量に導入する必要があり、屈折率の向上には限界がある。
特開平10−101787号公報 特開2004−331688号公報
本発明の目的は、高温環境下での製造及び使用に耐え得る高い耐熱性と、高い屈折率とを有するポリカーボネート樹脂及びその製造方法、並びに前記ポリカーボネート樹脂を含む成形体(例えば、光学フィルム、光学レンズなど)を提供することにある。
本発明の他の目的は、高い耐熱性と低い複屈折とを両立することのできるポリカーボネート樹脂及びその製造方法、並びに前記ポリカーボネート樹脂を含む成形体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、耐熱性が高くても、光学部材(レンズなど)を容易に成形可能であり、かつ高い機械的特性を有するポリカーボネート樹脂及びその製造方法、並びに前記ポリカーボネート樹脂を含む成形体を提供することにある。
本発明の別の目的は、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンに由来する構成単位が少なくても、高い耐熱性を有するポリカーボネート樹脂及びその製造方法、前記ポリカーボネート樹脂を含む成形体(例えば、光学フィルム、光学レンズなど)、並びに前記構成単位を導入して耐熱性を向上する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、9,9−ビス(ヒドロキシ縮合多環式アリール)フルオレンを重合成分に含む新規なポリカーボネート樹脂が、耐熱性及び屈折率が高いことを見出し、本発明を完成した。さらに、本発明によれば、高耐熱性及び高屈折率と、低い複屈折という相反する特性を両立できる。
すなわち、本発明のポリカーボネート樹脂は、少なくとも下記式(1)で表される構成単位を含む。
Figure 2018104691
(式中、環Zは縮合多環式アレーン環、R及びRはそれぞれ置換基、k及びmはそれぞれ0以上の整数を示す)。
前記式(1)において、環Zはナフタレン環、RはC1−6アルキル基又はC6−12アリール基、mは0〜2の整数であってもよい。前記式(1)で表される構成単位の割合は、ポリカーボネート樹脂の構成単位全体に対して、1〜50モル%程度であってもよい。
前記ポリカーボネート樹脂は、さらに、下記式(2)及び/又は(3)で表される構成単位を含んでいてもよい。
Figure 2018104691
(式中、環Zはアレーン環、R及びRはそれぞれ置換基、n及びpはそれぞれ0以上の整数、Aはアルキレン基、qは1以上の整数を示す)。
Figure 2018104691
(式中、Xは直接結合又はアルキレン基、R及びRはそれぞれ置換基、Aはアルキレン基、rは0〜4の整数、sは0〜2の整数、tは0以上の整数を示す)。
前記式(2)において、環ZはC6−12アレーン環、RはC1−6アルキル基又はC6−12アリール基、pは0〜2程度の整数、Aは直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルキレン基、qは1〜10程度の整数であってもよい。
また、前記式(3)において、Xは直接結合又はアルキレン基、R及びRはそれぞれC1−6アルキル基又はC6−12アリール基、Aは直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルキレン基、rは0〜2程度の整数、sは0又は1、tは0〜10程度の整数であってもよい。
前記式(1)で表される構成単位と、前記式(2)及び(3)で表される構成単位の総量との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=5/95〜25/75程度であってもよい。また、前記式(2)で表される構成単位及び前記式(3)で表される構成単位の双方を含む場合、前記式(2)で表される構成単位と、前記式(3)で表される構成単位との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=20/80〜70/30程度であってもよい。
前記ポリカーボネート樹脂は、ガラス転移温度Tgが160〜200℃程度であってもよく、重量平均分子量Mwが2×10〜10×10程度であってもよく、温度20℃、波長589nmでの屈折率が1.64〜1.7程度であってもよく、温度20℃でのアッベ数が17〜23程度であってもよく、ガラス転移温度よりも10℃高い温度で3倍に延伸したフィルムにおける温度20℃、波長600nmでの複屈折(3倍複屈折)の絶対値が0.001×10−4〜75×10−4程度であってもよい。
本発明は、前記式(1)で表される構成単位を形成するための第1のジオール成分を含むジオール成分と、炭酸ジエステルとを反応させて、前記ポリカーボネート樹脂を製造する方法、及び前記ポリカーボネート樹脂を含む成形体(例えば、光学フィルム、光学シート又は光学レンズなど)を包含する。前記成形体は、例えば、車載用光学レンズなどの光学用部材であってもよい。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、用語「ポリカーボネート樹脂」は、主鎖の連結基としてカーボネート結合(炭酸エステル結合)を含む樹脂を意味する。すなわち、用語「ポリカーボネート樹脂」は、主鎖の連結基としてカーボネート結合のみで形成されたポリマーのみならず、カーボネート結合に加えてカーボネート結合以外の連結基(例えば、エステル結合など)を含むポリマー(例えば、ポリエステルカーボネートなど)も含む意味で用いる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、9,9−ビス(ヒドロキシ縮合多環式アリール)フルオレンに由来する構成単位を有するため、高い耐熱性及び屈折率を有している。
一般的に、樹脂の耐熱性や屈折率を向上させるには、例えば縮合多環式アレーン環骨格を導入する方法が知られているが、このような骨格を導入した樹脂はその複屈折の値が大きくなり易い。このように高い耐熱性及び屈折率と、低い複屈折とは、互いにトレードオフな関係にあるため、これらの特性をバランスよく充足するのは極めて困難であった。しかし、本発明のポリカーボネート樹脂によれば、相反するこれらの特性をバランスよく両立することができる。
また、ポリカーボネート樹脂は、ガラス転移温度Tgが所定の範囲に調整できるため、耐熱性が高いにもかかわらず、成形性が良好な状態を維持できる。それゆえ、光学部材(レンズなど)を容易に成形可能である。さらに、本発明のポリカーボネート樹脂を含む成形体は、高い機械的特性をも有している。
本発明によれば、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンに由来する構成単位の割合が少なくても耐熱性を向上できるため、屈折率や複屈折などの光学的特性を損なうことなく(悪影響を与えることなく)耐熱性を向上することもできる。
[ポリカーボネート樹脂]
(式(1)で表される構成単位)
本発明のポリカーボネート樹脂は、下記式(1)で表される構成単位(単に、第1の構成単位(1)ともいう)を含んでいる。
Figure 2018104691
(式中、環Zは縮合多環式アレーン環、R及びRはそれぞれ置換基、k及びmはそれぞれ0以上の整数を示す)。
前記式(1)において、環Zで表される縮合多環式アレーン環としては、例えば、縮合二環式アレーン環(例えば、ナフタレン環、インデン環などの縮合二環式C10−16アレーン環)、縮合三環式アレーン環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環など)などの縮合二乃至四環式アレーン環などが挙げられる。好ましい環Zとしては、ナフタレン環、アントラセン環などの縮合多環式C10−16アレーン環(好ましくは縮合多環式C10−14アレーン環)が挙げられ、特に、ナフタレン環が好ましい。フルオレン環の9位の炭素原子に接続する2つの環Zは、互いに種類が異なっていてもよいが、通常、同一である場合が多い。
また、フルオレン環の9位に対する環Zの置換位置は、特に制限されず、例えば、環Zがナフタレン環である場合、フルオレン環の9位に対して、ナフタレン環の1位又は2位のいずれの位置で置換(1−ナフチル又は2−ナフチルの関係で置換)してもよく、2位で置換するのが好ましい。
基Rで表される置換基としては、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基など)、アリール基(例えば、フェニル基などのC6−10アリール基など)など]、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)などが挙げられる。これらの基Rのうち、アルキル基(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基)、シアノ基、ハロゲン原子が好ましく、特にアルキル基(特に、メチル基などのC1−3アルキル基)が好ましい。
基Rの置換数kは、0以上の整数、例えば、0〜4程度の整数、好ましくは0〜2程度の整数、さらに好ましくは0又は1、特に0である。なお、フルオレン環を構成する2つの異なるベンゼン環において、置換数kは、互いに同一又は異なっていてもよい。また、基Rの種類は、フルオレン環を構成する2つの異なるベンゼン環において、互いに同一又は異なっていてもよく、kが2以上である場合、同一のベンゼン環に置換する2以上の基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、基Rの置換位置は、特に制限されず、例えば、フルオレン環の2位乃至7位(2位、3位及び7位など)であってもよい。
基Rで表される置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);炭化水素基{例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基など);シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC5−10シクロアルキル基など);アリール基[例えば、フェニル基、アルキルフェニル基(例えば、メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)など)、ビフェニリル基、ナフチル基などのC6−12アリール基など];アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)など};アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルコキシ基など);シクロアルキルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など);アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基など);アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基など);アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1−10アルキルチオ基など);シクロアルキルチオ基(例えば、シクロヘキシルチオ基などのC5−10シクロアルキルチオ基など);アリールチオ基(例えば、チオフェノキシ基などのC6−10アリールチオ基など);アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基など);アシル基(例えば、アセチル基などのC1−6アシル基など);ニトロ基;シアノ基;置換アミノ基[例えば、ジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジC1−4アルキルアミノ基など);ビス(アルキルカルボニル)アミノ基(例えば、ジアセチルアミノ基などのビス(C1−4アルキル−カルボニル)アミノ基など)など]などが挙げられる。
これらの基Rのうち、代表的には、ハロゲン原子、炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基)、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが挙げられる。好ましい基Rとしては、アルキル基(メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基など)、アリール基(フェニル基などのC6−12アリール基など)、アルコキシ基(メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルコキシ基など)、特に、アルキル基(特に、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基)、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基など)が挙げられる。
基Rの置換数mは、0以上の整数であればよく、環Zの種類に応じて適宜選択できる。例えば、0〜8程度であり、好ましくは0〜4、より好ましくは0〜3、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくは0又は1であって、なかでも0が好ましい。なお、フルオレン環の9位の炭素に結合する2つの環Zにおいて、それぞれの置換数mは、互いに同一又は異なっていてもよい。また、異なる2つの環Zに置換する基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。置換数mが2以上である場合、同一の環Zに置換する2以上の基Rの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。基Rの置換位置は、特に制限されず、環Zと、酸素原子(−O−)及びフルオレン環の9位との結合位置以外の位置に置換していればよい。
9,9−ビス縮合多環式アリールフルオレン骨格を連結するためのカーボネート結合を形成する酸素原子(−O−)及びエステル結合[−O−C(=O)−]の置換位置は、環Zとフルオレン環との結合位置以外の位置であれば、特に限定されず、例えば、環Zがナフタレン環である場合、通常、フルオレン環の9位に1位又は2位で結合するナフチル基の5〜8位のいずれかの位置に置換している場合が多く、フルオレン環の9位に対して、ナフタレン環の1位又は2位が置換し(1−ナフチル又は2−ナフチルの関係で置換し)、この置換位置に対して、1,5位、2,6位などの関係で置換しているのが好ましく、特に、2,6位の関係で置換しているのが好ましい。
第1の構成単位(1)として、代表的には、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシC10−14縮合多環式アリール)フルオレン[例えば、9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス(5−ヒドロキシ−1−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレンなど]などの第1のジオール成分に由来(又は対応)する単位などが挙げられる。
これらの第1の構成単位(1)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの第1の構成単位(1)のうち、9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン由来の単位が好ましく、特に、9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン由来の単位が好ましい。
第1の構成単位(1)の割合は、特に制限されず、ポリカーボネート樹脂の構成単位全体に対して、例えば、0.01〜100モル%程度の広い範囲から選択できる。好ましい範囲としては、以下、段階的に、0.1〜90モル%、0.5〜70モル%、1〜50モル%、3〜40モル%、5〜30モル%であって、より好ましくは8〜25モル%、特に好ましくは10〜20モル%である。
第1の構成単位(1)の割合が少なすぎると、耐熱性や屈折率を向上できないおそれがあるが、本発明では、第1の構成単位(1)の割合が比較的少なくても(構成単位全体に対して、例えば、50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは15モル%以下であっても)、意外にも耐熱性を大きく向上できる。そのため、第1の構成単位(1)の割合は、ポリカーボネート樹脂の構成単位全体に対して、例えば、2〜23モル%、好ましくは4〜18モル%、さらに好ましくは7〜13モル%程度であってもよい。また、本発明は、第1の構成単位(1)を、ポリカーボネート樹脂に(例えば、前記例示の割合などで)導入して、ポリカーボネート樹脂の耐熱性を向上する方法も包含する。このような方法により、第1の構成単位(1)の割合が少なくても、ポリカーボネート樹脂の耐熱性を向上できることから、ポリカーボネート樹脂の光学的特性などの他の特性のバランス(例えば、屈折率と複屈折とのバランスなど)に大きな影響を与えることなく、耐熱性を向上できる。
(式(2)で表される構成単位)
ポリカーボネート樹脂は、第1の構成単位(1)に加えて、さらに、下記式(2)で表される構成単位(単に、第2の構成単位(2)ともいう)を含んでいてもよい。第2の構成単位(2)を含むことにより、重合反応性のみならず、得られるポリカーボネート樹脂の耐熱性や光学的特性(高屈折率、低複屈折など)、成形性、機械的特性などの特性を向上できる。
Figure 2018104691
(式中、環Zはアレーン環、R及びRはそれぞれ置換基、n及びpはそれぞれ0以上の整数、Aはアルキレン基、qは1以上の整数を示す)。
前記式(2)において、環Zで表されるアレーン環(芳香族炭化水素環)としては、例えば、ベンゼン環などの単環式アレーン環、多環式アレーン環などが挙げられ、多環式アレーン環には、縮合多環式アレーン環(縮合多環式芳香族炭化水素環)、環集合アレーン環(環集合芳香族炭化水素環)などが含まれる。
縮合多環式アレーン環としては、例えば、縮合二環式アレーン環(例えば、ナフタレン環、インデン環などの縮合二環式C10−16アレーン環)、縮合三環式アレーン環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環など)などの縮合二乃至四環式アレーン環などが挙げられる。好ましい縮合多環式アレーン環としては、ナフタレン環、アントラセン環などの縮合多環式C10−16アレーン環(好ましくは縮合多環式C10−14アレーン環)が挙げられ、特に、ナフタレン環が好ましい。
環集合アレーン環としては、ビアレーン環(例えば、ビフェニル環、ビナフチル環、フェニルナフタレン環(1−フェニルナフタレン環、2−フェニルナフタレン環など)などのビC6−12アレーン環など)、テルアレーン環(例えば、テルフェニレン環などのテルC6−12アレーン環など)などが例示できる。好ましい環集合アレーン環は、ビC6−10アレーン環などが挙げられ、特にビフェニル環が好ましい。
2つの環Zの種類は、互いに同一又は異なっていてもよく、通常、同一であることが多い。環Zのうち、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環などのC6−12アレーン環などが好ましく、なかでもベンゼン環、ナフタレン環などのC6−10アレーン環が好ましく、特に、複屈折をより低減し易い点からはベンゼン環が、よりガラス転移温度を向上し、かつ高屈折率化できる点からはナフタレン環が好ましい。特に、高い耐熱性と低い複屈折とのバランスに優れる点からベンゼン環が好ましい。
なお、フルオレン環の9位に結合する環Zの置換位置は、特に限定されない。例えば、環Zがベンゼン環の場合、1〜6位のいずれかの位置であってもよく、環Zがナフタレン環の場合、1位又は2位のいずれかの位置であってもよく、環Zがビフェニル環の場合、2位、3位、4位のいずれかの位置であってもよい。
前記式(2)において、基Rは基Rに、基Rは基Rに、置換数nは置換数kに、pは置換数mに、それぞれ対応して前記式(1)で表される構成単位の項における例示と同様の基及び数値範囲が例示でき、好ましい態様を含めてそれぞれ同様であってもよい。
基Aで表されるアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、1,2−ブタンジイル基、テトラメチレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルキレン基などが挙げられ、光学的特性の観点から、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、さらに好ましくはエチレン基、プロピレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−3アルキレン基(特に、エチレン基)などが挙げられる。
オキシアルキレン基OAの繰り返し数(付加モル数)であるq(各基OAの繰り返し数)は、1以上の整数(例えば、1〜10の整数など)であればよいが、光学特性及び重合性の点から、例えば1〜3、好ましくは1〜2、さらに好ましくは1であってもよい。
両側の基Aは、それぞれ同一のアルキレン基であってもよく、異なるアルキレン基であってもよい。また、qが2以上のポリオキシアルキレン基であるとき、ポリオキシアルキレン基を構成する複数の基Aは異なるアルキレン基であってもよく、通常、同一のアルキレン基であってもよい。
ポリカーボネート樹脂の主鎖を形成するためのオキシアルキレン基(OA)含有基の置換位置は、環Zとフルオレン環との結合位置以外の位置であれば、特に限定されず、例えば、環Zがベンゼン環である場合、フルオレン環の9位に結合するフェニル基の2〜6位のいずれかの位置に置換していればよく、3〜5位(好ましくは4位)に置換している場合が多い。環Zがナフタレン環である場合、通常、フルオレン環の9位に1位又は2位で結合するナフチル基の5〜8位のいずれかの位置に置換している場合が多く、フルオレン環の9位に対して、ナフタレン環の1位又は2位が置換し(1−ナフチル又は2−ナフチルの関係で置換し)、この置換位置に対して、1,5位、2,6位(特に、2,6位)などの関係で置換しているのが好ましい。環Zがビフェニル環である場合、通常、フルオレン環の9位に3〜5位で結合するビフェニリル基の2位、6位及び3’〜5’位のいずれかの位置に置換している場合が多く、フルオレン環の9位に対して、ビフェニル環の3位又は4位が置換し(3−ビフェニリル又は4−ビフェニリルの関係で置換し)、この置換位置に対して、3,6位、2,4位(特に、3,6位)などの関係で置換しているのが好ましい。
第2の構成単位(2)として、代表的には、例えば、環Zがベンゼン環である9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル)フルオレン類{例えば、9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル]フルオレン[例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシフェニル]フルオレンなど];9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ−アルキルフェニル]フルオレン[例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシ−(モノ又はジ)C1−4アルキルフェニル]フルオレンなど];9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ−アリールフェニル]フルオレン[例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシ−C6−10アリールフェニル]フルオレンなど]など};環Zがナフタレン環である9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシナフチル)フルオレン類{例えば、9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシナフチル]フルオレン[例えば、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシナフチル]フルオレンなど]など}などの第2のジオール成分に由来(又は対応)する単位などが挙げられる。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「(ポリ)アルコキシ」とは、アルコキシ基及びポリアルコキシ基の双方を含む意味に用いる。
これらの第2の構成単位(2)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの第2の構成単位(2)のうち、9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシナフチル]フルオレンなどに由来の単位が好ましく、なかでも、複屈折をより低減し易い点からは、9,9−ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2−3アルコキシフェニル]フルオレン(特に、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]フルオレンなど)由来の単位が好ましく、よりガラス転移温度を向上し、かつ高屈折率化できる点からは、9,9−ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2−3アルコキシナフチル]フルオレン(特に、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレンなど)由来の単位が好ましい。
第2の構成単位(2)を含む場合、第1の構成単位(1)と第2の構成単位(2)との割合は、例えば、前者/後者(モル比)として、0.1/99.9〜90/10程度の広い範囲から選択できる。好ましい範囲としては、以下、段階的に、0.5/99.5〜70/30、1/99〜50/50、2/98〜40/60、3/97〜30/70、4/96〜25/75、5/95〜20/80であって、より好ましくは5/95〜15/85、さらに好ましくは7/93〜13/87である。第1の構成単位(1)が多すぎると、重合反応性が低下するおそれがあり、第2の構成単位(2)が多すぎると、耐熱性や屈折率が低下するおそれがある。
(式(3)で表される構成単位)
ポリカーボネート樹脂は、本発明の効果を害しない範囲において、さらに、下記式(3)で表される構成単位(単に、第3の構成単位(3)ともいう)を必要に応じて含んでいてもよい。第3の構成単位(3)を含むことにより、得られるポリカーボネート樹脂の光学的特性(高屈折率など)を向上し易くなる。
Figure 2018104691
(式中、Xは直接結合又はアルキレン基、R及びRはそれぞれ置換基、Aはアルキレン基、rは0〜4の整数、sは0〜2の整数、tは0以上の整数を示す)。
前記式(3)において、Xで表されるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、1,2−ブタンジイル基、テトラメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキレン基などが挙げられる。Xとしては、光学特性(例えば、高屈折率、低アッベ数、低複屈折など)の点から、直接結合、C1−2アルキレン基(例えば、メチレン基)が好ましく、特に、直接結合が好ましい。
置換基R及びRとしては、それぞれ、例えば、前記式(1)で例示の置換基Rと好ましい態様も含めて同様であってもよい。
置換基Rの置換数rは、0〜4の整数から選択でき、例えば、0〜3、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1(特に0)であってもよい。置換基Rの置換数sは、0〜2の整数から選択でき、例えば、0又は1、好ましくは0であってもよい。
なお、前記式(3)を構成する2つの異なるナフタレン環において、置換数r及び置換数sは、それぞれ互いに同一又は異なっていてもよく、基R及びRの種類は、置換数r、sに応じて互いに同一又は異なっていてもよい。また、同一のナフタレン環に2以上の基R及び/又は2以上の基Rが置換する場合(rが2以上及び/又はsが2である場合)、2以上の基Rの種類及び/又は2つの基Rの種類は、それぞれ互いに同一又は異なっていてもよい。
また、基Rの置換位置は特に制限されず、ナフタレン環の5位乃至8位(又は5’位乃至8’位)のうち、任意の位置に置換されていてもよい。基Rの置換位置は、オキシアルキレン基(OA)含有基及び連結基Xの置換位置以外の位置である限り、特に制限されない。
オキシアルキレン基(OA)を構成する基Aで表されるアルキレン基としては、例えば、前記式(2)で例示のアルキレン基Aと好ましい態様も含めて同一である。
オキシアルキレン基(OA)の繰り返し数tは、0以上の整数であればよく、好ましい範囲としては、以下、段階的に、0〜10、0〜3、0〜2であって、さらに好ましくは0又は1である。光学特性(高屈折率、低アッベ数、低複屈折など)及び耐熱性の点からは、繰り返し数tが特に0であるのが好ましく、着色を抑制できる点からは、繰り返し数tが特に1であるのが好ましい。
ポリカーボネート樹脂の主鎖を形成するオキシアルキレン基(OA)含有基の置換位置は、ナフタレン環の2位乃至4位(又は2’位乃至4’位)のいずれの位置であってもよいが、複屈折を低減できる点から、2位(又は2’位)が特に好ましい。
第3の構成単位(3)として、代表的には、例えば、Xが直接結合であるジヒドロキシ−1,1’−ビナフタレン類{例えば、ジヒドロキシ−1,1’−ビナフタレン(例えば、2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフタレンなど);ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ]−1,1’−ビナフタレン[例えば、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン、2,2’−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)−1,1’−ビナフタレン、2,2’−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]−1,1’−ビナフタレンなどの2,2’−ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2−4アルコキシ]−1,1’−ビナフタレンなど]など}などの第3のジオール成分に由来(又は対応)する単位などが挙げられる。
これらの第3の構成単位(3)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの第3の構成単位(3)のうち、光学特性(高屈折率、低アッベ数など)及び耐熱性を向上し易い観点からは、ジヒドロキシ−1,1’−ビナフタレン(特に、2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフタレンなど)に由来する単位が好ましく、着色を抑制できる観点からは、2,2’−ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2−4アルコキシ]−1,1’−ビナフタレン(特に、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンなどの2,2’−ビス[ヒドロキシ(モノ乃至トリ)C2−3アルコキシ]−1,1’−ビナフタレンなど)に由来の単位が好ましい。
第3の構成単位(3)を含む場合、第1の構成単位(1)と第3の構成単位(3)との割合は、例えば、前者/後者(モル比)として、0.1/99.9〜90/10程度の広い範囲から選択できる。好ましい範囲としては、以下、段階的に、0.5/99.5〜70/30、1/99〜50/50、5/95〜45/55、10/90〜40/60、12/88〜35/65、15/85〜30/70、8/92〜35/65であって、より好ましくは10/90〜25/75、さらに好ましくは12/88〜20/80である。第3の構成単位(3)の割合が多すぎると、耐熱性が低下するおそれがある。
本発明のポリカーボネート樹脂は、第1の構成単位(1)を少なくとも含んでおり、その他の構成単位としては特に限定されないが、例えば第2の構成単位(2)及び/又は第3の構成単位(3)を含んでいることが好ましい。
第1の構成単位(1)と、第2の構成単位(2)及び第3の構成単位(3)の総量との割合は、例えば、前者/後者(モル比)として、0.1/99.9〜99/1程度の広い範囲から選択できる。好ましい範囲としては、以下、段階的に、0.5/99.5〜90/10、1/99〜70/20、2/98〜50/50、3/97〜30/70、5/95〜25/75であって、より好ましくは7/93〜20/80、さらに好ましくは9/91〜15/85である。第1の構成単位(1)が少なすぎると、耐熱性や屈折率が低下するおそれがある。本発明では、第1の構成単位(1)の割合が比較的少なくても耐熱性や屈折率などの特性を向上し易いため、前記割合は、6/94〜13/87程度であってもよい。
第2の構成単位(2)及び第3の構成単位(3)のうち、いずれか一方のみを含んでいてもよく、双方を含んでいてもよいが、高い耐熱性及び屈折率と、低い複屈折とを高度にバランスよく充足できる点から、特に、第2の構成単位(2)を含むのが好ましい。
なお、第2の構成単位(2)及び第3の構成単位(3)の双方を含む場合、第2の構成単位(2)と第3の構成単位(3)との割合は、例えば、前者/後者(モル比)として、1/99〜99/1程度の広い範囲から選択できる。好ましい範囲としては、以下、段階的に、5/95〜90/10、10/90〜80/20、20/80〜70/30、30/70〜60/40、35/65〜55/45、25/75〜45/55であって、より好ましくは28/72〜40/60、さらに好ましくは30/70〜35/65である。第3の構成単位(3)の割合が多すぎると、耐熱性が低下するおそれがある。第1の構成単位(1)に加えて、前述のような割合で第2の構成単位(2)及び第3の構成単位(3)の双方を含むと、耐熱性、屈折率及び複屈折のバランスを容易に調整できる。
(その他の構成単位)
ポリカーボネート樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、前記式(1)〜(3)で表される構成単位の範囲に含まれない他の構成単位(単に、第4の構成単位(4)ともいう)を含んでいてもよい。第4の構成単位(4)として代表的には、例えば、前記式(1)において、環Zが縮合多環式アレーン環以外のアレーン環(ベンゼン環などの単環式アレーン環、ビフェニル環などの環集合アレーン環など)である構成単位[9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシ−(モノ又はジ)アルキルフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシ−アリールフェニル)フルオレンなどに由来(又は対応)する構成単位など];ポリカーボネート樹脂として利用される慣用の構成単位[ビフェノール;ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールAD)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノールS)などのビスフェノール類などに由来する構成単位など]などであってもよい。
これらの第4の構成単位(4)(第4のジオール成分に由来する構成単位)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。第4の構成単位(4)の割合は、ポリカーボネート樹脂の構成単位全体に対して、例えば、50モル%以下(例えば0.1〜50モル%)であってもよく、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下(特に5モル%以下)であってもよい。
[ポリカーボネート樹脂の製造方法]
本発明のポリカーボネート樹脂は、慣用の方法、例えば、ホスゲン法(溶剤法)やエステル交換法(溶融法)などにより、ジオール成分と、ホスゲン又は炭酸ジエステル(ジフェニルカーボネートなど)とを反応(重合又は縮合)させることにより製造できる。ジオール成分は、少なくとも前記式(1)で表される構成単位を形成するための第1のジオール成分を含んでいればよく、必要に応じて、さらに、第2〜第4のジオール成分を含んでいてもよい。これらの方法のうち、溶媒が不要である点などから、エステル交換法が好ましい。
エステル交換法において、炭酸ジエステルの割合は、ジオール成分1モルに対して、例えば、0.8〜1.5モル、好ましくは0.9〜1.2モル程度であってもよい。
エステル交換反応は、触媒の存在下で行ってもよい。触媒としては、エステル交換反応に利用される種々の触媒、例えば、含窒素化合物、金属化合物などが挙げられる。
含窒素化合物としては、例えば、第4級アンモニウムヒドロキシド(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド;トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシドなどのトリアルキル−アラルキルアンモニウムヒドロキシドなど);第3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン;ジメチルベンジルアミンなどのジメチル−アラルキルアミン;トリフェニルアミンなどのトリアリールアミンなど)などが挙げられる。
金属化合物としては、例えば、アルカリ金属(ナトリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)、遷移金属(マンガン、亜鉛、カドミウム、鉛、コバルト、チタンなど)、周期表第13族金属(アルミニウムなど)、周期表第14族金属(ゲルマニウムなど)、周期表第15族金属(アンチモンなど)などの金属を含む金属化合物が用いられる。より具体的には、例えば、前記金属のアルコキシド、有機酸塩(酢酸塩、プロピオン酸塩など)、無機酸塩(ホウ酸塩、炭酸塩など)、酸化物、水酸化物などが挙げられる。
これらの触媒は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの触媒のうち、第4級アンモニウムヒドロキシドなどの含窒素化合物が好ましく、なかでも、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。触媒の使用量は、例えば、ジオール成分1モルに対して0.01×10−4〜100×10−4モル、好ましくは0.1×10−4〜40×10−4モル程度であってもよい。
また、反応は、必要に応じて、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤など)などの添加剤の存在下で行ってもよい。
反応は、通常、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気中で行うことができる。また、反応は、減圧下(例えば、1×10〜1×10Pa程度)で行うこともできる。反応温度は、重合法に応じて選択でき、例えば、エステル交換法における反応温度は、例えば150〜320℃、好ましくは200〜310℃、さらに好ましくは250〜300℃程度であってもよい。特に、炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネートを使用する場合、高温減圧下でフェノールを留去しながら重縮合するのが有効である。
[ポリカーボネート樹脂の特性]
本発明のポリカーボネート樹脂は、第1の構成単位を含むため、高い耐熱性及び屈折率を有している。また、第1の構成単位に加えて、さらに、第2の構成単位を含むことにより、相反する特性である高い耐熱性と低い複屈折とを両立でき、成形性や機械的特性も向上できる。さらに、第3の構成単位を含むことにより、耐熱性と光学的特性(高屈折率、低アッベ数、低複屈折など)とをバランスよく有するポリカーボネート樹脂を形成できる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、高いガラス転移温度(Tg)を有しており、耐熱性に優れている。ポリカーボネート樹脂のTgは、通常、130℃以上、例えば、130〜250℃程度であってもよい。好ましい範囲としては、以下段階的に、140〜230℃、150〜220℃、155〜210℃程度であって、より好ましくは160〜200℃、さらに好ましくは165〜190℃程度であってもよい。
高い耐熱性のみならず良好な成形性も確保できる観点から、ポリカーボネート樹脂のTgは、例えば、155〜200℃、好ましくは158〜195℃、より好ましくは160〜190℃、さらに好ましくは162〜185℃、特に165〜180℃程度であるのが好ましい。本発明のポリカーボネート樹脂では、第1の構成単位などを上述の範囲で含めることにより、ガラス転移温度を、高い耐熱性と良好な成形性とを両立可能な範囲に容易に調整できる。それゆえ、本発明のポリカーボネート樹脂は、車載用光学レンズなどの高温環境下に晒されることが想定される用途において好適である。
本発明のポリカーボネート樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)において、ポリスチレン換算で、例えば、1.5×10〜50×10程度の範囲から選択できる。好ましい範囲としては、以下段階的に、例えば、2×10〜30×10、2×10〜20×10、2×10〜15×10、2×10〜10×10、2.5×10〜8×10程度であってもよく、より好ましくは3×10〜8×10、さらに好ましくは3.5×10〜7.5×10程度である。
本発明のポリカーボネート樹脂の温度20℃、波長589nmでの屈折率は、例えば、1.63〜1.75程度の範囲から選択できる。好ましい範囲としては、以下段階的に、例えば、1.64〜1.7、1.64〜1.695程度であって、より好ましくは1.645〜1.69程度であってもよい。特に、高屈折率が重要な用途において好ましい範囲としては、以下段階的に、例えば、1.65〜1.75、1.66〜1.72程度であって、より好ましくは1.67〜1.7、さらに好ましくは1.68〜1.695程度であってもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂の温度20℃でのアッベ数は、例えば23以下(例えば、17〜23程度)の範囲から選択でき、例えば、22.5以下(例えば、17〜21程度)、好ましくは20以下(例えば、17〜20程度)、さらに好ましくは19.5以下(例えば、17.5〜19.5程度)、特に19以下(例えば、18〜19程度)であってもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂の温度20℃、波長600nmでの複屈折(ガラス転移点よりも10℃高い温度で3倍に1軸延伸したフィルムにおける複屈折)の絶対値は、例えば、100×10−4以下(例えば、0.001×10−4〜75×10−4程度)の範囲から選択でき、例えば、60×10−4以下(例えば、0.005×10−4〜50×10−4程度)、好ましくは40×10−4以下(例えば、0.01×10−4〜30×10−4程度)、さらに好ましくは20×10−4以下(例えば、0.1×10−4〜10×10−4程度)、特に8×10−4以下(例えば、0.5×10−4〜5×10−4程度)、なかでも3×10−4以下(例えば、0.7×10−4〜2×10−4程度)であってもよい。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、この複屈折(3倍複屈折)は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
[成形体]
本発明の成形体は、前記ポリカーボネート樹脂を含み、優れた耐熱性及び光学的特性(高屈折率、低複屈折など)を有しているため、光学フィルム、光学レンズ、光学シートなどの光学用部材として利用できる。成形体の形状は、特に限定されず、例えば、一次元的構造(例えば、線状、糸状など)、二次元的構造(例えば、フィルム状、シート状、板状など)、三次元的構造(例えば、凹又は凸レンズ状、棒状、中空状(管状)など)などが挙げられる。
本発明の成形体は、各種添加剤[例えば、充填剤又は補強剤、着色剤(例えば、染顔料など)、導電剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、安定剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、離型剤、帯電防止剤、分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、表面改質剤、低応力化剤(例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、各種プラスチック粉末、各種エンジニアリングプラスチック粉末など)、炭素材など]を含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
成形体は、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、加圧成形法、キャスティング成形法などを利用して製造することができる。
特に、本発明のポリカーボネート樹脂は、種々の光学的特性に優れているため、フィルム(特に光学フィルム)を形成するのに有用である。そのため、本発明には、前記ポリカーボネート樹脂で形成されたフィルム(光学フィルム)も含まれる。
このようなフィルムの厚み(平均厚み)は1〜1000μm程度の範囲から用途に応じて選択でき、例えば1〜200μm、好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜120μm程度であってもよい。
このようなフィルム(光学フィルム)は、前記ポリカーボネート樹脂を、慣用の成膜方法、キャスティング法(溶剤キャスト法)、溶融押出法、カレンダー法などを用いて成膜(又は成形)することにより製造できる。
フィルムは、延伸フィルムであってもよい。本発明のフィルムは、延伸フィルムであっても、低複屈折を維持できる。なお、このような延伸フィルムは、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムのいずれであってもよい。
延伸倍率は、一軸延伸及び二軸延伸のいずれにおいても、延伸方向にそれぞれ1.1〜10倍(好ましくは1.2〜8倍、さらに好ましくは1.5〜6倍)程度であってもよく、通常1.1〜2.5倍(好ましくは1.2〜2.3倍、さらに好ましくは1.5〜2.2倍)程度であってもよい。なお、二軸延伸の場合、等延伸(例えば、縦横両方向に1.5〜5倍延伸)であっても、偏延伸(例えば、縦方向に1.1〜4倍、横方向に2〜6倍延伸)であってもよい。また、一軸延伸の場合、縦延伸(例えば、縦方向に2.5〜8倍延伸)であっても横延伸(例えば、横方向に1.2〜5倍延伸)であってもよい。
延伸フィルムの厚み(平均厚み)は、例えば1〜150μm、好ましくは3〜120μm、さらに好ましくは5〜100μm程度であってもよい。
なお、このような延伸フィルムは、成膜後のフィルム(又は未延伸フィルム)に、延伸処理を施すことにより得ることができる。延伸方法は、特に制限が無く、一軸延伸の場合、湿式延伸法又は乾式延伸法のいずれであってもよく、二軸延伸の場合、テンター法(フラット法ともいわれる)であってもチューブ法であってもよいが、延伸厚みの均一性に優れるテンター法が好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、用いた原料の略号及び詳細、並びに得られた樹脂又はフィルムの評価方法を以下に示す。
[原料]
BPEF:9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、大阪ガスケミカル(株)製
BNEF:9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(後述する合成例1によって合成)
BOPPEF:9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、大阪ガスケミカル(株)製
BNF:9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン、大阪ガスケミカル(株)製
BINOL:2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフタレン、東京化成工業(株)製
BINOL−2EO:2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(後述する合成例2によって合成)
DPC:ジフェニルカーボネート。
[分子量]
試料をクロロホルムに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製「HLC−8120GPC」)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
[ガラス転移温度(Tg)]
示差走査熱量計(セイコーインスツル(株)製「DSC 6220」)を用いて、アルミパンに試料を入れ、30〜200℃の範囲でガラス転移温度(Tg)を測定した。
[屈折率及びアッベ数]
試料を200〜240℃で熱プレスすることによって、厚みが10〜300μmのフィルムを成形した。このフィルムを縦20〜30mm×横10mmの短冊状に切り出し、試験片を得た。得られた試験片について、多波長アッベ屈折計((株)アタゴ製「DR−M2/1550」)を用いて、接触液にジヨードメタンを使用して、測定温度20℃、測定波長486nm(F線)、589nm(D線)、656nm(C線)における屈折率nF、nD、nCをそれぞれ測定した。なお、アッベ数は以下の式によって算出した。
アッベ数=(nD−1)/(nF−nC)。
[複屈折(又は3倍複屈折)]
試料を200〜240℃で熱プレスすることによって、厚みが200〜600μmのフィルムを成形した。このフィルムを10mm×50mmの短冊状に切り出し、Tg+10℃の温度条件下、25mm/分で延伸倍率が3倍となるように一軸延伸して試験片を得た。延伸した試験片を、位相差フィルム・光学材料検査装置(大塚電子(株)製「RETS−100」)を用いて、測定温度20℃、測定波長600nmの条件下、回転検光子法にてリタデーションを測定し、その絶対値を測定部位の厚みで除することで算出した。
[合成例1]BNEFの合成
1Lのセパラブルフラスコに、9−フルオレノン45g(0.25モル、大阪ガスケミカル(株)製)、エチレングリコールモノ(2−ナフチル)エーテル188g(1モル)、及び3−メルカプトプロピオン酸1gを投入した後に、60℃まで加温して完全に溶解させた。その後、硫酸54gを徐々に投入して、60℃を維持しつつ5時間攪拌したところ、HPLC(高速又は高性能液体クロマトグラフィー)にて9−フルオレノンの転化率が99%以上であることを確認できた。得られた反応液に48重量%水酸化ナトリウム水溶液を投入して中和した後、キシレン400gを添加して蒸留水にて数回洗浄し、冷却することで結晶を析出させた。さらに、ろ過して乾燥したところ、87g(収率67%)の結晶として、目的とする9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(BNEF)を得た。得られた結晶のHPLC純度を測定したところ、98.3%であった。なお、得られた結晶は、H−NMR及びマススペクトルにより、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(BNEF)であることを確認した。
[合成例2]BINOL−2EOの合成
1Lのセパラブルフラスコに、BINOL 89g(0.31モル)、炭酸カリウム86g(0.62モル)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)295gを投入し、100℃まで加温した後、DMF 112gにエチレンカーボネート110gを溶解した溶液を徐々に投入して、100℃を維持しつつ2時間撹拌した。HPLCにてBINOLの転化率が99%以上であることを確認できた。得られた反応液に蒸留水800gと酢酸エチル900gとを添加して、蒸留水にて数回洗浄し、減圧濃縮後、酢酸エチル/エタノール混合溶媒にて再結晶を行った。析出物をろ過して乾燥したところ、67g(収率58%)の結晶を得た。得られた結晶を分析した結果、HPLCによる純度が94.8%であり、H−NMR及びマススペクトルにより、目的化合物の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(BINOL−2EO)であることを確認した。
[実施例1]
ジオール成分としてBNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルと、DPC 1.05モルと、エステル交換触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2×10−4モルとを加え、撹拌しながら徐々に加熱溶融し、250℃まで昇温した後、10000Paまで段階的に減圧を行った。270℃、0.13kPa以下に到達するまで徐々に昇温、減圧しながらフェノールを除去した。所定の撹拌トルクに到達後、内容物を反応器から取り出し、ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットを、H−NMRにより分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の90モル%がBPEF由来であり、10モル%がBNF由来であった。
[実施例2]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BNF 0.15モル及びBPEF 0.85モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の15モル%がBNF由来であり、85モル%がBPEF由来であった。
[実施例3]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BNF 0.2モル及びBPEF 0.8モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の20モル%がBNF由来であり、80モル%がBPEF由来であった。
[実施例4]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BNF 0.25モル及びBPEF 0.75モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の25モル%がBNF由来であり、75モル%がBPEF由来であった。
[比較例1]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BPEF 1モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の100モル%がBPEF由来であった。
[実施例5]
ジオール成分のBPEF 0.90モルに代えて、BNEF 0.3モル及びBINOL 0.6モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の10モル%がBNF由来であり、30モル%がBNEF由来であり、60モル%がBINOL由来であった。
[実施例6]
ジオール成分のBPEF 0.90モルに代えて、BNEF 0.35モル及びBINOL 0.55モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の10モル%がBNF由来であり、35モル%がBNEF由来であり、55モル%がBINOL由来であった。
[実施例7]
ジオール成分のBPEF 0.90モルに代えて、BNEF 0.45モル及びBINOL 0.45モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の10モル%がBNF由来であり、45モル%がBNEF由来であり、45モル%がBINOL由来であった。
[実施例8]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BNF 0.2モル、BNEF 0.4モル及びBINOL 0.4モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の20モル%がBNF由来であり、40モル%がBNEF由来であり、40モル%がBINOL由来であった。
[比較例2]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BNEF 0.55モル及びBINOL 0.45モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の55モル%がBNEF由来であり、45モル%がBINOL由来であった。
[比較例3]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BNEF 0.45モル及びBINOL 0.55モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の45モル%がBNEF由来であり、55モル%がBINOL由来であった。
[比較例4]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BNEF 0.4モル及びBINOL 0.6モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の40モル%がBNEF由来であり、60モル%がBINOL由来であった。
[実施例9]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BNF 0.2モル、BNEF 0.3モル及びBINOL−2EO 0.5モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の20モル%がBNF由来であり、30モル%がBNEF由来であり、50モル%がBINOL−2EO由来であった。
[比較例5]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BNEF 0.5モル及びBINOL−2EO 0.5モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の50モル%がBNEF由来であり、50モル%がBINOL−2EO由来であった。
[比較例6]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BNEF 0.55モル及びBINOL−2EO 0.45モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の55モル%がBNEF由来であり、45モル%がBINOL−2EO由来であった。
[比較例7]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BNEF 0.7モル及びBINOL−2EO 0.3モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の70モル%がBNEF由来であり、30モル%がBINOL−2EO由来であった。
[比較例8]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BPEF 0.5モル及びBNEF 0.5モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の50モル%がBPEF由来であり、50モル%がBNEF由来であった。
[比較例9]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BOPPEF 0.5モル及びBNEF 0.5モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の50モル%がBOPPEF由来であり、50モル%がBNEF由来であった。
[比較例10]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BPEF 0.5モル及びBOPPEF 0.5モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の50モル%がBPEF由来であり、50モル%がBOPPEF由来であった。
[比較例11]
ジオール成分として、BNF 0.10モル及びBPEF 0.90モルに代えて、BOPPEF 1モルを使用する以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネート樹脂の構成単位の100モル%がBOPPEF由来であった。
実施例及び比較例で得られたポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tg、重量平均分子量Mw、屈折率、アッベ数、3倍複屈折を表1に示す。
Figure 2018104691
表1より明らかなように、前述の式(1)で表される構成単位(ジオール成分としてのBNF)を含むポリカーボネート樹脂を用いた実施例1〜4によれば、ジオール成分がBPEFのみである比較例1に比べて、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tgを著しく高くすることができた。実施例におけるBNF由来の単位の割合は、構成単位全体に対して、わずか10〜25モル%と低いにもかかわらず、比較例1に対してTgを約14〜29℃程度も向上できるのは、意外な結果であった。
また、実施例1〜4のポリカーボネート樹脂では、屈折率も比較例1に比べて向上できた。しかも、複屈折の程度を示す3倍複屈折も比較例1と同等程度か、より一層小さく優れた値であった。
一方、比較例2〜4、8〜10は、ジオール成分として、ナフタレン骨格及びエチレンオキシド骨格を有するBNEFと、ビナフチル骨格を有するBINOL又はBINOL−2EOとを併用した例である。これらのポリカーボネート樹脂では、ガラス転移温度Tgを高くすることができたものの、複屈折が大きくなった。
また、実施例1〜4(特に、実施例1)では、3倍複屈折が特に低く、高い屈折率及び耐熱性と低い複屈折とのバランスが優れていた。
本発明のポリカーボネート樹脂は、高い耐熱性及び優れた光学的特性(高屈折率、低複屈折、高透明性など)を有しており、さらに機械的特性などの各種特性にも優れている。そのため、本発明のポリカーボネート樹脂(又はその樹脂組成物)は、光学レンズ、光学フィルム、光学シート、ピックアップレンズ、プリズム、ホログラム、液晶用フィルム、有機EL用フィルムなどに好適に利用できる。また、本発明のポリカーボネート樹脂(又はその樹脂組成物)は、塗料、帯電防止剤、インキ、接着剤、粘着剤、樹脂充填材、帯電トレイ、導電シート、保護膜(例えば、電子機器、液晶部材などの保護膜など)、電気・電子材料(例えば、キャリア輸送剤、発光体、有機感光体、感熱記録材料、ホログラム記録材料など)、電気・電子部品又は機器(例えば、光ディスク、インクジェットプリンタ、デジタルペーパ、有機半導体レーザ、色素増感型太陽電池、EMIシールドフィルム、フォトクロミック材料、有機EL素子、カラーフィルタなど)用の樹脂、機械部品又は機器(例えば、自動車、航空・宇宙材料、センサ、摺動部材など)用の樹脂などに好適に利用できる。
特に、本発明のポリカーボネート樹脂は、光学的特性に優れているため、光学用途の成形体(光学用成形体)を構成するのに有用である。このような前記ポリカーボネート樹脂で構成された光学用成形体としては、例えば、光学フィルム、光学シート、光学レンズなどが挙げられる。
光学フィルムとしては、偏光フィルム(及びそれを構成する偏光素子と偏光板保護フィルム)、位相差フィルム、配向膜(配向フィルム)、視野角拡大(補償)フィルム、拡散板(フィルム)、プリズムシート、導光板、輝度向上フィルム、近赤外吸収フィルム、反射フィルム、反射防止(AR)フィルム、反射低減(LR)フィルム、アンチグレア(AG)フィルム、透明導電(ITO)フィルム、異方導電性フィルム(ACF)、電磁波遮蔽(EMI)フィルム、電極基板用フィルム、カラーフィルタ基板用フィルム、バリアフィルム、カラーフィルタ層、ブラックマトリクス層、光学フィルム同士の接着層もしくは離型層などが挙げられる。とりわけ、本発明のフィルムは、機器のディスプレイに用いる光学フィルムとして有用である。このような本発明の光学フィルムを備えたディスプレイ用部材(又はディスプレイ)としては、具体的には、パーソナル・コンピュータのモニタ、テレビジョン、情報端末(例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末など)、ゲーム機、カー・ナビゲーションシステム、タッチパネルなどFPD装置(例えば、LCD、PDPなど)などが挙げられる。
光学レンズとしては、例えば、カメラ用レンズなどの低アッベ数が要求されるレンズ[例えば、カメラ機能を有する小型機器(又はモバイル機器、例えば、携帯電話、デジタルカメラなど)に搭載されるレンズなど]などが挙げられる。特に、本発明のポリカーボネート樹脂は、高い耐熱性を有するため、車載用光学レンズなどの高温環境下における使用が想定される用途であっても好適に利用できる。

Claims (11)

  1. 下記式(1)
    Figure 2018104691
    (式中、環Zは縮合多環式アレーン環、R及びRはそれぞれ置換基、k及びmはそれぞれ0以上の整数を示す。)
    で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂。
  2. 式(1)において、環Zがナフタレン環、RがC1−6アルキル基又はC6−12アリール基、mが0〜2の整数である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  3. 式(1)で表される構成単位の割合が、ポリカーボネート樹脂の構成単位全体に対して、1〜50モル%である請求項1又は2記載のポリカーボネート樹脂。
  4. さらに、下記式(2)及び/又は(3)
    Figure 2018104691
    (式中、環Zはアレーン環、R及びRはそれぞれ置換基、n及びpはそれぞれ0以上の整数、Aはアルキレン基、qは1以上の整数を示す。)
    Figure 2018104691
    (式中、Xは直接結合又はアルキレン基、R及びRはそれぞれ置換基、Aはアルキレン基、rは0〜4の整数、sは0〜2の整数、tは0以上の整数を示す。)
    で表される構成単位を含む請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂。
  5. 式(2)において、環ZがC6−12アレーン環、RがC1−6アルキル基又はC6−12アリール基、pが0〜2の整数、Aが直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルキレン基、qが1〜10の整数であり、
    式(3)において、Xが直接結合又はアルキレン基、R及びRがそれぞれC1−6アルキル基又はC6−12アリール基、Aが直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルキレン基、rが0〜2の整数、sが0又は1、tが0〜10の整数である請求項4記載のポリカーボネート樹脂。
  6. 式(1)で表される構成単位と、式(2)及び(3)で表される構成単位の総量との割合が、前者/後者(モル比)=5/95〜25/75である請求項4又は5記載のポリカーボネート樹脂。
  7. 式(2)で表される構成単位と、式(3)で表される構成単位との割合が、前者/後者(モル比)=20/80〜70/30である請求項4〜6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂。
  8. 式(1)で表される構成単位を形成するための第1のジオール成分を含むジオール成分と、炭酸ジエステルとを反応させて、請求項1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を製造する方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を含む成形体。
  10. 光学用部材である請求項9記載の成形体。
  11. 車載用光学レンズである請求項9又は10記載の成形体。
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