JP2018100314A - 超高分子量ポリエチレンパウダー及びその製造方法 - Google Patents
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(1)工程;エチレンのスラリー重合を行い、超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを製造する重合工程。
(2)工程;超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを濾過器に移送し、溶媒と超高分子量ポリエチレンパウダーの濾別後、40℃以下の不活性ガスを濾過器内に流通し、超高分子量ポリエチレンパウダーを乾燥する工程。
GPC装置(東ソー(株)製、(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製、(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mLの濃度で調製し、0.3mL注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、Mw、Mnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
JIS Z8801に規定の篩(目開き;710μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、53μm)により超高分子量ポリエチレンパウダーを分級し、それぞれの篩上の粒子の重量と篩の目開きとの相関を示す粒子重量−粒径の積分曲線とし、該積分曲線における50重量%の粒径をメジアン径とした。さらに、上記の積分曲線における50重量%の粒径φ50と84重量%の粒径φ84によりlog(φ84/φ50)を標準偏差(σ)とした。
JIS K−6721:1997に従い測定した。
コニカミノルタ製分光測色計CM−5を用いて、全反射測定法にて測定した。
DSC(株式会社日立ハイテクサイエンス製、(商品名)DSC6220)を用い、α−アルミナをリファレンスとし、30℃をスタート温度とし、10℃/minの昇温速度でサンプルを220℃まで昇温させて1stスキャンでの融点を測定した。2ndスキャンの融点は1stスキャンで融解させたサンプルを−20℃まで冷却させ、10℃/minの昇温速度で再度昇温させながら測定した。
超高分子量ポリエチレンの評価用シートは以下の方法で成形した。すなわち、超高分子量ポリエチレンをポリエチレンテレフタレートフィルムに挟んで、190℃で、5分間予熱した後、190℃、プレス圧力20MPaの条件にて加熱圧延した。その後、金型温度110℃、10分間冷却し、厚さ0.3mmのプレスシートを作成した。
超高分子量ポリエチレンの評価用シートからダンベル型に切り出したサンプル(測定部の幅5mm)を、23℃にて48時間静置した後、引張試験機((株)エイ・アンド・ディー製、(商品名)テンシロンRTG−1210)にて、測定温度23℃、試験片の初期長さ20mm、引張速度20mm/分で引張試験をし、引張破断強度を求めた。
(1)有機変性粘土の調製
20リットルの容器に工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)6リットル及び蒸留水6リットルを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン;C22H45(CH3)2N(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンDM22D)848g(2.4mol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を2kg分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水1.2リットルで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより2.8kgの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
温度計と還流管が装着された5リットルのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土500gとヘキサンを1.4リットル入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを12.0g、及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液2.8リットルを添加して60℃で3時間攪拌した。1時間静置後、上澄み液を抜き取り、4.2リットルのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを4.2リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液加えてメタロセン系触媒の懸濁液を得た(固形重量分:14.1wt%)。
窒素置換した内容量1m3の反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を611g(固形分86.2g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。該濾過器にはガスの流入口と排出口が濾布面に対して対向方向付属しており、ガスが濾布を通過する構造となっており、流出口から排出口へ20℃の窒素を20m3/hrで12時間流し、乾燥を行うことで超高分子量ポリエチレンパウダー101kgを得た。
(1)有機変性粘土の調製
合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を水に分散させて、10%のコロイド液とし、回転ディスク式のスプレードライヤーで、アトマイザーの回転数を28,000rpm、熱風入口温度を280℃、熱風出口温度を110℃として、スプレードライを行い、メジアン径が12μmのヘクトライトを得た。次いで、20リットルの容器に工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)6リットル及び蒸留水6リットルを入れ、濃塩酸15.0g及びメチルジオレイルアミン;(C18H35)2CH3N(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンM2O)1.27kg(2.4mol)を添加し、45℃に加熱して、先のスプレードライをした合成ヘクトライトを2kg分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水1.2リットルで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより3.2kgの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土のメジアン径を14μmであった。
温度計と還流管が装着された5リットルのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土500gとヘキサンを1.4リットル入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを15.7g、及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液2.8リットルを添加して60℃で3時間攪拌した。1時間静置後、上澄み液を抜き取り、4.2リットルのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを4.2リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液加えてメタロセン系触媒の懸濁液を得た(固形重量分:14.3wt%)。
窒素置換した内容量1m3の反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を1030g(固形分147g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガスの流出口から排出口へ20℃の窒素を20m3/hrで12時間流し、乾燥を行うことで超高分子量ポリエチレンパウダー106kgを得た。
(1)有機変性粘土の調製
実施例1の(1)と同様に行った。
実施例1の(2)と同様に行った。
窒素置換した内容量1m3の反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を615g(固形分86.7g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガス流出口から排出口へ50℃の窒素を20m3/hrで12時間流し、乾燥を行うことで超高分子量ポリエチレンパウダー103kgを得た。
(1)有機変性粘土の調製
実施例2の(1)と同様に行った。
実施例2の(2)と同様に行った。
窒素置換した内容量1m3の反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を1030g(固形分147g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガス流出口から排出口へ50℃の窒素を20m3/hrで12時間流し、乾燥を行うことで超高分子量ポリエチレンパウダー105kgを得た。
(1)有機変性粘土の調製
実施例1と同様に行った。
温度計と還流管が装着された5リットルのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土500gとヘキサンを1.4リットル入れ、次いでビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドを7.8g、及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液2.8リットルを添加して60℃で3時間攪拌した。1時間静置後、上澄み液を抜き取り、4.2リットルのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを4.2リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液加えてメタロセン系触媒の懸濁液を得た(固形重量分:14.2wt%)
(3)ポリエチレンの製造
窒素置換した内容量1m3の反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を1056g(固形分150g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。240分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガス流出口から排出口へ50℃の窒素を20m3/hrで12時間流し、乾燥を行うことでポリエチレンパウダー107kgを得た。
(1)有機変性粘土の調製
20リットルの容器に工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)6リットル及び蒸留水6リットルを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン;C22H45(CH3)2N(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンDM22D)848g(2.4mol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を2kg分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水1.2リットルで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより2.8kgの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土は粉砕せず、そのまま粒径を測定したところ、メジアン径は27μmであった。
(1)のメジアン径27μmの有機変性粘土を用いた以外は、実施例1の(2)と同様に行った。
窒素置換した内容量1m3の反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を611g(固形分86.2g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを、実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガス流出口から排出口へ50℃の窒素を20m3/hrで12時間流したが、まだウエット状態であったため、さらに50℃の窒素を20m3/hrで12時間流して乾燥を行い、超高分子量ポリエチレンパウダー102kgを得た。
(1)有機変性粘土の調製
比較例4で得られた有機変性粘土をジェット粉砕して、メジアン径を0.9μmとした。
(1)のメジアン径0.9μmの有機変性粘土を用いた以外は、実施例1の(2)と同様に行った。
窒素置換した内容量1m3の反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を305g(固形分43.0g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを、実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガス流出口から排出口へ20℃の窒素を20m3/hrで12時間流し乾燥を行い、超高分子量ポリエチレンパウダー105kgを得た。
Claims (5)
- JIS Z8801に規定の篩(目開き;710μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、53μm)により分級し、粒子の重量と粒径(目開き)の相関を示す粒子重量−粒径の積分曲線における50重量%の粒径として示されるメジアン径が50μm以上300μm以下、JIS Z8781−4:2013に準拠したL*a*b*表色系におけるL*が96以上、a*が−1以上1以下、b*が−1以上1以下であることを特徴とする超高分子量ポリエチレンパウダー。
- 請求項1に記載の粒子重量−粒径の積分曲線における、50重量%の粒径φ50と84重量%の粒径φ84によりlog(φ84/φ50)として定義される標準偏差(σ)が0.15以下であることを特徴とする、請求項1に記載の超高分子量ポリエチレンパウダー。
- ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィにより標準ポリエチレン換算として測定される重量平均分子量が100万以上、分子量分布が4未満、示差走査型熱量測定装置による1stスキャンで測定される融点が140℃以上の超高分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の超高分子量ポリエチレンパウダー。
- 少なくとも下記(1)及び(2)の工程を経ることを特徴とする超高分子量ポリエチレンパウダーの製造方法。
(1)工程;エチレンのスラリー重合を行い、超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを製造する重合工程。
(2)工程;超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを濾過器に移送し、溶媒と超高分子量ポリエチレンパウダーの濾別後、40℃以下の不活性ガスを濾過器内に流通し、超高分子量ポリエチレンパウダーを乾燥する工程。 - 濾過器における不活性ガスの流入口と排出口が、濾布面に対して対向方向にあり、不活性ガスが濾布を透過する、ことを特徴とする請求項4に記載の超高分子量ポリエチレンパウダーの製造方法。
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