JP6801429B2 - 超高分子量ポリエチレンパウダー及びその製造方法 - Google Patents

超高分子量ポリエチレンパウダー及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超高分子量ポリエチレンパウダーに関するものであり、さらに詳細には、製造時等における乾燥工程等における酸化・劣化による着色が抑制され、成形品外観、性能に優れる製品を提供することが可能となる超高分子量ポリエチレンパウダーに関するものである。
従来、超高分子量ポリエチレンは、その粘度平均分子量(Mvと略記する場合がある。)が100万〜700万に達するため、通常のポリエチレンにはない耐衝撃性、自己潤滑性、耐薬品性、寸法安定性、軽量性、食品安定性等に優れるという効果を有することから、エンジニアリングプラスチックに匹敵する物性を有するものとして、射出成形、押出成形、圧縮成形等の各種成形法によって成形され、ライニング材、食品工業のライン部品、機械部品、スポーツ用品等の用途に用いられている。
しかし、通常のチーグラー触媒によって製造された超高分子量ポリエチレンは、重量平均分子量(Mwと略記する場合がある。)と数平均分子量(Mnと略記する場合がある。)との比(分子量分布(Mw/Mnと略記する場合がある)が5より大きく、超高分子量成分と低分子量成分が大量に混在した分子量分布の非常に大きいものであった。そして、超高分子量成分は成形体とする際の成形加工性を低下させるという悪影響を有していた。また、その一方で低分子量成分は、耐摩耗性等の機械物性を低下させたり、繊維にした場合に分子鎖末端数が増え、結晶化を阻害することにより、繊維の強度を下げる要因となる等、超高分子量ポリエチレンの特性を低下させる要因となっていた。
これらを解決する手段として、メタロセン系触媒を用いることにより分子量分布が、3.0以下である超高分子量ポリエチレンが提案されている(例えば特許文献1参照。)。
そして、チーグラー触媒、メタロセン系触媒による超高分子量ポリエチレンの重合は、スラリー重合によるのが一般的であるため、ポリエチレンパウダーと溶媒の分離工程及び乾燥・回収工程が必要となる。その際、乾燥・回収工程においては、短時間で効率よく乾燥させるため、温風を吹き込むか、あるいは溶媒を含んだ状態の超高分子量ポリエチレンパウダーを加熱乾燥することが一般的である。
特開平09−291112号公報
一般的なポリエチレンは130〜200℃程度で加熱・融解し、それを成形して使用される。その際の加熱温度が高ければ酸化による劣化が起こりやすくなる。分子量が100万以上である超高分子量ポリエチレンは、その分子量の高さゆえに融解しても加工困難なことが多い。そのため、通常のポリエチレンと比較して高めの温度で成形加工されることも多く、酸化による黄変が発生しやすいものとなる。
溶融加工時における酸化劣化抑制には、酸化防止剤の添加という方法が一般的ではあるが、通常の超高分子量ポリエチレンを溶融混錬によりペレット化を行うことは困難であり、パウダー状とすることが一般的である。
そして、このような超高分子量ポリエチレンパウダーと酸化防止剤とを均一に混合することは困難であるため、超高分子量ポリエチレンパウダーとして可能な限り熱履歴の影響を受けていない、着色が無い状態とすることが望まれていた。
そこで、本発明では、製造時等の乾燥工程等における酸化による着色が抑制され、成形品外観、性能に優れる製品を提供することが可能となる超高分子量ポリエチレンパウダーおよびその製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の粒径、色相を有する超高分子量ポリエチレンパウダーが、成形品外観、性能に優れる製品を提供することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、JIS Z8801に規定の篩(目開き;710μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、53μm)により分級し、粒子の重量と粒径(目開き)の相関を示す粒子重量−粒径の積分曲線における50重量%の粒径として示されるメジアン径が50μm以上300μm以下、JIS Z8781−4:2013に準拠したL表色系におけるLが96以上、aが−1以上1以下、bが−1以上1以下である超高分子量ポリエチレンパウダー及びその製造方法に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーは、メジアン径が50μm以上300μm以下であり、L表色系におけるLが96以上、aが−1以上1以下、bが−1以上1以下の超高分子量ポリエチレンパウダーである。
本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーは、メジアン径が50μm以上300μm以下のものであり、メジアン径が50μm未満である場合、パウダーの生産効率に劣るばかりか、パウダー特性が悪く、成形加工性にも劣るパウダーとなる。一方、メジアン径が300μmを超える場合、乾燥効率が著しく悪化することからパウダーは色相に劣ったり、乾燥が不十分なものとなる。そして、本発明におけるメジアン径は、JIS Z8801に規定の篩(目開き;710μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、53μm)により超高分子量ポリエチレンパウダーを分級し、それぞれの篩上の粒子の重量と篩の目開きとの相関を示す粒子重量−粒径の積分曲線とし、該積分曲線における50重量%の粒径をメジアン径とするものである。
そして、本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーにおいては、均一な乾燥を可能とし、乾燥ムラ、着色ムラの小さい超高分子量ポリエチレンパウダーとなることから、粒度分布は小さいものであることが好ましく、特に、上記の積分曲線における50重量%の粒径φ50と84重量%の粒径φ84によりlog(φ84/φ50)として定義される標準偏差(σ)が0.15以下であるものが好ましい。
本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーは、白色の指標として示されるL表色系において、Lが96以上、aが−1以上1以下、bが−1以上1以下であるものである。なお、該L表色系は、JIS Z8781−4:2013を準拠するものであり、Lは明度、aは色相、bは彩度を表わすものである。超高分子量ポリエチレンパウダーが、L、aまたはbのいずれかが上記範囲を外れるものである場合、白色度、色相に劣るものであり、品質に課題を有するものとなりやすいものである。該L表色系は、例えば積分球測定法による全反射測定として測定することができる。
本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーとしては、エチレンの単独重合体パウダーのみならず他のα−オレフィンとの共重合体パウダーであってもよく、該超高分子量ポリエチレンパウダーは、単独重合体パウダーのみならず共重合体パウダーも含む意味で用いられる。
本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーは、一般的にはスラリー重合法によって得られ、その際に用いる溶媒としては、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセンなどのオレフィンを溶媒として用いることもできる。また、共重合体としてはエチレ−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体である。
本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーは、超高分子量ポリエチレンを含んでなるものであり、該超高分子量ポリエチレンとしては、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィ(GPCと略記する場合がある。)により標準ポリエチレン換算として測定されるMwが100万以上のものであることが好ましく、Mw/Mnが4未満のものであることが好ましい。そして、このような超高分子量ポリエチレンとしては、メタロセン系触媒による超高分子量ポリエチレンであることが好ましい。
また、該超高分子量ポリエチレンとしては、示差走査型熱量計(DSCと略記する場合がある。)測定において、1stスキャンを昇温速度10℃/minで実施した際の融点が140℃以上となるものであることが好ましく、特により優れた機械的特性、耐摩耗性を発現するものとなることから、143℃以上であることが好ましい。
本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーの製造方法としては、該超高分子量ポリエチレンパウダーが得られる限り如何なる方法を用いてもよく、中でも、濾過工程と乾燥工程の1つの機器内で行うことにより、搬送の際に着色原因となる酸素との接触、含有を抑制することが可能となることから、例えば、少なくとも下記(1)及び(2)の工程を経る超高分子量ポリエチレンパウダーの製造方法を挙げることができる。
(1)工程;エチレンのスラリー重合を行い、超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを製造する重合工程。
(2)工程;超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを濾過器に移送し、溶媒と超高分子量ポリエチレンパウダーの濾別後、40℃以下の不活性ガスを濾過器内に流通し、超高分子量ポリエチレンパウダーを乾燥する工程。
該(1)工程の超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを製造する重合工程としては、特に制限はなく、例えば遷移金属化合物(A)、脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)及び有機アルミニウム化合物(C)より得られるメタロセン系触媒を用い、エチレン、α−オレフィンを溶媒中でスラリー重合する方法を用いることできる。
そして、該メタロセン系触媒を構成する該遷移金属化合物(A)としては、シクロペンタジエニル基とアミノ基を有するフルオレニル基で遷移金属をサンドイッチする構造をとると共に、架橋した構造を有する遷移金属化合物を挙げることができ、その具体例として、例えばジフェニルシランテトライル(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランテトライル(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランテトライル(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランテトライル(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドなどのジルコニウム化合物、ジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に変えた化合物や上記遷移金属化合物のジクロロ体をジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体に変えた化合物などを例示することができ、その中でも、超高分子量ポリエチレンパウダーを生産効率よく製造することが可能なポリエチレン製造用触媒系となることからジルコニウム系化合物またはハフニウム系化合物であることが好ましい。
該メタロセン系触媒を構成する有機変性粘土(B)は、脂肪族塩にて変性された有機変性粘土である。
そして、該脂肪族塩の具体例としては、例えばN,N−ジメチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン硫酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン硫酸塩等の脂肪族アミン塩;P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン硫酸塩等の脂肪族ホスフォニウム塩;等を挙げることができる。
また、該有機変性粘土(B)を構成する粘土化合物としては、粘土化合物の範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、一般的にシリカ四面体が二次元上に連続した四面体シートと、アルミナ八面体やマグネシア八面体等が二次元上に連続した八面体シートが1:1又は2:1で組合わさって構成されるシリケート層と呼ばれる層が何枚にも重なって形成され、一部のシリカ四面体のSiがAl、アルミナ八面体のAlがMg、マグネシア八面体のMgがLi等に同型置換されることにより層内部の正電荷が不足し、層全体として負電荷を帯びており、この負電荷を補償するために層間にはNaやCa2+等の陽イオンが存在しているものとして知られているものである。そして、該粘土化合物としては天然品、または合成品としてのカオリナイト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、脆雲母、縁泥石等が存在し、これらを用いることが可能であり、その中でも入手のしやすさと有機変性の容易さからスメクタイトが好ましく、特にスメクタイトのなかでもヘクトライトまたはモンモリロナイトがさらに好ましい。
該メタロセン系触媒の構成、重合溶媒中に含まれる有機アルミニウム化合物(C)は、有機アルミニウム化合物と称される範疇に属するものであれば如何なるものも用いることができ、その中でも、特に超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを生産効率よく製造することが可能なポリエチレン製造用触媒系となることから、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
そして、スラリー重合を行う際の溶媒としては、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセンなどのオレフィンを溶媒として用いることもできる。また、共重合を行う際のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等である。
該超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを製造する際の重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件については任意に選択可能であり、その中でも、効率よく超高分子量ポリエチレンパウダーを製造することが可能となることから重合温度30〜90℃、重合時間10秒〜20時間、重合圧力常圧〜100MPaの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて、2段以上に分けて行うことも可能である。
該(2)工程は、(1)工程により製造した超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを濾過器に移送し、溶媒と超高分子量ポリエチレンパウダーの濾別後、40℃以下の不活性ガスを濾過器内に流通し、超高分子量ポリエチレンパウダーを乾燥する工程であり、該工程、同一機器内での濾過・乾燥工程を経ることにより、色相に優れる本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーをより効率的に製造することが可能となるものである。
その際の濾過器としては、一般的に濾過器と称されるものでよく、濾過器内に用いる濾布については、材質は重合に用いる溶媒に対して耐性があれば特に制限はなく、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルが挙げられ、織り方も平織、綾織、朱子織いずれでも差し支えない。濾過の方式は加圧式、減圧式のいずれでも差し支えない。
該不活性ガスとしては、その範疇に属するものであれば如何なるものでもよく、中でも酸素濃度10体積%以下のガスであることが好ましく、特に本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーを効率よく得ることが可能となることから、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン等の希ガス類が挙げられる。その際の不活性ガスの流量としては、乾燥を効率よく行うことが可能となることから、超高分子量ポリエチレンパウダー1kgあたり、0.001〜0.1m/hrであることが好ましい。その際の不活性ガスは、色相優れる超高分子量ポリエチレンパウダーを効率よく得ることが可能となることから、40℃以下であることが好ましく、乾燥効率に優れることから0〜40℃であることが好ましい。
そして、不活性ガスの濾過器への導入法としては、効率よく超高分子量ポリエチレンパウダーの製造が可能となることから、濾過器における流入口と排出口が、濾布面に対して対向方向にあり、不活性ガスが濾布を透過するように導入することが好ましい。
本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーは、酸化による劣化に伴う着色がなく、さらに優れた機械的特性、耐摩耗性、成形性を保持しており、各種成形品の材料として用いることができる。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。なお、断りのない限り、用いた試薬等は市販品、あるいは既知の方法に従って合成したものを用いた。
有機変性粘土の粉砕にはジェットミル(セイシン企業社製、(商品名)CO−JET SYSTEM α MARK III)を用い、粉砕後の粒径はマイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、(商品名)MT3000)を用いてエタノールを分散剤として測定した。
メタロセン系触媒の調製、超高分子量ポリエチレンパウダーの製造および溶媒精製は全て不活性ガス雰囲気下で行った。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(20wt%)は東ソーファインケム(株)製を用いた。
さらに、実施例における超高分子量ポリエチレンパウダーの諸物性は、以下に示す方法により測定した。
〜Mw、MnおよびMw/Mnの測定〜
GPC装置(東ソー(株)製、(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製、(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mLの濃度で調製し、0.3mL注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、Mw、Mnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
〜超高分子量ポリエチレンパウダーのメジアン径及び標準偏差〜
JIS Z8801に規定の篩(目開き;710μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、53μm)により超高分子量ポリエチレンパウダーを分級し、それぞれの篩上の粒子の重量と篩の目開きとの相関を示す粒子重量−粒径の積分曲線とし、該積分曲線における50重量%の粒径をメジアン径とした。さらに、上記の積分曲線における50重量%の粒径φ50と84重量%の粒径φ84によりlog(φ84/φ50)を標準偏差(σ)とした。
〜嵩密度〜
JIS K−6721:1997に従い測定した。
〜パウダーのL表色系測定〜
コニカミノルタ製分光測色計CM−5を用いて、全反射測定法にて測定した。
〜融点測定〜
DSC(株式会社日立ハイテクサイエンス製、(商品名)DSC6220)を用い、α−アルミナをリファレンスとし、30℃をスタート温度とし、10℃/minの昇温速度でサンプルを220℃まで昇温させて1stスキャンでの融点を測定した。2ndスキャンの融点は1stスキャンで融解させたサンプルを−20℃まで冷却させ、10℃/minの昇温速度で再度昇温させながら測定した。
〜超高分子量ポリエチレンの評価用シートの作製〜
超高分子量ポリエチレンの評価用シートは以下の方法で成形した。すなわち、超高分子量ポリエチレンをポリエチレンテレフタレートフィルムに挟んで、190℃で、5分間予熱した後、190℃、プレス圧力20MPaの条件にて加熱圧延した。その後、金型温度110℃、10分間冷却し、厚さ0.3mmのプレスシートを作成した。
〜引張破断強度の測定〜
超高分子量ポリエチレンの評価用シートからダンベル型に切り出したサンプル(測定部の幅5mm)を、23℃にて48時間静置した後、引張試験機((株)エイ・アンド・ディー製、(商品名)テンシロンRTG−1210)にて、測定温度23℃、試験片の初期長さ20mm、引張速度20mm/分で引張試験をし、引張破断強度を求めた。
実施例1
(1)有機変性粘土の調製
20リットルの容器に工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)6リットル及び蒸留水6リットルを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン;C2245(CHN(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンDM22D)848g(2.4mol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を2kg分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水1.2リットルで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより2.8kgの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
(2)メタロセン系触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された5リットルのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土500gとヘキサンを1.4リットル入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを12.0g、及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液2.8リットルを添加して60℃で3時間攪拌した。1時間静置後、上澄み液を抜き取り、4.2リットルのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを4.2リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液加えてメタロセン系触媒の懸濁液を得た(固形重量分:14.1wt%)。
(3)超高分子量ポリエチレンパウダーの製造
窒素置換した内容量1mの反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を611g(固形分86.2g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。該濾過器にはガスの流入口と排出口が濾布面に対して対向方向付属しており、ガスが濾布を通過する構造となっており、流出口から排出口へ20℃の窒素を20m/hrで12時間流し、乾燥を行うことで超高分子量ポリエチレンパウダー101kgを得た。
この超高分子量ポリエチレンパウダーのMwは310万、Mw/Mnは3.4、嵩密度は440kg/m、メジアン径は141μm、標準偏差は0.13、融点(1stスキャン)は144.9℃、L表色系はLが99.21、aが0.06、bが−0.04であった。また、成形シートは白色であり、その引張破断強度は42MPaであった。
実施例2
(1)有機変性粘土の調製
合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を水に分散させて、10%のコロイド液とし、回転ディスク式のスプレードライヤーで、アトマイザーの回転数を28,000rpm、熱風入口温度を280℃、熱風出口温度を110℃として、スプレードライを行い、メジアン径が12μmのヘクトライトを得た。次いで、20リットルの容器に工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)6リットル及び蒸留水6リットルを入れ、濃塩酸15.0g及びメチルジオレイルアミン;(C1835CHN(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンM2O)1.27kg(2.4mol)を添加し、45℃に加熱して、先のスプレードライをした合成ヘクトライトを2kg分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水1.2リットルで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより3.2kgの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土のメジアン径を14μmであった。
(2)メタロセン系触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された5リットルのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土500gとヘキサンを1.4リットル入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを15.7g、及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液2.8リットルを添加して60℃で3時間攪拌した。1時間静置後、上澄み液を抜き取り、4.2リットルのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを4.2リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液加えてメタロセン系触媒の懸濁液を得た(固形重量分:14.3wt%)。
(3)超高分子量ポリエチレンパウダーの製造
窒素置換した内容量1mの反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を1030g(固形分147g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガスの流出口から排出口へ20℃の窒素を20m/hrで12時間流し、乾燥を行うことで超高分子量ポリエチレンパウダー106kgを得た。
この超高分子量ポリエチレンパウダーのMwは580万、Mw/Mnは3.8、嵩密度は380kg/m、メジアン径は150μm、標準偏差は0.13、融点(1stスキャン)は147.0℃、L表色系はLが99.78、aが0.03、bが0.02であった。また、成形シートは白色であり、その引張破断強度は53MPaであった。
比較例1
(1)有機変性粘土の調製
実施例1の(1)と同様に行った。
(2)メタロセン系触媒の懸濁液の調製
実施例1の(2)と同様に行った。
(3)超高分子量ポリエチレンパウダーの製造
窒素置換した内容量1mの反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を615g(固形分86.7g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガス流出口から排出口へ50℃の窒素を20m/hrで12時間流し、乾燥を行うことで超高分子量ポリエチレンパウダー103kgを得た。
この超高分子量ポリエチレンパウダーのMwは290万、Mw/Mnは3.5、嵩密度は430kg/m、メジアン径は145μm、標準偏差は0.12、融点(1stスキャン)は144.8℃、L表色系はLが94.94、aが−0.17、bが0.49であった。また、成形シートはややくすんだ黄色であり、その引張破断強度は35MPaであった。
比較例2
(1)有機変性粘土の調製
実施例2の(1)と同様に行った。
(2)メタロセン系触媒の懸濁液の調製
実施例2の(2)と同様に行った。
(3)超高分子量ポリエチレンの製造
窒素置換した内容量1mの反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を1030g(固形分147g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガス流出口から排出口へ50℃の窒素を20m/hrで12時間流し、乾燥を行うことで超高分子量ポリエチレンパウダー105kgを得た。
この超高分子量ポリエチレンパウダーのMwは570万、Mw/Mnは3.8、嵩密度は390kg/m、メジアン径は150μm、標準偏差は0.13、融点(1stスキャン)は146.8℃、L表色系はLが99.08、aが−0.97、bが−1.62であった。また、成形シートはかすかに青みがかってあり、その引張破断強度は34MPaであった。
比較例3
(1)有機変性粘土の調製
実施例1と同様に行った。
(2)メタロセン系触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された5リットルのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土500gとヘキサンを1.4リットル入れ、次いでビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドを7.8g、及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液2.8リットルを添加して60℃で3時間攪拌した。1時間静置後、上澄み液を抜き取り、4.2リットルのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを4.2リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液加えてメタロセン系触媒の懸濁液を得た(固形重量分:14.2wt%)
(3)ポリエチレンの製造
窒素置換した内容量1mの反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を1056g(固形分150g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。240分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガス流出口から排出口へ50℃の窒素を20m/hrで12時間流し、乾燥を行うことでポリエチレンパウダー107kgを得た。
このポリエチレンパウダーのMwは15万、Mw/Mnは3.8、嵩密度は400kg/m、メジアン径は145μm、標準偏差は0.13、融点(1stスキャン)は139.5℃、L表色系はLが94.85、aが−0.15、bが−0.21であった。また、成形シートはやや濁った白色であり、その引張破断強度は8MPaであった。
比較例4
(1)有機変性粘土の調製
20リットルの容器に工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)6リットル及び蒸留水6リットルを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン;C2245(CHN(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンDM22D)848g(2.4mol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を2kg分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水1.2リットルで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより2.8kgの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土は粉砕せず、そのまま粒径を測定したところ、メジアン径は27μmであった。
(2)メタロセン系触媒の懸濁液の調製
(1)のメジアン径27μmの有機変性粘土を用いた以外は、実施例1の(2)と同様に行った。
(3)超高分子量ポリエチレンの製造
窒素置換した内容量1mの反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を611g(固形分86.2g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを、実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガス流出口から排出口へ50℃の窒素を20m/hrで12時間流したが、まだウエット状態であったため、さらに50℃の窒素を20m/hrで12時間流して乾燥を行い、超高分子量ポリエチレンパウダー102kgを得た。
この超高分子量ポリエチレンパウダーのMwは300万、Mw/Mnは3.4、嵩密度は250kg/m、メジアン径は320μm、標準偏差は0.16、融点(1stスキャン)は144.8℃、L表色系はLが98.15、aが0.04、bが1.54であった。また、成形シートは黄変しており、その引張破断強度は34MPaであった。
比較例5
(1)有機変性粘土の調製
比較例4で得られた有機変性粘土をジェット粉砕して、メジアン径を0.9μmとした。
(2)メタロセン系触媒の懸濁液の調製
(1)のメジアン径0.9μmの有機変性粘土を用いた以外は、実施例1の(2)と同様に行った。
(3)ポリエチレンの製造
窒素置換した内容量1mの反応槽にヘキサンを600リットル及び20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.55リットル加え、25℃で30分攪拌後、(2)で得られたメタロセン系触媒の懸濁液を305g(固形分43.0g相当)加え、反応槽内の温度が60℃を保つように調整しつつ、分圧が0.38MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧及び冷却を行い、スラリーを、実施例1で用いたのと同じ濾過器に落とし、0.1MPaの窒素で加圧して、溶媒を濾別することで、超高分子量ポリエチレンパウダーケーキを得た。ガス流出口から排出口へ20℃の窒素を20m/hrで12時間流し乾燥を行い、超高分子量ポリエチレンパウダー105kgを得た。
この超高分子量ポリエチレンパウダーのMwは290万、Mw/Mnは3.6、嵩密度は430kg/m、メジアン径は48μm、標準偏差は0.16、融点(1stスキャン)は144.8℃、L表色系はLが99.22、aが0.03、bが0.04であった。また、帯電し易いパウダーであることから成形加工に時間を要した。成形シートは白色であったが、その引張破断強度は36MPaであった。
本発明の超高分子量ポリエチレンパウダーは、酸化による着色がなく、優れたパウダーモルフォロジー、機械的特性、耐摩耗性、成形性を有しており、各種成形品の材料として用いることができる。

Claims (5)

  1. JIS Z8801に規定の篩(目開き;710μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、53μm)により分級し、粒子の重量と粒径(目開き)の相関を示す粒子重量−粒径の積分曲線における50重量%の粒径として示されるメジアン径が50μm以上300μm以下、JIS Z8781−4:2013に準拠したL表色系におけるLが96以上、aが−1以上1以下、bが−1以上1以下であることを特徴とする超高分子量ポリエチレンパウダー。
  2. 請求項1に記載の粒子重量−粒径の積分曲線における、50重量%の粒径φ50と84重量%の粒径φ84によりlog(φ84/φ50)として定義される標準偏差(σ)が0.15以下であることを特徴とする、請求項1に記載の超高分子量ポリエチレンパウダー。
  3. ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィにより標準ポリエチレン換算として測定される重量平均分子量が100万以上、分子量分布が4未満、示差走査型熱量測定装置による1stスキャンで測定される融点が140℃以上の超高分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の超高分子量ポリエチレンパウダー。
  4. 少なくとも下記(1)及び(2)の工程を経ることを特徴とする超高分子量ポリエチレンパウダーの製造方法。
    (1)工程;エチレンのスラリー重合を行い、超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを製造する重合工程。
    (2)工程;超高分子量ポリエチレンパウダースラリーを濾過器に移送し、溶媒と超高分子量ポリエチレンパウダーの濾別後、40℃以下の不活性ガスを濾過器内に流通し、超高分子量ポリエチレンパウダーを乾燥する工程。
  5. 濾過器における不活性ガスの流入口と排出口が、濾布面に対して対向方向にあり、不活性ガスが濾布を透過する、ことを特徴とする請求項4に記載の超高分子量ポリエチレンパウダーの製造方法。
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