JP6590020B2 - 超高分子量ポリエチレン製切削薄膜 - Google Patents
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Description
(1)固有粘度([η])が15dl/g以上60dl/g以下、
(2)チタンの含有量が0.2ppm以下又は測定検出限界以下である。
TS≧1.35×Tm2−130 (a)
1.35×Tm2−130≦TS≦2×Tm2−175 (c)
なお、一般的なポリエチレンの引張破断強度は、最も高い高密度ポリエチレンでも45MPa程度と低いものである。また、従来の超高分子量ポリエチレンも、その高い分子量を十分生かすことができておらず、引張破断強度は一般的なポリエチレンと同等であり、50MPaを超えることはなかった。このため、高延伸倍率で圧延成形するなどにより配向させて、強度を高める方法がとられていた。
MTS≧0.11×[η] (b)
0.11×[η]≦MTS≦0.32×[η] (d)
該超高分子量ポリエチレン粒子は、特に粉体としての流動性に優れ、成形加工性、物性に優れる超高分子量ポリエチレン製切削薄膜となることから、(8)平均粒径が1μm以上1000μm以下であるものが好ましい。なお、平均粒径に関しては、例えばJIS Z8801で規定された標準篩を用いたふるい分け試験法等の方法により測定することができる。
ウベローデ型粘度計を用い、ODCB(オルトジクロルベンゼン)を溶媒として、135℃において、超高分子量ポリエチレン濃度0.005wt%で測定した。
JIS K6760(1995)に準拠した方法で測定した。
示差走査型熱量計(DSC)(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 (商品名)DSC6220)を用いて、0℃から10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温(1stスキャン)し1stスキャンの結晶融解ピーク(Tm1)の測定を行った。その後、5分間放置後、10℃/分の降温速度で−20℃まで降温し、5分間放置後、再度、10℃/分の昇温速度で−20℃から230℃まで昇温(2ndスキャン)し2ndスキャンの結晶融解ピーク(Tm2)を測定した。その際の超高分子量ポリエチレンのサンプル量は6mgとした。
超高分子量ポリエチレンを灰化し、アルカリ溶融して、調製した溶液を用いて、ICP発光分析装置((株)パーキンエルマー製、(商品名)Optima3000XL)により、超高分子量ポリエチレン中のチタン含有量を測定した。
JIS Z8801で規定された9種類の篩(目開き:710μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、53μm)を用いて、100gの超高分子量ポリエチレン粒子を分級した際に得られる各篩に残った粒子の重量を目開きの大きい側から積分した積分曲線において、50%の重量になる粒子径を測定することにより平均粒径を求めた。
超高分子量ポリエチレン粒子の評価用シートは以下の方法で成形した。すなわち、超高分子量ポリエチレン粒子をポリエチレンテレフタレートフィルムに挟んで、190℃で、5分間予熱した後、190℃、プレス圧力20MPaの条件にて加熱圧延した。その後、金型温度110℃、10分間冷却し、厚さ0.3mmのプレスシートを作成した。
超高分子量ポリエチレン粒子の評価用シートからダンベル型に切り出したサンプル(測定部の幅5mm)を、23℃にて48時間静置した後、引張試験機((株)エイ・アンド・ディー製、(商品名)テンシロンRTG−1210)にて、測定温度23℃、試験片の初期長さ20mm、引張速度20mm/分で引張試験をし、引張破断強度を求めた。
上記引張破断強度の測定に記載の方法によりダンベル型に切り出したサンプル(測定部の幅10mm)を、23℃にて48時間静置した後、引張試験機((株)エイ・アンド・ディー製、(商品名)テンシロンUMT2.5T)にて、150℃で、試験片の初期長さ10mm、引張速度20mm/分で引張試験をし、溶融延伸時の破断応力を求めた。歪み硬化が起き、延伸に伴い応力が増加した場合はその最大値を破断応力とし、歪み硬化が起きず、延伸しても応力が増加しない場合は、降伏後の平坦領域の応力を破断応力とした。
切削薄膜から幅100mm、長さ200mmの短冊状に切り出し、幅50mmのところに長さ方向に70mmの切れ込みを入れ、試験用サンプルとした。引張試験機((株)エイ・アンド・ディー製、(商品名)テンシロンRTG−1210)にて、測定温度23℃、つかみ具間距離50mm、試験速度200mm/分で、引裂強度を求めた。
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジオレイルメチルアミン(ライオン(株)製、(商品名)アーミンM20)64.2g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより160gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を7μmとした。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.795g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:11.7wt%)。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を356mg(固形分41.7mg相当)加え、45℃にした後、分圧が1.6MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで47.9gの超高分子量ポリエチレン粒子(1)を得た(活性:1150g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン粒子(1)の物性は表1に示す。
(1)有機変性粘土の調製
製造例1と同様に実施した。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.600g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:11.5wt%)。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を89.9mg(固形分10.3mg相当)加え、50℃に昇温後、1−ブテン1.0gを加え、分圧が1.1MPaになるようにエチレンを連続的に供給しスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで65.0gの超高分子量ポリエチレン粒子(2)を得た(活性:6300g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン粒子(2)の物性は表1に示す。
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン(株)製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより125gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を7μmとした。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを0.715g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:12.9wt%)。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を108.7mg(固形分14.0mg相当)加え、65℃に昇温後、分圧が1.3MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで130gの超高分子量ポリエチレン粒子(3)を得た(活性:9300g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン粒子(3)の物性は表1に示す。
(1)固体触媒成分の調製
温度計と還流管が装着された1リットルのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末50g(2.1モル)およびチタンテトラブトキシド210g(0.62モル)を入れ、ヨウ素2.5gを溶解したn−ブタノール320g(4.3モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下において140℃で2時間撹拌し、均一溶液とした。次いで、ヘキサン2100mlを加えた。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(1)で得られた固体触媒成分を4.2mg加え、80℃に昇温後、分圧が0.6MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで170gの超高分子量ポリエチレン(4)を得た(活性:51000g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン(4)の物性は表1に示す。
製造例1で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(1)を、190℃で予備加熱した後、プレス圧力を20MPaにして20分間、圧縮成形した。その後、110℃、プレス圧力10MPaで10分間冷却し、円柱状の圧縮成形体を作成し、この成形体からスカイブ加工にて厚さ0.5mmのシート状の超高分子量ポリエチレン製切削薄膜を作成した。得られた切削シート(薄膜)の引張破壊強度、引裂強度を表2に示す。
超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代りに、製造例4で製造した超高分子量ポリエチレン(4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により切削シート(薄膜)を製造した。得られた切削シート(薄膜)の引張強度、引裂強度を表2に示す。引張破断強度、引裂強度のいずれもが劣るものであった。
超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代りに、(商品名)ミリオン240M(三井化学(株)製)(以下、超高分子量ポリエチレン(5)と記す。)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により切削シート(薄膜)を製造した。得られた切削シート(薄膜)の引張強度、引裂強度を表2に示す。引張破断強度、引裂強度のいずれもが劣るものであった。
超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代りに、製造例2で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(2)を用い、実施例1と同様の方法により、超高分子量ポリエチレン製切削シート(薄膜)を製造した。得られた切削シート(薄膜)の引張破壊強度、引裂強度を表2に示す。
超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代りに、製造例3で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(3)を用い、実施例1と同様の方法により、超高分子量ポリエチレン製切削シート(薄膜)を製造した。得られた切削シート(薄膜)の引張破壊強度、引裂強度を表2に示す。
圧縮成形の際の温度を220℃としたこと、厚み0.2mmのフィルム状の切削薄膜としたこと以外は、実施例1と同様の方法により、超高分子量ポリエチレン製切削フィルム(薄膜)を製造した。得られた切削フィルム(薄膜)の引張破壊強度、引裂強度を表2に示す。
Claims (2)
- 少なくとも下記(1)、(2)に示す特性のいずれをも満足し、溶融圧縮成形物の切削加工体であることを特徴とする超高分子量ポリエチレン製切削薄膜。
(1)固有粘度([η])が15dl/g以上60dl/g以下、
(2)チタンの含有量が0.02ppm以下又は測定検出限界以下である。 - シート、フィルム、ガイドレール、テープ、チューブ、ソール及びライニング材からなる群より選択されるいずれかのものであることを特徴とする請求項1に記載の超高分子量ポリエチレン製切削薄膜。
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