JP6711022B2 - 超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体 - Google Patents
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Description
(1)固有粘度([η])が10dl/g以上80dl/g以下、
(2)嵩密度が130kg/m3以上700kg/m3以下、
(3)示差走査型熱量計(DSC)にて、0℃から10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温(1stスキャン)した際の1stスキャンの融点(Tm1)、その後、5分間放置後、10℃/分の降温速度で−20℃まで降温し、5分間放置後、再度、10℃/分の昇温速度で−20℃から230℃まで昇温(2ndスキャン)した際の2ndスキャンの融点(Tm2)をそれぞれ測定し、該Tm1と該Tm2の差(ΔTm=Tm1−Tm2)が9℃以上30℃以下。
空隙率(%)=(1−(見掛け比重)/(真比重))×100
との計算式により求めることもできる。
TS≧1.35×Tm2−130 (a)
1.35×Tm2−130≦TS≦2×Tm2−175 (c)
なお、一般的なポリエチレンの引張破断強度は、最も高い高密度ポリエチレンでも45MPa程度と低いものである。また、従来の超高分子量ポリエチレンも、その高い分子量を十分生かすことができておらず、引張破断強度は一般的なポリエチレンと同等であり、50MPaを超えることはなかった。
MTS≧0.079×[η] (b)
0.079×[η]≦MTS≦0.23×[η] (d)
該超高分子量ポリエチレン粒子は、特に粉体としての流動性に優れ、成形加工性、物性に優れる超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体となることから、(8)平均粒径が1μm以上1000μm以下であるものが好ましい。なお、平均粒径に関しては、例えばJIS Z8801で規定された標準篩を用いたふるい分け試験法等の方法により測定することができる。
ウベローデ型粘度計を用い、デカヒドロナフタレンを溶媒として、135℃において、超高分子量ポリエチレン濃度0.005wt%で測定した。
JIS K6760(1995)に準拠した方法で測定した。
示差走査型熱量計(DSC)(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 (商品名)DSC6220)を用いて、0℃から10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温(1stスキャン)し1stスキャンの結晶融解ピーク(Tm1)の測定を行った。その後、5分間放置後、10℃/分の降温速度で−20℃まで降温し、5分間放置後、再度、10℃/分の昇温速度で−20℃から230℃まで昇温(2ndスキャン)し2ndスキャンの結晶融解ピーク(Tm2)を測定した。その際の超高分子量ポリエチレンのサンプル量は6mgとした。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、GPCによって測定した。GPC装置((株)センシュー科学製 (商品名)SSC−7110)およびカラム(東ソー(株)製(商品名)TSKguardcolumnHHR(S)HT×1本、東ソー(株)製(商品名)TSKgelGMHHR−H(S)HT×2本)を用い、カラム温度を210℃に設定し、溶離液として1−クロロナフタレンを用いて測定した。測定試料は0.5mg/mlの濃度で調製し、0.2ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、分子量はQファクターを用いてポリエチレンの分子量に換算し値を求めた。
超高分子量ポリエチレンを灰化し、アルカリ溶融して、調製した溶液を用いて、ICP発光分析装置((株)パーキンエルマー製、(商品名)Optima3000XL)により、超高分子量ポリエチレン中のチタン含有量を測定した。
JIS Z8801で規定された9種類の篩(目開き:710μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、53μm)を用いて、100gの超高分子量ポリエチレン粒子を分級した際に得られる各篩に残った粒子の重量を目開きの大きい側から積分した積分曲線において、50%の重量になる粒子径を測定することにより平均粒径を求めた。
多孔質焼結体の成形に用いた超高分子量ポリエチレン粒子の評価用シートは以下の方法で成形した。すなわち、超高分子量ポリエチレン粒子をポリエチレンテレフタレートフィルムに挟んで、190℃で、5分間予熱した後、190℃、プレス圧力20MPaの条件にて加熱圧延した。その後、金型温度110℃、10分間冷却し、厚さ0.3mmのプレスシートを作成した。
多孔質焼結体の成形に用いた超高分子量ポリエチレン粒子の評価用シート、および多孔質焼結体からダンベル型に切り出したサンプル(測定部の幅5mm)を、23℃にて48時間静置した後、引張試験機((株)エイ・アンド・ディー製、(商品名)テンシロンRTG−1210)にて、測定温度23℃、試験片の初期長さ20mm、引張速度20mm/分で引張試験をし、引張破断強度を求めた。
上記引張破断強度の測定に記載の方法によりダンベル型に切り出したサンプル(測定部の幅10mm)を、23℃にて48時間静置した後、引張試験機((株)エイ・アンド・ディー製、(商品名)テンシロンUMT2.5T)にて、150℃で、試験片の初期長さ10mm、引張速度20mm/分で引張試験をし、溶融延伸時の破断応力を求めた。歪み硬化が起き、延伸に伴い応力が増加した場合はその最大値を破断応力とし、歪み硬化が起きず、延伸しても応力が増加しない場合は、降伏後の平坦領域の応力を破断応力とした。
多孔質焼結体の空隙率は、見かけ比重と真比重から下記式により求めた。なお、見掛け比重は、比重計(新光電子(株)製、(商品名)DME−220H)を用いて測定した。真比重は無孔の圧縮成形体を作成し、その密度から測定した。
空隙率=(1−(見掛け比重)/(真比重))×100
〜平均細孔径の算出〜
ミクロトームで切断した断面に金蒸着を施した後、走査型電子顕微鏡((株)キーエンス製、(商品名)VE−9800)により、倍率100倍で断面を観察し、得られたSEM写真の画像解析により細孔分布を求め、それを幾何対数分布関数に近似し、そのメジアン径を平均細孔径とした。
幅10mm、長さ100mmの短冊形に切り出した多孔質焼結体(測定部の幅40mm)を、23℃にて48時間静置した後、引張試験機((株)エイ・アンド・ディー製、(商品名)テンシロンUMT2.5T、3点法の曲げ物性測定用の治具に変更)にて、23℃にて、曲げ速度1mm/分にて曲げ試験をし、曲げ断性率を測定した。
熱収縮率は、5cm×5cmの微多孔膜を、110℃で1時間加熱し、室温24時間放冷した後の縦横の長さの変化率を算出し、その平均値とした。
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン(株)製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより125gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を7μmとした。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを0.715g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:12.9wt%)。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を108.7mg(固形分14.0mg相当)加え、65℃に昇温後、分圧が1.3MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで130gの超高分子量ポリエチレン粒子(1)を得た(活性:9300g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン粒子(1)の物性は表1に示す。なお、GPCで測定した、数平均分子量(Mn)は210万、重量平均分子量(Mw)は710万であり、Mw/Mnは3.4であった。
(1)有機変性粘土の調製
製造例1と同様に実施した。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを0.786g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:11.6wt%)。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を72.1mg(固形分8.4mg相当)加え、60℃にした後、1.3MPaになるように供給し、その後、分圧が1.3MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで75gの超高分子量ポリエチレン粒子(2)を得た(活性:8900g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン粒子(2)の物性は表1に示す。
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン(株)製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより125gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を7μmとした。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.600g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:11.5wt%)。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を182mg(固形分20.9mg相当)加え、55℃に昇温後、分圧が1.2MPaになるようにエチレンを連続的に供給しエチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで162gの超高分子量ポリエチレン粒子(3)を得た(活性:7750g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン(3)の物性は表1に示す。なお、GPCで測定した、数平均分子量(Mn)は134万、重量平均分子量(Mw)は470万であり、Mw/Mnは3.5であった。
(1)有機変性粘土の調製及び(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製は、製造例3と同様に実施した。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を105mg(固形分12.1mg相当)加え、60℃に昇温後、水素を150ppm含む水素/エチレン混合ガスを分圧が1.2MPaになるように供給し、その後、分圧が1.3MPa分圧になるようにエチレンを連続的に供給しスラリー重合を行った。210分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで82.0gの超高分子量ポリエチレン粒子(4)を得た(活性:6800g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン粒子(4)の物性は表1に示す。
(1)固体触媒成分の調製
温度計と還流管が装着された1リットルのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末50g(2.1モル)およびチタンテトラブトキシド210g(0.62モル)を入れ、ヨウ素2.5gを溶解したn−ブタノール320g(4.3モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下において140℃で2時間撹拌し、均一溶液とした。次いで、ヘキサン2100mlを加えた。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(1)で得られた固体触媒成分を4.2mg加え、80℃に昇温後、分圧が0.6MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで170gの超高分子量ポリエチレン(5)を得た(活性:51000g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン(5)の物性は表1に示す。なお、GPCで測定した、数平均分子量(Mn)は32万、重量平均分子量(Mw)は210万であり、Mw/Mnは6.6であった。
(1)有機変性粘土の調製
製造例1と同様に実施した。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライドを0.324g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:10.8wt%)。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を72.1mg(固形分8.4mg相当)加え、60℃にした後、1.3MPaになるように供給し、その後、分圧が1.3MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで75gのポリエチレン体粒子を得た(活性:8900g/g触媒)。得られたポリエチレン粒子(7)の固有粘度[η]は2dl/gであり、嵩密度は320kg/m3であった。物性を表1に示す。
(1)有機変性粘土の調製及び(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製は、製造例4と同様に実施した。
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を80.1mg(固形分9.3mg相当)加え、60℃にした後、ブテンを30g供給し、さらにエチレンを1.3MPaになるように供給し、その後、分圧が0.9MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで35gの超高分子量ポリエチレン粒子(8)を得た(活性:3800g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン粒子(8)の物性は表1に示す。なお、GPCで測定した、数平均分子量(Mn)は90万、重量平均分子量(Mw)は290万であり、Mw/Mnは3.2であった。
製造例1で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(1)20gを、幅10cm×奥行き10cmの金型に充填し、室温(23℃)で、金型のクリアランスが3.3mmになるように、プレス圧力をかけて2時間、加圧成形し、シート状の多孔質加圧成形体が得た。そして、この多孔質加圧成形体を170℃のオーブンにて、1.5時間加熱した後、放冷することにより、超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体を得た。得られた超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体の測定・評価結果を表2に示す。
製造例1で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代わりに、製造例5で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、多孔質焼結体の製造を試みたが、加圧成形後の多孔質加圧成形体の圧着性が悪く、焼結工程に搬送する際に崩壊し、焼結を行うことができなかった。
製造例5で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(5)20gを、幅10cm×奥行き10cmの金型に充填し、165℃で、金型のクリアランスが3.3mmになるように、プレス圧力をかけて5時間、加圧成形し、その後、放冷することにより、シート状の超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体を得た。得られた超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体の測定・評価結果を表2に示す。引張強度、曲げ弾性率が低く、熱収縮率が高かった。
製造例1で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代わりに、(商品名)ミリオン240M(三井化学(株)製)(以下、超高分子量ポリエチレン(6)と記す。)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、多孔質焼結体の製造を試みたが、加圧成形後の多孔質加圧成形体の圧着性が悪く、焼結工程に搬送する際に崩壊し、焼結を行うことができなかった。
超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代りに、製造例2で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(2)を用い、金型のクリアランスを2.7mmになるようにした以外は、実施例1と同様の方法により超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体を得た。得られた超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体の測定・評価結果を表2に示す。
超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代りに、製造例3で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(3)を用い、金型のクリアランスを2.8mmになるようにした以外は、実施例1と同様の方法により超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体を得た。得られた超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体の測定・評価結果を表2に示す。
製造例1で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代わりに、製造例4で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(4)を用い、オーブンの温度を165℃とした以外は、実施例1と同様の方法により多孔質焼結体を得た。得られた焼結体の測定・評価結果を表2に示す。
超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代りに、製造例1で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(1)19gと製造例4で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(4)1gをドライブレンドした粒子混合物を用い、金型のクリアランスを3.4mmになるようにした以外は、実施例1と同様の方法により超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体を得た。得られた超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体の測定・評価結果を表2に示す。
超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代りに、製造例1で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(1)19.4gと製造例6で製造したポリエチレン粒子(7)0.6gをドライブレンドした粒子混合物を用い、金型のクリアランスを3.1mmになるようにした以外は、実施例1と同様の方法により超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体を得た。得られた超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体の測定・評価結果を表2に示す。
超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代りに、製造例7で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(8)を用い、金型のクリアランスを3.2mmになるようにし、加熱温度を155℃とした以外は、実施例1と同様の方法により超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体を得た。得られた超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体の測定・評価結果を表2に示す。
超高分子量ポリエチレン粒子(1)の代りに、製造例2で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(2)18gと製造例7で製造した超高分子量ポリエチレン粒子(8)2gをドライブレンドした粒子混合物を用い、金型のクリアランスを3.3mmになるようにし、加熱温度を155℃とした以外は、実施例1と同様の方法により超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体を得た。得られた超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体の測定・評価結果を表2に示す。
Claims (9)
- 少なくとも下記(1)〜(3)に示す特性のいずれをも満足する超高分子量ポリエチレン粒子を用いてなる焼結体であって、空隙率が29〜44%、平均細孔径0.5〜50μmを有することを特徴とする超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体。
(1)固有粘度([η])が10dl/g以上80dl/g以下、
(2)嵩密度が332kg/m 3 以上415kg/m 3 以下、
(3)示差走査型熱量計(DSC)にて、0℃から10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温(1stスキャン)した際の1stスキャンの融点(Tm1)、その後、5分間放置後、10℃/分の降温速度で−20℃まで降温し、5分間放置後、再度、10℃/分の昇温速度で−20℃から230℃まで昇温(2ndスキャン)した際の2ndスキャンの融点(Tm2)のそれぞれを測定し、該Tm1と該Tm2の差(ΔTm=Tm1−Tm2)が9℃以上30℃以下。 - 少なくとも、固有粘度([η])が10dl/g以上80dl/g以下、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が4以下であることを満足する超高分子量ポリエチレン粒子を用いてなる焼結体であって、空隙率が29〜44%、平均細孔径0.5〜50μmを有することを特徴とする超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体。
- さらに、(4)チタンの含有量が0.2ppm以下又は測定検出限界以下である、ことをも満足する超高分子量ポリエチレン粒子を用いてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体。
- さらに、(5)プレス温度190℃、プレス圧力20MPaで加熱圧延した後、前記(3)により測定した2ndスキャンの融点(Tm2)より10℃〜30℃低い金型温度で冷却して成形したシートの引張破断強度(TS(MPa))が下記関係式(a)を満たす、ことをも満足する超高分子量ポリエチレン粒子を用いてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体。
TS≧1.35×Tm2−130 (a) - さらに、(6)加熱圧延成形したシートを、150℃で溶融延伸したときの破断応力(MTS(MPa))が2MPa以上である、ことをも満足する超高分子量ポリエチレン粒子を用いてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体。
- さらに、(7)前記(6)により測定した溶融延伸したときの破断応力(MTS(MPa))と固有粘度([η])が下記関係式(b)を満たす、ことをも満足する超高分子量ポリエチレン粒子を用いてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体。
MTS≧0.079×[η] (b) - 前記超高分子量ポリエチレン粒子100重量部に対して、固有粘度([η])が8dl/g以下であるポリエチレン粒子30重量部以下を配合してなる粒子混合物を用いてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体。
- 前記超高分子量ポリエチレン粒子の2種以上を用いてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体。
- 少なくとも前記超高分子量ポリエチレン粒子を、前記(3)に記載の1stスキャンの融点(Tm1)以下の温度で圧縮し、その後、該融点(該Tm1)以上の温度で加熱成形することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の超高分子量ポリエチレン製多孔質焼結体の製造方法。
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