JP2018093838A - 多孔質乾燥食品の製造方法及び多孔質乾燥食品製造装置 - Google Patents

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【課題】食感に優れた多孔質乾燥食品の製造方法及び多孔質乾燥食品製造装置を提供する。【課題を解決するための手段】本発明の一形態に係る多孔質乾燥食品の製造方法は、冷凍工程と、第一加熱乾燥工程と、真空乾燥工程と、第二加熱乾燥工程とを有する。上記冷凍工程では、食品である対象物を冷凍する。上記第一加熱乾燥工程では、冷凍された上記対象物を加熱し、上記対象物の表面に乾燥した層が形成されるように乾燥させる。上記真空乾燥工程では、上記第一加熱乾燥工程で乾燥された上記対象物を減圧環境下で乾燥させる。上記第二加熱乾燥工程では、真空乾燥工程で乾燥された上記対象物を加熱し、乾燥させる。【選択図】図2

Description

本発明は、乾燥食品、特に多数の微孔が形成された多孔質乾燥食品の製造方法及び多孔質乾燥食品製造装置に関する。
野菜、果実、肉類、魚類といった食品を乾燥食品に加工する種々の技術が開発されている。特に近年では、スナック食品としてそのまま食するに適した乾燥食品も普及しており、味や栄養価に加え、食感も重要となっている。食品に多数の微孔が形成された多孔質乾燥食品はサクサクとした食感が得られ、そのまま食するにも適している。
例えば特許文献1には野菜や果実といった食品に酵素処理を施した後、減圧環境化で乾燥させる多孔質乾燥食品の製造方法が開示されている。この製造方法では、酵素処理によって食品を構成する細胞を破壊することにより食品に多数の孔を形成し、食感に優れた多孔質乾燥食品を製造することが可能とされている。
特開平8−210号公報
上記特許文献1に記載の孔質乾燥食品の製造方法では、上述のように酵素処理が必要であり、酵素は細胞壁のセルロースに作用するとされている。したがって、肉類や魚類といった野菜や果実以外の食品に同様に適用することができない。本発明者らは検討の結果、酵素処理を要さず、種々の食品に適用することが可能な多孔質乾燥食品の製造技術を開発した。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、食感に優れた多孔質乾燥食品の製造方法及び多孔質乾燥食品製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る多孔質乾燥食品の製造方法は、冷凍工程と、第一加熱乾燥工程と、真空乾燥工程と、第二加熱乾燥工程とを有する。
上記冷凍工程では、食品である対象物を冷凍する。
上記第一加熱乾燥工程では、冷凍された上記対象物を加熱し、上記対象物の表面に乾燥した層が形成されるように乾燥させる。
上記真空乾燥工程では、上記第一加熱乾燥工程で乾燥された上記対象物を減圧環境下で乾燥させる。
上記第二加熱乾燥工程では、真空乾燥工程で乾燥された上記対象物を加熱し、乾燥させる。
この製造方法では、冷凍工程において対象物を冷凍することにより、対象物の組織を破壊し、第一加熱乾燥工程によって水分量を調整する。この状態で真空乾燥を行うことにより対象物を膨張(膨化)させ、第二加熱乾燥工程によって残存する水分を除去する。これにより、多数の微孔が形成された、食感に優れる多孔質乾燥食品を製造することができる。
上記冷凍工程では、上記対象物の温度を最大氷結晶生成温度帯に30分間以上維持してもよい。
対象物の温度を最大氷結晶生成温度帯(−1〜−5℃)に30分間以上維持する冷凍方法は緩慢冷凍と呼ばれ、同温度帯を30分未満で通過する急速冷凍とは区別される。対象物を緩慢冷凍によって冷凍することにより、対象物に含まれる氷結晶のサイズが大きくなり、対象物を構成する細胞が破壊される。これにより、対象物の食感を向上させることが可能である。
上記第一乾燥工程では、上記対象物に含まれる水分が含水率45wt%以上65wt%以下になるように上記対象物を乾燥させてもよい。含水率は、対象物の全体重量に対する水分重量の割合をいい、ここでは百分率で表す。
第一工程による水分の除去が不足し、65wt%を超える水分が対象物に含まれていると、真空乾燥工程における対象物の膨張が過膨張となり、対象物が破壊される。また、この工程による水分の除去が多すぎ、対象物の含水率が45wt%未満になると、膨張幅が小さく、又は膨張が生じない。このため、第一加熱乾燥工程における含水率は45wt%以上65wt%以下が好適である。
上記第一加熱乾燥工程では、上記対象物の温度が50℃以上60℃以下となるように上記対象物を加熱してもよい。
対象物の温度が60℃を超えると水分の除去が進行しすぎ、50℃未満であると乾燥時間が長くなるため、第一加熱乾燥工程における対象物の温度は50℃以上60℃以下が好適である。
上記第一加熱乾燥工程では、大気圧環境下で上記対象物に温風をあてて上記対象物を加熱してもよい。
上記第一加熱乾燥工程では、大気圧環境下又は減圧環境下でヒーターを用いて上記対象物を加熱してもよい。
上記第二加熱乾燥工程では、上記対象物に含まれる水分が含水率20wt%以下になるように上記対象物を乾燥させてもよい。
含水率が20wt%を超える水分が対象物に含まれていると、サクサクとした食感が得られず、また乾燥による食品の保存性が損なわれるため、第二加熱乾燥工程における含水率は20wt%以下、特に、15wt%以下が好適である。
上記第二加熱乾燥工程では、上記対象物を減圧環境下で加熱して乾燥させてもよい。
上記第二加熱乾燥工程では、上記対象物を10kpa以下の減圧環境下で乾燥させてもよい。
上記多孔質乾燥食品の製造方法は、上記対象物を冷凍する工程の前に、上記対象物を2mm以上10mm以下の厚さにスライスするスライス工程をさらに有してもよい。
対象物の厚さが2mm未満の場合、対象物に含まれる水分が少なく、真空乾燥工程における膨化が進行しない。また、対象物の厚さが10mmを超える場合、乾燥工程において水分の除去に多くの熱エネルギーと時間を要する。したがって、対象物の厚さは2mm以上10mm以下が好適である。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る多孔質乾燥食品製造装置は、乾燥室と、真空ポンプと、熱風発生機と、制御部とを具備する。
上記乾燥室は、食品である対象物を収容可能である。
上記真空ポンプは、上記乾燥室に接続され、上記乾燥室を真空排気する。
上記熱風発生機は、上記乾燥室に接続され、上記乾燥室に熱風を供給する。
上記制御部は、上記熱風発生機を制御し、冷凍された上記対象物を加熱し、上記対象物の表面に乾燥した層が形成されるように乾燥させ、上記真空ポンプを制御し、乾燥室内を真空排気することによって上記対象物を減圧環境下で乾燥させる。
この構成によれば、上述した多孔質乾燥食品の製造方法を実現することが可能である。
以上のように本発明によれば、食感に優れた多孔質乾燥食品の製造方法及び多孔質乾燥食品製造装置を提供することが可能である。
本発明の実施形態に係る多孔質乾燥食品製造装置の模式図である。 本発明の実施形態に係る多孔質乾燥食品製造方法の製造プロセスを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る多孔質乾燥食品製造方法で用いる緩慢冷凍を説明するためのグラフである。
[多孔質乾燥食品製造装置について]
本発明の実施形態に係る多孔質乾燥食品製造装置について説明する。本実施形態に係る多孔質乾燥食品製造装置は、食品を多孔質乾燥食品に加工する装置である。加工対象の食品(対象物)は特に限定されず、果実、野菜、根菜、魚類、肉類等のあらゆる食品であり、未調理でも調理済みであってもよい。
図1は、本実施形態に係る多孔質乾燥食品製造装置100の構成を示す模式図である。同図に示すように多孔質乾燥食品製造装置100は、乾燥室101、真空ポンプ102、熱風発生機103、乾燥棚104及び制御部105を備える。乾燥室101と真空ポンプ102及び熱風発生機103はそれぞれ配管によって接続され、配管には真空バルブVが設けられている。
乾燥室101は、真空環境の維持が可能な真空チャンバである。真空ポンプ102は乾燥室101に接続され、乾燥室101内を真空排気可能に構成されている。
熱風発生機103は乾燥室101に接続され、乾燥室101内に熱風を供給する。乾燥棚104は乾燥室101内に設けられ、対象物が載置される。制御部105は、真空ポンプ102、熱風発生機103及び真空バルブV等に接続され、これらを制御する。
多孔質乾燥食品製造装置100は以上のような構成を有する。多孔質乾燥食品製造装置100の構成はここに示すものに限られず、後述する多孔質乾燥食品の製造方法を実現できるものであればよい。
[多孔質乾燥食品の製造方法について]
本発明の実施形態に係る多孔質乾燥食品の製造方法ついて説明する。
図2は、本実施形態に係る多孔質乾燥食品製造方法の工程フローを示すフローチャートである。
最初に、対象物を所定の厚さにスライスする(スライス工程:St101)。この厚さは例えば2mm以上10mm以下であり、3mm以上8mm以下がより好適であり、特に7mmがより好適である。対象物の厚さが2mm未満の場合、対象物に含まれる水分が少なく、後述する膨化が進行しにくい。また、対象物の厚さが10mmを超える場合、後述する各乾燥工程において水分の除去に比較的多くの熱エネルギーと時間を要する。したがって、対象物の厚さは2mm以上10mm以下が好適であり、3mm以上8mm以下がより好適である。なお、対象物の厚さが薄い場合には、この工程は省略することができる。
続いて、対象物を緩慢冷凍によって冷凍する(緩慢冷凍工程:St102)。図3は、緩慢冷凍と急速冷凍の差異を示すグラフである。同図に示すように緩慢冷凍は、対象物の温度を次第に低下させる冷凍方法であり、対象物の温度が−1℃〜−5℃の最大氷結晶生成温度帯(図中D)を30分以上かけて通過するものである。急速冷凍は同図に示すように、最大氷結晶生成温度帯を30分未満で通過する冷凍方法である。
最大氷結晶生成温度帯は氷結晶の体積が成長する温度帯であり、緩慢冷凍では同温度帯の通過時間が長いため、氷結晶の体積が大きくなる。一方で急速冷凍では同温度帯の通過時間が短いため、氷結晶の体積は緩慢冷凍に比べて小さくなる。
本実施形態では、対象物を緩慢冷凍によって冷凍することにより、氷結晶の体積を大きくし、対象物を構成する細胞を破壊する。これによって対象物を軟化させる。緩慢冷凍の冷凍時間は6時間以上が好適である。
続いて、緩慢冷凍された対象物を加熱し、乾燥させる(第一加熱乾燥工程:St103)。これにより、対象物を解凍した後、水分を除去する。第一加熱乾燥工程では、対象物に含まれる水分が含水率45wt%以上65wt%以下になるように対象物を乾燥させる。
この工程は、緩慢冷凍された対象物を乾燥棚104に載置し、大気圧下で熱風発生機103から乾燥室101内に熱風を供給することによって行うことができる。この際、対象物が50℃以上60℃以下の温度となるように加熱することが好適である。対象物の温度が60℃を超えると水分の除去が進行しすぎ、50℃未満であると乾燥時間が長くなるためである。なお、熱風に代えて赤外線ランプ等のヒーターで対象物を加熱してもよい。
また、この加熱乾燥は、乾燥室101内を20kPa以上50kPa以下に減圧し、図示しないヒーターによって対象物を加熱し、対象物が45℃以上60℃以下の温度となるようにして行ってもよい。対象物の種類や厚さによって、加熱温度や加熱時間を調整し、含水率を45wt%以上65wt%以下にすることができる。
この加熱乾燥工程では、対象物表面から水分が蒸発すると、対象物内部から表面に水分が移動する。乾燥が進行すると、内部の水分が減少し、内部から表面への水分の移動速度が低下するため、対象物の表面に乾燥した層が形成される。この状態では対象物内部に若干の水分が含まれているが、本加熱乾燥工程はこの時点で終了させる。
続いて、対象物を真空乾燥により乾燥させる(真空乾燥工程:St104)。この工程は乾燥室101内を10kPa以下に減圧することによって行うことができる。乾燥室101内を急激に真空排気することによって対象物に含まれる水分が蒸気圧に達し、気化する。この際、対象物の体積が増加し、対象物が膨張(膨化)する。
続いて、対象物を加熱し、乾燥させる(第二加熱乾燥工程:St105)。これにより、対象物の含水率が20wt%以下、好ましくは、15wt%以下になるまで乾燥させる。
この工程では、乾燥室101内を真空ポンプ102によって真空排気することによって乾燥を行うことができる。また、乾燥室101内をヒーター等によって加熱して乾燥させてもよい。対象物の種類や厚さによって、加熱温度や加熱時間を調整し、含水率を15wt%以下にすることができる。
以上の工程によって、対象物の食品は多孔質乾燥食品となる。緩慢冷凍工程(St102)によって対象物を軟化させ、第一加熱乾燥工程(St103)によって水分量を調整した上で真空乾燥工程(St104)によって対象物を膨張させ、さらに、第二加熱乾燥工程(St105)によって水分を除去することにより、対象物を多孔質とすることができる。これにより、サクサクとした食感の多孔質乾燥食品を製造することができる。
上記製造方法は、ユーザが実施してもよく、制御部105が真空ポンプ102、熱風発生機103及び真空バルブV等を制御することによって実施してもよい。制御部105は、例えば対象物の重量変化に基づいて、上述の各工程を進行させるものとすることができる。
[含水率について]
上述のように第一加熱乾燥工程では、含水率が45wt%以上65wt%以下の範囲となるように対象物を乾燥させる。
この工程による水分の除去が不足し、65wt%を超える水分が対象物に含まれていると、真空乾燥工程(St104)における対象物の膨張が過膨張となり、対象物が破壊される。また、この工程による水分の除去が多すぎ、対象物の含水率が45wt%未満になると、膨張幅が小さく、又は膨化が生じない。このため、第一加熱乾燥工程における含水率は、45wt%以上65wt%以下が好適である。
また、上述のように第二加熱乾燥工程では、含水率が15wt%以下になるまで乾燥させる。この工程による水分の除去が不足し、含水率が20wt%を超える水分が対象物に含まれていると、サクサクとした(クリスピーな)食感が得られず、また乾燥による食品の保存性が損なわれる。このため、第二加熱乾燥工程における含水率は、15wt%以下が好適である。
なお、対象物に含まれる水分の測定は赤外線水分計を用いる乾燥減量法によって行うことができる。赤外線水分計は例えばFD−610(ケツト科学研究所製)を利用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の実施例及び比較例について説明する。
[実施例1]
生のバナナの皮を剥き、7mmの厚さにスライスし6時間以上冷凍(緩慢冷凍)した。バナナを凍結状態のまま、乾燥室に移し室内を温風で加熱乾燥(第一加熱乾燥)させた。
乾燥(第一加熱乾燥)させたバナナは厚さ4mm程度に収縮し、表面は乾き、内部には水分が残っている状態(含水率50〜60wt%)となった。この状態で乾燥室内を大気圧から5kPa以下に減圧した。これによりバナナ内部の水分が気化し、バナナは厚さ4mmから10mmまで膨張した(膨張率((乾燥後の厚さ/乾燥前の厚さ)×100)150%)。
膨張した状態のまま乾燥(第二加熱乾燥)させ、含水率10wt%前後の多孔質乾燥バナナを得た。この多孔質乾燥バナナの内部をマイクロスコープ(VHX5000:キーエンス社製)で観察すると、径0.5mm前後の多数の空隙が確認された。喫食したところ、サクサクとした食感であった。
[実施例2]
生のバナナの皮を剥き、7mmの厚さにスライスし6時間以上冷凍(緩慢冷凍)した。バナナを凍結状態のまま、乾燥室に移し室内の圧力を減圧調整(50kPa〜20kPa)しながら赤外線ヒーターで加熱乾燥(第一加熱乾燥)させた。
乾燥(第一乾燥)させたバナナは厚さ4mm程度に収縮し、表面は乾き、内部には水分が残っている状態(含水率50〜60wt%)となった。この状態で乾燥室内を5kPa以下に減圧した。これによりバナナ内部の水分が気化し、バナナは厚さ4mmから10mmまで膨張した(膨張率150%)。
膨張した状態のまま乾燥(第二加熱乾燥)させ、含水率10wt%前後の多孔質乾燥バナナを得た。この多孔質乾燥バナナの内部をマイクロスコープ(VHX5000:キーエンス社製)で観察すると、径0.5mm前後の多数の空隙が確認された。喫食したところ、サクサクとした食感であった。
[実施例3]
生のバナナの皮を剥き、10mmの厚さにスライスした。以下、上記実施例1と同様に製造した。第二加熱乾燥工程の後、得られた多孔質乾燥バナナの含水率は実施例1に比較して5%程度高く、実施例1に比較してサクサクとした食感がやや劣っていた。乾燥をさらに2時間行うことにより実施例1と同様の食感が得られた。
[実施例4]
生のバナナの皮を剥き、2mmの厚さにスライスした。以下、上記実施例1と同様に製造した。第一加熱乾燥工程の時点でバナナ内部の水分が少なくなり、真空乾燥工程による膨張の程度は実施例1よりも小さかった。第二加熱乾燥工程の後、得られた多孔質乾燥バナナは実施例1に比較してサクサクとした食感がやや劣っていた。
[実施例5]
生のバナナの皮を剥き、7mmの厚さにスライスした。実施例1と同様に緩慢冷凍した後、実施例1より長時間の条件で第一加熱乾燥を行い、バナナの含水率を40wt%とした。以後は実施例1と同様の条件で真空乾燥及び第二加熱乾燥を行った。得られた多孔質乾燥バナナは、実施例1と比較して表面に厚く、硬い乾燥層が形成されており、膨化による膨張率は70%程度であった。実施例1に比べて内部組織はやや緻密であり、サクサクとした食感もやや劣っていた。
[実施例6]
生のバナナの皮を剥き、7mmの厚さにスライスした。実施例1と同様に緩慢冷凍した後、実施例1より短時間の条件で第一加熱乾燥を行い、バナナの含水率を66wt%とした。以後は実施例1と同様の条件で真空乾燥及び第二加熱乾燥を行った。得られた多孔質乾燥バナナは、実施例1と比較して表面の状態は同様であったが、含水率が実施例1と比較してやや高かった。膨化による膨張率は150%程度であり、所々に破裂が生じていた。喫食したところ、実施例1と比較してサクサクとした食感がやや劣っていた。
[比較例1]
生のバナナの皮を剥き、7mmの厚さにスライスした。緩慢冷凍を実施せず、以後は実施例1と同様の条件で第一加熱乾燥、真空乾燥及び第二加熱乾燥を行った。緩慢冷凍を行っていないためバナナが軟化せず、その影響から真空乾燥による膨張率は50%程度であった。食感も実施例1と比較して硬く、多孔質乾燥バナナは得られなかった。
[比較例2]
生のバナナの皮を剥き、7mmの厚さにスライスした。実施例1と同様に緩慢冷凍した後、第一加熱乾燥を行わず、バナナの含水率を75wt%、表面に乾燥層が形成しない条件で実施例1と同様の真空乾燥を行ったところ、表面から発泡して破壊されたため、多孔質乾燥バナナは得られなかった。
表1に、実施例1〜6及び比較例1,2に係る多孔質乾燥食品製造方法の製造条件及び評価結果を示す。
Figure 2018093838
以上のように、実施例1〜6によれば食感に優れた多孔質乾燥バナナを製造することが可能であった。また、スライスによる食品の厚みは3mm以上8mm以下が好適であり、第一加熱乾燥工程による含水率は45wt%から65wt%が好適であることが確認された。
なお、本発明の適用によって、バナナの他、以下の各食品で多孔質乾燥食品が得られた。
果実類:イチゴ、柑橘類(レモン、ポンカン、タンカン、キンカン)、リンゴ、パインアップル、キウイフルーツ、ブドウ、アボカド、マンゴー、スイカ、メロン
野菜類:葉茎菜類(ホウレンソウ、コマツナ、キャベツ)、根菜類(ニンジン、カブ、ダイコン、ゴボウ)、土物類(サツマイモ、ジャカイモ、タマネギ)、果菜類(トマト、カボチャ、ゴーヤ、オクラ)、香辛つま物類(トウガラシ)
豆類:納豆
魚類:エバ雑魚(回遊魚)
100…多孔質乾燥食品製造装置
101…乾燥室
102…真空ポンプ
103…熱風発生機
104…乾燥棚
105…制御部

Claims (11)

  1. 食品である対象物を冷凍する冷凍工程と、
    冷凍された前記対象物を加熱し、前記対象物の表面に乾燥した層が形成されるように乾燥させる第一加熱乾燥工程と、
    前記第一加熱乾燥工程で乾燥された前記対象物を減圧環境下で乾燥させる真空乾燥工程と、
    前記真空乾燥工程で乾燥された前記対象物を加熱し、乾燥させる第二加熱乾燥工程と
    を有する多孔質乾燥食品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の多孔質乾燥食品の製造方法であって、
    前記冷凍工程では、前記対象物の温度を最大氷結晶生成温度帯に30分間以上維持する
    多孔質乾燥食品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の多孔質乾燥食品の製造方法であって、
    前記第一加熱乾燥工程では、前記対象物に含まれる水分が含水率45wt%以上65wt%以下になるように前記対象物を乾燥させる
    多孔質乾燥食品の製造方法。
  4. 請求項1から3のうちいずれか一つに記載の多孔質乾燥食品の製造方法であって、
    前記第一加熱乾燥工程では、前記対象物の温度が50℃以上60℃以下となるように前記対象物を加熱する
    多孔質乾燥食品の製造方法。
  5. 請求項1から4のうちいずれか一つに記載の多孔質乾燥食品の製造方法であって、
    前記第一加熱乾燥工程では、大気圧環境下で前記対象物に温風をあてて前記対象物を加熱する
    多孔質乾燥食品の製造方法。
  6. 請求項1から4のうちいずれか一つに記載の多孔質乾燥食品の製造方法であって、
    前記第一加熱乾燥工程では、大気圧環境下又は減圧環境下でヒーターを用いて前記対象物を加熱する
    多孔質乾燥食品の製造方法。
  7. 請求項1から6のうちいずれか一つに記載の多孔質乾燥食品の製造方法であって、
    前記第二加熱乾燥工程では、前記対象物に含まれる水分が含水率20wt%以下になるように前記対象物を乾燥させる
    多孔質乾燥食品の製造方法。
  8. 請求項1から7のうちいずれか一つに記載の多孔質乾燥食品の製造方法であって、
    前記第二加熱乾燥工程では、前記対象物を減圧環境下で加熱して乾燥させる
    多孔質乾燥食品の製造方法。
  9. 請求項8に記載の多孔質乾燥食品の製造方法であって、
    前記第二加熱乾燥工程では、前記対象物を10kpa以下の減圧環境下で乾燥させる
    多孔質乾燥食品の製造方法。
  10. 請求項1から9のうちいずれか一つに記載の多孔質乾燥食品の製造方法であって、
    前記対象物を冷凍する工程の前に、前記対象物を2mm以上10mm以下の厚さにスライスするスライス工程
    をさらに有する多孔質乾燥食品の製造方法。
  11. 食品である対象物を収容可能な乾燥室と、
    前記乾燥室に接続され、前記乾燥室を真空排気する真空ポンプと、
    前記乾燥室に接続され、前記乾燥室に熱風を供給する熱風発生機と、
    前記熱風発生機を制御し、冷凍された前記対象物を加熱し、前記対象物の表面に乾燥した層が形成されるように乾燥させ、前記真空ポンプを制御し、乾燥室内を真空排気することによって前記対象物を減圧環境下で乾燥させる制御部と
    を具備する多孔質乾燥食品製造装置。
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