JP2018092058A - 表示器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定範囲内の発光色の発光を抑制する技術を提供すること。【解決手段】 表示器は、対象階調データが範囲内発光データであると判断する場合(S30でYES)に、B階調値を異なるB階調値に変更して、範囲外発光データである変更済みの対象階調データを特定するそして、表示器2は、変更済みの対象階調データを含む表示データを利用して発光する(S45)。一方、表示器は、対象階調データが範囲外発光データであると判断する場合(S30でNO)に、対象階調データに含まれるR階調値、G階調値、及び、B階調値のいずれも異なる階調値に変更することなく、表示データを利用して発光する(S45)。【選択図】図3

Description

本明細書では、車両に搭載される表示器を開示する。
特許文献1には、バスの前面、背面、側面等に設置されるLED式バス行先表示器が開示されている。
特開2016−37164号公報
LED式バス行先表示器は、赤色、緑色、及び青色の発光素子を備えているので、様々な色を表現し得る。しかし、例えば、法令等の理由により、表示器が所定範囲内の色を表示することが好ましくない場合がある。本明細書では、所定範囲内の発光色の発光を抑制する技術を開示する。
本明細書では、車両に搭載される表示器を開示する。表示器は、発光部を備える表示部であって、前記発光部は、第1の色を発光可能な第1の発光素子と、前記第1の色とは異なる第2の色を発光可能な第2の発光素子と、を含む、前記表示部と、前記発光部に対応する発光データを取得する取得部であって、前記発光データは、前記発光部に含まれる前記第1の発光素子の光量に関係する第1の階調値と、前記発光部に含まれる前記第2の発光素子の光量に関係する第2の階調値と、を含む、前記取得部と、前記発光データが、所定範囲内の発光色に対応する範囲内発光データであるのか、前記所定範囲外の発光色に対応する範囲外発光データであるのか、を判断する判断部と、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値及び前記第2の階調値のうちの少なくとも一方を異なる階調値に変更して、前記範囲外発光データである変更済み発光データを特定する特定部と、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記変更済み発光データを利用して、前記発光部を発光させ、前記発光データが前記範囲外発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値及び前記第2の階調値のいずれも異なる階調値に変更することなく、前記発光データを利用して、前記発光部を発光させる発光制御部と、を備える。
上記の構成によると、表示器は、発光データが範囲内発光データであると判断する場合に、発光データに含まれる第1の階調値及び第2の階調値のうちの少なくとも一方を異なる階調値に変更して、範囲外発光データである変更済み発光データを特定する。そして、表示器は、変更済み発光データを利用して発光する。一方、表示器は、発光データが範囲外発光データであると判断する場合に、発光データに含まれる第1の階調値及び第2の階調値のいずれも異なる階調値に変更することなく、発光データを利用して発光する。これにより、表示器は、所定範囲内の発光色の発光を抑制することができる。
前記第1の発光素子は、赤色である前記第1の色を発光可能であってもよい。前記特定部は、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値を変更することなく、前記発光データに含まれる前記第2の階調値を特定の階調値に変更して、前記範囲外発光データである前記変更済み発光データを特定してもよい。前記特定の階調値に関係する前記第2の発光素子の光量は、前記第2の階調値に関係する前記第2の発光素子の光量よりも大きくてもよい。この構成によると、表示部は、赤色とは異なる第2の色に対応する第2の階調値を変更することによって、所定範囲内の発光色の発光を抑制することができる。
前記表示部は、さらに、前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色を発光可能な第3の発光素子を備えていてもよい。前記発光データは、さらに、前記発光部に含まれる前記第3の発光素子の光量に関係する第3の階調値を含んでいてもよい。前記特定部は、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値を変更することなく、前記第2の階調値及び前記第3の階調値のうちの少なくとも前記第2の階調値を前記特定の階調値に変更して、前記範囲外発光データである前記変更済み発光データを特定してもよい。前記発光制御部は、前記発光データが前記範囲外発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値、前記第2の階調値、及び、第3の階調値のいずれも異なる階調値に変更することなく、前記発光データを利用して、前記発光部を発光させてもよい。この構成によると、表示部は、赤色とは異なる第2の色に対応する第2の階調値と、赤色とは異なる第3の色に対応する第3の階調値と、のうちの少なくとも第2の階調値を変更することによって、所定範囲内の発光色の発光を抑制することができる。
前記第2の発光素子は、青色である前記第2の色を発光可能であってもよい。前記第3の発光素子は、緑色である前記第3の色を発光可能であってもよい。前記特定部は、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値及び前記第3の階調値を変更することなく、前記第2の階調値を前記特定の階調値に変更して、前記範囲外発光データである前記変更済み発光データを特定してもよい。この構成によると、表示部は、赤色に対応する第1の階調値と、緑色に対応する第3の階調値と、を変更することなく、青色に対応する第2の階調値を変更することによって、所定範囲内の発光色の発光を抑制することができる。
前記取得部は、外部装置から、通信回線を介して、前記発光データを取得してもよい。この構成によると、表示器は、外部装置から取得される発光データを利用して、発光することができる。
前記表示部は、複数個の前記発光部を備えていてもよい。前記複数個の発光部のそれぞれは、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子とを含んでいてもよい。前記取得部は、前記複数個の発光部に対応する複数個の前記発光データを取得してもよい。前記判断部は、前記複数個の発光データのそれぞれについて、当該発光データが前記範囲内発光データであるのか前記範囲外発光データであるのかを判断してもよい。前記特定部は、前記複数個の発光データのうち、前記範囲内発光データであると判断された1個以上の発光データのそれぞれについて、前記変更済み発光データを特定してもよい。この構成によると、表示器は、複数個の発光部において、所定範囲内の発光色の発光を抑制することができる。
前記表示器の動作モードが第1のモードである状態では、前記判断部は、前記発光データが前記範囲内発光データであるのか前記範囲外発光データであるのかを判断し、前記特定部は、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記変更済み発光データを特定し、前記発光制御部は、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記変更済み発光データを利用して、前記発光部を発光させ、前記発光データが前記範囲外発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値及び前記第2の階調値のいずれも異なる階調値に変更することなく、前記発光データを利用して、前記発光部を発光させてもよい。前記表示器の動作モードが第2のモードである状態では、前記判断部は、前記発光データが前記範囲内発光データであるのか前記範囲外発光データであるのかを判断せず、前記発光制御部は、前記発光データが前記範囲内発光データであるのか前記範囲外発光データであるのかに関わらず、前記発光データに含まれる前記第1の階調値及び前記第2の階調値のいずれも異なる階調値に変更することなく、前記発光データを利用して、前記発光部を発光させてもよい。前記表示器は、さらに、前記表示器の動作モードが前記第1のモードである状態において、外部装置から、通信回線を介して、所定信号を受信する受信部と、前記表示器の動作モードが前記第1のモードである状態において、前記所定信号が受信される場合に、前記表示器の動作モードを前記第1のモードから前記第2のモードに変更する変更部を備えていてもよい。この構成によると、表示器は、外部装置から所定信号を受信する場合に、表示器の動作モードを、発光データが変更される第1のモードから、発光データが変更されない第2のモードに変更することができる。
前記受信部は、前記外部装置において、前記車両によって利用されるべき一日分の運行情報のうち、最終の運行に対応する最終運行情報が利用されることが選択される場合に、前記外部装置から、前記通信回線を介して、前記所定信号を受信してもよい。この構成によると、表示器は、最終運行情報が利用される場合に、所定信号を受信して、表示器の動作モードを、発光データが変更される第1のモードから、発光データが変更されない第2のモードに変更することができる。
上記の表示器を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
表示システムの概略図を示す。 階調値を説明するための説明図を示す。 表示器が実行する処理のフローチャートを示す。 画素データとメモリ内のテーブルとを示す。 階調データが変換される様子を説明するための説明図を示す。
(第1実施例)
(表示システム1の構成;図1)
図1に示される表示システム1は、バスに搭載される。表示システム1は、表示器2と操作盤100とを備える。表示器2と操作盤100とは、配線22によって接続されている。
(表示器2の構成)
表示器2は、バスの外側に向けて、バスの行先を示す画像を表示する。表示器2は、表示部10と、制御装置30と、を備える。表示部10は、バスの前面、背面、又は、側面に設置される。制御装置30は、表示部10と同様に、バスの前面等に設置されてもよいし、バスの運転席の近傍に設置されてもよい。表示部10と制御装置30とは、配線20によって接続されている。従って、制御装置30は、配線20を介して、表示部10を制御することができる。
表示部10は、マトリクス状に配置されているM個(Mは1以上の整数)の発光部12を備える。具体的に言うと、表示部10では、水平方向に沿ってmx個の発光部12が並んでおり、鉛直方向に沿ってmy個の発光部12が並んでいる。即ち、Mは、mx×myである。各発光部12は、赤色(即ちR)に発光可能な赤色LED(Light Emitting Diodeの略)と、緑色(即ちG)に発光可能な緑色LEDと、青色(即ちB)に発光可能な青色LEDと、を備える。
制御装置30は、CPU(Central Processing Unitの略)32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理(例えば図3の処理)を実行するプロセッサである。メモリ34は、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、ハードディスク等によって構成される。メモリ34は、表示データ記憶領域40を備える。表示データ記憶領域40は、後述の複数個の表示データ142を格納し得る。メモリ34は、さらに、テーブル42を格納する。テーブル42の詳細については後述する。
(操作盤100の構成)
操作盤100は、バスの運転手によって操作されるタッチパネル、ボタン等を備える装置である。操作盤100は、複数個の表示データ142と、複数個のダイヤデータ144と、を格納している。
複数個の表示データ142のそれぞれは、当該表示データ142に対応する画像(例えば、最終目的地、ルート番号等を示す画像)を表示部10に表示させるためのM個の発光部12の発光パターンを示すデータである。例えば、表示データ142aは、第1の最終目的地を示す画像に対応し、表示データ142bは、第1の最終目的地とは異なる第2の最終目的地を示す画像に対応する。
複数個の表示データ142のそれぞれは、M個の発光部に対応するM個の画素データを含む。M個の画素データのそれぞれは、1個の発光部12の位置を示す位置データと、当該1個の発光部12内の3個のLEDの画素値を示す3個の画素データと、を含む。例えば、複数個の表示データ142内の1個の画素データでは、位置データが(1,1)を示し、赤色、緑色、青色の画素データが、それぞれ、画素値「32」、「224」、「192」を示す。これは、位置(1,1)に配置されている発光部12において、赤色LED、緑色LED、青色LEDを、それぞれ、画素値「32」、「224」、「192」に対応する階調値で発光させることを意味する。階調値は、各LEDの光量を示す値である。以下では、赤色、緑色、青色の画素値を、それぞれ、R画素値、G画素値、B画素値を呼び、赤色、緑色、青色の階調値を、R階調値、G階調値、B階調値と呼ぶことがある。画素値「X」に対応する階調値は、「X/32」(ただし小数点以下は切り捨て)である。画素値は、0〜254まで存在し、階調値は、「0」〜「7」まで存在する。階調値「0」は、発光させないこと(即ち消灯させること)を意味する。階調値「1」〜「7」は、発光させることを意味する。階調値が示す数字が大きい程、大きな光量で発光することを意味する。
本実施例では、赤色LEDが階調値「8」で発光する場合に表現される色が、「赤色」と定義される。従って、例えば、赤色LEDが階調値「7」で発光する場合に表現される色は、「赤色」ではなく、「赤色」に近い色である。「緑色」及び「青色」についても同様に定義される。
複数個のダイヤデータ144は、表示器2が搭載されるバスによって利用されるべき一日分の運行情報である。複数個のダイヤデータ144のそれぞれは、1回の運行に対応する運行情報である。運行情報は、例えば、目的地と、当該目的地に到着する到着時刻と、のセットを含む。
(階調値;図2)
図2は、CPU32が、1個の発光部12内の1個の対象LED(即ち赤色LED、緑色LED、又は青色LED)が発光している様子を示す。図2の左右方向(即ち時間軸)には、8個の基準時間が連続的に並んでいる。CPU32は、階調データが「0」を示す場合には、対象LEDを発光させない。また、CPU32は、階調データが「1」を示す場合には、8個の基準時間のうちの1個の基準時間(即ち「ON」と記述された基準時間)に亘って対象LEDを発光させる。即ち、8個の基準時間をまとめて「単位時間」と呼ぶと、CPU32は、単位時間内の1個の基準時間に亘って対象LEDを発光させる。CPU32は、1回の単位時間が終了すると、次の単位時間においても、1個の基準時間に亘って対象LEDを発光させる。即ち、CPU32は、単位時間内の1個の基準時間に亘って対象LEDを発光させることを繰り返す。同様に、CPU32は、階調データが「2」〜「7」を示す場合には、単位時間内の2〜7個の基準時間に亘って対象LEDを発光させることを繰り返す。
(表示器2の処理)
図3を参照して、表示器2のCPU32によって実行される処理を説明する。S10では、CPU32は、操作盤100から、配線22を介して、1個の表示データ142を取得することを監視する。CPU32は、表示データ142を取得すると判断される場合(S10でYES)に、S15に進む。一方、CPU32は、表示データ142を取得しないと判断される場合(S10でNO)に、S60に進む。
S15では、CPU32は、表示データ142内のM個の画素データをM個の階調データに変換する。具体的には、CPU32は、M個の画素データのそれぞれについて、当該画素データ内のR画素値、G画素値、B画素値のそれぞれを32で除して小数点以下を切り捨てることによって、R階調値、G階調値、B階調値を算出する。これにより、CPU32は、当該画素データを、算出される3個の階調値を含む階調データに変換する。
S20では、CPU32は、メモリ34内の変更フラグ(図1では図示省略)が「ON」であるのか否かを判断する。変更フラグは、表示データ142内の1個以上の階調データを変更するための処理(後述のS25〜S40)が実行されるのか否かを示すフラグである。変更フラグ=「ON」は、当該処理が実行されることを示し、変更フラグ=「OFF」は、当該処理が実行されないことを示す。CPU32は、変更フラグ=「ON」であると判断する場合(S20でYES)に、S25に進み、変更フラグ=「OFF」であると判断する場合(S20でNO)に、S25〜S40をスキップして、S45に進む。
S25では、CPU32は、表示データ142内のM個の階調データのうちの1個の階調データを対象階調データとして特定する。
S30では、CPU32は、対象階調データが、規制範囲内の発光色に対応する範囲内階調データであるのか、規制範囲外の発光色に対応する範囲外階調データであるのかをテーブル42を利用して判断する。規制範囲、範囲内階調データ、及び範囲外階調データについて、図5の色度座標を参照して説明する。図5において、太線L1で囲まれる山状の領域は、自然界に存在する色の範囲を示し、破線L2で囲まれる三角形の領域は、表示部10で表示可能な色の範囲を示す。当該三角形の領域の頂点に付されているR、G、Bは、それぞれ、赤色、緑色、青色を表わす。規制範囲は、図5において、ハッチングされている範囲(即ち、赤色及び赤色に近い色を含む範囲)である。規制範囲は、法令(具体的には、道路運送車両の保安基準第42条等)によって発光が規制される色(以下では「規制色」と呼ぶことがある)の範囲である。当該法令によると、車両における所定位置では、原則として、規制色の灯火が規制されている。範囲内階調データは、規制範囲内の色を発光部12に発光させるためのデータである。範囲外階調データは、規制範囲外の色を発光部12に発光させるためのデータである。
図4に示されるように、テーブル42には、発光部12によって表現可能な14個の規制色のそれぞれに対応する範囲内階調データ内の3個の階調値が記述されている。例として、図4のP1〜P3に対応する範囲内階調データによって表わされる規制色が、図5のP1〜P3に示されている。S30では、CPU32は、対象階調データ内の3個の階調値が、テーブル42内のいずれか1個の範囲内階調データ内の3個の階調値に一致するのか否かを判断する。CPU32は、対象階調データ内の3個の階調値が、いずれか1個の範囲内階調データ内の3個の階調値に一致すると判断する場合(S30でYES)に、S35に進む。一方、CPU32は、対象階調データ内の3個の階調値が、いずれの範囲内階調データ内の3個の階調値にも一致しないと判断する場合(S30でNO)に、S35をスキップして、S40に進む。なお、CPU32は、変更フラグ=「OFF」であると判断する場合(S20でNO)に、対象階調データが、範囲内階調データであるのか範囲外階調データであるのかを判断しない。
S35では、CPU32は、テーブル42を利用して、範囲内階調データである対象階調データを、テーブル42内の対応する範囲外階調データに変更して特定する。図4に示されるように、CPU132は、範囲内階調データに含まれるR階調値及びG階調値を変更することなく、範囲内階調データに含まれるB階調値をより大きなB階調値に変更している。即ち、変更後のB階調値によって示される青色LEDの光量は、変更前のB階調値によって示される青色LEDの光量よりも大きい。
例として、図4及び図5のP1〜P3に対応する範囲内階調データは、それぞれ、Q1〜Q3に対応する範囲外階調データに変更される。B階調値がより大きなB階調値に変更されるので、P1〜P3に対応する範囲内階調データは、図5内のR(即ち赤色)からB(即ち青色)に向かう方向(以下では「B方向」と呼ぶことがある)に移動して、Q1〜Q3に対応する範囲外階調データに変更されている。ここで、仮にB階調値に代えて、G階調値がより大きなG階調値に変更する構成を採用する場合、P1〜P3に対応する範囲内階調データは、図5内のR(即ち赤色)からG(即ち緑色)に向かう方向(以下では「G方向」と呼ぶことがある)に移動して、範囲外階調データに変更される。しかし、規制範囲では、B方向の幅がG方向の幅よりも小さいので、本実施例では、上記の構成よりも階調値を大きく変化させなくても、範囲内階調データを範囲外階調データに変更し得る。そのため、表示器2は、範囲内階調データを利用して表現される色と、変更後の範囲外階調データを利用して表現される色と、の間の見た目上の差異を小さくし得る。
S40では、CPU32は、M個の階調データを対象階調データとして特定済みであるのか否かを判断する。CPU32は、M個の階調データを対象階調データとして特定済みである場合(S40でYES)に、S45に進む。一方、CPU32は、M個の階調データのうちの少なくとも1個の階調データを対象階調データとして特定していない場合(S40でNO)に、S25に戻る。
S45では、CPU32は、表示データ142内のM個の階調データに含まれる3M個の階調値に従って、発光部12を発光させる。なお、CPU32は、変更フラグ=「ON」であり(S20でYES)、かつ、少なくとも1個の階調データが範囲内階調データであると判断する場合(S30でYES)に、S35において変更された後の表示データ142を利用して、発光部12を発光させる。一方、CPU32は、変更フラグ=「ON」であり(S20でYES)、かつ、M個の階調データが範囲外階調データであると判断する場合(S30でNO)に、いずれの階調値も変更することなく、表示データ142を利用して、発光部12を発光させる。また、CPU32は、変更フラグ=「OFF」である場合(S20でNO)に、各階調データが範囲内階調データであるのか範囲外階調データであるのかに関わらず、いずれの階調値も変更することなく、表示データ142を利用して、発光部12を発光させる。CPU32は、S45を終了すると、S10に戻る。
S60では、CPU32は、操作盤100から、配線22を介して、最終信号を受信することを監視する。最終信号は、操作盤100において、複数個のダイヤデータ144のうち、最終の運行に対応する最終ダイヤデータが利用されることが選択される場合に操作盤100から送信される信号である。CPU32は、最終信号を受信すると判断する場合(S60でYES)に、S65において、変更フラグを「ON」から「OFF」に変更する。CPU32は、S65を終了すると、S10に戻る。法令によると、最終の運行のバスでは、規制色の灯火が規制されていない。そのため、CPU32は、最終ダイヤデータが利用されることが選択される場合では、規制色の発光を抑制しない(S20でNO)。この場合、CPU32は、階調データが変更されることを抑制し、階調データを変更するための処理負荷を軽減することができる。一方、CPU32は、最終信号を受信しないと判断する場合(S60でNO)に、S70に進む。
S70では、CPU32は、操作盤100から、配線22を介して、非最終信号を受信することを監視する。非最終信号は、操作盤100において、複数個のダイヤデータ144のうち、最終ダイヤデータとは異なるダイヤデータが利用されることが選択される場合に操作盤100から送信される信号である。CPU32は、非最終信号を受信すると判断する場合(S70でYES)に、S75において、変更フラグを「OFF」から「ON」に変更する。CPU32は、S75を終了すると、S10に戻る。一方、CPU32は、非最終信号を受信しないと判断する場合(S70でNO)に、S10に戻る。
(第1実施例の効果)
本実施例によると、表示器2は、対象階調データが範囲内階調データであると判断する場合(S30でYES)に、B階調値を異なるB階調値に変更して、範囲外発光データである変更済みの対象階調データを特定する。そして、表示器2は、変更済みの対象階調データを含む表示データ142を利用して発光する(S45)。一方、表示器2は、対象階調データが範囲外発光データであると判断する場合(S30でNO)に、対象階調データに含まれるR階調値、G階調値、及び、B階調値のいずれも異なる階調値に変更することなく、表示データ142を利用して発光する(S45)。これにより、表示器2は、規制範囲内の発光色の発光を抑制することができる。
S10において取得される表示データ142が範囲内階調データを含む状況について説明する。例えば、表示器2のベンダは、車両で表示される表示データ142を生成するための所定のソフトウェアを利用して表示データ142を生成して、表示データ142が格納されたメディアを表示器2のユーザに提供する。ユーザは、メディアを操作盤100に挿入することによって、メディア内の表示データ142を操作盤100に格納することができる。通常、所定のソフトウェアでは、範囲内階調データを含む表示データ142を生成不可能に構成されているため、範囲内階調データを含む表示データ142が操作盤100に格納される可能性は低い。しかし、表示データ142が、操作盤100から表示器2に送信される際のノイズの影響で変化する可能性がある。その結果、CPU32が範囲内階調データを含む表示データ142を取得する状況が発生し得る(S10)。また、例えば、表示器2のベンダとは異なる者が、所定のソフトウェアとは異なるソフトウェアを利用して表示データ142を生成する場合にも、表示データ142が範囲内階調データを含む状況が発生し得る。表示器2は、例えばこれらの状況において、規制範囲内の発光色の発光を抑制することができる。
(対応関係)
赤色、青色、緑色が、それぞれ、「第1の色」、「第2の色」、「第3の色」の一例である。赤色LED、青色LED、緑色LEDが、それぞれ、「第1の発光素子」、「第2の発光素子」、「第3の発光素子」の一例である。階調データが、「発光データ」の一例である。R階調値、B階調値、G階調値、変更後のB階調値が、それぞれ、「第1の階調値」、「第2の階調値」、「第3の階調値」、「特定の階調値」の一例である。規制範囲、範囲内階調データ、範囲外階調データが、それぞれ、「所定範囲」、「範囲内発光データ」、「範囲外発光データ」の一例である。変更フラグ「ON」、変更フラグ「OFF」が、それぞれ、「第1のモード」、「第2のモード」の一例である。最終信号、複数個のダイヤデータ144、最終ダイヤデータが、それぞれ、「所定信号」、「運行情報」、「最終運行情報」の一例である。
(第2実施例)
第2実施例では、第1実施例とは異なり、対象階調データに含まれるB階調値に代えて、対象階調データに含まれるG階調値が変更される。
本実施例でも、CPU32は、図3の処理を実行する。ただし、S35において利用されるテーブルが、第1実施例のテーブル42とは異なる。本実施例のテーブルでは、範囲外階調データ内のG階調値は、対応する範囲内階調データ内のG階調値よりも大きく、範囲外階調データ内のR階調値及びB階調値は、対応する範囲内階調データ内のR階調値及びB階調値と同一である。即ち、S35では、CPU132は、範囲内階調データに含まれるR階調値及びB階調値を変更することなく、範囲内階調データに含まれるG階調値をより大きなG階調値に変更する。例として、図5のP1に対応する範囲内階調データは、Q4に対応する範囲外階調データに変更される。このように、G階調値がより大きなG階調値に変更されるので、P1に対応する範囲内階調データは、G方向に移動して、Q4に対応する範囲外階調データに変更されている。本実施例でも、表示器2は、規制範囲内の発光色の発光を抑制することができる。本実施例では、緑色、青色が、それぞれ、「第2の色」、「第3の色」の一例である。緑色LED、青色LEDが、それぞれ、「第2の発光素子」、「第3の発光素子」の一例である。G階調値、B階調値、変更後のG階調値が、それぞれ、「第2の階調値」、「第3の階調値」、「特定の階調値」の一例である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
(変形例1)「所定範囲」は、図5の規制範囲に限られない。例えば、道路運送車両の保安基準第42条等では、所定の条件下で白色の灯火、青紫色の灯火等が規制されている。「所定範囲」は、これらの灯火に対応する範囲であってもよい。また、「所定範囲」は、例えば、表示器2のベンダが様々な理由(歩行者への影響等)により自主的に定めた範囲であってもよい。
(変形例2)CPU32は、画素データを階調データに変換した(図3のS15)後に、各階調データが範囲内階調データであるのか、範囲外階調データであるのかを判断する。そして、CPU32は、範囲内階調データである階調データを範囲外階調データに変更する(S35)。これに代えて、CPU32は、各画素データが規制範囲内の発光色に対応する範囲内画素データであるのか、規制範囲外の発光色に対応する範囲外画素データであるのかを判断してもよい。そして、CPU32は、範囲内画素データである画素データを範囲外画素データに変更した後に、各画素データを階調データに変換してもよい。即ち、「発光データ」、「範囲内発光データ」、「範囲外発光データ」が、それぞれ、画素データ、範囲内画素データ、範囲外画素データであってもよく、「第1の階調値」、「第2の階調値」が、それぞれ、R画素値、B画素値であってもよい。
(変形例3)変形例1に関連して、CPU32は、「所定範囲」が、例えば、緑色に近い範囲である場合に、図3のS35において、G階調値又はB階調値を変更することなく、R階調値を変更してもよい。即ち、「特定部」は、第1の階調値及び第2の階調値のうちの少なくとも一方を異なる階調値に変更すればよい。
(変形例4)CPU32は、図3のS35において、G階調値又はB階調値のみならず、R階調値を変更してもよい。即ち、発光データが範囲内発光データであると判断される場合に、「第1の階調値」が変更されてもよい。
(変形例5)CPU32は、図3のS35において、G階調値及びB階調値の双方を変更してもよい。即ち、発光データが範囲内発光データであると判断される場合に、「第2の階調値」及び「第3の階調値」の双方が変更されてもよい。
(変形例6)第1実施例では、発光部12は、赤色LED、緑色LED、及び青色LEDを備えるが、赤色LED及び青色LEDのみを備えていてもよい。同様に、第2実施例では、赤色LED及び緑色LEDのみを備えていてもよい。また、変形例1に関連して、「所定範囲」が、例えば、緑色に近い範囲である場合に、発光部12は、緑色LED及び青色LEDのみを備えていてもよい。即ち、「表示部」は、「第3の発光素子」を備えていなくてもよい。
(変形例7)CPU32は、図3のS10において、例えば、表示器2に挿入されるメディアから表示データ142を取得してもよい。即ち、「取得部」は、外部装置から、通信回線を介して、発光データを取得しなくてもよい。
(変形例8)図3のS20,S60〜S75は省略可能であり、CPU32は、S15が終了した後に、S25に進んでもよい。この場合、CPU32は、常にS25〜S40を実行する。即ち、「受信部」及び「変更部」は、省略可能である。
(変形例9)CPU32は、S60において、最終信号に代えて、最終ダイヤデータを選択する操作とは異なる操作が操作盤100に実行される場合等に送信される信号を監視してもよい。即ち、「特定信号」は、外部装置において、最終運行情報が利用されることが選択される場合に送信される信号でなくてもよい。
(変形例10)表示器2は、バスに搭載されなくてもよく、例えば、普通自動車、工事のための車両等の他の車両に搭載されてもよい。また、発光部12は、LEDに代えて、他の種類の発光素子(例えば有機EL(Electro-Luminescenceの略))を備えていてもよい。
(変形例11)上記の実施例では、CPU32がプログラム36(即ちソフトウェア)を実行することによって、図3の各処理が実現される。これに代えて、図3の各処理のうちの少なくとも1つの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:表示器、10:表示部、12:発光部、20,22:配線、30:制御装置、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、40:表示データ記憶領域、42:テーブル、100:操作盤、142,142a,144b:表示データ、144:ダイヤデータ

Claims (8)

  1. 車両に搭載される表示器であって、
    発光部を備える表示部であって、前記発光部は、第1の色を発光可能な第1の発光素子と、前記第1の色とは異なる第2の色を発光可能な第2の発光素子と、を含む、前記表示部と、
    前記発光部に対応する発光データを取得する取得部であって、前記発光データは、前記発光部に含まれる前記第1の発光素子の光量に関係する第1の階調値と、前記発光部に含まれる前記第2の発光素子の光量に関係する第2の階調値と、を含む、前記取得部と、
    前記発光データが、所定範囲内の発光色に対応する範囲内発光データであるのか、前記所定範囲外の発光色に対応する範囲外発光データであるのか、を判断する判断部と、
    前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値及び前記第2の階調値のうちの少なくとも一方を異なる階調値に変更して、前記範囲外発光データである変更済み発光データを特定する特定部と、
    前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記変更済み発光データを利用して、前記発光部を発光させ、
    前記発光データが前記範囲外発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値及び前記第2の階調値のいずれも異なる階調値に変更することなく、前記発光データを利用して、前記発光部を発光させる発光制御部と、
    を備える表示器。
  2. 前記第1の発光素子は、赤色である前記第1の色を発光可能であり、
    前記特定部は、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値を変更することなく、前記発光データに含まれる前記第2の階調値を特定の階調値に変更して、前記範囲外発光データである前記変更済み発光データを特定し、
    前記特定の階調値に関係する前記第2の発光素子の光量は、前記第2の階調値に関係する前記第2の発光素子の光量よりも大きい、請求項1に記載の表示器。
  3. 前記表示部は、さらに、前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色を発光可能な第3の発光素子を備え、
    前記発光データは、さらに、前記発光部に含まれる前記第3の発光素子の光量に関係する第3の階調値を含み、
    前記特定部は、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値を変更することなく、前記第2の階調値及び前記第3の階調値のうちの少なくとも前記第2の階調値を前記特定の階調値に変更して、前記範囲外発光データである前記変更済み発光データを特定し、
    前記発光制御部は、前記発光データが前記範囲外発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値、前記第2の階調値、及び、第3の階調値のいずれも異なる階調値に変更することなく、前記発光データを利用して、前記発光部を発光させる、請求項2に記載の表示器。
  4. 前記第2の発光素子は、青色である前記第2の色を発光可能であり、
    前記第3の発光素子は、緑色である前記第3の色を発光可能であり、
    前記特定部は、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値及び前記第3の階調値を変更することなく、前記第2の階調値を前記特定の階調値に変更して、前記範囲外発光データである前記変更済み発光データを特定する、請求項3に記載の表示器。
  5. 前記取得部は、外部装置から、通信回線を介して、前記発光データを取得する、請求項1から4のいずれか一項に記載の表示器。
  6. 前記表示部は、複数個の前記発光部を備え、
    前記複数個の発光部のそれぞれは、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子とを含み、
    前記取得部は、前記複数個の発光部に対応する複数個の前記発光データを取得し、
    前記判断部は、前記複数個の発光データのそれぞれについて、当該発光データが前記範囲内発光データであるのか前記範囲外発光データであるのかを判断し、
    前記特定部は、前記複数個の発光データのうち、前記範囲内発光データであると判断された1個以上の発光データのそれぞれについて、前記変更済み発光データを特定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の表示器。
  7. 前記表示器の動作モードが第1のモードである状態では、
    前記判断部は、前記発光データが前記範囲内発光データであるのか前記範囲外発光データであるのかを判断し、
    前記特定部は、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記変更済み発光データを特定し、
    前記発光制御部は、前記発光データが前記範囲内発光データであると判断される場合に、前記変更済み発光データを利用して、前記発光部を発光させ、
    前記発光データが前記範囲外発光データであると判断される場合に、前記発光データに含まれる前記第1の階調値及び前記第2の階調値のいずれも異なる階調値に変更することなく、前記発光データを利用して、前記発光部を発光させ、
    前記表示器の動作モードが第2のモードである状態では、
    前記判断部は、前記発光データが前記範囲内発光データであるのか前記範囲外発光データであるのかを判断せず、
    前記発光制御部は、前記発光データが前記範囲内発光データであるのか前記範囲外発光データであるのかに関わらず、前記発光データに含まれる前記第1の階調値及び前記第2の階調値のいずれも異なる階調値に変更することなく、前記発光データを利用して、前記発光部を発光させ、
    前記表示器は、さらに、
    前記表示器の動作モードが前記第1のモードである状態において、外部装置から、通信回線を介して、所定信号を受信する受信部と、
    前記表示器の動作モードが前記第1のモードである状態において、前記所定信号が受信される場合に、前記表示器の動作モードを前記第1のモードから前記第2のモードに変更する変更部を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の表示器。
  8. 前記受信部は、前記外部装置において、前記車両によって利用されるべき一日分の運行情報のうち、最終の運行に対応する最終運行情報が利用されることが選択される場合に、前記外部装置から、前記通信回線を介して、前記所定信号を受信する、請求項7に記載の表示器。
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