図1は、電子機器10が使用されるシステムの一例を示す図である。電子機器10は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機である。電子機器10は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)で使用されることが可能である。具体的には、電子機器10は、ITSの安全運転支援通信システム1で使用されることが可能である。安全運転支援通信システム1は、安全運転支援システムと呼ばれたり、安全運転支援無線システムと呼ばれたりする。
図1に示されるように、安全運転支援通信システム1では、交差点2等に配置されている路側機5と、車道7を走る自動車等の車両6と、歩行者であるユーザ9が持つ電子機器10とが、互いに無線通信を行うことが可能である。これにより、路側機5、車両6及び電子機器10は、互いに情報をやり取りすることが可能である。また、複数の車両6は、互いに無線通信を行うことが可能である。これにより、複数の車両6は、互いに情報をやり取りすることが可能である。路側機5と車両6との間の通信、車両6間の通信、路側機5と歩行者の電子機器10との間の通信、歩行者の電子機器10と車両6の間の通信は、それぞれ、路車間通信、車車間通信、路歩間通信、歩車間通信と呼ばれる。
路側機5は、例えば、信号機4の点灯に関する情報、道路規制に関する情報などを車両6及び電子機器10に通知することが可能である。また、路側機5は、その近くの車両6及び歩行者を検知することが可能である。交差点2に配置された路側機5は、例えば、横断歩道3を渡る歩行者を検知することが可能である。そして、路側機5は、検知した車両6及び歩行者に関する情報を、車両6及び電子機器10に通知することが可能である。また、路側機5は、車両6及び電子機器10から通知される情報を、他の車両6及び電子機器10に通知することが可能である。
車両6は、自身の位置、速度、ウィンカーに関する情報などを、他の車両6、路側機5及び電子機器10に対して通知することが可能である。そして、車両6は、通知される情報に基づいて警告等の各種通知を運転者に行うことによって、運転者の安全運転を支援することが可能である。車両6は、スピーカ及び表示装置等を利用して、運転者に各種通知を行うことが可能である。車両6は、例えば、当該車両6に搭載されているカーナビゲーション装置を利用して、運転者に各種通知を行うことが可能である。
電子機器10は、そのユーザ9の状態を特定することが可能である。電子機器10は、特定したユーザ9の状態に関する情報などを路側機5等に通知することが可能である。電子機器10の動作については後で詳細に説明する。
このように、安全運転支援通信システム1では、路車間通信、車車間通信、路歩間通信及び歩車間通信が行われることによって、車両6の運転者の安全運転が支援される。
なお図1の例では、車両6として、自動車の車両が示されているが、車両6は、自動車以外の車両であってもよい。例えば、車両6は、バスの車両であってもよいし、路面電車の車両であってもよい。
<電子機器の外観>
図2及び3は電子機器10の外観の一例を示す斜視図及び背面図である。図1及び2に示されるように、電子機器10は、平面視で略長方形の板状の機器ケース11を備えている。機器ケース11は電子機器10の外装を構成している。
機器ケース11の前面11aには、文字、記号、図形等の各種情報が表示される表示領域12が位置している。表示領域12の背面側には後述するタッチパネル130が位置している。これにより、ユーザ9は、電子機器10の前面の表示領域12を指等で操作することによって、電子機器10に対して各種情報を入力することができる。なお、ユーザ9は、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどのタッチパネル用ペンで表示領域12を操作することによっても、電子機器10に対して各種情報を入力することができる。
機器ケース11の前面11aの上端部にはレシーバ穴13が位置している。前面11aの下端部にはスピーカ穴14が位置している。機器ケース11の下側の側面11cにはマイク穴15が位置している。
機器ケース11の前面11aの上端部からは、後述する第1カメラ180が有するレンズ181が視認可能となっている。図3に示されるように、機器ケース11の背面11bの上端部からは、後述する第2カメラ190が有するレンズ191が視認可能となっている。
電子機器10は、複数の操作ボタン22から成る操作ボタン群220(後述の図4参照)を備えている。複数の操作ボタン22のそれぞれはハードウェアボタンである。具体的には、複数の操作ボタン22のそれぞれは押しボタンである。なお、操作ボタン群220に含まれる少なくとも一つの操作ボタン22は、表示領域12に表示されるソフトウェアボタンであってもよい。
操作ボタン群220には、機器ケース11の前面11aの下端部に位置する操作ボタン22a,22b,22cが含まれる。また、操作ボタン群220には、機器ケース11の表面に位置する図示しない電源ボタン及びボリュームボタンが含まれる。
操作ボタン22aは、例えばバックボタンである。バックボタンは、表示領域12の表示を一つ前の表示に切り替えるための操作ボタンである。ユーザ9が操作ボタン22aを操作することよって、表示領域12の表示が一つ前の表示に切り替わる。操作ボタン22bは、例えばホームボタンである。ホームボタンは、表示領域12にホーム画面を表示させるための操作ボタンである。ユーザ9が操作ボタン22bを操作することよって、表示領域12にホーム画面が表示される。操作ボタン22cは、例えば履歴ボタンである。履歴ボタンは、電子機器10で実行されたアプリケーションの履歴を表示領域12に表示させるための操作ボタンである。ユーザ9が操作ボタン22cを操作することよって、表示領域12には、電子機器10で実行されたアプリケーションの履歴が表示される。
<電子機器の電気的構成>
図4は電子機器10の電気的構成の一例を主に示すブロック図である。図4に示されるように、電子機器10は、制御部100、無線通信部110、表示部120、タッチパネル130、操作ボタン群220、衛星信号受信部140及び地磁気センサ230を備える。さらに電子機器10は、レシーバ150、スピーカ160、マイク170、第1カメラ180、第2カメラ190、加速度センサ200、気圧センサ210、温度センサ240及び電池250を備える。電子機器10が備えるこれらの構成要素は、機器ケース11内に収められている。
制御部100は、電子機器10の他の構成要素を制御することによって、電子機器10の動作を統括的に管理することが可能である。制御部100は制御装置とも言える。制御部100は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、又は複数の通信可能に接続された集積回路IC及び/又はディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、又は他の既知のデバイス及び構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
本例では、制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103を備える。記憶部103は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの、CPU101及びDSP102が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部103が有するROMは、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュROM(フラッシュメモリ)である。記憶部103には、電子機器10を制御するための複数の制御プログラム103a等が記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種制御プログラム103aを実行することによって実現される。
なお制御部100は、複数のCPU101を備えてもよい。この場合、制御部100は、比較的複雑は処理を行うメインCPUと、比較的簡単な処理を行うサブCPUとを備えてもよい。また制御部100は、DSP102を備えなくてもよいし、複数のDSP102を備えてもよい。また、制御部100の全ての機能あるいは制御部100の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。
記憶部103は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。記憶部103は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)などを備えていてもよい。
記憶部103内の複数の制御プログラム103aには、様々なアプリケーション(アプリケーションプログラム)が含まれている。記憶部103には、例えば、音声通話及びビデオ通話を行うための通話アプリケーション、ウェブサイトを表示するためのブラウザ、電子メールの作成、閲覧及び送受信を行うためのメールアプリケーションが記憶されている。また記憶部103には、第1カメラ180及び第2カメラ190を利用して被写体を撮影するためのカメラアプリケーション、記憶部103に記録されている静止画及び動画を表示するための記録画像表示アプリケーション、記憶部103に記憶されている音楽データの再生制御を行うための音楽再生制御アプリケーションなどが記憶されている。記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、記憶部103内にあらかじめ記憶されているものであってよい。また、記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、電子機器10が他の装置からダウンロードして記憶部103内に記憶したものであってよい。
無線通信部110は、アンテナ111を有している。無線通信部110は、アンテナ111を用いて、例えば複数種類の通信方式で無線通信することが可能である。無線通信部110の無線通信は、制御部100によって制御される。
無線通信部110は、携帯電話システムの基地局と無線通信することが可能である。無線通信部110は、当該基地局及びインターネット等のネットワークを通じて、電子機器10とは別の携帯電話機及びウェブサーバ等と通信することが可能である。電子機器10は、他の携帯電話機等と、データ通信、音声通話及びビデオ通話等を行うことが可能である。
また無線通信部110は、路側機5及び車両6と無線通信することが可能である。また、無線通信部110は、Wifi等の無線LAN(Local Area Network)を用いて無線通信を行うことが可能である。また無線通信部110は、近距離無線通信を行うことが可能である。例えば、無線通信部110は、Bluetooth(登録商標)に準拠して無線通信することが可能である。無線通信部110は、ZigBee(登録商標)及びNFC(Near Field Communication)の少なくとも一方に準拠して無線通信することが可能であってもよい。
無線通信部110は、アンテナ111で受信した信号に対して増幅処理等の各種処理を行い、処理後の受信信号を制御部100に出力する。制御部100は、入力される受信信号に対して各種処理を行って、当該受信信号に含まれる情報を取得する。また、制御部100は、情報を含む送信信号を無線通信部110に出力する。無線通信部110は、入力される送信信号に対して増幅処理等の各種処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ111から無線送信する。
表示部120は、電子機器10の前面に位置する表示領域12と、表示パネル121とを備えている。表示部120は、表示領域12に各種情報を表示することが可能である。表示パネル121は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル121は、制御部100によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示することが可能である。表示パネル121は、機器ケース11内において、表示領域12と対向している。表示パネル121に表示される情報は表示領域12に表示される。
タッチパネル130は、表示領域12に対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル130は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル130は、例えば、表示領域12の裏側に位置する。ユーザ9が指等の操作子によって表示領域12に対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号をタッチパネル130は制御部100に入力することが可能である。制御部100は、タッチパネル130からの電気信号(出力信号)に基づいて、表示領域12に対して行われた操作の内容を特定することが可能である。そして制御部100は、特定した操作内容に応じた処理を行うことが可能である。
操作ボタン群220の各操作ボタン22は、ユーザ9によって操作されると、操作されたことを示す操作信号を制御部100に出力することが可能である。これにより、制御部100は、各操作ボタン22について、当該操作ボタン22が操作されたか否かを判断することができる。操作信号が入力された制御部100が他の構成要素を制御することによって、電子機器10では、操作された操作ボタン22に割り当てられている機能が実行される。
衛星信号受信部140は、測位衛星が送信する衛星信号を受信することが可能である。そして、衛星信号受信部140は、受信した衛星信号に基づいて、電子機器10の位置情報を取得することが可能である。具体的には、衛星信号受信部140は、測位衛星を捕捉、つまり、測位衛星からの衛星信号から、電子機器10の位置情報の算出に必要な情報を取得する。そして、衛星信号受信部140は、取得した情報に基づいて、電子機器10の位置情報を求める。また、衛星信号受信部140は、捕捉した測位衛星の数、つまり、その衛星信号から位置情報の算出に必要な情報を取得することができた測位衛星の数を制御部100に出力する。電子機器10が取得する位置情報には、例えば、電子機器10の位置を示す緯度経度が含まれる。制御部100は、衛星信号受信部140を動作させたり、その動作を停止したりすることが可能である。以後、衛星信号受信部140が捕捉する測位衛星の数を「捕捉衛星数」と呼ぶことがある。また、衛星信号受信部140を単に「受信部140」と呼ぶことがある。
受信部140は、例えばGPS受信機であって、GPS(Global Positioning System)の測位衛星からの無線信号を受信することが可能である。受信部140は、受信した無線信号に基づいて電子機器10の現在位置を例えば緯度経度で算出し、算出した緯度経度を含む位置情報を制御部100に出力する。電子機器10の位置情報は、当該電子機器10を持つユーザ9の位置情報であるともいえる。
なお受信部140は、GPS以外のGNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星からの信号に基づいて電子機器10の位置情報を求めてもよい。例えば、受信部140は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、IRNSS(Indian Regional Navigational Satellite System)、COMPASS、Galileoあるいは準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellites System)の測位衛星からの信号に基づいて電子機器10の位置情報を求めてもよい。
マイク170は、電子機器10の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力することが可能である。電子機器10の外部からの音は、マイク穴15から電子機器10の内部に取り込まれてマイク170に入力される。
スピーカ160は、例えばダイナミックスピーカである。スピーカ160は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。スピーカ160から出力される音は、スピーカ穴14から外部に出力される。ユーザ9は、スピーカ穴14から出力される音を、電子機器10から離れた場所でも聞こえることが可能である。
レシーバ150は受話音を出力することが可能である。レシーバ150は例えばダイナミックスピーカである。レシーバ150は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。レシーバ150から出力される音はレシーバ穴13から外部に出力される。レシーバ穴13から出力される音の音量は、スピーカ穴14から出力される音の音量よりも小さくなっている。ユーザ9は、レシーバ穴13から出力される音を、当該レシーバ穴13に耳を近づけることによって聞くことができる。なお、レシーバ150の代わりに、機器ケース11の前面部分を振動させる、圧電振動素子等の振動素子を設けてもよい。この場合には、音は、当該前面部分の振動によりユーザに伝達される。
第1カメラ180は、レンズ181及びイメージセンサなどを備えている。第2カメラ190は、レンズ191及びイメージセンサなどを備えている。第1カメラ180及び第2カメラ190のそれぞれは、制御部100による制御に基づいて被写体を撮影し、撮影した被写体を示す静止画あるいは動画を生成して制御部100に出力することが可能である。
第1カメラ180のレンズ181は、機器ケース11の前面11aから視認可能となっている。したがって、第1カメラ180は、電子機器10の前面側(表示領域12側)に存在する被写体を撮影することが可能である。第1カメラ180はインカメラと呼ばれる。一方で、第2カメラ190のレンズ191は、機器ケース11の背面11bから視認可能となっている。したがって、第2カメラ190は、電子機器10の背面側に存在する被写体を撮影することが可能である。第2カメラ190はアウトカメラと呼ばれる。
加速度センサ200は、電子機器10の加速度を検出することが可能である。加速度センサ200は例えば3軸加速度センサである。加速度センサ200は、x軸方向、y軸方向及びz軸方向の電子機器10の加速度を検出することが可能である。x軸方向、y軸方向及びz軸方向は、例えば、電子機器10の長手方向、短手方向及び厚み方向にそれぞれ設定される。
気圧センサ210は、電子機器10の周囲の気圧を検出することが可能である。地磁気センサ230は、電子機器10の周囲の磁場(磁界とも呼ばれる)を検出することが可能である。地磁気センサ230は、例えば3軸の地磁気センサである。地磁気センサ230は、x軸方向、y軸方向及びz軸方向の磁場を検出することが可能である。x軸方向、y軸方向及びz軸方向は、例えば、電子機器10の長手方向、短手方向及び厚み方向にそれぞれ設定される。温度センサ240は、電子機器10の周囲の温度を検出することが可能である。
電池250は電子機器10の電源を出力することが可能である。電池250は例えば充電式の電池である。電池250から出力される電源は、電子機器10が備える制御部100及び無線通信部110などの各種構成に対して供給される。
なお電子機器10は、加速度センサ200、気圧センサ210、地磁気センサ230及び温度センサ240の少なくとも一つのセンサを備えなくてもよい。この場合、電子機器10は、それとは別体の当該少なくとも一つのセンサと、無線あるいは有線で接続されてよい。
また電子機器10は、加速度センサ200、気圧センサ210、地磁気センサ230及び温度センサ240以外のセンサを備えてもよい。例えば、電子機器10は、近接センサ、照度センサ及びジャイロセンサの少なくとも一つを備えてもよい。また電子機器10は、それとは別体の、加速度センサ200、気圧センサ210、地磁気センサ230及び温度センサ240以外のセンサと、無線あるいは有線で接続されてもよい。
また電子機器10は、受信部140を備えなくてもよい。この場合、電子機器10は、それとは別体の受信部140と無線あるいは有線で接続されてよい。
<制御部内の機能ブロック>
図5は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の制御プログラム103aを実行することによって形成される一部の機能ブロックを示す図である。
図5に示されるように、制御部100は、機能ブロックとして、歩数計測部300、状態特定部400及び通知決定部500を備える。歩数計測部300、状態特定部400及び通知決定部500の少なくとも一つは、その機能の実行にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。
状態特定部400は、ユーザ9についての様々な状態を特定することが可能である。状態特定部400は、例えば、停止移動特定部410、動き情報取得部420、車内判定部430、屋内判定部440及び位置判定部450を備えている。停止移動特定部410、動き情報取得部420、車内判定部430、屋内判定部440及び位置判定部450の少なくとも一つは、その機能の実行にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。
なお、制御部100がメインCPUとサブCPUを備えている場合には、図5に示される複数の機能ブロックのうち、一部の機能ブロックをサブCPUで実現し、残りの機能ブロックをメインCPUで実現してもよい。例えば、停止移動特定部410をサブCPUで実現し、残りの機能ブロックをメインCPUで実現してもよい。
停止移動特定部410は、ユーザ9の停止及び移動に関する、当該ユーザ9の状態を特定する停止移動特定を行うことが可能である。停止移動特定部410は、停止移動特定において、ユーザ9が停止していることと、ユーザ9が移動していることとを特定することが可能である。言い換えれば、停止移動特定部410は、ユーザ9の状態が、停止している状態であるのか、移動している状態であるかを判定することが可能である。さらに言い換えれば、停止移動特定部410は、ユーザ9が移動しているか否かを判定することが可能である。停止移動特定部410は、例えば、受信部140で取得される位置情報及び加速度センサ200で検出される加速度の少なくとも一方に基づいて、ユーザ9が停止していることと、ユーザ9が移動していることを特定することが可能である。
また停止移動特定部410は、停止移動特定において、ユーザ9の停止と、ユーザ9の移動開始とを特定することが可能である。停止移動特定部410は、ユーザ9の状態が、移動している状態から停止している状態に変化すると、ユーザ9が停止したと判断する。また停止移動特定部410は、ユーザ9の状態が、停止している状態から移動している状態に変化すると、ユーザ9が移動開始したと判断する。
ユーザ9の停止は、電子機器10の移動停止と言えることから、停止移動特定部410は、電子機器10の移動停止を特定することができると言える。またユーザ9の移動開始は、電子機器10の移動開始と言えることから、停止移動特定部410は、電子機器10の移動開始を特定することができると言える。
ユーザ9の状態が、停止している状態から移動している状態に変化するタイミングは、ユーザ9の停止タイミング及び電子機器10の移動停止タイミングと言える。停止移動特定部410は、停止移動特定において、ユーザ9の移動開始タイミング、言い換えれば電子機器10の移動開始タイミングを特定することができる。またユーザ9の状態が、移動している状態から停止している状態に変化するタイミングは、ユーザ9の移動開始タイミング及び電子機器10の移動開始タイミングと言える。停止移動特定部410は、停止移動特定において、ユーザ9の移動開始タイミング、言い換えれば電子機器10の移動開始タイミングを特定することができる。
また停止移動特定部410は、停止移動特定において、ユーザ9が移動していると判断する場合にユーザ9の移動手段を特定することが可能である。例えば、停止移動特定部410は、加速度センサ200で検出される加速度に基づいて、ユーザ9が乗り物に乗らずに自力で移動しているのか、ユーザ9が乗り物に乗って移動しているのかを特定することができる。ここで、ユーザ9が自力で移動するとは、ユーザ9が乗り物に乗らずに自らの足で移動することを意味する。ユーザ9が自力で移動することを「自力移動」と呼ぶと、停止移動特定部410はユーザ9の自力移動を特定することが可能であると言える。また、ユーザ9が乗り物に乗って移動することを「乗り物移動」と呼ぶと、停止移動特定部410はユーザ9の乗り物移動を特定することが可能である。
停止移動特定部410が特定することが可能な自力移動には、ユーザ9が歩いて移動することと、ユーザ9が走って移動することとが含まれる。ユーザ9が走って移動することを「走行」と呼ぶと、自力移動には、歩行及び走行が含まれる。また、停止移動特定部410が特定することが可能な乗り物移動には、ユーザ9が自転車で移動することと、ユーザ9が、自動車、電車及びバスなどの、自転車よりも速く移動することが可能な乗り物で移動することとが含まれる。
以後、自転車と、それよりも速く移動することが可能な乗り物とを区別するために、単に「乗り物」と言えば、自転車よりも速く移動することが可能な乗り物を意味する。また、ユーザ9が自力移動する場合の移動手段の名称として「自力」を使用し、ユーザ9が歩いて移動する場合の移動手段の名称として「歩き」を使用し、ユーザ9が走って移動する場合の移動手段の名称として「走り」を使用する。
ここで、電子機器10の加速度が、当該電子機器10を持つユーザ9の移動手段に応じた固有の時間変化のパターンを示すことが知られている。停止移動特定部410は、加速度センサ200で検出される加速度の時間変化のパターンが、「歩き」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ9の移動手段が「歩き」であると特定する。また、停止移動特定部410は、加速度センサ200で検出される加速度の時間変化のパターンが、「走り」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ9の移動手段が「走り」であると特定する。また、停止移動特定部410は、加速度センサ200で検出される加速度の時間変化のパターンが、「自転車」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ9の移動手段が「自転車」であると特定する。そして、停止移動特定部410は、加速度センサ200で検出される加速度の時間変化のパターンが、「乗り物」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ9の移動手段が「乗り物」であると特定する。
このようにして、停止移動特定部410は、ユーザ9の移動手段が、歩き、走り、自転車及び乗り物のいずれであるのかを特定することができる。制御部100は、例えば、停止移動特定部410で特定される移動手段と、ユーザ9の移動距離(電子機器10の移動距離)とを、表示部120に表示させることができる。これにより、ユーザ9は、歩行距離、走行距離、自転車での移動距離及び乗り物での移動距離を区別して確認することができる。制御部100は、例えば、受信部140で取得される位置情報に基づいて、ユーザ9の移動距離を求めることができる。
動き情報取得部420は、ユーザ9の動きを示す動き情報を取得することが可能である。動き情報には、例えば、ユーザ9の連続停止時間、ユーザ9の連続歩行時間、ユーザ9の連続歩行歩数及びユーザ9の進行方向の少なくとも一つが含まれる。この動き情報については後で詳細に説明する。
車内判定部430は、ユーザ9が車両6内に存在するか否かを判定する車内判定を行うことが可能である。以後、車両6内を「車内」と呼ぶことがある。また、ユーザ9が車両6内に存在することを単に「車内」と呼び、ユーザ9が車両6内に存在しないことを単に「車外」と呼ぶことがある。車内判定については後で詳細に説明する。
屋内判定部440は、ユーザ9が、家、ビル、お店等の建物の中に存在するか否かを判定することが可能である。つまり、屋内判定部440は、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する屋内判定を行うことが可能である。以後、ユーザ9が屋内に存在することを単に「屋内」と呼び、ユーザ9が屋内に存在しないことを単に「屋外」と呼ぶことがある。屋内判定について後で詳細に説明する。
位置判定部450は、ユーザ9が所定領域(所定場所)に位置するか否かを判定することが可能である。言い換えれば、位置判定部450は、電子機器10が所定領域(所定場所)に位置するか否かを判定することが可能である。所定領域としては、例えば、歩行者と車両6との事故が発生しやすい場所と、その近傍とを含む領域とが採用される。所定領域には、例えば、交差点2とその近傍を含む交差点領域、T字路とその近傍を含むT字路領域及び子供の通学路とその近傍を含む通学路領域とが含まれる。
位置判定部450は、例えば、受信部140で取得される位置情報と、記憶部103に記憶される地図情報とに基づいて、ユーザ9が所定領域に位置するか否かを判定することが可能である。また位置判定部450は、交差点2等に配置されている路側機5からの信号を無線通信部110が受信できるか否かに基づいて、ユーザ9が所定領域に位置するか否かを判定してもよい。
以上のように、状態特定部400は、ユーザ9についての様々な状態を特定することが可能である。なお、状態特定部400が特定するユーザ9の状態の種類は上記の限りではない。
歩数計測部300は、自力移動しているユーザ9の歩数を計測することが可能である。歩数計測部300は、例えば、加速度センサ200で検出される加速度に基づいて、自力移動しているユーザ9の歩数を計測する。歩数計測部300は、ユーザ9が歩行あるいは走行していると停止移動特定部410が特定しているときに、ユーザ9の歩数を計測する。制御部100は、歩数計測部300で測定される歩数を表示部120に表示させることが可能である。以後、歩数計測部300が計測する歩数を単に「計測歩数」と呼ぶことがある。
通知決定部500は、状態特定部400で特定されるユーザ9の状態などに基づいて、電子機器10の外部に電子機器10が通知を行うか否かを決定する決定処理を行うことが可能である。
例えば、ユーザ9が交差点領域に位置すると位置判定部450が判定し、かつユーザ9の移動手段が「走り」であると停止移動特定部410が特定する場合、通知決定部500は、電子機器10の外部に電子機器10が通知を行うことを決定する。また、ユーザ9が交差点領域に位置すると位置判定部450が判定し、かつユーザ9の移動手段が「自転車」であると停止移動特定部410が特定する場合、通知決定部500は、電子機器10の外部に電子機器10が通知を行うことを決定する。通知決定部500が、電子機器10の外部に電子機器10が通知を行うことを決定すると、例えば、交差点領域に位置する車両6に対してユーザ9(歩行者)が近くに存在することを通知するための存在通知情報が無線通信部110から路側機5に通知される。存在通知情報には、停止移動特定部410が特定するユーザ9の移動手段を示す情報が含まれてもよい。路側機5は、受信した存在通知情報を、交差点領域に存在する車両6に送信する。このとき、路側機5は、例えばブロードキャストで存在通知情報を送信する。車両6は、受信した存在通知情報に基づいて、例えば運転者に対して警告を行う。車両6は、例えば、カーナビゲーション装置を利用して、歩行者が近くにいることを運転者に通知する。これにより、交差点領域に存在する車両6の運転手は、当該交差点領域に人が存在することを認識しながら運転を行うことができる。その結果、車両6の運転の安全性が向上する。以後、電子機器10の外部に電子機器10が通知を行うことを「通知実行」と呼ぶことがある。また、電子機器10の外部に電子機器10が通知を行わないことを「通知非実行」と呼ぶことがある。
なお、電子機器10がその外部に通知する情報の内容は上記の例に限られない。また、電子機器10は車両6に対して直接通知を行うことも可能である。
<電子機器の動作フロー例>
図6は、電子機器10がその外部に通知を行うまでの当該電子機器10の動作の一例を示すフローチャートである。電子機器10は、図6に示されるステップs1〜s6の一連の処理を、定期的にあるいは不定期的に繰り返し実行する。
図6に示されるように、ステップs1において、位置判定部450は、電子機器10が所定領域に位置するか否かを判定する。ステップs1において、電子機器10が所定領域に位置すると判定されると、ステップs2において、停止移動特定部410は停止移動特定を行う。ステップs1において、電子機器10が所定領域に位置すると判定されない場合には、ステップs1が再度実行される。
ステップs2での停止移動特定において、ユーザ9が移動しており、その移動手段が「乗り物」であると特定されると、ステップs6において、通知決定部500は通知非実行を決定する。ユーザ9の移動手段が、自動車、電車、バス等の乗り物である場合には、ユーザ9は車両6に対して安全である可能性が高いことから、車両6の運転者に対して警告を行う必要性に乏しいと言える。そこで、通知決定部500は、ユーザ9の移動手段が「乗り物」であると特定された場合には、電子機器10が外部に通知を行わないことを決定する。これにより、ユーザ9が車両6に対して安全である場合に、当該車両6の運転者があまり必要でない情報を受け取る可能性を低減することができる。よって、車両6の運転者が、あまり必要でない情報を受け取ることによる煩わしさを感じる可能性を低減することができる。ステップs6が実行されると、電子機器10はステップs1を再度実行して、以後同様に動作する。
ステップs2での停止移動特定において、ユーザ9が移動しており、その移動手段が「走り」であると特定される場合には、ステップ5が実行される。また停止移動特定において、ユーザ9が移動しており、その移動手段が「自転車」であると特定される場合には、ステップ5が実行される。ステップs5では、通知決定部500は通知実行を決定する。ユーザ9の移動手段が「走り」及び「自転車」である場合には、ユーザ9が車両6に対して安全であるとは言い難い。そこで、通知決定部500は、ユーザ9の移動手段が「走り」あるいは「自転車」であると特定された場合には、電子機器10が外部に通知を行うことを決定する。ステップs5が実行されると、電子機器10は再度ステップs1を実行して、以後同様に動作する。
通知決定部500が通知実行を決定すると、例えば、上記のような存在通知情報が無線通信部110から路側機5に通知される。路側機5は受け取った存在通知情報を所定領域に存在する車両6に対して通知する。ステップs1において電子機器10が例えばT字路領域に存在すると判定されると、当該T字路領域に設けられた路側機5は、電子機器10から受け取った存在通知情報を、当該T字路領域に存在する車両6に対して通知する。車両6は、受け取った存在通知情報に基づいて、運転者に対して警告を行う。なお、存在通知情報は、T字路領域に存在する車両6に対して電子機器10から直接通知されてもよい。
ステップs2での停止移動特定において、ユーザ9が停止していることが特定されると、ステップs3において、屋内判定部440が屋内判定を行う。また停止移動特定において、ユーザ9が移動しており、その移動手段が「歩き」であると特定されると、ステップs3において、屋内判定部440が屋内判定を行う。
ステップs3での屋内判定において「屋内」と判定されると、ステップs6が実行されて通知非実行が決定される。ユーザ9がビル等の建物の中に存在する場合には、ユーザ9が車両6に対して安全である可能性が高い。したがって、ユーザ9が屋内に存在すると判定されると、電子機器10が外部に通知を行わないことが決定される。
一方で、ステップs3での屋内判定において「屋外」と判定されると、ステップs4において、車内判定部430は車内判定を行う。この車内判定において「車内」と判定されると、ステップs6が実行されて通知非実行が決定される。ユーザ9が車両6の中に存在する場合には、ユーザ9が他の車両6に対して安全である可能性が高い。したがって、ユーザが車内に存在すると判定されると、電子機器10が外部に通知を行わないことが決定される。
ステップs4での車内判定において「車外」と判定されると、つまり、ユーザ9が屋内に存在せずかつ車内に存在しないと判定されると、ステップs5が実行されて通知実行が決定される。ユーザ9が屋外でありかつ車外に存在する場合には、ユーザ9が車両6に対して安全であるとは言い難い。したがって、ユーザ9が屋内に存在せずかつ車内に存在しないと判定される場合には、電子機器10が外部に通知を行うことが決定される。
なおステップs6の代わりに、通知決定部500は通知実行を決定しもよい。この場合には、例えば、近くに存在するユーザ9が車道に飛び出す危険性が低いことを通知するための通知情報が、電子機器10から、路側機5を介してあるいは直接車両6に通知されてもよい。
また図7に示されるように、ステップs2の停止移動特定が実行されなくてもよい。この場合には、ステップs1において電子機器10が所定領域に存在すると判定されると、ステップs3の屋内判定が実行される。
また図8に示されるように、ステップs1が実行されなくてもよい。図8の例では、図7のフローにおいてステップs1が実行されていないが、図6のフローにおいてステップs1が実行されなくてもよい。この場合には、ステップs5が実行されるとステップs2が再度実行され、ステップs6が実行されるとステップs2が再度実行される。
また図9に示されるように、屋内判定及び車内判定が行われた後に、ステップs1が実行されてもよい。図9の例では、ステップs3において屋内判定が実行され、その後、ステップs4において車内判定が実行される。そして、ステップs1が実行される。ステップs1において、電子機器10が所定領域に位置すると判定されると、ステップs15において、通知決定部500は、ステップs3の屋内判定の結果及びステップs4の車内判定の結果に基づいて、電子機器10が外部に通知を行うか否かを決定する決定処理を行う。ステップs15において、通知決定部500は、屋内判定において「屋内」と判定されると、通知非実行を決定する。また通知決定部500は、車内判定において「車内」と判定されると、通知非実行を決定する。そして通知決定部500は、屋内判定において「屋外」と判定され、車内判定において「車外」と判定されると、通知実行を決定する。
なお図9の例では、停止移動特定が行われていないが、ステップs1の前に停止移動特定が行われてもよい。この場合には、ステップs15において、通知決定部500は、停止移動特定の結果と、屋内判定の結果と、車内判定の結果とに基づいて、電子機器10が外部に通知を行うか否かを決定する。例えば、通知決定部500は、停止移動特定で移動手段が「乗り物」であると特定された場合と、屋内判定において「屋内」と判定された場合と、車内判定において「車内」と判定された場合には、通知非実行を決定する。また通知決定部500は、停止移動特定で移動手段が「走り」であると特定された場合と、停止移動特定で移動手段が「自転車」であると特定された場合には、通知実行を決定する。そして通知決定部500は、屋内判定において「屋外」と判定され、かつ車内判定において「車外」と判定された場合には、通知実行を決定する。
また上記の各例において、屋内判定と車内判定の実行の順番は入れ替えられてもよい。また、屋内判定と車内判定とは並列的に行われてもよい。また、屋内判定と車内判定の一方は行われなくてもよい。
以上のように、通知決定部500は、車内判定の結果に基づいて、電子機器10が外部に通知を行うか否かを決定する決定処理を行うため、電子機器10が外部にあまり必要のない通知を行う可能性を低減することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
また通知決定部500は、屋内判定の結果に基づいて、電子機器10が外部に通知を行うか否かを決定する決定処理を行うため、電子機器10が外部にあまり必要のない通知を行う可能性を低減することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
また図6,7,9の例などでは、通知決定部500が、電子機器10が所定領域に位置する場合に決定処理を行い、電子機器10が所定領域に位置しない場合には決定処理を行わないため、電子機器10は必要なときに電子機器10が外部に通知を行うか否かを決定することができる。
また図6,7の例などでは、車内判定部430が、電子機器10が所定領域に位置する場合には車内判定を行い、電子機器10が所定領域に位置しない場合には車内判定を行わないため、電子機器10は必要なときに車内判定を行うことができる。
また図6,7の例などでは、屋内判定部440が、電子機器10が所定領域に位置する場合には屋内判定を行い、電子機器10が所定領域に位置しない場合には屋内判定を行わないため、電子機器10は必要なときに屋内判定を行うことができる。
また図6の例などでは、車内判定部430は、停止移動特定において、移動手段が「乗り物」、「走り」及び「自転車」であると特定された場合には車内判定を行わず、移動手段が「歩き」であると特定された場合には車内判定を行う。このように、車内判定部430が、停止移動特定で特定される移動手段の種類に応じて車内判定を行うことによって、常に車内判定が行われる場合と比較して、電子機器10の処理が簡素化される。
また図6の例などでは、屋内判定部440は、停止移動特定において、移動手段が「乗り物」、「走り」及び「自転車」であると特定された場合には屋内判定を行わず、移動手段が「歩き」であると特定された場合には屋内判定を行う。このように、屋内判定部440が、停止移動特定で特定される移動手段の種類に応じて屋内判定を行うことによって、常に屋内判定が行われる場合と比較して、電子機器10の処理が簡素化される。
<車内判定>
次に車内判定の詳細について説明する。以下では、車内判定の複数種類の例について説明する。
<車内判定の第1の例:通信接続設定の有無に基づく車内判定>
本例では、車内判定部430は、車両6に搭載された通信装置と無線通信部110とが通信接続するために必要な設定(以後、「通信接続設定」と呼ぶことがある)が電子機器10に行われているか否かに基づいて、ユーザ9が当該車両6の中に存在するか否かを判定する。車内判定部430は、電子機器10に通信接続設定が行われているとき、ユーザ9は車内に存在すると判定する。一方で、車内判定部430は、電子機器10に通信接続設定が行われていないとき、ユーザ9は車内に存在しないと判定する。以後、車両6に搭載された通信装置を「車載通信装置」と呼ぶことがある。
車載通信装置としては、例えば、Bluetooth及びはWifiの少なくとも一方に対応した電子機器が挙げられる。このような車載通信装置としては、Bluetooth及びWifiの少なくとも一方に対応したカーオーディオ装置及びカーナビゲーション装置などがある。
Bluetoothに対応した車載通信装置と電子機器10との間においてペアリングが完了すると、当該車載通信装置と無線通信部110とが通信接続するために必要な通信接続設定が電子機器10に行われる。車内判定部430は、Bluetoothに対応した車載通信装置と電子機器10との間でのペアリングの完了が確認できる場合には「車内」と判定する。一方で、車内判定部430は、当該ペアリングの完了が確認できない場合には「車外」と判定する。
また、アクセスポイントとして機能するWifiに対応した車載通信装置と電子機器10とが通信接続するために必要な通信接続設定は、当該車載通信装置に割り当てられているセキュリティキー(パスワードあるいは暗号キーとも呼ばれる)が電子機器10に入力されることによって行われる。車内判定部430は、Wifiに対応した車載通信装置が送信するSSID(Service Set Identifier)を無線通信部110が受信し、そのSSIDに対応するセキュリティキーが記憶部103に記憶されている場合には「車内」と判定する。一方で、車内判定部430は、無線通信部110が受信する、Wifiに対応した車載通信装置からのSSIDに対応するセキュリティキーが記憶部103内に記憶されていない場合には「車外」と判定する。
このように、車内判定部430が、電子機器10に通信接続設定が行われているか否かに基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10はユーザ9が車内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
<車内判定の第2の例:電子機器の動きに基づく車内判定>
ユーザ9が、自身が所有する車両6ではなく、他人の車両6の中に存在する場合、当該ユーザ9の電子機器10と、当該他人の車両6に搭載された通信装置とが通信接続を行うために必要な通信接続設定が当該電子機器10に行われていない可能性がある。そのため、上記の「車内判定の第1の例」では、車内判定部430は、他人の車両6の中にユーザ9が存在する場合に、ユーザ9が車内に存在すると適切に判定できない可能性がある。
一方で、複数のユーザ9が同じ車両6の中に存在する場合には、当該複数のユーザ9がそれぞれ持つ複数の電子機器10は互いに同じように動く可能性が高い。
そこで、本例では、電子機器10が備える車内判定部430は、当該電子機器10とは別の電子機器10のユーザ9が車内に存在すると判定する当該別の電子機器10の動きと、当該電子機器10の動きとに基づいて、当該電子機器10のユーザ9が車内に存在するか否かを判定する。これにより、電子機器10は、通信接続設定が行われていなくても、ユーザ9が車内に存在するか否かを正しく判定することができる。
以後、動作の説明対象の電子機器10を「自機器10」と呼ぶことがある。また自機器10のユーザ9を「自ユーザ9」と呼ぶことがある。また自機器10とは別の電子機器10を「他機器10」と呼ぶことがある。また他機器10のユーザ9を「他ユーザ9」と呼ぶことがある。車内判定部430は、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10の動きと、自機器10の動きとに基づいて、自ユーザ9が車内に存在するか否かを判定する。本例は、上述の図7〜9のように、ステップs2の停止移動特定が実行されない場合を想定している。
本例の車内判定は、同じ車両6の中に存在する複数の電子機器10(運転者及び同乗者がそれぞれ所有する複数の電子機器10)は、Bluetooth等を用いて互いに通信することが可能であることが前提となっている。例えば、自ユーザ9は、自機器10の表示領域12等を操作して、自機器10と同じ車両6の中に存在する他機器10と自機器10とのペアリングを設定する。これにより、同じ車両6の中に存在する複数の電子機器10はBluetoothを用いて互いに通信することが可能となる。
本例では、電子機器10は、そのユーザ9が車内に存在すると車内判定部430が判定しているときには、当該電子機器10の移動が停止するたびに、当該電子機器10の移動が停止するタイミング、つまり移動停止タイミングを、当該電子機器10が通信可能な他の電子機器10に対してBluetooth等を用いて通知する。電子機器10は、停止移動特定部410での停止移動特定の結果に基づいて、当該電子機器10の移動停止タイミングを特定することができる。
図10は本例に係る車内判定の一例を示すフローチャートである。図10に示されるように、ステップs21において、車内判定部430は、車内判定の第1の例と同様に、自機器10に通信接続設定が行われているか否かを確認する。車内判定部430は、自機器10に通信接続設定が行われている場合には、ステップs24において、自ユーザ9が車内に存在すると判定する。自ユーザ9が所有する車両6の中に自ユーザ9が存在する場合には、ステップs21において、自機器10に通信接続設定が行われると判定されることがある。
一方で、車内判定部430は、自機器10に通信接続設定が行われていない場合には、ステップs22において、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10から移動停止タイミングが通知されるか否かを判定する。自ユーザ9が他人の車両6の中に存在する場合には、ステップs21において、自機器10に通信接続設定が行われていないと判定されることがある。
ステップs22において、車内判定部430は、他機器10から移動停止タイミングが通知されないと判定する場合には、ステップs25において、自ユーザ9が車内に存在しないと判定する。自機器10に対して、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10から移動停止タイミングが通知されない場合には、自機器10は当該他機器10と離れて存在する可能性が高い。したがって、ステップs22において、他機器10から移動停止タイミングが通知されないと判定される場合には、自ユーザ9が車内に存在しない可能性が高い。
一方で、車内判定部430は、他機器10から移動停止タイミングが通知されると判定する場合には、通知される移動停止タイミングと、自機器10の移動停止タイミングとに基づいて、自ユーザ9が車内に存在するか否かを判定する。車内判定部430は、停止移動特定部410での停止移動特定の結果に基づいて、自機器10の移動停止タイミングを特定することができる。
ここで、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10の移動停止タイミングと、自機器10の移動停止タイミングとが近い場合には、自ユーザ9は、他ユーザ9と同じ車両6の中に存在する可能性が高い。
そこで、車内判定部430は、ステップs22において、他機器10から移動停止タイミングが通知されると判定する場合には、ステップs23において、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10から通知される最新の移動停止タイミングと、自機器10の最新の移動停止タイミングとが近いか否かを判定する停止タイミング比較を行う。
停止タイミング比較では、車内判定部430は、他機器10の最新の移動停止タイミングと、自機器10の最新の移動停止タイミングとの差が第1しきい値以下であるか否かを判定する。そして、車内判定部430は、当該差が第1しきい値以下であると判定すると、他機器10の最新の移動停止タイミングと、自機器10の最新の移動停止タイミングとが近いと判定する。一方で、車内判定部430は、当該差が第1しきい値よりも大きいと判定すると、他機器10の最新の移動停止タイミングと、自機器10の最新の移動停止タイミングとは近くはないと判定する。
なお本明細書では、矛盾が無い限り、ある値がしきい値以下であることを、当該ある値が当該しきい値よりも小さいことに置き換えることができ、その逆も可能である。また矛盾が無い限り、ある値がしきい値以上であることを、当該ある値が当該しきい値よりも大きいことに置き換えることができ、その逆も可能である。
上記の例では、車内判定部430は、他機器10の最新の移動停止タイミングと、自機器10の最新の移動停止タイミングとの差が第1しきい値以下のときに両タイミングが近いと判定し、当該差が第1しきい値よりも大きいときに両タイミングが近くないと判定する。上記のルールに当てはめると、車内判定部430は、他機器10の最新の移動停止タイミングと、自機器10の最新の移動停止タイミングとの差が第1しきい値よりも小さいときに両タイミングが近いと判定し、当該差が第1しきい値以上のとき両タイミングが近くないと判定してもよい。
ステップs23において、車内判定部430は、他機器10の移動停止タイミングと、自機器10の移動停止タイミングとが近いと判定する場合には、他ユーザ9と同じ車両6の中に自ユーザ9が存在するとして、ステップs24において、自ユーザ9が車内に存在すると判定する。一方で、車内判定部430は、他機器10の移動停止タイミングと、自機器10の移動停止タイミングとが近くないと判定する場合には、ステップs25において、自ユーザ9が車内に存在しないと判定する。
以後、停止タイミング比較において「近い」と判定されるとは、両方の移動停止タイミングが近いと判定されることを意味する。また、停止タイミング比較において「近くない」と判定されるとは、両方の移動停止タイミングが近くないと判定されることを意味する。
なお車内判定部430は、ステップs23において停止タイミング比較を複数回行ってもよい。この場合、車内判定部430は、複数回の停止タイミング比較のそれぞれにおいて「近い」と判定する場合、自ユーザ9が車内に存在すると判定し、複数回の停止タイミング比較の少なくとも1回において「近くない」と判定する場合、自ユーザ9が車内に存在しないと判定してもよい。
また電子機器10は、ユーザ9が車内に存在すると車内判定部430が判定しているときには、当該電子機器10の移動が開始するたびに、当該電子機器10の移動が開始するタイミング、つまり移動開始タイミングを、当該電子機器10が通信可能な他の電子機器10に対してBluetooth等を用いて通知してもよい。この場合には、ステップs22において、車内判定部430は、他機器10から移動開始タイミングが通知されるか否かを判定する。ステップs22において、他機器10から移動開始タイミングが通知されないと判定される場合には、ステップs25が実行されて、自ユーザ9は車内に存在しないと判定される。一方で、ステップs22において、他機器10から移動開始タイミングが通知されると判定される場合、ステップs23において、車内判定部430は、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10から通知される最新の移動開始タイミングと、自機器10の最新の移動開始タイミングとが近いか否かを判定する開始タイミング比較を行う。車内判定部430は、停止移動特定部410での停止移動特定の結果に基づいて、自機器10の移動開始タイミングを特定することができる。車内判定部430は、例えば、停止タイミング比較と同様にして、両方の移動開始タイミングの差と、第2しきい値とを比較することによって、両方の移動開始タイミングが近いか否かを判定することができる。
開始タイミング比較において、車内判定部430は、両方の移動開始タイミングが近いと判定する場合には、他ユーザ9と同じ車両6の中に自ユーザ9が存在するとして、ステップs24を実行して「車内」と判定する。一方で、車内判定部430は、両方の移動開始タイミングが近くないと判定する場合には、ステップs25を実行して「車外」と判定する。
以後、開始タイミング比較において「近い」と判定されるとは、両方の移動開始タイミングが近いと判定されることを意味する。また、開始タイミング比較において「近くない」と判定されるとは、両方の移動開始タイミングが近くないと判定されることを意味する。
車内判定部430は、ステップs23において開始タイミング比較を複数回行ってもよい。この場合、車内判定部430は、複数回の開始タイミング比較のそれぞれにおいて「近い」と判定する場合「車内」と判定し、複数回の開始タイミング比較の少なくとも1回において「近くない」と判定する場合「車外」と判定してよい。
また電子機器10は、ユーザ9が車内に存在すると車内判定部430が判定しているときには、当該電子機器10の移動停止タイミングと移動開始タイミングの両方をタイミング情報として、当該電子機器10が通信可能な他の電子機器10に対してBluetooth等を用いて通知してもよい。この場合、ステップs22において、車内判定部430は、他機器10からタイミング情報が通知されるか否かを判定する。ステップs22において、他機器10からタイミング情報が通知されないと判定される場合、ステップs25が実行される。一方で、ステップs22において、他機器10からタイミング情報が通知されると判定される場合、ステップs23において、車内判定部430は、停止タイミング比較及び開始タイミング比較の両方を行う。
ステップs23において、車内判定部430は、停止タイミング比較及び開始タイミング比較の両方を行う場合には、例えば、停止タイミング比較で「近い」と判定し、かつ開始タイミング比較で「近い」と判定するとき、「車内」と判定する。一方で、車内判定部430は、停止タイミング比較で「近くない」と判定する場合と、開始タイミング比較で「近くない」と判定する場合には、「車外」と判定する。
またステップs23において、車内判定部430は、停止タイミング比較及び開始タイミング比較のそれぞれを複数回行ってもよい。この場合、車内判定部430は、複数回の停止タイミング比較のそれぞれにおいて「近い」と判定し、かつ複数回の開始タイミング比較のそれぞれにおいて「近い」と判定する場合、「車内」と判定する。一方で、車内判定部430は、複数回の停止タイミング比較の少なくとも一回において「近くない」と判定した場合と、複数回の開始タイミング比較の少なくとも一回において「近くない」と判定する場合、「車外」と判定する。
上記の車外判定では、電子機器10の動きを表す情報として、移動停止タイミングあるいは移動開始タイミングが使用されているが、電子機器10の振動が使用されてもよい。この場合、車内判定部430は、自機器10の振動と、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10の振動とに基づいて、自ユーザ9が車内に存在するか否かを判定してもよい。この例では、ユーザ9が車内に存在すると判定する電子機器10は、例えば、当該電子機器10が移動しているときに加速度センサ200で検出される加速度の時間変化のパターン(以後、「移動時加速度パターン」と呼ぶことがある)を、当該電子機器10が通信可能な他の電子機器10に対してBluetooth等を用いて通知する。そして、ステップs22において、車内判定部430は、他機器10から、当該他機器10の振動を示す移動時加速度パターンが通知されるか否かを判定する。ステップs22において、他機器10から移動時加速度パターンが通知されないと判定されると、ステップs25が実行される。一方で、ステップs22において、他機器10から移動時加速度パターンが通知されると判定されると、ステップs23において、車内判定部430は、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10から通知される移動時加速度パターンと、自機器10が移動しているときに加速度センサ200で検出される加速度の時間変化のパターン(移動時加速度パターン)とを比較するパターン比較を行う。
ここで、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10での移動時加速度パターンと、自機器10での移動時加速度パターンとが類似する場合、自ユーザ9は他ユーザ9と同じ車両6の中に存在する可能性が高い。そこで、パターン比較において、車内判定部430は、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10から通知される移動時加速度パターンと、自機器10の移動時加速度パターンとが類似するか否かを判定する。車内判定部430は、両方の移動時加速度パターンが類似すると判断する場合、自ユーザ9は他ユーザ9と同じ車両6の中に存在するとして、ステップs24を実行して「車内」と判定する。一方で、車内判定部430は、両方の移動時加速度パターンが類似しないと判断する場合、ステップs25を実行して「車外」と判定する。2つの移動時加速度パターンが類似するか否かについては、例えば、当該2つの移動時加速度パターンの振幅及び周期に基づいて判定することができる。
このように、車内判定部430が、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10の動きと、自機器10の動きとに基づいて、自ユーザ9が車内に存在するか否かを判定することによって、自ユーザ9が他人の車両6に乗る場合などにおいても、電子機器10は、自ユーザ9が車内に存在するか否かを正しく判定することができる。
以後、パターン比較において「類似」と判定されるとは、両方の移動時加速度パターンが類似すると判定されることを意味する。また、パターン比較において「非類似」と判定されるとは、両方の移動時加速度パターンが類似していないと判定されることを意味する。
なお車内判定部430は、移動時加速度パターンと、移動停止タイミング及び移動開始タイミングの少なくとも一方とに基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定してもよい。この場合、例えば、車内判定部430は、停止タイミング比較及び開始タイミング比較の少なくとも一方と、パターン比較とを行う。
車内判定部430は、停止タイミング比較及びパターン比較を行う場合には、停止タイミング比較で「近い」と判定し、かつパターン比較で「類似」と判定すると、「車内」と判定する。一方で、車内判定部430は、停止タイミング比較で「近くない」と判定した場合と、パターン比較で「非類似」と判定した場合には、「車外」と判定する。
車内判定部430は、開始タイミング比較及びパターン比較を行う場合には、開始タイミング比較で「近い」と判定し、かつパターン比較で「類似」と判定すると、「車内」と判定する。一方で、車内判定部430は、開始タイミング比較で「近くない」と判定した場合と、パターン比較で「非類似」と判定した場合には、「車外」と判定する。
車内判定部430は、停止タイミング、開始タイミング比較及びパターン比較を行う場合には、停止タイミング比較及び開始タイミング比較のそれぞれで「近い」と判定し、かつパターン比較で「類似」と判定すると、「車内」と判定する。一方で、車内判定部430は、停止タイミング比較で「近くない」と判定した場合と、開始タイミング比較で「近くない」と判定した場合と、パターン比較で「非類似」と判定した場合には、「車外」と判定する。
<車内判定の第3の例:所定情報の受信の有無に基づく車内判定>
「車内判定の第2の例」で述べたように、ユーザ9が、自身が所有する車両6ではなく、他人の車両6の中に存在する場合には、当該ユーザ9の電子機器10には、通信接続設定が行われていない可能性がある。そのため、「車内判定の第1の例」では、車内判定部430は、他人の車両6の中にユーザ9が存在する場合に、ユーザ9が車内に存在すると適切に判定できない可能性がある。
そこで、本例では、車内判定部430は、車載通信装置から送信される所定情報を無線通信部110が受信するか否かに基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定する。
例えば、Bluetooth及びWifiの少なくとも一方に対応した通信装置が送信するデバイス情報に、当該通信装置の製造会社の名前を示すメーカ情報が含まれる場合を考える。この場合、車内判定部430は、無線通信部110がBluetoothあるいはWifiを用いて受信するデバイス情報に含まれるメーカ情報が自動車メーカを示す場合には、ユーザ9が車内に存在すると判定する。つまり、無線通信部110が、自動者メーカを示すメーカ情報を受信する場合には、車内判定部430は、ユーザ9が車内に存在すると判定する。一方で、車内判定部430は、無線通信部110がBluetoothあるいはWifiを用いて受信するメーカ情報が自動車メーカ以外の製造会社を示す場合には、ユーザ9が車内に存在しないと判定する。つまり、無線通信部110が、自動車メーカを示すメーカ情報を受信しない場合には、車内判定部430は、ユーザ9が車内に存在しないと判定する。また、車内判定部430は、無線通信部110が、BluetoothあるいはWifiを用いて、カーナビゲーション装置の製造会社を示すメーカ情報を受信する場合に、ユーザ9が車内に存在すると判定してもよい。また、車内判定部430は、無線通信部110が、BluetoothあるいはWifiを用いて、カーオーディオ装置の製造会社を示すメーカ情報を受信する場合に、ユーザ9が車内に存在すると判定してもよい。
また例えば、車載通信装置が送信するデバイス情報に、自身が車載に搭載された通信装置であることを示す車載情報が含まれる場合を考える。この場合には、車内判定部430は、無線通信部110がBluetoothあるいはWifiを用いて車載情報を受信する場合には、ユーザ9が車内に存在すると判定する。一方で、車内判定部430は、無線通信部110がBluetoothあるいはWifiを用いて車載情報を受信しない場合には、ユーザ9が車内に存在しないと判定する。
このように、車内判定部430が、車載通信装置から送信される所定情報を無線通信部110が受信するか否かに基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10は、通信接続設定が行われていなくても、ユーザ9が車内に存在するか否かを正しく判定することができる。
<車内判定の第4の例:電子機器の周囲の空気の状態に基づく車内判定>
本例では、車内判定部430は、電子機器10の周囲の空気の状態に基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定する。
本例に係る電子機器10は、図11に示されるように、電子機器10の周囲の空気の状態を検出するセンサ260を備えている。センサ260は、例えば、電子機器10の周囲の空気の状態として、電子機器10の周囲のガスを検出するガスセンサである。車内判定において、車内判定部430は、センサ260での検出結果に基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定する。ガスセンサの方式は、半導体式であっても他の方式であってもよい。
ここで、車両6の中の空気に含まれるガス成分と、車両6の外側の空気に含まれるガス成分とが、種類及び濃度の点において、互いに異なっていることが知られている。本例では、電子機器10が車両6の中に存在する場合のセンサ260での検出結果が、車両ガス情報として記憶部103に記憶されている。車両ガス情報は、車両6の中の空気の状態を示すと言える。車内判定部430は、車内判定において、センサ260からその検出結果を取得し、取得した検出結果と、記憶部103内の車両ガス情報とを比較する。そして、車内判定部430は、センサ260での検出結果と車両ガス情報とが類似する場合には、ユーザ9が車内に存在すると判定する。一方で、車内判定部430は、センサ260での検出結果と車両ガス情報とが類似しない場合には、ユーザ9が車内に存在しないと判定する。センサ260での検出結果と車両ガス情報とが類似するか否かについては、それらに含まれるガス成分の種類及び濃度に基づいて判定することができる。
本例の電子機器10の動作モードには、車両ガス情報を電子機器10に登録するためのガス情報登録モードが含まれる。ユーザ9は、電子機器10が車内に存在するときに、例えば表示領域12を操作して、電子機器10にその動作モードをガス情報登録モードに設定させる。ガス情報登録モードの電子機器10では、ユーザ9が例えば表示領域12に対して所定の操作を行うと、センサ260での検出結果が車両ガス情報として記憶部103に記憶される。これにより、車両ガス情報が電子機器10に登録される。ユーザ9は、車両ガス情報が電子機器10に登録されると、例えば表示領域12を操作することによって、電子機器10にガス情報登録モードを解除させる。
電子機器10は、自動的に車両ガス情報を登録してもよい。例えば、制御部100は、停止移動特定部410で移動手段が「乗り物」であると特定されているときのセンサ260での検出結果を車両ガス情報として記憶部103に登録する。制御部100は、ユーザ9が「乗り物」で移動している場合には、記憶部103内の車両ガス情報を定期的あるいは不定期に更新してもよい。
なお、センサ260は、電子機器10の周囲の空気の状態として、電子機器10の周囲のにおいを検出するにおいセンサであってもよい。この場合、車内判定において、車内判定部430は、センサ260が特定のにおいを検出するか否に基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定してもよい。特定のにおいとしては、例えば、車内に設けられている芳香剤のにおいが挙げられる。この例では、電子機器10が車内に存在する場合にセンサ260で検出されるにおいの種類が、車両におい情報として記憶部103に記憶される。車内判定部430は、車内判定において、センサ260で検出されるにおいの種類と、記憶部103内の車両におい情報とが一致するか否かを判定する。車内判定部430は、センサ260で検出されるにおいの種類と車両におい情報とが一致する場合には、ユーザ9が車内に存在すると判定する。一方で、車内判定部430は、センサ260で検出されるにおいの種類と車両におい情報とが一致しない場合には、ユーザ9が車内に存在しないと判定する。車両におい情報の記憶部103への記憶、つまり車両におい情報の電子機器10への登録は、車両ガス情報の電子機器10への登録と同様に、ユーザ9が表示領域12を操作することによって行われてもよいし、電子機器10で自動的に行われてもよい。
また、車内に設けられた芳香剤に含まれるにおいの種類を示すバーコードが当該芳香剤に示される場合には、当該バーコードが示すにおいの種類が車両におい情報として電子機器10に登録されてもよい。電子機器10は、当該バーコードから情報を読み取り、読み取った情報を車両におい情報として記憶部103に記憶することができる。
このように、車内判定部430が、電子機器10の周囲の空気の状態に基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10はユーザ9が車内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
<車内判定の第5の例:ユーザの移動手段の種類に基づく車内判定>
上述の図7〜9に示されるように、ステップs2が実行されない場合には、車内判定部430は、停止移動特定部410で特定されるユーザ9の移動手段の種類に基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定してよい。
例えば、車内判定部430は、停止移動特定において、ユーザ9に移動手段が「乗り物」であると判定された場合、ユーザ9が車内に存在すると判定する。一方で、車内判定部430は、停止移動特定において、ユーザ9に移動手段が「歩き」であると判定された場合と、「走り」であると判定された場合と、「自転車」であると判定された場合には、ユーザ9が車内に存在しないと判定する。
このように、車内判定部430が、停止移動特定部410で特定されるユーザ9の移動手段の種類に基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10はユーザ9が車内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
以上のように、ここでは、第1〜第5の例に係る5種類の車内判定について説明した。車内判定部430は、上述のステップs4において、5種類の車内判定のうち、2種類以上の車内判定を暫定的な車内判定として行い、暫定的な車内判定の結果に基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを最終的に判定してもよい。
例えば、車内判定部430は、実行した2種類以上の暫定的な車内判定のうち、少なくとも1種類の暫定的な車内判定において「車内」と判定したとき、ユーザ9が車内に存在すると最終的に判定する。そして、車内判定部430は、実行した2種類以上の暫定的な車内判定のすべてにおいて「車外」と判定した場合、ユーザ9が車内に存在しないと最終的に判定する。車内判定部430が、例えば、第2及び第3の例に係る車内判定を暫定的に行う場合には、車内判定部430は、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10の動きと、自機器10の動きと、車載通信装置から送信される所定情報を自機器10の無線通信部110が受信するか否かとに基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定すると言える。また車内判定部430が、例えば、第3及び第4の例に係る車内判定を暫定的に行う場合には、車内判定部430は、他ユーザ9が車内に存在すると判定する他機器10の動きと、自機器10の動きと、自機器10の周囲の空気の状態とに基づいて、ユーザ9が車内に存在するか否かを判定すると言える。
<降車判定>
ユーザ9は、電子機器10を車両6の中に残したまま、当該車両6から降りて車外に存在することがある。このような場合、電子機器10が車内に存在することから、上記の車内判定では、ユーザ9が車両6から降りているにもかかわらず、ユーザ9が車内に存在すると判定される可能性がある。
そこで、ユーザ9が電子機器10を車内に残したまま、車両6から降りる場合であっても、ユーザ9が車両6から降りたことを電子機器10が正しく判断することができるようにしてもよい。図12はこの場合の電子機器10の制御部100の構成の一例を示すブロック図である。
図12に示されるように、制御部100は、車両6のドアの開閉を特定することが可能な開閉特定部600を備える。また状態特定部400は、ユーザ9が車両6から降りたことを特定することが可能な降車特定部460を備える。開閉特定部600及び降車特定部460の少なくとも一方は、その機能の実行にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。
開閉特定部600は、電子機器10の振動に基づいて、車両6のドアの開閉を特定することが可能である。開閉特定部600は、例えば、加速度センサ200で検出される、電子機器10の振動を示す加速度に基づいて、車両6のドアの開閉を特定することが可能である。
ここで、車両6のドアが開いたときには車両6が振動する。このとき、車両6内に電子機器10が存在する場合には、当該電子機器10も振動する。電子機器10が振動すると、加速度センサ200で検出される加速度も変化する。したがって、開閉特定部600は、加速度センサ200で検出される加速度に基づいて、車両6のドアが開いたことを特定することができる。
同様に、車両6のドアが閉じたときには車両6が振動する。このとき、車両6内に電子機器10が存在する場合には、当該電子機器10も振動する。電子機器10が振動すると、加速度センサ200で検出される加速度も変化する。したがって、開閉特定部600は、加速度センサ200で検出される加速度に基づいて、車両6のドアが閉じたことを特定することができる。
降車特定部460は、ユーザ9が車内に存在すると車内判定部430が判定する場合に電子機器10の移動が停止したと停止移動特定部410で特定された後、開閉特定部600で車両6のドアが開いたことが特定され、その後、開閉特定部600で車両6のドアが閉まったことが特定されると、ユーザ9が車両6から降りたと判断する。つまり、降車特定部460は、ユーザ9が車内に存在する場合に電子機器10の移動が停止し、その後、車両6のドアが開いた後に閉まると、ユーザ9が車両6から降りたと判断する。これにより、ユーザ9が車内に電子機器10を残した状態で車両6から降りる場合であっても、電子機器10はユーザ9が車両6から降りたことを正しく特定することができる。
降車特定部460で、ユーザ9が車両6から降りたと判断され、電子機器10が所定領域に位置する場合には、通知決定部500は「通知実行」を決定する。一方で、降車特定部460で、ユーザ9が車両6から降りたと判断された場合であっても、電子機器10が所定領域に位置しない場合には、通知決定部500は「通知非実行」を決定する。なお、電子機器10が所定領域に位置するか否かにかかわらず、降車特定部460でユーザ9が車両6から降りたと判断されたとき、通知決定部500は「通知実行」を決定してもよい。
また降車特定部460は、ユーザ9が車内に存在すると車内判定部430が判定する場合に電子機器10の移動が停止したと停止移動特定部410で特定された後、開閉特定部600で車両6のドアが開いたことが特定されると、ユーザ9が車両6から降りたと判断してもよい。この場合、開閉特定部600は車両6のドアが閉まったことを特定しなくてもよい。
また降車特定部460は、ユーザ9が車内に存在すると車内判定部430が判定する場合に電子機器10の移動が停止したと停止移動特定部410で特定された後、開閉特定部600で車両6のドアが閉まったことが特定されると、ユーザ9が車両6から降りたと判断してもよい。この場合、開閉特定部600は車両6のドアが開いたことを特定しなくてもよい。
このように、本例では、ユーザ9が車内に存在すると判定される場合に電子機器10の移動が停止したと特定された後、車両6のドアが開いたこと及び閉まったことの少なくとも一方が特定されると、ユーザ9が車両から降りたと降車特定部460が判断する。言い換えれば、ユーザ9が車内に存在する場合に電子機器10の状態が移動状態から停止状態に変化した後、車両6のドアが開いたこと及び閉まったことの少なくとも一方が特定されると、ユーザ9が車両から降りたと降車特定部460が判断する。これにより、電子機器10は、ユーザ9の車両6からの降車を正しく特定することができる。
なお、ユーザ9が電子機器10を持って車両6から降りる場合であっても、車両6のドアが開閉するときに、ユーザ9が持つ電子機器10が振動する可能性が高い。したがって、ユーザ9が電子機器10を持って車両6から降りる場合であっても、降車特定部460は、ユーザ9が車両6から降りたことを正しく特定することができる。
また、ユーザ9が電子機器10を持って車両6から降りて自力移動する場合には、電子機器10の停止移動特定部410は、ユーザ9が自力移動することを特定することになる。そこで、降車特定部460は、ユーザ9が車内に存在すると判定される場合に電子機器10の移動が停止したと特定された後、ユーザ9が自力移動すると停止移動特定部410で特定されると、ユーザ9が車両6から降りたと判断してもよい。これにより、ユーザ9が電子機器10を持って車両6から降りる場合に、ユーザ9が車両6から降りたことをより正しく特定することができる。
また車両6が、自身のドアについての開閉情報を、Bluetooth等を用いて、車両6内の電子機器10に通知することができる場合には、降車特定部460は、車両6からのドアの開閉情報に基づいて、ユーザ9が車両6から降りたことを特定してもよい。例えば、降車特定部460は、ユーザ9が車内に存在すると判定される場合に電子機器10の移動が停止したと特定された後、車両6のドアが開いたことが車両6から通知されると、ユーザ9が車両6から降りたと判断してもよい。また降車特定部460は、ユーザ9が車内に存在すると判定される場合に電子機器10の移動が停止したと特定された後、車両6のドアが閉まったことが車両6から通知されると、ユーザ9が車両6から降りたと判断してもよい。また降車特定部460は、ユーザ9が車内に存在すると判定される場合に電子機器10の移動が停止したと特定された後、車両6のドアが開いたことが車両6から通知され、その後に車両6のドアが閉まったことが車両6から通知されると、ユーザ9が車両6から降りたと判断してもよい。
このように、ユーザ9が車内に存在すると判定される場合に電子機器10の移動が停止したと特定された後、ドアが開いたこと及び閉まったことの少なくとも一方が車両6から通知されると、ユーザ9が車両6から降りたと降車特定部460が判断することにより、電子機器10は、ユーザ9が車両6から降りることを正しく特定することができる。
<屋内判定>
次に屋内判定の詳細について説明する。以下では、屋内判定の複数種類の例について説明する。
<屋内判定の第1の例:受信状態の変化とユーザの動きを利用>
ユーザ9が屋外から屋内に移動すると、受信部140の受信状態が悪化する可能性が高い。また、ユーザ9が屋内から屋外に移動すると、受信部140の受信状態が向上する可能性が高い。したがって、受信部140の受信状態の変化に基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かをある程度正確に判定することが可能である。
しかしながら、ユーザ9が屋外に存在する場合であっても、ユーザ9が一時的にトンネルあるいは橋の下を通過するとき、あるいはユーザ9の上方に一時的に庇があるときなどには、受信部140の受信状態が変化することがある。したがって、受信部140の受信状態の変化だけに基づいてユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する場合には、誤判定が生じる可能性がある。
そこで、本例に係る屋内判定部440は、受信部140の受信状態の変化と、動き情報取得部420で取得される、ユーザ9の動きを示す動き情報とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する。これにより、電子機器10ユーザ9が屋内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
動き情報には、ユーザ9の連続停止時間、ユーザ9の連続歩行時間、ユーザ9の連続歩行歩数及びユーザ9の進行方向の少なくとも一つが含まれる。ここで、ユーザ9の連続停止時間とは、ユーザ9が連続して停止している時間である。ユーザ9の連続歩行時間とは、ユーザ9が連続して歩行している時間である。また、ユーザの連続歩行歩数とは、ユーザ9が連続して歩行している場合の歩行開始からの歩数である。以下に、ユーザ9の連続停止時間に基づく屋内判定と、ユーザ9の連続歩行時間に基づく屋内判定と、ユーザ9の連続歩行歩数に基づく屋内判定と、ユーザ9の進行方向に基づく屋内判定について説明する。以後、単に受信状態と言えば、受信部140の受信状態を意味する。
<ユーザの連続停止時間に基づく屋内判定>
ユーザ9が屋内に存在するときには、ユーザ9が長い間連続的に停止する可能性が高い。そこで、屋内判定部440は、例えば、受信状態の変化と、ユーザ9の連続停止時間とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する。図13はこの場合の屋内判定の一例を示すフローチャートである。
図13に示されるように、ステップs31において、屋内判定部440は、前回の屋内判定の結果を確認する。屋内判定部440は、前回の屋内判定において「屋外」と判定した場合、つまりユーザ9が屋外に存在すると判定している場合、ステップs32において、所定時間の間に受信状態が悪化するか否かを判定する。屋内判定部440は、所定時間の間に受信状態が悪化したと判断すると、ステップs33において、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続停止時間が第3しきい値以上になるかを所定時間の間確認(監視)する。一方で、屋内判定部440は、所定時間の間に受信状態が悪化しないと判断すると、ステップs36において、ユーザ9は屋内に存在しないと判定する。
ステップs33において、屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続停止時間が第3しきい値以上になることが所定時間の間で確認できれば、ステップs34において「屋内」と判定する。一方で、屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続停止時間が第3しきい値以上になることが所定時間の間で確認できなければ、ステップs36において「屋外」と判定する。
第3しきい値は、例えば、10秒以上に設定される。屋内判定部440は、停止移動特定部410での停止移動特定の結果に基づいて、ユーザ9の連続停止時間を求めることができる。
屋内判定部440は、例えば、受信部140で取得される最新の捕捉衛星数が、その前に取得された捕捉衛星数よりも小さく、両捕捉衛星数の差分の絶対値が第4しきい値以上のとき、受信状態が悪化したと判断する。第4しきい値は例えば3以上に設定される。なお、捕捉衛星数の代わりに、受信部140での受信信号のC/N値が採用されてもよい。C/N値は、搬送波電力と雑音電力との比を表しており、受信品質を示している。受信部140は、受信信号のC/N値を算出して制御部100に出力することが可能である。屋内判定部440は、受信部140で取得される最新のC/N値が、その前に取得されたC/N値よりも小さく、両C/N値の差分の絶対値が第5しきい値以上のとき、受信状態が悪化したと判断する。第5しきい値は、例えば10以上に設定される。
屋内判定部440は、ステップs31において、前回の屋内判定の結果を確認した結果、前回の屋内判定において「屋内」と判定した場合には、つまりユーザ9が屋内に存在すると判定している場合には、ステップs35において、所定時間の間に受信状態が向上するかを確認する。屋内判定部440は、所定時間の間に受信状態が向上したと判断すると、ステップs36において「屋外」と判定する。一方で、屋内判定部440は、所定時間の間に受信状態が向上したことを確認できない場合には、つまり、所定時間の間ずっと受信状態が向上しない場合には、ステップs34において「屋内」と判定する。
屋内判定部440は、例えば、受信部140で取得される最新の捕捉衛星数が、その前に取得された捕捉衛星数よりも大きく、両捕捉衛星数の差分の絶対値が第6しきい値以上のとき、受信状態が向上したと判断する。第6しきい値は例えば3以上に設定される。なお、捕捉衛星数の代わりに、受信部140での受信信号のC/N値が採用されてもよい。
このように、屋内判定部440が、受信状態の変化と、ユーザ9の連続停止時間とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10は、ユーザ9が屋内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
以後、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続停止時間が第3しきい値以上になるかを所定時間の間確認することを「悪化状態での停止時間確認」と呼ぶことがある。また、悪化状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認されたと言えば、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続停止時間が第3しきい値以上になることが所定時間の間に確認されたことを意味する。また、悪化状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認されなかったと言えば、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続停止時間が第3しきい値以上になることが所定時間の間に確認されなかったことを意味する。
<ユーザの連続歩行時間に基づく屋内判定>
ユーザ9が屋内に存在するときには、ユーザ9の連続歩行時間が大きくなる可能性は低い。そこで、屋内判定部440は、例えば、受信状態の変化と、ユーザ9の連続歩行時間とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する。この場合、屋内判定部440は、上述のステップs33において、受信状態が悪化している状態でのユーザ9の連続歩行時間が第7しきい値以上になるかを所定時間の間確認する。屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態でのユーザ9の連続歩行時間が第7しきい値以上になることが所定時間の間に確認できれば、ステップs36を実行して「屋外」と判定する。一方で、屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態でのユーザ9の連続歩行時間が第7しきい値以上になることが所定時間の間に確認できなければ、ステップs34を実行して「屋内」と判定する。第7しきい値は、例えば、5〜10秒に設定される。屋内判定部440は、停止移動特定部410での停止移動特定の結果に基づいて、ユーザ9の連続歩行時間を求めることができる。本例の屋内判定の他の部分については、図13の例と同様である。
このように、屋内判定部440が、受信状態の変化と、ユーザ9の連続歩行時間とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10は、ユーザ9が屋内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
以後、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続歩行時間が第7しきい値以上になるかを所定時間の間確認することを「悪化状態での歩行時間確認」と呼ぶことがある。また、悪化状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認されたと言えば、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続歩行時間が第7しきい値以上になることが所定時間の間に確認されたことを意味する。また、悪化状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認されなかったと言えば、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続歩行時間が第7しきい値以上になることが所定時間の間に確認されなかったことを意味する。
<ユーザの連続歩行歩数に基づく屋内判定>
ユーザ9が屋内に存在するときには、ユーザ9の連続歩行歩数が大きくなる可能性は低い。そこで、屋内判定部440は、例えば、受信状態の変化と、ユーザ9の連続歩行歩数とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する。この場合、屋内判定部440は、上述のステップs33において、受信状態が悪化している状態でのユーザ9の連続歩行歩数が第8しきい値以上になるかを所定時間の間確認する。屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態でのユーザ9の連続歩行歩数が第8しきい値以上になることが所定時間の間に確認できれば、ステップs36を実行して「屋外」と判定する。一方で、屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態でのユーザ9の連続歩行歩数が第8しきい値以上になることが所定時間の間に確認できなければ、ステップs34を実行して「屋内」と判定する。第8しきい値は、例えば、5〜10に設定される。屋内判定部440は、停止移動特定部410での停止移動特定の結果に基づいて、ユーザ9の連続歩行歩数を求めることができる。本例の屋内判定の他の部分については、図13の例と同様である。
このように、屋内判定部440が、受信状態の変化と、ユーザ9の連続歩行歩数とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10は、ユーザ9が屋内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
以後、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続歩行歩数が第8しきい値以上になるかを所定時間の間確認することを「悪化状態での歩数確認」と呼ぶことがある。また、悪化状態での歩数確認において「歩数・大」が確認されたと言えば、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続歩行歩数が第8しきい値以上になることが所定時間の間に確認されたことを意味する。また、悪化状態での歩数確認において「歩数・大」が確認されなかったと言えば、受信状態が悪化している状態でユーザ9の連続歩行歩数が第8しきい値以上になることが所定時間の間に確認されなかったことを意味する。
<ユーザの進行方向に基づく屋内判定>
ユーザ9が屋内に存在するときには、ユーザ9の進行方向が長時間一定である可能性は低い。そこで、屋内判定部440は、例えば、受信状態の変化と、ユーザ9の進行方向に基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する。この場合、屋内判定部440は、上述のステップs33において、受信状態が悪化している状態でユーザ9の進行方向が所定時間の間変化しないかを確認する。屋内判定部440は、地磁気センサ230で検出される磁場に基づいて、ユーザ9の進行方向を特定することができる。屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態でユーザ9の進行方向が所定時間の間に変化しないと判断すれば、ステップs36を実行して「屋外」と判定する。一方で、屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態でユーザ9の進行方向が所定時間の間に変化したと判断すれば、ステップs34を実行して「屋内」と判定する。本例の屋内判定の他の部分については、図13の例と同様である。
このように、屋内判定部440が、受信状態の変化と、ユーザ9の進行方向とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10は、ユーザ9が屋内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
以後、受信状態が悪化している状態でユーザ9の進行方向が所定時間の間変化しないかを確認することを「悪化状態での進行方向確認」と呼ぶことがある。また、悪化状態での進行方向確認において「変化なし」が確認されたと言えば、受信状態が悪化している状態でユーザ9の進行方向が所定時間の間に変化しないと判断されたことを意味する。また、悪化状態での進行方向確認において「変化なし」が確認されなかったと言えば、受信状態が悪化している状態でユーザ9の進行方向が所定時間の間に変化したと判断されたことを意味する。
なお屋内判定部440は、ユーザ9の連続停止時間、ユーザ9の連続歩行時間、ユーザ9の連続歩行歩数及びユーザ9の進行方向の少なくとも2つの情報と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。
例えば、屋内判定部440は、ステップs33において、悪化状態での停止時間確認及び悪化状態での歩行時間確認を行うことによって、ユーザ9の連続停止時間及び連続歩行時間と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。この場合には、屋内判定部440は、悪化状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認され、かつ悪化状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認されなかった場合には、「屋内」と判定する。一方で、屋内判定部440は、悪化状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認されなかった場合と、悪化状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認された場合には、「屋外」と判定する。
また例えば、屋内判定部440は、ステップs33において、悪化状態での停止時間確認、悪化状態での歩行時間確認及び悪化状態での歩数確認を行うことによって、ユーザ9の連続停止時間、連続歩行時間及び連続歩行歩数と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。この場合には、屋内判定部440は、悪化状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認され、かつ悪化状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認されず、かつ悪化状態での歩数確認において「歩数・大」が確認されなかった場合には、「屋内」と判定する。一方で、屋内判定部440は、悪化状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認されなかった場合と、悪化状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認された場合と、悪化状態での歩数確認において「歩数・大」が確認された場合には、「屋外」と判定する。
また例えば、屋内判定部440は、ステップs33において、悪化状態での停止時間確認、悪化状態での歩行時間確認、悪化状態での歩数確認及び悪化状態での進行方向確認を行うことによって、ユーザ9の連続停止時間、連続歩行時間、連続歩行歩数及び進行方向と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。この場合には、屋内判定部440は、悪化状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認され、かつ悪化状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認されず、かつ悪化状態での歩数確認において「歩数・大」が確認されず、かつ悪化状態での進行方向確認で「変化なし」が確認されなかった場合には、「屋内」と判定する。一方で、屋内判定部440は、悪化状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認されなかった場合と、悪化状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認された場合と、悪化状態での歩数確認において「歩数・大」が確認された場合と、悪化状態での進行方向確認において「変化なし」が確認された場合には、「屋外」と判定する。
また、ユーザ9が屋内に存在する場合であっても、ユーザ9が窓際に位置するようになると、受信状態が向上することがある。したがって、上記の図13の例のように、屋内判定部440が、ユーザ9が屋内に存在すると判定した後、受信状態が向上したと判断したときに「屋外」と判定する場合には、ユーザ9が屋内に存在するにもかかわらず、ユーザ9が屋内に存在しないと判定する可能性がある。
一方で、ユーザ9が屋内に存在する場合には、受信状態が向上したとしても、ユーザ9の連続停止時間が大きくなる可能性及びユーザ9の連続歩行時間が大きくならない可能性は変化しない。
そこで、屋内判定部440は、ユーザ9が屋内に存在すると判定した後、受信状態が向上したと判断した場合、動き情報に基づいて、ユーザ9が屋外に出たことを特定してもよい。
例えば、屋内判定部440は、ステップs35において所定時間の間に受信状態が向上したと判断した後、図14に示されるように、ステップs38を実行する。ステップs38では、屋内判定部440は、動き情報に基づいてユーザ9が屋外に出たか否かを判定する。ステップs38において、屋内判定部440は、例えば、ユーザ9の連続停止時間に基づいてユーザ9が屋外に出たか否かを判定する。屋内判定部440は、例えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続停止時間が第3しきい値以上になるかを所定時間の間確認する。以後、この確認を「向上状態での停止時間確認」と呼ぶことがある。屋内判定部440は、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続停止時間が第3しきい値以上になることが所定時間の間に確認できなかった場合、ユーザ9が屋外に出たと判定する。そして、屋内判定部440は、ステップs36を実行して「屋外」と判定する。一方で、屋内判定部440は、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続停止時間が第3しきい値以上になることが所定時間の間に確認できた場合、ユーザ9が屋外に出ていないと判定する。そして、屋内判定部440は、ステップs34を実行して「屋内」と判定する。
以後、向上状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認されたと言えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続停止時間が第3しきい値以上になることが所定時間の間に確認されたことを意味する。また、向上状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認されなかったと言えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続停止時間が第3しきい値以上になることが所定時間の間に確認されなかったことを意味する。
なおステップs38において、屋内判定部440は、ユーザ9の連続歩行時間に基づいてユーザ9が屋外に出たか否かを判定してよい。この場合、屋内判定部440は、例えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続歩行時間が第7しきい値以上になるかを所定時間の間確認する。この確認を「向上状態での歩行時間確認」と呼ぶことがある。屋内判定部440は、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続歩行時間が第7しきい値以上になることが所定時間の間に確認できれば、ユーザ9が屋外に出たと判定する。一方で、屋内判定部440は、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続歩行時間が第7しきい値以上になることが所定時間の間に確認できなければ、ユーザ9が屋外に出ていないと判定する。
以後、向上状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認されたと言えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続歩行時間が第7しきい値以上になることが所定時間の間に確認されたことを意味する。また、向上状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認されなかったと言えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続歩行時間が第7しきい値以上になることが所定時間の間に確認されなかったことを意味する。
またステップs38において、屋内判定部440は、ユーザ9の連続歩行歩数に基づいてユーザ9が屋外に出たか否かを判定してよい。この場合、屋内判定部440は、例えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続歩行歩数が第8しきい値以上になるかを所定時間の間確認する。この確認を「向上状態での歩数確認」と呼ぶことがある。屋内判定部440は、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続歩行歩数が第8しきい値以上になることが所定時間の間に確認できれば、ユーザ9が屋外に出たと判定する。一方で、屋内判定部440は、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続歩行歩数が第8しきい値以上になることが所定時間の間に確認できなければ、ユーザ9が屋外に出ていないと判定する。
以後、向上状態での歩数確認において「歩数・大」が確認されたと言えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続歩行歩数が第8しきい値以上になることが所定時間の間に確認されたことを意味する。また、向上状態での歩数確認において「歩数・大」が確認されなかったと言えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の連続歩行歩数が第8しきい値以上になることが所定時間の間に確認されなかったことを意味する。
またステップs38において、屋内判定部440は、ユーザ9の進行方向に基づいてユーザ9が屋外に出たか否かを判定してよい。この場合、屋内判定部440は、例えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の進行方向が所定時間の間変化しないかを確認する。この確認を「向上状態での進行方向確認」と呼ぶことがある。屋内判定部440は、受信状態が向上している状態でユーザ9の進行方向が所定時間の間変化しないと判断する場合には、ユーザ9が屋外に出ていないと判定する。一方で、屋内判定部440は、受信状態が向上している状態でユーザ9の進行方向が所定時間の間に変化したと判断する場合には、ユーザ9が屋外に出たと判定する。
以後、向上状態での進行方向確認において「変化なし」が確認されたと言えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の進行方向が所定時間の間に変化しないと判断されたことを意味する。また、向上状態での進行方向確認において「変化なし」が確認されなかったと言えば、受信状態が向上している状態でユーザ9の進行方向が所定時間の間に変化したと判断されたことを意味する。
またステップs38において、屋内判定部440は、ユーザ9の連続停止時間、ユーザ9の連続歩行時間、ユーザ9の連続歩行歩数及びユーザ9の進行方向の少なくとも2つの情報に基づいて、ユーザ9が屋外から出たか否かを判定してもよい。
例えば、屋内判定部440は、ステップs38において、向上状態での停止時間確認及び向上状態での歩行時間確認を行うことによって、ユーザ9の連続停止時間及び連続歩行時間に基づいて、ユーザ9が屋外に出たか否かを判定してもよい。この場合には、屋内判定部440は、向上状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認され、かつ向上状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認されなかった場合には、ユーザ9が屋外に出ていないと判定する。一方で、屋内判定部440は、向上状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認されなかった場合と、向上状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認された場合には、ユーザ9が屋外に出たと判定する。
また例えば、屋内判定部440は、ステップs38において、向上状態での停止時間確認、向上状態での歩行時間確認及び向上状態での歩数確認を行うことによって、ユーザ9の連続停止時間、連続歩行時間及び連続歩行歩数に基づいて、ユーザ9が屋外に出たか否かを判定してもよい。この場合には、屋内判定部440は、向上状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認され、かつ向上状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認されず、かつ向上状態での歩数確認において「歩数・大」が確認されなかった場合には、ユーザ9が屋外に出ていないと判定する。一方で、屋内判定部440は、向上状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認されなかった場合と、向上状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認された場合と、向上状態での歩数確認において「歩数・大」が確認された場合には、ユーザ9が屋外に出たと判定する。
また例えば、屋内判定部440は、ステップs38において、向上状態での停止時間確認、向上状態での歩行時間確認、向上状態での歩数確認及び向上状態での進行方向確認を行うことによって、ユーザ9の連続停止時間、連続歩行時間、連続歩行歩数及び進行方向に基づいて、ユーザ9が屋外に出たか否かを判定してもよい。この場合には、屋内判定部440は、向上状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認され、かつ向上状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認されず、かつ向上状態での歩数確認において「歩数・大」が確認されず、かつ向上状態での進行方向確認で「変化なし」が確認されなかった場合には、ユーザ9が屋外に出ていないと判定する。一方で、屋内判定部440は、向上状態での停止時間確認において「停止時間・大」が確認されなかった場合と、向上状態での歩行時間確認において「歩行時間・大」が確認された場合と、向上状態での歩数確認において「歩数・大」が確認された場合と、向上状態での進行方向確認において「変化なし」が確認された場合には、ユーザ9が屋外に出たと判定する。
このように、屋内判定部440が、ユーザ9が屋内に存在すると判定した後、受信状態が向上したと判断した場合、動き情報に基づいて、ユーザ9が屋外に出たことを特定することによって、電子機器10は、ユーザ9が屋外に出たことをより正しく特定することができる。
<屋内判定の第2の例:受信状態の変化と電子機器の位置の高さの変化を利用>
ユーザ9は、屋内に存在する場合には、1階から2階に移動したり、1階から地下へ移動したりすることから、電子機器10の位置の高さが変化する可能性が高い。
そこで、屋内判定部440は、電子機器10の位置の高さの変化と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。
本例では、上述のステップs33において、屋内判定部440は、例えば、受信状態が悪化している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上増加したかを所定時間の間確認する。また屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上減少したかを所定時間の間確認する。屋内判定部440は、気圧センサ210での検出結果に基づいて、電子機器10の位置の高さが所定値以上増加したか否かを判定することができる。また、屋内判定部440は、気圧センサ210での検出結果に基づいて、電子機器10の位置の高さが所定値以上減少したか否かを判定することができる。
屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上増加することを所定時間の間に確認すると、ステップs34を実行して「屋内」と判定する。また屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上減少することを所定時間の間に確認すると、ステップs34を実行して「屋内」と判定する。一方で、屋内判定部440は、受信状態が悪化している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上増加したことを所定時間の間に確認できず、かつ受信状態が悪化している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上減少したことを所定時間の間に確認できない場合には、ステップs36を実行して「屋外」と判定する。
このように、屋内判定部440が、電子機器10の位置の高さの変化と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10はユーザ9が屋内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
なお、上述の図14のステップs38において、屋内判定部440は、電子機器10の位置の高さの変化に基づいて、ユーザ9が屋外に出たか否かを判定してもよい。この場合、屋内判定部440は、受信状態が向上している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上増加するかを所定時間の間確認する。また、屋内判定部440は、受信状態が向上している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上減少するかを所定時間の間確認する。屋内判定部440は、受信状態が向上している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上増加することを所定時間の間に確認すると、ユーザ9が屋外に出ていないと判定する。また屋内判定部440は、受信状態が向上している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上減少することを所定時間の間に確認すると、ユーザ9が屋外に出ていないと判定する。一方で、屋内判定部440は、受信状態が向上している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上増加することを所定時間の間に確認できず、かつ受信状態が向上している状態で電子機器10の位置の高さが所定値以上減少することを所定時間の間に確認できない場合には、ユーザ9が屋外に出たと判定する。
このように、屋内判定部440が、ユーザ9が屋内に存在すると判定した後、電子機器10の位置の高さの変化と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋外に出たことを特定することによって、電子機器10はユーザ9が屋外から出たことをより正しく特定することができる。
<屋内判定の第3の例:受信状態の変化と電子機器の周囲の状態の変化を利用>
ユーザ9が屋外から屋内に移動すると、電子機器10の周囲の状態が変化する可能性が高い。ユーザ9が屋外から屋内に移動すると、例えば、電子機器10の周囲の温度が変化する可能性が高い。また、ユーザ9が屋外から屋内に移動すると、電子機器10の周囲の磁場が変化する可能性が高い。また、ユーザ9が屋外から屋内に移動すると、電子機器10の周囲の空気の状態が変化する可能性が高い。
そこで、屋内判定部440は、電子機器10の周囲の状態の変化と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。屋内判定部440は、例えば、電子機器10の周囲の温度、磁場及び空気の状態の少なくとも一つの変化と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。
図15は本例に係る屋内判定の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートでは、図13のフローチャートにおいて、ステップs32,s33の代わりにステップs41が実行されている。
図15に示されるように、ステップs31において、前回の屋内判定において「屋外」」と判定されると、ステップs41において、屋内判定部440は、電子機器10の周囲の状態の変化と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する。ステップs41において、例えば、屋内判定部440は、所定時間の間に、受信状態が悪化し、かつ電子機器10の周囲の状態が変化するか否かを判定する。屋内判定部440は、所定時間の間に、受信状態が悪化し、かつ電子機器10の周囲の状態が変化したと判定すると、ステップs34を実行して「屋内」と判定する。一方で、所定時間の間に、受信状態が悪化し、かつ電子機器10の周囲の状態が変化することが生じない場合には、ステップs36を実行して「屋外」と判定する。
屋内判定部440は、ステップs41において、電子機器10の周囲の温度が所定値以上増加したとき、電子機器10の周囲の状態が変化したと判定してもよい。また屋内判定部440は、電子機器10の周囲の温度が所定値以上減少したとき、電子機器10の周囲の状態が変化したと判定してもよい。屋内判定部440は、温度センサ240での検出結果に基づいて、電子機器10の周囲の温度が、所定値以上増加したか否かと、所定値以上減少したか否かを判定することができる。
また屋内判定部440は、ステップs41において、電子機器10の周囲の磁場の強さが所定値以上増加したとき、電子機器10の周囲の状態が変化したと判定してもよい。また屋内判定部440は、電子機器10の周囲の磁場の強さが所定値以上減少したとき、電子機器10の周囲の状態が変化したと判定してもよい。屋内判定部440は、地磁気センサ230での検出結果に基づいて、電子機器10の周囲の磁場の強さが、所定値以上増加したか否かと、所定以上減少したか否かを判定することができる。
また屋内判定部440は、ステップs41において、電子機器10の周囲の空気の状態が変化したとき、電子機器10の周囲の状態が変化したと判定してもよい。この場合、屋内判定部440は、例えば、上述の図11に示されるセンサ260での検出結果に基づいて、電子機器10の周囲の空気の状態が変化したか否かを判定する。センサ260が、例えばガスセンサである場合には、屋内判定部440は、センサ260で検出されるガスの種類及び濃度の少なくとも一方が大きく変化したとき、電子機器10の周囲の空気の状態が変化したと判定する。またセンサ260が、例えばにおいセンサである場合には、屋内判定部440は、センサ260で検出されるにおいの種類及び濃度の少なくとも一方が大きく変化したとき、電子機器10の周囲の空気の状態が変化したと判定する。
また屋内判定部440は、ステップs41において、電子機器10の周囲の温度が所定値以上増加あるいは減少し、かつ電子機器10の周囲の磁場の強さが所定値以上増加あるいは減少したとき、電子機器10の周囲の状態が変化したと判定してもよい。
また屋内判定部440は、ステップs41において、電子機器10の周囲の温度が所定値以上増加あるいは減少し、かつ電子機器10の周囲の空気の状態が変化したとき、電子機器10の周囲の状態が変化したと判定してもよい。
また屋内判定部440は、ステップs41において、電子機器10の周囲の温度が所定値以上増加あるいは減少変化し、かつ電子機器10の周囲の磁場の強さが所定値以上増加あるいは減少し、かつ電子機器10の周囲の空気の状態が変化したとき、電子機器10の周囲の状態が変化したと判定してもよい。
また屋内判定部440は、ステップs41において、電子機器10の周囲の磁場の強さが所定値以上増加あるいは減少し、かつ電子機器10の周囲の空気の状態が変化したとき、電子機器10の周囲の状態が変化したと判定してもよい。
このように、屋内判定部440が、電子機器10の周囲の状態の変化と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10はユーザ9が屋内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
なお屋内判定部440は、上述のステップs35の代わりに、ステップs42において、電子機器10の周囲の状態の変化に基づいて、ユーザ9が屋外に出たか否かを判定してもよい。図16に示されるフローチャートでは、図15のフローチャートにおいて、ステップs35の代わりにステップs42が実行されている。
ステップs42において、屋内判定部440は、所定時間の間に、受信状態が向上し、かつ電子機器10の周囲の状態が変化したか否かを判定する。屋内判定部440は、ステップs41と同様にして、電子機器10の周囲の状態が変化したか否かを判定することができる。屋内判定部440は、所定時間の間に、受信状態が向上し、かつ電子機器10の周囲の状態が変化した判定すると、ユーザ9が屋外に出たと判定する。そして、屋内判定部440は、ステップs36を実行する「屋外」と判定する。一方で、屋内判定部440は、所定時間の間に、受信状態が向上し、かつ電子機器10の周囲の状態が変化することが生じない場合には、ユーザ9が屋外に出ていないと判定する。そして、屋内判定部440は、ステップs34を実行して「屋内」と判定する。
このように、屋内判定部440が、ユーザ9が屋内に存在すると判定した後、電子機器10の周囲の状態の変化と、受信状態の変化とに基づいて、ユーザ9が屋外に出たことを特定することによって、電子機器10はユーザ9が屋外から出たことをより正しく特定することができる。
<屋内判定の第4の例:ユーザの行動パターンに基づく屋内判定>
本例では、屋内判定部440は、ユーザ9の行動パターンを示す行動パターン情報700に基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する。本例では、図17に示されるように、電子機器10は、無線通信部110を用いて、行動パターン情報700を記憶するサーバ装置800と通信することが可能である。電子機器10は、屋内判定を行う際には、サーバ装置800から行動パターン情報700を取得する。
図18は行動パターン情報700の一例を示す図である。図18に示されるように、行動パターン情報700には、1日の複数の時間帯のそれぞれに対して、平日の当該時間帯にユーザ9が自宅にいる確率(自宅率)と、休日の当該時間帯にユーザ9が自宅にいる確率(自宅率)とが対応付けられている。例えば、午前12時以降であって午前3時よりも前の時間帯については、平日のその時間帯の自宅率は90%であり、休日のその時間帯の自宅率は90%となっている。また、午前9時以降であって午後12時よりも前の時間帯については、平日のその時間帯の自宅率は10%であり、休日のその時間帯の自宅率は40%となっている。
屋内判定部440は、屋内判定において、サーバ装置800から行動パターン情報700を取得する。そして、屋内判定部440は、行動パターン情報700から、現在時刻を含む時間帯での現在の曜日の自宅率を取得する。例えば、現在の曜日が平日であって、現在時刻が午前10時である場合、屋内判定部440は、行動パターン情報700から、午前9時〜午後12時の時間帯での平日の自宅率である10%を取得する。屋内判定部440は、電子機器10が備えるリアルタイムクロック等から現在時刻及び現在の曜日を取得することができる。以後、屋内判定において行動パターン情報700から取得された自宅率を「取得自宅率」と呼ぶことがある。
屋内判定部440は、取得自宅率に基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する。例えば、屋内判定部440は、取得自宅率が80%以上のとき、ユーザ9が屋内に存在すると判定する。一方で、屋内判定部440は、例えば、取得自宅率が80%未満のとき、ユーザ9が屋内に存在しないと判定する。
図18の例では、現在時刻が午後2時であって、現在の曜日で休日である場合には、取得自宅率が30%となり、屋内判定部440は「屋外」と判定する。また図18の例では、現在時刻が午前5時であって、現在の曜日が平日である場合には、取得自宅率が80%となり、屋内判定部440は「屋内」と判定する。
行動パターン情報700は、サーバ装置800が生成してもよいし、電子機器10が生成してもよい。行動パターン情報700は、例えば、電子機器10の位置情報に基づいて生成されることが可能である。
サーバ装置800が行動パターン情報700を生成する場合には、例えば、電子機器10は、受信部140で取得される位置情報を定期的にサーバ装置800に送信する。また、電子機器10は、ユーザ9の自宅の住所を示す自宅情報をサーバ装置800に送信する。サーバ装置800は、電子機器10から受け取る位置情報及び自宅情報に基づいて行動パターン情報700を生成する。例えば、サーバ装置800は、電子機器10の位置情報及び自宅情報に基づいて、平日の10日間のうちの8日間、午前12時〜午前3時の時間帯にユーザ9が自宅にいることを特定した場合には、当該時間帯での平日の自宅率を80%に設定する。なお、行動パターン情報700の生成方法はこの限りではない。
また、ユーザ9が自宅にいるときに、ユーザ9が電子機器10に対して所定の操作を行うことによって、ユーザ9が自宅にいることを示す在宅情報が電子機器10に入力されてもよい。この場合、電子機器10は、入力される在宅情報に基づいて行動パターン情報700を生成してもよい。また電子機器10は、入力される在宅情報をサーバ装置800に通知してもよい。この場合、サーバ装置800は、電子機器10から受け取る在宅情報に基づいて行動パターン情報700を生成してもよい。
このように、屋内判定部440が、ユーザ9の行動パターンを示す行動パターン情報700に基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10はユーザ9が屋内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
なお、行動パターン情報700は図18の例には限られない。行動パターン情報700には、例えば、平日及び休日の各時間帯においてユーザ9が職場にいる確率(職場率)が含まれてもよい。この場合、屋内判定部440は、行動パターン情報700から、現在時刻を含む時間帯での現在の曜日の職場率を取得し、取得した職場率に基づいてユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。例えば、屋内判定部440は、取得した職場率が80%以上のとき「屋内」と判定し、取得した職場率が80%未満のとき「屋外」と判定する。
また屋内判定部440は、行動パターン情報700と、その他の情報とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。例えば、屋内判定部440は、ユーザ9の自宅に設けられたWifiのアクセスポイント(以後、「自宅アクセスポイント」と呼ぶ)と無線通信部110との間の通信の接続状態と、行動パターン情報700とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。以後、単に接続状態と言えば、自宅アクセスポイントと無線通信部110との間の通信の接続状態を意味する。
屋内判定部440が、行動パターン情報700及び接続状態に基づいてユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する場合には、例えば、行動パターン情報700中の自宅率の値に対して、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定する際の重み付け(重要度)が与えられ、接続状態の種類に対しても当該重み付けが与えられる。この重み付けは、それに対応する情報から導き出される、ユーザ9が屋内に存在することの確からしさを示すと言える。
例えば、自宅率がA%の場合、その重み付けをAとする。したがって、自宅率が90%の場合には、その重み付けは90となる。また、自宅アクセスポイントと無線通信部110とが安定して通信接続している場合には、重み付けを90とする。自宅アクセスポイントと無線通信部110との通信接続が不安定である場合には、重み付けを50とする。そして、自宅アクセスポイントと無線通信部110とが通信接続されていない場合、つまり未接続である場合には、重み付けを10とする。
屋内判定部440は、屋内判定において、現在時刻及び現在の曜日に応じた自宅率を行動パターン情報700から取得するとともに、接続状態を特定する。そして、屋内判定部440は、取得自宅率に応じた重み付けと、特定した接続状態に応じた重み付けとの加算値を求める。屋内判定部440は、求めた重み付けの加算値が、第9しきい値以上であるときには「屋内」と判定し、第9しきい値より小さいときには「屋外」と判定する。第9しきい値は例えば120に設定される。
例えば、取得自宅率が90%であり(重み付け90)、自宅アクセスポイントと無線通信部110とが安定して通信接続していると特定された場合(重み付け90)、重み付けの加算値は180となる。この場合には「屋内」と判定される。また、取得自宅率が30%であり(重み付け30)、自宅アクセスポイントと無線通信部110とが通信接続されていないと特定された場合(重み付け10)、重み付けの加算値は40となる。この場合には「屋外」と判定される。また、取得自宅率が80%であり(重み付け80)、自宅アクセスポイントと無線通信部110との通信接続が不安定であると特定された場合(重み付け50)、重み付けの加算値は130となる。この場合には「屋内」と判定される。
また、屋内判定部440は、停止移動特定部410での停止移動特定の結果と、行動パターン情報700とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。この場合、例えば、上記と同様に、自宅率の値に対して重み付けが与えられる。また、停止移動特定で特定される「ユーザ9の停止」には90の重み付けが与えられ、停止移動特定で特定されるユーザ9の移動手段の「歩き」及び「走り」にはそれぞれ50及び10の重み付けが与えられる。停止移動特定で特定されるユーザ9の移動手段の「自転車」及び「乗り物」は、屋内判定において使用しなくてもよい。
屋内判定部440は、屋内判定において、現在時刻及び現在の曜日に応じた自宅率を行動パターン情報700から取得するとともに、停止移動特定の結果を確認する。そして、屋内判定部440は、取得自宅率に応じた重み付けと、停止移動特定で特定された内容に応じた重み付けとの加算値を求める。屋内判定部440は、求めた重み付けの加算値が、第10しきい値以上であるときには「屋内」と判定し、第10しきい値より小さいときには「屋外」と判定する。第10しきい値は例えば120に設定される。
例えば、取得自宅率が90%であり(重み付け90)、停止移動特定において「歩き」が特定された場合(重み付け50)、重み付けの加算値が140となる。この場合には「屋内」と判定される。また、取得自宅率が70%であり(重み付け70)、停止移動特定で「走り」が特定された場合には(重み付け10)、重み付けの加算値が80となる。この場合には「屋外」と判定される。また、取得自宅率が80%であり(重み付け80)、停止移動特定で「ユーザ9の停止」が特定された場合には(重み付け90)、重み付けの加算値が170となる。この場合には「屋内」と判定される。
また、屋内判定部440は、停止移動特定部410での停止移動特定の結果と、接続状態と、行動パターン情報700とに基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを判定してもよい。この場合、例えば、上記と同様に、接続状態の種類に重み付けが与えられ、自宅率の値に重み付けが与えられ、停止移動特定で特定される内容に対して重み付けが与えられる。屋内判定部440は、屋内判定において、現在時刻及び現在の曜日に応じた自宅率を行動パターン情報700から取得し、停止移動特定の結果を確認し、接続状態を特定する。そして、屋内判定部440は、取得自宅率に応じた重み付けと、停止移動特定で特定された内容に応じた重み付けと、特定した接続状態に応じた重み付けとの加算値を求める。屋内判定部440は、求めた重み付けの加算値が、第11しきい値以上であるときには「屋内」と判定し、第11しきい値より小さいときには「屋外」と判定する。第11しきい値は例えば180に設定される。
例えば、取得自宅率が40%であり(重み付け40)、停止移動特定において「歩き」が特定され(重み付け50)、自宅アクセスポイントと無線通信部110とが通信接続が不安定であると特定された場合(重み付け50)、重み付けの加算値が140となる。この場合には「屋外」と判定される。また、取得自宅率が80%であり(重み付け80)、停止移動特定において「ユーザ9の停止」が特定され(重み付け90)、自宅アクセスポイントと無線通信部110とが安定して通信接続していることが特定された場合(重み付け90)、重み付けの加算値が260となる。この場合には「屋内」と判定される。
このように、屋内判定部440が、行動パターン情報700と、停止移動特定の結果及び接続状態の少なくとも一方とに基づいてユーザ9が屋内に存在するか否かを判定することによって、電子機器10はユーザ9が屋内に存在するか否かをより正しく判定することができる。
以上のように、ここでは、第1〜第4の例に係る4種類の屋内判定について説明した。屋内判定部440は、上述のステップs3において、4種類の屋内判定のうちの2種類以上の屋内判定を暫定的な屋内判定として行い、暫定的な屋内判定の結果に基づいて、ユーザ9が屋内に存在するか否かを最終的に判定してもよい。例えば、屋内判定部440は、実行した2種類以上の暫定的な屋内判定の少なくとも1種類の暫定的な屋内判定において「屋内」と判定したとき、ユーザ9が屋内に存在すると最終的に判定する。そして、屋内判定部440は、実行した2種類以上の暫定的な屋内判定のそれぞれにおいて「屋外」と判定した場合、ユーザ9が屋内に存在しないと最終的に判定する。
上記の例では、電子機器10は、スマートフォン等の携帯電話機であったが、他の種類の電子機器であってよい。電子機器10は、例えば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル機器などであってよい。電子機器10として採用されるウェアラブル機器は、リストバンド型あるいは腕時計型などの腕に装着するタイプであってもよいし、ヘッドバンド型あるいはメガネ型などの頭に装着するタイプであってもよいし、服型などの体に装着するタイプであってもよい。
以上のように、電子機器10は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。