JP2015099101A - 携帯型測位装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】屋内送信機が設置されていなくても、屋内での自己位置を測位可能にする。
【解決手段】 衛星からの衛星信号に基づいて自己位置を測位する屋外測位部2と、人の歩行を検出する加速度センサ3と、屋外測位部2で測位された自己位置の変化に基づく移動距離と、この移動距離において加速度センサ3で検出された歩行の歩数とに基づいて、単位歩数当たりの歩幅を算出する歩幅算出部6と、歩幅算出部6で算出された歩幅と加速度センサ3で検出された歩行の歩数とに基づいて、自己位置を測位する屋内測位部7と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 衛星からの衛星信号に基づいて自己位置を測位する屋外測位部2と、人の歩行を検出する加速度センサ3と、屋外測位部2で測位された自己位置の変化に基づく移動距離と、この移動距離において加速度センサ3で検出された歩行の歩数とに基づいて、単位歩数当たりの歩幅を算出する歩幅算出部6と、歩幅算出部6で算出された歩幅と加速度センサ3で検出された歩行の歩数とに基づいて、自己位置を測位する屋内測位部7と、を備える。
【選択図】 図1
Description
この発明は、人が携帯可能で自己位置を計測・測位する携帯型測位装置に関し、特に、屋内での自己位置を測位可能な携帯型測位装置に関する。
GPS(Global Positioning System)を含むGNSS(Global Navigation Satellite System)は、複数の航法衛星から衛星信号を捕捉・受信することで、自己の位置を測位する衛星航法であり、屋内においては測位することができない。このため、IMES(Indoor MEssaging System)信号によって屋内での自己位置を測位する技術が知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
この技術は、ビル内などに複数の屋内送信機を設置し、各屋内送信機から、GPS信号のフォーマットと同一のフォーマットであり、かつ、この屋内送信機が設置されている場所を特定するための位置情報を含む、IMES信号を送信する。そして、このようなIMES信号を受信することで、位置情報に基づいて自己位置を測位するものである。
ところで、特許文献1のような技術では、所定・所望の精度で測位するには、ビル内などに多くの屋内送信機を設置する必要があり、多大な費用を要する。また、屋内送信機が設置されていない屋内では、自己位置を測位することができない。
そこでこの発明は、屋内送信機が設置されていなくても、屋内での自己位置を測位可能な携帯型測位装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、人が携帯可能で自己位置を測位する携帯型測位装置であって、衛星からの衛星信号に基づいて自己位置を測位する第1の測位手段と、前記人の歩行を検出する歩行検出手段と、前記第1の測位手段で測位された自己位置の変化に基づく移動距離と、該移動距離において前記歩行検出手段で検出された歩行の歩数とに基づいて、単位歩数当たりの歩幅を算出する歩幅算出手段と、前記歩幅算出手段で算出された歩幅と前記歩行検出手段で検出された歩行の歩数とに基づいて、自己位置を測位する第2の測位手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、屋外では第1の測位手段によって、衛星からの衛星信号に基づいて自己位置が測位される。そして、測位された自己位置の変化に基づく移動距離と、この移動距離において歩行検出手段で検出された歩行の歩数とに基づいて、歩幅算出手段によって単位歩数当たりの歩幅が算出される。また、屋内では第2の測位手段によって、歩幅算出手段で算出された歩幅と歩行検出手段で検出された歩数とに基づいて、自己位置が測位される。つまり、第1の測位手段によって測位された屋外での自己位置と、歩幅と歩数とで算出される屋内での歩行距離とに従って、自己位置が測位される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯型測位装置において、移動方位を検出する方位検出手段を備え、前記第2の測位手段は、前記方位検出手段で検出された移動方位に基づいて、自己位置を測位する、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の携帯型測位装置において、前記方位検出手段は、直進および曲進を含む歩行状態を検出可能であり、前記歩幅算出手段は、前記方位検出手段で検出された歩行状態ごとの歩幅を算出し、前記第2の測位手段は、前記方位検出手段で検出された歩行状態と該歩行状態の歩幅とに基づいて、自己位置を測位する、ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、屋内では歩幅と歩数とに基づいて自己位置を測位するため、屋内に屋内送信機を設置する必要がない。つまり、屋内送信機が設置されていなくても、屋内での自己位置を測位することが可能となる。しかも、本携帯型測位装置を携帯した人が実際に歩行した移動距離と歩数とに基づいて、歩幅を算出する。つまり、歩幅が実測値であり、この実測値に基づいて自己位置を測位するため、本携帯型測位装置を携帯した人に対応した高い精度で自己位置を測位することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、歩幅と歩数のみならず、移動方位に基づいて自己位置を測位するため、人が歩行方向を変えた場合であっても、自己位置をより高い精度で測位することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、例えば、人が直進した場合には、直進時の歩幅に基づいて自己位置を測位し、人が曲進した場合には、曲進時の歩幅に基づいて自己位置を測位するため、歩行状態に応じたより高い精度で自己位置を測位することが可能となる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る携帯型測位装置1を示す概略構成ブロック図である。この携帯型測位装置1は、人(測位対象者、ユーザ)が携帯可能で自己位置を測位する装置であり、例えば、スマートフォン(多機能携帯電話)などの携帯端末に組み込まれている。携帯型測位装置1は、主として、屋外測位部(第1の測位手段)2と、加速度センサ(歩行検出手段)3と、磁気センサ(方位検出手段)4と、記憶部5と、歩幅算出部(歩幅算出手段)6と、屋内測位部(第2の測位手段)7と、これらを制御などする中央処理部8とを備えている。
屋外測位部2は、衛星からの衛星信号に基づいて自己位置を測位するものである。すなわち、屋外において、複数の航法衛星から衛星信号を捕捉・受信することで、自己の位置を測位する衛星航法器であり、GPSなどのGNSSと同等の機能・構成となっている。
加速度センサ3は、本携帯型測位装置1を携帯しているユーザの歩行を検出するセンサである。すなわち、X、Y、Z軸の3軸方向の加速度を計測するセンサで構成され、一定周期で上下方向(Z軸方向)の一定の加速度変化を検出することで、ユーザが歩行していることを検知するものである。そして、このような所定の加速度変化をカウントすることで、歩数をカウントできるようになっている。ここで、この実施の形態では、3軸方向の加速度を計測するセンサで構成しているが、上下方向の加速度のみを計測するセンサで構成してもよい。また、上下方向の加速度変化を検出することでユーザの歩行を検知しているが、他の方向における一定周期の加速度変化を検出することで、ユーザの歩行を検知するようにしてもよい。
磁気センサ4は、移動方位を検出するセンサである。すなわち、磁場・磁界の大きさ・方向を計測することで、本携帯型測位装置1の方位(向き)、つまりユーザの移動方位を検出するものである。また、この磁気センサ4は、直進および曲進(曲がり歩行)を含む歩行状態を検出可能となっている。すなわち、例えば、磁場・磁界の大きさ・方向が変化していない場合には、ユーザが直進歩行している歩行状態であり、磁場・磁界の大きさ・方向が変化中の場合には、ユーザが曲進歩行している歩行状態であると検出・判定するものである。ここで、歩行状態には、直進や曲進のみならず、坂道の上り状態や下り状態、走行している状態なども含まれる。
記憶部5は、各種データ・情報を記憶するメモリであり、具体的には、屋外測位部2による測位結果(測位位置)や、加速度センサ3で検出された歩行の歩数(カウント数)、歩幅算出部6で算出された歩幅、屋内測位部7による測位結果などを記憶する。
歩幅算出部6は、屋外測位部2で測位された自己位置の変化に基づく移動距離と、この移動距離において加速度センサ3で検出された歩行の歩数とに基づいて、単位歩数当たりの歩幅(移動距離)を算出するタスク・プログラムである。すなわち、本携帯型測位装置1を携帯しているユーザが屋外で歩行し、屋外測位部2で測位された自己位置が移動距離だけ変化した場合に、この移動距離を歩行するのに要した歩数(加速度センサ3で検出された歩数)に基づいて、単位歩数当たりの歩幅を算出する。
具体的には、例えば、図2に示すように、ユーザが移動距離D100だけ直進移動し、この移動距離D100を歩行するのに要した歩数が100歩である場合には、1歩当たり(単位歩数当たり)の歩幅を、次のようにして算出する。
歩幅=D100÷100
ここで、図2は、加速度センサ3によって一定周期の上下方向の一定の加速度変化が検出された場合に、1歩進んだと検知・判定することを示している。
歩幅=D100÷100
ここで、図2は、加速度センサ3によって一定周期の上下方向の一定の加速度変化が検出された場合に、1歩進んだと検知・判定することを示している。
また、歩幅算出部6は、磁気センサ4で検出された歩行状態ごとの歩幅を算出するようになっている。例えば、ユーザが直進していることが磁気センサ4で検出されている場合には、直進移動距離とそのときの歩数とに基づいて、直進時の歩幅を算出する。同様に、ユーザが曲進していることが磁気センサ4で検出されている場合には、曲進移動距離とそのときの歩数とに基づいて、曲進時の歩幅を算出する。
このようにして算出した歩幅は、歩行状態ごとに記憶部5に記憶される。また、このような歩幅算出部6は、任意に起動可能となっているが、本携帯型測位装置1による測位の起動・開始時および定期的に起動され、最新の歩幅が記憶部5に記憶されるようになっている。これにより、本携帯型測位装置1を携帯・使用するユーザが変わったり、時間(疲労度)の経過に伴って歩幅が変化したりする場合であっても、最新の歩幅に基づいて後述する屋内測位部7による測位が適正に行われるようになっている。
屋内測位部7は、歩幅算出部6で算出された歩幅と加速度センサ3で検出された歩行の歩数とに基づいて、自己位置を測位するタスク・プログラムである。すなわち、本携帯型測位装置1を携帯しているユーザが屋内に入り、屋外測位部2による測位を行えない場合に、屋外測位部2によって測位された屋外での自己位置と、歩幅と歩数とで算出される屋内での歩行距離とに基づいて、自己位置を測位する。具体的には、屋外測位部2によって測位され、屋内に入る直前の自己位置を屋内起点P1とした場合、この屋内起点P1を起点として、記憶部5に記憶された1歩当たりの歩幅と、加速度センサ3に基づいてカウントされた歩数とを乗算して得られる屋内歩行距離L1に基づいて、自己位置を測位する。
この際、磁気センサ4で検出された移動方位に基づいて、自己位置を測位する。すなわち、磁気センサ4で検出された移動方位ごとに屋内歩行距離を算出し、これらの屋内歩行距離を累積して、順次自己位置を測位する。
さらに、磁気センサ4で検出された歩行状態とこの歩行状態の歩幅とに基づいて、自己位置を測位する。すなわち、歩行時の歩行状態と、この歩行状態のときの歩幅と、この歩行状態での歩数とに基づいて屋内歩行距離を算出し、自己位置を測位する。例えば、ユーザが直進している場合には、記憶部5に記憶されている直進時の歩幅と、カウントされた直進歩数とを乗算して屋内歩行距離を算出する。同様に、ユーザが曲進している場合には、記憶部5に記憶されている曲進時の歩幅と、カウントされた曲進歩数とを乗算して屋内歩行距離を算出する。
このような携帯型測位装置1の構成要素において、屋外測位部2と加速度センサ3と磁気センサ4と記憶部5は、測位機能を備えるスマートフォンなどの携帯端末に通常設けられているものである。従って、通常・既製のスマートフォンなどに歩幅算出部6と屋内測位部7の2つのプログラムをインストールすることで、携帯型測位装置1(携帯型測位装置1が組み込まれたスマートフォンなど)が構成される。
次に、このような構成の携帯型測位装置1による測位方法等について、図3のフローチャートに従って説明する。
まず、本携帯型測位装置1を携帯しているユーザが、本携帯型測位装置1による測位を起動・開始して屋外にいる場合には、屋外測位部2によって逐次自己位置が測位される(ステップS1)。測位された自己位置は、記憶部5に記憶されるとともに、必要に応じて(各種操作などに応じて)スマートフォンなどのディスプレイに表示される。次に、上記のようなタイミングにおいて歩幅算出部6が起動され、上記のようにして、歩行状態ごとの歩幅が算出され、記憶部5に記憶される(ステップS2)。
そして、ユーザが屋外にいる間(ステップS3で「N」の場合)は、このような屋外測位と歩幅算出とが順次行われる。一方、ユーザが屋内に入った場合(ステップS3で「Y」の場合)には、加速度センサ3に基づいて歩数がカウントされる(ステップS4)とともに、屋内測位部7が起動され、上記のようにして、逐次自己位置が測位される(ステップS5)。測位された自己位置は、記憶部5に記憶されるとともに、必要に応じて(各種操作などに応じて)スマートフォンなどのディスプレイに表示される。
そして、ユーザが屋内にいる間(ステップS6で「N」の場合)は、このような屋内測位が順次行われ、ユーザが屋外に出た場合(ステップS6で「Y」の場合)には、ステップS1に戻って、上記のような屋外測位と歩幅算出とが行われる。このようにして、ユーザが屋外にいても屋内にいても、逐次測位が行われるものである。
以上のように、本携帯型測位装置1および本測位方法によれば、屋内では歩幅と歩数とに基づいて自己位置を測位するため、屋内に屋内送信機を設置する必要がない。つまり、屋内送信機が設置されていなくても、屋内での自己位置を測位することが可能となる。この結果、どこででも屋内測位できるとともに、屋内送信機が不要なため測位費用を著しく軽減することができる。
また、本携帯型測位装置1を携帯したユーザが実際に歩行した移動距離と歩数とに基づいて、歩幅を算出する。つまり、歩幅が実測値であり、この実測値に基づいて自己位置を測位するため、本携帯型測位装置1を携帯したユーザに対応した高い精度で自己位置を測位することが可能となる。しかも、本携帯型測位装置1による測位の起動・開始時および定期的に歩幅を算出、記憶し、最新の歩幅に基づいて測位するため、本携帯型測位装置1を携帯・使用するユーザが変わったり、ユーザの体調や疲労によって歩幅が変化したりした場合であっても、適正・正確に測位することが可能となる。
さらに、歩幅と歩数のみならず、移動方位(歩行方向)に基づいて自己位置を測位するため、ユーザが歩行方向を変えた場合であっても、自己位置をより高い精度で測位することが可能となる。また、歩行状態ごとの歩幅を算出し、ユーザの歩行状態ごとの歩幅と歩数とに基づいて自己位置を測位する。例えば、ユーザが直進した場合には、直進時の歩幅とその時の歩数とに基づいて自己位置を測位し、ユーザが曲進した場合には、曲進時の歩幅とその時の歩数とに基づいて自己位置を測位するため、歩行状態に応じたより高い精度で自己位置を測位することが可能となる。
そして、このようにして高い精度で屋内測位できる結果、例えば、屋内から屋外に移動した際の屋外測位部2による測位を迅速、適正に行うことが可能となる。すなわち、屋外に移動した際に、屋内での測位結果を利用することで、迅速に衛星信号を再捕捉、追尾して、迅速、適正に測位することが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、1歩当たりの歩幅を算出しているが、複数歩を単位歩数として、複数歩当たりの歩幅を算出してもよい。また、屋内から屋外に移動する直前に屋内測位部7で測位された結果と、屋内から屋外に移動した直後に屋外測位部2で測位された結果とに、所定距離以上の誤差がある場合に、屋外測位部2で測位された結果に基づいて、屋内測位部7による測位処理(測位結果)を補正・校正するようにしてもよい。これにより、次の屋内での測位において、より高精度に測位することが可能となる。また、歩行検出手段または方位検出手段として、振動ジャイロセンサ(角速度計)も補強的に備えるようにしてもよい。
1 携帯型測位装置
2 屋外測位部(第1の測位手段)
3 加速度センサ(歩行検出手段)
4 磁気センサ(方位検出手段)
5 記憶部
6 歩幅算出部(歩幅算出手段)
7 屋内測位部(第2の測位手段)
2 屋外測位部(第1の測位手段)
3 加速度センサ(歩行検出手段)
4 磁気センサ(方位検出手段)
5 記憶部
6 歩幅算出部(歩幅算出手段)
7 屋内測位部(第2の測位手段)
Claims (3)
- 人が携帯可能で自己位置を測位する携帯型測位装置であって、
衛星からの衛星信号に基づいて自己位置を測位する第1の測位手段と、
前記人の歩行を検出する歩行検出手段と、
前記第1の測位手段で測位された自己位置の変化に基づく移動距離と、該移動距離において前記歩行検出手段で検出された歩行の歩数とに基づいて、単位歩数当たりの歩幅を算出する歩幅算出手段と、
前記歩幅算出手段で算出された歩幅と前記歩行検出手段で検出された歩行の歩数とに基づいて、自己位置を測位する第2の測位手段と、
を備えることを特徴とする携帯型測位装置。 - 移動方位を検出する方位検出手段を備え、
前記第2の測位手段は、前記方位検出手段で検出された移動方位に基づいて、自己位置を測位する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型測位装置。 - 前記方位検出手段は、直進および曲進を含む歩行状態を検出可能であり、
前記歩幅算出手段は、前記方位検出手段で検出された歩行状態ごとの歩幅を算出し、
前記第2の測位手段は、前記方位検出手段で検出された歩行状態と該歩行状態の歩幅とに基づいて、自己位置を測位する、
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯型測位装置。
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