本出願は、日本国出願2016−166179号(2016年8月26日出願)及び日本国出願2016−210451号(2016年10月27日出願)の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
本開示を実施するための複数の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、電子機器の例として、歩端末であるスマートフォンについて説明する。
[第一実施形態]
図1を用いて、本実施形態に係る電子機器としてのスマートフォン1を含む制御システム100の全体的な構成について説明する。図1は、制御システム100の概略構成を示す模式図である。制御システム100は、路側機110と、携帯電子機器の一種であるスマートフォン1とを含む。図1においては、1つの路側機110と、1台のスマートフォン1とを示しているが、制御システム100は、1つ以上の路側機110と、1つ以上のスマートフォン1とを含めばよく、路側機110とスマートフォン1の数は限定されない。制御システム100は、さらに、車両200を含んでもよい。
図1において、道路には、歩道橋が配置されている。
車両200は、通信部を備えている。車両200は、通信部を介して、路側機110、信号機、他の車両200及びスマートフォン1と通信を行うことが可能である。通信部は、例えば、近距離無線通信で所定距離内にある通信機器と通信を行って、当該通信機器とデータの送受信を行う。通信部は、近距離無線通信で、例えば、路側機110及びスマートフォン1と通信を行う。車両200は、路側機110及びスマートフォン1から受信した情報に基づいて、運転者に対して、車両200の周辺の歩行者に関する情報を出力する。
図1ないし図3を用いて、路側機110の全体的な構成について説明する。図2は、含む制御システム100の概略構成を示す模式図である。図3は、制御システム100に含まれる路側機110のブロック図である。路側機110は、歩道橋に対応付けられている。路側機110は、歩道橋上に配置されている。路側機110は、交差点に設けられた信号機を制御することが可能であってもよい。路側機110は、自機の識別情報を無線で出力することが可能である。識別情報とは、各路側機110を識別する情報であって、例えば、識別番号である。路側機110は、自機の識別情報とともに、例えば、図3に示される閾値データ112Bを無線で出力することが可能である。図3に示されるように、路側機110は、通信部111と、記憶部112と、制御部120とを有する。
通信部111は、無線により通信することが可能である。通信部111は、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11(a,b,n,pを含む)、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)及びNFC(Near Field Communication)等を含む無線通信規格をサポートしている。または、通信部111は、例えば、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格をサポートしてもよい。セルラーフォンの通信規格には、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)及びPHS(Personal Handy−phone System)等が含まれる。通信部111は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしている。通信部111は、例えば、イーサネット(登録商標)及びファイバーチャネル等の有線による通信規格をサポートしてもよい。
通信部111は、他の路側機110及び信号機と通信を行うことが可能である。通信部111は、近距離無線通信で所定距離内にある通信機器と通信を行い、当該通信機器とデータの送受信を行う。通信部111は、近距離無線通信で、例えば、車両200に搭載されている通信機器及びスマートフォン1と通信を行う。本実施形態において、通信部111は、スマートフォン1と通信を行い、当該スマートフォン1に対して、自機の識別情報と閾値データ112Bとを含むデータを送信する。
記憶部112は、プログラム及びデータを記憶することが可能である。記憶部112は、制御部120の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。記憶部112は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。非一過的な記憶媒体は、例えば、CD(登録商標)、DVD(登録商標)及びBlu−ray(登録商標)等の光ディスクと、光磁気ディスクと、磁気記憶媒体と、メモリカードと、ソリッドステート記憶媒体とを含むが、これらに限定されない。記憶部112は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。記憶部112は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。記憶部112は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
記憶部112に記憶されるプログラムには、所定距離内にある通信機器との通信確立及びデータの送受信の制御を実行するプログラムが含まれる。記憶部112に記憶されるデータには、例えば、他の通信機器に送信されるデータ等が含まれる。他の通信機器に送信されるデータには、自機の識別情報が含まれる。
記憶部112は、例えば、制御プログラム112A、歩道橋の高さ情報である閾値データ112B、及び設定データ112Zを記憶する。
閾値データ112Bは、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っているかいないかを判定するための高度判定閾値Δp1[hPa]である。高度判定閾値は、例えば気圧の変化量である。閾値データ112Bは、高度判定閾値Δp1を算出することができる情報であってもよい。この場合、コントローラ10で、閾値データ11Bに基づいて高度判定閾値Δp1を算出すればよい。
本実施形態では、スマートフォン1の高さが道路から所定高さTH以上の高さであれば、ユーザが歩道橋を渡っていると判定する。所定高さTHは、例えば、当該歩道橋の高さの中間の高さとしてもよいし、道路から数[m]の高さとしてもよい。所定高さTHは、例えば、歩道橋ごとに設定してもよいし、一律に設定してもよい。
本実施形態では、道路の高さと道路から所定高さTHとの高度差に対応する気圧の変化量が、閾値データ112B、つまり高度判定閾値Δp1として記憶部112に記憶されている。例えば、道路の高さと道路から所定高さTHとの高度差が2[m]の場合、高度差2[m]に対応する気圧の変化量を高度判定閾値Δp1として記憶部112に記憶される。
設定データ112Zは、路側機110の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
制御プログラム112Aは、路側機110を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。
制御部120は、演算処理装置である。演算処理装置は、以下に詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御および処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、又は複数の通信可能に接続された集積回路及び/又はディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、又は他の既知のデバイス及び構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
本例では、演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−Chip)、MCU(Micro Control Unit)、及びFPGA(Field−Programmable Gate Array)を含むが、これらに限定されない。制御部120は、路側機110の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
制御部120は、記憶部112に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部112に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、制御部120は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。
図4から図6を用いて、本実施形態に係るスマートフォン1の全体的な構成について説明する。図4は、スマートフォン1の一例を示す斜視図である。図5は、スマートフォン1の一例を示す正面図である。図6は、スマートフォンの一例を示す背面図である。スマートフォン1は、ハウジング20を有する。ハウジング20は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1C1〜1C4とを有する。フロントフェイス1Aは、ハウジング20の正面である。バックフェイス1Bは、ハウジング20の背面である。サイドフェイス1C1〜1C4は、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを接続する側面である。以下では、サイドフェイス1C1〜1C4を、どの側面であるかを特定することなく、サイドフェイス1Cと総称することがある。図4から図6に示したスマートフォン1の構成は例であり、本開示の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3A〜3Cと、照度センサ4と、近接センサ5と、レシーバ7と、マイク8と、カメラ12とをフロントフェイス1Aに有する。スマートフォン1は、スピーカ11と、カメラ13とをバックフェイス1Bに有する。スマートフォン1は、ボタン3D〜3Fと、コネクタ14とをサイドフェイス1Cに有する。以下では、ボタン3A〜3Fを、どのボタンであるかを特定することなく、ボタン3と総称することがある。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。図4の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bはそれぞれ略長方形状であるが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの形状はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、それぞれが正方形又は円形等のどのような形状もとりうる。図4の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは重なって位置しているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの位置はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、並んで位置してもよいし、離れて位置してもよい。図4の例では、ディスプレイ2Aの長辺はタッチスクリーン2Bの長辺に沿っており、ディスプレイ2Aの短辺はタッチスクリーン2Bの短辺に沿っているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの重ね方はこれに限定されない。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重なって位置する場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺は、タッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等のオブジェクトを表示することが可能である。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出すること可能である。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触した位置を検出することができる。タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下の説明では、説明を簡単にするため、ユーザはスマートフォン1を操作するために指を用いてタッチスクリーン2Bに接触するものと想定する。
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいて、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作(ジェスチャ)を判別することが可能である。タッチスクリーン2Bに対して行われる操作は、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトを含むがこれらに限定されない。
次に、図7を用いて、スマートフォン1の機能的な構成について説明する。図7は、スマートフォンの一例を示すブロック図である。図7に示すスマートフォン1の構成は例であり、本開示の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット(通信部)6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ(制御部)10と、スピーカ11と、カメラ12及びカメラ13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16と、ジャイロスコープ17と、気圧センサ(情報取得部)18とと、GPS(Global Positioning System)レシーバ19と、を有する。
ボタン3は、ユーザによって操作される。ボタン3は、ボタン3A〜ボタン3Fを有する。コントローラ10はボタン3と協働することによってボタン3に対する操作を検出する。ボタン3に対する操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、トリプルクリック、プッシュ、及びマルチプッシュを含むが、これらに限定されない。
ボタン3A〜3Cは、例えば、ホームボタン、バックボタンまたはメニューボタンである。ボタン3Dは、例えば、スマートフォン1のパワーオン/オフボタンである。ボタン3Dは、スリープ/スリープ解除ボタンを兼ねてもよい。ボタン3E及び3Fは、例えば、音量ボタンである。
照度センサ4は、スマートフォン1の周囲光の照度を検出することが可能である。照度は、光の強さ、明るさ、又は輝度を示す。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出することが可能である。近接センサ5は、磁界の変化または超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出することが可能である。近接センサ5は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2が顔に近付けられたことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、一つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信することが可能である。本実施形態において、通信ユニット6は、少なくとも近距離無線の機能を備えている。通信ユニット6によってサポートされる通信方式は、無線通信規格である。通信ユニット6は、例えば、2G、3G、4G、5G等のセルラーフォンの通信規格をサポートしている。セルラーフォンの通信規格は、例えば、LTE、W−CDMA、CDMA2000、PDC、GSM(登録商標)及びPHS等を含む。通信ユニット6は、例えば、WiMAX、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA及びNFC等を含む無線通信規格をサポートしていてもよい。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
通信ユニット6は、有線による通信をサポートしてもよい。有線による通信は、例えば、イーサネット(登録商標)及びファイバーチャネル等を含む。
本実施形態において、通信ユニット6は、路側機110との通信を可能とするための通信規格をサポートしている。例えば、スマートフォン1は、通信ユニット6を介して路側機110と通信することにより、路側機110の情報を取得する。本実施形態において、通信ユニット6は、車両200に搭載される通信機器との通信を可能とするための通信規格をサポートしてもよい。例えば、スマートフォン1は、通信ユニット6を介して車両200と通信することにより、車両200の情報を取得してもよい。
通信ユニット6は、歩道橋に設置される路側機110から、歩道橋の高さ情報である閾値データ112Bを取得する。
レシーバ7及びスピーカ11は、音出力部である。レシーバ7及びスピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力すること可能である。レシーバ7は、例えば、通話時に相手の音声を出力するために用いられる。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。
マイク8は、音入力部である。マイク8は、ユーザの音声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信することが可能である。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶することが可能である。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、通信ユニット6による通信で他の装置からダウンロードされてもよい。ストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。ストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、コネクタに接続される読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに画面を表示させ、タッチスクリーン2Bを介して検出されるジェスチャに応じた処理をコントローラ10に実行させる。
制御プログラムは、例えば、OSである。
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A及び設定データ9Zを記憶する。
設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、ディスプレイ2Aに表示する情報を制御する機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、タッチスクリーン2Bを介して検出された操作に応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を行う機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能は、メールアプリケーション等の他のプログラムが提供する機能と組み合わせて利用されることがある。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、スマートフォン1の高さ情報と歩道橋の高さ情報とに基づいて、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定させる。本実施形態では、制御プログラム9Aは、通信ユニット6が路側機110と通信可能になると、スマートフォン1に、気圧センサ18で、スマートフォン1の周囲の大気圧の気圧値Xp[hPa]を取得させる。そして、制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、スマートフォン1の周囲の大気圧の気圧値Xpの変化量ΔXp[hPa]と、高度判定閾値Δp1とに基づいて、自機のユーザが歩道橋の所定高さTH以上であると判定されるか否かで、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定させる。図2には、気圧値Xpと、変化量ΔXpと、高度判定閾値Δp1と、所定高さTHとが示されている。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、路側機110の通信エリア内における気圧値Xpの変化量ΔXpが高度判定閾値Δp1以上であると判定された場合、自機のユーザが歩道橋を渡っていると判定させる。言い換えると、制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、自機のユーザが、路側機110の通信エリア内における高度判定閾値Δp1以上の気圧値Xpの変化量ΔXpを生じる高度差の移動をした場合、自機のユーザが歩道橋を渡っていると判定させる。制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、路側機110の通信エリア内における気圧値Xpの変化量ΔXpが高度判定閾値Δp1未満であると判定した場合、自機のユーザが歩道橋を渡っていないと判定させる。言い換えると、制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、自機のユーザが、路側機110の通信エリア内における高度判定閾値Δp1未満の気圧値Xpの変化量ΔXpを生じる高度差の移動をした場合、自機のユーザが歩道橋を渡っていないと判定させる。
コントローラ10は、演算処理装置である。演算処理装置は、以下に詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御および処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。コントローラ10が含むプロセッサについては、上述した、路側機110の制御部120が含むプロセッサについての説明と同様のことが言える。本実施の形態では、演算処理装置は、例えば、CPU、SoC、MCU、及びFPGAを含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、レシーバ7、及びスピーカ11の少なくとも1つを含んでもよくこれらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、方位センサ16、ジャイロスコープ17及び気圧センサ18の少なくとも1つを含んでもよいが、これらに限定されない。
コントローラ10は、スマートフォン1に対する操作を検出することが可能である。具体的には、コントローラ10は、タッチスクリーン2Bと協働することによって、タッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)に対する操作を検出する。
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して検出された操作に応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行することが可能である。
カメラ12は、フロントフェイス1Aに面している物体を撮影することが可能なインカメラである。
カメラ13は、バックフェイス1Bに面している物体を撮影することが可能なアウトカメラである。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))及びイヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、スマートフォン1に働く加速度の方向及び大きさを示す情報を検出することが可能である。方位センサ16は、地磁気の向きを示す情報を検出することが可能である。ジャイロスコープ17は、スマートフォン1の角度及び角速度の情報を検出することが可能である。加速度センサ15、方位センサ16及びジャイロスコープ17の検出結果は、例えば、スマートフォン1の位置及び姿勢の変化を検出するために、組み合わせて利用される。
図7に示した例では、スマートフォン1は、自身の位置及び姿勢を検出するために3種類のセンサを備えるが、スマートフォン1は、これらのうちいくつかのセンサを備えなくてもよい。あるいは、スマートフォン1は、位置及び姿勢の少なくとも1つを検出するための他の種類のセンサを備えてもよい。
気圧センサ18は、スマートフォン1の高さ情報を算出できる高さ算出情報を取得することが可能である。本実施形態では、気圧センサ18は、自機の周囲の気圧値Xpを検出することが可能である。気圧センサ18は、自機の数10[m]〜数[m]程度の鉛直方向の移動に伴う気圧値Xpの変化量ΔXpを検出可能な精度を有する。気圧センサ18は、ハウジング20の内部に配置されている。ハウジング20は、水は通過させないが空気を通過させる穴を有している。この穴で、ハウジング20の内部と外部の気圧が連動している。これにより、気圧センサ18は、ハウジング20の内部に位置した状態で、自機の周囲の気圧値Xpを検出することができる。
気圧センサ18は、コントローラ10で、ONとOFFとが切り替えられる。本実施形態では、気圧センサ18は、コントローラ10で自機が歩道橋上の路側機110の通信エリア内にいると判定されると、ONにされて自機の周囲の気圧値Xpの検出を開始する。気圧センサ18は、コントローラ10で自機が歩道橋上の路側機110の通信エリア内から外れたと判定されると、OFFにされて自機の周囲の気圧値Xpの検出を停止する。気圧センサ18の検出結果は、コントローラ10に入力される。気圧センサ18の検出結果は、ローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)などの処理が行われた後に、コントローラ10に入力されてもよい。
GPSレシーバ19は、電子機器1の現在位置を検出できる。GPSレシーバ19は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信し、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号をコントローラ10に送出する。本実施形態では、スマートフォン1は、GPSレシーバ19を有する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、電子機器1は、GPS衛星以外の測位衛星からの電波信号を受信するレシーバを備えてもよい。例えば、電子機器1は、通信ユニット6が無線通信を行う基地局に基づいて、現在位置を検出してもよい。例えば、電子機器1は、複数の方式を併用して、現在位置を検出してもよい。
次に、図8を用いて、スマートフォン1の制御方法及び制御プログラム9Aとその作用について説明する。図8は、スマートフォン1が行う制御の一例を示すフローチャートである。
スマートフォン1は、コントローラ10でストレージ9に記憶されている制御プログラム9Aを実行することで、図8に示す機能を実現することができる。また、コントローラ10は、図8に示す処理手順と並行して、他の機能の処理手順を実行してもよい。スマートフォン1は、図8に示される一連の処理を、例えば繰り返し実行する。
コントローラ10は、自機が歩道橋上の路側機110の通信エリア内であるか否かを判定する(ステップS11)。より詳しくは、コントローラ10は、自機が路側機110の所定距離内に近づくと、路側機110が無線で出力している情報を受信する。言い換えると、コントローラ10は、センサの検出結果に基づいて、通信可能な路側機110を検出した場合、路側機110が無線で送信している情報を受信する。通信可能とは、データを送受信できる信号が到達していることである。コントローラ10は、自機が路側機110の所定距離内に近づいたか否かを、例えば、路側機110が出力する無線信号の受信信号強度が所定の値以上であるか否かで判定してよい。具体的には、コントローラ10は、路側機110が出力する無線の受信信号強度が所定の値以上であるとき、自機が歩道橋上の路側機110の通信エリア内であると判定する(ステップS11でYes)。コントローラ10は、路側機110が出力する無線の受信信号強度が所定の値未満であるとき、自機が歩道橋上の路側機110の通信エリア内ではないと判定する(ステップS11でNo)。
ステップS11でYESと判定されると、コントローラ10は、歩道橋の高さ情報を取得する(ステップS12)。本実施形態では、コントローラ10は、路側機110から閾値データ112Bを取得する。
ステップS12の後、コントローラ10は、自機の高さ情報を取得する(ステップS13)。コントローラ10は、自機の周囲の気圧値Xpに基づいて、自機の高さ情報を算出する。本実施形態では、コントローラ10は、気圧センサ18をONにする。そして、コントローラ10は、気圧センサ18が作動している間における、自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpを取得し、それを自機の高さ情報としてストレージ9に記憶する。言い換えると、コントローラ10は、路側機110の通信エリア内における、自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpを取得し、それを自機の高さ情報としてストレージ9に記憶する。
ステップS13の後、コントローラ10は、自機の高さ情報に基づいて、自機が歩道橋の所定高さTH以上であるか否かを判定する(ステップS14)。より詳しくは、コントローラ10は、ステップS13で算出した自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpが、高度判定閾値Δp1以上である場合、ステップS14でYesと判定する。コントローラ10は、ステップS13で算出した自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpが、高度判定閾値Δp1未満である場合、ステップS14でNoと判定する。
コントローラ10は、自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpが高度判定閾値Δp1以上である(ステップS14でYes)と判定した場合、自機のユーザは歩道橋を渡っている、言い換えると、自機のユーザは歩道橋の上にいると判定する(ステップS15)。コントローラ10は、歩道橋上のユーザを、注意が必要な歩行者から除外することができる。
コントローラ10は、自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpが高度判定閾値Δp1未満である(ステップS14でNo)と判定した場合、自機のユーザは歩道橋を渡っていない、言い換えると、自機のユーザは歩道橋の下にいると判定する(ステップS16)。この場合、自機のユーザは、歩道橋を使用せず、道路を移動している。例えば、コントローラ10は、このようなユーザを、注意が必要な歩行者に含めることができる。
注意が必要な歩行者とは、車両200の走行時、車両200の運転者が、車両200と接触しないように注意することが必要な歩行者である。本実施形態では、歩道橋を渡っていない歩行者は、車両200と接触する可能性があるため、注意が必要な歩行者に含められる。一方で、歩道橋を渡っている歩行者は、車両200と接触する可能性が低いため、注意が必要な歩行者に含められない。
コントローラ10は、判別した移動状態に基づいて処理を実行する(ステップS17)。例えば、コントローラ10は、通信ユニット6を介して、自機の識別番号及び現在位置の情報とともにステップS14における判定結果を路側機110に送信してもよい。コントローラ10は、自機のユーザが歩道橋を渡っていないと判定した場合にのみ、判定結果を路側機110に送信してもよい。言い換えると、コントローラ10は、自機のユーザが歩道橋を渡っていると判定した場合には、判定結果を路側機110に送信しなくてもよい。
コントローラ10は、判定結果をそのまま路側機110に出力してもよい。例えば、コントローラ10は、自機の識別番号及び現在位置の情報とともに、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを路側機110に送信してもよい。
コントローラ10は、判定結果を加工して、路側機110に出力してもよい。例えば、コントローラ10は、自機のユーザが歩道橋を渡っていないと判定した場合、自機のユーザは注意が必要な歩行者である旨の情報を路側機110に送信してもよい。または、コントローラ10は、自機のユーザが歩道橋を渡っていると判定した場合、自機のユーザは車両200にとって安全である旨の情報を路側機110に送信してもよい。
路側機110は、受信した判定結果に基づいて、判定結果をそのまま車両200に対して出力してもよい。例えば、路側機110は、スマートフォン1の識別番号及び現在位置の情報とともに、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを車両200に送信してもよい。
路側機110は、受信した判定結果に基づいて、判定結果を加工して、車両200に対して出力してもよい。例えば、路側機110は、受信した判定結果に基づいて、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていないことを認識した場合、ユーザは注意が必要な歩行者である旨の情報を車両200に送信してもよい。路側機110は、受信した判定結果に基づいて、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていることを認識した場合、ユーザは車両200にとって安全である旨の情報を車両200に送信してもよい。
車両200は、受信した判定結果に基づいて、判定結果をそのままディスプレイ2Aに表示させてもよい。または、車両200は、判定結果を加工してディスプレイ2Aに表示させてもよい。
このようにして、歩車間通信及び路車間通信において、不要な作動が抑制される。
または、例えば、コントローラ10は、通信ユニット6を介して、自機の識別番号及び現在位置の情報とともに判定結果を車両200に直接送信してもよい。これにより、コントローラ10は、路側機110を介さずに、車両200に自機の情報を送信することができる。
または、例えば、コントローラ10は、判定結果をディスプレイ2Aに表示させてもよい。これにより、コントローラ10は、自機を介してユーザ自身に注意を促す処理を行うことができる。
上記実施形態によれば、スマートフォン1は、路側機110の通信エリア内における自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpと、路側機110から取得した高度判定閾値Δp1とに基づいて、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定することができる。これにより、スマートフォン1は、自機の移動状態をより正確に判別することができる。
路側機110は、スマートフォン1から取得した、ユーザが歩道橋を渡っているか否かの判定結果に基づいて、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていると認識した場合、注意が必要な歩行者から当該ユーザを除外することができる。路側機110は、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていない場合、注意が必要な歩行者に当該ユーザを含めることができる。路側機10は、注意が必要な歩行者の情報を車両200に対して出力する。このようにして、路側機110は、車両200に対して不要な歩行者情報を通知するといった、不要な作動を抑制することができる。
スマートフォン1は、歩道橋上の路側機110の通信エリア内に入ったときだけ、気圧センサ18をONにして気圧値Xpを検出することが好ましい。これにより、スマートフォン1は、気圧センサ18で気圧値Xpを常時検出する場合に比べて、消費電力を抑制することができる。
路側機110の周囲の気圧値を要さずに、スマートフォン1は、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定することができる。このため、本実施形態では、路側機110に気圧センサを設置することを要さない。また、歩道橋上の気圧値を要さずに、スマートフォン1は、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定することができる。このため、本実施形態では、歩道橋上に気圧センサを設置することを要さない。よって、本実施形態を容易に実施することができる。
本実施形態では、スマートフォン1のコントローラ10は、自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpに基づいて、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定した。しかしながら、コントローラ10は、変化量ΔXpを、それに対応する高度差ΔXh[m]に換算し、得られた高度差ΔXhに基づいて、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定してもよい。この場合、図9に示すように、道路の高さと道路から所定高さTHとの高度差が、閾値データ112Bとしての高度判定閾値Δh1[m]として、路側機110の記憶部112に記憶されている。図9は、制御システム100の概略構成の他の例を示す模式図である。制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpに対応する、自機の高度の変化量ΔXhと、閾値データ112Bに含まれる高度判定閾値Δh1とに基づいて、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定させる。
[第二実施形態]
図10、図11を用いて、本実施形態に係るスマートフォン1を含む制御システム100Aについて説明する。図10は、制御システム100Aに含まれる路側機110Aのブロック図である。図11は、制御システム100Aの概略構成を示す模式図である。本実施形態に係るスマートフォン1は、自機の周囲の気圧値Xpと、路側機110Aの周囲の気圧値Ap[hPa]との差分と、閾値情報とに基づいて、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定する。本実施形態では、路側機110Aの構成及びスマートフォン1の制御プログラム9Aが第一実施形態と異なる。
路側機110Aは、通信部111と、記憶部112と、気圧センサ113と、制御部120とを有する。
記憶部112は、例えば、制御プログラム112Aと、路側機海抜データ112Cと、歩道橋海抜データ112Dと、道路海抜データ112Eと、設定データ112Zとを記憶する。
路側機海抜データ112Cは、路側機110Aの識別情報と、路側機110Aの位置情報と、路側機110Aの海抜Ah[m]とを対応付けて記憶している。より詳しくは、路側機海抜データ112Cは、路側機110Aの識別情報ごとに、その路側機110Aの設置位置を緯度と経度とで示す位置情報と、その路側機110Aの海抜Ahとを記憶している。
歩道橋海抜データ112Dは、歩道橋の識別情報と、歩道橋の位置情報と、歩道橋の海抜Bh[m]とを対応付けて記憶している。より詳しくは、歩道橋海抜データ112Dは、歩道橋の識別情報ごとに、その歩道橋の設置位置を緯度と経度とで示す位置情報と、その歩道橋の海抜Bhとを記憶している。
道路海抜データ112Eは、道路の識別情報と、当該道路での、歩道橋が存在する地点の位置情報と、当該地点の海抜Ch[m]とを対応付けて記憶している。より詳しくは、道路海抜データ112Eは、道路の識別情報ごとに、その道路での、歩道橋が存在する地点の位置を緯度と経度とで示す位置情報と、当該地点の海抜Chとを記憶している。
路側機110Aは、自機の識別情報とともに、例えば、路側機110Aの周囲の気圧値Apと、路側機海抜データ112Cと、歩道橋海抜データ112Dと、道路海抜データ112Eとを無線で出力する。
気圧センサ113は、歩道橋の高さ情報を取得する。本実施形態では、歩道橋の高さ情報は、歩道橋上に配置された路側機110Aの周囲の気圧値Apである。気圧センサ113は、路側機110Aのハウジングの内部に配置されている。ハウジングは、水は通過させないが空気を通過させる穴を有している。この穴によって、ハウジングの内部と外部の気圧が連動している。これにより、気圧センサ113は、ハウジングの内部に位置した状態で、路側機110Aの周囲の気圧値Apを検出することができる。気圧センサ113の検出結果は、制御部120に入力される。気圧センサ113の検出結果は、ローパスフィルタなどの処理が行われた後に、制御部120に入力されてもよい。
スマートフォン1の通信ユニット6は、歩道橋に設置される路側機110Aから、歩道橋の高さ情報である第一気圧値と、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定するための閾値情報とを取得する。より詳しくは、通信ユニット6は、路側機110Aの周囲の気圧値Apと、閾値情報としての路側機海抜データ112C、歩道橋海抜データ112D及び道路海抜データ112Eとを取得する。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、自機の周囲の気圧値Xpと路側機110Aの周囲の気圧値Apとの相対気圧から、路側機110Aと歩道橋との相対気圧を差し引いた値を差分値として算出させる。制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、差分値と閾値情報とに基づいて、自機の高さが歩道橋の所定高さTH以上であるか否かを判定させ、それによって、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定させる。制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、差分値(相対気圧ΔAXp−相対気圧ΔABp)[hPa]が高度判定閾値Δp2[hPa]未満であると判定された場合、自機のユーザが歩道橋を渡っていると判定させる。ここで、相対気圧ΔAXpは、自機の周囲の気圧値Xpと路側機110Aの周囲の気圧値Apとの差分である。相対気圧ΔABpは、路側機110Aと歩道橋との高度差ΔABhに対応する相対気圧である。制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、差分値(相対気圧ΔAXp−相対気圧ΔABp)が高度判定閾値Δp2以上であると判定された場合、自機のユーザが歩道橋を渡っていないと判定させる。なお、制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、単に、相対気圧ΔAXpと所定の高度判定閾値との比較に応じて、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定させてもよい。所定の高度判定閾値は、歩道橋の高さ及び路側機110Aの設置高さに応じて適宜設定すればよい。例えば、路側機110Aは、所定の高度判定閾値を、予め記憶し、所定のタイミングでスマートフォン1に送信すればよい。
例えば、高度判定閾値Δp2は、歩道橋の高さの中間を所定高さTHとした場合、(ΔACp−ΔABp)/2である。ここで、ΔACp[hPa]は路側機110Aと道路との気圧差であり、ΔABp[hPa]は路側機110Aと歩道橋との気圧差である。歩道橋上の気圧値Bpは、路側機110Aの周囲の気圧値Apと、路側機海抜データ112C、歩道橋海抜データ112D及び道路海抜データ112Eとに基づいて算出される。道路の気圧値Cpは、路側機110Aの周囲の気圧値Apと、路側機海抜データ112C及び道路海抜データ112Eとに基づいて算出される。
次に、スマートフォン1の制御方法及び制御プログラム9Aとその作用について説明する。本実施形態において、コントローラ10は、図8に示すフローチャートに沿った処理を、例えば繰り返し行う。
図8に示すフローチャートのステップS11、ステップS15、ステップS16は第一実施形態と同じである。
図8に示すフローチャートのステップS12において、コントローラ10は、路側機110Aから、気圧センサ113の検出結果と、路側機海抜データ112Cと、歩道橋海抜データ112Dと、道路海抜データ112Eとを取得する。
図8に示すフローチャートのステップS13において、コントローラ10は、自機の高さ情報を取得する。より詳しくは、コントローラ10は、気圧センサ18をONにする。そして、コントローラ10は、自機の周囲の気圧値Xpを取得し、ストレージ9に記憶する。
図8に示すフローチャートのステップS14において、コントローラ10は、自機が歩道橋の所定高さTH以上であるか否かを判定する。より詳しくは、コントローラ10は、スマートフォン1と路側機110Aとの相対気圧ΔAXpと、路側機110Aと歩道橋との高度差ΔABhに対応する相対気圧ΔABpとの差が、高度判定閾値Δp2未満(ΔAXp−ΔABp<Δp2)である場合、ステップS14でYesと判定する。相対気圧ΔAXpは、自機の周囲の気圧値Xpと路側機110Aの周囲の気圧値Apとの差分である。コントローラ10は、相対気圧ΔAXpと相対気圧ΔABpとの差が、高度判定閾値Δp2以上(ΔAXp−ΔABp≧Δp2)である場合、ステップS14でNoと判定する。
上記実施形態によれば、スマートフォン1は、自機の周囲の気圧値Xpと路側機110Aの周囲の気圧値Apとから算出した、スマートフォン1と路側機110Aとの相対気圧ΔAXpと、高度判定閾値Δp2とに基づいて、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定することができる。このように、スマートフォン1は、自機の移動状態をより正確に判別することができる。
スマートフォン1と路側機110Aとの相対気圧ΔAXpと、高度判定閾値Δp2とに基づいて、スマートフォン1は、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定することができる。このため、路側機110Aの気圧センサ113またはスマートフォン1の気圧センサ18で測定される気圧値が天気などの外部要因で日々変化しても、スマートフォン1は、自機の移動状態を正確に判別することができる。
本実施形態では、相対気圧ΔAXpに基づいて、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定したが、相対気圧ΔAXpに対応する、スマートフォン1と路側機110Aとの相対高度ΔAXh[m]と、高度判定閾値Δh2[m]とに基づいて判定を行うようにしてもよい。この場合、高度判定閾値Δh2は、例えば図12に示すように、歩道橋の高さの中間を所定高さTHとした場合、(ΔACh−ΔABh)/2である。図12は、制御システム100Aの概略構成の他の例を示す模式図である。ΔACh[m]は路側機110Aと道路との高度差であり、ΔABh[m]は路側機110Aと歩道橋との高度差である。制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、相対気圧ΔAXpに対応する相対高度ΔAXhと、路側機110Aと歩道橋との高度差ΔABhとの差分値を求めさせる。制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、差分値と高度判定閾値Δh2とに基づいて、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定させる。なお、制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、単に、相対高度ΔAXhと所定の高度判定閾値との比較に応じて、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定させてもよい。所定の高度判定閾値は、歩道橋の高さ及び路側機110Aの設置高さに応じて適宜設定すればよい。例えば、路側機110Aは、所定の高度判定閾値を、予め記憶し、所定のタイミングでスマートフォン1に送信すればよい。
[第三実施形態]
図13を用いて、本実施形態に係る路側機110を含む制御システム100について説明する。図13は、本実施形態に係る路側機が行う制御の一例を示すフローチャートである。本実施形態は、路側機110が、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定する点が第一実施形態と異なる。
路側機110は、歩道橋の高さ情報とスマートフォン1の高さ情報とに基づいて、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定する。路側機110は、通信部111と、記憶部112と、制御部120とを有する。
通信部111は、スマートフォン1と通信を行い、スマートフォン1の識別情報及び高さ情報を含むデータを受信する。
制御プログラム112Aは、路側機110に、スマートフォン1の高さ情報と歩道橋の高さ情報とに基づいて、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定させる。本実施形態では、制御プログラム112Aは、路側機110に、通信部111がスマートフォン1と通信可能になると、通信部111で、スマートフォン1の周囲の大気圧の気圧値Xpを取得させる。そして、制御プログラム112Aは、路側機110に、スマートフォン1の周囲の大気圧の気圧値Xpの変化量ΔXpと、高度判定閾値Δp1とに基づいて、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定させる。
制御プログラム112Aは、路側機110に、気圧値Xpの変化量ΔXpが高度判定閾値Δp1以上であると判定された場合、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていると判定させる。制御プログラム112Aは、路側機110に、気圧値Xpの変化量ΔXpが高度判定閾値Δp1未満であると判定された場合、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていないと判定させる。
スマートフォン1は、通信ユニット6を介して路側機110と通信することにより、路側機110に、自機の高さを算出するための高さ算出情報を送信する。スマートフォン1は、気圧センサ18で検出したスマートフォン1の周囲の気圧値Xpを、高さ情報として路側機110に送信する。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、通信ユニット6を介して、スマートフォン1の高さ算出情報を路側機110に送信させる。
次に、図13を用いて、路側機110の制御方法及び制御プログラム112Aとその作用について説明する。
路側機110は、制御部120で記憶部112に記憶されている制御プログラム112Aを実行することで、図13に示す機能を実現することができる。また、制御部120は、図13に示す処理手順と並行して、他の機能の処理手順を実行してもよい。路側機110は、図13に示される一連の処理を、例えば繰り返し実行する。
制御部120は、歩道橋上の路側機110の通信エリア内に存在するスマートフォン1の有無を判定する(ステップS21)。より詳しくは、スマートフォン1が路側機110の所定距離内に近づくと、路側機110が無線で出力している情報がスマートフォン1で受信される。スマートフォン1は、路側機110からの情報を受信すると、応答信号を路側機110に送信する。路側機110では、制御部120は、通信部111が応答信号を受信すると、路側機110が無線で出力している情報がスマートフォン1で受信されたと判定する。制御部120は、路側機110が無線で出力している情報がスマートフォン1で受信されたと判定する場合、歩道橋上の路側機110の通信エリア内にスマートフォン1が存在すると判定する(ステップS21でYes)。一方で、制御部120は、通信部111が応答信号を受信しない場合、つまり、路側機110が無線で出力している情報がスマートフォン1で受信されない場合、歩道橋上の路側機110の通信エリア内にスマートフォン1が存在しないと判定する(ステップS21でNo)。
ステップS21でYESと判定されると、制御部120は、スマートフォン1の高さ情報を取得する(ステップS22)。より詳しくは、制御部120は、スマートフォン1が気圧センサ18で検出した、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpを取得する。
ステップS22の後、制御部120は、歩道橋の高さ情報を取得する(ステップS23)。より詳しくは、制御部120は、閾値データ112Bを取得する。
ステップS23の後、制御部120は、ステップS22,S23で取得した高さ情報に基づいて、スマートフォン1が歩道橋の所定高さTH以上であるか否かを判定する(ステップS24)。より詳しくは、制御部120は、ステップS22で取得した高さ情報に基づいて、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpを求める。そして、制御部120は、変化量ΔXpが、高度判定閾値Δp1以上である場合、ステップS24でYesと判定する。一方で、制御部120は、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpが、高度判定閾値Δp1未満である場合、ステップS24でNoと判定する。
制御部120は、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpが高度判定閾値Δp1以上である(ステップS24でYes)と判定した場合、スマートフォン1のユーザは歩道橋を渡っている、言い換えると、ユーザは歩道橋の上にいると判定する(ステップS25)。
制御部120は、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpが高度判定閾値Δp1未満である(ステップS24でNo)と判定した場合、スマートフォン1のユーザは歩道橋を渡っていない、言い換えると、ユーザは歩道橋の下にいると判定する(ステップS26)。
制御部120は、判別した移動状態に基づいて処理を実行する(ステップS27)。例えば、制御部120は、スマートフォン1の識別番号及び現在位置の情報とともにステップS24における判定結果を、通信ユニット111を介して車両200に送信してもよい。制御部120は、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていないと判定した場合にのみ、判定結果を車両200に送信してもよい。言い換えると、制御部120は、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていると判定した場合には、判定結果を車両200に送信しなくてもよい。
制御部120は、判定結果をそのまま車両200に出力してもよい。例えば、制御部120は、スマートフォン1の識別番号及び現在位置の情報とともに、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っているか否かを車両200に送信してもよい。
制御部120は、判定結果を加工して、車両200に出力してもよい。例えば、制御部120は、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていないと判定した場合、スマートフォン1のユーザは車両200にとって注意が必要な歩行者である旨の情報を車両200に送信してもよい。または、制御部120は、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていると判定した場合、スマートフォン1のユーザは車両200にとって安全である旨の情報を車両200に送信してもよい。
車両200は、受信した判定結果に基づいて、判定結果をそのままディスプレイ2Aに表示させてもよい。または、車両200は、判定結果を加工してディスプレイ2Aに表示させてもよい。このようにして、歩車間通信や路車間通信において、不要な作動が抑制される。
または、例えば、制御部120は、通信ユニット111を介して、自機の識別番号とともに判定結果をスマートフォン1に送信してもよい。
上記実施形態によれば、路側機110は、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpと、路側機110から取得した高度判定閾値Δp1とに基づいて、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定することができる。このように、路側機110は、スマートフォン1の移動状態をより正確に判別することができる。
[第四実施形態]
本実施形態に係る路側機110Aを含む制御システム100Aについて説明する。本実施形態は、路側機110Aが、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定する点が第二実施形態と異なる。
路側機110Aは、通信部111と、記憶部112と、気圧センサ113と、制御部120とを有する。
制御プログラム112Aは、路側機110Aに、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpと、路側機110Aの周囲の気圧値Apと、閾値情報とに基づいて、スマートフォン1の高さが歩道橋の所定高さTH以上であるかを判定させる。制御プログラム112Aは、路側機110Aに、スマートフォン1と路側機110Aとの相対気圧ΔAXpが高度判定閾値Δp2未満であると判定された場合、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていると判定させる。制御プログラム112Aは、路側機110Aに、相対気圧ΔAXpが高度判定閾値Δp2以上であると判定された場合、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っていないと判定させる。
次に、路側機110Aの制御方法及び制御プログラム112Aとその作用について説明する。本実施形態において、制御部120は、図13に示すフローチャートに沿った処理を行う。
図13に示すフローチャートのステップS21、ステップS22、ステップS25、ステップS26は第三実施形態と同じ処理を行う。
図13に示すフローチャートのステップS23において、制御部120は、歩道橋の高さ情報を取得する。より詳しくは、制御部120は、気圧センサ113で検出した、路側機110Aの周囲の気圧値Apを取得する。
図13に示すフローチャートのステップS24において、制御部120は、スマートフォン1が歩道橋の所定高さTH以上であるか否かを判定する。より詳しくは、制御部120は、スマートフォン1と路側機110Aとの相対気圧ΔAXpと、路側機110Aと歩道橋との高度差ΔABhに対応する相対気圧ΔABpとの差が、高度判定閾値Δp2未満(ΔAXp−ΔABp<Δp2)である場合、ステップS24でYesと判定する。制御部120は、相対気圧ΔAXpと相対気圧ΔABpとの差が、高度判定閾値Δh2以上(ΔAXp−ΔABp≧Δp2)である場合、ステップS24でNoと判定する。
制御部120は、相対気圧ΔAXpと相対気圧ΔABpとの差が高度判定閾値Δp2未満である(ステップS24でYes)と判定した場合、スマートフォン1のユーザは歩道橋を渡っていると判定する(ステップS25)。
制御部120は、相対気圧ΔAXpと相対気圧ΔABpとの差が高度判定閾値Δp2以上である(ステップS24でNo)と判定した場合、スマートフォン1のユーザは歩道橋を渡っていないと判定する(ステップS26)。
上記実施形態によれば、路側機110Aは、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpと路側機110Aの周囲の気圧値Apとの相対気圧ΔAXpと、高度判定閾値Δp2とに基づいて、スマートフォン1のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定することができる。このように、路側機110Aは、スマートフォン1の移動状態をより正確に判別することができる。
上記の各実施形態は、本開示の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。さらに、上記の実施形態及びその変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
電子機器の例として、スマートフォンについて説明したが、本開示の電子機器はスマートフォンに限定されない。電子機器は、スマートフォン以外の携帯電子機器であってもよい。電子機器は、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これらに限定されない。
上記の実施形態では、スマートフォン1のユーザの一例として歩行者について説明したが、ユーザが自転車に乗車している場合にも、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かを判定することができる。
上記の実施形態において、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpは、ユーザの足元からスマートフォン1の高さを考慮せずに説明した。ユーザの足元からスマートフォン1の高さを考慮して、自機のユーザが歩道橋を渡っているか否かをより正確に判定するようにしてもよい。例えば、スマートフォン1のディスプレイ2Aに画面が表示されている場合、スマートフォン1の高さは、ユーザの胸の高さとしてもよい。または、例えば、スマートフォン1の移動状態が自転車であると判定された場合、スマートフォン1の高さは、自転車のかごの高さとしてもよい。
第二実施形態及び第四実施形態において、歩道橋に対する路側機110Aの高さを一律に所定値とすれば、路側機110Aの海抜Ahと、路側機110Aと歩道橋との高度差ΔABhとが不要となる。これにより、路側機110Aの海抜Ahと、路側機110Aと歩道橋との高度差ΔABhとを登録する手間を削減できる。また、登録時の誤設定を抑制することができる。
さらに、第二実施形態及び第四実施形態において、道路に対する歩道橋の高さを一律に所定値とすれば、事前の高さ情報の登録が不要となる。また、登録時の誤設定を抑制することができる。
さらにまた、路側機110は、道路情報データを記憶部112に記憶していてもよい。道路情報データは、歩道橋が設置されている道路の傾斜情報を含む。これにより、傾斜している道路をユーザが歩行しスマートフォン1の周囲の気圧値Xpが変化している場合を、ユーザが歩道橋を渡っていると誤判定することを抑制することができる。言い換えると、ユーザが歩道橋を渡っているか否かの判定精度を向上することができる。
[第五実施形態]
図14は、本実施形態に係る電子機器210が使用されるシステムの一例を示す図である。電子機器210は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機である。電子機器210は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)で使用されることが可能である。具体的には、電子機器210は、ITSの安全運転支援通信システム201で使用されることが可能である。安全運転支援通信システム201は、安全運転支援システムと呼ばれたり、安全運転支援無線システムと呼ばれたりする。
図1に示されるように、安全運転支援通信システム201では、交差点202等に配置されている路側機205と、車道207を走る自動車等の車両206と、歩行者であるユーザ209が持つ電子機器210とが、互いに無線通信を行うことが可能である。これにより、路側機205、車両206及び電子機器210は、互いに情報をやり取りすることが可能である。また、複数の車両206は、互いに無線通信を行うことが可能である。これにより、複数の車両206は、互いに情報をやり取りすることが可能である。路側機205と車両206との間の通信、車両206間の通信、路側機205と歩行者の電子機器210との間の通信、歩行者の電子機器210と車両206の間の通信は、それぞれ、路車間通信、車車間通信、路歩間通信、歩車間通信と呼ばれる。
路側機205は、例えば、信号機204の点灯に関する情報及び道路規制に関する情報などを車両206及び電子機器210に通知することが可能である。また、路側機205は、その近くの車両206及び歩行者を検知することが可能である。交差点202に配置された路側機205は、例えば、横断歩道203を渡る歩行者を検知することが可能である。そして、路側機205は、検知した車両206及び歩行者に関する情報を、車両206及び電子機器210に通知することが可能である。また、路側機205は、車両206及び電子機器210から通知される情報を、他の車両206及び電子機器210に通知することが可能である。
車両206は、自身の位置、速度及びウィンカーに関する情報などを、他の車両206、路側機205及び電子機器210に対して通知することが可能である。そして、車両206は、通知される情報に基づいて警告等の各種通知を運転者に行うことによって、運転者の安全運転を支援することが可能である。車両206は、スピーカ及び表示装置等を利用して、運転者に各種通知を行うことが可能である。
電子機器210は、そのユーザ209の状態を特定することが可能である。電子機器210は、特定したユーザ209の状態に関する情報などを路側機205等に通知することが可能である。電子機器210の動作については後で詳細に説明する。
このように、安全運転支援通信システム201では、路車間通信、車車間通信、路歩間通信及び歩車間通信が行われることによって、車両206の運転者の安全運転が支援される。
<電子機器の外観>
図15及び16は電子機器210の外観の一例を示す斜視図及び背面図である。図15及び16に示されるように、電子機器210は、平面視で略長方形の板状の機器ケース211を備えている。機器ケース211は電子機器210の外装を構成している。
機器ケース211の前面211aには、文字、記号及び図形等の各種情報が表示される表示領域212が位置している。表示領域212の背面側には後述するタッチパネル330が位置している。これにより、ユーザ209は、電子機器210の前面の表示領域212を指等で操作することによって、電子機器210に対して各種情報を入力することができる。なお、ユーザ209は、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどのタッチパネル用ペンで表示領域212を操作することによっても、電子機器210に対して各種情報を入力することができる。
機器ケース211の前面211aの上端部にはレシーバ穴213が位置している。前面211aの下端部にはスピーカ穴214が位置している。機器ケース211の下側の側面211cにはマイク穴215が位置している。
機器ケース211の前面211aの上端部からは、後述する第1カメラ380が有するレンズ381が視認可能となっている。図16に示されるように、機器ケース211の背面211bの上端部からは、後述する第2カメラ390が有するレンズ391が視認可能となっている。
電子機器210は、複数の操作ボタン222から成る操作ボタン群420(後述の図17参照)を備えている。複数の操作ボタン222のそれぞれはハードウェアボタンである。具体的には、複数の操作ボタン222のそれぞれは押しボタンである。なお、操作ボタン群420に含まれる少なくとも一つの操作ボタン222は、表示領域212に表示されるソフトウェアボタンであってもよい。
操作ボタン群420には、機器ケース211の前面211aの下端部に位置する操作ボタン222a,222b,222cが含まれる。また、操作ボタン群420には、機器ケース211の表面に位置する電源ボタン及びボリュームボタンが含まれる。
操作ボタン222aは、例えばバックボタンである。バックボタンは、表示領域212の表示を一つ前の表示に切り替えるための操作ボタンである。ユーザ209が操作ボタン222aを操作することよって、表示領域212の表示が一つ前の表示に切り替わる。操作ボタン222bは、例えばホームボタンである。ホームボタンは、表示領域212にホーム画面を表示させるための操作ボタンである。ユーザ209が操作ボタン222bを操作することよって、表示領域212にホーム画面が表示される。操作ボタン222cは、例えば履歴ボタンである。履歴ボタンは、電子機器210で実行されたアプリケーションの履歴を表示領域212に表示させるための操作ボタンである。ユーザ209が操作ボタン222cを操作することよって、表示領域212には、電子機器210で実行されたアプリケーションの履歴が表示される。
<電子機器の電気的構成>
図17は電子機器210の電気的構成の一例を主に示すブロック図である。図17に示されるように、電子機器210は、制御部300、無線通信部310、表示部320、タッチパネル330、衛星信号受信部340及び操作ボタン群420を備える。さらに電子機器210は、レシーバ350、スピーカ360、マイク370、第1カメラ380、第2カメラ390、加速度センサ400、気圧センサ410及び電池430を備える。電子機器210が備えるこれらの構成要素は、機器ケース211内に収められている。
制御部300は、電子機器210の他の構成要素を制御することによって、電子機器210の動作を統括的に管理することが可能である。制御部300は制御装置とも言える。制御部300は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。制御部300が含むプロセッサについては、上述した、路側機110の制御部120が含むプロセッサについての説明と同様のことが言える。
本例では、制御部300は、CPU301、DSP(Digital Signal Processor)302及び記憶部303を備える。記憶部303は、ROM(Read Only Memory)及びRAMなどの、CPU301及びDSP302が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部303が有するROMは、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュROM(フラッシュメモリ)である。記憶部303には、電子機器10を制御するための複数の制御プログラム303a等が記憶されている。制御部300の各種機能は、CPU301及びDSP302が記憶部303内の各種制御プログラム303aを実行することによって実現される。
なお、制御部300の全ての機能あるいは制御部300の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。また、記憶部303は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。記憶部303は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)などを備えていてもよい。
記憶部303内の複数の制御プログラム303aには、様々なアプリケーション(アプリケーションプログラム)が含まれている。記憶部303には、例えば、音声通話及びビデオ通話を行うための通話アプリケーション、ウェブサイトを表示するためのブラウザ、電子メールの作成、閲覧及び送受信を行うためのメールアプリケーションが記憶されている。また記憶部303には、第1カメラ380及び第2カメラ390を利用して被写体を撮影するためのカメラアプリケーション、記憶部303に記録されている静止画及び動画を表示するための記録画像表示アプリケーション、記憶部303に記憶されている音楽データの再生制御を行うための音楽再生制御アプリケーションなどが記憶されている。記憶部303内の少なくとも一つのアプリケーションは、記憶部303内にあらかじめ記憶されているものであってよい。また、記憶部303内の少なくとも一つのアプリケーションは、電子機器10が他の装置からダウンロードして記憶部303内に記憶したものであってよい。
無線通信部310は、アンテナ311を有している。無線通信部310は、アンテナ311を用いて、例えば複数種類の通信方式で無線通信することが可能である。無線通信部310の無線通信は、制御部300によって制御される。
無線通信部310は、携帯電話システムの基地局と無線通信することが可能である。無線通信部310は、当該基地局及びインターネット等のネットワークを通じて、電子機器10とは別の携帯電話機及びウェブサーバ等と通信することが可能である。電子機器10は、他の携帯電話機等と、データ通信、音声通話及びビデオ通話等を行うことが可能である。また、無線通信部310は、路側機205及び車両206と無線通信することが可能である。無線通信部310は、アンテナ311で受信した信号に対して増幅処理等の各種処理を行い、処理後の受信信号を制御部300に出力する。制御部300は、入力される受信信号に対して各種処理を行って、当該受信信号に含まれる情報を取得する。また、制御部300は、情報を含む送信信号を無線通信部310に出力する。無線通信部310は、入力される送信信号に対して増幅処理等の各種処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ311から無線送信する。
表示部320は、電子機器210の前面に位置する表示領域212と、表示パネル321とを備えている。表示部320は、表示領域212に各種情報を表示することが可能である。表示パネル321は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル321は、制御部300によって制御されることによって、文字、記号及び図形などの各種情報を表示することが可能である。表示パネル321は、機器ケース211内において、表示領域212と対向している。表示パネル321に表示される情報は表示領域212に表示される。
タッチパネル330は、表示領域212に対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル330は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル330は、例えば、表示領域212の裏側に位置する。ユーザ209が指等の操作子によって表示領域212に対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号をタッチパネル330は制御部300に入力することが可能である。制御部300は、タッチパネル330からの電気信号(出力信号)に基づいて、表示領域212に対して行われた操作の内容を特定することが可能である。そして制御部300は、特定した操作内容に応じた処理を行うことが可能である。
操作ボタン群420の各操作ボタン222は、ユーザ209によって操作されると、操作されたことを示す操作信号を制御部300に出力することが可能である。これにより、制御部300は、各操作ボタン222について、当該操作ボタン222が操作されたか否かを判断することができる。操作信号が入力された制御部300が他の構成要素を制御することによって、電子機器210では、操作された操作ボタン222に割り当てられている機能が実行される。
衛星信号受信部340は、測位衛星が送信する衛星信号を受信することが可能である。そして、衛星信号受信部340は、受信した衛星信号に基づいて、電子機器210の位置情報を取得することが可能である。具体的には、衛星信号受信部340は、測位衛星を捕捉する。つまり、衛星信号受信部340は、測位衛星からの衛星信号から、電子機器210の位置情報の算出に必要な情報を取得する。そして、衛星信号受信部340は、取得した情報に基づいて、電子機器210の位置情報を求める。また、衛星信号受信部340は、捕捉した測位衛星の数、つまり、その衛星信号から位置情報の算出に必要な情報を取得することができた測位衛星の数を、制御部300に出力する。電子機器210が取得する位置情報には、例えば、電子機器210の位置を示す緯度経度が含まれる。制御部300は、衛星信号受信部340を動作させたり、その動作を停止したりすることが可能である。以後、衛星信号受信部340が捕捉する測位衛星の数を「捕捉衛星数」と呼ぶことがある。また、衛星信号受信部340を単に「受信部340」と呼ぶことがある。
受信部340は、例えばGPS受信機であって、GPSの測位衛星からの無線信号を受信することが可能である。受信部340は、受信した無線信号に基づいて電子機器210の現在位置を例えば緯度経度で算出し、算出した緯度経度を含む位置情報を制御部300に出力する。電子機器210の位置情報は、当該電子機器210を持つユーザ209の位置情報であるともいえる。
なお、受信部340は、GPS以外のGNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星からの信号に基づいて電子機器210の位置情報を求めてもよい。例えば、受信部340は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、IRNSS(Indian Regional Navigational Satellite System)、COMPASS、Galileoあるいは準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellites System)の測位衛星からの信号に基づいて電子機器210の位置情報を求めてもよい。
マイク370は、電子機器210の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部300に出力することが可能である。電子機器210の外部からの音は、マイク穴215から電子機器210の内部に取り込まれてマイク370に入力される。
スピーカ360は、例えばダイナミックスピーカである。スピーカ360は、制御部300からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。スピーカ360から出力される音は、スピーカ穴214から外部に出力される。ユーザ209は、スピーカ穴214から出力される音を、電子機器210から離れた場所でも聞こえることが可能である。
レシーバ350は受話音を出力することが可能である。レシーバ350は例えばダイナミックスピーカである。レシーバ350は、制御部300からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。レシーバ350から出力される音はレシーバ穴213から外部に出力される。レシーバ穴213から出力される音の音量は、スピーカ穴215から出力される音の音量よりも小さくなっている。ユーザ209は、レシーバ穴213から出力される音を、当該レシーバ穴213に耳を近づけることによって聞くことができる。なお、レシーバ350の代わりに、機器ケース211の前面部分を振動させる、圧電振動素子等の振動素子を設けてもよい。この場合には、音は、当該前面部分の振動によりユーザに伝達される。
第1カメラ380は、レンズ381及びイメージセンサなどを備えている。第2カメラ390は、レンズ391及びイメージセンサなどを備えている。第1カメラ380及び第2カメラ390のそれぞれは、制御部300による制御に基づいて被写体を撮影し、撮影した被写体を示す静止画あるいは動画を生成して制御部300に出力することが可能である。第1カメラ380はインカメラと呼ばれる。
第1カメラ380のレンズ381は、機器ケース311の前面311aから視認可能となっている。したがって、第1カメラ380は、電子機器210の前面側(表示領域12側)に存在する被写体を撮影することが可能である。第2カメラ390のレンズ391は、機器ケース311の背面311bから視認可能となっている。したがって、第2カメラ390は、電子機器210の背面側に存在する被写体を撮影することが可能である。第2カメラ390はアウトカメラと呼ばれる。
加速度センサ400は、電子機器210の加速度を検出することが可能である。加速度センサ400は例えば3軸加速度センサである。加速度センサ400は、x軸方向、y軸方向及びz軸方向の電子機器210の加速度を検出することが可能である。x軸方向、y軸方向及びz軸方向は、例えば、電子機器210の長手方向、短手方向及び厚み方向にそれぞれ設定される。
気圧センサ410は、電子機器210の周囲の気圧を検出することが可能である。電子機器210の周囲の気圧は、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報であると言える。したがって、気圧センサ410は、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報を生成する生成部であると言える。また、電子機器210の周囲の気圧は、電子機器210の位置の高さが大きいほど小さい値であると言える。以後、単に気圧と言えば、電子機器210の周囲の気圧を意味する。
電池430は電子機器210の電源を出力することが可能である。電池430は例えば充電式の電池である。電池430から出力される電源は、電子機器210が備える制御部300及び無線通信部310などの各種構成に対して供給される。
なお、電子機器210は、加速度センサ400及び気圧センサ410以外のセンサを備えてもよい。例えば、電子機器210は、方位センサ、近接センサ、照度センサ及びジャイロセンサの少なくとも一つを備えてもよい。
<制御部内の機能ブロック>
図18は、CPU301及びDSP302が記憶部303内の制御プログラム303aを実行することによって形成される一部の機能ブロックを示す図である。図18に示されるように、制御部300は、機能ブロックとして、歩数計測部500、状態特定部600及び通知決定部700を備えている。なお、歩数計測部500、状態特定部600及び通知決定部700の少なくとも一つは、その機能の実行にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。
状態特定部600は、ユーザ209についての様々な状態を特定することが可能である。状態特定部600は、例えば、第1特定部610及び第2特定部620を備える。第1特定部610は、主に、ユーザ209の移動手段を特定することが可能である。言い換えれば、第1特定部610は、主に、ユーザ209の移動状態を特定することが可能である。第2特定部620は、ユーザ209が歩道橋にいることを特定することが可能である。なお、状態特定部600が特定するユーザ209の状態の種類はこの限りではない。
第1特定部610は、加速度センサ400で検出される加速度に基づいて、例えば、ユーザ209が自力で移動しているのか、ユーザ209が乗り物に乗って移動しているのかを特定することができる。ここで、ユーザ209が自力で移動するとは、ユーザ209が乗り物に乗らずに自らの足で移動することを意味する。ユーザ209が自力で移動することを「自力移動」と呼ぶと、第1特定部610はユーザ209の自力移動を特定することが可能であると言える。また、ユーザ209が乗り物に乗って移動することを「乗り物移動」と呼ぶと、第1特定部610はユーザ209の乗り物移動を特定することが可能である。
第1特定部610が特定することが可能な自力移動には、ユーザ209が歩いて移動することと、ユーザ209が走って移動することとが含まれる。ユーザ209が走って移動することを「走行」と呼ぶと、自力移動には、歩行及び走行が含まれる。また、第1特定部610が特定することが可能な乗り物移動には、ユーザ209が自転車で移動することと、ユーザ209が、自動車及び電車などの、自転車よりも速く移動することが可能な乗り物で移動することとが含まれる。
以後、自転車と、それよりも速く移動することが可能な乗り物とを区別するために、単に「乗り物」と言えば、自転車よりも速く移動することが可能な乗り物を意味する。また、ユーザ209が自力移動する場合の移動手段の名称として「自力」を使用し、ユーザ209が歩いて移動する場合の移動手段の名称として「歩き」を使用し、ユーザ209が走って移動する場合の移動手段の名称として「走り」を使用する。
ここで、電子機器210の加速度が、当該電子機器210を持つユーザ209の移動手段に応じた固有の時間変化のパターンを示すことが知られている。第1特定部610は、加速度センサ400で検出される加速度の時間変化のパターンが、「歩き」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ209の移動手段が「歩き」であると特定する。また、第1特定部610は、加速度センサ400で検出される加速度の時間変化のパターンが、「走り」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ209の移動手段が「走り」であると特定する。また、第1特定部610は、加速度センサ400で検出される加速度の時間変化のパターンが、「自転車」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ209の移動手段が「自転車」であると特定する。そして、第1特定部610は、加速度センサ400で検出される加速度の時間変化のパターンが、「乗り物」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ209の移動手段が「乗り物」であると特定する。
このようにして、第1特定部610は、ユーザ209の移動手段が、歩き、走り、自転車及び乗り物のいずれであるのかを特定することができる。制御部300は、例えば、第1特定部410で特定される移動手段と、ユーザ209の移動距離(電子機器210の移動距離)とを、表示部320に表示させることができる。これにより、ユーザ209は、歩行距離、走行距離、自転車での移動距離及び乗り物での移動距離を区別して確認することができる。制御部300は、例えば、受信部340で取得される位置情報に基づいて、ユーザ209の移動距離を求めることができる。
また、第1特定部410は、ユーザ209が停止しているか否かも特定することが可能である。第1特定部410は、例えば、受信部340で取得される位置情報に基づいて、ユーザ209が停止しているか否かを特定する。
第2特定部620は、ユーザ209が歩道橋にいることを特定する状態特定を、受信部340の受信状況を示す受信状況情報と、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報とに基づいて行う特定処理を実行することが可能である。電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報としては、例えば、気圧センサ410で検出される気圧が用いられる。第2特定部620での特定処理については後で詳細に説明する。
歩数計測部500は、自力移動しているユーザ209の歩数を計測することが可能である。歩数計測部500は、例えば、加速度センサ400で検出される加速度に基づいて、自力移動しているユーザ209の歩数を計測する。歩数計測部500は、ユーザ209が歩行あるいは走行していると第1特定部410が特定しているときに、ユーザ209の歩数を計測する。制御部300は、歩数計測部500で測定される歩数を表示部320に表示させることができる。以後、歩数計測部500が計測する歩数を単に「計測歩数」と呼ぶことがある。
通知決定部700は、状態特定部600で特定されるユーザ209の状態などに基づいて、電子機器210の外部に電子機器210が通知を行うか否かを決定することが可能である。
例えば、状態特定部600が、ユーザ209が交差点202の近くに存在することを特定する場合を考える。状態特定部600は、例えば、記憶部303に記憶されている地図情報と、受信部340で取得される位置情報とに基づいて、ユーザ209が交差点202の近くに存在することを特定することができる。あるいは、状態特定部600は、交差点202に配置された路側機205からの信号を無線通信部310が受信する場合、ユーザ209が交差点202の近くに存在すると特定する。
ユーザ209が交差点202の近くに存在することを状態特定部600が特定し、かつ第1特定部410がユーザ209の移動手段が「自力」であると特定する場合、通知決定部700は、電子機器210の外部に対して、交差点202の近くにユーザ209が存在することを通知する通知情報を電子機器210が送信することを決定する。また、ユーザ209が交差点202の近くに存在することを状態特定部600が特定し、かつ第1特定部410がユーザ209の移動手段が「自転車」であると特定する場合、通知決定部700は、電子機器210の外部に対して、交差点202の近くにユーザ209が存在することを通知する通知情報を電子機器210が送信することを決定する。さらに、ユーザ209が交差点202の近くに存在することを状態特定部600が特定し、かつ第1特定部410がユーザ209が停止していることを特定する場合、通知決定部700は、電子機器210の外部に対して、交差点202の近くにユーザ209が存在することを通知する通知情報を電子機器210が送信することを決定する。この通知情報には、第1特定部410が特定するユーザ209の移動手段を示す情報が含まれてもよい。
通知決定部700で通知情報の送信が決定されると、制御部300は、無線通信部310から当該通知情報を送信させる。電子機器210から送信される通知情報は、例えば、交差点202に配置された路側機205で受信される。路側機205は、受信した通知情報を、交差点202付近の車両206に送信する。車両206は、例えば、通知情報を表示装置に表示する。これにより、交差点202の近くにいる車両206の運転手は、当該交差点202の近くに人が存在することを認識しながら運転を行うことができる。その結果、車両206の運転の安全性が向上する。
なお、交差点202の近くにユーザ209が存在することを通知する通知情報は、電子機器210が外部に通知する情報の一例であって、電子機器210は、外部に対して様々な通知を行うことができる。また、電子機器210は、車両206に対して直接通知を行うことも可能である。
<第2特定部での特定処理について>
上述の図14に示されるように、ユーザ209が車道207とほぼ同じ高さにある歩道を自力走行している場合には、ユーザ209が車道207に出るなどして、ユーザ209と車両206とが衝突する可能性がある。したがって、このようなユーザ209は、車両206に対して安全であるとは言えない。
一方で、図19に示されるように、例えば交差点202付近に設けられた歩道橋800を、ユーザ209が渡る場合には、ユーザ209と車両206とが衝突する可能性は低い。したがって、歩道橋800に存在するユーザ209は、車両206に対する安全性が高いと言える。
このように、ユーザ209が歩道橋800にいるか否かで、当該ユーザ209の車両206に対する安全性が異なる。したがって、車両206の運転者の安全運転を支援するという観点からすれば、ユーザ209が歩道橋800にいる場合と、ユーザ209が歩道橋800にいない場合とで、電子機器210の動作を変えることが望ましい。
例えば、ユーザ209が交差点202付近に存在し、ユーザ209が歩道橋800にいない場合には、電子機器210は、交差点202の近くにユーザ209が存在することを路側機205に通知する。これに対して、ユーザ209が交差点202付近に存在し、ユーザ209が歩道橋800にいる場合には、電子機器210は、交差点202の近くにユーザ209が存在することを路側機205に通知しない。
また、ユーザ209が歩道橋800にいない場合には、電子機器210は、ユーザ209が車道に出る可能性が高いことを路側機205に通知する。これに対して、ユーザ209が歩道橋800にいる場合には、電子機器210は、ユーザ209が車道に出る可能性が低いことを路側機205に通知する。
このように、ユーザ209が歩道橋800にいるか否かに応じて電子機器210が適切に動作するためには、電子機器210は、ユーザ209が歩道橋にいることを正しく特定する必要がある。
そこで、本例では、第2特定部620が、気圧センサ410で検出される気圧と、受信部340の受信状況を示す受信状況情報とに基づいて、ユーザ209が歩道橋にいることを特定する状態特定を行う。これにより、電子機器210は、ユーザ209が歩道橋にいることをより正しく特定することが可能となる。受信状況情報としては、例えば、受信部340が求める捕捉衛星数が使用される。捕捉衛星数は、受信部340の受信状況が良いほど大きい値であると言える。以下に第2特定部620での特定処理について詳細に説明する。以後、ユーザ209が歩道橋にいることを特定する状態特定を「歩道橋特定」と呼ぶことがある。本例に係る特定処理では、気圧と捕捉衛星数に基づいて歩道橋特定が行われる。
図20は、第2特定部620での特定処理の一例を示すフローチャートである。図20に示されるように、ステップs201において、第2特定部620は、気圧センサ410で検出される気圧の取得を開始する。第2特定部620は、気圧センサ410で検出される気圧の取得を開始すると、歩数計測部500が計測する歩数(計測歩数)がN個増加するたびに、気圧センサ410で検出される気圧を取得する。つまり、第2特定部620は、自力移動するユーザ209がN歩移動するたびに、気圧センサ410で検出される最新の気圧を取得する。Nは、例えば、1以上であって数個以下に設定される。Nは、例えば、1以上5以下に設定される。
次にステップs202において、第2特定部620は、気圧が減少したか否かを判定する。電子機器210の位置の高さが増加すると、気圧が減少することから、第2特定部620は、電子機器210の位置の高さが増加したか否かを判定すると言える。
ステップs202において、第2特定部620は、気圧センサ410から取得する気圧に基づいて、ユーザ209がN歩移動する間の気圧の変化量を求める。例えば、計測歩数がN個増加する前に気圧センサ410で検出される気圧をP1とし、計測歩数がN個増加したときに気圧センサ410で検出される気圧をP2とする。第2特定部620は、(P2−P1)を、ユーザ209がN歩移動する間の気圧の変化量とする。以後、ユーザ209がN歩移動する間の気圧の変化量を単に「気圧変化量」と呼ぶことがある。
ステップs202において、第2特定部620は、気圧変化量が第1しきい値以下の場合には、気圧が減少したと判定する。ステップs202は、気圧が減少したと判定されるまで繰り返し実行される。気圧が減少したと判定されるまでは、第2特定部620は、計測歩数がN個増加するたびに気圧変化量を求める。
ここで、ユーザ209が歩道橋800等の階段を上り始めると、気圧が減少する。したがって、ステップs202では、第2特定部620は、ユーザ209が階段を上り始めたか否かを判定すると言える。第1しきい値は、例えば、ユーザ209が歩道橋800の階段をN段上る間の一般的な気圧の減少量よりも少し小さい値に設定される。なお、第2特定部620は、気圧変化量が第1しきい値よりも小さい場合に、気圧が減少したと判定してもよい。
ステップs202において、気圧が減少したと判定されると、言い換えれば、ユーザ209が階段を上り始めたと判定されると、ステップs203において、第2特定部620は、受信部340から出力される最新の捕捉衛星数を記憶部303に記録する。
ここで、受信部340は、動作を開始した後すぐに測位衛星を捕捉することができない可能性がある。したがって、ステップs203が実行されるタイミングで受信部340の動作が開始する場合には、第2特定部620は、ステップs203において、捕捉衛星数をすぐに記録することができない可能性がある。
そこで、本例では、ユーザ209が自力移動を開始すると、受信部340は動作を開始する。制御部300は、第1特定部610が特定する内容が、ユーザ209が停止しているという内容から、ユーザ209が自力移動(歩行あるいは走行)しているという内容に変化すると、ユーザ209が自力移動を開始したと判断する。そして、制御部300は、受信部340に動作を開始させる。受信部340は、初期状態では動作が停止しており、制御部300による制御によって必要なときに動作が開始する。制御部300は、第1特定部610でユーザ209が停止したことが特定されると、例えばしばらく時間が経過した後に、受信部340の動作を停止する。
受信部340は、動作を開始すると、スリープモードと測位モードとを繰り返す間欠動作を行う。測位モードの受信部340は、測位衛星を捕捉し、測位衛星からの衛星信号から電子機器210の位置情報の算出に必要な情報を取得する。そして、測位モードの受信部340は、取得した情報に基づいて、電子機器210の位置情報を求める。また、測位モードの受信部340は、その衛星信号から位置情報の算出に必要な情報を取得することができた測位衛星の数、つまり捕捉衛星数を制御部300に出力する。スリープモードでは、測位衛星の捕捉及び電子機器210の位置情報の算出は行われない。
第2特定部620は、ステップs203において、まず、受信部340の間欠動作を解除して、受信部340を測位モードで継続して動作させる。そして、第2特定部620は、受信部340から出力される最新の捕捉衛星数を記憶部303に記録する。
このように、ユーザ209が自力移動を開始すると、受信部340が動作を開始する場合には、ステップs203が実行されるタイミングでは、すでに受信部340の動作が開始している。したがって、第2特定部620は、ステップs203において、捕捉衛星数をすぐに記録することができる。なお、ユーザ209が乗り物移動を開始すると、受信部340は動作を開始してもよい。また、ステップs203が実行されるタイミングで受信部340の動作が開始してもよい。
ステップs203の後、第2特定部620は、ステップs204において、気圧が安定したか否かを判定する。言い換えれば、第2特定部620は、電子機器210の位置の高さが安定したか否かを判定する。
ステップs204では、第2特定部620は、気圧センサ410から取得する気圧に基づいて、計測歩数がN個増加するたびに、気圧変化量の絶対値を求める。この絶対値は、ユーザ209が階段を上っているときには、大きな値を示す。そして、第2特定部620は、計測歩数がN個増加するたびに求める絶対値が第2しきい値よりも小さくなると、気圧が安定したと判定する。第2しきい値は、第1しきい値よりも小さい値に設定される。ステップs204は、気圧が安定したと判定されるまで継続して行われる。ユーザ209が階段を上りきった後は、気圧が安定することから、ステップs204では、第2特定部620は、ユーザ209が階段を上りきったか否かを判定すると言える。
なおステップs204では、第2特定部620は、気圧変化量の絶対値が第2しきい値以下になると、気圧が安定したと判定してもよい。また、第2特定部620は、継続的に求める気圧変化量の絶対値が、複数回連続して第2しきい値よりも小さいとき、あるいは複数回連続して第2しきい値以下のとき、気圧が安定したと判定してもよい。
ステップs204において、気圧が安定したと判定されると、ステップs205において、第2特定部620は、受信部340から出力される最新の捕捉衛星数を記憶部303に記録する。言い換えれば、ステップs204において、ユーザ209が歩道橋800の階段を上りきったと判定されると、ステップs205において、第2特定部620は、受信部340から出力される最新の捕捉衛星数を記憶部303に記録する。
次にステップs206において、第2特定部620は、ステップs203で記録した捕捉衛星数と、ステップs205で記録した捕捉衛星数との差分の絶対値を求める。そして、ステップs207において、第2特定部620は、ステップs206で求めた絶対値が第3しきい値よりも小さいか否かを判定する。第3しきい値は、1以上の整数であって、例えば2に設定される。
以後、ステップs206で求められる絶対値を「衛星数差分絶対値」と呼ぶことがある。また、衛星数差分絶対値を求める際に使用される2つの捕捉衛星数のうち、先に取得される捕捉衛星数を「第1捕捉衛星数」と呼び、後に取得される捕捉衛星数を「第2捕捉衛星数」と呼ぶことがある。ステップs203では第1捕捉衛星数が記録され、ステップs204では第2捕捉衛星数が記録されると言える。
ステップs207において、第2特定部620は、衛星数差分絶対値が第3しきい値よりも小さいと判定すると、ステップs208において、ユーザ209が歩道橋800にいると判断する。言い換えれば、第2特定部620は、気圧が小さくなったタイミングでの捕捉衛星数と、その後の気圧が安定したタイミングでの捕捉衛星数との間に差がほとんどなければ、ユーザ209が歩道橋800にいると判断する。さらに言い換えれば、第2特定部620は、ユーザ209が階段を上り始めたタイミングでの捕捉衛星数と、ユーザ209が階段を上りきった後のタイミングでの捕捉衛星数との間に差がほとんどなければ、ユーザ209が歩道橋800にいると判断する。さらに言い換えれば、第2特定部620は、気圧に基づいて特定する、電子機器210の位置の高さが増加したタイミングでの捕捉衛星数と、気圧に基づいて特定する、電子機器210の位置の高さが安定したタイミングでの捕捉衛星数との間に差がほとんどなければ、ユーザ209が歩道橋800にいると判断する。
ここで、ステップs202において、気圧が減少したと判断されることは、電子機器210の位置の高さが増加したと判断されることと見ることができる。また、ステップs206で求めされる衛星数差分絶対値が第3しきい値よりも小さいことは、受信部340の受信状況が安定していることを意味している。したがって、第2特定部620は、気圧及び捕捉衛星数に基づいて、電子機器210の位置の高さが増加し、受信部340の受信状況が安定すると判断する場合、ユーザ209が歩道橋800にいると判断すると言える。
一方で、ステップs207において、第2特定部620は、衛星数差分絶対値が第3しきい値以上であると判定すると、ステップs209において、ユーザ209が歩道橋800にいないと判断する。言い換えると、第2特定部620は、気圧が小さくなったタイミングでの捕捉衛星数と、気圧が安定したタイミングでの捕捉衛星数との間の差が大きければ、ユーザ209が歩道橋800にいないと判断する。さらに言い換えれば、第2特定部620は、ユーザ209が階段を上り始めたタイミングでの捕捉衛星数と、ユーザ209が階段を上りきった後のタイミングでの捕捉衛星数との間の差が大きければ、ユーザ209が歩道橋800にいないと判断する。さらに言い換えれば、第2特定部620は、気圧に基づいて特定する、電子機器210の位置の高さが増加したタイミングでの捕捉衛星数と、気圧に基づいて特定する、電子機器210の位置の高さが安定したタイミングでの捕捉衛星数との間の差が大きければ、ユーザ209が歩道橋800にいると判断する。
ここで、衛星数差分絶対値が第3しきい値以上であることは、受信部340の受信状況が安定していないことを意味している。したがって、第2特定部620は、気圧及び捕捉衛星数に基づいて、電子機器210の位置の高さが増加し、受信部340の受信状況が安定しないと判断する場合、ユーザ209が歩道橋800にいないと判断すると言える。
なお本明細書では、ある値がしきい値よりも小さいとき、ある処理を実行し、当該ある値が当該しきい値以上のとき、別の処理を実行するということを、当該ある値が当該しきい値以下のときに、当該ある処理を実行し、当該ある値が当該しきい値よりも大きいとき、当該別の処理を実行するということに置き換えることができる。したがって、第2特定部620は、衛星数差分絶対値が第3しきい値以下のときに、ユーザ209が歩道橋800にいると判断し、衛星数差分絶対値が第3しきい値よりも大きいときに、ユーザ209が歩道橋800にいないと判断してもよい。
同様に、ある値がしきい値以下のとき、ある処理を実行し、当該ある値が当該しきい値よりも大きいとき、別の処理を実行するということを、当該ある値が当該しきい値よりも小さいとき、当該ある処理を実行し、当該ある値が当該しきい値以上のとき、当該別の処理を実行するということに置き換えることができる。
第2特定部620は、ステップs208を実行すると、ステップs10を実行する。また第2特定部620は、ステップs9を実行すると、ステップs210を実行する。ステップs210では、第2特定部620は、気圧センサ410で検出される気圧の取得を終了する。また第2特定部620は、受信部340を間欠動作させる。ステップs210が実行されると、特定処理が終了する。
第2特定部620は、以上のような特定処理を繰り返し実行する。第2特定部620で特定処理が行われると、通知決定部700は、当該特定処理の結果に基づいて、電子機器210の外部に電子機器210が通知するか否かを決定する。
例えば、通知決定部700は、特定処理においてユーザ209が歩道橋にいると判断されると、電子機器210の外部に電子機器210が何も通知しないことを決定する。あるいは、通知決定部700は、電子機器210の外部に対して、ユーザ209が車道207に出る可能性が低いことを電子機器210が通知することを決定する。この場合、無線通信部310は、例えば路側機205に対して、ユーザ209が車道に出る可能性が低いことを通知する。
一方で、通知決定部700は、特定処理においてユーザ209が歩道橋にいないと判断されると、電子機器210の外部に対して、ユーザ209が車道に出る可能性が高いことを電子機器210が通知することを決定する。この場合、無線通信部310は、例えば路側機205に対して、ユーザ209が車道に出る可能性が高いことを通知する。
なお、通知決定部700の動作は、この例に限られない。通知決定部700は、第2特定部620の特定処理の結果と、他の情報とに基づいて、電子機器210の外部に電子機器210が通知するか否かを決定してもよい。
上記の例では、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報として、気圧が採用されているが、他の情報が採用されてもよい。例えば、特定処理において、気圧の代わりに、電子機器210の位置の高さを示す高さ情報が採用されてもよい。この場合、制御部300は、例えば、気圧センサ410で検出される気圧に基づいて高さ情報を生成する。高さ情報としては、例えば、電子機器210の位置の高さを表す数値が採用される。
また上記の特定処理では、受信状況情報として、捕捉衛星数が採用されているが、他の情報が採用されてもよい。例えば、受信部340での受信信号のC/N値が採用されてもよい。C/N値は、搬送波電力と雑音電力との比を表しており、受信品質を示している。受信部340は、受信信号のC/N値を算出して制御部300に出力することができる。受信状況情報としてC/N値が採用される場合、ステップs203,s205では、受信部340で求められた最新のC/N値が記録される。そして、ステップs206では、記録された2つのC/N値の差分の絶対値が求められる。そして、ステップs207では、求められた絶対値が第4しきい値よりも小さいか否かが判定される。第4しきい値は、例えば10に設定される。絶対値が第4しきい値よりも小さい判断されると、ステップs208において、ユーザ209が歩道橋にいると判断され、絶対値が第4しきい値以上であると判断されると、ステップs209において、ユーザ209が歩道橋にいないと判断される。
また上記の例では、第2捕捉衛星数として、ユーザ209が階段を上りきった後のタイミングでの捕捉衛星数が採用されたが、言い換えれば、気圧が安定しているタイミングでの捕捉衛星数が採用されたが、ユーザ209が階段を上っている間の捕捉衛星数が採用されてもよい。この場合には、ステップs206では、ユーザ209が階段を上っている間の異なるタイミングで取得された2つの捕捉衛星数の差分の絶対値が求められる。第2捕捉衛星数として、ユーザ209が階段を上っている間の捕捉衛星数が採用される場合には、例えば、図21に示されるように、第2特定部620は、ステップs204の代わりにステップs214を実行する。
ステップs214では、第2特定部620は、計測歩数が、ステップs203を実行してから所定数増加したか否かを判定する。この所定数は数歩程度に設定される。ステップs214は、計測歩数が、ステップs203を実行してから所定数増加したと判定されるまで繰り返し実行される。第2特定部620は、ステップs214において、計測歩数が、ステップs203を実行してから所定数増加したと判定すると、ステップs205において、最新の捕捉衛星数を記録する。つまり、第2特定部620は、ステップs203を実行してから数歩程度計測歩数が増加したタイミングでの捕捉衛星数を記録する。ユーザ209が階段を上り始めてから数歩程度進むだけでは、ユーザ209が階段を上りきることはあまりないことから、ステップs205では、ユーザ209が階段を上っている間の捕捉衛星数が記録されるといえる。ステップs205の後、第2特定部620は同様に動作する。
以上のように、第2特定部620は、電子機器210の高さに応じて変化する情報と、受信部340の受信状況を示す受信状況情報とに基づいて、ユーザ209が歩道橋にいることを特定するため、ユーザ209が歩道橋にいることをより正しく特定することができる。以下にこの点について説明する。
ユーザ209が歩道橋800の階段を上る場合、電子機器210の位置の高さが増加する。したがって、電子機器210は、気圧などの、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報を用いて、ユーザ209が歩道橋にいることをある程度の精度で特定することは可能である。
しかしながら、ユーザ209が歩道橋800の階段を上る場合だけではなく、図22に示されるように、地下と地上とを結ぶ階段900を、ユーザ209が地下から地上に向かって移動する場合にも、電子機器210の位置の高さは増加する。したがって、電子機器210が、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報を用いて、ユーザ209が歩道橋にいることを特定する場合には、電子機器210は、地下と地上とを結ぶ階段900を上るユーザ209を、歩道橋にいるユーザ209として誤って判断する可能性がある。よって、電子機器210の高さに応じて変化する情報を用いるだけでは、ユーザ209が歩道橋800にいることを正しく特定することができない可能がある。同様に、地下と地上とを結ぶスロープをユーザ209が上る場合であっても、電子機器210の位置の高さが増加することから、電子機器210の高さに応じて変化する情報を用いるだけでは、ユーザ209が歩道橋800にいることを正しく特定することができない可能がある。なお図22には、車道207の下側を通る地下道1000と地上とを結ぶ階段900が示されている。
一方で、電子機器210が地下に存在する場合には、受信部340の受信状況が悪い可能性が高く、電子機器210が地上に存在する場合には、受信部340の受信状況が良い可能性が高い。したがって、ユーザ209が地下と地上とを結ぶ階段900あるいはスロープを上る間に、受信部340の受信状況が向上する可能性が高い。よって、ステップs207で求められる絶対値が大きくなる可能性が高い。これに対して、歩道橋800は地上にあることから、ユーザ209が歩道橋800の階段を上る場合には、受信部340の受信状況が変化しない可能性が高い。つまり、ユーザ209が歩道橋800の階段を上る場合には、受信部340の受信状況が安定している可能性が高い。よって、ステップs207で求められる絶対値が小さくなる可能性が高い。
このように、ユーザ209が、歩道橋800の階段を上る場合と、地下と地上とを結ぶ階段900あるいはスロープを上る場合とでは、受信部340の受信状況が異なる。したがって、本例のように、第2特定部620が、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報だけではなく、受信部340の受信状況を示す受信状況情報にも基づいて、ユーザ209が歩道橋にいることを特定することによって、ユーザ209が歩道橋にいることをより正しく特定することができる。例えば、上述のように、電子機器210の位置の高さが増加したときに求められるステップs207の絶対値が、第3しきい値よりも小さい場合にユーザ209が歩道橋にいると判断し、第3しきい値よりも大きい場合にユーザ209が歩道橋にいないと判断することによって、ユーザ209が歩道橋にいることをより正しく特定することができる。よって、電子機器210はユーザの状態を適切に特定することができる。
また、ユーザ209が地上へと続く階段900を上っている間は、ユーザ209は完全に地上に出ているわけではないことから、受信部340の受信状況があまり良くならない可能性がある。このため、上述の図21の例のように、ステップs205において、ユーザ209が階段を上っている間に取得された捕捉衛星数が記録され、ステップs206において、ユーザ209が階段を上っている間の異なるタイミングで取得された2つの捕捉衛星数の差分の絶対値が求められる場合には、ユーザ209が地上へと続く階段900を上っているにもかかわらず、衛星数差分絶対値が小さくなる可能性がある。その結果、ユーザ209が地上へと続く階段900を上っているにもかかわらず、ユーザ209が歩道橋にいると判断される可能性がある。
これに対して、ユーザ209が地上へと続く階段900を上りきった後では、ユーザ209は地上に存在することから、受信部340の受信状況が良好である可能性が高い。したがって、図20の例のように、ステップs205において、ユーザ209が階段を上りきった後の捕捉衛星数が記録され、ステップs206において、ユーザ209が階段を上っている間に取得された捕捉衛星数と、ユーザ209が階段を上りきった後に取得された捕捉衛星数との差分の絶対値が求められる場合には、ユーザ209が地上へと続く階段900を上るときには衛星数差分絶対値が大きくなる可能性が高くなる。その結果、ユーザ209が地上へと続く階段900を上る場合には、ユーザ209が歩道橋にいないことをより正しく特定することができる。
また、ユーザ209が地上へと続く階段900を上りきったとき、その階段900の出入り口の上方に庇が存在する場合がある。この庇のために、ユーザ209が階段900を上りきったとき、受信部340の受信状況が悪い可能性がある。そのため、ユーザ209が階段900を上りきったのにもかかわらず、ステップs206で求められる絶対値が大きくならない可能性がある。その結果、ユーザ209が階段900を上っているにもかかわらず、ユーザ209が歩道橋にいると判断される可能性がある。
そこで、第2特定部620は、ステップs205において、気圧が安定している状態でユーザ209が複数歩移動したときの捕捉衛星数を記憶部303に記録してもよい。言い換えれば、第2特定部620は、ステップs205において、ユーザ209が階段を上りきった後に複数歩移動したときの捕捉衛星数を記憶部303に記録してもよい。この場合、図23に示されるように、第2特定部620は、例えば、ステップs204において気圧が安定したと判定した後、ステップs221において、気圧が安定している状態でユーザ209が複数歩(例えば5歩)移動したと判断すると、ステップs205において、受信部340で取得された最新の捕捉衛星数を記録する。以後、第2特定部620は同様に動作する。第2特定部620は、ユーザ209が複数歩移動したことを、計測歩数に基づいて特定することができる。ユーザ209が、地上へと続く階段900を上りきった後に複数歩移動すれば、ユーザ209の上方には、階段900の出入り口に設けられた庇が存在しない可能性が高く、当該庇によって受信部340の受信状況が悪化する可能性は低い。したがって、ステップs205において、気圧が安定している状態でユーザ209が複数歩移動したときの捕捉衛星数が記録されることによって、ユーザ209が地上へ続く階段900を上る場合に、ユーザ209が歩道橋にいると判断される可能性を低減することができる。
また、本例とは異なり、ステップs203が実行されるタイミングで受信部340の動作が開始する場合には、ステップs203において、第2特定部620は、第1捕捉衛星数をすぐに記録することができない可能性がある。このため、第2特定部620は、ステップs203において、ユーザ209が階段を上りきった後に取得された第1捕捉衛星数を記録する可能性がある。この場合には、ユーザ209が歩道橋にいることを正しく特定できない可能性がある。
これに対して、本例のように、ユーザ209が移動を開始すると、受信部340が動作を開始する場合には、ステップs203において、第2特定部620はすぐに第1捕捉衛星数を記録することができる。したがって、第2特定部620は、ユーザ209が階段を上っている間に取得された第1捕捉衛星数を用いて衛星数差分絶対値を求めることができる。よって、第2特定部620は、ユーザ209が歩道橋にいることをより正しく特定できることができる。
<各種変形例>
以下に電子機器210の各種変形例について説明する。
<第1変形例>
第2特定部620は、電子機器210が所定領域に位置すると判断したときに、ユーザ209が歩道橋800にいることを特定してもよい。言い換えれば、第2特定部620は、ユーザ209が所定領域に位置すると判断したときに歩道橋特定を行ってもよい。
所定領域としては、例えば、道路の近傍が採用される。道路は、歩道及び車道を含む概念である。第2特定部620は、例えば、記憶部303内の地図情報と、受信部340で取得される位置情報とに基づいて、電子機器210が道路の近傍に位置することを特定することができる。また、所定領域として、交差点202の近傍が採用されてもよい。第2特定部620は、例えば、記憶部303内の地図情報と、受信部340で取得される位置情報とに基づいて、電子機器210が交差点202の近傍に位置することを特定することができる。また、第2特定部620は、無線通信部310が交差点202に設けられた路側機205からの信号を受信したときに、電子機器210が交差点202の近傍に位置すると判断してもよい。
本変形例では、図24に示されるように、第2特定部620は、例えば、特定処理を実行する前に、電子機器210が所定領域に位置するか否かを判定する(ステップs231)。そして、第2特定部620は、電子機器210が所定領域に位置すると判断すると、特定処理を実行する(ステップs232)。これにより、電子機器210が所定領域に位置する場合には歩道橋特定が行われる。
ステップs231は、ユーザ209が所定領域に位置すると判断されるまで繰り返し実行される。これにより、ユーザ209が所定領域に位置しないと判断されると、特定処理は実行されない。つまり、電子機器210が所定領域に位置しない場合には歩道橋特定は行われない。
このように、本変形例では、第2特定部620は、電子機器210が所定領域に位置すると判断したときに歩道橋特定を行うため、必要なときに、ユーザ209が歩道橋にいることを特定することができる。
なお、第2特定部620は、特定処理の中で、ユーザ209が所定領域に位置するか否かを判断してもよい。この場合、第2特定部620は、ステップs207を実行する前に、ユーザ209が所定領域に位置するか否かを判断する。第2特定部620は、特定処理において、ユーザ209が所定領域に位置すると判断すると、特定処理でのそれ以降の処理を実行する。これより、電子機器210が所定領域に位置する場合には歩道橋特定が行われる。一方で、第2特定部620は、ユーザ209が所定領域にしないと判断すると、ステップs207を実行せずに、特定処理を終了する。これにより、電子機器210が所定領域に位置しない場合には歩道橋特定が行われない。
<第2変形例>
受信部340の受信状況が不安定のときには、ユーザ209が同じ場所にいる場合であっても、捕捉衛星数あるいはC/N値がばらつく可能性がある。その結果、ユーザ209が歩道橋にいることを適切に特定できない可能性がある。
そこで、第2特定部620は、受信状況情報に基づいて、歩道橋特定を行うか否かを決定してもよい。第2特定部620は、例えば、受信状況情報に基づいて、受信部340の受信状況が不安定であるか否かを判断する。そして、第2特定部620は、受信部340の受信状況が不安定であると判断したとき、歩道橋特定を行わないことを決定する。一方で、第2特定部620は、受信部340の受信状況が不安定ではないと判断したとき、歩道橋特定を行うことを決定する。
例えば、図25に示されるように、第2特定部620は、特定処理を開始する前に、受信部340の受信状況が不安定か否かを判定する(ステップs241)。第2特定部620は、例えば、受信部340で求められる捕捉衛星数あるいはC/N値のばらつきの度合いを示す値を求める。そして、第2特定部620は、求めた値が、第5しきい値よりも大きければ、受信部340の受信状況が不安定であると判断する。一方で、第2特定部620は、求めた値が、第5しきい値以下であれば、受信部340の受信状況が不安定ではないと判断する。捕捉衛星数のばらつきの度合いを示す値としては、例えば標準偏差が採用される。
第2特定部620は、受信部340の受信状況が不安定であると判断すると、ステップs242において、歩道橋特定を行わないことを決定する(ステップs242)。これにより、特定処理は実行されない。一方で、第2特定部620は、受信部340の受信状況が不安定ではないと判断すると、歩道橋特定を実行することを決定し(ステップs243)、特定処理を実行する(ステップs244)。
また、ユーザ209が都市部のビル街に存在するなどして、ユーザ209が階段を上りきった後の受信部340の受信状況が悪い場合には、ユーザ209が地上へと続く階段900を上っているにもかかわらず、ステップs206で求められる絶対値が小さい可能性がある。その結果、特定処理において、ユーザ209が歩道橋にいることを適切に特定できない可能性がある。
そこで、第2特定部620は、ステップs204で気圧が安定したと判定したときの受信状況情報に基づいて、歩道橋特定を行うか否かを決定してもよい。
例えば、図26に示されるように、第2特定部620は、ステップs204で気圧が安定したと判定したとき、ステップs251において、受信部340で取得される最新の捕捉衛星数が第6しきい値以下であるか否かを判定する。第6しきい値は、例えば1〜3に設定される。第2特定部620は、捕捉衛星数が第6しきい値以下である場合、つまり、受信部340の受信状況が悪い場合、ステップs252において、歩道橋特定を行わないことを決定する。そして、第2特定部620は、ステップs210を実行して特定処理を終了する。これにより、第2特定部620は、気圧が安定している場合の捕捉衛星数が第6しきい値以下であるときには、ユーザ209が歩道橋にいると判断しない。
一方で、第2特定部620は、捕捉衛星数が第6しきい値よりも大きい場合、ステップs253において、歩道橋特定を行うことを決定する。そして、第2特定部620は、ステップs205を実行して、以後同様に動作する。
このように、第2特定部620が、ユーザ209が歩道橋800にいることを特定するか否かを、受信状況情報に基づいて決定することによって、ユーザ209が歩道橋にいると誤って判断される可能性を低減することができる。
また、気圧が安定している場合の捕捉衛星数が第6しきい値よりも小さいときに、言い換えれば、ユーザ209が階段を上りきった後に受信部340の受信状況が悪いときに、ユーザ209が歩道橋にいると第2特定部620が判断しないことにより、ユーザ209が歩道橋にいると誤って判断される可能性を低減することができる。
<第3変形例>
上述のように、受信部340の受信状況が不安定のときには、ユーザ209が歩道橋にいることを適切に特定できない可能性がある。したがって、受信部340の受信状況が不安定のときには、歩道橋特定の信頼性が低いと言える。一方で、受信部340の受信状況が安定しているときには、捕捉衛星数あるいはC/N値がばらつく可能性は低いことから、ユーザ209が歩道橋にいることをより正しく特定することができる。したがって、受信部340の受信状況が安定しているときには、歩道橋特定の信頼性が高いと言える。
そこで、第2特定部620は、受信状況情報に基づいて、歩道橋特定の信頼性を判断してもよい。本変形例では、例えば、第2特定部620は、上述のように、受信部340で求められる捕捉衛星数あるいはC/N値のばらつきの度合いを示す値を求める。そして、第2特定部620は、求めた値に基づいて信頼性を判断する。第2特定部620は、例えば、求めた値が、第7しきい値以下であれば歩道橋特定の信頼性が高いと判断し、第7しきい値よりも大きければ歩道橋特定の信頼性が低いと判断する。また、第2特定部620は、求めた値が、第8しきい値よりも小さければ歩道橋特定の信頼性が高いと判断し、第8しきい値よりも大きく第9しきい値(>第8しきい値)よりも小さければ歩道橋特定の信頼性が中程度であると判断し、第9しきい値よりも大きければ歩道橋特定の信頼性が低いと判断してもよい。この場合、第2特定部620は、求めた値が第8しきい値と同じであるときには、歩道橋特定の信頼性が高いと判断してもよいし、中程度であると判断してもよい。また第2特定部620は、求めた値が第9しきい値と同じであるときには、歩道橋特定の信頼性が中程度あると判断してもよいし、低いと判断してもよい。
第2特定部620は、特定処理を実行する直前にその特定処理での歩道橋特定の信頼性を判断してもよい。また第2特定部620は、特定処理の実行中にその特定処理での歩道橋特定の信頼性を判断してもよい。また第2特定部620は、特定処理の実行直後にその特定処理での歩道橋特定の信頼性を判断してもよい。
また上述のように、ユーザ209がビル街等に存在する場合、ユーザ209が階段を上りきった後の受信部340の受信状況が悪い場合がある。この場合には、ユーザ209が歩道橋にいるにもかかわらず、ステップs206で求められる絶対値が小さい可能性がある。その結果、ユーザ209が歩道橋にいることを適切に特定できない可能性がある。
そこで、第2特定部620は、ステップs204で気圧が安定したと判定したときの受信状況情報に基づいて歩道橋特定の信頼性を判断してもよい。例えば、第2特定部620は、ステップs204で気圧が安定したと判定したとき、受信部340で取得される最新の捕捉衛星数が、第10しきい値以上であれば信頼性が高いと判断し、第10しきい値よりも小さければ信頼性が低いと判断する。第10しきい値は、例えば6に設定される。捕捉衛星数の代わりにC/Nが使用される場合には、第10しきい値は、例えば25に設定される。
また、第2特定部620は、捕捉衛星数が、第11しきい値よりも大きければ歩道橋特定の信頼性が高いと判断し、第12しきい値(<第11しきい値)よりも大きく第11しきい値よりも小さい場合には信頼性が中程度であると判断し、第12しきい値よりも小さければ信頼性が低いと判断してもよい。この場合、第2特定部620は、捕捉衛星数が第11しきい値と同じであるときには、信頼性が高いと判断してもよいし、中程度であると判断してもよい。また第2特定部620は、捕捉衛星数が第12しきい値と同じであるときには、信頼性が中程度あると判断してもよいし、低いと判断してもよい。第11しきい値は例えば7に設定され、第12しきい値は例えば4に設定される。捕捉衛星数の代わりにC/Nが使用される場合には、第11しきい値は例えば30に設定され、第12しきい値は例えば20に設定される。
第2特定部620が判断した信頼性は、電子機器210の外部に通知されてもよい。例えば、通知決定部700が、特定処理の結果に基づいて、電子機器210の外部に電子機器210が所定の情報を通知すると決定したときに、当該所定の情報とともに、第2特定部620が判断した信頼性が外部に通知されてよい。この場合、例えば、通知決定部700が、ユーザ209が歩道橋にいると電子機器210が判断したことを外部に電子機器210が通知すると決定した場合に、無線通信部310は、例えば路側機205に対して、特定処理においてユーザ209が歩道橋にいると電子機器210が判断したことと、その特定処理での歩道橋特定の信頼性とを通知してもよい。
<第4変形例>
図27に示されるように、第2特定部620は、ステップs204において気圧が安定したと判定した後、ステップs261を実行してもよい。ステップs261では、第2特定部620は、ステップs202において気圧が減少したと判定されてから、ステップs204において気圧が安定したと判定されるまでの、電子機器210の位置の高さの増加量が、所定範囲内にあるか否かを判定する。この所定範囲は、通常の歩道橋の高さの範囲を示す。したがって、ステップs261では、第2特定部620は、気圧が減少したと判定してから、気圧が安定したと判定するまでの、電子機器210の位置の高さの増加量が、歩道橋の高さに相当するか否かを判定すると言える。言い換えれば、第2特定部620は、ユーザ209が階段を上り始めてから当該階段を上りきった後までの、電子機器210の位置の高さの増加量が、歩道橋の高さに相当するか否かを判定する。所定範囲は、例えば、5〜10mの範囲に設定される。
本変形例では、第2特定部620は、ステップs203において、捕捉衛星数を記録するとともに、気圧センサ410で検出される気圧に基づいて、電子機器210の位置の高さを求める。この高さを「第1の高さ」と呼ぶ。またステップs261において、第2特定部620は、気圧センサ410で検出される気圧に基づいて、電子機器210の位置の高さを求める。この高さを「第2の高さ」と呼ぶ。第2特定部620は、ステップs261において、第2の高さから第1の高さを差し引いた値が所定範囲内にあるか否かを判定する。第2の高さから第1の高さを差し引いた値は、気圧が減少したと判定されてから、気圧が安定したと判定されるまでの、電子機器210の位置の高さの増加量であると言える。
第2特定部620は、ステップs261において、求めた増加量が所定範囲内にあると判断すると、ステップs205を実行して、以下同様に動作する。一方で、第2特定部620は、ステップs261において、増加量が所定範囲内にないと判定すると、ステップs209を実行して、ユーザ209が歩道橋にいないと判断する。
なお第2特定部620は、ステップs261において、増加量が所定範囲内にないと判定すると、何も判断せずに、ステップs210を実行してもよい。また、ステップs261は、ステップs204とステップs208の間のどのタイミングで実行されてもよい。
このように、本変形例では、第2特定部620は、気圧が減少したと判定されてから、気圧が安定したと判定されるまでの、電子機器210の位置の高さの増加量が所定範囲内に存在しないときに、ユーザ209が歩道橋にいると判断しない。言い換えれば、第2特定部620は、ユーザ209が階段を上り始めてから当該階段を上りきった後までの、電子機器210の位置の高さの増加量が所定範囲内に存在しないときに、ユーザ209が歩道橋にいると判断しない。これにより、ユーザ209が上った高さが明らかに歩道橋の高さでない場合に、ユーザ209が歩道橋にいると判断される可能性を低減することができる。よって、ユーザ209が歩道橋にいると誤って判断される可能性を低減することができる。
<第5変形例>
図28に示されるように、第2特定部620は、ステップs204において気圧が安定したと判定した後、ステップs262を実行してもよい。ステップs262では、第2特定部620は、受信部340が電子機器210の位置情報を取得できるか否かを判定する。ステップs262では、第2特定部620は、気圧が安定しているときに、受信部340が電子機器210の位置情報を取得できるか否かを判定すると言える。
第2特定部620は、ステップs262において、電子機器210の位置情報を受信部340が取得できると判断すると、ステップs205を実行して、以下同様に動作する。一方で、第2特定部620は、ステップs262において、電子機器210の位置情報を受信部340が取得できないと判断すると、ステップs209を実行して、ユーザ209が歩道橋にいないと判断する。
なお第2特定部620は、ステップs262において、電子機器210の位置情報を受信部340が取得できないと判断すると、何も判断せずに、ステップs210を実行してもよい。また、ステップs262は、ステップs204とステップs208の間のどのタイミングで実行されてもよい。
ここで、GPS受信機等の受信装置では、捕捉衛星数が3個以上なければ、位置情報を取得することができない。したがって、受信部340が位置情報を取得できない場合には、その受信状況が悪いと言える。よって、ユーザ209が階段を上りきった後に、受信部340が位置情報を取得できない場合には、ユーザ209が歩道橋にいることを適切に特定できない可能性がある。
本変形例のように、気圧が安定している場合に、電子機器210の位置情報を受信部340が取得できないときに、ユーザ209が歩道橋にいると判断しないことによって、ユーザ209が歩道橋にいると誤って判断される可能性を低減することができる。
<第6変形例>
ユーザ209が階段を上り始めたときの捕捉衛星数が大きい場合には、ユーザ209が歩道橋800にいる可能性が高い。言い換えれば、ユーザ209が階段を上り始めたときの受信部340の受信状況が良い場合には、ユーザ209が歩道橋800にいる可能性が高い。
そこで、第2特定部620は、ステップs202で気圧が減少したと判定されたときの捕捉衛星数が大きい場合には、衛星数差分絶対値にかかわらず、ユーザ209が歩道橋800にいると判断してもよい。この場合、第2特定部620は、図29に示されるように、ステップs202において気圧が減少したと判定すると、ステップs265において、最新の捕捉衛星数が第13しきい値よりも大きいか否かを判定する。第13しきい値は、例えば4〜6に設定される。第2特定部620は、ステップs265において、捕捉衛星数が第13しきい値よりも大きいと判定すると、ステップs208を実行して、ユーザ209が歩道橋800にいると判断する。一方で、第2特定部620は、ステップs265において、捕捉衛星数が第13しきい値以下であると判定すると、ステップs203を実行して、ステップs265で使用した捕捉衛星数を記憶部303に記録する。以後、第2特定部620は同様に動作する。
このように、第2特定部620が、気圧が小さくなったタイミングでの捕捉衛星数が大きいときに、衛星数差分絶対値にかかわらず、ユーザ209が歩道橋800にいると判断することにより、特定処理を簡素化することができる。言い換えれば、第2特定部620が、ユーザ209が階段を上り始めるときの受信部340の受信状況が良い場合に、衛星数差分絶対値にかかわらず、ユーザ209が歩道橋800にいると判断することにより、特定処理を簡素化することができる。
<第7変形例>
ユーザ209が階段を上りきった後の受信部340の受信状況が悪い場合には、ユーザ209が地上へと続く階段900を上るときに、ステップs206で求められる絶対値があまり大きくならない可能性がある。一方で、ユーザ209が階段を上りきった後の受信部340の受信状況が良い場合には、ユーザ209が地上へと続く階段900を上るときに、ステップs206で求められる絶対値が大きくなる可能性が高い。
そこで、第2特定部620は、ユーザ209が階段を上りきった後の受信部340の受信状況に基づいて、歩道橋特定で用いられる第3しきい値を調整してもよい。例えば、第2特定部620は、ステップs205で記録する捕捉衛星数が第14しきい値以上の場合には、つまり受信部340の受信状況が良い場合には、第3しきい値を“3”に設定する。一方で、第2特定部620は、ステップs205で記録する捕捉衛星数が第14しきい値より小さい場合には、つまり受信部340の受信状況が悪い場合には、第3しきい値を“2”に設定する。第14しきい値は、例えば4〜6に設定される。
このように、第2特定部620が受信状況情報に基づいて第3しきい値を調整することによって、ユーザ209が歩道橋800にいることをより正しく特定することができる。
<第8変形例>
第2特定部620は、特定処理において、受信状況情報と、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報とに基づいて、ユーザ209の地下から地上への移動を特定する状態特定を行ってもよい。図30はこの場合の特定処理の一例を示すフローチャートである。以後、ユーザ209の地下から地上への移動を特定する状態特定を「地上への移動特定」と呼ぶことがある。
図30に示されるように、上述のステップs207において、衛星数差分絶対値が第3しきい値以上であると判定されると、ステップs271において、第2特定部620は、ステップs205で記憶した第2捕捉衛星数が、ステップs203で記憶した第1捕捉衛星数よりも大きいか否かを判定する。第2特定部620は、第2捕捉衛星数が第1捕捉衛星数よりも大きいと判定すると、ステップs272において、ユーザ209が地下から地上へと移動すると判断する。第2捕捉衛星数が第1捕捉衛星数よりも大きいと第2特定部620が判定することは、受信部340の受信状況が向上すると第2特定部620が判断することとも言える。したがって、第2特定部620は、気圧が減少し(ステップs202でYES)、かつ受信部340の受信状況が向上すると判断したとき(ステップs271でYES)、ユーザ209が地下から地上へと移動すると判断すると言える。言い換えれば、第2特定部620は、ユーザ209が階段を上るときに受信部340の受信状況が向上すると判断したとき、ユーザ209が地下から地上へと移動すると判断すると言える。ユーザ209が地下から地上へ移動する場合には、気圧が減少し、かつ受信部340の受信状況が向上する可能性が高い。したがって、気圧が減少し、かつ受信部340の受信状況が向上する場合には、ユーザ209が地下から地上へと移動すると判断することができる。
第2特定部620は、ユーザ209が地下から地上へと移動すると判断すると、ステップs210を実行して特定処理を終了する。
一方で、第2特定部620は、ステップs271において、第2捕捉衛星数が第1捕捉衛星数以下であると判定すると、言い換えれば、受信部340の受信状況が向上していないと判断すると、何も判断せずにステップs210を実行して特定処理を終了する。
このように、第2特定部620が、受信状況情報と、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報とに基づいて、ユーザ209の地下から地上への移動を特定することによって、ユーザ209の地下から地上への移動を適切に特定することができる。
なお、第2特定部620は、特定処理において、歩道橋特定を行わずに、地上への移動特定を行ってもよい。この場合には、例えば、ステップs207において、衛星数差分絶対値が第3しきい値よりも小さいと判定されると、ステップs208が実行されずに、ステップs210が実行されて特定処理が終了する。
また、第1変形例と同様に、第2特定部620は、電子機器210が所定領域に位置すると判断したときに、地上への移動特定を行ってもよい。この場合には、例えば、第2特定部620は、上述の図24に示されるように、電子機器210が所定領域に位置すると判断したときに特定処理を行ってもよい。
また、受信部340の受信状況が不安定の場合には、ユーザ209が地下から地上へと移動するときであっても、ステップs207において衛星数差分絶対値が第3しきい値よりも小さいと判定されたり、ステップs271において第2捕捉衛星数が第1捕捉捕捉衛星数以下であると判定されたりする可能性がある。したがって、第2変形例と同様に、第2特定部620は、受信状況情報に基づいて、地上への移動特定を行うか否かを決定してもよい。この場合には、例えば、第2特定部620は、上述の図25に示されるように、特定処理を開始する前に、受信状況情報に基づいて、地上への移動特定を行うか否かを決定してもよい。また、第2特定部620は、上述の図26に示されるように、特定処理の中で、受信状況情報に基づいて地上への移動特定を行うか否かを決定してもよい。
また、第3変形例と同様に、第2特定部620は、受信状況情報に基づいて、地上への移動特定の信頼性を判断してもよい。第2特定部620は、歩道橋特定の信頼性を判断するときと同様にして、地上への移動特定の信頼性を判断することができる。
<第9変形例>
第2特定部620は、特定処理において、受信状況情報と、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報とに基づいて、ユーザ209が歩道橋800から降りることを特定する状態特定を行ってもよい。図31はこの場合の特定処理の一例を示すフローチャートである。以後、ユーザ209が歩道橋800から降りることを特定する状態特定を「降状態特定」と呼ぶことがある。
図31に示されるように、ステップs201の後、ステップs202が実行される。ステップs202において、第2特定部620は、気圧が減少したと判定すると、ステップs203を実行して、以後同様に動作する。
一方で、第2特定部620は、気圧が減少していないと判定すると、ステップs281において、気圧が増加したか否かを判定する。電子機器210の位置の高さが減少すると、気圧が増加することから、第2特定部620は、電子機器210の位置の高さが減少したか否かを判定すると言える。
ステップs281において、第2特定部620は、ステップs202で求めた気圧変化量がプラスを示し、かつ当該気圧変化量の絶対値が第15しきい値以上であるとき、気圧が増加したと判定する。一方で、第2特定部620は、ステップs202で求めた気圧変化量がプラスでないとき、気圧が増加していないと判定する。さらに、第2特定部620は、ステップs202で求めた気圧変化量の絶対値が第15しきい値よりも小さいとき、気圧が増加していないと判定する。第15しきい値は、例えば、ユーザ209が歩道橋800の階段をN段下がる間の一般的な気圧の増加量よりも少し小さい値に設定される。第15しきい値は、例えば第1しきい値と同じに設定される。
ステップs281において、第2特定部620は、気圧が増加していないと判定すると、ステップs202を再度実行して、以後、同様に動作する。
一方で、ステップs281において、第2特定部620は、気圧が増加したと判定すると、言い換えれば、ユーザ209が階段を下り始めたと判断すると、ステップs282おいて、受信部340から出力される最新の捕捉衛星数を記憶部303に記録する。ステップs282では、ステップs203と同様に、第2特定部620は、まず、受信部340の間欠動作を解除して、受信部340を測位モードで継続して動作させる。そして、第2特定部620は、受信部340から出力される最新の捕捉衛星数を記憶部303に記録する。
ステップs282の後、ステップs283において、第2特定部620は、ステップs204と同様にして、気圧が安定したか否かを判定する。ユーザ209が階段を下りきった後は、気圧が安定することから、ステップs283では、第2特定部620は、ユーザ209が階段を下りきったか否かを判定すると言える。
ステップs283において、気圧が安定したと判定されると、ステップs284において、第2特定部620は、受信部340から出力される最新の捕捉衛星数を記憶部303に記録する。言い換えれば、ステップs283において、ユーザ209が階段を下りきったと判定されると、ステップs284において、第2特定部620は、受信部340から出力される最新の捕捉衛星数を記憶部303に記録する。
次にステップs285において、第2特定部620は、ステップs282で記録した捕捉衛星数と、ステップs284で記録した捕捉衛星数との差分の絶対値を求める。そして、ステップs286において、第2特定部620は、ステップs285で求めた絶対値が第16しきい値よりも小さいか否かを判定する。第16しきい値は、1以上の整数であって、例えば2に設定される。
以後、ステップs285で求められる絶対値を「第2衛星数差分絶対値」と呼ぶことがある。また、第2衛星数差分絶対値を求める際に使用される2つの捕捉衛星数のうち、先に取得される捕捉衛星数を「第3捕捉衛星数」と呼び、後に取得される捕捉衛星数を「第4捕捉衛星数」と呼ぶことがある。ステップs282では第3捕捉衛星数が記録され、ステップs284では第4捕捉衛星数が記録されると言える。
ステップs286において、第2特定部620は、第2衛星数差分絶対値が第16しきい値よりも小さいと判定すると、ステップs287において、ユーザ209が歩道橋800から降りると判断する。言い換えれば、第2特定部620は、気圧が大きくなったタイミングでの捕捉衛星数と、その後の気圧が安定したタイミングでの捕捉衛星数との間に差がほとんどなければ、ユーザ209が歩道橋800から降りると判断する。さらに言い換えれば、第2特定部620は、ユーザ209が階段を下り始めたタイミングでの捕捉衛星数と、ユーザ209が階段を下りきった後のタイミングでの捕捉衛星数との間に差がほとんどなければ、ユーザ209が歩道橋800から降りると判断する。さらに言い換えれば、第2特定部620は、気圧に基づいて特定する、電子機器210の位置の高さが減少したタイミングでの捕捉衛星数と、気圧に基づいて特定する、電子機器210の位置の高さが安定したタイミングでの捕捉衛星数との間に差がほとんどなければ、ユーザ209が歩道橋800から降りると判断する。
ここで、ステップs281において、気圧が増加したと判断されることは、電子機器210の位置の高さが減少したと判断されることと見ることができる。また、第2衛星数差分絶対値が第15しきい値よりも小さいことは、受信部340の受信状況が安定していることを意味している。したがって、第2特定部620は、気圧及び捕捉衛星数に基づいて、電子機器210の位置の高さが減少し、受信部340の受信状況が安定すると判断する場合、ユーザ209が歩道橋800から降りると判断すると言える。
一方で、ステップs286において、第2特定部620は、第2衛星数差分絶対値が第16しきい値以上であると判定すると、何も判断せずにステップs288を実行する。ステップs288では、ステップs210と同様に、第2特定部620は、気圧センサ410で検出される気圧の取得を終了し、受信部340を間欠動作させる。ステップs288が実行されると、特定処理が終了する。
第2特定部620が図31に示される特定処理を行うと、通知決定部700は、当該特定処理の結果に基づいて、電子機器210の外部に電子機器210が通知するか否かを決定する。例えば、通知決定部700は、特定処理においてユーザ209が歩道橋から降りると判断すると、電子機器210の外部に対して、ユーザ209が車道に出る可能性が高いことを電子機器210が通知することを決定する。この場合、無線通信部310は、例えば路側機205に対して、ユーザ209が車道に出る可能性が高いことを通知する。なお、通知決定部700の動作は、この例に限られない。
なお上記の例では、第4捕捉衛星数として、ユーザ209が階段を下りきった後のタイミングでの捕捉衛星数が採用されたが、ユーザ209が階段を下りている間の捕捉衛星数が採用されてもよい。この場合には、例えば、第2特定部620は、ステップs283を実行せずに、計測歩数が、ステップs282の実行から所定数増加したときの最新の捕捉衛星数を、第4捕捉衛星数としてステップs284において記録する。ユーザ209が階段を下り始めてから数歩程度進むだけでは、ユーザ209が階段を下りきることはあまりないことから、ステップs284では、ユーザ209が階段を下りている間の捕捉衛星数が記録される。これにより、ステップs285では、ユーザ209が階段を下りている間の異なるタイミングで取得された2つの捕捉衛星数の差分の絶対値が求められる。以後、第2特定部620は同様に動作する。
以上のように、本変形例では、第2特定部620は、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報と受信状況情報とに基づいて、ユーザ209が歩道橋から降りることを特定する。言い換えれば、第2特定部620は、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報と受信状況情報とに基づいて、ユーザ209が歩道橋の階段を下りることを特定する。
ここで、ユーザ209が歩道橋800の階段を下りる場合、電子機器210の位置の高さが減少する。したがって、電子機器210は、気圧などの、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報を用いて、ユーザ209が歩道橋から降りることをある程度の精度で特定することは可能である。
しかしながら、ユーザ209が歩道橋800の階段を下りる場合だけではなく、地下と地上とを結ぶ階段900を、ユーザ209が地上から地下に向かって移動する場合にも、電子機器210の位置の高さは減少する。したがって、電子機器210が、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報を用いて、ユーザ209が歩道橋から降りることを特定する場合には、電子機器210は、地下へと続く階段900を下りるユーザ209を、歩道橋800から降りるユーザ209として誤って特定する可能性がある。よって、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報を用いるだけでは、ユーザ209が歩道橋800から降りることを正しく特定することができない可能がある。同様に、地下と地上とを結ぶスロープをユーザ209が下る場合であっても、電子機器210の位置の高さが減少することから、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報を用いるだけでは、ユーザ209が歩道橋800から降りることを正しく特定することができない可能がある。
一方で、受信部340の受信状況は、ユーザ209が地下と地上とを結ぶ階段900あるいはスロープを下る間に劣化する可能性が高い。よって、ユーザ209が地下と地上とを結ぶ階段900あるいはスロープを下るときには、ステップs285で求められる絶対値が大きくなる可能性が高い。これに対して、ユーザ209が歩道橋800の階段を下りる場合には、受信部340の受信状況が変化しない可能性が高い。つまり、ユーザ209が歩道橋800の階段を下りる場合には、受信部340の受信状況が安定している可能性が高い。よって、ユーザ209が歩道橋800の階段を下りるときには、ステップs285で求められる絶対値が小さくなる可能性が高い。
このように、ユーザ209が、歩道橋800の階段を下りる場合と、地下と地上とを結ぶ階段900あるいはスロープを下りる場合とでは、気圧だけではなく、受信部340の受信状況が異なる。したがって、本変形例のように、第2特定部620が、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報だけではなく、受信部340の受信状況を示す受信状況情報にも基づいて、ユーザ209が歩道橋から降りることを特定することによって、ユーザ209が歩道橋から降りることをより正しく特定することができる。
なお、第2特定部620は、特定処理において、歩道橋特定を行わずに、降状態特定を行ってもよい。この場合には、例えば、ステップs201の後、ステップs202が実行されずステップs281が実行される。そして、ステップs281は、気圧が増加したと判断されるまで繰り返し実行される。また第2特定部620は、特定処理において、地上への移動特定及び降状態特定を行ってもよい。
また、第1変形例と同様に、第2特定部620は、電子機器210が所定領域に位置すると判断したときに、降状態特定を行ってもよい。この場合には、例えば、第2特定部620は、上述の図24に示されるように、電子機器210が所定領域に位置すると判断したときに特定処理を行ってもよい。
また、受信部340の受信状況が不安定の場合には、ユーザ209が歩道橋800から降りるときであっても、ステップs285で求められる絶対値が第16しきい値以上となる可能性がある。したがって、第2変形例と同様に、第2特定部620は、受信状況情報に基づいて、降状態特定を行うか否かを決定してもよい。
第2特定部620は、受信状況情報に基づいて、降状態特定を行うか否かを決定する場合には、例えば、上述の図25に示されるように、特定処理を開始する前に、受信状況情報に基づいて、降状態特定を行うか否かを決定してもよい。
また、第2特定部620は、特定処理の中で、受信状況情報に基づいて降状態特定を行うか否かを決定してもよい。この場合、第2特定部620は、ステップs281において気圧が増加したと判定すると、上述の図26のステップs251と同様に、受信部340で取得される最新の捕捉衛星数が第6しきい値以下であるか否かを判定する。つまり、第2特定部620は、ユーザ209が階段を下り始めると、受信部340で取得される最新の捕捉衛星数が第6しきい値以下であるか否かを判定する。第2特定部620は、捕捉衛星数が第6しきい値以下である場合、つまり、受信部340の受信状況が悪い場合、降状態特定を行わないことを決定し、ステップs288を実行して特定処理を終了する。これにより、第2特定部620は、気圧が増加したときの捕捉衛星数、言い換えればユーザ209が階段を下り始めたときの捕捉衛星数が、第6しきい値以下であるときには、降状態特定を行わない。一方で、第2特定部620は、捕捉衛星数が第6しきい値よりも大きい場合、つまり、受信部340の受信状況が良い場合、降状態特定を行うことを決定する。そして、第2特定部620は、ステップs282を実行して、以後同様に動作する。
また、第3変形例と同様に、第2特定部620は、受信状況情報に基づいて、降状態特定の信頼性を判断してもよい。この場合、第2特定部620は、ステップs281で気圧が増加したと判定したときの受信状況情報に基づいて降状態特定の信頼性を判断してもよい。例えば、第2特定部620は、ステップs281で気圧が増加したと判定したとき、受信部340で取得される最新の捕捉衛星数が、上述の第10しきい値以上であれば信頼性が高いと判断し、第10しきい値よりも小さければ信頼性が低いと判断してもよい。また、第2特定部620は、気圧が増加したと判定したときの捕捉衛星数が、第11しきい値よりも大きければ信頼性が高いと判断し、第12しきい値よりも大きく第11しきい値よりも小さい場合には信頼性が中程度であると判断し、第12しきい値よりも小さければ信頼性が低いと判断してもよい。
また図32に示されるように、第2特定部620は、ステップs283において気圧が安定したと判定した後、ステップs1011を実行してもよい。ステップs1011では、第2特定部620は、ステップs281において気圧が増加したと判定されてから、ステップs283において気圧が安定したと判定されるまでの、電子機器210の位置の高さの減少量が、所定範囲内にあるか否かを判定する。この所定範囲は、通常の歩道橋の高さの範囲を示す。したがって、ステップs1011では、第2特定部620は、気圧が増加したと判定してから、気圧が安定したと判定するまでの、電子機器210の位置の高さの減少量が、歩道橋の高さに相当するか否かを判定すると言える。言い換えれば、第2特定部620は、ユーザ209が階段を下り始めてから当該階段を下りきった後までの、電子機器210の位置の高さの減少量が、歩道橋の高さに相当するか否かを判定する。所定範囲は、例えば、5〜10mの範囲に設定される。
図32の例では、第2特定部620は、例えば、ステップs282において、捕捉衛星数を記録するとともに、気圧センサ410で検出される気圧に基づいて、電子機器210の位置の高さを求める。この高さを「第3の高さ」と呼ぶ。またステップs1011において、第2特定部620は、気圧センサ410で検出される気圧に基づいて、電子機器210の位置の高さを求める。この高さを「第4の高さ」と呼ぶ。第2特定部620は、ステップs1011において、第4の高さから第3の高さを差し引いた値が所定範囲内にあるか否かを判定する。第4の高さから第3の高さを差し引いた値は、気圧が増加したと判定されてから、気圧が安定したと判定されるまでの、電子機器210の位置の高さの減少量であると言える。
第2特定部620は、ステップs1011において、求めた減少量が所定範囲内にあると判断すると、ステップs284を実行して、以下同様に動作する。一方で、第2特定部620は、ステップs1011において、減少量が所定範囲内にないと判定すると、ステップs288を実行して、特定処理を終了する。なおステップs1011は、ステップs283とステップs287の間のどのタイミングで実行されてもよい。
図32の例では、第2特定部620は、気圧が増加したと判定されてから、気圧が安定したと判定されるまでの、電子機器210の位置の高さの減少量が所定範囲内に存在しないときに、ユーザ209が歩道橋800から降りると判断しない。言い換えれば、第2特定部620は、ユーザ209が階段を下り始めてから当該階段を下りきった後までの、電子機器210の位置の高さの減少量が所定範囲内に存在しないときに、ユーザ209が歩道橋800から降りると判断しない。これにより、ユーザ209が下りた高さが明らかに歩道橋の高さでない場合に、ユーザ209が歩道橋800から降りると判断される可能性を低減することができる。よって、ユーザ209が歩道橋800から降りると誤って判断される可能性を低減することができる。
また図33に示されるように、第2特定部620は、ステップs281において気圧が増加したと判定した後、ステップs1012を実行してもよい。ステップs1012では、第2特定部620は、受信部340が電子機器210の位置情報を取得できるか否かを判定する。ステップs1012では、第2特定部620は、気圧が増加したときに、受信部340が電子機器210の位置情報を取得できるか否かを判定すると言える。また、ステップs802では、第2特定部620は、ユーザ209が階段を下り始めたときに、受信部340が電子機器210の位置情報を取得できるか否かを判定すると言える。
第2特定部620は、ステップs1012において、電子機器210の位置情報を受信部340が取得できると判断すると、ステップs282を実行して、以下同様に動作する。一方で、第2特定部620は、ステップs1012において、電子機器210の位置情報を受信部340が取得できないと判断すると、ステップs288を実行して、特定処理を終了する。
上述のように、受信部340が位置情報を取得できない場合には、その受信状況が悪いと言える。よって、気圧が増加したときに、受信部340が位置情報を取得できない場合には、ユーザ209が階段を下り始めたときの受信部340の受信状況が悪いと言える。この場合には、ユーザ209が歩道橋800から降りることを適切に特定できない可能性がある。図33の例のように、気圧が増加した場合に、電子機器210の位置情報を受信部340が取得できないときに、ユーザ209が歩道橋800から降りると判断しないことによって、ユーザ209が歩道橋800から降りると誤って判断される可能性を低減することができる。
また第7変形例のように、第2特定部620は、受信状況情報に基づいて、降状態特定で使用される第16しきい値を調整してもよい。例えば、第2特定部620は、ステップs282で記録する捕捉衛星数が第17しきい値以上の場合には、つまり受信部340の受信状況が良い場合には、第16しきい値を“3”に設定する。一方で、第2特定部620は、ステップs282で記録する捕捉衛星数が第17しきい値より小さい場合には、つまり受信部340の受信状況が悪い場合には、第16しきい値を“2”に設定する。第17しきい値は、例えば4〜6に設定される。
このように、第2特定部620が、気圧が増加したときの受信状況情報に基づいて第16しきい値を調整することによって、ユーザ209が歩道橋800から降りることをより正しく特定することができる。
<第10変形例>
第2特定部620は、上述の第9変形例に係る特定処理において、受信状況情報と、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報とに基づいて、ユーザ209の地上から地下への移動を特定する状態特定を行ってもよい。図34はこの場合の特定処理の一例を示すフローチャートです。以後、ユーザ209の地上から地下への移動を特定する状態特定を「地下への移動特定」と呼ぶことがある。
図34に示されるように、ステップs286において、第2衛星数差分絶対値が第15しきい値以上と判定されると、ステップs291において、第2特定部620は、ステップs282で記憶した第3捕捉衛星数が、ステップs284で記憶した第4捕捉衛星数よりも大きいか否かを判定する。第2特定部620は、先に取得した第3捕捉衛星数が、後に取得した第4捕捉衛星数よりも大きいと判定すると、ステップs292において、ユーザ209が地上から地下へと移動すると判断する。第3捕捉衛星数が第4捕捉衛星数よりも大きいと第2特定部620が判定することは、受信部340の受信状況が劣化すると第2特定部620が判断することとも言える。したがって、第2特定部620は、気圧が増加し(ステップs281のYES)、かつ受信部340の受信状況が劣化すると判断したしき(ステップs291のYES)、ユーザ209が地上から地下へと移動すると判断すると言える。言い換えれば、第2特定部620は、ユーザ209が階段を下りるときに受信部340の受信状況が劣化すると判断したとき、ユーザ209が地上から地下へと移動すると判断すると言える。ユーザ209が地上から地下へ移動する場合には、気圧が増加し、かつ受信部340の受信状況が劣化する可能性が高い。したがって、気圧が増加し、かつ受信部340の受信状況が劣化する場合には、ユーザ209が地上から地下へと移動すると判断することができる。
第2特定部620は、ユーザ209が地上から地下へと移動すると判断すると、ステップs288を実行して特定処理を終了する。
一方で、第2特定部620は、ステップs291において、第3捕捉衛星数が第4捕捉衛星数以下であると判定すると、言い換えれば、受信部340の受信状況が劣化していないと判断すると、何も判断せずにステップs288を実行して特定処理を終了する。
このように、第2特定部620が、受信状況情報と、電子機器210の位置の高さに応じて変化する情報とに基づいて、ユーザ209の地上から地下への移動を特定することによって、ユーザ209の地上から地下への移動を適切に特定することができる。
なお、第2特定部620は、特定処理において、歩道橋特定を行わずに、地下への移動特定を行ってもよい。また第2特定部620は、特定処理において、降状態特定を行わずに、地下への移動特定を行ってもよい。この場合には、例えば、ステップs286において、第2衛星数差分絶対値が第16しきい値よりも小さいと判定されると、ステップs287が実行されずに、ステップs288が実行されて特定処理が終了する。また第2特定部620は、特定処理において、地上への移動特定と地下への移動特定とを行ってもよい。
また第2特定部620は、特定処理において、歩道橋特定、地上への移動特定、降状態特定及び地下への移動特定の少なくとも一つを行ってもよい。
また、第1変形例と同様に、第2特定部620は、電子機器210が所定領域に位置すると判断したときに、地下への移動特定を行ってもよい。この場合には、例えば、第2特定部620は、電子機器210が所定領域に位置すると判断したときに特定処理を行ってもよい。
また、受信部340の受信状況が不安定の場合には、ユーザ209が地上から地下へと移動するときであっても、ステップs286において第2衛星数差分絶対値が第16しきい値よりも小さいと判定されたり、ステップs291において第3捕捉衛星数が第4捕捉衛星数以下であると判定されたりする可能性がある。したがって、第2変形例等と同様に、第2特定部620は、受信状況情報に基づいて、地下への移動特定を行うか否かを決定してもよい。第2特定部620は、特定処理を開始する前に、受信状況情報に基づいて地下への移動特定を行うか否かを決定してもよい。また第2特定部620は、第9変形例と同様に、特定処理の中で、気圧が増加したときの捕捉衛星数に基づいて、地下への移動特定を行うか否かを決定しもよい。
また、第3変形例等と同様に、第2特定部620は、受信状況情報に基づいて、地下への移動特定の信頼性を判断してもよい。この場合、第2特定部620は、第9変形例と同様に、ステップs281で気圧が増加したと判定したときの受信状況情報に基づいて地下への移動特定の信頼性を判断してもよい。
上記の例では、電子機器210は、スマートフォン等の携帯電話機であったが、他の種類の電子機器であってよい。電子機器210は、例えば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル機器などであってよい。電子機器210として採用されるウェアラブル機器は、リストバンド型あるいは腕時計型などの腕に装着するタイプであってもよいし、ヘッドバンド型あるいはメガネ型などの頭に装着するタイプであってもよいし、服型などの体に装着するタイプであってもよい。
以上のように、電子機器及び路側機を備えるシステムは詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。