本発明を実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、携帯電子機器の例として、スマートフォンについて説明する。
スマートフォン1を含む制御システム100の概略構成について説明する。図1は、制御システムの概略構成を示す模式図である。制御システム100は、スマートフォン1と、路側機104と、を含む。なお、図1では、1つの交差点の1つのスマートフォン1と4つの路側機104とを示しているが、制御システム100は、多数のスマートフォン1と多数の路側機104と、を含む。制御システム100は、スマートフォン1と通信を行い、スマートフォン1にスマートフォン1の周囲の状況に関する情報を送信する種々の通信機器が含まれる。
路側機104は、信号機106、信号機108の表示を制御する。信号機106、信号機108は、交差点109に配置されている。交差点109は、車両が通行する道路に横断歩道110が設けられている。信号機106は、車両102に対して設置されている。信号機106は、交差点109の各道路に配置され、対応する道路が通行可能な状態であるか、通行禁止の状態であるかを示す。信号機108は、横断歩道110を横断する歩行者に対して配置されている。信号機108は、交差点109の各横断歩道110に配置され、対応する横断歩道110が通行可能な状態であるか、通行禁止の状態であるかを示す。
路側機104は、通信部112と、制御部114と、記憶部116と、を有する。通信部112は、無線により通信する。通信部112によってサポートされる通信方式は、無線通信規格である。無線通信規格として、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)等がある。無線通信規格として、例えば、さらに、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格がある。セルラーフォンの通信規格として、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。通信部112は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。通信部112は、有線による通信をサポートしてもよい。有線による通信は、例えば、イーサネット(登録商標)、ファイバーチャネル等を含む。通信部112は、他の路側機104、信号機106、信号機108と通信を行い、信号機106、108の表示を制御する信号を出力する。また、通信部112は、近距離無線通信で所定領域120内にある通信機器、具体的には、車両102に搭載されている通信機器や、スマートフォン1と通信を行い、データの送受信を行う。
制御部114は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−chip)、MCU(Micro Control Unit)、及びFPGA(Field−Programmable Gate Array)を含むが、これらに限定されない。制御部114は、路側機104の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
具体的には、制御部114は、記憶部116に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部116に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、制御部114は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。
記憶部116は、プログラム及びデータを記憶する。記憶部116は、制御部114の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。記憶部116は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。記憶部116は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。記憶部116は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。記憶部116は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
記憶部116に記憶されるプログラムには、信号機106、信号機108の表示制御を実行するプログラムと、所定の範囲にある通信機器との通信確立処理及びデータの送受信の制御を実行するプログラムと、を含む。記憶部116に記憶されるデータには、各位置に設置された信号機106、信号機108の表示を制御する基準のデータや、他の通信機器に送信するデータ等を含む。
路側機104は、交差点109に対して設置された他の路側機104と通信を行い、交差点109に配置された信号機106、信号機108の表示を制御する。具体的には、路側機104は、交差する道路の一方の道路の信号機106、信号機108を通行可能な表示とし、交差する道路の他方の道路の信号機106、信号機108を通行不可の表示とする。路側機104は、この状態から、所定時間が経過した場合、交差する道路の両方の信号機106、信号機108を通行不可の表示とした後、交差する道路の一方の道路の信号機106、信号機108を通行不可の表示とし、交差する道路の他方の道路の信号機106、信号機108を通行可能な表示とする。これにより、路側機104は、交差点109を通行できる車両102や人を制限し、交差点109での事故の発生を抑制する。また、路側機104は、車両に対する信号機106と、歩行者に対する信号機108と、を別々に制御し、歩行者のみが通行可能な状態や、車両のみが通行可能な状態とすることもできる。
図2から図4を参照しながら、実施形態の一つに係るスマートフォン1の全体的な構成について説明する。図2から図4に示すように、スマートフォン1は、ハウジング20を有する。ハウジング20は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1C1〜1C4とを有する。フロントフェイス1Aは、ハウジング20の正面である。バックフェイス1Bは、ハウジング20の背面である。サイドフェイス1C1〜1C4は、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを接続する側面である。以下では、サイドフェイス1C1〜1C4を、どの面であるかを特定することなく、サイドフェイス1Cと総称することがある。
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3A〜3Cと、照度センサ4と、近接センサ5と、レシーバ7と、マイク8と、カメラ12とをフロントフェイス1Aに有する。スマートフォン1は、スピーカ11と、カメラ13と、発光部23と、をバックフェイス1Bに有する。スマートフォン1は、ボタン3D〜3Fと、コネクタ14とをサイドフェイス1Cに有する。以下では、ボタン3A〜3Fを、どのボタンであるかを特定することなく、ボタン3と総称することがある。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。図2の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bはそれぞれ略長方形状であるが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの形状はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、それぞれが正方形又は円形等のどのような形状もとりうる。図2の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは重なって位置しているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの位置はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、並んで位置してもよいし、離れて位置してもよい。図2の例では、ディスプレイ2Aの長辺はタッチスクリーン2Bの長辺に沿っており、ディスプレイ2Aの短辺はタッチスクリーン2Bの短辺に沿っているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの重ね方はこれに限定されない。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重なって位置する場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺は、タッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等のオブジェクトを表示する。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触した位置を検出することができる。
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下の説明では、説明を簡単にするため、ユーザはスマートフォン1を操作するために指を用いてタッチスクリーン2Bに接触するものと想定する。
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいてジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。スマートフォン1によって判別されるジェスチャは、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトを含むがこれらに限定されない。
図5は、スマートフォン1のブロック図である。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ(音出力部)7と、マイク(音出力部)8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12及び13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16と、ジャイロスコープ17と、磁気センサ18と、気圧センサ19と、バイブレータ22と、発光部23と、GPS受信機24と、を有する。なお、スマートフォン1は、GPS受信機24の代替、或いは、補完として、GPS衛星以外の測位用人工衛星からの電波信号の受信機を有してもよい。GPS衛星以外の測位用人工衛星は、例えば、GLONASS(Global Navigation Satellite System)の人工衛星、IRNSS(Indian Regional Navigational Satellite System)の人工衛星、COMPASSの人工衛星、GALILEOの人工衛星、等を含む。
タッチスクリーンディスプレイ2は、上述したように、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、又は図形等を表示する。タッチスクリーン2Bは、接触を検出する。コントローラ10は、スマートフォン1に対するジェスチャを検出する。具体的には、コントローラ10は、タッチスクリーン2Bと協働することによって、タッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)に対する操作(ジェスチャ)を検出する。
ボタン3は、ユーザによって操作される。ボタン3は、ボタン3A〜ボタン3Fを有する。コントローラ10はボタン3と協働することによってボタン3に対する操作を検出する。ボタン3に対する操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、トリプルクリック、プッシュ、及びマルチプッシュを含むが、これらに限定されない。
ボタン3A〜3Cは、例えば、ホームボタン、バックボタンまたはメニューボタンである。ボタン3Dは、例えば、スマートフォン1のパワーオン/オフボタンである。ボタン3Dは、スリープ/スリープ解除ボタンを兼ねてもよい。ボタン3E及び3Fは、例えば、音量ボタンである。
照度センサ4は、スマートフォン1の周囲光の照度を検出する。照度は、光の強さ、明るさ、又は輝度を示す。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、磁界の変化または超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2が顔に近付けられたことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、一つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信する。ある実施形態の通信ユニット6は、少なくとも近距離無線の機能を備えている。通信ユニット6によってサポートされる通信方式は、無線通信規格である。無線通信規格として、例えば、2G、3G、4G、5G等のセルラーフォンの通信規格がある。セルラーフォンの通信規格として、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。無線通信規格として、さらに、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)等がある。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。通信ユニット6は、有線による通信をサポートしてもよい。有線による通信は、例えば、イーサネット(登録商標)、ファイバーチャネル等を含む。実施形態の1つにおいて、通信ユニット6は、道路傍に配置される路側機との通信を可能とするための通信規格をサポートしてよい。例えば、スマートフォン1は、通信ユニット6を介して路側機と通信することにより、高度道路交通システムの情報を取得してよい。実施形態の1つにおいて、通信ユニット6は、車両に搭載される通信機器との通信を可能とするための通信規格をサポートしてよい。例えば、スマートフォン1は、通信ユニット6を介して車両と通信することにより、車両の情報を取得してよい。
レシーバ7及びスピーカ11は、音出力部である。レシーバ7及びスピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力する。レシーバ7は、例えば、通話時に相手の声を出力するために用いられる。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。マイク8は、音入力部である。マイク8は、ユーザの音声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに画面を表示させ、タッチスクリーン2Bを介して検出されるジェスチャに応じた処理をコントローラ10に実行させる。制御プログラムは、例えば、OSである。アプリケーション及び制御プログラムは、通信ユニット6による通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、状況判定データ9B、移動状態データ9C及び設定データ9Dを記憶する。状況判定データ9Bは、各種センサで検出した情報に基づいて周囲の状況を判定する情報、及び周囲の情報に基づいてスマートフォン1で実行する処理に関する情報を含む。状況判定データ9Bは、所定の処理を実行させる領域である所定領域にユーザがいるか否かを判定する基準のデータを記憶している。具体的には、路側機と通信を確立している場合は、所定領域にいると判定するデータを記憶している。移動状態データ9Cは、ユーザの移動方法の推定に用いられる情報を含む。移動状態データ9Cは、予め試験やシミュレーション等によって検出した、センサの検出結果と移動方法との対応関係を記憶している。ある実施形態の移動状態データ9Cは、ユーザが歩行しているか否かを判定する基準のデータを記憶している。設定データ9Dは、スマートフォン1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、ディスプレイ2Aに表示する情報を制御する機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を行う機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能は、メールアプリケーション等の他のプログラムが提供する機能と組み合わせて利用されることがある。
コントローラ10は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−chip)、MCU(Micro Control Unit)、及びFPGA(Field−Programmable Gate Array)を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、レシーバ7、及びスピーカ11の少なくとも1つを含んでもよくこれらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、方位センサ16、ジャイロスコープ17、磁気センサ18及び気圧センサ19の少なくとも1つを含んでもよいが、これらに限定されない。
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行する。
カメラ12は、フロントフェイス1Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、バックフェイス1Bに面している物体を撮影するアウトカメラである。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、スマートフォン1に働く加速度の方向及び大きさを示す情報を検出する。方位センサ16は、地磁気の向きを示す情報を検出する。ジャイロスコープ17は、スマートフォン1の角度及び角速度の情報を検出する。磁気センサ18は、スマートフォン1の周囲の磁力の情報を検出する。気圧センサ19は、スマートフォン1の外側の気圧(大気圧)の情報を検出する。気圧センサ19は、ハウジング20の内部に位置している。ハウジング20は、水は通過させないが空気を通過させる穴で内部と外部の気圧が連動している。これにより、気圧センサ19は、内部に位置した状態で、スマートフォン1の外側の気圧を検出することができる。加速度センサ15、方位センサ16及びジャイロスコープ17の検出結果は、例えば、スマートフォン1の位置及び姿勢の変化を検出するために、組み合わせて利用される。
バイブレータ22は、ハウジング20を振動させる。バイブレータは、振動を発生させるために、例えば、圧電素子、又は偏心モータなどを有する。発光部23は、バックフェイス1Bに配置されており、光を出射する。発光部23は、発光部23は、カメラ13での撮影時の照明や、周囲を照らす照明となる。
GPS受信機24は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信する。GPS受信機24は、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号をコントローラ10に送出する。GPS受信機24は、スマートフォン1の現在位置の演算処理をサポートする。GPS衛星以外の測位用人工衛星からの電波信号の受信機が、スマートフォン1の現在位置の演算処理をサポートしてもよい。
図5においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、通信ユニット6による通信で他の装置からダウンロードされてもよい。図5においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。図5においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、コネクタ14に接続される読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。非一過的な記憶媒体は、例えば、CD(登録商標)、DVD(登録商標)、Blu−ray(登録商標)等の光ディスク、光磁気ディスク、磁気記憶媒体、メモリカード、及びソリッドステート記憶媒体を含むが、これらに限定されない。
図5に示したスマートフォン1の構成は例であり、本発明の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。例えば、ボタン3の数と種類は図5の例に限定されない。スマートフォン1は、画面に関する操作のためのボタンとして、ボタン3A〜3Cに代えて、テンキー配列又はQWERTY配列等のボタンを備えていてもよい。スマートフォン1は、画面に関する操作のために、ボタンを1つだけ備えてもよいし、ボタンを備えなくてもよい。図5に示した例では、スマートフォン1が2つのカメラを備えるが、スマートフォン1は、1つのカメラのみを備えてもよいし、カメラを備えなくてもよい。図5に示した例では、スマートフォン1が位置及び姿勢を検出するために3種類のセンサを備えるが、スマートフォン1は、このうちいくつかのセンサを備えなくてもよい。あるいは、スマートフォン1は、位置及び姿勢の少なくとも1つを検出するための他の種類のセンサを備えてもよい。
次に、図6から図9を参照して、スマートフォン1が実行している制御について説明する。図6から図9は、それぞれ実施形態に係るスマートフォンが行う制御の一例を示すフローチャートである。
まず、図6及び図7を用いて、スマートフォン1が実行する全体処理について説明する。スマートフォン1は、コントローラ10でストレージ9に記憶されている制御プログラム9Aを実行することで、図6及び図7に示す機能を実現することができる。また、コントローラ10は、図6及び図7に示す処理手順と並行して、他の機能の処理手順を実行することがある。コントローラ10は、図6に示す処理を所定周期で繰り返し実行してもよいし、状態の変化をトリガーとして実行してもよい。
まず、コントローラ10は、ステップS12として、画面を表示中であるかを判定する。つまり、ディスプレイ2Aに画像を表示させている状態であるかを判定する。コントローラ10は、画面を表示中ではない(ステップS12でNo)と判定した場合、ステップS12の処理に戻る。コントローラ10は、画面を表示中である(ステップS12でYes)と判定した場合、ステップS14として、センサの検出結果を取得する。具体的には、コントローラ10は、加速度センサ15、磁気センサ18及びジャイロスコープ17の少なくとも1つの検出結果と、通信ユニット6及びGPS受信機24の少なくとも1つの検出結果を取得する。加速度センサ15、磁気センサ18及びジャイロスコープ17の少なくとも1つの検出結果は、移動状態の判定に用い、歩行しているか否かの判定に用いる。通信ユニット6及びGPS受信機24の少なくとも1つの検出結果は、スマートフォン1を所持しているユーザが所定領域にいるか否かの判定に用いる。
コントローラ10は、センサの検出結果を取得した後、ステップS16として、ユーザが歩行しているかを判定する。具体的には、コントローラ10は、加速度センサ15、磁気センサ18、ジャイロスコープ17の検出結果(第1情報)と移動状態データ9Cとを比較し、比較結果に基づいて、ユーザが歩行しているかを判定する。ここで、ユーザが歩行していない状態とは、ユーザが立ち止まっている状態及び他の移動手段、例えば、ユーザが自転車、バイク、自動車、電車、水陸両用車、船及び飛行機で移動している状態を含む。また、ユーザが歩行している状態は、移動方法がユーザの足による移動である種々の場合を含む。ユーザの足による移動とは、ユーザがスマートフォン1を所持した状態で、自力で移動している状態、移動を補助する乗り物に乗らずに移動する状態である。ユーザの足による移動には、歩行つまり歩いている及び走行つまり走っている、の少なくとも一方が含まれる。また、ユーザの足による移動には、ユーザの足で移動せずに立ち止まっている状態も含む。ユーザの足による移動には、ユーザが杖や手押し車等を用いて歩行することも含まれる。
コントローラ10は、ユーザが歩行していない(ステップS16でNo)と判定した場合、ステップS12に戻る。コントローラ10は、ユーザが歩行している(ステップS16でYes)と判定した場合、ステップS18として、ユーザが交差点領域にいるかを判定する。ある実施形態のコントローラ10は、通信ユニット6から取得した情報(第2情報)と状況判定データ9Bとに基づいて、路側機104と通信が確立しているかを判定する。コントローラ10は、路側機104と通信を確立していると判定した場合、ユーザが交差点領域にいると判定する。つまり、コントローラ10は、所定領域120を交差点領域として、路側機104と通信している状態に基づいて、ユーザが、交差点109を含む交差点109の周辺の領域である所定領域120の中にいると判定する。
図7を用いて、処理の一例をより具体的に説明する。コントローラ10は、ステップS32として、センサの検出結果に基づいて、近距離無線通信可能な機器を検出する。通信可能な機器とは、データを送受信できる信号が到達している範囲にある通信機器である。コントローラ10は、通信可能な機器を検出した場合、ステップS34として、路側機104と通信可能であるかを判定する。コントローラ10は、路側機と通信可能である(ステップS34でYes)と判定した場合、ステップS36として、交差点領域にいると判定する。コントローラ10は、路側機と通信可能ではない(ステップS34でNo)と判定した場合、ステップS38として、交差点領域にいないと判定する。コントローラ10は、以上の処理で、通信ユニット6をセンサとし、通信ユニット6の通信結果に基づいて路側機104との位置関係を特定し、交差点領域にいるかを判定する。
コントローラ10は、交差点領域にいない(ステップS18でNo)と判定した場合、ステップS19として、第1画面を表示させる。第1画面は、「歩きスマホ注意」というメッセージを含み背景が透明な画像を表示している画面に積層させた画面である。コントローラ10は、交差点領域にいる(ステップS18でYes)と判定した場合、ステップS20として、第2画面を表示させ、ステップS22として、バイブレータ22でハウジング20を振動させる。第2画面は、「周囲に注意してください」というメッセージを含み背景が透明な画像を表示している画面に積層させた画面である。
スマートフォン1は、以上のように、歩行を検出している場合、交差点領域(所定領域)にいるか否かで通知の方法を変化させることで、より注意が必要な所定領域にいる場合に、よりユーザに伝わりやすい方法で報知を行うことができる。これにより、通知の必要性に対応して報知方法を変化させることができるため、ユーザに対してより適切な負荷で報知を行うことができる。これにより、歩きながらのスマートフォン1の使用に対して注意を行う機能をユーザが使いやすくすることができ、より注意が必要な状態を適切に知ることができる。
また、ある実施形態のスマートフォン1は、ユーザが交差点領域にいる場合、バイブレータでハウジングを振動させることで、ユーザがスマートフォン1を使いにくい状態とすることができ、ユーザが交差点で歩きながらスマートフォン1の画面表示を使用することを抑制することができる。
また、スマートフォン1は、ユーザが交差点領域におり、かつ、ユーザが歩いている場合、バイブレータ22の振動以外の方法で、ユーザに通知を行ってもよい。報知方法としては、スピーカ11から警告音、警告メッセージを出力してもよいし、発光部23を発光させ、光で通知してもよい。音または光で報知を行うことで、周囲にスマートフォン1を使用していることを報知することができ、ユーザがスマートフォン1の使用をやめやすい環境を作ることができる。
なお、図6に示す処理では、画面表示中である場合、センサの検出結果を取得する処理としたが、歩行しているか否かの判定に用いるデータ、周囲状況の判定に用いるデータの取得は、常に行ってもよいし、図6に示す処理とは別の処理で実行してもよい。また、コントローラ10は、ユーザが歩いているときの状況に基づいて実行する処理を切り換えることができれば、ユーザが歩いているかの判定と、ユーザが交差点領域にいるかの判定の順序は逆にしてもよい。
また、上記実施形態では、ユーザが歩いている場合で、ユーザが交差点領域にいるか否かで表示するメッセージを変化させたが、メッセージは同一でもよい。
また、スマートフォン1は、ユーザが交差点領域にいる場合の周囲の状況に応じて、危険度がさらに高い状況を検出した場合、ユーザにより伝わる方法で報知を行ってもよい。図8は、実施形態の一つに係るスマートフォンが行う制御の一例を示すフローチャートである。図8の処理は、一部を除いて、図6の処理を適用してよい。以下、図8の処理に特有の点を説明する。
コントローラ10は、ステップS16でユーザが歩行していると判定し、ステップS18でユーザが交差点領域にいると判定する。そして、コントローラ10は、第2画面を表示させ、バイブレータで加振を行った後、ステップS42として、ユーザに接近する車両があるかを判定する。コントローラ10は、通信ユニット6を介して路側機104から情報(第3情報)を取得し、路側機104が通信可能な車両102が存在することを示す情報を取得した場合、ユーザに接近する車両があると判定する。コントローラ10は、ユーザに接近する車両がない(ステップS42でNo)と判定した場合、本処理を終了する。コントローラ10は、ユーザに接近する車両がある(ステップS42でYes)と判定した場合、ステップS44として、スピーカ11から音声を出力する。なお、スピーカ11から出力する音声は、警告音でも警告メッセージでもよい。
コントローラ10は、ユーザが歩行していると判定し、ユーザが交差点領域にいると判定し、かつ、ユーザに接近する車両がある場合、表示、振動に加え音の3つの手段で通知を行うことで、ユーザにより注意が必要な状態であることを通知することができる。これにより、スマートフォン1は、ユーザが歩きながら画面を表示させている場合、状況に応じてより適切な実行することができる。
また、スマートフォン1は、ユーザが歩行していると判定し、ユーザが交差点領域にいると判定し、かつ、ユーザに接近する車両がある場合、第1画面、第2画面のそれぞれと異なる第3画面を表示させるようにしてもよい。第3画面としては、例えば「衝突危険」というメッセージがある。
また、スマートフォン1は、ユーザが歩行していると判定し、ユーザが交差点領域にいると判定し、かつ、ユーザに接近する車両がある場合、画面に対する操作を制限する。もしくは、スマートフォン1は、ユーザが歩行していると判定し、かつ、ユーザが交差点領域にいると判定した場合、画面に対する操作を制限する。スマートフォン1は、ユーザが歩いていると判定し、ユーザが交差点領域にいないと判定した場合、画面に対する操作を有効としてもよい。もしくは、スマートフォン1は、ユーザが歩いていると判定し、ユーザに接近する車両がいない場合、画面に対する操作を有効としてもよい。これにより、ユーザは、画面に対する操作が制限されることで、スマートフォン1の操作に集中し、周囲の状況変化への対応に遅れることを抑制することができる。
なお、ある実施形態のスマートフォン1は、ユーザが歩行していると判定し、ユーザが交差点領域にいると判定し、かつ、ユーザに接近する車両があるかを判定した場合、報知部を用いた報知を実行したが、ユーザが歩行していると判定し、かつ、ユーザに接近する車両があるかを判定した場合に報知部を用いた報知を実行してもよい。このようにユーザが所定領域にいない場合も、ユーザに接近する車両がある場合に報知部で報知することでより、ユーザに必要な情報を適切に報知することができる。また、スマートフォン1、通信部で車両102と直接通信を行い、直接通信の結果に応じて車両が接近しているかを検出してもよい。
上記実施形態では、スマートフォン1が通信を行う対象を路側機104とし、対象の領域を交差点としたが、これに限定されない。スマートフォン1は、周囲の情報を取得する状況検出部として、通信ユニット6に加え、または、変えて、GPS受信機24でGPS衛星の情報を受信し、現在の位置情報を特定し、道路の中で危険度の高い道路を所定領域として予め設定し、危険度の高い道路を歩行している場合に所定領域にいると判定する処理としてもよい。スマートフォン1は、周囲の情報を取得する状況検出部として、GPS衛星以外の測位用人工衛星からの電波信号の受信機を利用し、現在の位置情報を特定してもよい。
また、上記実施形態では、所定領域を交差点領域としたがこれに限定されない。図9は、実施形態の一つに係るスマートフォンが行う制御の一例を示すフローチャートである。図9に示す処理のうち、図6に示す処理と同様の処理については、説明を簡略化する。
まず、コントローラ10は、ステップS12として、画面を表示中であるかを判定する。コントローラ10は、画面を表示中ではない(ステップS12でNo)と判定した場合、ステップS12の処理に戻る。コントローラ10は、画面を表示中である(ステップS12でYes)と判定した場合、ステップS14として、センサの検出結果を取得する。
コントローラ10は、センサの検出結果を取得した後、ステップS16として、ユーザが歩行しているかを判定する。コントローラ10は、ユーザが歩行していない(ステップS16でNo)と判定した場合、ステップS12に戻る。コントローラ10は、ユーザが歩行している(ステップS16でYes)と判定した場合、ステップS52として、ユーザが駅のホーム内にいるかを判定する。ある実施形態のコントローラ10は、通信ユニット6から取得した情報と状況判定データ9Bとに基づいて、駅のホームに設置された通信部と通信が確立しているかを判定する。コントローラ10は、駅のホームに設置された通信部と通信を確立していると判定した場合、駅のホーム内にいると判定する。
コントローラ10は、ユーザが駅のホーム内にいない(ステップS52でNo)と判定した場合、ステップS24として、第1画面を表示させる。第1画面は、「歩きスマホ注意」というメッセージを含み背景が透明な画像を表示している画面に積層させた画面である。コントローラ10は、ユーザが駅のホーム内にいる(ステップS52でYes)と判定した場合、ステップS20として、第2画面を表示させ、ステップS22として、バイブレータ22でハウジング20を振動させる。第2画面は、「周囲に注意してください」というメッセージを含み背景が透明な画像を表示している画面に積層させた画面である。
このように、スマートフォン1は、交差点に限定されず、種々の場所を所定領域に設定することができる。スマートフォン1は、注意が必要な場所を所定領域に設定し、所定領域で歩いている場合、報知部による報知を行うことで、より注意が必要な場所で歩いて画面を表示させている場合、より注意が必要であることをユーザに通知することができる。
また、駅のホームにいるかは、通信部の通信の結果ではなく、位置情報と地図情報に基づいて特定してもよい。
また、スマートフォン1は、所定領域をエスカレータ、階段とし、エスカレータ、階段にいることを検出し、かつ、歩いている場合は、画面表示に加え、報知部からの報知を行うようにしてもよい。これにより、エスカレータ、階段の段差に躓いたり、落ちたりすることを抑制できる。また、エスカレータ、階段にいるか否かの検出は、気圧センサ19の気圧の変化に基づいて判定することができる。つまり、スマートフォン1は、状況検出部として気圧センサ19を用いることができる。また、スマートフォン1は、エスカレータ、階段にいるか否かの検出として、位置情報と地図情報に基づいて判定してもよいし、エスカレータ、階段に設置された近距離無線通信可能な通信部と通信することで検出してもよい。
本出願の開示する実施形態は、発明の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。さらに、本出願の開示する実施形態及びその変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
例えば、図5に示した各プログラムは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと結合されていてもよい。
上記の実施形態では、携帯電子装置の例として、スマートフォンについて説明したが、添付の請求項に係る装置は、スマートフォンに限定されない。添付の請求項に係る装置は、スマートフォン以外の携帯電子機器であってもよい。携帯電子機器は、表示部と操作部と他の機器と通信を行う通信部を備えていればよく、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これらに限定されない。
添付の請求項に係る技術を明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。