本出願に係る電子機器、制御方法、及び制御プログラムを実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。電子機器は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、ウェアラブル装置、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これに限定されない。以下の説明において、同様の構成要素について同一の符号を付すことがある。さらに、重複する説明は省略することがある。
図1を参照しつつ、複数の実施形態の一例に係る電子機器1の機能構成の一例を説明する。図1は、電子機器1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、電子機器1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、1もしくは複数のボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12と、カメラ13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、地磁気センサ16と、角速度センサ17と、GPS(Global Positioning System)レシーバ18と、温度センサ19とを含む。以下の説明において、電子機器1を「自機」と表記する場合がある。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを含む。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、重なって位置してもよいし、並んで位置してもよいし、離れて位置してもよい。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重なって位置する場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺は、タッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを含む。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等のオブジェクトを画面内に表示できる。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する1もしくは複数の指、1もしくは複数のペン、または1もしくは複数のスタイラスペン等の接触又は近接を検出できる。タッチスクリーン2Bは、1もしくは複数の指、1もしくは複数のペン、又は1もしくは複数のスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触又は近接したときのタッチスクリーン2B上の位置を検出できる。タッチスクリーン2Bが検出する指、ペン、及びスタイラスペン等は、「指」と表記する場合がある。ある実施形態において、タッチスクリーン2Bは、検出方式として静電容量方式、抵抗膜方式又は荷重検出方式を適宜採用できる。
コントローラ10は、タッチスクリーン2Bにより検出された検出結果に基づいて、ジェスチャの種別を判別できる。検出結果は、例えば、接触の数、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された時間的長さ、接触が検出された時間的間隔、及び接触が検出された回数を含む。コントローラ10が行える動作を、コントローラ10を有する電子機器1は実行できる。言い換えると、コントローラ10が行う動作は、電子機器1が行ってもよい。ジェスチャは、指を用いて、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。タッチスクリーン2Bに対して行われる操作は、タッチスクリーン2Bを有するタッチスクリーンディスプレイ2に対して行われてもよい。コントローラ10が、タッチスクリーン2Bを介して判別するジェスチャには、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトが含まれるが、これらに限定されない。
ボタン3は、利用者からの操作入力を受け付ける。ボタン3は、利用者からの操作入力を受け付けると、コントローラ10に操作入力を受け付けた旨を通知する。ボタン3の数は、単数であっても、複数であってもよい。
照度センサ4は、照度を検出できる。照度は、照度センサ4の測定面の単位面積に入射する光束の値である。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いてもよい。
近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出できる。近接センサ5は、磁界の変化又は超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、ディスプレイ2Aに利用者の顔が接近したことを検出するのに用いてもよい。照度センサ4及び近接センサ5は、1つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信できる。通信ユニット6は、無線通信規格をサポートする。通信ユニット6によってサポートされる無線通信規格には、例えば、2G、3G、4G、5G等のセルラーフォンの通信規格と、近距離無線の通信規格とが含まれる。セルラーフォンの通信規格としては、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、WiMAX(登録商標)(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。近距離無線の通信規格としては、例えば、IEEE802.11(IEEEは、The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略称である)、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、WPAN(Wireless Personal Area Network)等が含まれる。WPANの通信規格には、例えば、ZigBee(登録商標)、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)、Z−Wave、WiSun(Wireless Smart Utility Network)が含まれる。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
通信ユニット6は、例えば、道路、交差点等の付近に設置される路側機との通信を可能とするための複数の通信規格をさらにサポートする。交差点は、2本以上の道路が交差する部分を含む。通信規格は、例えば、双方向通信を可能とするDSRC(Dedicated Short Range Communication)を含む。実施形態の1つの例において、通信ユニット6は、路側機が所定の通信エリア内に発信した電波を受信できる。通信ユニット6は、例えば、路側機、他の電子機器等で受信可能な電波を発信できる。所定の通信エリアは、所定のエリアの一例である。所定のエリアは、例えば、道路の近傍のエリアを含んでもよい。所定のエリアは、例えば、交差点、駐車場等のエリアを含んでもよい。
レシーバ7は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力できる。レシーバ7は、例えば、電子機器1にて再生される動画の音、音楽の音、及び通話時の相手の声を出力できる。マイク8は、入力される利用者の声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶できる。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域として利用してもよい。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する基本プログラムとが含まれる。アプリケーションの画面は、例えば、フォアグランドで実行される場合に、ディスプレイ2Aに表示される。基本プログラムには、例えば、OSが含まれる。アプリケーション及び基本プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、加速度データ9B、状態データ9C、判別データ9D、位置データ9E、温度データ9F、及び設定データ9Z等を記憶できる。加速度データ9Bは、加速度センサ15が検出した加速度値に関する情報を含む。状態データ9Cは、電子機器1の移動状態を示す情報を含む。判別データ9Dは、電子機器1の移動状態の判別に用いる情報を含む。位置データ9Eは、GPSレシーバ18が検出した自機の位置に関する情報を含む。温度データ9Fは、温度センサ19が検出した温度に関する情報を含む。設定データ9Zは、電子機器1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
制御プログラム9Aは、電子機器1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供できる。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、加速度センサ15等を制御することによって、自機の複数の移動状態を判別する機能が含まれる。
例えば、電子機器1の複数の移動状態は、停止状態、静止状態、歩行状態、走行状態、乗り物での移動状態、自転車での移動状態を含む。停止状態は、自機を携帯している利用者が停止している状態を含む。静止状態は、自機が置かれた状態を含む。歩行状態は、自機を携帯している利用者が歩行している状態を含む。走行状態は、自機を携帯している利用者が走行している状態を含む。乗り物での移動状態は、自機を携帯している利用者が乗り物で移動している状態を含む。乗り物は、例えば、自動車、電車、バス、飛行機、バイク等を含む。自転車での移動状態は、自機を携帯している利用者が自転車で移動している状態を含む。
制御プログラム9Aは、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したか否かを判定する機能を提供できる。例えば、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したとは、GPSで用いられる複数の測位衛星から受信する信号の強度、感度等が劣化した場合を含む。例えば、電子機器1を携帯する利用者が屋外から屋内に移動した場合、GPSレシーバ18は、測位衛星からの信号を受信しにくくなったり、測位衛星からの信号を受信できなくなったりする。すなわち、電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化した場合、利用者が屋内、地下等に入ったと推定できる。制御プログラム9Aは、GPSレシーバ18の検出精度に基づいて、通信ユニット6による他機との通信を制御する機能を提供できる。
制御プログラム9Aは、GPSレシーバ18の検出精度が悪化した位置が、予め登録されている利用者の自宅、会社等の位置と一致している場合に、利用者が安全な場所にいると推定する機能を提供できる。例えば、屋外にいる利用者は、道路等に飛び出す可能性がある。このため、自動車を運転する運転者は、安全な場所にいない人を危険の対象として注意する必要があるが、安全な場所にいる人を危険の対象として注意する必要はない。
制御プログラム9Aは、交通に係る利用者の情報を、通信ユニット6の近距離無線通信によって他機に送信する機能を提供できる。例えば、交通に係る利用者の情報は、道路に利用者が飛び出す可能性がある旨を報知するための情報を含む。例えば、交通に係る利用者の情報は、利用者の存在を車両の運転者に報知するための情報を含む。
加速度データ9Bは、加速度センサ15の検出結果としてコントローラ10に送信されてくる複数の加速度情報を含む。加速度データ9Bは、複数の加速度情報を時系列で示すことができる。加速度情報は、例えば、時間と、加速度値とを含む。時間は、加速度センサ15によって加速度の方向および大きさを検出した時間を示す。加速度値は、加速度センサ15によって検出した加速度の方向および大きさの値を示す。
例えば、コントローラ10には、加速度センサ15の検出結果が送信されてくる。検出結果は、X軸方向の加速度値と、Y軸方向の加速度値と、Z軸方向の加速度値と、各加速度値を合成したベクトル値とを含む。コントローラ10は、加速度センサ15の検出結果をストレージ9の加速度データ9Bにロギングする。コントローラ10は、X軸方向の加速度値、Y軸方向の加速度値、およびZ軸方向の加速度値を演算して合成ベクトル値を計算してもよい。
状態データ9Cは、自機の複数の状態を示す情報を含む。複数の状態は、例えば、停止状態、静止状態、歩行状態、走行状態、乗り物での移動状態、自転車での移動状態を含む。コントローラ10は、自機の状態の変化の検出に応じて状態データ9Cを更新する。
判別データ9Dは、自機の複数の状態ごとに対応する加速度パターンを含む。加速度パターンは、自機の複数の状態ごとに、どのような加速度パターンが加速度センサ15により特徴的に検出されるのかを予め計測し、抽出しておいた加速度パターンを含む。加速度パターンは、上述した合成ベクトル値のロギングしたデータに対応するように記憶される。判別データ9Dは、例えば、停止状態、静止状態、歩行状態、走行状態、乗り物での移動状態、自転車での移動状態等の状態の各々に対応した加速度パターンを含む。
例えば、コントローラ10は、加速度データ9Bの合成ベクトルのパターンと判別データ9Dの加速度パターンとを比較し、一致した加速度パターンに対応付けられた状態を、電子機器1の状態として判別できる。なお、パターンの一致とは、完全に一致している場合、所定の割合で一致している場合を含む。
位置データ9Eは、位置情報を時系列的に記憶できる。位置情報は、例えば、位置を示す値と、検出時間とを含む。位置は、例えば、GPSレシーバ18によって検出した緯度、経度を示す。時間は、例えば、GPSレシーバ18によって位置を検出した時間を示す。位置データ9Eは、例えば、GPSレシーバ18で受信した信号の強度、感度等を示す情報を含んでもよい。例えば、位置データ9Eは、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したことを示す情報を含んでもよい。位置データ9Eは、GPSレシーバ18が位置を検出するごとに更新される。
温度データ9Fには、温度情報を時系列的に記憶できる。温度情報は、例えば、時間と、温度の値と、温度の変化量といった項目を含む。時間は、温度センサ19によって温度を検出した時間を示す。温度の値は、温度センサ19によって検出した温度の値を示す。温度の変化量は、温度センサ19によって検出した温度の単位時間当たりの変化量を示す。温度データ9Fは、温度センサ19が温度を検出するごとに更新される。
設定データ9Zは、制御プログラム9Aなどにより提供される機能に基づいて実行される処理に用いられる各種データを含む。設定データ9Zは、GPSレシーバ18による位置の検出機能が有効であるか否かを示す情報を含む。例えば、位置の検出機能が有効である場合、電子機器1は、GPSレシーバ18によって自機の位置を検出できる。例えば、位置の検出機能が無効である場合、電子機器1は、GPSレシーバ18によって自機の位置を検出しない。例えば、位置の検出機能が無効である場合、電子機器1は、GPSレシーバ18を動作させない。
例えば、利用者は、自宅にいる場合、一定の行動範囲内で移動する傾向にある。この場合、利用者の連続する歩行は、一定の歩数以内に限定される。設定データ9Zは、屋外へ移動したことを推定するための第1閾値として、利用者に対応した一定の歩数を設定できる。
例えば、屋内と屋外との寒暖に差がある場合、温度センサ19は、屋内と屋外との温度変化を検出できる可能性がある。電子機器1は、所定の温度変化を検出することで、利用者が屋内から屋外へ移動したと推定することができる。設定データ9Zは、屋内から屋外への利用者の移動を推定するための第2閾値と、温度の所定の変化量を設定できる。
コントローラ10は、電子機器1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現できる。コントローラ10は、演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、およびコプロセッサを含んでもよいが、これらに限定されない。SoCは、通信ユニット6等の他の構成要素が統合されていてもよい。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行できる。コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照できる。コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御する。コントローラ10は、機能部を制御することによって、各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、レシーバ7、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、地磁気センサ16、角速度センサ17、GPSレシーバ18、及び温度センサ19を含むが、これらに限定されない。
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して判別されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行できる。
コントローラ10は、制御プログラム9Aを実行することにより、加速度センサ15、地磁気センサ16、角速度センサ17、GPSレシーバ18、及び温度センサ19と協働する。コントローラ10は、加速度センサ15の検出結果に基づき、自機の移動状態を判別する処理を実行する。
スピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力できる。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力してもよい。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。
カメラ12及びカメラ13は、撮影した画像を電気信号へ変換できる。カメラ12は、ディスプレイ2Aに面している物体を撮影するインカメラでもよい。カメラ13は、ディスプレイ2Aの反対側の面に面している物体を撮影するアウトカメラでもよい。カメラ12及びカメラ13は、インカメラ及びアウトカメラを切り換えて利用可能なカメラユニットとして、機能的及び物理的に統合された状態で電子機器1に実装されてもよい。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部電源、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、電子機器1に作用する加速度の方向及び大きさを検出できる。加速度センサ15は、検出した加速度値をコントローラ10に送出できる。コントローラ10は、加速度センサ15により検出される加速度の方向及び大きさ、または加速度の方向及び大きさの時系列変化を含む加速度パターンに基づいて、自機の移動状態の変化を検出してもよい。
地磁気センサ16は、例えば、地磁気を計測することにより、電子機器1の向き(方位)を検出できる。地磁気センサ16は、検出した地磁気値をコントローラ10に送出できる。地磁気センサ16は、2軸タイプおよび3軸タイプのいずれであってもよい。地磁気センサ16は、磁界の向き及び大きさを検出してもよい。コントローラ10は、地磁気センサ16により検出される地磁気値に基づいて、利用者の進行方向を検出できる。
角速度センサ17は、例えば、電子機器1の角速度の大きさ及び方向を測定できる。角速度センサ17は、検出した角速度値をコントローラ10に送出できる。コントローラ10は、角速度センサ17により検出される角速度の大きさ及び方向、又は角速度の方向及び大きさの時系列変化を含む角速度パターンに基づいて、電子機器1の向きの変化を検出できる。コントローラ10は、例えば地磁気を検出できない環境等において、電子機器1の方位を電子機器1の向きの変化に基づいて変更できる。
GPSレシーバ18は、電子機器1の現在位置を検出できる。GPSレシーバ18は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信し、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号をコントローラ10に送出できる。GPSレシーバ18は、GPS衛星から受信した信号の測位感度、追跡感度等を特定できる。測位感度は、例えば、GPSレシーバ18が測位可能な最低電力レベルを含む。追跡感度は、例えば、個々の衛星の追跡が可能な最低電力レベルを含む。GPSレシーバ18は、特定した信号の測位感度、追跡感度等を示す情報をコントローラ10に送出できる。例えば、GPSレシーバ18は、位置精度、位置偏差、ノイズフィギュア、測位時間などの情報をコントローラ10に送出してもよい。
温度センサ19は、電子機器1の周囲の温度を検出できる。例えば、温度センサ19は、サーミスタ等を含む。例えば、温度センサ19の検出結果は、利用者が屋内から屋外へ出たこと、利用者が屋外から屋内へ入ったことを検出するのに用いられる。
コントローラ10は、加速度センサ15、地磁気センサ16、及び角速度センサ17の各出力を組み合わせて利用してよい。複数のセンサの出力を組み合わせて利用することで、電子機器1は、自機の動きを高度に反映させた制御をコントローラ10によって実行できる。電子機器1は、加速度センサ15、地磁気センサ16、及び角速度センサ17を組み合わせて利用することで、利用者が歩いた歩数及び方向を検出することができる。加速度センサ15、地磁気センサ16、および角速度センサ17は、1つのモーションセンサとして利用してよい。
図1においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、通信ユニット6による無線通信で他の装置からダウンロードされてもよい。図1においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。図1においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、コネクタ14に接続される装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。非一過的な記憶媒体は、例えば、CD(登録商標)、DVD(登録商標)、Blu−ray(登録商標)等の光ディスク、光磁気ディスク、磁気記憶媒体、メモリカード、及びソリッドステート記憶媒体を含むが、これらに限定されない。
図2は、電子機器1による制御の一例の処理手順を示すフローチャートである。図2に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図2に示す処理手順は、GPSレシーバ18による位置の検出機能が有効であることを示す情報が設定データ9Zに設定されている場合に、コントローラ10によって繰り返し実行される。図2に示す処理手順は、GPSレシーバ18による位置の検出機能が無効であることを示す情報が設定データ9Zに設定されている場合、コントローラ10によって実行されない。
図2に示すように、電子機器1のコントローラ10は、ステップS101として、GPSレシーバ18から感度に関する情報を取得する。例えば、感度に関する情報は、測位衛星から受信した信号に関する測位感度、追跡感度等を示す情報を含む。
コントローラ10は、ステップS102として、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したか否かを判定する。例えば、コントローラ10は、GPSレシーバ18の感度が所定の値よりも劣化した場合に、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したと判定する。例えば、コントローラ10は、GPSレシーバ18による位置の計測が不能となっている場合に、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したと判定する。コントローラ10は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化していないと判定した場合(ステップS102でNo)、図2に示す処理手順を終了させる。コントローラ10は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したと判定した場合(ステップS102でYes)、処理をステップS103に進める。
コントローラ10は、ステップS103として、通信ユニット6による他機との通信を抑制する。他機は、例えば、車両に搭載される通信装置、路側機等を含む。例えば、利用者は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化している場合、屋内、地下等の安全な場所にいる可能性が高い。例えば、他機との近距離無線による通信を抑制する場合、コントローラ10は、通信ユニット6による他機への各種情報の送信を行わず、通信ユニット6による他機からの信号の受信を行うことができる。コントローラ10は、他機との通信の抑制を開始すると、処理をステップS104に進める。
コントローラ10は、ステップS104として、GPSレシーバ18から感度に関する情報を取得すると、処理をステップS105に進める。
コントローラ10は、ステップS105として、GPSレシーバ18の検出精度が回復したか否かを判定する。例えば、コントローラ10は、GPSレシーバ18の感度が所定の値よりも劣化していない場合、GPSレシーバ18の検出精度が回復したと判定する。例えば、コントローラ10は、GPSレシーバ18による位置の計測が可能となった場合、GPSレシーバ18の検出精度が回復したと判定する。コントローラ10は、GPSレシーバ18の検出精度が回復していないと判定した場合(ステップS105でNo)、処理を既に説明したステップS104に戻す。コントローラ10は、GPSレシーバ18の検出精度が回復したと判定した場合(ステップS105でYes)、処理をステップS106に進める。
コントローラ10は、ステップS106として、通信ユニット6による他機との通信の抑制を解除する。例えば、利用者は、悪化していたGPSレシーバ18の検出精度が回復した場合、安全な場所から屋外へ移動した可能性が高い。例えば、コントローラ10は、通信の抑制を解除することにより、通信ユニット6による他機との情報の送受信を可能とすることができる。コントローラ10は、他機との通信の抑制を解除すると、図2に示す処理手順を終了させる。
電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化した場合、屋内、地下等の交通事故に遭遇する可能性が低い安全な場所に利用者がいると推定できる。電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化すると、通信ユニット6による他機との通信を抑制することができる。その結果、電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度の状態に応じた、利便性の高い他機との通信方法を提供できる。電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化している間は、通信ユニット6の消費電力を抑制することができるため、自機のバッテリーを長持ちさせることができる。例えば、電子機器1は、利用者の存在を自機の近傍に位置する他機に通知する場合、GPSレシーバ18の検出精度が悪化すると、当該通知を抑制することができる。その結果、電子機器1は、GPSレシーバ18の位置の検出機能が有効である場合、不要な他機との通信が減るため、通信トラフィックを低減させることができる。
電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度が回復した場合、利用者が安全な場所から離れたと推定できる。電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度が回復すると、通信ユニット6による他機との通信の抑制を自動で解除することができる。その結果、電子機器1は、利用者が安全な場所にいるか否かに応じて、通信ユニット6による他機との通信の抑制を制御することができる。
以下に実施形態の他の例に係る電子機器1について説明する。実施形態の他の一例に係る電子機器1は、制御プログラム9Aの機能が異なる点を除いて、図1に示した電子機器1と同様の構成を有する。
図3は、電子機器1による制御の他の一例の処理手順を示すフローチャートである。図3に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図3に示す処理手順は、GPSレシーバ18による位置の検出機能が有効であることを示す情報が設定データ9Zに設定されている場合に、コントローラ10によって繰り返し実行される。図3に示す処理手順は、GPSレシーバ18による位置の検出機能が無効であることを示す情報が設定データ9Zに設定されている場合、コントローラ10によって実行されない。
図3に示す例では、ステップS101からステップS103及びステップS106の処理は、図2に示すステップS101からステップS103及びステップS106の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
図3に示すように、電子機器1のコントローラ10は、ステップS103で通信ユニット6による他機との通信を抑制すると、処理をステップS111に進める。コントローラ10は、ステップS111として、加速度データ9Bに基づいて自機の状態を判別する。例えば、コントローラ10は、加速度データ9Bの加速度パターンと判別データ9Dの状態ごとの加速度パターンとを比較し、一致する判別データ9Dの加速度パターンに対応した状態を、自機の状態として判別する。コントローラ10は、判別した状態を状態データ9Cに記憶する。
コントローラ10は、ステップS112として、自機の状態が乗り物での移動状態へ遷移したか否かを判定する。例えば、コントローラ10は、ステップS111によって乗り物での移動状態と判別し、当該判別前の状態が静止状態、停止状態等の他の状態であった場合に、乗り物での移動状態へ遷移したと判別する。コントローラ10は、乗り物での移動状態へ遷移していないと判定した場合(ステップS112でNo)、処理を既に説明したステップS111に戻す。コントローラ10は、乗り物での移動状態へ遷移したと判定した場合(ステップS112でYes)、処理を既に説明したステップS106に進める。コントローラ10は、ステップS106の処理を終了すると、図3に示す処理手順を終了させる。
図3に示す一例では、電子機器1は、通信の抑制を解除する条件を、乗り物での移動状態への遷移とした場合について説明したが、これに限定されない。例えば、電子機器1は、図1に示す一例と同様に、GPSレシーバ18の検出精度の回復を、通信の抑制を解除する条件に追加してもよい。
電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化した後、自機の状態が乗り物での移動状態へ遷移した場合、通信ユニット6による他機との通信の抑制を解除することができる。電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度の状態に応じて、利用者が安全な場所から移動したことを推定することができる。例えば、乗り物が自動車、電車等である場合、利用者は交通弱者にならない。このような場合、電子機器1は、通信ユニット6による他機との通信の抑制を継続させてもよい。
図4は、電子機器1による制御の他の一例の処理手順を示すフローチャートである。図4に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図4に示す処理手順は、GPSレシーバ18による位置の検出機能が有効であることを示す情報が設定データ9Zに設定されている場合に、コントローラ10によって繰り返し実行される。図4に示す処理手順は、GPSレシーバ18による位置の検出機能が無効であることを示す情報が設定データ9Zに設定されている場合、コントローラ10によって実行されない。
図4に示す例では、ステップS101からステップS106の処理は、図2に示すステップS101からステップS106の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
図4に示すように、電子機器1のコントローラ10は、GPSレシーバ18の検出精度が回復していないと判定した場合(ステップS105でNo)、処理をステップS121に進める。コントローラ10は、ステップS121として、加速度センサ15、角速度センサ17、及び地磁気センサ16の検出結果に基づいて、利用者が歩いた歩数と方向を検出する。例えば、コントローラ10は、歩数計数プログラムを実行することにより、検出した加速度に基づいて、自機を携帯する利用者の歩数を検出する。例えば、コントローラ10は、歩数計数プログラムを実行することにより、検出した角速度、地磁気等に基づいて、利用者の歩行している方向を検出する。コントローラ10は、検出した歩数及び方向をストレージ9に記憶し、処理をステップS122に進める。
コントローラ10は、ステップS122として、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したと判定した位置に、利用者が戻ったか否かを推定する。例えば、コントローラ10は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したと判定した後に検出した利用者の歩数及び方向と設定データ9Zの第1閾値とに基づいて、当該位置に利用者が戻ったか否かを推定する。例えば、利用者は、安全な場所に入った位置に戻った場合、安全な場所から出る可能性がある。この場合、GPSレシーバ18の検出精度は、回復する可能性がある。コントローラ10は、利用者が安全な場所に入った位置に戻ったことを推定することにより、GPSレシーバ18の検出精度の回復を推定できる。コントローラ10は、推定結果をストレージ9に記憶すると、処理をステップS123に進める。
コントローラ10は、ステップS123として、ステップS122の推定結果に基づいて、利用者が戻ったと推定したか否かを判定する。コントローラ10は、利用者が戻ったと推定していないと判定した場合(ステップS123でNo)、処理を既に説明したステップS104に戻す。コントローラ10は、利用者が戻ったと推定していると判定した場合(ステップS123でYes)、処理を既に説明したステップS106に進める。コントローラ10は、ステップS106の処理を終了すると、図4に示す処理手順を終了させる。
図4に示す一例では、電子機器1は、通信の抑制を解除する条件として、GPSレシーバ18の検出精度の回復を用いる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、電子機器1は、通信の抑制を解除する条件として、GPSレシーバ18の検出精度の回復を用いなくてもよい。
電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化した後、GPSレシーバ18の検出精度が回復していない場合、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したと判定した位置に利用者が戻ると、通信ユニット6による他機との通信の抑制を解除することができる。その結果、電子機器1は、利用者が安全な場所に入ってからその地点に戻ってくるまでの間、通信ユニット6による他機との通信を抑制することができるため、利便性の高い他機との通信方法を提供できる。
図5は、電子機器1による制御の他の一例の処理手順を示すフローチャートである。図5に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図5に示す処理手順は、GPSレシーバ18による位置の検出機能が有効であることを示す情報が設定データ9Zに設定されている場合に、コントローラ10によって繰り返し実行される。図5に示す処理手順は、GPSレシーバ18による位置の検出機能が無効であることを示す情報が設定データ9Zに設定されている場合、コントローラ10によって実行されない。
図5に示す例では、ステップS101からステップS106の処理は、図2に示すステップS101からステップS106の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
図5に示すように、電子機器1のコントローラ10は、GPSレシーバ18の検出精度が回復していないと判定した場合(ステップS105でNo)、処理をステップS131に進める。コントローラ10は、ステップS131として、温度センサ19の検出結果に基づいて、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したと判定した後の温度の変化を検出する。例えば、コントローラ10は、温度データ9Fから所定期間における温度の変化を検出する。所定期間は、例えば、現時点から一定時間遡った時間までの期間を含む。
コントローラ10は、ステップS132として、所定の温度変化を検出したか否かを判定する。例えば、コントローラ10は、検出した温度変化が設定データ9Zの第2閾値よりも大きい場合、所定の温度変化を検出したと判定する。コントローラ10は、所定の温度変化を検出していないと判定した場合(ステップS132でNo)、処理を既に説明したステップS104に戻す。コントローラ10は、所定の温度変化を検出したと判定した場合(ステップS132でYes)、処理を既に説明したステップS106に進める。コントローラ10は、ステップS106の処理を終了すると、図5に示す処理手順を終了させる。
図5に示す一例では、電子機器1は、通信の抑制を解除する条件として、GPSレシーバ18の検出精度の回復を用いる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、電子機器1は、通信の抑制を解除する条件として、GPSレシーバ18の検出精度の回復を用いなくてもよい。
電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化した後、GPSレシーバ18の検出精度が回復していない場合、所定の温度変化を検出すると、通信ユニット6による他機との通信の抑制を解除することができる。その結果、電子機器1は、利用者が安全な場所に留まっている間、通信ユニット6による他機との通信を抑制することができるため、利便性の高い他機との通信方法を提供できる。
図6は、電子機器1による制御の他の一例の処理手順を示すフローチャートである。図6に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図6に示す処理手順は、GPSレシーバ18による位置の検出機能が有効であることを示す情報が設定データ9Zに設定されている場合に、コントローラ10によって繰り返し実行される。図6に示す処理手順は、GPSレシーバ18による位置の検出機能が無効であることを示す情報が設定データ9Zに設定されている場合、コントローラ10によって実行されない。
図6に示す例では、ステップS101からステップS106の処理は、図2に示すステップS101からステップS106の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
図6に示すように、電子機器1のコントローラ10は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化していないと判定した場合(ステップS102でNo)、処理をステップS141に進める。コントローラ10は、ステップS141として、加速度データ9Bに基づいて自機の状態を判別し、処理をステップS142に進める。
コントローラ10は、ステップS142として、ステップS141の判別結果に基づいて、自機の状態が乗り物での移動状態であるか否かを判定する。コントローラ10は、乗り物での移動状態ではないと判定した場合(ステップS142でNo)、図6に示す処理手順を終了させる。コントローラ10は、乗り物での移動状態であると判定した場合(ステップS142でYes)、処理をステップS143に進める。
コントローラ10は、ステップS103と同様に、ステップS143として、通信ユニット6による他機との通信を抑制し、処理をステップS144に進める。コントローラ10は、ステップS144として、加速度データ9Bに基づいて自機の状態を判別し、処理をステップS145に進める。
コントローラ10は、ステップS145として、ステップS144の判別結果に基づいて、自機の状態が乗り物での移動状態から他の状態へ遷移したか否かを判定する。コントローラ10は、乗り物での移動状態から他の状態へ遷移していないと判定した場合(ステップS145でNo)、処理を既に説明したステップS144に戻す。コントローラ10は、乗り物での移動状態から他の状態へ遷移したと判定した場合(ステップS145でYes)、処理をステップS146に進める。
コントローラ10は、ステップS106と同様に、ステップS146として、通信ユニット6による他機との通信の抑制を解除する。コントローラ10は、通信の抑制を解除すると、図6に示す処理手順を終了させる。
電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化していない場合、車両、電車等の乗り物での移動状態であると、通信ユニット6による他機との通信を抑制することができる。その結果、電子機器1は、利用者が車両、電車等の乗り物で移動している間、通信ユニット6による他機との通信を抑制することができるため、利便性の高い他機との通信方法を提供できる。
上記の実施形態では、電子機器1は、図2から図6に示す処理手順の各々をコントローラ10で実行する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、図2から図6に示す処理手順は、それらを組み合わせた処理手順としてもよい。
図7は、報知システム100のシステム構成の一例を示すシステム図である。図7を参照しつつ、上記の電子機器1を含む報知システム100の一例について説明する。
図7に示すように、報知システム100は、上記の電子機器1と、路側機200と、車両300と、を備える。路側機200は、所定のエリアまたは所定のエリアの近傍に設けられている。所定のエリアは、例えば、道路、交差点、駐車場等のエリアを含む。所定のエリアは、例えば、交通事故が発生する可能性がある箇所を含むエリアとしてもよい。路側機200は、所定のエリアの内部及び近傍の不特定多数の電子機器に電波を送出できる。車両300は、例えば、自動車、トラック、バス、タクシー、緊急車両等を含む。車両300は、車載装置310を備える。車載装置310は、例えば、路側機200からの電波が受信可能なように、車両300に搭載されている。車載装置310は、例えば、ナビゲーション装置、ETC(Electronic Toll Collection System)車載器、コンビネーションメータ、カーオーディオ等の車両300に搭載される車載装置を含む。車載装置310は、例えば、運転者によって車両300に持ち込まれる電子機器としてもよい。車両300に持ち込まれる電子機器は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、ウェアラブル装置、携帯ゲーム機等を含む。
路側機200及び車載装置310は、通信部を有する。路側機200と車載装置310とは、通信部を介して互いに双方向通信ができるように構成されている。路側機200と車載装置310とは、通信部を介して、屋内及び屋外の電子機器1と近距離無線による双方向通信ができるように構成されている。路側機200は、所定のエリアに関する情報を送信する機能を含む。車載装置310は、受信した情報を利用者に提供する機能を含む。
例えば、電子機器1を携帯する利用者は、屋外を歩行している。この場合、利用者は、自動車、バイク等の車両300との交通事故の可能性がある交通弱者である。電子機器1は、交通弱者を守るために、車両300等の運転者に対して利用者の存在を報知する機能を有している。電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度が悪化していない場合、利用者が屋外の危険な場所にいると推定することができる。電子機器1は、利用者が安全な場所にいないと推定した場合、外部の他機に対する報知処理を実行する。
図7に示すように、電子機器1の近傍に通信可能な路側機200と車載装置310とが存在する場合、電子機器1は、路側機200と車載装置310とに、利用者の存在を報知するための報知情報Dを含む電波を近距離無線によって送信する。その結果、電子機器1は、利用者の存在を路側機200、車載装置310等に報知できるため、利用者の安全性を向上させることができる。一方、車載装置310は、安全な場所にいない利用者が携帯する電子機器1からの報知情報Dを受信した場合、例えば、飛び出しの危険がある歩行者が近くにいることを運転者に報知することができる。その結果、運転者は、歩行者や自転車等の交通弱者との交通事故を回避できる可能性を向上することができる。また、路側機200は、安全な場所にいない利用者が携帯する電子機器1からの報知情報Dを受信した場合、例えば、路側機200に接近する車両300、車載装置310等に対して当該報知情報Dを転送することができる。その結果、路側機200は、車両300と交通弱者との交通事故の回避に貢献することができる。
例えば、電子機器1を携帯する利用者は、屋外から自宅、会社等の建物500内の安全な場所に入っている。電子機器1のGPSレシーバ18は、測位衛星からの信号を受信しにくい建物500内に位置しているため、検出精度が悪化している。電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度の悪化を検出すると、通信ユニット6による他機との通信を抑制する。電子機器1は、通信ユニット6による他機との通信を抑制している場合、他機に対する報知処理を実行しない。その結果、電子機器1は、通信ユニット6を動作させないので、消費電力の増加を抑制することができる。一方、車載装置310は、安全な場所にいる利用者が携帯する電子機器1からの報知を受信しないので、運転者に必要な情報のみを提供することができる。
上記の実施形態では、電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度に基づいて、通信ユニット6による他機との通信を制御する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度と、検出精度が悪化した位置とに基づいて、利用者が安全な場所にいるか否かを推定してもよい。この場合、電子機器1は、GPSレシーバ18の検出精度の悪化を検出し、かつ、検出精度が悪化した位置が予め登録された位置である場合に、利用者が安全な場所にいると推定すればよい。
上記の実施形態では、電子機器1は、通信ユニット6による他機との通信を抑制している場合、他機に対する報知処理を実行しない場合について説明したが、これに限定されない。例えば、電子機器1は、通信ユニット6による他機との通信を定期的に繰り返し試行するものであれば、通信ユニット6による他機との通信を抑制している場合、他機に対する報知処理において、単位時間当たりの当該試行の回数を減らしてもよい。例えば、電子機器1は、通信ユニット6による他機との通信を抑制している場合、当該報知処理により送信するデータ量を減らしてもよい。
上記の実施形態では、衛星が出力する信号に基づいて自機の位置情報を検出する位置検出部として、GPSレシーバを例示したが、GPS衛星以外の測位衛星が出力する信号に基づいて自機の位置情報を検出するものを用いてもよい。GPS衛星以外の測位衛星は、例えば、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、IRNSS(Indian Regional Navigational Satellite System)、COMPASS、GALILEO等の測位衛星である。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記の実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。