JP2018084214A - タイミングチェーンシステムのオイル供給構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイミングチェーンカバーからの放射音の発生を抑制しながらボルトを用いることなくオイルジェットを支持可能なタイミングチェーンのオイル供給構造を実現できるようにする。【解決手段】エンジン1には、タイミングチェーン30をガイドするチェーンガイド33と、チェーンガイドを含めエンジン側面を覆うタイミングチェーンカバー42とが設けられている。エンジンの出力軸方向に延びるオイルジェット50は、内部に油路を有し、エンジンの出力軸方向の一端部50bはエンジンに設けられた支持孔に支持され、その他端部50cはタイミングチェーンカバーと当接しない位置にまで延びている。オイルジェットの他端部とタイミングチェーンカバーとの間には、チェーンガイド33と一体で且つオイルジェットの他端部50cと当接する押さえ部33aが設けられている。【選択図】図6
Description
本発明は、エンジン等に設けられるタイミングチェーンシステムのオイル供給構造に関する。
下記の特許文献1に記載されるように、ボルトを用いずにオイルジェットを固定する手段として、タイミングチェーンカバーにエンジンの出力軸方向に延びる押さえ部を設け、オイルジェットにおけるシリンダブロック側の端部の反対側部分を押さえるようにする構成が知られている。
特許文献1に記載の発明においては、オイルジェットのシリンダブロック(以下、単にブロックとも呼ぶ。)側の端部が、エンジン本体に取り付けられている。このため、エンジンの作動時の振動がオイルジェットを介してタイミングチェーンカバーに入力され、該タイミングチェーカバーから放射音が発せられる虞がある。
この放射音の発生を抑制する手段として、タイミングチェーンカバーの振動入力源、ここでは押さえ部の周囲をボルト等によってブロックと剛結することが考えられる。
しかしながら、オイルジェットから噴射されたオイルをタイミングチェーンに確実に供給するためにタイミングチェーンの近傍にオイルジェットを配設しようとすると、タイミングチェーン及びスプロケットとの位置関係から、ボルト締結用のボスをオイルジェットの近傍に設けることが困難となる。
本発明は、前記従来の問題を解決し、タイミングチェーンカバーからの放射音の発生を抑制しながら、ボルトを用いることなくオイルジェットを支持可能なタイミングチェーンシステムのオイル供給構造を実現できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、タイミングチェーンカバーから間隔をおいて配設されたチェーンガイドと一体に設けられた押さえ部によりオイルジェットのシリンダブロックと反対側の端部を押さえる構成とする。
具体的に、本発明は、タイミングチェーンシステムのオイル供給構造を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、エンジン本体の出力軸により駆動されるタイミングチェーンと、該タイミングチェーンにオイルを供給するオイルジェットとを備えたタイミングチェーンシステムのオイル供給構造であって、エンジン本体には、タイミングチェーンの走行をガイドするチェーンガイドと、エンジン本体におけるタイミングチェーン及びチェーンガイドを含む側面から間隔をおいて覆うタイミングチェーンカバーとが設けられ、オイルジェットは、エンジン本体の出力軸方向に延びると共にその内部に油路を有する中空部材であり、オイルジェットにおけるエンジン本体の出力軸方向の一端部は、エンジン本体に設けられた支持孔によって支持される一方、オイルジェットにおけるエンジン本体の出力軸方向の他端部は、タイミングチェーンカバーと当接しない位置にまで延びており、出力軸方向における、オイルジェットの他端部とタイミングチェーンカバーとの間には、チェーンガイドと一体で、且つオイルジェットの他端部と当接する押さえ部が設けられている。
このように、タイミングチェーンカバーは、タイミングチェーン及びチェーンガイドを含むエンジンの側面から間隔をおいて覆うと共に、オイルジェットの外側の端部とタイミングチェーンカバーとの間には、チェーンガイドと一体の押さえ部が、オイルジェットの外側の端部と当接するように設けられている。従って、エンジンの作動時の振動がオイルジェットを介してタイミングチェーンカバーに入力されることを防止できるので、タイミングチェーンカバーからの放射音の発生を抑制することができる。また、押さえ部はチェーンガイドと一体に設けられているため、該押さえ部を構成する追加の部品が不要となるので、エンジンの組み立て時の作業工程が増えることがない。
第2の発明は、上記第1の発明において、押さえ部は、エンジン本体の出力軸方向から見て、押さえ部の一端がオイルジェットの他端部と当接し、押さえ部の他端がチェーンガイドを介してエンジン本体に保持された板状部材であってもよい。
これによれば、押さえ部として、オイルジェットの他端部を側方から押さえる板状部材としたことにより、該押さえ部がばねとして作用する。すなわち、押さえ部に板ばねの作用を利用することにより、オイルジェットの他端部を適当な力で押さえることができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、エンジン本体の上方から見て、押さえ部の他端は、該押さえ部の一端よりも、出力軸方向のタイミングチェーンカバー側にずれていてもよい。
これによれば、押さえ部がオイルジェットの他端部に対して、出力軸方向のタイミングチェーンカバー側にずれた分だけ角度を付けて当接する。このため、オイルジェットの軸線方向に作用する押さえ力が生じやすくなるので、オイルジェットを適切に支持することができる。
第4の発明は、上記第1又は第2の発明において、チェーンガイドは、エンジン本体と締結するボルト孔を有し、該ボルト孔は、チェーンガイドにおけるオイルジェットの他端部の近傍に設けられており、押さえ部はボルト孔の近傍の部位から延設されていてもよい。
これによれば、特に、押さえ部が板状部材の場合には、板ばねの作用を効果的に得ることができる。
第5の発明は、上記第4の発明において、押さえ部は、オイルジェットの他端部の幅寸法とほぼ同等の幅を有していてもよい。
これによれば、押さえ部をコンパクトに形成することができるので、タイミングチェーンで囲まれた領域が狭くても、該タイミングチェーンがばたつく領域を避けて押さえ部を配設することができる。
第6の発明は、上記第1〜第5の発明において、タイミングチェーンは、出力軸に設けられたスプロケットと噛合しており、オイルジェットは、スプロケットとの噛み込み位置の近傍に配設されていてもよい。
これによれば、オイルジェットと、スプロケット及びタイミングチェーンとの間隔を小さくすることができるので、オイルポンプの油圧を低減でき、その結果、燃費を改善することが可能となる。
本発明によれば、タイミングチェーンカバーからの放射音の発生を抑制しながら、ボルトを用いることなくオイルジェットを支持可能なタイミングチェーンのオイル供給構造を実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物又はその用途を制限することを意図しない。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1はタイミングチェーンシステムのオイル供給構造を備えた車両用のエンジンの変速速機側の側面を表している。ここでは、タイミングチェーン等の駆動用のチェーンを覆うチェーンカバーの図示を省略している。
図1に示すように、エンジン1は、例えば、火花点火式内燃機関として構成されている。エンジン1は、図示は省略するが、車両における前部のエンジンルーム内で、いわゆる横置きに搭載される。但し、エンジン1は縦置きであってもよい。気筒数には制限はないが、例えば直列4気筒である。エンジン1のシリンダブロック2の下部に設けられた出力軸であるクランク軸10は、変速機(図示せず)を介して駆動輪に連結されている。クランク軸10の端部には、エンジン1側から、タイミングチェーン30の巻き掛け用の第1スプロケットであるクランク軸スプロケット11(図6を参照。)と、オイルポンプ用チェーン31の巻き掛け用の第2スプロケットであるオイルポンプ用チェーンスプロケット12と、変速機等に連結されるフライホイール(図示せず)と複数のボルトにより締結されるフライホイール締結プレート13とが、順次設けられている。このように、本実施形態においては、タイミングチェーン30を変速機側に設ける、いわゆるリアチェーンシステムを採る。
シリンダブロック2の上側に連結されたシリンダヘッド3には、クランク軸10の軸方向に互いに平行に延びる吸気カム軸14及び排気カム軸15が設けられている。吸気カム軸14の端部及び排気カム軸15の端部には、給気カムスプロケット16及び排気カムスプロケット17がそれぞれ取り付けられている。各カムスプロケット16、17の少なくとも一方には、可変バルブタイミング(VVT)機構が設けられていてもよい。
シリンダブロック2の側部には、燃料ポンプ駆動軸18と、該燃料ポンプ駆動軸18のシリンダブロック2側に取り付けられた燃料ポンプ用スプロケット19と、燃料ポンプ駆動軸18における燃料ポンプ用スプロケット19の外側に取り付けられたカムチェーンスプロケット20とが設けられている。
タイミングチェーン30は、クランク軸スプロケット11と、燃料ポンプ用スプロケット19とに巻き掛けられている。また、カムチェーン32は、給気カムスプロケット16及び排気カムスプロケット17と、カムチェーンスプロケット20とに巻き掛けられている。
シリンダブロック2の下側に連結されたロアシリンダブロック4の下方には、オイルポンプ駆動軸21と、該オイルポンプ駆動軸21に設けられたオイルポンプ用スプロケット22とが配設されている。
タイミングチェーン30には、クランク軸10と燃料ポンプ駆動軸18との間の張り側スパンの走行をガイドするタイミングチェーンガイド33が、シリンダブロック2に取り付けられている。タイミングチェーンガイド33におけるクランク軸10側のボルト43の近傍の端部には、該端部からタイミングチェーン30のクランク軸スプロケット11との噛み込み部の近傍にまで延伸する押さえ部33aが設けられている。該押さえ部33aの裏側(エンジン本体側)には、内部に油路を有し、タイミングチェーン30とクランク軸スプロケット11との噛み込み部に潤滑油(オイル)を噴射するオイルジェット50が設けられている。オイルジェット50におけるシリンダブロック2側の端部は、該シリンダブロック2に設けられた油路を含む孔部(支持孔)に嵌合される。タイミングチェーンガイド33の押さえ部33aは、オイルジェット50の外側(シリンダブロック2と反対側)の端部と当接して該オイルジェット50を支持する。従って、オイルジェット50におけるエンジン1の出力軸方向の外側の端部は、タイミングチェーンカバー42(図6を参照。)とは接しない。なお、本実施形態に係るタイミングチェーンガイド33に設けられた押さえ部33a、及びオイルジェット50の詳細な構成は後述する。
タイミングチェーン30におけるクランク軸10と燃料ポンプ駆動軸18との間の緩み側スパンには、タイミングチェーンテンショナアーム34を介して、タイミングチェーン30の緩み側に張力を付与するタイミングチェーンテンショナ(油圧オートテンショナ)35が、シリンダブロック2に保持されている。
同様に、カムチェーン32には、燃料ポンプ駆動軸18と吸気カム軸14との間の張り側スパンの走行をガイドするカムチェーンガイド36が、シリンダブロック2に保持されている。さらに、カムチェーン32における燃料ポンプ駆動軸18と排気カム軸15との間の緩み側スパンには、カムチェーンテンショナアーム37を介して、カムチェーン32の緩み側に張力を付与するカムチェーンテンショナ(油圧オートテンショナ)38が、シリンダブロック2に保持されている。
オイルポンプ用チェーン31には、クランク軸10とオイルポンプ駆動21との間の張り側スパンの走行をガイドするオイルポンプ用チェーンガイド39が、ロアシリンダブロック4に保持されている。さらに、オイルポンプ用チェーン31におけるクランク軸10とオイルポンプ駆動21との間の緩み側スパンには、オイルポンプ用チェーン31の緩み側に張力を付与するオイルポンプ用チェーンテンショナ40が、ロアシリンダブロック4に保持されている。
図1に示したタイミングチェーンシステムを備えたエンジン1の変速機側の側面(変速機取付け面)には、通常、図2に示すタイミングチェーンカバー42が該変速機取付け面を覆うように設けられる。タイミングチェーンカバー42は、各チェーンガイド33、36、39、各チェーンテンショナアーム34、37、40及び各チェーンテンショナ35、38を含め、各チェーン30、31、32とは接しないように設けられる。なお、タイミングチェーンカバー42におけるフライホイール締結プレート13を露出する開口部の内壁面には、該フライホイール締結プレート13の外周面を回動可能に支持するプレート支持部42aが設けられている。
(タイミングチェーンガイドの押さえ部及びオイルジェットの構成)
図3は本実施形態に係るタイミングチェーンガイドの構成を示し、図4はオイルジェットの構成を示している。また、図5は図1に示すタイミングチェーンガイド33及びオイルジェット50を含む領域の拡大斜視図を示している。図6は図5のVI−VI線における断面構成を示している。
図3は本実施形態に係るタイミングチェーンガイドの構成を示し、図4はオイルジェットの構成を示している。また、図5は図1に示すタイミングチェーンガイド33及びオイルジェット50を含む領域の拡大斜視図を示している。図6は図5のVI−VI線における断面構成を示している。
図1及び図3に示すように、タイミングチェーンガイド33は、チェーンの走行をガイドする別体の摺動部33cを有している。さらに、タイミングチェーンガイド33は、そのクランク軸10側の端部から裏面側(シリンダブロック2側)に屈曲しながら延びる、該タイミングチェーンガイド33と一体に形成された板状の押さえ部33aを有している。押さえ部33aは、その先端部の裏面(シリンダブロック2側の面)によってオイルジェット50の端面(第2端部50c)と当接する。これにより、オイルジェット50が油圧によりシリンダブロック2から抜け落ちることを防止できる。タイミングチェーンガイド33は、2本のボルト43によって、エンジン1のシリンダブロック2に取り付けられる。
オイルジェット50は、図4に示すように、例えば、有底筒状であって、シリンダブロック2に設けられた内部油路と連通する開口部50aが設けられた第1端部50bと、該第1端部50bと反対側で且つタイミングチェーンガイド33の押さえ部33aによって支持される第2端部50cとを有している。オイルジェット50の第2端部50cの近傍における下面、すなわちロアシリンダブロック4側の側面にはオイル噴射口50dが設けられており、該オイル噴射口50dからオイル55が噴射される。さらに、オイルジェット50の側面における中間部には、例えば、オイル噴射口50dの開口方向に延びると共に、廻り止め突起50eを保持する廻り止め保持部50fが設けられている。廻り止め突起50eは、筒状のオイルジェット50の回転を防止してその位置決めを行う突起部であり、シリンダブロック2の孔部に嵌合される。
図5は、図1におけるタイミングチェーンガイド33を含む領域を部分的に拡大した斜視図である。また、図6は、図5のVI−VI線における気筒軸の下方向を示す断面図である。図5及び図6に示すように、本実施形態に係るオイルジェット50は、タイミングチェーン30におけるクランク軸スプロケット11との噛み込み部の上側に配設されている。従って、オイルジェット50のオイル噴射口50dは、タイミングチェーン30のクランク軸スプロケット11との噛み込み部に向けられている。また、上述したように、タイミングチェーンガイド33の押さえ部33aは、オイルジェット50におけるシリンダブロック2と反対側の端部である第2端部50cと当接して該オイルジェット50を支持している。なお、図5においては、クランク軸10に設けられたフライホイール締結プレート13の図示を省略している。
一方、図6にはフライホイール締結プレート13とタイミングチェーンカバー42とを図示している。図6に示すように、タイミングチェーンガイド33に設けられたオイルジェット50用の押さえ部33aは、気筒軸方向から見て、該押さえ部33aの基部(タイミングチェーンガイド33の本体部)が該押さえ部33aの先端部と比べて、シリンダブロック2の外側(エンジン1と反対側)にずれている。このように、押さえ部33aがオイルジェットの第2端部に対して、外側にずれた分だけ角度を付けて当接する。これにより、オイルジェット50の長軸方向に作用する押さえ力(付勢力)が生じやすくなるので、該オイルジェット50を適切に支持することができる。さらに、押さえ部33aを、オイルジェットの第2端部50cを側方から押さえる板状としたことにより、該押さえ部33aが板ばねとして作用する。これにより、オイルジェット50の第2端部50cを適当な力で押さえることができる。すなわち、オイルジェット50の内部に油圧が加わって、押さえ部33aの方向に抜けようとする力が発生した場合や、オイルジェット50の長さが製造ばらつきによってノミナル長さよりも長く形成されてしまった場合に、オイルジェット50に作用する反力が過剰になってしまうことを板ばね作用によって抑制することができる。
また、図3及び図6に示すように、押さえ部33aは、ボルト43の近傍の部位から延びるように形成されているため、上述した板ばねの作用を効果的に得ることができる。具体的には、このような構成とすることにより、実質的に板ばねとして作用する部位を短く形成できるため、ボルト軸力を効率良く第2端部50cに伝達することができるので、板ばね作用による効果と併せて、適切な力でオイルジェット50を支持することができる。
さらに、押さえ部33aは、オイルジェット50の第2端部50cの幅寸法とほぼ同等の幅に設けられている。このため、該押さえ部33aをコンパクトに形成することができる。その結果、タイミングチェーン30及びクランク軸スプロケット11によって囲まれた領域が狭隘であっても、該タイミングチェーン30がばたつく領域を避けて、当該押さえ部33aを配置することができる。なお、本実施形態に係るタイミングチェーンガイド33のボルト43の頂部は、タイミングチェーンカバー42と接することはない。
また、本実施形態においては、クランク軸10には、エンジン1側から第1スプロケットであるクランク軸スプロケット11と、その外側の第2スプロケットであるオイルポンプ用チェーンスプロケット12とが設けられている。本実施形態に係るオイルジェット50は、内側(エンジン1側)のクランク軸スプロケット11の噛み込み位置の近傍に配設されているので、オイルジェット50と、クランク軸スプロケット11及びタイミングチェーン30との間隔を小さくすることができる。その結果、オイルジェット50とクランク軸スプロケット11及びタイミングチェーン30との間隔が大きいときと比べて、オイルを確実に必要箇所に供給することができるため、オイルジェット50への供給油量を相対的に少なくすることができるので、オイルポンプの油圧を下げることができる。
また、図6に示すように、本実施形態のように、リアチェーンシステムの場合には、オイルジェット50をクランク軸スプロケット11との噛み込み位置に近づけようとすると、クランク軸スプロケット11の径がフライホイール締結プレート13の径よりも小さいため、オイルジェット50は、フライホイール締結プレート13の裏側に隠れてしまう。しかしながら、本実施形態においては、オイルジェット50を支持する押さえ部33aを、タイミングチェーンカバー42ではなくタイミングチェーンガイド33に設けているため、フライホイール締結プレート13が該押さえ部33aの障害となることはなく、従って、エンジン1の全長を延ばすようなことも生じない。
以上説明したように、本実施形態によると、オイルジェット50に起因するタイミングチェーンカバー42からの放射音の発生を抑制しながら、ボルト等を用いることなく、すなわち、シリンダブロック2に専用のボス孔を設けることなくオイルジェット50を支持可能なタイミングチェーン30のオイル供給構造を得ることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るタイミングチェーンシステムのオイル供給構造について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の第2の実施形態に係るタイミングチェーンシステムのオイル供給構造について図面を参照しながら説明する。
図7は第2の実施形態に係るタイミングチェーンガイドを含む領域を部分的に拡大した斜視図である。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
図7に示すように、第2の実施形態に係るタイミングチェーンガイド33Aは、オイルジェット50の外側(シリンダブロック2と反対側)の端部と当接する押さえ部33bを2つのボルト43の間の領域に設けている。具体的には、タイミングチェーンガイド33Aにおける2つのボルト43の間の領域の内側(シリンダブロック2側)の面をオイルジェット50の押さえ部33bとしている。
押さえ部33bをこのように構成すると、オイルジェット50を、クランク軸スプロケット11とタイミングチェーン30との噛み合わせ部の近傍への配置はできないものの、タイミングチェーンガイド33Aから延設する突起状の押さえ部33aが不要となるので、タイミングチェーンガイド33Aの仕様及び製造が容易となる。
このような構成のタイミングチェーンガイド33Aにおいても、第1の実施形態と同様に、オイルジェット50に起因するタイミングチェーンカバー42からの放射音の発生を抑制しながら、ボルト等を用いることなくオイルジェット50を支持可能なタイミングチェーン30のオイル供給構造を得ることができる。
(他の実施形態)
第1及び第2の実施形態に係るタイミングチェーンのオイル供給構造は、車両用エンジンの変速機側にタイミングチェーン30を設ける構成としたが、該タイミングチェーン30が変速機と反対側の、すなわちフロント側に設ける、いわゆるフロントチェーンシステムを採るタイミングチェーンのオイル供給構造であってもよい。
第1及び第2の実施形態に係るタイミングチェーンのオイル供給構造は、車両用エンジンの変速機側にタイミングチェーン30を設ける構成としたが、該タイミングチェーン30が変速機と反対側の、すなわちフロント側に設ける、いわゆるフロントチェーンシステムを採るタイミングチェーンのオイル供給構造であってもよい。
本発明に係るタイミングチェーンシステムのオイル供給構造は、オイルジェットの支持構造による放射音を抑止できると共に、該オイルジェットを容易に支持可能なオイル供給構造として有用である。
1 エンジン(エンジン本体)
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
10 クランク軸
11 クランク軸スプロケット(第1スプロケット)
12 オイルポンプ用チェーンスプロケット(第2スプロケット)
13 フライホイール締結プレート
18 燃料ポンプ駆動軸
19 燃料ポンプ用スプロケット
20 カムチェーンスプロケット
21 オイルポンプ駆動軸
22 オイルポンプ用スプロケット
30 タイミングチェーン
31 オイルポンプ用チェーン
32 カムチェーン
33 タイミングチェーンガイド
33a 押さえ部
33A タイミングチェーンガイド
33b 押さえ部
33c 摺動部
34 タイミングチェーンテンショナアーム
35 タイミングチェーンテンショナ
42 タイミングチェーンカバー
42a プレート支持部
43 ボルト
50 オイルジェット
50a 開口部
50b 第1端部(一端部)
50c 第2端部(他端部)
50d オイル噴射口
50e 廻り止め突起
50f 廻り止め保持部
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
10 クランク軸
11 クランク軸スプロケット(第1スプロケット)
12 オイルポンプ用チェーンスプロケット(第2スプロケット)
13 フライホイール締結プレート
18 燃料ポンプ駆動軸
19 燃料ポンプ用スプロケット
20 カムチェーンスプロケット
21 オイルポンプ駆動軸
22 オイルポンプ用スプロケット
30 タイミングチェーン
31 オイルポンプ用チェーン
32 カムチェーン
33 タイミングチェーンガイド
33a 押さえ部
33A タイミングチェーンガイド
33b 押さえ部
33c 摺動部
34 タイミングチェーンテンショナアーム
35 タイミングチェーンテンショナ
42 タイミングチェーンカバー
42a プレート支持部
43 ボルト
50 オイルジェット
50a 開口部
50b 第1端部(一端部)
50c 第2端部(他端部)
50d オイル噴射口
50e 廻り止め突起
50f 廻り止め保持部
Claims (6)
- エンジン本体の出力軸により駆動されるタイミングチェーンと、該タイミングチェーンにオイルを供給するオイルジェットとを備えたタイミングチェーンシステムのオイル供給構造であって、
前記エンジン本体には、前記タイミングチェーンの走行をガイドするチェーンガイドと、前記エンジン本体における前記タイミングチェーン及びチェーンガイドを含む側面から間隔をおいて覆うタイミングチェーンカバーとが設けられ、
前記オイルジェットは、前記エンジン本体の出力軸方向に延びると共にその内部に油路を有する中空部材であり、
前記オイルジェットにおける前記エンジン本体の出力軸方向の一端部は、前記エンジン本体に設けられた支持孔によって支持される一方、前記オイルジェットにおける前記エンジン本体の出力軸方向の他端部は、前記タイミングチェーンカバーと当接しない位置にまで延びており、
前記出力軸方向における、前記オイルジェットの前記他端部と前記タイミングチェーンカバーとの間には、前記チェーンガイドと一体で、且つ前記オイルジェットの前記他端部と当接する押さえ部が設けられているタイミングチェーンシステムのオイル供給構造。 - 請求項1に記載のタイミングチェーンシステムのオイル供給構造において、
前記押さえ部は、前記エンジン本体の出力軸方向から見て、前記押さえ部の一端が前記オイルジェットの前記他端部と当接し、前記押さえ部の他端が前記チェーンガイドを介して前記エンジン本体に保持された板状部材であるタイミングチェーンシステムのオイル供給構造。 - 請求項2に記載のタイミングチェーンシステムのオイル供給構造において、
前記エンジン本体の上方から見て、前記押さえ部の他端は、前記押さえ部の一端よりも、出力軸方向の前記タイミングチェーンカバー側にずれているタイミングチェーンシステムのオイル供給構造。 - 請求項1又は2に記載のタイミングチェーンシステムのオイル供給構造において、
前記チェーンガイドは、前記エンジン本体と締結するボルト孔を有し、
前記ボルト孔は、前記チェーンガイドにおける前記オイルジェットの前記他端部の近傍に設けられており、
前記押さえ部は、前記ボルト孔の近傍の部位から延設されているタイミングチェーンシステムのオイル供給構造。 - 請求項4に記載のタイミングチェーンシステムのオイル供給構造において、
前記押さえ部は、前記オイルジェットの他端部の幅寸法とほぼ同等の幅を有しているタイミングチェーンシステムのオイル供給構造。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイミングチェーンシステムのオイル供給構造において、
前記タイミングチェーンは、前記出力軸に設けられたスプロケットと噛合しており、
前記オイルジェットは、前記スプロケットとの噛み込み位置の近傍に配設されているタイミングチェーンシステムのオイル供給構造。
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