JP4345501B2 - エンジンの補機駆動構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの補機駆動構造に関する。
エンジンの補機駆動構造の一つとして、クランクシャフトの駆動力をアイドルギヤを介して燃料ポンプに伝達する一方で、その燃料ポンプのポンプ軸の出力をタイミングベルトを介してカムシャフトに伝達する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、クランクギヤ、アイドルギヤ及びポンプギヤを含むギヤ列において、歯打ち音を防止すべく、上記アイドルギアにシザーズギヤを配設した構成が開示されている。
実用新案登録第2581022号公報 特開2002−195387号公報
ところで、上記特許文献2に開示されているように、シザーズギヤを設ける場合は、そのシザーズギヤをメインギヤ(特許文献2ではアイドルギヤ)に押さえ付ける押さえ部材が別途必要になる。そのため、部品点数が増加すると共に、押さえ部材の分だけギヤの軸方向に配設スペースが必要となり、エンジンの全長が長くなるという不都合がある。
また、上記特許文献1に開示された構造では、燃料ポンプのポンプ軸に対し、ポンプギヤを基端側に、ポンププーリを先端側にして、そのギヤ及びプーリを軸方向に並べて配設することになり、ポンプ軸が長くなると共に、その先端部にベルト張力が作用する。また、直噴ディーゼルエンジンでは高い燃圧が要求されるため、燃料ポンプの駆動負荷は高い。このように、燃料ポンプのポンプ軸が長くなることと、燃料ポンプの駆動負荷が高いこととが相俟って、そのポンプ軸を十分に支持する必要性が生じる。
さらに、上記特許文献1に開示された構造では、クランクギヤ、ポンプギヤ、アイドルギヤを含むギヤ列はギヤカバーに覆われる一方で、ポンププーリ、タイミングプーリ、タイミングベルトを含むベルト機構はベルトカバーに覆われる。ここで、上記燃料ポンプの配設位置では、ポンプギヤとポンププーリとの間にオイルシールを設けてギヤカバーが介在するが、ベルトカバーは通常、合成樹脂等によって形成されるため、ポンプギヤの歯打ち音が、オイルシールからベルトカバーを介して外部に漏れやすくなる。そのため、ポンプギヤにシザーズギヤを配置して歯打ち音を防止することが効果的であるが、その場合、上述したように、ポンプギヤとポンププーリとを配設することで長くなってしまうポンプ軸が、シザーズギヤとその押さえ部材とを配設することによって、さらに長くなってしまい、エンジンのコンパクト化が図れないと共に、ポンプ軸の支持の点でも不利である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ギヤ駆動とベルト駆動とを組み合わせたエンジンの補機駆動構造において、エンジン全長を抑えつつ、ギヤ列における歯打ち音の防止と、燃料ポンプの確実な支持と、物品点数の低減と、を同時に達成することにある。
本発明のエンジンの補機駆動構造は、気筒内に臨むインジェクタから該気筒内に燃料を噴射する直噴ディーゼルエンジンの補機駆動構造である。
この構造は、シリンダブロックに支持されて、上記インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプと、上記燃料ポンプのポンプ軸に取り付けられたポンプギアと、クランクシャフトに取り付けられたクランクギヤと、上記ポンプギアとクランクギアとの間に介設されて上記クランクシャフトの駆動力を燃料ポンプに伝達するアイドルギアと、上記ポンプギヤに配設されたシザーズギヤと、上記シリンダブロックに固定されて、上記クランクギヤ、ポンプギヤ、シザーズギヤ、及びアイドルギヤを含むギヤ列を覆うギヤカバーと、上記ポンプ軸における上記ポンプギアよりも先端側に取り付けられたポンププーリと、シリンダヘッド上に配置されたカムシャフトに取り付けられたタイミングプーリと、上記ポンププーリとタイミングプーリとの間に掛け渡されて、その各プーリを駆動連結するタイミングベルトと、上記ポンププーリ、タイミングプーリ、及びタイミングベルトを含むベルト機構を覆うベルトカバーと、上記ポンプ軸を支持するベアリングと、を備える。
そして、上記ギヤカバーは、上記ポンプギヤとポンププーリとの間に介在して、上記ポンプ軸との間を油密に保持するオイルシールを有し、上記ベアリングを、上記オイルシールよりもポンプギヤ側で上記ギヤカバーに凹設されたハウジング内に配設しており、上記シザーズギヤを、上記ポンプギヤのギヤカバー側の端面に配設していて、上記ベアリングのポンプギヤ側の端面が当接することによって上記ポンプギヤ側に押圧支持する。
この構成によれば、クランクギヤ、アイドルギヤ、及び上記燃料ポンプのポンプ軸の基端側に取り付けられたポンプギヤによってギヤ列が形成され、クランクシャフトの駆動力をそのギヤ列によって燃料ポンプに伝達して燃料ポンプを駆動する。また、上記ポンプ軸の先端側に取り付けられたポンププーリと、カムシャフトのタイミングプーリとは、タイミングベルトによって駆動連結される。上記ギヤ列はギヤカバーに覆われ、各プーリ及びタイミングベルトを含むベルト機構はベルトカバーに覆われる。このとき、ポンプギヤとポンププーリとの間に上記ギヤカバーが介在し、上記ポンププーリは、上記ギヤカバーとベルトカバーとの間に収容される。また、ポンプ軸との間に配設されたオイルシールによって、ギヤカバー内が油密に保持される。
そして、上記シリンダブロックに支持された燃料ポンプのポンプ軸は、ポンプギヤとポンププーリとの間の位置で、ギヤカバーのハウジング内に配設されたベアリングによって支持される。このように、上記ベアリングをポンプ軸の比較的先端側に配置することによって、ポンププーリを介して作用するベルト張力に抗することが可能になると共に、高い燃圧が要求される直噴エンジン用の燃料ポンプの高い駆動負荷に対応することが可能になる。
そして、上記ポンプギヤにはシザーズギアが配設されており、それによって歯打ち音が防止される。このポンプギヤの配設位置では、ギヤカバー内とベルトカバー内とがオイルシールによって区画されており、歯打ち音が発生した場合に、オイルシール及びベルトカバーを介して外部に音漏れし易いが、そのポンプギヤの歯打ち音をシザーズギヤによって防止することで、音漏れの発生が未然に防止される。
また、上記シザーズギヤは、上記ポンプギヤのギヤカバー側の端面に配設されて、上記ベアリングのポンプギヤ側の端面が当接することによって押圧支持される。このように上記ベアリングは、ポンプ軸の支持と、シザーズギヤの抑え部材とを兼用している。その結果、シザーズギヤの押さえ部材を別途設ける必要はなくなって部品点数の低減化が図られると共に、押さえ部材を省略する分だけエンジン全長が抑えられる。
上記ベアリングは、上記ポンプ軸に外嵌するインナーレースと、上記ハウジングの周壁に内嵌するアウターレースとを含み、上記シザーズギヤにおける上記ベアリング当接側の端面に、上記インナーレースの端面と当接する環状凸部と、該環状凸部の径方向外側位置で凹陥し、上記アウターレースとは非接触な環状凹部とを形成してもよい。
この構成によると、上記シザーズギヤに形成した環状凸部は、ベアリングのインナーレースに当接し、それによって、上記シザーズギヤはポンプギヤ側に押圧される。一方、上記ベアリングのアウターレースは、シザーズギヤに形成した環状凹部に位置し、それによって、アウターレースは上記シザーズギヤとは非接触となる。その結果、シザーズギヤは、ポンプギヤと一体的に回転し、その回転は阻害されることがない。
上記クランクギヤと上記ポンプギヤとの間に2つのアイドルギヤを介設し、上記クランクギヤに、歯打ち音防止機構を設けてもよい。
この構成では、クランクギヤ、2つのアイドルギヤ、ポンプギヤによってギヤ列が形成され、その駆動入力側がクランクギヤ、出力側がポンプギヤとなる。そして、ポンプギヤにはシザーズギヤを配設することによって、ギヤ列の出力側において歯打ち音が防止される。また、クランクギヤには歯打ち音防止機構(シザーズギヤ、フリクションギヤを含む)を設けることによって、ギヤ列の入力側において歯打ち音が防止される。このように、ギヤ列の駆動入力側及び出力側との双方で歯打ち音を防止することによって、多数のギヤで構成されるギヤ列において、歯打ち音を防止する機構を不必要に増やすことなく、効果的に歯打ち音を防止することができる。
以上説明したように、本発明の補機駆動構造は、ポンプ軸を支持するベアリングによって、ポンプギヤに設けたシザーズギヤを押さえる構造であり、そのシザーズギヤの押さえ部材を必要としないため、部品点数を低減しかつ、エンジンの全長を抑えつつ、歯打ち音を防止することができる。
また、上記ベアリングは、ポンプギヤよりも先端側で上記ポンプ軸を支持するため、ポンプ軸の先端側に作用するベルト張力や燃料ポンプの高い駆動負荷に抗して、上記ポンプ軸を確実に支持することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る筒内直噴式ディーゼルエンジン1の平面図である。このエンジン1は、その本体部の長手方向であるエンジン前後方向(図の左右方向)に第1、第2、第3、第4の4つの気筒2,2,…が前側(図の左側)から後側(図の右側)に向かって順番に並設された直列4気筒エンジンであり、エンジン1の右側(図の上側)には吸気系が、その左側(図の下側)には排気系がそれぞれ設けられている。
上記エンジン1の吸気側には、各気筒2の燃焼室に吸気を供給するための吸気マニホールド3と、各気筒2のインジェクタ4,4,…に高圧の燃料を分配して供給するためのコモンレール5とが配設されている。このコモンレール5は、図1では図示を省略する燃料ポンプ51から燃料の供給を受けて、独立燃料管41によって上記インジェクタ4それぞれに燃料を供給する。
一方、上記エンジン1の排気側には、気筒2内の燃料室から既燃ガスを排出するための排気マニホールド15が配設されている。
上記インジェクタ4は、気筒2毎にその中心線に沿うように配置されて、シリンダヘッド14に対して直立に支持されており、図示は省略するがその先端の噴孔が気筒2内に臨む一方、その基端側の部分は、シリンダヘッドカバー11の幅方向略中央部に形成された共通の開口部12を貫通して上方に突出している。
図2は、吸気系及び排気系等のいくつかの部材を取り除いて、上記エンジン1を前側から見た正面図である。同図において、13はシリンダブロック、14はシリンダブロック13の上側に配設されるシリンダヘッド、21は上記シリンダブロック13の下部に取り付けられたギヤケースである。
上記ギヤケース21は、後述するギヤ列を収容するケースであり、図3に示すように、上記シリンダブロック13側に配置されるリヤカバー21aと、このリヤカバー21aの前側に配置されるフロントカバー21bとからなり、両カバー21a,21bがエンジン前後方向に重なった状態で、複数のボルトによって上記シリンダブロック13に固定されている。
図2,3に示すように、上記シリンダブロック13の下部位置において、上記気筒列方向に延びるクランクシャフト6の前端側には、そのクランクシャフト6と一体的に回転するクランクギヤ61が取り付けられている。また、上記ギヤケース21の吸気側上部位置には、上記コモンレール5に燃料を供給する燃料ポンプ51が配設されており、この燃料ポンプ51はリヤカバー21aを介して上記シリンダブロック13に支持されている。この燃料ポンプ51のポンプ軸51aには、その基端側にポンプギヤ52が取り付けられていて、このポンプギヤ52は、上記ポンプ軸51aと一体的に回転する。
上記ポンプギヤ52とクランクギヤ61との間には、第1及び第2アイドルギヤ62,63が配設されていて、第1アイドルギヤ62は上記ポンプギヤ52と噛み合う一方、第2アイドルギヤ63は上記クランクギヤ61と噛み合う。上記第1及び第2アイドルギヤ62,63はそれぞれ、シリンダブロック13に固定された軸部62a,63aに外挿した状態でその軸部62a,63aに回転可能に支持されており、これにより、上記クランクシャフト6の駆動力が、第1及び第2アイドルギヤ62,63を介して上記ポンプ軸51aに伝達される。
上記ポンプギヤ52のエンジン下方位置には、真空ポンプ(図示省略)の駆動軸に取り付けられた真空ポンプギヤ64が配設され、その真空ポンプギヤ64の吸気側斜め下方位置には、パワーステアリング装置用の油圧ポンプ(図示省略)に取り付けられた油圧ポンプギヤ65が配設されている。上記真空ポンプギヤ64は、上記第1アイドルギヤ62と噛み合い、上記油圧ポンプギヤ65は、上記真空ポンプギヤ64と噛み合う。
上記クランクギヤ61にはさらに、そのクランクギヤ61の排気側斜め上方に配設された第3アイドルギヤ66と、オイルポンプ(図示省略)の駆動軸に取り付けられ、上記クランクギヤ61の下側に位置するオイルポンプギヤ67とがそれぞれ噛み合っている。
上記クランクシャフト6に対して吸気側には右側バランスシャフト(図示省略)が、排気側には左側バランスシャフト(図示省略)が、それぞれ上記クランクシャフト6と平行に、シリンダブロック13に回転支持されていて、右側バランスシャフトの前端部分に取り付けられた右バランサーギヤ68は、上記第1アイドルギヤ62と噛み合う一方、左側バランスシャフトの前端部分に取り付けられた左バランサーギヤ69は、上記クランクギヤ61に噛合する第3アイドルギヤ66と噛み合う。
上記クランクギヤ61、ポンプギヤ52、真空ポンプギヤ64、油圧ポンプギヤ65、オイルポンプギヤ67、左右バランサーギヤ68,69、第1〜第3アイドルギヤ62,63,66は共に、上記ギヤケース21内に収容されている。
そして、上記クランクギヤ61、ポンプギヤ52、第1及び第2アイドルギヤ62,63からなるギヤ列において、その駆動入力側のギヤである上記クランクギヤ61には、歯打ち音防止機構としてフリクションギヤ71が取り付けられている。このフリクションギヤ71は、クランクギヤ61に対して歯数が1つ少ないギヤであって、バッフルプレート72及びスプリング73によって、クランクギヤ61の前端面に押圧されている。尚、このフリクションギヤ71は上記第2アイドルギヤ63とは噛み合う一方で、第3アイドルギヤ66とは噛み合わないようになっている。
尚、詳しくは後述するが、上記ギヤ列の駆動出力側のギヤである上記ポンプギヤ52には、シザーズギヤ8が配設されている。
上記燃料ポンプ51のポンプ軸51aにおいて、上記ポンプギヤ52よりも先端側(エンジン1の前方側)には、ポンププーリ91が取り付けられていて、このポンププーリ91は上記ポンプ軸51aと一体的に回転する。
また、上記シリンダヘッド14には、吸気側及び排気側の2つのカムシャフト(図示省略)がエンジン1の左右方向に並んだ状態で、それぞれエンジン1の前後方向に延びて配設されており、図2に示すように、2つのカムシャフトそれぞれの前端部分に、吸気側及び排気側のタイミングプーリ92,93が取り付けられている。
上記ポンププーリ91と各タイミングプーリ92,93とは、タイミングベルト94によって駆動連結されている。タイミングベルト94は、ポンププーリ91から排気側のタイミングプーリ93、吸気側のタイミングプーリ92を経て、再びポンププーリ91に回行するようになっており、タイミングベルト94の緩み側(図2の右側)スパンには、オートテンショナ95が配置される一方、その張り側(図2の左側)スパンにはアイドラプーリ96が配置されている。
上記の各プーリ91〜93、タイミングベルト94、テンショナ95,アイドラ96によって構成されるベルト機構は、図2,3に示すようにエンジン1の前端面に取り付けられた、例えば合成樹脂等からなるベルトカバー22に覆われている。尚、ベルトカバー22は、上記ポンププーリ91の配設位置では、フロントカバー21bの前端面に当接しており、これにより、上記ポンププーリ91は上記ベルトカバー22とフロントカバー21bとの間に収容される。
次に、上記ポンプギヤ52及びポンププーリ91の配設構造について、図3,4を参照しながら詳細に説明する。上述したように、このポンプギヤ52は、燃料ポンプ51のポンプ軸51aの基端側に取り付けられていて、その外周に歯が形成されたギヤ本体部53と、上記ポンプ軸51aに外嵌してその先端がフロントカバー21bに形成された開口部からエンジン1前方に突出するボス部54とからなる。
上記ギヤ本体部53のエンジン前側の端面には、環状の凹溝53aが形成されていて、この凹溝53a内にトーションスプリング83が収容される。
上記シザーズギヤ8は、上記ギヤ本体部53のフロントカバー側(エンジン1前側)の端面に配置される。このシザーズギヤ8は、比較的薄肉の環状体であって、その外周に上記ポンプギヤ52と同じ数の歯を有するギヤである。上記シザーズギヤ8のフロントカバー側(エンジン1の前側)の端面には、その径方向内側位置において、エンジン前側に突出する環状凸部81が形成されていると共に、その環状凸部81の径方向外側位置において凹陥する環状凹部82が形成されている。
上記トーションスプリング83は、図4(a)に示すように、環体の一部が切り欠かれた有端円弧状の部材であって、その2つの端部の一方は、ポンプギヤ52側に固定されたピン84と係合する係合部とされ、他方は、シザーズギヤ8側に固定されたピン85に係合する係合部とされている。このトーションスプリング83は、互いに重ね合わされた上記ポンプギヤ52とシザーズギヤ8とを、周方向に相対変位するように付勢するものであり、これにより、駆動ギヤ(ここでは第1アイドルギヤ62)の歯が、上記ポンプギヤ52の歯とシザーズギヤ8の歯とによって挟み付けられて、歯打ち音が防止される。
上記ポンプギヤ52のボス部54には、ベアリング25のインナーレース25aが外嵌していて、このベアリング25のアウターレース25bは、フロントカバー21bのギヤ本体部53側に凹設されたハウジング23の周壁に内嵌している。こうして、上記ハウジング23内に配設されたベアリング25によって、上記ポンプギヤ52のボス部54、換言すれば燃料ポンプ51のポンプ軸51aにおける、上記ギヤ本体部53よりも先端側が支持される。
上記ベアリング25のインナーレース25aは、上記シザーズギヤ8に形成した環状凸部81と当接していて、このベアリング25によってシザーズギヤ8がギヤ本体部53側に押圧される。このとき、ベアリング25のアウターレース25bはシザーズギヤ8に形成した環状凹部82に位置し、アウターレース25bはシザーズギヤ8とは非接触となっている。こうして、上記シザーズギヤ8は上記ポンプギヤ52と一体的に回転し、上記ベアリング25によってその回転が阻害されないようにしている。
上記フロントカバー21bの、上記ボス部54が貫通する開口部にはオイルシール24が配設されており、このオイルシール24によって上記ボス部54との間を油密に保持している。そして、上記フロントカバー21bよりもエンジン前方に突出した上記ポンプギヤ52のボス部54の前端面に、このポンプギヤ52と同軸にポンププーリ91が配設され、上記ボス部54とポンププーリ91とがボルトによって互いに結合されている。このように、フロントカバー21bは、上記ポンプギヤ52のギヤ本体部53とポンププーリ91との間に介在した状態となっている。
以上説明したように上記のエンジン1では、ポンプ軸51aを支持するベアリング25を、フロントカバー21bに凹設したベアリング25収容室に収容し、そのベアリング25によって、ポンプ軸51aの比較的先端側が支持される。それによって、そのポンプ軸51aの先端側にポンププーリ91が配設されることでポンプ軸51aの先端部に作用するベルト張力に抗することができると共に、コモンレール式の直噴エンジン1であるために、高い燃圧が要求される燃料ポンプ51の高い駆動負荷にも対応することができる。
そして、そのポンプ軸51aに取り付けたポンプギヤ52(ギヤ本体部53)の前端面にシザーズギヤ8を設け、そのシザーズギヤ8を上記ベアリング25によってギヤ本体部53側に押さえつける。その結果、シザーズギヤ8の押さえ部材を別途設ける必要はなくなり、部品点数の低減と、エンジン1の全長を抑えることとが可能になる。また、ポンプギヤ52にシザーズギヤ8を設けることによって歯打ち音が防止される。
さらに、燃料ポンプ51のポンプ軸51aは、オイルシール24を介してフロントカバー21bからベルトカバー22内に突出しており、そのポンプギヤ52において歯打ち音が発生した場合には、オイルシール及び合成樹脂製のベルトカバー22を介して外部に音漏れし易いが、そのポンプギヤ52の歯打ち音は、シザーズギヤ8を設けることによって防止されるため、音漏れの発生を未然に防止することができる。
さらに、クランクギヤ61、第1及び第2アイドルギヤ62,63、及びポンプギヤ52からなるギヤ列において、その入力側のクランクギヤ61にフリクションギヤ71を設けることによって、ギヤ列の入力側と出力側との双方で歯打ち音が防止される。その結果、歯打ち音を防止する機構を不必要に増やすことなく、効果的に歯打ち音の発生を防止することができる。
尚、本発明は、DOHCエンジンに限定されるものではない。例えばSOHCエンジンに適用することも可能である。
実施の形態に係るエンジンの平面図である。 吸排気系等の部材を取り外した状態におけるエンジンの正面図である。 ギヤ列を示す図2のA−A断面図である。 (a)シザーズギヤを設けたポンプギヤを示す平面図、(b)そのB−B断面図である。
符号の説明
1 エンジン
13 シリンダブロック
14 シリンダヘッド
21b フロントカバー(ギヤカバー)
22 ベルトカバー
23 ハウジング
24 オイルシール
25 ベアリング
25a インナーレース
25b アウターレース
51 燃料ポンプ
51a ポンプ軸
52 ポンプギヤ
6 クランクシャフト
61 クランクギヤ
62 第1アイドルギア
63 第2アイドルギア
71 フリクションギヤ(歯打ち音防止機構)
8 シザーズギヤ
81 環状凸部
82 環状凹部
91 ポンププーリ
92,93 タイミングプーリ
94 タイミングベルト

Claims (3)

  1. 気筒内に臨むインジェクタから該気筒内に燃料を噴射する直噴ディーゼルエンジンの補機駆動構造であって、
    シリンダブロックに支持されて、上記インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプと、
    上記燃料ポンプのポンプ軸に取り付けられたポンプギアと、
    クランクシャフトに取り付けられたクランクギヤと、
    上記ポンプギアとクランクギアとの間に介設されて上記クランクシャフトの駆動力を燃料ポンプに伝達するアイドルギアと、
    上記ポンプギヤに配設されたシザーズギヤと、
    上記シリンダブロックに固定されて、上記クランクギヤ、ポンプギヤ、シザーズギヤ、及びアイドルギヤを含むギヤ列を覆うギヤカバーと、
    上記ポンプ軸における上記ポンプギアよりも先端側に取り付けられたポンププーリと、
    シリンダヘッド上に配置されたカムシャフトに取り付けられたタイミングプーリと、
    上記ポンププーリとタイミングプーリとの間に掛け渡されて、その各プーリを駆動連結するタイミングベルトと、
    上記ポンププーリ、タイミングプーリ、及びタイミングベルトを含むベルト機構を覆うベルトカバーと、
    上記ポンプ軸を支持するベアリングと、を備え、
    上記ギヤカバーは、上記ポンプギヤとポンププーリとの間に介在して、上記ポンプ軸との間を油密に保持するオイルシールを有し、
    上記ベアリングは、上記オイルシールよりもポンプギヤ側で上記ギヤカバーに凹設されたハウジング内に配設されており、
    上記シザーズギヤは、上記ポンプギヤのギヤカバー側の端面に配設されていて、上記ベアリングのポンプギヤ側の端面が当接することによって上記ポンプギヤ側に押圧支持されている補機駆動構造。
  2. 請求項1に記載の補機駆動構造において、
    上記ベアリングは、上記ポンプ軸に外嵌するインナーレースと、上記ハウジングの周壁に内嵌するアウターレースとを含み、
    上記シザーズギヤにおける上記ベアリング当接側の端面には、上記インナーレースの端面と当接する環状凸部と、該環状凸部の径方向外側位置で凹陥し、上記アウターレースとは非接触な環状凹部とが形成されている補機駆動構造。
  3. 請求項1又は2に記載の補機駆動構造において、
    上記クランクギヤと上記ポンプギヤとの間には2つのアイドルギヤが介設されており、
    上記クランクギヤには、歯打ち音防止機構が設けられている補機駆動構造。
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