JP2018080305A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形品表面へのブリードアウトが低減化でき、かつ、耐候性試験後の引張強度保持率に優れる成形品を提供し得るポリアセタール樹脂組成物を得る。【解決手段】(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物0.001〜0.2質量部と、(C)タルク0.0001〜0.1質量部と、(D)耐候安定剤0.1〜2.0質量部と、を、含むポリアセタール樹脂組成物であって、前記(D)耐候安定剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤を含む、ポリアセタール樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂は結晶性樹脂であり、剛性、強度、靭性、摺動性、及びクリープ性に優れた樹脂材料であるため、従来から、自動車部品、電気・電子部品、及び工業部品などの機構部品用材料等として広範囲に亘って用いられている。
しかしながらポリアセタール樹脂自体は、太陽光、及び紫外線などの光エネルギーや熱エネルギーに非常に弱く、長期間大気に曝すと、成形品表面にクラックが発生し、強度低下を引き起こす。そのため、太陽光、及び紫外線に曝される環境下で使用する場合は、耐候安定剤を添加するのが一般的である。
また、最近ポリアセタール成形部品は、小型化・薄肉化・精密化の要求が高まっており、従来よりも熱履歴のかかる成形方法及び条件設定が増えている。例えばピンゲート金型による成形、ハイサイクル成形あるいは高粘度ポリアセタール樹脂を用いた小型・薄肉・精密部品の成形方法等が挙げられる。これら成形方法においては、剪断速度が上昇したり、可塑化時間を短縮するためにスクリュー回転や成形温度を上げたりすることにより、通常の成形方法よりも高い熱履歴を受ける。
その他、一般的な成形方法にあっても、成形不良、例えばフローマーク、ウェルドライン、ジェッテイング等が発生した時は樹脂温度を上げることで対応することが多く、これも熱履歴がかかる要因となる。
また、金型にホットランナーを使用する場合には、樹脂の部分的な滞留が発生することによって樹脂温度が上がり、樹脂の分解が起きる可能性もある。
上述のような、熱履歴がかかる成形方法及び条件設定において、耐候安定剤を添加する処方では、耐候安定性と熱安定性とのバランスを取るのが困難であり、耐候安定性を重視すると熱安定性が劣ってしまうという問題がある。
また、特に自動車の内装部品の分野においては、ホルムアルデヒドを含む揮発性有機化合物(VOC)の放出量を低減させる要求が高まってきており、耐候安定性と熱安定性のバランスの取れた樹脂組成物が求められている。
ポリアセタール樹脂の耐候安定性を向上させるために、従来からさまざまな方法が提案されている。
例えば、ヒンダードアミン系光安定剤と蓚酸アニリド系紫外線吸収剤の併用(例えば、特許文献1参照)、ヒンダードアミン系光安定剤とベンゾフェノン系紫外線吸収剤との併用(例えば、特許文献2参照)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤との併用(例えば、特許文献3参照)、各種紫外線吸収剤、脂肪酸エステル及びヒンダードアミン系光安定剤の併用(例えば、特許文献4参照)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤と酸化防止剤との併用(例えば、特許文献5参照)などが挙げられる。
しかしながら、いずれの方法も耐候安定性は改良されているが、ポリアセタール樹脂成形品からのホルムアルデヒド放出の低減が十分でないという問題を有している。
また、ポリアセタール樹脂成形品からのホルムアルデヒド放出量を低減させる手段として、例えば、ポリアミド及びヒドラジン誘導体の添加(例えば、特許文献6参照)、ヒドラジド化合物の添加(例えば、特許文献7参照)、メラミン及びメラミン誘導体及びジカルボン酸ヒドラジドから選ばれた窒素化合物の添加(例えば、特許文献8参照)、ベンゾグアナミンの添加(例えば、特許文献9参照)、ペレット表面に多価アルコール化合物の脂肪酸部分エステルを付着させる方法(例えば、特許文献10参照)、モノN−置換尿素の添加(例えば、特許文献11参照)、酸解離指数が3.6以上のカルボキシル基含有化合物の添加(例えば、特許文献12参照)、フェノール類と塩基性窒素含有化合物とアルデヒド類との縮合物の添加(例えば、特許文献13参照)、ヒダントイン又はイミダゾールの添加(例えば、特許文献14参照)、塩基解離指数が2〜8の低分子量アミノ化合物の添加(例えば、特許文献15参照)などが提案されているが、いずれも耐候安定性が十分ではないという問題を有している。
また、耐候安定性と成形品から放出されるホルムアルデヒドの低減化を改良した方法として、ヒンダードフェノール系とトリアジン環を有するスピロ化合物の添加する方法(例えば、特許文献16参照)が提案されているが、ポリアセタール樹脂成形品からのホルムアルデヒド放出の低減化については、十分な改良がなされていないという問題を有している。
特開昭57−98545号公報 特開昭59−133245号公報 特開昭60−195155号公報 特開昭61−47744号公報 特開平6−157871号公報 特開昭51−111857号公報 特開平4−345648号公報 特許第3024802号公報 特開昭62−190248号公報 特開平6−107900号公報 特開平11−335519号公報 特開2000−239484号公報 特開2002−212384号公報 特許第3310467号公報 特表2002−541288号公報 国際公開第02/024807号パンフレット
上述の従来提案されている技術においては、耐候安定性、熱安定性、及びポリアセタール樹脂成形品からのホルムアルデヒド放出の低減化のいずれにも優れたポリアセタール樹脂組成物は未だ得られていないという問題を有している。
特に、特許文献7に記載されている技術においては、ヒドラジド化合物は溶融状態でのポリアセタール樹脂の分解によるホルムアルデヒドの発生を抑制する作用がなく、上記したような成形方法や、樹脂温度が部分的に高くなるような成形方法には適してないという問題を有している。
また、特許文献14に記載されている技術においては、条件によっては加水分解等によりヒドラジンを発生する場合があり、ヒドラジド化合物を用途に応じて他の添加剤と組み合わせる場合、その使用が制限される場合があるという問題を有している。
その他にも、ヒドラジド化合物は多量に配合されると、成形時のモールドデポジットや成形品表面へのブリードアウト等の問題が発生する可能性があるという問題を有している。
このようにヒドラジド化合物を用いると、ホルムアルデヒド発生量を抑制する効果に優れているものの、成形時のモールドデポジットや成形品表面へのブリードアウト等が発生するおそれがあるため、その使用量に制限が加えられているという問題がある。
そこで本発明は、成形品表面へのブリードアウトが低減化でき、かつ、耐候性試験後の引張強度保持率に優れた成形品を提供し得るポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、ポリアセタール樹脂に対して、窒素含有ヒンダードフェノール化合物、タルク、及び耐候安定剤を、特定の割合で含有し、かつ耐候安定剤として特定の材料を含むもの用いたポリアセタール樹脂組成物が、前記従来技術の問題点を解決でき、かつ、成形品表面の外観性の向上、モールドデポジット性の向上による成形金型洗浄工程及びメンテナンス工程等を簡略化でき、コストダウンの効果も得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は下記のとおりである。
〔1〕
(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、
(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物0.001〜0.2質量部と、
(C)タルク0.0001〜0.1質量部と、
(D)耐候安定剤0.1〜2.0質量部と、
を、含むポリアセタール樹脂組成物であって、
前記(D)耐候安定剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤を含む、ポリアセタール樹脂組成物。
〔2〕
前記(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物の含有量が、前記(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.001〜0.15質量部である、前記〔1〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔3〕
前記(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物がヒドラジン構造を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔4〕
(E)安定剤として、アミノ置換トリアジン化合物、尿素誘導体、ヒドラジド誘導体、アミド化合物、ポリアミド、及びアクリルアミド重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種を、さらに含む、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のポリアセタール樹脂組成物。
本発明によれば、成形品表面へのブリードアウトが低減化でき、かつ、耐候性試験後の引張強度保持率に優れる成形品を提供し得るポリアセタール樹脂組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔ポリアセタール樹脂組成物〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、
(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、
(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物0.001〜0.2質量部と、
(C)タルク0.0001〜0.1質量部と、
(D)耐候安定剤0.1〜2.0質量部と、
を、含有し、
前記(D)耐候安定剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤を含む、ポリアセタール樹脂組成物である。
以下、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
((A)ポリアセタール樹脂)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物に含まれる(A)ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基を主鎖に有するポリマーをいい、例えば、ホルムアルデヒド単量体、又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる実質上オキシメチレン単位のみからなるポリアセタールホモポリマー;ホルムアルデヒド単量体、又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコール、ジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、又は環状ホルマールとを共重合させて得られたポリアセタールコポリマー;単官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマー;多官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマー等が挙げられる。
さらに、(A)ポリアセタール樹脂としては、両末端又は片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリアセタールホモポリマー;同じく両末端又は片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテルや環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するポリアセタールコポリマーなども用いることができる。
<ポリアセタールホモポリマー>
前記ポリアセタールホモポリマーは、例えば、モノマーであるホルムアルデヒド、連鎖移動剤(分子量調節剤)及び重合触媒を、炭化水素系重合溶媒を導入した重合反応器にフィードし、スラリー重合法により重合することにより製造することができる。
この際、原料モノマーや連鎖移動剤、重合触媒には、連鎖移動可能な成分(不安定末端基を生成する成分)、例えば、水やメタノール及び蟻酸、が含まれているため、まずこれら連鎖移動可能な成分の含有量を調整することが好ましい。
この時の連鎖移動可能な成分の含有量は、モノマーであるホルムアルデヒドに対して、好ましくは1〜1000ppmの範囲であり、より好ましくは1〜500ppm、さらに好ましくは1〜300ppmである。
連鎖移動可能な成分の含有量を上記範囲に調整することにより、熱安定性に優れるポリアセタール樹脂ホモポリマーを得ることができる。
ポリアセタールホモポリマーの分子量は、無水カルボン酸又はカルボン酸等の分子量調節剤を用いて連鎖移動させることにより調整することができる。
分子量調節剤としては、特に無水プロピオン酸、無水酢酸が好ましく、より好ましくは無水酢酸である。
分子量調節剤の導入量は、目的とするポリアセタールホモポリマーの特性(特にメルトフローレート)に応じて調節し決定する。例えば、ポリアセタールホモポリマーは、メルトフローレート(MFR値(ISO1133に準拠))が、0.1〜100g/10分の範囲になるようにすることが好ましく、より好ましくは1.0g/10分〜70g/10分の範囲になるようにする。
ポリアセタールホモポリマーのMFR値を上記範囲とすることにより、機械強度に優れるポリアセタールホモポリマーを得ることができる。
重合触媒としては、アニオン系重合触媒が好ましく、下記一般式(I)で表されるオニウム塩系重合触媒がより好ましい。
[R1234M]+- ・・・(I)
(式(I)中、R1、R2、R3、R4は、各々、独立にアルキル基を示し、Mは孤立電子対を持つ元素を示し、Xは求核性基を示す。)
他の重合触媒としては、オニウム塩系重合触媒が挙げられ、当該オニウム塩系重合触媒のなかでも、テトラエチルホスホニウムイオダイド、トリブチルエチルホスホニウムイオダイドのような第4級ホスホニウム塩系化合物や、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムアセテートのような第4級アンモニウム塩系化合物が好ましい。
これら第4級ホスホニウム塩系化合物や第4級アンモニウム塩系化合物の添加量は、ホルムアルデヒド1モルに対して0.0003〜0.01molであることが好ましく、より好ましくは0.0008〜0.005molであり、さらに好ましくは0.001〜0.003molである。
炭化水素系重合溶媒としては、ホルムアルデヒドと反応しない溶媒であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼンなどの溶媒が挙げられる。
これらの炭化水素系溶媒は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできるが、ヘキサンが特に好ましい。
ポリアセタールホモポリマーの重合工程においては、先ず、粗ポリアセタールホモポリマーを得、続いて、後述するように、不安定末端基に対して安定化処理を施すことが好ましい。
粗ポリアセタールホモポリマーを製造する重合装置は、モノマーであるホルムアルデヒド、連鎖移動剤(分子量調節剤)、重合触媒と炭化水素系重合溶媒を同時に供給できる装置であれば特に限定されるものではないが、生産性の観点から連続式重合装置が好ましい。
重合工程により得られた粗ポリアセタールホモポリマーは、重合体の末端基が熱的に不安定であるので、この不安定末端基をエステル化剤やエーテル化剤等でポリマー末端基を封鎖し、安定化処理することが好ましい。
エステル化による粗ポリアセタールホモポリマーの末端安定化は、例えば、粗ポリアセタールホモポリマーと、前記エステル化剤及びエステル化触媒とを、炭化水素系溶媒を導入した末端安定化反応機にそれぞれ投入し、反応させることによって行うことができる。
この時の反応温度や反応時間について限定はないが、例えば、反応温度が130〜155℃であり、反応時間は1〜100分間であることが好ましく、反応温度が135〜155℃であり、反応時間が5〜100分であることがより好ましく、反応温度が140〜155℃であり、反応時間が10〜100分であることがさらに好ましい。
上記粗ポリアセタールホモポリマーの末端基を封鎖し安定化する前記エステル化剤としては、下記一般式(II)で表される酸無水物を用いることができる。
5COOCOR6 ・・・(II)
(式(II)中、R5、R6は、各々、独立にアルキル基を示す。R5、R6は、同じであっても異なっていてもよい。)
当該エステル化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水プロピオン酸、無水酢酸が挙げられ、好ましくは無水酢酸である。
これらエステル化剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記エステル化触媒としては、炭素数1〜18のカルボン酸のアルカリ金属塩が好ましく、その添加量は、ポリアセタールホモポリマーに対して、1〜1000ppmの範囲で適宜選択することができる。
炭素数1〜18のカルボン酸のアルカリ金属塩としては、以下に限定されるものではないが、例えば、カルボン酸が蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプリル酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸のアルカリ金属塩が挙げられ、当該アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。
これらカルボン酸金属塩の中でも、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、及び酢酸カリウムのアルカリ金属塩が好ましい。
上述した粗ポリアセタールホモポリマーの末端基を、エーテル化により封鎖し、安定化することも可能である。
この場合のエーテル化剤としては、脂肪族又は芳香族酸と、脂肪族、脂環式族又は芳香族アルコールとのオルトエステル、例えば、メチル又はエチルオルトホルメート、メチル又はエチルオルトアセテート及びメチル又はエチルオルトベンゾエート、及びオルトカーボネート、具体的にはエチルオルトカーボネートから選択し、p−トルエンスルホン酸、酢酸及び臭酸のような中強度有機酸、ジメチル及びジエチルスルフェートのような中強度鉱酸等のルイス酸型の触媒を用いて得ることができる。
粗ポリアセタールホモポリマーの末端基を、エーテル化により封鎖し、安定化するときの、当該エーテル化反応に用いる溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びベンゼン等の低沸点脂肪族有機溶媒;脂環式族及び芳香族炭化水素系有機溶媒;塩化メチレン、クロロホルム及び四塩化炭素等のハロゲン化低級脂肪族等の有機溶媒が挙げられる。
上記の方法により末端基が安定化されたポリアセタールホモポリマーを、熱風式乾燥機や真空乾燥機等の乾燥機を用いて、100〜150℃に調整した窒素ガスを封入し、水分を除去して乾燥することにより、目的とするポリアセタールホモポリマーが得られる。
<ポリアセタールコポリマー>
ポリアセタールコポリマーは、以下に限定されるものではないが、例えば、コモノマーとして1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコール、ジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、又は環状ホルマールを用い、これらと前記トリオキサン等のモノマーとを共重合させることにより製造することができる。
共重合させるコモノマーの割合は、ホルムアルデヒド1molに対して0.03〜20mol%であることが好ましく、0.03〜7mol%であることがより好ましく、0.04〜3mol%であることがさらに好ましい。
コモノマーの割合が上記範囲であれば、より機械的強度に優れたポリアセタール樹脂ペレットが得られる。
また、ポリアセタールコポリマーの重合における重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオン活性触媒が挙げられる。
ルイス酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、具体的には三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。
また、プロトン酸及びそのエステル又は無水物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
これらの中でも、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物、及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましく、例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルがより好ましいものとして挙げられる。
三フッ化ホウ素の添加量としては、ホルムアルデヒド1molに対して、三フッ化ホウ素が、0.10×10-4mol以下が好ましく、より好ましくは0.07×10-4mol以下であり、さらに好ましくは0.03〜0.05×10-4molである。
三フッ化ホウ素の添加量が前記範囲であれば、熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
上記例示されたポリアセタールコポリマーの重合方法としては、特に限定されるものではないが、前記スラリー重合法の他に、例えば、塊状重合法で行ってもよく、バッチ式、連続式のいずれも適用可能である。
重合装置としては、特に限定されるものではないが、例えば、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混錬機、2軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押出混錬機が挙げられる。
溶融状態のモノマーが前記重合機に供給され、重合の進行とともに固体塊状のポリアセタールコポリマーが得られる。
以上の重合で得られたポリアセタールコポリマーには、熱的に不安定な末端部〔−(OCH2n−OH基〕が存在する場合があるため、この不安定な末端部の分解除去処理を実施することが好ましい。不安定な末端部の分解除去方法としては、公知の方法で行うことができる。
以上のように、本実施形態においては、(A)ポリアセタール樹脂に限定はなく、ポリアセタールホモポリマー及びポリアセタールコポリマーいずれも用いることが可能である。
この中でも、好ましいのはポリアセタールコモポリマーである。
((B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物を含有する。
本実施形態において、窒素含有ヒンダードフェノール化合物とは、その構造式に少なくとも一つの窒素原子を含んでいるヒンダードフェノール化合物(水酸基の少なくとも一つのオルト位に第3級アルキル基を有するフェノール化合物)のことをいう。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、熱安定性向上、特にホルムアルデヒド放出量低減、の観点から、窒素含有ヒンダードフェノール化合物を含有する。
前記(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物は、ヒドラジン構造を含むものであることが好ましい。(B)成分がヒドラジン構造を含むものであることにより、熱安定性が向上することにより、引張強度保持率の向上効果が得られる。
(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,2−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]、1,3,5−トリス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、4−[[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−2,6−ジ−t−ブチルフェノールが挙げられる。
これら窒素含有ヒンダードフェノール化合物の中でも、1,2−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]が好ましく、より好ましいのは1,2−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニル]ヒドラジンである。
(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物の融点は、50〜300℃が好ましく、より好ましくは100℃〜300℃、さらに好ましくは150〜250℃の範囲である。
(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物の融点が前記範囲であれば、より熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物において、(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物は、上述した(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.001〜0.2質量部含有される。熱安定性改善効果の観点から、(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物の含有量には適切な範囲があることが、本発明者らの研究により判明した。(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.001〜0.15質量部含有されていることが好ましく、0.005〜0.15質量部含有されていることがより好ましい。
(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物の含有量が前記範囲であれば、熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物中の(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物を定量する方法としては、例えば、ポリアセタール樹脂ペレットを凍結粉砕し、クロロホルム等の溶媒でソックスレー抽出し、GCMS、または1H−NMRにより定量する方法が挙げられる。
((C)タルク)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(C)タルクを含有する。
(C)タルクとは含水珪酸マグネシウムからなる粒子であり、その組成は一般的に[Mg3Si410(OH)2]で示され、SiO2約60質量%、MgO約30質量%と結晶水4.8質量%が主成分である。真比重は一般に2.7〜2.8であり、白色度はJIS K−8123に準じて測定した数値が93%以上、pHはJIS K−5101に準じて測定した数値が9.0〜10の範囲であることが好ましい。
また、45μm篩残分はJIS K−5101に準じて測定した数値が0.2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.08質量%以下である。(C)タルクの平均粒子径は、好ましくは1〜30μmであり、より好ましくは2〜25μm、さらに好ましくは2〜20μmである。(C)タルクの平均粒子径が前記範囲であると、より熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
本実施形態において、(C)タルクは、(A)ポリアセタール樹脂との親和性を向上させるために公知の表面処理剤を用いて表面処理されていてもよい。
表面処理剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アミノシラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、さらには脂肪酸(飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸)、脂環族カルボン酸及び樹脂酸や金属石鹸を挙げることができる。表面処理剤の添加量としては好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、さらに好ましくは実質的に添加されていないことである。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物において、(C)タルクの含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.0001〜0.1質量部である。(C)タルクの含有量が少ないと十分な熱安定性改善効果が得られないが、一方で、多すぎる場合にも、タルク自身の塩基性度、又は含まれる不純物等の影響により熱安定性が低下することが本発明者らの研究により判明した。このような理由から、(C)タルクは、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.0001〜0.1質量部とし、0.0005〜0.1質量部含有されていることが好ましく、0.0005〜0.05質量部含有されていることがより好ましい。
(C)タルクの含有量が前記範囲であれば、熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物中の(C)タルク含有量を定量するには、例えば、ポリアセタール樹脂ペレットを塩酸等で加水分解し、タルクを定量する方法や、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、タルク起因である金属性分(Si、Mg)を定量する方法が挙げられる。
((D)耐候安定剤)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(D)耐候安定剤を含有する。
本実施形態において用いられる(D)耐候安定剤は、耐候劣化によるクラックを抑制し、引張強度保持率を向上させる観点から、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤を含む。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールなどが挙げられる。
中でも好ましいベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールである。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルトリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物などが挙げられる。
上記ヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも好ましいヒンダードアミン系光安定剤は、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物である。
また、(D)耐候安定剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤の他に、蓚酸アリニド系物質などを含んでもよい。
蓚酸アリニド系物質としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリドなどが挙げられる。
これらの物質はそれぞれ1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(D)耐候安定剤の添加量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.1〜2.0質量部であり、好ましくは0.1〜1.5質量部、より好ましくは0.3〜1.0質量部である。
この添加量を0.1質量部以上とすることにより十分な耐候性が得られ、2.0質量部以下とすることにより熱安定性の低下を抑制でき、MD(モールドデポジット)付着や成形機内での滞留着色を防止することができる。
また、特に限定されないが、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の添加量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.05〜1.0質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜0.8質量部、さらに好ましくは0.1〜0.6質量部であり、ヒンダードアミン系光安定剤の添加量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.05〜1.0質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜〜0.6質量部、さらに好ましくは0.1〜0.4質量部である。
〔(E)安定剤〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物においては、上述の(B)成分、(C)成分、及び(D)成分の組合せ添加によって良好な熱安定性が達成されているので、その他に安定剤を添加しなくてもよいが、さらなる熱安定性の改良やその他の物性の安定性を改良するために、さらに、各種の(E)安定剤を含んでいてもよい。
(E)安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アミノ置換トリアジン化合物、尿素誘導体、ヒドラジド誘導体、アミド化合物、ポリアミド、及び、アクリルアミド重合体等が挙げられる。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ置換トリアジン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,4−ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン等が挙げられる。
前記尿素誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、N−置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物等が挙げられる。
前記N−置換尿素としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキル基等の置換基を有するメチル尿素、アルキレンビス尿素、アリール置換尿素が挙げられる。前記尿素縮合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、尿素とホルムアルデヒドの縮合体等が挙げられる。前記ヒダントイン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン等が挙げられる。前記ウレイド化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アラントイン等が挙げられる。
前記ヒドラジド誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒドラジド化合物を挙げることができる。
ヒドラジド化合物としては、カルボン酸(含芳香族、脂環)とヒドラジンとの反応により合成される、カルボン酸モノ/又はジヒドラジド化合物やアルキル基置換モノ/又はジヒドラジド化合物が挙げられる。カルボン酸モノ/又はジヒドラジド化合物を構成するカルボン酸としては、モノカルボン酸の例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸である。ジカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタリン酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸、ピルビン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、アコニット酸、アミノ酸、ニトロカルボン酸が挙げられる。また不飽和カルボン酸の例としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸が挙げられる。これらカルボン酸を用いて合成されるカルボン酸モノ(ジ)ヒドラジド化合物は、例えば、カルボジヒドラジン、シュウ酸モノ(ジ)ヒドラジド、マロン酸モノ(ジ)ヒドラジド、コハク酸モノ(ジ)ヒドラジド、グルタル酸モノ(ジ)ヒドラジド、アジピン酸モノ(ジ)ヒドラジド、セバシン酸モノ(ジ)ヒドラジド、ラウリン酸モノ(ジ)ヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、プロピオン酸モノヒドラジド、ラウリン酸モノヒドラジド、ステアリン酸モノヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタリン酸ジヒドラジド、p−ヒドロキシベンゾイックヒドラジン、p−ヒドロキシベンゾイックヒドラジン、1,4−シクロへキサンジカルボン酸ジヒドラジン、アセトヒドラジド、アクリロヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ベンゾヒドラジド、ニコチノヒドラジド、イソニコチノヒドラジド、イソブチルヒドラジン、オレイン酸ヒドラジド等が挙げられる。これらカルボン酸の中でも、アジピン酸、セバシン酸、ラウリン酸等のジカルボン酸が好ましく、アジピン酸モノ(ジ)ヒドラジド、セバシン酸モノ(ジ)ヒドラジド、ラウリン酸モノ(ジ)ヒドラジドが、最も好ましいカルボン酸ヒドラジド化合物である。
前記アミド化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、アントラニルアミドが挙げられる。
前記ポリアミドとしては、例えば、ナイロン(登録商標)4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等が挙げられる。
前記アクリルアミド重合体は、以下に限定されるものではないが、例えば、触媒としてアリカリ土類金属のアルコラートを用い、アクリルアミドの重合、又はアクリルアミドとアクリルアミド以外のビニル基を有するモノマーとの重合を行うことによって製造できる。
前記アクリルアミド重合体を構成する、アクリルアミド以外のビニル基を有するモノマーとしては、ビニル基を1個又は2個有するモノマーが挙げられる。
ビニル基を1個有するモノマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、2−エチルへキシルメタクリレート、セシルメタクリレート、ペンタデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。
ビニル基を2個有するモノマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
これらのビニル基を有するモノマーの中で、N,N’−メチレンビスアクリルアミドが好ましい。
前記アクリルアミド重合体に対する前記ビニル基を有するモノマーの導入量は、アクリルアミド成分とビニル基を有するモノマーとの合計量に対して0.05〜20質量%であることが好ましい。
上述したビニル基を有するモノマーと共重合する(架橋構造を持たせる)ことにより、ポリアセタール樹脂ペレットの押出し生産性を向上させることができる。
アクリルアミド重合体の平均粒子径は、0.1〜20μmが好ましく、より好ましくは0.1〜15μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。
アクリルアミド重合体の平均粒子径が上記範囲であると、押出し生産性に優れるポリアセタール樹脂組成物が得られる。
以上の(E)安定剤の中で、特に好ましいのはポリアミド、アクリルアミド重合体である。
(E)安定剤の添加量としては、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.001〜3質量部であり、さらに好ましくは0.01〜1質量部である。
ポリアセタール樹脂に対する熱安定剤の添加量を前記範囲にすることで、より熱安定性に優れるポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。
(その他添加剤)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、上述した(A)〜(D)成分、及び(E)安定剤の他に、公知の添加剤、例えば、前記(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物を除く酸化防止剤、ギ酸捕捉剤、離型剤、潤滑剤、導電剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、染顔料、熱可塑性樹脂以外のその他の樹脂、無機充填剤又は有機充填剤等を添加してもよい。
これらの添加剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤としては、前述した、窒素含有ヒンダードフェノール酸化防止剤を除く、ヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。
当該ヒンダートフェノール系酸化防止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3'−メチル−5'−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げられる。
これらの酸化防止剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ギ酸捕捉剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(E)安定剤の具体例として挙げたアミノ置換トリアジン化合物やアミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、例えばメラミン・ホルムアルデヒド縮合物等を挙げることができる。
その他のギ酸捕捉剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシドが挙げられる。例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物;上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩、さらには層状複水酸化物が挙げられる。
前記カルボン酸塩のカルボン酸としては、10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸が好ましく、これらのカルボン酸は水酸基で置換されていてもよい。飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸塩としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリスチン酸−パルミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸−ステアリン酸)カルシウム、(パルミチン酸−ステアリン酸)カルシウム、12ヒドロキシステアリン酸カルシウムが挙げられ、中でも好ましくは、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシジステアリン酸カルシウムが挙げられる。
ギ酸補捉剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記離型剤及び潤滑剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルコール、脂肪酸及びそれらの脂肪酸エステル、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物、シリコーンが好ましいものとして挙げられる。
離型剤及び潤滑剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
前記導電剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、導電性カーボンブラック、金属粉末又は繊維が挙げられる。
導電剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
また、熱可塑性樹脂としては、上述した樹脂の変性物も含まれる。
熱可塑性エラストマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。
熱可塑性エラストマーは1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
染顔料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、無機系顔料及び有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料等が挙げられる。
無機系顔料とは樹脂の着色用として一般的に使用されているものを言い、以下に限定されるものではないが、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩やカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等が挙げられる。
有機系顔料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、縮合ウゾ系、イノン系、フロタシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペンノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ベリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の顔料である等の顔料が挙げられる。
染顔料は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
染顔料の添加割合は色調により大幅に変わるため明確にすることは難しいが一般的には、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲で用いられる。
前記熱可塑性樹脂以外のその他の樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。
その他の樹脂は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、繊維状、粉粒子状、板状及び中空状の充填剤が用いられる。
繊維状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維等の無機質繊維が挙げられる。また、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類も含まれる。
粉粒子状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、クレー、珪藻土、ウォラストナイト等の珪酸塩;酸化鉄、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の金属硫酸塩;炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩;その他炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられる。
板状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マイカ、フレーク状ガラス、各種金属箔が挙げられる。
中空状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーン等が挙げられる。
有機充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、芳香族ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機繊維状充填剤が挙げられる。
これらの充填剤は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用して使用してもよい。
これらの充填剤は、表面処理された充填剤、未表面処理の充填剤のいずれも使用可能であるが、成形表面の平滑性、機械的特性の観点から、表面処理の施された充填剤の使用の方が好ましい場合がある。
表面処理剤としては、特に限定されず、従来公知の表面処理剤が使用可能である。
表面処理剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤、樹脂酸、有機カルボン酸、有機カルボン酸の塩等、界面活性剤が使用できる。
具体的には、以下に限定されるものではないが、例えば、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネート等が挙げられる。
〔ポリアセタール樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を製造する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を適用することができる。
一般的には、(A)ポリアセタール樹脂と、それぞれ所定量の(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物と、(C)タルクと、(D)耐候安定剤と、必要に応じて上述した所定の成分を、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラー、V字型ブレンダ―等で混合した後、1軸又は多軸の押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより得られる。中でも、ベント減圧装置を備えた押出機による混練が、生産性の観点から好ましい。また、ポリアセタール樹脂組成物を大量に安定して製造するには、単軸又は二軸の押出機が好適に用いられる。
また、予め混合することなく、定量フィーダーなどで各成分を単独あるいは数種類ずつまとめて押出機に連続フィードすることもできる。
また、予め各成分からなる高濃度マスターバッチを作製しておき、押出溶融混練時にポリアセタール樹脂で希釈することもできる。
混練温度は、使用するポリアセタール樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、一般的には、140〜260℃の範囲、好ましくは180〜230℃の範囲とする。
〔成形品〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、成形し、成形品として使用することができる。
成形する方法については、特に制限はなく、公知の成形方法、例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発砲射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)等の成形方法が挙げられる。
これらの中でも、安定生産性の観点から射出成形法が好ましい。
〔用途〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ホットランナー金型を用いた連続成形を行っても、ポリアセタール樹脂の熱分解が少なく、そのため金型の汚染も少ない。
また、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は厳しい成形条件下で成形しても、得られた成形品からのホルムアルデヒド放出量が少ない。
従って、様々な用途の成形品に使用することが可能である。
例えば、ギア、カム、スライダー、レバー、軸、軸受け及びガイド等に代表される機構部品;アウトサート成形の樹脂部品又はインサート成形の樹脂部品(シャーシ、トレー、側板部品);プリンター又は複写機用部品;デジタルビデオカメラ又はデジタルビデオ機器用部品;音楽、映像又は情報機器;通信機器用部品;電気機器用部品;並びに電子機器用部品に用いられる。
また、自動車用の部品として、ガソリンタンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品;ドア廻り部品;シートベルト周辺部品;コンビスイッチ部品;スイッチ類に好適に使用される。
さらに、住宅設備機器に代表される工業部品としても好適に使用できる。
以下、本実施形態について、具体的な実施例と、これとの比較例を挙げて説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において適用した測定方法を下記に示す。
〔測定・評価方法〕
(耐候性評価)
<引張強度保持率の測定>
[(1)耐候試験前及び耐候試験後の試験片の作製]
東芝機械(株)製 IS−100E射出成形機を用いて、ISO 9988-2準拠の試験片を作製した。
耐候試験後の試験片は、以下に示す耐候試験を行うことにより作製した。
試験機:スガ試験機製キセノンウェザーメーター耐候試験機 XEL-2WN型
ブラックパネル温度:83℃
湿度:50%R・H
暴露時間:1000時間
[(2)耐候試験前後の引張強度]
耐候試験前、耐候試験後の試験片を取り出し、それぞれの試験片を、温度:23℃、湿度:50%に保たれた恒温室で、24時間放置した。
この放置後の、それぞれの試験片の引張強度を、引張試験機((株)島津製作所製、AG−IS)を用いて、引張速度:50mm/分の条件で測定した。
3回の測定の平均値を測定値とした。
(耐候試験後の引張強度/耐候試験前の引張強度)×100を引張強度保持率(%)とした。引張強度保持率が高いほど、耐候性に優れるものと判断した。
<色差(△E)の測定>
上記(1)で作製した耐候試験前、耐候試験後の試験片のそれぞれの色相(L*、a*、b*)をミノルタ製色彩色差計CR−200で測定し、色相の変化(ΔE)を次の式を用いて計算した。
ΔE={(L*1−L*0)2+(a*1−a*0)2+(b*1−b*0)21/2
上記式中、L*0、a*0、b*0は耐候試験前の色相(L*、a*、b*)を示す。
また、L*1、 a*1、b*1は耐候試験後の色相(L*、a*、b*)を示す。
ΔEの値が小さいほど色相の変化が少なく、耐候性に優れることを示す。
(ブリード性)
東芝機械(株)製 IS−100GN射出成形機を用いて、シリンダー温度=200℃、金型温度=80℃に設定し、平板質量=57.5±0.1gになるように射出圧力を調整し平板状成形品(110mm×130mm×3mm)を作製した。
恒温恒湿槽(スガ試験機製)80℃・90%RHの条件で336時間処理した後の成形品表面を目視で観察し、以下の基準でブリード量を評価した。
染み出し面積が少ないほど、ブリード性に優れるものと判断した。
A:裏面及び表面での染み出しは観察されなかった。
B:裏面及び表面の全面積に対して、20%以下の染みだしが発生した。
C:裏面及び表面の全面積に対して、20%超50%以下の染みだしが発生した。
D:裏面及び表面の全面積に対して、50%超の染みだしが発生した。
〔原料成分〕
実施例、及び比較例に用いた原料成分について下記に示す。
<(A)ポリアセタール樹脂>
ジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機((株)栗本鐵工所製、径2B、L/D=14.8)を80℃に調整し、下記重合条件にてポリアセタールコポリマーを重合した。
得られた粗ポリアセタールコポリマーの不安定末端基を下記に示す末端安定化条件で除去し、1,3−ジオキソランに由来するコモノマー成分の含有量が4mol%であり、MFR値が9g/10minのポリアセタールコポリマー(ポリアセタール樹脂(A−1))を得た。
なお、ポリアセタールコポリマーの重合条件(原料の供給速度)及び末端安定化条件を以下に示す。
[重合条件]
以下に示す供給速度で反応器に原料を供給した。
・トリオキサン(主モノマー):3500gr/hr
・1,3−ジオキソラン(コモノマー):120.9gr/hr
・メチラール(分子量調節剤):2.4gr/hr
・シクロヘキサン(有機触媒):6.5g/hr
・三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラート(重合触媒):0.04g/hr(ホルムアルデヒド1molに対して、三フッ化ホウ素が、0.05×10-4molとなるように供給速度を設定した。)。
なお、重合触媒のみ上記の他の成分と別ラインにてフィードした。
[末端安定化条件]
重合反応機から排出された粗ポリアセタールコポリマーを、トリエチルアミン水溶液(0.5質量%)中に浸漬し、その後、常温で1hr攪拌を実施した後、遠心分離機でろ過し、窒素下で120℃×3hr乾燥し、ポリアセタールコポリマー(ポリアセタール樹脂(A−1))を得た。
<(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物>
B−1:1,2−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(Irganox MD1024)
B−2:N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド] (Irganox1098)
B−3:トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート](Irganox 245)
※B−3は窒素不含ヒンダードフェノール化合物である。
<(C)タルク>
C−1:MSタルク(平均粒子径16μm) 日本タルク株式会社製
<(D)耐候安定剤>
D−1:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(TINUVIN234)
D−2:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)−ジエタノールとの縮合物(アデカスタブLA-63P)
<(E)安定剤>
E−1:ポリアクリルアミド重合体(平均粒子径5μm)
<その他の添加剤>
顔料:アセチレンブラック
〔実施例1〕
(A−1)ポリアセタール樹脂100質量、(B−1)1,2−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニル]ヒドラジン0.01質量部、(C−1)タルク0.005質量部、(D−1)2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール0.4質量部、(D−2)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)−ジエタノールとの縮合物0.24質量部、(E−1)ポリアクリルアミド重合体(平均粒子径5μm)0.05質量部、及びアセチレンブラック0.05質量部を、タンブラーを用いて均一に混合して混合物を得た。
この混合物を200℃に設定された30mmベント付2軸押出機のトップフィード口からフィードし、スクリュー回転数80rpm、ベント減圧度−0.09MPa、吐出量5kg/hrで溶融混錬しペレット化した後、当該ペレットを熱風温度80℃で3時間乾燥することによりポリアセタール樹脂ペレットを得た。
得られたポリアセタール樹脂ペレットを用いた成形品のブリード性、耐候性を、上述した方法により評価した。
評価結果を下記表1に示す。
〔実施例2〜9、及び比較例1〜8〕
組成を表1又は表2の通りとした以外は、前記〔実施例1〕と同様の操作を行い、ポリアセタール樹脂ペレットを得た。
得られたポリアセタール樹脂ペレットを用いた成形品のブリード性、耐候性を、上述した方法により評価した。
評価結果を下記表1、表2に示す。
表1、及び表2に示すように、実施例1〜9のポリアセタール樹脂組成物からなる成形品は、厳しい環境下でのブリードアウトの低減化効果が高く、かつ、耐候試験後の引張強度保持率も高く、優れた耐候性を有している。
一方、比較例1〜8のポリアセタール樹脂組成物からなる成形品は、厳しい環境下でのブリードアウト低減化効果が十分ではなく、耐候試験後の引張強度の低下が大きかった。
また、タルク添加により、ブリードアウトの低減化効果、耐候試験後の引張強度保持率をより優れたものとすることができた。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、自動車、電機・電子、その他工業などの幅広い分野において、産業上の利用可能性を有している。

Claims (4)

  1. (A)ポリアセタール樹脂100質量部と、
    (B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物0.001〜0.2質量部と、
    (C)タルク0.0001〜0.1質量部と、
    (D)耐候安定剤0.1〜2.0質量部と、
    を、含むポリアセタール樹脂組成物であって、
    前記(D)耐候安定剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤を含む、ポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物の含有量が、前記(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.001〜0.15質量部である、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記(B)窒素含有ヒンダードフェノール化合物がヒドラジン構造を含む、請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. (E)安定剤として、アミノ置換トリアジン化合物、尿素誘導体、ヒドラジド誘導体、アミド化合物、ポリアミド、及びアクリルアミド重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種を、さらに含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
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