JP2018066401A - ダンパーおよび粘性流体封入ダンパーの製造方法 - Google Patents

ダンパーおよび粘性流体封入ダンパーの製造方法 Download PDF

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祐介 森田
Yusuke Morita
祐介 森田
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Abstract

【課題】支持体と被支持体に取り付け易い粘性流体封入ダンパーとその製造方法を得ること。【解決手段】支持体または被支持体の何れか一方に連なる板金シャフトに接続するアダプタ11と、振動を受けて変動するゴム弾性体でなるゴム体12と、を備え、支持体と被支持体の間に配置して振動を減衰するダンパーであり、アダプタ11は板金シャフトを差込み可能な挿入凹部15とゴム体12に挿入する挿入部16とを有し、ゴム体12はアダプタ11を受け入れる取付凹部17を有し、前記挿入部16と取付凹部17との間の揮発性潤滑剤の存在で、挿入部16に対して取付凹部17が回転可能であり、当該挿入部16と取付凹部17との間の揮発性潤滑剤の消失で、挿入部と16取付凹部17とが固定される。【選択図】図3

Description

本発明は、支持体および被支持体の間に介在して振動を減衰させるダンパーと粘性流体封入ダンパーの製造方法に関する。
ゴム製のベローズ部を有する容器中に粘性流体を封入した粘性流体封入ダンパーが、電子機器装置の筐体と制振対象であるメカ部品との間の振動減衰に用いられている。この粘性流体封入ダンパーを筐体およびメカ部品との間に取り付けるために、粘性流体封入ダンパーの攪拌筒部にはメカ部品に連なるシャフトを差込んで固定する孔部を設けるとともに、粘性流体封入ダンパーの他方側の樹脂体には筐体に固定するネジ固定用孔や係止部等の固定部が設けられている。粘性流体封入ダンパーと支持体または被支持体との結合構造に関する技術は、例えば特開2008−304042公報(特許文献1)や、特開2007−032716公報(特許文献2)、特開2006−275217公報(特許文献3)等に記載されている。
特開2008−304042公報 特開2007−032716公報 特開2006−275217公報
しかしながら、こうした技術では、支持体および被支持体に取り付ける粘性流体封入ダンパーの取付方向が限定され、この取付方向に合わない粘性流体封入ダンパーは取り付けることができなかった。そこで本発明は、支持体と被支持体に取り付け易い粘性流体封入ダンパーとその製造方法を提供することを目的とする。また本発明はブッシュダンパーを提供することも目的とする。
上記目的を達成する本発明のダンパーは以下のとおり構成される。
即ち、支持体または被支持体の何れかに設けるシャフトに接続するアダプタと、振動を受けて変動するゴム弾性体でなるゴム体とを備え、前記支持体と前記被支持体の間に配置されて振動を減衰するダンパーであって、前記ゴム体は前記アダプタの取付凹部を有し、前記アダプタは前記シャフトを差込む挿入凹部と前記取付凹部に挿入する挿入部とを有し、前記取付凹部と前記挿入部との間に介在して前記取付凹部の内部で前記挿入部を回転可能としたのち揮発する揮発性潤滑剤を備えるダンパーである。
そして、前記ダンパーが、前記支持体または前記被支持体の何れか他方に固着する樹脂体と、前記ゴム体と前記樹脂体とで形成される容器内部に封入される粘性流体とをさらに備え、前記ゴム体は、前記取付凹部を有する攪拌筒部と、振動を受けて変動する薄肉のベローズ部とを有し、前記樹脂体は、前記支持体または前記被支持体の何れか他方に固着する固定部を有する粘性流体封入ダンパーとすることができる。また、前記ゴム体は、前記取付凹部とともに、前記支持体または前記被支持体の何れか他方側の部位に固着する取付部を有するブッシュダンパーとすることもできる。
本発明によれば、前記取付凹部と前記挿入部との間に介在して前記取付凹部の内部で前記挿入部を回転可能としたのち揮発する揮発性潤滑剤を備える。即ち、挿入部と取付凹部との間の揮発性潤滑剤により挿入部に対して取付凹部が摺動し回転可能であり、当該挿入部と取付凹部との間の揮発性潤滑剤の消失により挿入部と取付凹部とが回転せずに固定される。このため、ゴム体にアダプタを取り付けた後であっても、揮発性潤滑剤を介在させることで、アダプタをゴム体に対して回転させることができ、取付方向に異方性のあるシャフトの向きに合わせてアダプタの挿入凹部が最適な方向を向いたダンパーを得ることができる。また、支持体または被支持体から延びるシャフトの向きが様々な方向を向いていても、その方向に対応した複数のダンパーを製造するべく、複数の金型を準備する必要がなく、一のダンパーの部品を製造するだけで、多様化した取付け方向に対応する複数のダンパーを製造することができる。
揮発性潤滑剤がアルコール系溶剤であるダンパーとすることができる。揮発性潤滑剤がアルコール系溶剤であるため、ゴム体やアダプタを溶解させることがない。また、ゴム体やアダプタを膨潤させても大きく変形させることがなく、ゴム体とアダプタとの間の摩擦力を低減することができるため、取付凹部内での挿入部の回転をし易くすることができる。さらに、揮発させることができるので、揮発させればゴム体やアダプタを揮発性潤滑剤の付着していない状態となり、ふたたび塗布すれば回転不可能な状態から再度アダプタを回転させることができる。これにより事後的な調整をも可能となる。
シャフトが薄板状であり、アダプタの挿入凹部がシャフトの外形に対応する薄板状の内部空間形状であり、アダプタの挿入部が取付凹部に相応する円柱状の外形から外方に膨らむ膨出部を有するダンパーとすることができる。アダプタの挿入凹部が薄板状のシャフトの外形に対応する薄板状の内部空間形状であるため、シャフトをアダプタに対して密着固定することができる。また、アダプタの挿入部が取付凹部に相応する円柱状の外形としたため、その周囲の全方向に対して同じように攪拌することができ、シャフトの向きにかかわらず、全方向に対して均等な攪拌効果を与えることができる。そして、外方に膨らむ膨出部を有するため、揮発性潤滑剤が消失した後は、アダプタを取付凹部から抜け難くすることができる。
挿入部と取付凹部との各接触面に、揮発性潤滑剤の消失により挿入部と取付凹部との回転を抑制する摩擦面を有するダンパーとすることができる。挿入部と取付凹部との間の揮発性潤滑剤の消失により攪拌筒部のゴム弾性による挿入部と取付凹部との摩擦面により挿入部と取付凹部との摺動回転が抑制され、挿入部と取付凹部が回転せずに保持されるため、接着剤などを塗布する必要がなく、特に挿入部と取付凹部との間の摩擦のみによって固定することができる。また、揮発性潤滑剤の再塗布により、既に揮発性潤滑剤が揮発して固定されたアダプタを取付凹部に対して再び摺動回転可能とすることができる。そしてまた、摩擦面により挿入部と取付凹部との摺動が抑制され、挿入部と取付凹部が摺動せずに保持されるため、アダプタを取付凹部から抜け難くすることができる。
本発明はまた、支持体または被支持体の何れかに設けるシャフトに接続するアダプタと、振動を受けて変動するゴム弾性体でなるゴム体と、支持体または被支持体の何れか他方に固着する樹脂体と、ゴム体と樹脂体とで形成される容器内部に封入される粘性流体とを備え、アダプタは、シャフトを差込む挿入凹部とゴム体に挿入する挿入部とを有し、ゴム体は、アダプタを受け入れる取付凹部を有する攪拌筒部と、振動を受けて変動するベローズ部とを有し、樹脂体は、支持体または被支持体の何れか他方に固着する固定部を有しており、支持体と被支持体の間に配置して振動を減衰する粘性流体封入ダンパーの製造方法であって、アダプタの挿入部とゴム体の取付凹部との間に揮発性潤滑剤を塗布し、アダプタの挿入凹部と樹脂体の固定部とが所定の角度となるように調整した後、アダプタを取付凹部に固定する粘性流体封入ダンパーの製造方法を提供する。
アダプタの挿入部と取付凹部との間に揮発性潤滑剤を塗布し、挿入凹部と樹脂体の固定部とが所定の角度となるようにしてアダプタを取付凹部に対して調整するため、粘性流体封入ダンパーの取付方向の微調整がし易い。そのため、取付方向に異方性を有するシャフトの面方向が様々な向きとなる複数のダンパーに対する要請があっても、それらの複数の粘性流体封入ダンパーを複数の金型から製造する必要がなく、取付け方向の多様化に対応する複数の粘性流体封入ダンパーを一の金型から製造することができる。
前記揮発性潤滑剤の塗布の後、前記アダプタを前記取付凹部に挿入し、前記挿入凹部と前記固定部とが所定の角度となるようにアダプタを取付凹部に対して回転させ、その後、揮発性潤滑剤を消失させてアダプタと取付凹部とを固定する粘性流体封入ダンパーの製造方法とすることができる。揮発性潤滑剤を塗布してアダプタを取付凹部に挿入した後、挿入凹部と固定部とが所定の角度となるようにアダプタを取付凹部に対して回転させたため、揮発性潤滑剤の存在により、取付凹部内でアダプタを回転させて所望の角度に調整できる。その後、揮発性潤滑剤を消失させてアダプタと取付凹部とを固定したため、接着剤などを準備する必要が無い。
本発明のダンパー及び粘性流体封入ダンパーの製造方法によれば、支持体または被支持体の一方に設けられた取付部位に対して、支持体または被支持体の他方に設けられた取付部位の向きが様々であるような取付け方向が一定しない複数のダンパーに対する要請を一のダンパーの組み立て部品から提供することができる。
第1実施形態の粘性流体封入ダンパーの平面図である。 図1の粘性流体封入ダンパーの底面図である。 図1の粘性流体封入ダンパーのIII−III線断面図である。 図1の粘性流体封入ダンパーのIV−IV線断面図である。 板金シャフト正面図及び右側面図であり、分図(a)は一の板金シャフトの正面図、分図(b)は分図(a)の板金シャフトの右側面図、分図(c)は別の板金シャフトの正面図、分図(d)は分図(c)の板金シャフトの右側面図、分図(e)はまた別の板金シャフトの正面図、分図(f)は分図(e)の板金シャフトの右側面図である。 アダプタの断面図であり、分図(a)は一のアダプタの断面図、分図(b)は別のアダプタの断面図、分図(c)のまた別のアダプタの断面図である。 固定部に対する挿入凹部の設置角度を説明する説明図であり、分図(a)は両者の角度が0度の場合を示し、分図(b)は両者の角度が30度の場合を示し、分図(c)は両者の角度が45度の場合を示す。 第2実施形態のブッシュダンパーの平面図である。 図9のブッシュダンパーの底面図である。 図9のブッシュダンパーのX−X線断面図である。 図9のブッシュダンパーのXI−XI線断面図である。 図9のブッシュダンパーの取付状態を説明する説明図である。
本発明によるダンパーについて図面を参照しつつ説明するが、各実施形態において同一の材質、組成、製法、作用、効果等については重複説明を省略する。
第1実施形態[図1〜図6]:
粘性流体封入ダンパー10は、樹脂製のアダプタ11と、振動を受けて変動するゴム弾性体でなるゴム体12と、ゴム体12とともに密閉容器を形成する樹脂体13と、密閉容器内に封入される粘性流体14とを備えている。そして、アダプタ11を、支持体または被支持体の何れか一方に連なる「シャフト」としての板金シャフト(図示せず)に接続し、樹脂体13を支持体または被支持体の何れか他方に接続することで、支持体と被支持体の間にこの粘性流体封入ダンパー10を配置して、支持体または被支持体の何れか一方から他方に伝わる振動を減衰させる。
アダプタ11は、支持体または被支持体の何れか一方に設けた板金シャフトを差込むことができる「挿入凹部」としての挿入凹部15と、ゴム体12に挿入する挿入部16とを有している。ゴム体12は、アダプタ11を受け入れる取付凹部17を有する攪拌筒部18と、振動を受けて変動するベローズ部19とを有している。樹脂体13は、ベローズ部19の一方端を閉塞し円筒状に形成された周壁20と、この周壁20を塞ぐ蓋体21とを有しており、蓋体21には支持体または被支持体の何れか他方に固着する固定部22を有している。
アダプタ11は、攪拌筒部18に差し込む側が取付凹部17へ挿入される挿入部16であり、その外形は取付凹部17の内形に相応する円柱状である。また、挿入部16の先端には外方に膨らむ膨出部16aが形成されている。一方、板金シャフトが差し込まれる側に形成される挿入凹部15は、取付方向に異方性のある細片状の板金シャフトの形状に相応する四角柱状である。アダプタ11は、こうした形状への成形性や、板金シャフトの抜け止め、取付凹部17からの抜け止めのため、合成樹脂や硬質の合成ゴム等で形成することが好ましい。そのため、後述する樹脂体13と同様の材質を用いることができる。
アダプタ11の挿入部16は円柱状であるため、攪拌筒部18に対して回転自在に取り付けることができ、板金シャフトの板面の向きに合わせて自由にアダプタ11の向きを変更した後、取付凹部17に対して挿入できる。アダプタ11を攪拌筒部18に挿入した後は、攪拌筒部18から抜け難くするために膨出部16aを設けているが、取付凹部17内にこの膨出部16aと係合する凹凸を設けることが好ましい。
「シャフト」としての板金シャフトは、一般には支持体または被支持体の筐体を板金から形成する場合に、その板金の一部を切り欠いて突出片とした部分であり、これ以外にも支持体または被支持体側に突出片状に設けられたダンパーとの接続部位であっても良く、その形状の一例を図5で示す。図5において各板金シャフトの図面上側が支持体または被支持体の筐体に連なる部分であり、図面下側が挿入凹部15に挿入される部位である。
図5(a)で示す板金シャフトfは、アダプタ11に設けた挿入凹部17に対する抜け止めのための突起が設けられていないのに対して、図5(c)で示す変形例の板金シャフトf1は、挿入凹部17に対する抜け止めのための突起b1が設けられており、図5(e)で示すまた別の変形例である板金シャフトf2には、別の形状の突起b2が設けられている。板金シャフトf,f1,f2はこうした種々の形状とすることができる。
こうした板金シャフトに対して、これを受け入れるアダプタは、図6で示すように、板金シャフトの先端形状に相応する形状とすることが好ましい。図6(a)で示すアダプタ11は図5(a)で示す板金シャフトfの先端形状に相応するように、挿入凹部15は直方体状の内部空間形状に形成されている。また、図6(b)で示すアダプタ11aは図5(c)で示す板金シャフトf1に相応するように、板金シャフトf1の突起b1に対応する凹み15aを有している。また、図6(c)で示すアダプタ11bは図5(e)で示す板金シャフトf2の突起b2に対応する凹み15bを有している。このように、図6(b)や図6(c)で示すアダプタ11a,11bの挿入凹部15では、板金シャフトf1,f2のそれぞれの突起b1,b2と係合する凹凸を設けることは好ましい態様である。
ゴム体12は、アダプタ11を受け入れる取付凹部17を形成するとともに密閉容器内に突出して粘性流体14を攪拌する攪拌筒部18と、振動を受けて変動するベローズ部19とを有しており、樹脂体13とともに密閉容器を形成しつつ、ベローズ部19が変形し、攪拌筒部18が粘性流体14を攪拌することで振動を減衰させる。攪拌筒部18は粘性流体14に接する側が円筒形であると、その周囲の全方向に対して同様に攪拌することができるため好ましい。即ち、板金シャフトが様々な向きを向いていても、その向きにかかわらず、全方向に対して均等な攪拌効果を得ることができる。
ゴム体12を形成するゴム弾性体には合成ゴムや熱可塑性エラストマー(TPE)を用いることができ、例えば、シリコーンゴムやウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム等の合成ゴムの他、天然ゴムや、スチレン系TPE、オレフィン系TPE、ウレタン系TPE、ポリエステル系TPE、塩化ビニル系TPEなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。ブチルゴム等のガス透過性が小さいゴム状弾性体は、密閉容器内に空気が入りにくくなるため好ましい。
樹脂体13は、支持体または被支持体の何れか他方に固着する部位であり、ゴム体12とともに密閉容器を形成する。この樹脂体13は、ゴム体12のベローズ部19に結合し円筒状に形成される周壁20と、周壁20の一端側を閉塞し、支持体または被支持体の何れか他方に固着する固定部22を有する蓋体21とから形成されている。固定部22は、ネジ固定用孔や係止部、スナップフィット形状部などとして設けることができる。
樹脂体13は硬質樹脂で形成され、機械的強度や耐熱性、耐久性、寸法精度、信頼性等の要求性能に優れ、及び軽量化、加工性に優れた熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。これらの硬質樹脂には、例えばポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン樹脂、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、あるいはこれらの複合樹脂を挙げることができる。また、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。さらにまた、硬質の合成ゴムや熱可塑性エラストマーを用いることとしてもよい。
粘性流体14は、シリコーン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル、液状ゴム等の液体単独の他、これらの液体に反応または溶解しない固体粒子からなる微細粉末を添加し、適切に粘度調整した液体を用いることができる。液体としては、温度依存性、耐熱性、信頼性等の要求性能により、シリコーン系オイルが好ましく、具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等を用いることができる。これらシリコーン系オイルに反応または溶解しない固体粒子としては、シリコーンレジン粉末、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、湿式シリカ、乾式シリカ、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ポリエチレンやポリプロピレンの樹脂粉末、炭酸カルシウム粉末等、又はこれらの表面処理品等を挙げることができ、これらを単独もしくは複数組合せて用いることができる。
粘性流体封入ダンパー10の製造方法を説明する。アダプタ11やゴム体12、樹脂体13はそれぞれ所定の金型から形成する。このとき、ゴム体12と周壁20を二色成形等により一体成形体として形成する。また、それぞれの部品の製造に対して複数の金型を準備することなく一の金型で製造し得る。次にゴム体12と周壁20とで形成される内部に粘性流体14を入れ、周壁20と蓋体21とを接着剤や超音波融着等にて固着する。このようにしてアダプタ11だけが取り付けられていない粘性流体封入ダンパー10を得る。
次に、アダプタ11の挿入部16および取付凹部17に揮発性潤滑剤を塗布する。そして、アダプタ11の挿入凹部15と樹脂体13の固定部22とが所定の角度となるようにしてアダプタ11の挿入部16を取付凹部17に挿入する。例えば、図7(a)で示す粘性流体封入ダンパー10aでは、中心Cから固定部22のある位置を0度すると、挿入凹部15の長手方向の角度もまた0度である。図7(b)で示す粘性流体封入ダンパー10bでは、固定部22の位置に対して挿入凹部15の長手方向の角度は30度であり、図7(c)で示す粘性流体封入ダンパー10cでは、固定部22の位置に対して挿入凹部15の長手方向の角度は45度である。こうした0度や30度、45度といった所定の角度になるようにアダプタ11を取付凹部17に挿入する。また、アダプタ11の挿入後であっても所定の角度になっていなければ、あるいはまたその角度が僅かにずれていれば、揮発性潤滑剤により挿入部16を取付凹部17に対して回転させて所定の角度になるように調整することができる。
アダプタ11の取付凹部17への挿入は、挿入凹部15と固定部22との角度に関係なく行うこともできる。換言すれば、アダプタ11の取付凹部17への挿入時には前記所定の角度を無視して挿入することもできる。この場合は、アダプタ11の挿入部16を取付凹部17に挿入した後、挿入した挿入部16を取付凹部17に対して回転させて所定の角度になるように調整する。
アダプタ11を取付凹部17に対して所定の角度で取り付けた後、揮発性潤滑剤が揮発して消失すれば、挿入部16と取付凹部17との各々の接触面が摩擦面となって摩擦力が大きくなり、挿入部16が取付凹部17に対して回転しなくなり、アダプタ11がゴム体12に固定される。こうして粘性流体封入ダンパー10を得る。
なお、所定の角度は、粘性流体封入ダンパー10の固定部22を支持体または被支持体の何れか他方に設置したとして、この粘性流体封入ダンパー10を支持体または被支持体の何れか一方の板金シャフトの向きに挿入凹部15の向きが適合する角度である。また、アダプタ11の取付凹部17に対する回転調整は、アダプタ11に対して取付凹部17を回転させて調整しても良い。そしてまた、アダプタ11の取付凹部17への挿入および回転調整は、アダプタ11の挿入凹部15または蓋体21の固定部22の何れか一方を、支持体または被支持体に固定した後に行っても良い。
揮発性潤滑剤は、ゴム体12やアダプタ11を溶解させることなく、膨潤させても少量であって、常温で揮発性があり、ゴム体12とアダプタ11との間の摩擦力を低減することができる物質である。アダプタ11の挿入部16とゴム体12の取付凹部17に間に存在して、取付凹部17内での挿入部16の回転を可能とし、さらに、適宜揮発させることによりゴム体12やアダプタ11を揮発性潤滑剤の付いていない元の状態に戻すことができる。こうした揮発性潤滑剤としては、アルコール系溶剤が好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等を挙げることができる。またそれらを含むアルコール水溶液を用いてもよい。
揮発性潤滑剤の存在で挿入部16に対して取付凹部17が回転可能であり、挿入部16と取付凹部17との間の揮発性潤滑剤の消失で、挿入部16に対して取付凹部17を固定するためには、挿入部16の直径が取付凹部17の内径に対して5%〜10%大きく形成することが好ましい。5%よりも小さいと、揮発性潤滑剤の揮発後も挿入部16が取付凹部17に対して回転可能となり易く、10%よりも大きいと、揮発性潤滑剤が存在しても挿入部16が取付凹部17に対して回転し難くなる。
粘性流体封入ダンパー10の上記製造方法によれば、ゴム体12に対するアダプタ11の挿入時には、ゴム体12の取付凹部17とアダプタ11の挿入部16との間に揮発性潤滑剤を有するため、取付凹部17の中で挿入部16を回転させることができ、所望の向きにアダプタ11を取り付けることができる。したがって、様々な向きに形成され得る板金シャフトに対して最適な角度に向いた挿入凹部15を有する粘性流体封入ダンパー10とすることができる。また、板金シャフトの向きに対して最適な角度に向いた挿入凹部15を有する複数の粘性流体封入ダンパーを複数の金型から形成する必要がなく、粘性流体封入ダンパー10の製造単価を抑えることができる。
第2実施形態[図8〜図12]:
本実施形態のブッシュダンパー50の平面図を図8に、底面図を図9に、断面図を図10および図11にそれぞれ示す。このいわゆるブッシュ形状をしたブッシュダンパー50は、樹脂製のアダプタ11と、振動を受けて変動するゴム弾性体でなるゴム体52とを備えている。そして、アダプタ11を、支持体または被支持体の何れか一方に連なる板金シャフト(図示せず)に接続し、ゴム体52を支持体または被支持体の何れか他方に接続することで、支持体と被支持体の間にこのブッシュ入ダンパー50を配置して、支持体または被支持体の一方から他方に伝わる振動を減衰させる。
アダプタ11の構造や材質は、粘性流体封入ダンパー10と同じである。
ゴム体52は、アダプタ11を受け入れる取付凹部17を形成する点で粘性流体封入ダンパー10のゴム体12と同じであるが、薄肉のベローズ部はなく、支持体または被支持体の何れか他方側の部位に固着する取付部54を有しており、取付凹部17と取付部54との間の部分で主に変動して振動を減衰する。取付部54には、支持体または被支持体の何れか他方の部位と係合させて直接的に接続しても良く、また、取付板のような別個の部材を介して支持体または被支持体の何れか他方の部位と接続しても良い。ブッシュダンパー20を、支持体または被支持体の何れか一方に設けた板金シャフトfと、支持体または被支持体の何れか他方に設けた筐体の一部Gに接続した状態を図12に示す。
ブッシュダンパー50の製造方法を説明する。アダプタ11とゴム体52はそれぞれ所定の金型から形成する。次に、アダプタ11の挿入部16およびゴム体52の取付凹部17に揮発性潤滑剤を塗布する。そして、アダプタ11の挿入凹部15をゴム体52に対して所定の角度となるようにしてアダプタ11を取付凹部17に挿入する。挿入後であっても所定の角度になっていなければ、挿入部16を取付凹部17に対して回転させて所定の角度になるように調整する。その後、揮発性潤滑剤が揮発して消失すれば、挿入部16と取付凹部17との接触面が摩擦面となって摩擦力が大きくなり、挿入部16が取付凹部17に対して回転しなくなり、アダプタ11がゴム体52に固定される。こうしてブッシュダンパー50を得る。
ブッシュダンパー50の上記製造方法によれば、ゴム体12に対するアダプタ11の挿入時には、ゴム体12の取付凹部17とアダプタ11の挿入部16との間に揮発性潤滑剤を有するため、取付凹部17の中で挿入部16を回転させることができ、所望の向きにアダプタ11を取り付けることができる。したがって、様々な向きに形成され得る板金シャフトに対して最適な角度に向いた挿入凹部15を有するブッシュダンパー50を取り付けることができる。また、板金シャフトの向きに対して最適な角度に向いた挿入凹部15を有する複数のブッシュダンパーを形成する必要がなく、ブッシュダンパー50の製造単価を抑えることができる。
上記実施形態で示した態様は本発明の例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、実施形態の変更や公知技術の付加、組合せ等を行い得るものであり、それらの技術もまた本発明の範囲に含まれる。
上記実施形態の変形例として、例えば、揮発性潤滑剤の塗布は、挿入部16と取付凹部17の両方に行って良いが、何れか一方でも良い。また、アダプタ11,51の挿入部16には膨出部16aを有するものとしたが、こうした膨出部16aを設けないものとすることもできる。
10,50 粘性流体封入ダンパー
11 アダプタ
12,52 ゴム体
13 樹脂体
14 粘性流体
15 挿入凹部
15a 凹み
16 挿入部
16a 膨出部
17 取付凹部
18 攪拌筒部
19 ベローズ部
20 周壁
21 蓋体
22 固定部
54 取付部
f,f1,f2 板金シャフト
b1,b2 突起
C ダンパーの中心
G 支持体または被支持体の何れか他方の一部

Claims (9)

  1. 支持体または被支持体の何れかに設けるシャフトに接続するアダプタと、振動を受けて変動するゴム弾性体でなるゴム体とを備え、前記支持体と前記被支持体の間に配置されて振動を減衰するダンパーであって、
    前記ゴム体は前記アダプタの取付凹部を有し、
    前記アダプタは前記シャフトを差込む挿入凹部と前記取付凹部に挿入する挿入部とを有し、
    前記取付凹部と前記挿入部との間に介在して前記取付凹部の内部で前記挿入部を回転可能としたのち揮発する揮発性潤滑剤を備えるダンパー。
  2. 前記ダンパーが、前記支持体または前記被支持体の何れか他方に固着する樹脂体と、前記ゴム体と前記樹脂体とで形成される容器内部に封入される粘性流体と、をさらに備える粘性流体封入ダンパーであり、
    前記ゴム体は、前記取付凹部を有する攪拌筒部と、振動を受けて変動する薄肉のベローズ部とを有し、前記樹脂体は、前記支持体または前記被支持体の何れか他方に固着する固定部を有する請求項1記載のダンパー。
  3. 前記ゴム体は、前記取付凹部とともに、前記支持体または前記被支持体の何れか他方側の部位に固着する取付部を有するブッシュダンパーである請求項1記載のダンパー。
  4. 前記揮発性潤滑剤がアルコール系溶剤である請求項1〜請求項3何れか1項記載のダンパー。
  5. 前記シャフトが薄板状であり、前記アダプタの前記挿入凹部が前記シャフトの形状に対応する薄板状の内部空間形状であり、前記アダプタの前記挿入部が前記取付凹部に相応する円柱状の外形から外方に膨らむ膨出部を有する請求項1〜請求項4何れか1項記載のダンパー。
  6. 前記挿入部と前記取付凹部との各接触面に、前記揮発性潤滑剤の消失により前記挿入部と前記取付凹部との回転を抑制する摩擦面を有する請求項1〜請求項5何れか1項記載のダンパー。
  7. 前記支持体または前記被支持体の何れかに設けるシャフトに接続するアダプタと、振動を受けて変動するゴム弾性体でなるゴム体と、前記支持体または前記被支持体の何れか他方に固着する樹脂体と、前記ゴム体と前記樹脂体とで形成される容器内部に封入される粘性流体とを備え、前記アダプタは、前記シャフトを差込む挿入凹部と前記ゴム体に挿入する挿入部とを有し、前記ゴム体は、前記アダプタを受け入れる取付凹部を有する攪拌筒部と、振動を受けて変動するベローズ部とを有し、前記樹脂体は、前記支持体または前記被支持体の何れか他方に固着する固定部を有しており、前記支持体と前記被支持体の間に配置して振動を減衰する粘性流体封入ダンパーの製造方法であって、
    前記アダプタの前記挿入部と前記ゴム体の前記取付凹部との間に揮発性潤滑剤を塗布し、前記アダプタの前記挿入凹部と前記樹脂体の前記固定部とが所定の角度となるように調整した後、前記アダプタを前記取付凹部に固定する粘性流体封入ダンパーの製造方法。
  8. 前記揮発性潤滑剤の塗布の後、前記アダプタを前記取付凹部に挿入し、前記挿入凹部と前記固定部とが所定の角度となるようにアダプタを取付凹部に対して回転させ、その後、揮発性潤滑剤を消失させてアダプタと取付凹部とを固定する請求項7記載の粘性流体封入ダンパーの製造方法。
  9. 前記揮発性潤滑剤がアルコール系溶剤である請求項7または請求項8記載の粘性流体封入ダンパーの製造方法。
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