JP2006046606A - 粘性流体封入ダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】 ディスク状記録媒体を再生するディスク装置のメカシャーシを吊り下げ支持するコイルスプリングの使用を廃止し、またメカシャーシや筐体に固定される取付シャフトを抜け難くすることができる粘性流体封入ダンパーの提供。
【解決手段】 粘性流体封入ダンパー11をダンパー12と取付軸13とで構成する。取付軸13には、ダンパー12の可撓部15を成形上一体に固着する。このため、取付軸13とダンパー12とは、剥離や破断が無い限り分離しえない。また、取付軸13には、メカシャーシを弾性支持する弾性湾曲片21を一体に形成する。このため、メカシャーシを吊り下げ支持するコイルスプリングとその取付スペースとを廃止してディスク装置を小型化できる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車載用、民生用を含めた音響機器、映像機器、情報機器、各種精密機器などに用いられるHDD、MO、CD、MD、DVD等のディスク状記録媒体(以下、ディスクという。)を再生するディスク装置についての振動減衰技術に関し、特にディスクの再生機構を実装したメカニカルシャーシの振動を減衰する粘性流体封入ダンパーに関する。
ディスク装置では、内部振動や外部振動によって再生エラーが起こるため、筐体と筐体に内蔵されたメカシャーシとの間の振動伝達経路に、コイルスプリングと粘性流体封入ダンパーを取付けて、メカシャーシを防振支持している。
従来の粘性流体封入ダンパー1は、例えば図16で示すように、密閉容器2にシリコーンオイルのような高粘度の粘性流体3を封入した構造となっている。密閉容器2は、硬質樹脂でなる円筒形状の周壁部4(硬質部)を備えており、その一端はゴム状弾性体でなるドーム形状の可撓部5(軟質部)で封止されており、他端は硬質樹脂でなる蓋体6(硬質部)で封止されている。
このような粘性流体封入ダンパー1の取付構造の一例は、例えば図17で示すように、可撓部5に形成した攪拌筒部7の差込凹部7aに、メカシャーシ8に設けた取付シャフト9を差込ませるとともに、蓋体6の孔6aに取付ネジNを挿通し、これをディスク装置の筐体10の側壁10aのネジ孔に螺合して固定する。そして、側壁10aに取付けた複数のコイルスプリング10bで、メカシャーシ8を吊り下げ支持するというものである(特許文献1)。
このほかには、図18で示すように、粘性流体封入ダンパー1と、これを螺旋状に取り巻くように取付けたコイルスプリング10bとによって支持する取付構造がある(特許文献2)。こうした何れの取付構造においても、メカシャーシ8と筐体10との間を伝達する振動は、コイルスプリング10bの伸縮によって吸収される。そして、粘性流体封入ダンパー1は、可撓部5の弾性変形と、攪拌筒部7が攪拌する粘性流体3の粘性とによって、コイルスプリング10bの自由振動を減衰させて、メカシャーシ8の振動を減衰する。
特開2000−220681号公報(図3) 特開2003−240044号公報(図13)
しかしながら、コイルスプリング10bを使ってメカシャーシ8を吊り下げ支持する従来例では、吊り下げ支持するコイルスプリング10bの取付スペースが必要であるため、ディスク装置が全体的に大きいという課題がある。
また、何れの取付構造においても、共振によってメカシャーシ8の振幅が大きくなったり、車載用や携行可能なディスク装置のように衝撃によってメカシャーシ8が瞬間的に大きく変位すると、差込凹部7aに差込んだ取付シャフト9が正規の差込状態から外れて、攪拌筒部7による粘性流体3の攪拌作用が減殺され、本来の減衰性能が損なわれてしまう。また、差込凹部7aの内部で取付シャフト9が上下に動き、その摺動摩擦によって攪拌筒部7が破損して、粘性流体3が外部に流出するおそれがある。そして、完全に抜けてしまうと、減衰性能はまったく発揮することができない。
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明の粘性流体封入ダンパーである。すなわち、その目的の第1は、吊り下げ支持するコイルスプリングの使用を廃止できるようにすることである。第2は、取付シャフトを攪拌筒部から抜け難くすることである。
そこで本願では、前記目的を以下の本発明に係る粘性流体封入ダンパーによって達成する。すなわち、請求項1記載の発明は、ゴム状弾性を有する軟質部と硬質部とで形成した密閉容器に粘性流体が封入されており、ディスク状記録媒体を再生するメカシャーシとこれを収容する筐体との間に介在して振動の伝達を減衰する粘性流体封入ダンパーについて、メカシャーシ又は筐体の何れか一方に固定するとともに密閉容器の軟質部と成形上一体に固着する取付軸を備えており、且つ該取付軸に、硬質部又は前記何れか他方に固定し、メカシャーシを弾性支持するばね部を設けたことを特徴とする。
請求項1記載の発明における「成形上一体」とは、取付軸と密閉容器の軟質部とが金型成形により一体に固着していることを意味する。具体的な一例としては、取付軸として硬質樹脂を選択し、軟質部としてゴム状弾性体等の軟質樹脂を選択し、インサート成形や二色成形などで一体成形する例、また取付軸として金属等の樹脂以外の硬質材を選択し、インサート成形などで一体成形する例などである。
請求項2記載の発明は、取付軸に密閉容器内に突出する攪拌軸部を設けたものである。
請求項3記載の発明は、軟質部に攪拌軸部を少なくとも長手方向にそって成形上一体に被覆する弾性被覆部を形成したものである。
請求項4記載の発明は、ゴム状弾性を有する軟質部と硬質部とで形成した密閉容器に粘性流体が封入されており、ディスク状記録媒体を再生するメカシャーシとこれを収容する筐体との間に介在して振動の伝達を減衰する粘性流体封入ダンパーについて、メカシャーシ又は筐体の何れか一方に固定するとともに密閉容器の軟質部に固定する、密閉容器とは別体の取付軸を備えており、且つ該取付軸に、硬質部又は前記何れか他方に固定し、メカシャーシを弾性支持するばね部を設けたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、軟質部に取付軸が差込み係合する取付凹部を形成したものである。なお、この発明における軟質部の取付凹部と取付軸との差込み係合については、接着層を介在させて固着力を強化できる。
請求項6記載の発明は、軟質部の取付凹部を密閉容器内に突出する攪拌筒部として形成したものである。
請求項7記載の発明は、ばね部を取付軸の軸心を中心として放射状に伸長する弾性湾曲片として形成したものである。
請求項7記載の発明における「弾性湾曲片」は、具体的には、平面視で取付軸の軸心を中心とする直線状に伸びる形態として、また取付軸の軸心を中心として曲線状に伸びる形態として構成できる。また、かかる「弾性湾曲片」は、取付軸と同一素材のものとして、また取付軸とは別素材のものとして構成できる。前者の例としては、取付軸として硬質樹脂を選択し、取付軸の一部として弾性湾曲片を一体形成したものとして構成できる。また後者の例としては、取付軸として硬質樹脂を選択し、金属等のばね弾性を有する素材とした弾性湾曲片を、取付軸と一体成形したものとして構成できる。
請求項8記載の発明は、ばね部の先端に係止片を形成し、硬質部又は前記何れか他方に該係止片を抜止めする係止受け部を形成したものである。
請求項9記載の発明は、ばね部と硬質部とをともに硬質樹脂で形成し、ばね部の先端と硬質部とを超音波融着で接合したものである。
請求校10記載の発明は、ばね部を金属片としたものである。
請求項1記載の発明によれば、メカシャーシ又は筐体の何れか一方に固定するとともに密閉容器の軟質部と成形上一体に固着する取付軸を備えており、密閉容器の軟質部と取付軸とが単一の成形体であるため、剥離や破断が無い限り分離することがなく、また従来技術のように粘性流体封入ダンパーへの取付シャフトの取付作業を廃止できる。そして、その取付軸に、硬質部又は前記何れか他方に固定し、メカシャーシを弾性支持するばね部を設けたため、メカシャーシを吊り下げ支持するコイルスプリングとその取付スペースとを廃止してディスク装置を小型化できる。
請求項2記載の発明によれば、筐体とメカシャーシとの相対変位に連動して攪拌軸部が粘性流体を攪拌することで、高い振動減衰効果を発揮できる。
請求項3記載の発明によれば、弾性被覆部において攪拌軸部(取付軸)と軟質部との固着面積が大きくなり固着力を強化できる。また、弾性被覆部は、攪拌軸部を少なくとも長手方向にそって成形上一体に被覆するため、筐体とメカシャーシとの相対変位により攪拌軸部が三次元方向に大きく振れて密閉容器の軟質部の内面と衝突しても、弾性被覆部が柔らかく接触するため、その破断を抑制できる。
請求項4記載の発明によれば、取付軸に、硬質部又は前記何れか他方に固定し、メカシャーシを弾性支持するばね部を設けたため、メカシャーシを吊り下げ支持するコイルスプリングとその取付スペースとを廃止してディスク装置を小型化できる。また、取付軸は、密閉容器とは別体ではあるものの、ばね部が硬質部又は前記何れか他方に固定されるため外れ難くすることができる。
請求項5記載の発明によれば、取付凹部へ差込むことで、取付軸を密閉容器の軟質部に取付けることができる。
請求項6記載の発明によれば、軟質部の取付凹部を、密閉容器内に突出する攪拌筒部として形成したため、筐体とメカシャーシとの相対変位に連動して攪拌軸部が粘性流体を攪拌することで、高い振動減衰効果を発揮できる。
請求項7記載の発明によれば、断面積や本数に応じて弾性湾曲片のばね定数を所望の特性に設定することができる。
請求項8記載の発明によれば、接着等の化学的固着手段を併用してもしなくても、機械的係合においてばね部を確実に固定できる。
請求項9記載の発明によれば、ばね部の先端と硬質部とを超音波融着部にて強固に接合できる。
請求校10記載の発明によれば、ばね部が金属片であるため高い耐久性や耐衝撃性を発揮する。
以下、本発明の実施形態に図面を参照しつつ説明する。なお、背景技術との共通部分や各実施形態間の共通部分は同一の符号を付して重複説明を省略する。
第1実施形態〔図1〜図5〕; 第1実施形態の粘性流体封入ダンパー11は、図1で示すように、ダンパー12と、メカシャーシ8に対する取付け及び支持用の取付軸13と、を備えている。
ダンパー12は、ポリプロピレン等の硬質樹脂でなる円筒状の周壁部14を備えており、その上端は、熱可塑性エラストマー等のゴム状弾性体でなる断面ドーム形状の可撓部15にて閉塞される。一方、下端は、ポリプロピレン等の硬質樹脂でなる蓋体16にて閉塞される。このうち、周壁部14と蓋体16が「硬質部」として、また可撓部15が「軟質部」として「密閉容器」となり、その内部には粘性流体3が封入されている。
取付軸13は、全体がポリプロピレン等の硬質樹脂で形成されている。この取付軸13には、基軸となる円柱状の攪拌軸部17が形成されている。攪拌軸部17の上端には弾性ロック片18が形成されており、これをメカシャーシ8に設けた取付孔8aに係合させることでメカシャーシ8を弾性的に支持するようになっている(図4)。
攪拌軸部17の下端にはフランジ状の突出部19が外向きに形成される。突出部19の上面とその上側には、攪拌軸部17の外周面を被覆する筒状の弾性被覆部15aが、可撓部15の一部として形成されている。したがって、取付軸13と可撓部15(密閉容器の軟質部)とは、この弾性被覆部15aにおいて成形上一体に固着している。
攪拌軸部17と弾性ロック片18との間には、円板状の基部20が形成される。この基部20の外周面20aにおける厚み方向下側には、「ばね部」として4本の弾性湾曲片21が、攪拌軸部17(取付軸13)の軸心を中心として等角放射状に突設されている(図3)。各弾性湾曲片21の先端には固定用突起21aが外向きに突設されており、その底面は周壁部14下端のフランジ14aの上面と超音波融着により固着されている(図1)。このように弾性湾曲片21を固着するには、図2で示すように、直線状に成形された弾性湾曲片21を曲げ下げて、固定用突起21aをフランジ14aの上面に突き当てた状態として超音波融着する。
次に、本実施形態による粘性流体封入ダンパー11の作用と効果を説明する。
弾性被覆部15aにおいて成形上一体に固着する取付軸13を備えており、取付軸13と可撓部15と周壁部14とが単一の成形体である。また、弾性被覆部15aは、攪拌軸部17の長手方向にそって攪拌軸部17と大きな面積で強く固着する。このため、剥離や破断が無い限り、取付軸13が可撓部15と分離することがなく、従来技術のように粘性流体封入ダンパー1への取付シャフト9の差込みによる取付作業を廃止できる。
その一方で、取付軸13の弾性ロック片18は、メカシャーシ8の取付孔8aに対して押込みによるワンタッチで容易に固定できるため、粘性流体封入ダンパー11のメカシャーシ8に対する取付作業を効率的に行える。
取付軸13の弾性湾曲片21は、ばね弾性によってメカシャーシ8を弾性支持するため、メカシャーシ8を吊り下げ支持するコイルスプリング10bとその取付スペースとを無くしてディスク装置を小型化できる。すなわち、本実施形態では、従来技術よりも筐体10の側壁10aの高さが低くしてディスク装置を薄型化できる。
弾性湾曲片21の固定用突起21aは周壁部14のフランジ14aに対して超音波融着により強固に接合されるため、振動や衝撃を受けても破断しない限り分離しない。
筐体10とメカシャーシ8との相対変位に連動して攪拌軸部17が粘性流体3を攪拌するため、高い振動減衰効果を発揮できる。
このとき攪拌軸部17は、弾性被覆部15aで覆われているため、攪拌軸部17が三次元方向に大きく振れて可撓部15と衝突しても、弾性被覆部15aが柔らかく接触するため、その破断が抑制される。
また、円板状の基部20の上面がメカシャーシ8の取付面と面接触するため(図4)、振動により振れるメカシャーシ8を面で抑えてバタツキを低減し、メカシャーシ8との取付状態を安定させることができる。
さらに、円板状の基部20の外周面20aの下側から弾性湾曲片21が突出しており、メカシャーシ8の取付面と接触しないので、弾性湾曲片21の摩耗による剛性低下を回避できる。
以上のような第1実施形態による粘性流体封入ダンパー11については、例えば図5で示すように構成することもできる。すなわち、この変形例では攪拌軸部22の下端から前記実施形態のような突出部19を無くして直線状とし、攪拌軸部22全体を覆うように弾性被覆部15bを形成したものである。これによれば、硬質樹脂でなる攪拌軸部22が可撓部15に対して全く露出しないため、衝突による破断をより一層確実に抑制できる。
第2実施形態〔図6〜図8〕; 図6で示す第2実施形態の粘性流体封入ダンパー23は、第1実施形態の可撓部15の弾性被覆部15aを無くした例である。すなわち、この実施形態の可撓部24は、取付軸25の攪拌軸部26に対して突き当たるようにして成形上一体に固着しており、また攪拌軸部26は第1実施形態の変形例と同様にストレート形状である。よって、第1実施形態と比較すると、本実施形態では、弾性被覆部15aによる作用・効果は得られないものの、その他については同様の作用・効果を発揮することができる。特に、弾性被覆部15aを無くすことで容積が増すため、粘性流体3の充填量を多くする方向性での振動減衰効果を高めることができる。
なお、本実施形態の粘性流体封入ダンパー23については、可撓部24と攪拌軸部26との固着力を強くするために、例えば図7のように攪拌筒部26の外周面に溝26aを形成したり、また図8のように攪拌筒部26に溝26aと貫通孔26bとを形成して、固着面積を大きくするような変形実施が可能である。
第3実施形態〔図9〕; 図9で示す第3実施形態の粘性流体封入ダンパー27は、第2実施形態で粘性流体3に突出する攪拌軸部26の部分を無くした例である。すなわち、この実施形態では、取付軸28の攪拌軸部29の下端に突出部30を形成し、これを被覆するようにして成形上一体に固着する可撓部31を形成したものである。よって、第2実施形態と比較すると、振動を受けた攪拌軸部29が可撓部31を押し引きにより浮動させることで、粘性流体3を間接的に攪拌することによる作用・効果は得られるが、粘性流体3と直接攪拌することによる作用・効果は得られない。なお、この点以外に第1実施形態と同様の作用・効果が得られることは第2実施形態と同様である。そして、特に本実施形態では、攪拌軸部29が粘性流体3に全く突出しないことで容積が更に増すため、粘性流体3の充填量を更に多くする方向性での振動減衰効果を高めることができる。
第4実施形態〔図10〕; 図10で示す第4実施形態の粘性流体封入ダンパー32は、以上の実施形態とは異なり、ダンパー1が従来例の粘性流体封入ダンパー1と同じであり、これに取付軸33を取付けたものである。すなわち、この実施形態では、取付軸33の攪拌軸部34と可撓部5とが成形上一体に固着しておらず、攪拌軸部34は可撓部5に形成した攪拌筒部7の差込凹部7aに差込ませるようになっている。また、取付軸33の弾性湾曲片35は、図2で示すように超音波融着時に曲げ下げるのではなく、予め図10で示すような形状のものとして成形されている。よって、本実施形態では、攪拌軸部34を差込ませた状態として、弾性湾曲片35の固定用突起35aを周壁部4のフランジ4aに対してそのまま超音波融着することで固着する。
こうした本実施形態の粘性流体封入ダンパー32によれば、ダンパー1そのものは従来例による粘性流体封入ダンパー1を使用することができるため、新規のダンパーを用意する必要がない点で有利である。また、攪拌軸部34と攪拌筒部7とは差込みにより係合するものではあるものの、弾性湾曲片35が固定されており、充填した粘性流体3の内圧によって可撓部5が大きく潰れることもないことから、攪拌軸部34の抜けは回避することができる。さらに、本実施形態の弾性湾曲片35には、前記実施形態のような曲げ下げによる応力が加わっていないため、高い耐久性を発揮できる利点がある。
第5実施形態〔図11,図12〕; 図11で示す第5実施形態の粘性流体封入ダンパー36は、第4実施形態と同様に、取付軸37の攪拌軸部34と可撓部5とを成形上一体に固着しないものである点で共通するが、弾性湾曲片38を周壁部39のフランジ39aには固着しない点で相違している。すなわち、この実施形態では、周壁部39のフランジ39aが短く、このフランジ39aと相対形状の蓋体40に、挿通孔40bを有する4つの突出部40aを形成したものとなっている。そして、弾性湾曲片38は、「係止受け部」としての挿通孔40bと、該挿通孔40と整合するように筐体10の側壁10aに設けた「係止受け部」としての係止孔10cと、を通じる長さで形成されており、その「係止片」としての固定用突起38aを側壁10aの外面側に対して係止することで、取付軸37が固定されるようになっている。
こうした本実施形態の粘性流体封入ダンパー36によれば、基本的に第4実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。すなわち、従来のダンパー1に前記のような設計変更を周壁部39と蓋体40に加えるだけでよいため、新規のダンパーを用意する必要がない点で有利である。また、弾性湾曲片38の固定用突起38aが、筐体10の側壁10aの外面側に対して係止することで取付軸37が固定され、粘性流体3の内圧により可撓部5が潰れることもないため、攪拌筒部7の差込凹部7aからの攪拌軸部34の抜けを回避できる。さらに、弾性湾曲片38は蓋体40の挿通孔40bと側壁10aの係止孔10cの孔壁に対して係止して回り止めされるため、振動を受けても取付軸37が回転することはない。したがって、この実施形態では、蓋体40を取付ネジNで側壁10aに固定しないようにできる。
各実施形態に共通の変形例〔図13〜図15〕; 次に、上記実施形態に共通の変形例を例示列挙して説明する。図13(A)で示すように、弾性湾曲片21は、周壁部14のフランジ14aに対して固着せず、蓋体16に対して固着してもよい。また、図13(B)で示すように、フランジ14aに係止受け部14bを形成し、そこに弾性湾曲片21の固定用突起21aを差し込ませて固着してもよい。なお、係止受け部14bは、蓋体16に形成してもよい。また、以上の実施形態における弾性金属片21等は、その幅をより広くしたものとしてもよい。
また、図14で第1実施形態への適用例を示すように、取付軸41の弾性湾曲片42として、例えばばね弾性を有する金属片を使用し、これを硬質樹脂でなる取付軸41に対してインサート成形することで単一の成形体として構成してもよい。このように弾性湾曲片42を金属片で構成すれば、耐久性や耐衝撃性を格段に向上できる。なお、この場合には、周壁部43のフランジ43aに係止受け部43bを形成し、そこに弾性湾曲片42先端の固定用突起42aを差込むことで、取付軸41を固定できる。
さらに、図15で示す弾性湾曲片44のように、各々が放射状にカーブを描くように、長手方向にそって湾曲形状のものとしてもよい。
前記実施形態では、粘性流体封入ダンパーの蓋体6,16,40を筐体10の側壁10aに取付ける例を示したが、蓋体6,16,40をメカシャーシ8に対して取付け、弾性ロック片18を筐体10の側壁10aに固定してもよい。
第1実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。 図1の弾性湾曲片の固定方法を示す説明図。 図1の弾性湾曲片の平面図。 図1の粘性流体封入ダンパーの使用状態を説明するディスク装置の内部構造を模式的に示す説明図。 可撓部の弾性被覆部と攪拌軸部との一変形例を示す部分拡大断面図。 第2実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。 可撓部と攪拌軸部との固着態様の一変形例を示す部分拡大断面図であり、分図(a)は図6相当の断面図、分図(b)は分図(a)のSA−SA線断面図。 可撓部と攪拌軸部との固着態様の他の変形例を示す部分拡大断面図であり、分図(a)は図6相当の断面図、分図(b)は分図(a)のSB−SB線断面図。 第3実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。 第4実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。 第5実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。 図11の平面図。 弾性湾曲片の固着態様の変形例を示す要部拡大断面図。 弾性湾曲片の変形例を示す図1相当の粘性流体封入ダンパーの断面図。 弾性湾曲片の変形例を示す平面図。 一従来例による粘性流体封入ダンパーの説明図。 図16の粘性流体封入ダンパーの取付構造を示すディスク装置の内部構造説明図。 他の従来例による粘性流体封入ダンパーの取付構造を示すディスク装置の内部構造説明図。
符号の説明
1 粘性流体封入ダンパー,ダンパー
2 密閉容器
3 粘性流体
4 周壁部(硬質部)
5 可撓部(軟質部)
6 蓋体(硬質部)
6a 孔
7 攪拌筒部
7a 差込凹部
8 メカシャーシ
9 取付シャフト
10 筐体
10a 側壁
10b コイルスプリング
10c 係止孔(係止受け部)
11 粘性流体封入ダンパー(第1実施形態)
12 ダンパー
13 取付軸
14 周壁部(硬質部)
14a フランジ
15 可撓部(軟質部)
15a 弾性被覆部
15b 弾性被覆部
16 蓋体(硬質部)
17 攪拌軸部
18 弾性ロック片
19 突出部
20 基部
20a 外周面
21 弾性湾曲片(ばね部)
21a 固定用突起
22 攪拌軸部
23 粘性流体封入ダンパー(第2実施形態)
24 可撓部
25 取付軸
26 攪拌軸部
26a 溝
26b 貫通孔
27 粘性流体封入ダンパー(第3実施形態)
28 取付軸
29 攪拌軸部
30 突出部
31 可撓部
32 粘性流体封入ダンパー(第4実施形態)
33 取付軸
34 攪拌軸部
35 弾性湾曲片(ばね部)
35a 固定用突起
36 粘性流体封入ダンパー(第5実施形態)
37 取付軸
38 弾性湾曲片(ばね部)
38a 固定用突起(係止片)
39 周壁部(硬質部)
39a フランジ
40 蓋体(硬質部)
40a 突出部
40b 挿通孔(係止受け部)
41 取付軸
42 弾性湾曲片(ばね部)
43 周壁部
43a フランジ
43b 係止受け部
44 弾性湾曲片(ばね部)
N 取付ネジ

Claims (10)

  1. ゴム状弾性を有する軟質部と硬質部とで形成した密閉容器に粘性流体が封入されており、ディスク状記録媒体を再生するメカシャーシとこれを収容する筐体との間に介在して振動の伝達を減衰する粘性流体封入ダンパーにおいて、
    メカシャーシ又は筐体の何れか一方に固定するとともに密閉容器の軟質部と成形上一体に固着する取付軸を備えており、且つ該取付軸に、硬質部又は前記何れか他方に固定し、メカシャーシを弾性支持するばね部を設けたことを特徴とする粘性流体封入ダンパー。
  2. 取付軸に、密閉容器内に突出する攪拌軸部を設けた請求項1記載の粘性流体封入ダンパー。
  3. 軟質部に、攪拌軸部を少なくとも長手方向にそって成形上一体に被覆する弾性被覆部を形成した請求項2記載の粘性流体封入ダンパー。
  4. ゴム状弾性を有する軟質部と硬質部とで形成した密閉容器に粘性流体が封入されており、ディスク状記録媒体を再生するメカシャーシとこれを収容する筐体との間に介在して振動の伝達を減衰する粘性流体封入ダンパーにおいて、
    メカシャーシ又は筐体の何れか一方に固定するとともに密閉容器の軟質部に固定する、密閉容器とは別体の取付軸を備えており、且つ該取付軸に、硬質部又は前記何れか他方に固定し、メカシャーシを弾性支持するばね部を設けたことを特徴とする粘性流体封入ダンパー。
  5. 軟質部に、取付軸が差込み係合する取付凹部を形成した請求項4記載の粘性流体封入ダンパー。
  6. 軟質部の取付凹部を、密閉容器内に突出する攪拌筒部として形成した請求項5記載の粘性流体封入ダンパー。
  7. ばね部を、取付軸の軸心を中心として放射状に伸長する弾性湾曲片として形成した請求項1〜請求項6何れか1項記載の粘性流体封入ダンパー。
  8. ばね部の先端に係止片を形成し、硬質部又は前記何れか他方に該係止片を抜止めする係止受け部を形成した請求項1〜請求項7何れか1項記載の粘性流体封入ダンパー。
  9. ばね部と硬質部とをともに硬質樹脂で形成し、ばね部の先端と硬質部とを超音波融着で接合した請求項1〜請求項8何れか1項記載の粘性流体封入ダンパー。
  10. ばね部を金属片とした請求項1〜請求項9何れか1項記載の粘性流体封入ダンパー。
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