JP2018050024A - 熱電材料および熱電モジュール - Google Patents

熱電材料および熱電モジュール Download PDF

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Yoshihiko Iijima
喜彦 飯島
讓 宮▲崎▼
Yuzuru Miyazaki
讓 宮▲崎▼
智寿 ▲高▼松
智寿 ▲高▼松
Tomohisa Takamatsu
駿仁 中沢
Hayato Nakazawa
駿仁 中沢
昌典 島田
Masanori Shimada
昌典 島田
永井 宏樹
Hiroki Nagai
宏樹 永井
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Abstract

【課題】熱電特性の優れた熱電材料を提供する。【解決手段】熱電材料は、一般式(Cr1−aXa)c(Si1−bYb)1−c(式中、Xは、Crよりも原子量が大きいCrの同属元素であり、Yは、Siよりも原子量が大きいSiの同属元素であり、aは、0.4以下であり、bは、0.4以下であり、cは、0.1以上0.9以下である。)で表される化合物を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、熱電材料および熱電モジュールに関する。
現在、世界のエネルギーは、その多くを化石燃料を燃焼させることによって発生する熱エネルギーに依存しているが、熱エネルギーを使用する発電システムの場合、熱エネルギーの多くを廃熱として未利用のまま、廃棄しているのが現状である。
一方、地球環境の保全が世界的規模で議論されるようになり、熱エネルギーの未利用分を有効利用する技術開発が精力的に進められている。この中で、熱電変換を用いた発電は、比較的低品質の熱エネルギーを直接電力に変換することが可能であるため、現状の未利用の廃熱を回収することができる技術であり、最近のエネルギー問題や環境問題の深刻化に伴い、熱電変換を用いた発電に対する期待度は、益々大きくなっている。
熱電変換とは、異なる2種の金属、p型半導体とn型半導体等の熱電材料に温度差を与えると、両端に熱起電力が発生するゼーベック効果を利用して、熱エネルギーを直接電力に変換する技術であり、モーターやタービン等の可動部がなく、老廃物を出さないという優れた特徴を有している。
ここで、式
ZT=SσT/κ・・・(1)
(式中、Sは、ゼーベック係数[V/K]であり、σは、電気伝導率[S/m]であり、Tは、絶対温度[K]であり、κは、熱伝導率[W/mK]である。)で表される(無次元)性能指数ZTは、熱電特性を評価する際に用いられる。このとき、性能指数ZTを大きくするためには、ゼーベック係数と電気伝導率が大きく、熱伝導率が小さいことが必要である。また、性能指数ZTの中で、式
σ・・・(2)
で表されるパワーファクター(出力因子)[W/mK]も、熱電特性を評価する際に用いられる。
ここで、ゼーベック係数は、物性値であるため、材料によって決まってしまうが、電気伝導率と熱伝導率は、材料の微細組織や構成される元素等によっても大きく変化させることが可能であるため、電気伝導率を大きくしたり、熱伝導率を小さくしたりするための方法が検討されている。
従来、熱電材料としては、Bi−Te系材料が主に用いられてきたが、Bi−Te系材料は、構成元素のTeや、添加物として加えられるSeの毒性が大きいことに加え、300℃程度までしか使用することができないという不具合が生じていた。
これに対し、CrおよびSiから構成される材料は、毒性が無く、環境にやさしい熱電材料であることに加え、高温まで使用することが可能であるため、現在、大いに注目されている。
特許文献1には、Cr及びSiを主成分とし、Crの同属元素であり、且つ、Crよりも原子量が大きい元素(A)を含有する熱電材料が開示されている。また、特許文献1には、Cr及びSiを主成分とし、Siとで構成される化合物の結晶構造が、CrとSiとで構成される化合物と同形の結晶構造を有し、且つ、Crよりも原子量が大きい元素(B)を含有する熱電材料が開示されている。さらに、特許文献1には、Cr及びSiを主成分とし、Siの同属元素であり、且つ、Siよりも原子量が大きい元素(C)を含有する熱電材料が開示されている。
しかしながら、熱電特性がさらに優れた熱電材料が切望されている。
そこで、本発明は、熱電特性の優れた熱電材料を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、熱電材料において、一般式
(Cr1−a(Si1−b1−c
(式中、Xは、Crよりも原子量が大きいCrの同属元素であり、Yは、Siよりも原子量が大きいSiの同属元素であり、aは、0.4以下であり、bは、0.4以下であり、cは、0.1以上0.9以下である。)
で表される化合物を含む。
本発明の他の態様は、熱電材料において、一般式
(Cr1−d(Si1−b1−c
(式中、Zは、Crよりも原子量が大きい元素であり、ZSi1−cの結晶構造がCrSi1−cの結晶構造と同形であり、Yは、Siよりも原子量が大きいSiの同属元素であり、dは、0.4以下であり、bは、0.4以下であり、cは、0.1以上0.9以下である。)
で表される化合物を含む。
本発明の他の態様は、熱電材料において、一般式
Cr(Si1−bY'1−c
(式中、Y'は、Siよりも原子量が大きく、且つ、p型のキャリアを供給することが可能な元素であり、bは、0.4以下であり、cは、0.1以上0.9以下である。)
で表される化合物を含む。
本発明によれば、熱電特性の優れた熱電材料を提供することができる。
本実施形態に係る熱電材料の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る熱電材料の製造方法の他の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る熱電モジュールの一例を示す概略図である。 実施例1−1、1−2、比較例1の熱電材料の電気伝導率の温度変化を示す図である。 実施例1−1、1−2、比較例1の熱電材料のパワーファクターの温度変化を示す図である。 実施例1−1、1−2、比較例1の熱電材料の熱伝導率の温度変化を示す図である。 実施例1−1、1−2、比較例1の熱電材料の性能指数ZTの温度変化を示す図である。 実施例2、比較例1の熱電材料の熱伝導率の温度変化を示す図である。 実施例3−1〜3−3、比較例2の熱電材料の電気伝導率の温度変化を示す図である。 実施例3−1〜3−3、比較例2の熱電材料のパワーファクターの温度変化を示す図である。 実施例3−1〜3−3、比較例2の熱電材料の熱伝導率の温度変化を示す図である。 実施例3−1〜3−3、比較例2の熱電材料の性能指数ZTの温度変化を示す図である。
次に、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。
なお、以下に述べる本発明の実施形態は、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において、本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されるものではない。
<熱電材料>
本実施形態に係る熱電材料は、一般式
(Cr1−a(Si1−b1−c
(式中、Xは、Crよりも原子量が大きいCrの同属元素であり、Yは、Siよりも原子量が大きいSiの同属元素であり、aは、0.4以下であり、bは、0.4以下であり、cは、0.1以上0.9以下である。)
で表される化合物を含む。これにより、パワーファクターSσおよび性能指数ZTが大きい熱電材料、すなわち、熱電特性の優れた熱電材料が得られる。
また、本実施形態に係る熱電材料は、一般式
(Cr1−d(Si1−b1−c
(式中、Zは、Crよりも原子量が大きい元素であり、ZSi1−cの結晶構造がCrSi1−cの結晶構造と同形であり、Yは、Siよりも原子量が大きいSiの同属元素であり、dは、0.4以下であり、bは、0.4以下であり、cは、0.1以上0.9以下である。)
で表される化合物を含む。これにより、性能指数ZTが大きい熱電材料、すなわち、熱電特性の優れた熱電材料が得られる。
また、本実施形態に係る熱電材料は、一般式
Cr(Si1−bY'1−c
(式中、Y'は、Siよりも原子量が大きく、且つ、p型のキャリアを供給することが可能な元素であり、bは、0.4以下であり、cは、0.1以上0.9以下である。)
で表される化合物を含む。これにより、所定の温度範囲におけるパワーファクターSσおよび性能指数ZTが大きい熱電材料、すなわち、熱電特性の優れた熱電材料が得られる。
すなわち、本実施形態に係る熱電材料は、CrおよびSiから構成される材料において、Crの一部がXまたはZで置換されているとともに、Siの一部がYで置換されている組成とすること、あるいは、Siの一部がY'で置換されている組成とすることにより、熱電特性の優れた熱電材料とすることができる。
なお、本実施形態に係る熱電材料は、CrサイトがXまたはZで置換されていてもよいが、必ずしもCrサイトがXまたはZで置換されている必要はなく、XまたはZを含んでいればよい。
また、同様に、本実施形態に係る熱電材料は、SiサイトがYまたはY'で置換されていてもよいが、必ずしもSiサイトがYまたはY'で置換されている必要はなく、YまたはY'を含んでいればよい。
ここで、CrおよびSiから構成される材料とは、CrSi、CrSi、CrSi、CrSiのそれぞれの化合物およびその固溶体、ならびに、Crの含有率が概ね10〜90at%までのCr−Si合金である。
すなわち、cは、0.1以上0.9以下であるが、0.2以上0.7以下であることが好ましい。cが0.1未満である場合または0.9を超える場合は、熱電材料の熱電特性が低下する。
Xは、Mo、WまたはUであることが好ましく、MoまたはWであることが特に好ましい。これにより、熱電材料の熱電特性を向上させることができる。
XによるCrの置換の割合、すなわち、aは、0.4以下であるが、0.2以下であることが好ましい。aが0.4を超える場合は、熱電材料の熱電特性が低下する。
Yは、Ge、SnまたはPbであることが好ましく、GeまたはSnであることが特に好ましい。これにより、熱電材料の熱電特性を向上させることができる。
YによるSiの置換の割合、すなわち、bは、0.4以下であるが、0.2以下であることが好ましい。bが0.4を超える場合は、熱電材料の熱電特性が低下する。
Zは、V、NbまたはTaであることが好ましく、NbまたはTaであることが特に好ましい。これにより、熱電材料の熱電特性を向上させることができる。
ZによるCrの置換の割合、すなわち、dは、0.4以下であるが、0.2以下であることが好ましい。dが0.4を超える場合は、熱電材料の熱電特性が低下する。
Y'は、Cu、Ag、Ga、In、Zn、またはCdであることが好ましく、CuまたはAgであることが特に好ましい。これにより、熱電材料の熱電特性を向上させることができる。
Y'によるSiの置換の割合、すなわち、bは、0.4以下であるが、0.2以下であることが好ましい。bが0.4を超える場合は、熱電材料の熱電特性が低下する。
なお、本実施形態に係る熱電材料は、Cr、Si、X、Z、YおよびY'以外の元素をさらに含んでいてもよい。
<熱電材料の製造方法>
図1に、本実施形態に係る熱電材料の製造方法の一例を示す。
第1の工程(S11)は、原料を秤量する工程であり、Cr、Si、X、Z、Y、Y'等の原料を秤量する。
第2の工程(S12)は、秤量された原料組成物を溶解させる工程である。
溶解方法としては、原料組成物を均一に溶解させることが可能であれば、特に限定されないが、高周波溶解法、アーク溶解法等を用いることができる。
原料組成物を溶解させる際の雰囲気は、真空、Ar等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。これにより、原料組成物の酸化を防止することができる。
第3の工程(S13)は、溶解した合金を熱処理する工程であり、溶解した合金を均一化するために実施する工程である。
熱処理温度は、合金が溶解しない範囲で、できるだけ高温であることが好ましい。
合金を熱処理する際の雰囲気は、真空、Ar等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。これにより、合金の酸化を防止することができる。
なお、第3の工程(S13)が特に必要ない場合は、第3の工程(S13)を省略することが可能である。
第4の工程(S14)は、熱処理された合金を粉砕する工程である。
熱処理された合金は、必要に応じて、ボールミル等を用いて粉砕することができる。このとき、第5の工程(S15)で焼結するのに問題ないレベルまで、熱処理された合金を粉砕できていれば、必ずしもボールミルを用いる必要はなく、乳鉢等を用いてもよい。
合金が粉砕された粉末の粒径は、特に限定されない。
第5の工程(S15)は、粉砕された粉末を焼結する工程である。
なお、粉末を焼結する前に粉末を成形する必要がある場合は、第5の工程(S15)の前に、粉末を成形する工程を追加してもよい。
焼結方法としては、目的のバルク材料を得ることが可能であれば、特に限定されないが、電気炉を用いて焼結する方法、放電プラズマ焼結法等を用いることができる。
焼結温度は、焼結方法、CrおよびSiの組成比、X、Z、Y、Y'の種類や量等により異なるが、800℃〜1500℃程度であることが好ましい。
焼結時間は、焼結方法、CrおよびSiの組成比、X、Z、Y、Y'の種類や量等により異なるが、5分〜20時間程度が適当である。
粉末を焼結する際に使用する基板あるいは容器を構成する材料としては、例えば、Al等のセラミックスを用いることができるが、その他にも、カーボン、グラファイト、アモルファスカーボン等を用いることができる。
粉末を焼結する際の雰囲気としては、真空、Ar等の不活性ガス雰囲気、大気および還元性の雰囲気を用いることができる。これらの中でも、粉末の酸化を防止するため、真空、不活性ガス雰囲気が好ましい。
さらに、焼結された粉末をアニール処理(熱処理)しても問題ない。
以上のようにして、本実施形態に係る熱電材料を製造することができる。
図2に、本実施形態に係る熱電材料の製造方法の他の例を示す。
第1の工程(S21)は、原料を秤量し、混合する工程であり、Cr、Si、X、Z、Y、Y'等の原料あるいはそれらの酸化物を秤量し、混合する。
第2の工程(S22)は、混合された原料組成物と還元剤を混合する工程である。これにより、原料組成物に酸化物が含まれる場合に、酸化物を還元することができる。
還元剤としては、原料組成物に含まれる酸化物を還元することが可能であれば、特に限定されないが、例えば、CaHやLiHを用いることができる。
原料組成物と還元剤を混合する際の雰囲気としては、特に限定されないが、空気中で扱えない還元剤を混合する場合は、Ar等の不活性ガス雰囲気を用いることが好ましい。
第3の工程(S23)は、原料組成物と還元剤の混合物を成形する工程である。
混合物を成形する際には、通常の成形機を用いることができる。
混合物を成形する際の雰囲気としては、特に限定されないが、空気中で扱えない還元剤を用いる場合は、Ar等の不活性ガス雰囲気を用いることが好ましい。
第4の工程(S24)は、成形された混合物を熱処理する工程である。
熱処理温度は、熱処理方法、CrおよびSiの組成比、還元剤、X、Z、Y、Y'の種類や量により異なるが、200℃〜1200℃程度であることが好ましい。
熱処理時間は、熱処理方法、CrおよびSiの組成比、還元剤、X、Z、Y、Y'の種類や量により異なるが、5分〜100時間程度であることが適当である。
第5の工程(S25)は、熱処理された混合物を洗浄する工程である。これにより、混合物の熱処理により生じた不純物を除去することができる。
熱処理された混合物を、例えば、エタノール中に塩化アンモニウムが溶解している溶液、または、蒸留水で洗浄することにより、還元反応の副生成物であるCaやLiの酸化物を除去することができる。
第6の工程(S26)は、洗浄された混合物を焼結する工程である。
洗浄された混合物を、前述した第5の工程(S15)と同様の方法で焼結する。
以上のようにして、本実施形態に係る熱電材料を製造することができる。
<熱電モジュール>
本実施形態に係る熱電モジュールは、本実施形態に係る熱電材料を含むものである。
図3に、本実施形態に係る熱電モジュールの一例を示す。
熱電モジュール10は、p型半導体11として、本実施形態に係る熱電材料を使用し、n型半導体12として、既存のn型半導体を使用する。また、補強材14aと補強材14bとの間に、p型半導体11およびn型半導体12を設け、電極13を用いて、p型半導体11およびn型半導体12の対を電気的に直列に接続する。
例えば、補強材14b側を高温にし、補強材14a側を低温にして、温度差が生じることにより、ゼーベック効果によって、熱起電力が生じる。その結果、熱電モジュール10を用いて、発電することができる。
なお、熱電モジュール10は、p型半導体11とn型半導体12との両方を用いているが、本実施形態に係る熱電モジュールは、本実施形態に係る熱電材料をp型半導体として使用するのみの、いわゆるユニレグ構造の熱電モジュールであっても問題ない。
次に、本発明について、実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1−1>
純度99.9%の純クロム(高純度化学研究所社製)、純度99.999%の純珪素(高純度化学研究所社製)、純度99.9%の純モリブデン(高純度化学研究所社製)、純度99.99%の純ゲルマニウム(高純度化学研究所社製)を、CrSiのうち、Crの10at%がMoで置換されているとともに、Siの5at%がGeで置換されている組成になるように秤量し、原料組成物とした。
アーク溶解炉GMAC−1100(技研エンジニアリングサービス社製)を用いて、Ar雰囲気中で原料組成物を溶解させ、Cr0.9Mo0.1(Si0.95Ge0.05の組成を有する合金とした。
Cr0.9Mo0.1(Si0.95Ge0.05の組成を有する合金をメノウ乳鉢で粉砕した後、放電プラズマ焼結装置SPS−511S(富士電波工機社製)を用いて、真空中で、50MPaの圧力を印加しながら、950℃で20分間焼結し、Cr0.9Mo0.1(Si0.95Ge0.05の組成を有する熱電材料を製造した。
<実施例1−2>
原料組成物の組成を、CrSiのうち、Crの10at%がMoで置換されているとともに、Siの2at%がGeで置換されている組成に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、Cr0.9Mo0.1(Si0.98Ge0.02の組成を有する熱電材料を製造した。
<比較例1>
原料組成物の組成を、CrSiに変更した以外は、実施例1−1と同様にして、CrSiの組成を有する熱電材料を製造した。
次に、実施例1−1、1−2、比較例1の熱電材料の電気伝導率σ、パワーファクターSσ、熱伝導率κ、性能指数ZTを評価した。
<電気伝導率σ>
熱電特性評価装置ZEM−3(アルバック理工社製)を用いて、実施例1−1、1−2、比較例1の熱電材料の電気伝導率の温度変化を測定した。
図4に、実施例1−1、1−2、比較例1の熱電材料の電気伝導率の温度変化を示す。
図4から、実施例1−1、1−2の熱電材料は、比較例1の熱電材料と比較して、電気伝導率が増加していることがわかる。
<パワーファクターSσ>
前述した式(2)から、パワーファクターを算出した。
図5に、実施例1−1、1−2、比較例1の熱電材料のパワーファクターの温度変化を示す。
図5から、実施例1−1、1−2の熱電材料は、比較例1の熱電材料と比較して、パワーファクターが増加していることがわかる。このため、実施例1−1、1−2の熱電材料は、比較例1の熱電材料に対して、熱電特性を向上させることができた。
<熱伝導率κ>
レーザフラッシュ法熱定数測定装置TC−7000(アルバック理工社製)を用いて、実施例1−1、1−2、比較例1の熱電材料の熱伝導率の温度変化を測定した。
図6に、実施例1−1、1−2、比較例1の熱電材料の熱伝導率の温度変化を示す。
図6から、実施例1−1、1−2の熱電材料は、比較例1の熱電材料と比較して、熱伝導率が減少していることがわかる。
<性能指数ZT>
前述した式(1)から、性能指数ZTを算出した。
図7に、実施例1−1、1−2、比較例1の熱電材料の性能指数ZTの温度変化を示す。
図7から、実施例1−1、1−2の熱電材料は、比較例1の熱電材料と比較して、性能指数ZTが増加していることがわかる。このため、実施例1−1、1−2の熱電材料は、
比較例1の熱電材料に対して、熱電特性を向上させることができた。
<実施例2>
純度99.9%の純クロム(高純度化学研究所社製)、純度99.999%の純珪素(高純度化学研究所社製)、純度99.9%の純ニオブ(高純度化学研究所社製)、純度99.99%の純ゲルマニウム(高純度化学研究所社製)を、CrSiのうち、Crの5at%がNbで置換されているとともに、Siの2at%がGeで置換されている組成になるように秤量し、原料組成物とした。
得られた原料組成物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、Cr0.95Nb0.05(Si0.98Ge0.02の組成を有する熱電材料を製造した。
次に、実施例2の熱電材料の熱伝導率κを評価した。
図8に、実施例2、比較例1の熱電材料の熱伝導率の温度変化を示す。
図8から、実施例2の熱電材料は、比較例1の熱電材料と比較して、熱伝導率が減少していることがわかる。その結果、実施例2の熱電材料は、比較例1の熱電材料と比較して、性能指数ZTが増加すると考えられる。このため、実施例2の熱電材料は、実施例1−1、1−2の熱電材料と同様にして、比較例1の熱電材料に対して、熱電特性を向上させることができると考えられる。
<実施例3−1>
純度99.9%の純クロム(高純度化学研究所社製)、純度99.999%の純珪素(高純度化学研究所社製)、純度99.85%の純銅(和光純薬工業社製)を、CrSiのうち、Siの0.5at%がCuで置換されている組成になるように秤量し、原料組成物とした。
アーク溶解炉GMAC−1100(技研エンジニアリングサービス社製)を用いて、Ar雰囲気中で原料組成物を溶解させ、Cr(Si0.995Cu0.005の組成を有する合金とした。
Cr(Si0.995Cu0.005の組成を有する合金をアルミナ乳鉢で粉砕した後、放電プラズマ焼結装置SPS−511S(富士電波工機社製)を用いて、真空中で、50MPaの圧力を印加しながら、950〜980℃で20分間焼結し、Cr(Si0.995Cu0.005の組成を有する熱電材料を製造した。
<実施例3−2>
原料組成物の組成を、CrSiのうち、Siの1.0at%がCuで置換されている組成に変更した以外は、実施例3−1と同様にして、Cr(Si0.99Cu0.01の組成を有する熱電材料を製造した。
<実施例3−3>
原料組成物の組成を、CrSiのうち、Siの4.0at%がCuで置換されている組成に変更した以外は、実施例3−1と同様にして、Cr(Si0.96Cu0.04の組成を有する熱電材料を製造した。
<比較例2>
原料組成物の組成を、CrSiに変更した以外は、実施例3−1と同様にして、CrSiの組成を有する熱電材料を製造した。
次に、実施例3−1〜3−3の熱電材料の電気伝導率σ、パワーファクターSσ、熱伝導率κ、性能指数ZTを評価した。
図9に、実施例3−1〜3−3、比較例2の熱電材料の電気伝導率の温度変化を示す。 図9から、実施例3−1〜3−3の熱電材料は、比較例2の熱電材料と比較して、電気伝導率が増加していることがわかる。
図10に、実施例3−1〜3−3、比較例2の熱電材料のパワーファクターの温度変化を示す。
図10から、実施例3−1〜3−3の熱電材料は、比較例2の熱電材料と比較して、それぞれ550K以上、700K以上、750K以上の温度範囲で、パワーファクターが増加していることがわかる。このため、実施例3−1〜3−3の熱電材料は、比較例2の熱電材料に対して、所定の温度範囲における熱電特性を向上させることができた。
図11に、実施例3−1〜3−3、比較例2の熱電材料の熱伝導率の温度変化を示す。
図11から、実施例3−1、3−2の熱電材料は、比較例2の熱電材料と比較して、熱伝導率が減少していることがわかる。一方、実施例3−3の熱電材料は、比較例2の熱電材料と比較して、500K以下の温度範囲で、熱伝導率が減少している。
図12に、実施例3−1〜3−3、比較例2の熱電材料の性能指数ZTの温度変化を示す。
図12から、実施例3−1の熱電材料は、比較例2の熱電材料と比較して、性能指数ZTが増加していることがわかる。一方、実施例3−2、3−3の熱電材料は、比較例2の熱電材料と比較して、それぞれ600K以上、800K以上の温度範囲で、性能指数ZTが増加している。このため、実施例3−1〜3−3の熱電材料は、比較例2の熱電材料に対して、所定の温度範囲における熱電特性を向上させることができた。
10 熱電モジュール
11 p型半導体
12 n型半導体
13 電極
14a、14b 補強材
特開2016−063034号公報

Claims (8)

  1. 一般式
    (Cr1−a(Si1−b1−c
    (式中、Xは、Crよりも原子量が大きいCrの同属元素であり、Yは、Siよりも原子量が大きいSiの同属元素であり、aは、0.4以下であり、bは、0.4以下であり、cは、0.1以上0.9以下である。)
    で表される化合物を含むことを特徴とする熱電材料。
  2. 前記Xは、MoまたはWであることを特徴とする請求項1に記載の熱電材料。
  3. 一般式
    (Cr1−d(Si1−b1−c
    (式中、Zは、Crよりも原子量が大きい元素であり、ZSi1−cの結晶構造がCrSi1−cの結晶構造と同形であり、Yは、Siよりも原子量が大きいSiの同属元素であり、dは、0.4以下であり、bは、0.4以下であり、cは、0.1以上0.9以下である。)
    で表される化合物を含むことを特徴とする熱電材料。
  4. 前記Zは、NbまたはTaであることを特徴とする請求項3に記載の熱電材料。
  5. 前記Yは、GeまたはSnであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱電材料。
  6. 一般式
    Cr(Si1−bY'1−c
    (式中、Y'は、Siよりも原子量が大きく、且つ、p型のキャリアを供給することが可能な元素であり、bは、0.4以下であり、cは、0.1以上0.9以下である。)
    で表される化合物を含むことを特徴とする熱電材料。
  7. 前記Y'は、CuまたはAgであることを特徴とする請求項6に記載の熱電材料。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱電材料を含むことを特徴とする熱電モジュール。
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