JP2018028146A - クラッド鋼用二相ステンレス鋼及びクラッド鋼 - Google Patents

クラッド鋼用二相ステンレス鋼及びクラッド鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性が良好で安価なクラッド鋼を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.03%以下、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜6.0%、P:0.05%以下、S:0.0001〜0.0014%、Cr:20.0〜28.0%、Ni:0.5〜9.0%、Mo:5.0%以下、W:3%以下、Co:1.0%以下、Cu:3.0%以下、N:0.05〜0.35%、V:0.5%以下、Nb:0.15%以下、Ti:0.05%以下、B:0.0050%以下、Al:0.003〜0.05%、Ca:0.0005〜0.0040%、Mg:0.0030%以下、O:0.001〜0.004%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、鋼表面における最大径5μm以上の大きさの酸化物のCaとAlの重量比率が0.5〜3.5であることを特徴とするクラッド鋼用二相ステンレス鋼。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐食性にすぐれた二相ステンレス鋼を合わせ材として用いたクラッド鋼に関し、化学輸送船のタンク類、海水淡水化機器、各種容器等として使用可能なクラッド鋼及び、前記クラッド鋼用の合わせ材として用いられる二相ステンレス鋼に関する。
クラッド鋼は母材と合わせ材により構成される。母材は炭素鋼などの相対的に安価な鋼が用いられ、強度・靱性などクラッド鋼の基本的な力学特性を担わされる。合わせ材は相対的に高価な鋼が用いられ、腐食環境に対する耐食性など、クラッド鋼の用途に適合する特殊機能性を担わされる。合わせ材をステンレス鋼としたクラッド鋼の用途として化学輸送船のタンク類があり、二重船殻の外側の炭素鋼と溶接接合される部位のタンク隔壁として多く用いられている。このクラッド鋼の合わせ材として一般に用いられているステンレス鋼は、SUS316Lをはじめとするオーステナイトステンレス鋼であり、二相ステンレス鋼を用いた適用例は少ない。
二相ステンレス鋼を合わせ材としたクラッド鋼の製造方法についての開示があり(特許文献1,2)、SUS304,SUS304L、SUS329J1やSUS329J3L、SUS329J4Lを合わせ材とした実施例が示されている。クラッド鋼を圧延ままで使用する場合、熱間圧延中の合わせ材に析出してくる炭化物やσ相といった合わせ材の耐食性を低下させる析出物を抑制することが必要であり、上記の特許文献に開示された製造方法では圧延温度の規制、圧延後の冷却方法の規制により合わせ材の耐食性と母材の強度・靱性を確保している。
熱間圧延中のσ相析出感受性を低下させる観点から、Si量を0.15%以下に低減した孔食発生温度数式規定で50℃以上となる二相ステンレス鋼の合わせ材およびそのクラッド鋼材が特許文献3に開示されており、特許文献1,2で示された内容と類似の圧延条件と組み合わせた製造方法が開示されている。
二相ステンレス鋼はCr,Moの含有量が高いという成分的特徴より、熱間でのσ相の析出感受性が高いというデメリットを有しており、上記3つの特許文献はその課題に対する対策を示したものである。
二相ステンレス鋼はまた、Cr,Moの含有量が高いという成分的特徴より、耐孔食性が高いという特性を有する。合わせ材として用いた二相ステンレス鋼の耐孔食性を損なう要因としては、前出の熱間圧延中に析出した微小なσ相であったり、クロム窒化物であったりする。これら析出物はその周囲にCrの欠乏領域を形成し、孔食の起点となりうるものである。一方で、ステンレス鋼の耐孔食性を損なう介在物としては硫化物が挙げられる。耐孔食性を損なう代表的な硫化物としてはMnS、CaSが知られている。そこでステンレス鋼の耐孔食性を高める方法として、S含有量を低値に低減することが普遍的な成分設計として実行されている。
二相ステンレス鋼は熱間加工性が乏しいステンレス鋼であり、S含有量を低減しても熱間圧延時に耳割れを発生することがある。そこで、熱間加工性対策として種々の方法が提案されており、S量を3ppm以下という極低値に低減する(特許文献4)、さらにCaを添加して鋼中のSをCaSとして固定するなどの方法があげられる(非特許文献1)。しかし、Caを添加する場合、前述した様に生成したCaSが孔食の起点となって耐孔食性を低下する場合があった。
また一方で、特許文献5には、AlとCaの添加量を適正に調整することによって、Caを含有する酸化物系介在物を生成させてステンレス鋼の耐孔食性を改善する方法が開示されている。しかし、特許文献5は、鋼中のSの含有量と介在物の生成との関係について開示も示唆もしていない。Sは原料から不可避に混入して鋼中のCaと反応するので、Caの添加によってCaSが生成されやすくなる。このように、Caを添加することによって、CaS等の硫化物系介在物が生成し、このCaS等が孔食の起点となって鋼の耐食性を損なうおそれがある。特許文献5には、CaSの形成による耐食性の低下という課題が開示も示唆もされていないので、特許文献5に開示されたステンレス鋼は、耐孔食性が十分に改善されているとは言えない。
また、本発明が対象とするクラッド鋼の合わせ材は熱間加工のまま使用されるが、特許文献5は、固溶化熱処理が行われているステンレス鋼のみを製品例として開示している。そのため、特許文献5に開示されたステンレス鋼を熱間加工のまま前記合わせ材として用いる場合、加工による転位の存在や他の析出物の影響が想定される。従って、特許文献5に記載のステンレス鋼をクラッド鋼の合わせ材として直接的に適用しても本発明の課題解決に至らなかった。
特開昭60−216984号公報 特開昭62−110880号公報 特開2014−114466号公報 特開平1−219144号公報 特公昭54−24364号公報
S. Tsuge. Effect of impurity and microalloying elements on the hot workability of duplex stainless steels. Proc. Int. Conf. on Stainless Steels, Chiba, Japan, 1991, p.799-806
本発明は、CaSに起因する耐食性の低下が防止され、且つ、溶体化熱処理を施さなくとも、熱間圧延ままであっても溶体化熱処理同等の耐食性や熱間加工性を有する二相ステンレス鋼と、当該二相ステンレス鋼を合わせ材として用いたクラッド鋼の提供を目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために、本発明が対象とする二相ステンレス鋼についての解決策を明らかにするために、まず代表的な二相ステンレス鋼である22Cr−3Mo−6Ni−N系のSUS329J3L鋼を基本組成とし、熱間製造性を改善すると言われるAl、Ca、O、B等の含有量を変化させた溶解材を作成した。溶解実験では鋼中酸化物の組成を制御するために、一般的に用いられるMgOルツボに加えて、CaOルツボを用いること、脱酸・脱硫用に塩基度を変化させたフラックスを用い、フラックス添加量の変更、脱酸剤、脱硫剤の添加量、添加時期の変更、などを組み合わせて、種々の二相ステンレス鋼を溶解した。さらに同様な手法にて、他の基本組成の二相ステンレス鋼の溶製を追加した。
この溶解材を基に合わせ材に用いる二相ステンレス鋼の熱間加工性を熱間圧延時の耳割れ長さによって評価し、合わせ材の孔食発生温度と硬度をASTM G48塩化第二鉄試験とビッカース硬度測定によって求め、エネルギー分散型X線分光測定器を具備した走査型電子顕微鏡を用いて、前記合わせ材表層部に存在する酸化物の組成を求めた。
本発明者らは、上記の12mm厚の圧延材:12mm厚×180mm幅×600mm長の二相ステンレス鋼板の圧延定常部約400mm長さについて、それぞれ左右に発生した耳割れの最大長さをそれぞれ測定し、左右の最大長さの和を耳割れ長さとして集計した。この結果を上記の合わせ材表面の酸化物組成(Ca/Al)の測定値に対応させた結果が図1に示されている。
本開発で研究をおこなったクラッド合わせ材は熱間加工後に冷却された状態にあり、熱処理を施さない工程では内部歪みと微小な析出物や酸化物系介在物、硫化物系介在物を内包している。これら歪みと析出物、介在物の影響により、合わせ材の耐孔食性が支配されており、溶体加熱処理されたクラッド鋼と同等の耐孔食性を維持するには析出物及び介在物の量や形態、組成を高度に制御する必要があると本発明者らは考え、研究開発を進めた。その結果、クラッド合わせ材表層部に存在する最大径が5μm以上の大きさの酸化物系介在物中のCaとAlの重量比率(Ca/Al)の値が0.5〜3.5となる条件の二相ステンレス鋼を合わせ材とすることで、熱間圧延まま或いは冷間圧延ままの状態で、合わせ材素材の熱間加工性とクラッド鋼の合わせ材の耐孔食性が両立できることを知見した。
本発明者らは合わせ材の圧延時に耳割れが少なく、クラッド圧延後の合わせ材の孔食発生温度Aと孔食発生温度Bの差が小さい条件を見いだすべく、さらに種々の条件を変化させた溶製・鋳造・圧延実験をおこない、熱間加工性評価、耐孔食性評価を精力的におこなった。以上の実験を通じて、得られた知見をもとにして、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.03%以下、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜6.0%、P:0.05%以下、S:0.0001〜0.0014%、Cr:20.0〜28.0%、Ni:0.5〜9.0%、Mo:5.0%以下、W:3%以下、Co:1.0%以下、Cu:3.0%以下、N:0.05〜0.35%、V:0.5%以下、Nb:0.15%以下、Ti:0.05%以下、B:0.0050%以下、Al:0.003〜0.05%、Ca:0.0005〜0.0040%、Mg:0.0030%以下、O:0.001〜0.004%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、鋼表面における最大径5μm以上の大きさの酸化物系介在物のCaとAlの重量比率(Ca/Al)が0.5以上3.5以下であることを特徴とするクラッド鋼用二相ステンレス鋼。
(2)上記(1)の二相ステンレス鋼を合わせ材とし、母材を炭素鋼としたことを特徴とするクラッド鋼。
(3)前記合わせ材の組成に含まれる元素Cr、Mn、W、N、Moの含有量(%)との差が、Cr:−1.0%〜+1.0%、Mn:−1.0%〜+1.0%、W:−0.6%〜+0.6%、N:−0.06%〜+0.06%、Mo:−0.3%〜+0.3%の範囲内であり、下記(1)式で表される耐食性指数PREWが−1.0〜+1.0の範囲内にあり、Caが添加されていない組成を有し且つ固溶化熱処理された二相ステンレス鋼の孔食発生温度に対して、前記合わせ材の孔食発生温度が−5℃以上高いことを特徴とする(2)に記載のクラッド鋼。
PREW=Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N−Mn ・・・(1)
但し、式中の元素記号は当該元素の含有量(質量%)を意味し、元素が含まれないときは0を代入する。
(4)前記合わせ材の組成に含まれる元素Cr、Mn、W、N、Mooの含有量(%)との差が、Cr:−1.0%〜+1.0%、Mn:−1.0%〜+1.0%、W:−0.6%〜+0.6%、N:−0.06%〜+0.06%、Mo:−0.3%〜+0.3%の範囲内であり、下記(1)式で表される耐食性指数PREWが−1.0〜+1.0の範囲内にあり、Caが添加されていない組成を有し且つ固溶化熱処理された二相ステンレス鋼の硬さの1.05倍以上1.30倍以下であることを特徴とする(2)又は(3)に記載のクラッド鋼。
PREW=Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N−Mn ・・・(1)
但し、式中の元素記号は当該元素の含有量(質量%)を意味し、元素が含まれないときは0を代入する。
本発明により、コストと耐食性のバランスの優れたクラッド鋼を熱間圧延まま或いは冷間圧延ままの状態で提供することができ、輸送船のタンク類、海水淡水化機器、各種容器等に利用可能であり、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
SUS329J3Lを基本組成とする二相ステンレス鋼を用いて熱間圧延により製造された合わせ材表層の最大径5μm以上の大きさの酸化物系介在物のCaとAlの重量比率(Ca/Al)と前記合わせ材の12mm厚の鋼材に発生した耳割れ長さの関係を示すグラフである。 二相ステンレス鋼合わせ材の表面に存在する酸化物系介在物を走査型電子顕微鏡で観察して得られた二次電子像とエネルギー分散型X線解析によって求めた最大径5μm以上の大きさの酸化物系介在物のCaとAlの重量比率(Ca/Al)と、その合わせ材の孔食発生温度との関係を示すグラフである。
本発明においてクラッド鋼とは、母材と合わせ材により構成され、母材は強度・靱性などクラッド鋼の基本的な力学特性を担わされ、合わせ材は相対的に高価な鋼が用いられ、腐食環境に対する耐食性など、適用での特殊機能性を担わされた鋼である。尚、前記母材には炭素鋼などの相対的に安価な鋼が用いられ、特に限定されない。
一般にクラッド鋼は、熱間加工や冷間加工により製造され、鋼板、鋼管、線材、鍛造材など種々の形態を有するものであり、本発明もこれら様々な形態のクラッド鋼を対象としている。加工によりクラッド鋼の寸法が決められた後に、最終的に焼鈍・酸洗、または焼鈍・研磨が施されるクラッド鋼も存在するが、熱間、冷間加工ままの状態で使用される経済的なクラッド鋼を本発明の主対象としている。
以下に、先ず、本発明のクラッド鋼の合わせ材用二相ステンレス鋼の成分について説明する。なお、各成分の含有量は質量%を示す。
Cは、二相ステンレス鋼の耐食性を確保するために、0.03%以下の含有量に制限する。0.03%を越えて含有させると熱間圧延時にCr炭化物が生成して、耐食性,靱性が劣化する。
Siは、脱酸のため0.05%以上添加する。しかしながら、1.0%を超えて添加すると靱性が劣化する。そのため、上限を1.0%に限定する。好ましい範囲は、0.2〜0.8%である。
Mnはオーステナイト相を増加させ靭性を改善する効果を有する。また窒化物の析出を抑制する効果を有するため本発明鋼材では積極的に添加することが好ましい。母材および溶接部の靱性のため0.1%以上添加する。しかしながら、6.0%を超えて添加すると耐食性および靭性が劣化する。そのため、上限を6.0%に限定する。好ましい含有量は0.3〜4%であり、さらに好ましくは0.5〜3%である。
Pは原料から不可避に混入する元素であり、熱間加工性および靱性を劣化させるため、0.05%以下に限定する。好ましくは、0.03%以下である。
Sは原料から不可避に混入する元素であり、熱間加工性、靱性および耐食性をも劣化させるため、0.0014%以下に限定する。また、0.0001%未満に低減することは脱硫精錬のためのコストが高くなる。このため0.0001〜0.0014%と定めた。好ましくは、0.0002〜0.0006%である。
合わせ材二相ステンレス鋼のS量は、近年の製錬技術の進歩にともなって、0.001%以下に精錬されることが通常である。この場合、強力な硫化物生成元素を添加しない場合は、耐食性を阻害する硫化物を生成することは少なく、耐孔食性が高く維持される。一方で、本発明鋼では強力な硫化物生成元素であるCaを添加する。このため、鋼中Sの一部はCaと結びついてCaSを形成する。このCaSが孔食の起点とならないように酸化物組成を制御する本発明については酸化物の組成規定について述べる項で詳述する。
Crは、二相ステンレス鋼の基本的な耐食性を確保するため20.0%以上含有させる。一方28.0%を超えて含有させるとフェライト相分率が増加し靭性および溶接部の耐食性を阻害する。このためCrの含有量を20.0%以上28.0%以下とした。好ましい含有量は20.5〜27.5%である。
Niは、オーステナイト組織を安定にし、各種酸に対する耐食性、靭性を改善するため、0.5%以上含有させる。Ni含有量を増加することにより窒化物析出温度を低下させることが可能になる。一方高価な合金であり、合金元素節減型二相ステンレス鋼を対象とした本発明鋼ではコストの観点より9.0%以下の含有量に制限する。好ましい含有量は1.0〜8.0%であり、さらに好ましくは1.5〜7.5%である。
Moは、ステンレス鋼の耐食性を付加的に高める非常に有効な元素であり、必要に応じて含有させることができる。耐食性改善のためには0.2%以上含有させることが好ましい。より好ましい下限は1.5%超であり、更に好ましくは2.0%以上である。一方で高価な元素であり、本発明鋼では本鋼の合金コストを抑制する観点より5.0%の含有量を上限とする。より好ましい上限は4.0%であり、更に好ましくは3.5%である。
Wは、Moと同様にステンレス鋼の耐食性を付加的に向上させる元素であり、必要に応じて添加することが出来る。本発明鋼において耐食性を高める目的のためには3.0%を上限に含有させる。
Coは、鋼の靭性と耐食性を高めるために有効な元素であり、必要に応じて添加する。尚、Coは、Niとともに含有させるのが好ましく、添加する場合、0.1%以上含有させることが好ましい。1.0%を越えて含有させると高価な元素であるためにコストに見合った効果が発揮されないようになるため上限を1.0%と定めた。添加する場合の好ましい含有量は0.1〜0.5%である。
Cuは、ステンレス鋼の酸に対する耐食性を高める元素であり、かつ靭性を改善する作用を有する元素であり、本発明では必要に応じて添加される。耐食性を高めるために0.1%以上含有させると良い。一方、3.0%を越えて含有させると熱間圧延時に固溶度を超えてεCuが析出し脆化を発生するので上限を3.0%とした。Cuを含有させる場合の好ましい含有量は0.5〜2.0%である。
Nは、オーステナイト相に固溶して強度、耐食性を高める有効な元素である。このために0.05%以上含有させる。Nを増量することによりNiの節減が可能となるため、積極的に添加したい元素である。一方、その含有量の上限はNの固溶限度以内の制限する必要がある。Nの固溶限度はCr、Mn含有量に応じて高くなるが、本発明鋼においては0.35%を越えて含有させるとCr窒化物を析出して靭性および耐食性を阻害するようになるとともに熱間製造性を阻害するようになるため含有量の上限を0.35%とした。好ましい含有量は0.08〜0.32%である。
次にCrよりも窒化物の生成傾向が大きいV,Nb,Tiについて説明する。V,Nb,Tiは何れも必要に応じて添加することが出来、微量に含有させた場合には耐食性が向上する傾向を有する。
Vが形成する窒化物、炭化物は熱間加工および鋼材の冷却過程で生成し、耐食性を高める作用を有する。この理由として十分な確認はなされていないが、700℃以下でのクロム窒化物の生成速度を抑制する可能性が考えられる。この耐食性の改善のために0.05%以上含有させる。0.5%を超えて含有させると粗大なV系炭窒化物が生成し、靱性が劣化する。そのため、上限を0.5%に限定する。添加する場合の好ましい含有量は0.1〜0.3%の範囲である。
Nbが形成する窒化物、炭化物は熱間加工および鋼材の冷却過程で生成し、耐食性を高める作用を有する。この理由として十分な確認はなされていないが、700℃以下でのクロム窒化物の生成速度を抑制する可能性が考えられる。この耐食性の改善のために0.01%以上含有させる。一方過剰な添加は熱間圧延前の加熱時に未固溶析出物として析出するようになって靭性を阻害するようになるためその含有量の上限を0.15%と定めた。添加する場合の好ましい含有率範囲は、0.03%〜0.10%である。
Tiは、極微量で酸化物、窒化物、硫化物を形成し鋼の凝固および高温加熱組織の結晶粒を微細化する元素である。またV、Nbと同様にクロム窒化物のクロムの一部に置換する性質も有する。0.003%以上の含有によりTiの析出物が形成されるようになる。一方0.05%を越えて二相ステンレス鋼に含有させると粗大なTiNが生成して鋼の靭性を阻害するようになる。このためその含有量の上限を0.05%と定めた。Tiの好適な含有率は0.005〜0.020%である。
Bは、鋼の熱間加工性を改善する元素であり、必要に応じて添加される。過剰な添加は逆に熱間加工性および靭性を低下するためその含有量の上限を0.0050%に定めた。
Alは、鋼の脱酸元素であり、鋼中の酸素を低減するために0.05%以上のSiとあわせて含有させる。本発明では、酸化物の組成を制御して熱間加工性と耐孔食性を高めるために必須であり、0.003%以上の含有が必要である。一方でAlはNとの親和力が比較的大きな元素であり、過剰に添加するとAlNを生じてステンレス鋼の靭性を阻害する。その程度はN含有量にも依存するが、Alが0.05%を越えると靭性低下が著しくなるためその含有量の上限を0.05%と定めた。好ましくは0.04%以下である。
Caは、本発明において鋼の熱間製造性のための重要な元素であり、鋼中のOとSを介在物として固定し、熱間製造性を改善するために含有させることが必要である。本発明鋼ではその目的のために0.0005%以上含有させる。但し、前述したように、Caの添加によってCaSを生成する問題があるので、過剰な添加は耐孔食性を低下させる。そのためその含有量の上限を0.0040%とした。
Mgは、鋼の熱間加工性の改善、凝固組織の微細化のために必要に応じて添加させる元素であり、本発明鋼では、添加する場合は0.0003%以上含有させると良い。また過剰な添加は耐孔食性を低下させる。そのためその含有量の上限を0.0030%とした。
Oは、不可避的不純物であり、非金属介在物の代表である酸化物を構成する重要な元素であり、その酸化物の組成制御はクラッド鋼の合わせ材として用いられる二相ステンレス鋼の熱間製造性および合わせ材の耐孔食性の改善にとって非常に重要である。酸化物の組成を制御する本発明では、酸素の含有量は0.001%以上にすることが必要であり、その含有量を0.001%以上に規定した。また粗大なクラスター状酸化物が生成すると表面疵の原因となる。このため、その含有量は低く制限する必要がある。このためO含有量の上限は0.004%以下と規定した。
なお、本発明の効果を損なわない範囲において上記以外の元素を含有させてもよい。例えば、本発明のクラッド鋼用二相ステンレス鋼の熱間加工性の向上をさらに図るため、必要に応じてREMを添加することができる。REMは、ランタノイド系希土類元素の総称であり、鋼の熱間加工性を改善する作用を揺する元素である。REMとしてY、La,Ce,Ndなどの元素がある。熱間加工性の向上を図る目的で1種または2種以上添加することができる。いずれも過剰な添加は逆に熱間加工性および靭性を低下するためその含有量の上限をREMの合計量として0.10%とすることが良い。好ましい含有量は0.005〜0.05%である。
次に、本発明のクラッド鋼の合わせ材用二相ステンレス鋼の鋼表面において測定対象となる酸化物系介在物について説明する。
酸化物系介在物中のCaとAlの重量比率(Ca/Al)は、本発明のクラッド鋼用二相ステンレス鋼の熱間加工性と耐食性を高める重要な指標であり、先に述べた研究開発により0.5〜3.5の範囲を定めた。
また、クラッド鋼用二相ステンレス鋼の耐孔食性は、鋼材表面に存在する最大径が5μm以上の比較的大きな酸化物系介在物とその周囲に存在する硫化物に支配されている。Caを添加した二相ステンレス鋼では鋼中にCaSが存在し、腐食環境にて容易に溶解して孔食起点になりうる。しかし、Ca添加を必須元素とする本発明のクラッド鋼の合わせ材用二相ステンレス鋼においては、前述した最大径5μm以上の酸化物系介在物中のCaとAlの重量比率(Ca/Al)を0.5〜3.5に制御することにより、CaS等の硫化物を起点として孔食が発生することを防止し、高い耐孔食性を付与するものである。
その作用機構については十分に明らかになっていないが、CaSのような硫化物系介在物が溶解することにより発生した微小ピット中の液性が、鋼が溶解をはじめるようなpHが低い環境に至ったときに、適正な(Ca/Al)を持つ酸化物が溶解して液性をアルカリ側に持ち来すことにより鋼の溶解を抑制する作用が発生している可能性が一例として想定される。いくつかの想定される機構とは別に、本発明者らは(Ca/Al)が0.5未満であると、孔食の発生を抑制することができず、一方(Ca/Al)が3.5を越えると本鋼の熱間加工性の低下が起きやすくなる実験結果を得た。このため(Ca/Al)を0.5〜3.5と定めた。
酸化物系介在物のCaとAlの重量比率(Ca/Al)は、本発明において、以下のように決定される。まず、測定対象の試料の鋼表面の任意部分の5000μm×5000μmの範囲内において、鋼表層の検鏡面に存在する最大径5μm以上の介在物を光学顕微鏡にて確認した後に、走査型電子顕微鏡の試料室内に前記測定対象の試料を入れて、当該確認された介在物に対して電子線を照射し、反射されるX線のエネルギーを半導体検出器で分光等することで酸化物系介在物に含有されるCa/Alを求める。
尚、前記したように電子線を介在物に照射すると、酸素、窒素、硫黄等のX線のエネルギーが分光されるので、これら分光強度の最大値を示す元素が酸素であれば、その分析点が酸化物であると判定することができる。
Ca/Alの測定対象となる酸化物系介在物は、最大径5μm未満の単相の酸化物からなる一次粒子が凝集した二次粒子であっても良い。また、前記Ca/Alの測定は、一つの酸化物系介在物の検鏡面上の2箇所以上を分析し、それらを平均したCa/Alを当該酸化物系介在物の(Ca/Al)とする。分析する箇所は2、3箇所であっても良く、特に限定されない。これを5個以上の酸化物系介在物に対して行い、それらの平均値を最大径5μm以上の酸化物系介在物の(Ca/Al)とする。
なお、前記酸化物系介在物がCaFなどの酸化物ではない化合物を含んでいても、酸化物の周囲に付着した複合介在物である場合もあり、このような場合は酸化物系介在物としてカウントする。また、前記酸化物系介在物がCa又はAlの何れか一方のみを含有するとされる系の酸化物からなる場合であっても、一般的にCaやAlが不可避混入する。そのため、酸化物系介在物の分析箇所においてCaやAlが0となることはない。
二相ステンレス鋼合わせ材表面に存在しうる酸化物系介在物としてCaO−Al系酸化物が代表的であるがその他には、MgO系酸化物が挙げられる。鋼中のMgは、るつぼなどのMgOを含有する耐火物や精錬用フラックスに含まれるMgOが、各種脱酸材等により還元され、鋼中に溶解していき、再び鋼中でMgOやMgO・Alとして析出するプロセスや、金属Mg、あるいはMg合金を添加した場合に生成する。
なお、酸化物系介在物中のCaとAlの重量比率を制御する手法としては、例えば、一般的に用いられるMgOルツボ等の耐火物製の容器に加えて、CaOルツボ等の耐火物製の容器を用いること、脱酸・脱硫用のフラックスの塩基度を変化させること、フラックスの添加量を変更すること、脱酸剤、脱硫剤の添加量や添加時期を変更すること、などが挙げられる。これらの何れか1種、もしくは、2種以上を組み合わせて制御しても良い。
たとえば、酸化物系介在物の組成を所望の値に制御するために、以下のことを念頭に製造条件を設定することができる。酸化物系介在物の組成は鋼中のOおよびCa、Mg、Al、Si等の脱酸元素の活量に支配されている。塩基度の高いフラックスやCaOの割合の高い耐火物を用いるとOの活量が低下する。またCaO含有量の大きいフラックスを用いること、金属CaやCa合金を添加することはCaの活量を高める。実際には耐火物やフラックスに含まれる微量の水分により、鋼中の酸素の活量が上昇し、Alの割合の高い酸化物を生成することが多く、本発明が規定するCaOの割合が高い酸化物組成に制御するには、酸素源を取り除くための注意深い精錬工程が必要となる。
次いで、本発明のクラッド鋼の耐孔食性及び表面硬さについて説明する。
(本発明のクラッド鋼板の耐孔食性)
本発明の二相ステンレス鋼は固溶化熱処理されていないにも関わらず、その耐食性は、耐食性に影響を与える元素含有量、及び、二相ステンレス鋼の耐食性指標として多く用いられているPREW式[Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N−Mn]が同等程度である組成を有し、且つ固溶化熱処理された鋼と比べて遜色無い。尚、前記「同等程度」とは、前記耐食性に影響を与える元素に関して、ほぼ同じ含有量であり、前記PREW式で算出されるPREW値がほぼ同じであることを意味する。また、前記耐食性に影響を与える元素を同等程度含有し、前記PREW値が同等程度である鋼を「同等鋼」と定義する。
ここで、本発明において前記「耐食性に影響を与える元素」とは、上記PREW式を構成する各元素である。従って、本発明における「同等鋼」は、その組成を対象となる鋼の組成と比較して、元素Cr、Mn、W、N、Moの含有量の差が、Cr:−1.0%〜+1.0%、Mn:−1.0%〜+1.0%、W:−0.6%〜+0.6%、N:−0.06%〜+0.06%、Mo:−0.3%〜+0.3%の範囲内にあり、PREW式で算出されるPREW値に関して、−1.0〜+1.0の範囲内にある鋼である。
Ca無添加の鋼はCaS生成が無く、高い耐食性を示す。本発明のクラッド鋼の耐食性は、Ca無添加であって固溶化熱処理された同等鋼を用いたクラッド鋼と同等の耐食性を有する。すなわち、本発明のクラッド鋼の耐食性は、固溶化熱処理されていない状態の前記合わせ材(すなわち、本発明の二相ステンレス鋼)の孔食発生温度Aと、前記合わせ材の同等鋼であって且つCaが添加されていない組成を有し、固溶化熱処理された二相ステンレス鋼の孔食発生温度Bに対する差が−5℃以上(A−B≧−5)である。
前記臨界孔食温度試験(ASTM G48法)は、6%濃度の塩化第二鉄に塩酸を加えた溶液中に試験片を浸漬し、試験温度を上昇させながら0.025mm以上の深さの孔食が発生した最低の温度を求める試験である。このうちE法は各温度で24h浸漬する試験であり、ステンレス鋼の耐孔食性を測定するためによく用いられる試験である。本発明が対象としている二相ステンレス鋼の耐孔食性は孔食発生温度が5℃付近から80℃程度の高温となる鋼種まで広い範囲となる。Caを添加した二相ステンレス鋼合わせ材中の酸化物の組成が好ましくなく、孔食の起点となり易い組成となっている場合や熱間圧延条件が好ましくなく、合わせ材中にσ相や窒化物がある程度以上析出している場合は孔食発生温度Aが本来の孔食発生温度Bに比べて10〜20℃程度低下する。孔食発生温度BはCaを添加しない二相ステンレス鋼の合わせ材を固溶化熱処理することにより求められる。
(本発明のクラッド鋼の表面硬さ)
本発明のクラッド鋼は、熱間圧延ままで最終製品にされるので、固溶化熱処理されているものよりも表面硬さを確保できる。そのため、本発明のクラッド鋼の表面硬さは、固溶化熱処理されていない状態の前記合わせ材(すなわち、本発明の二相ステンレス鋼)の硬さCが、前記合わせ材の同等鋼であってCaが添加されていない組成を有し、固溶化熱処理された二相ステンレス鋼の硬さDに対して1.05倍以上1.30倍以下である。尚、前記硬さCが前記硬さDの1.05倍未満の場合、固溶化処理された二相ステンレス鋼と同等の金属組織状態になるため、耐孔食性が不十分になる。また、前記硬さCが前記硬さDの1.30倍超になるように熱間圧延を行うと、加工歪みの影響や微小な析出物が生成するため、耐孔食性を“A−B≧−5”の状態に確保することが不可能となる。
このように、本発明のクラッド鋼は、固溶化熱処理された合わせ材よりも、熱間圧延ままの状態の合わせ材の方が、表面硬さに優れることを特徴としている。硬さは表面硬度を求めることが好ましく、断面を樹脂埋め込みして測定しても良い。硬度測定方法はビッカース硬度、ロックウェル硬度、ブリネル硬度などが適用できる。
本発明のクラッド鋼用二相ステンレス鋼を合わせ材として、既に開示されている適切な熱間圧延条件にて製造することができる。
以上、説明してきた本発明のクラッド鋼用二相ステンレス鋼は、合わせ材として熱間加工性及び耐孔食性が良好であるという特徴を有することで、本発明が対象とする産業分野において経済的なクラッド鋼を提供することができる。
以下に実施例について記載する。本発明者らは25kgの真空溶解により、表1−1(本発明例)及び表1−2(比較例)に化学組成を示す供試鋼を作成した。MgOるつぼを主に用い、一部にCaOるつぼを使用した。また一部の溶解では塩基度を種々変更したCaO−Al−CaF系の精錬用フラックスを500〜1000gを種々タイミングで投入して、溶融保持し、脱酸平衡に近づくよう精錬した。なお表1−1及び表1−2に記載されている成分は残部がFeおよび不可避的不純物元素である。また表1−1及び表1−2に示した成分について含有量が記載されていない部分(符号が「−」で表示された部分)は該当する元素成分を意図的に添加していないため、測定を行っていないことを示す。
溶解材を鋳造した鋳片から60mm厚×160mm幅×150mm長の圧延素材に機械加工し、圧延仕上温度850℃で12mm厚まで熱間圧延をおこなって左右に発生した耳割れの最大長さを観察し、溶解材の熱間加工性を評価した。すなわち、12mm厚×180mm幅×600mm長の二相ステンレス鋼板の圧延定常部約400mm長さについて、それぞれ左右に発生した耳割れの最大長さをそれぞれ測定し、左右の最大長さの和を耳割れ長さとして集計した。SUS329J3L系鋼種について、合わせ材表面の酸化物組成(Ca/Al)の値との対応関係を図1に示した。
次いで、この鋼板表面の酸化スケールを研削により除去し、板厚68mmの炭素含有量が0.12%の炭素鋼と合わせて溶接組み立てをおこない、この溶接組み立て材を2枚セットで、合わせ材を内側として溶接組み立てし、160mm厚×170mm幅×300mm長のサンドイッチ型クラッド鋼板の素材を作成した。
各クラッド鋼板の素材を1200℃に加熱した後、表2−1或いは表2−2に示す圧延仕上げ温度にて40mm厚まで圧延し、表2−1或いは表2−2に示す水冷開始温度からスプレー水冷をおこない、550℃で水冷停止した。圧延後にクラッド鋼板を2枚に分離し、板厚20mm(母材17mm、合わせ材3mm)の二相ステンレス鋼クラッド鋼板を得た。
このクラッド鋼板の合わせ材を機械加工によって取り出し、全表面をエメリー紙#120にて湿式で研磨した状態の、3mm厚×25mm幅×50mm長の孔食発生温度測定用試験片を各3ヶ採取するとともに、表面硬度用試験片を各1ヶを切りだした。
合わせ材の耐孔食性の評価は、上記の全表面をエメリー紙#120にて湿式で研磨した状態の、3mm厚×25mm幅×50mm長の孔食発生温度測定用試験片をASTM G48のE法に従って、決められた温度にて24h浸漬し、発生した孔食の深さを測定した。0.025mm以上の深さの孔食が発生していない場合は、試験温度を5℃高めて次の試験を実施し、これを繰り返して試験片毎の孔食発生温度を求め、各3ヶの孔食発生温度のうち、最低の温度のものの値を孔食発生温度Aとした。SUS329J3L系合わせ材の孔食発生温度の結果を、合わせ材表面の酸化物系介在物の(Ca/Al)で整理した結果を図2に示した。
また、表2−1及び表2−2に示すように、同等鋼毎に、Ca無添加の合わせ材を用いたクラッド鋼板を固溶化熱処理して得た合わせ材についても同様の方法で孔食発生温度Bを求めた。
例えば、本発明例No.a1〜a3、a5〜a8及び比較例No.a0、a11〜a15は同等鋼の関係にある。そこで、比較例No.a0を固溶化熱処理して二相ステンレス鋼の合わせ材を製造し、次いで当該合わせ材を用いて前述した製法によりクラッド鋼板を製造し、製造されたクラッド鋼板を用いて前述した方法により、本発明例No.a1〜a3、a5〜a8及び比較例No.a0、a11〜a15に関する孔食発生温度Bを求めた。
同等鋼b1〜b3及びb0、b11、b12の孔食発生温度Bは、比較例No.b0を合わせ材とするクラッド鋼板の孔食発生温度とされる。同様に、鋼番号c0〜c2は同等鋼であり、鋼番号d0〜d2は同等鋼である。また、鋼番号eとe0、鋼番号fとf0、鋼番号gとg0、鋼番号hとh0、鋼番号iとi0、鋼番号jとj0は、それぞれ同等鋼の関係にある。これらの同等鋼についても、鋼番号c0、d0、e0、f0、g0、h0、i0、j0を用いて、それぞれの同等鋼に関する孔食発生温度Bを求めた。尚、固溶化熱処理温度は鋼種毎の適正な温度に設定しており、1000〜1100℃の範囲にある。
Figure 2018028146
Figure 2018028146
合わせ材表面の酸化物組成(Ca/Al)の値の測定は以下のようにおこなった。まず3mm厚×10mm幅×20mm長の試験片を機械加工により切り出し、表層部に対応する面を、酸化物、硫化物等の介在物が溶解しないようにし、ダイヤモンド砥粒にて鏡面研磨仕上げをおこなった。次いで、鋼表面の任意部分の5000μm×5000μmの範囲内において、鋼表層の検鏡面に存在する最大径5μm以上の介在物を光学顕微鏡にて確認した後に、走査型電子顕微鏡に試料を入れた。前記確認した介在物に対して電子線を照射し、反射されるX線のエネルギーを半導体検出器で分光することにより、軽元素を除く金属元素の重量比率を求め、上述した手法にて確認した5個以上の酸化物系介在物に含有されるCa/Alをそれぞれ求め、その平均値である(Ca/Al)を得た。その結果を表2−1及び表2−2に示す。尚、前記酸化物系介在物は酸化物、硫化物、一部に窒化物などが観察されたが、主体は展伸していないC系の酸化物であった。また、表2−2において(Ca/Al)が0.04以下の場合は0.0と表記している。
表面硬度用試験片について表面をエメリー紙#600にて湿式研磨したのち、表面硬度Cを10kgのビッカース硬度にて測定した。また、孔食発生温度測定と同じ条件にて、同等鋼毎にCa無添加の合わせ材を用いたクラッド鋼板を固溶化熱処理材し、その後の合わせ材を同様に機械加工によって取り出し、同等鋼毎に表面硬度Dを測定した。以上の結果より(A−B)及び(C/D)を求めて表2−1及び表2−2の中に示した。
表2−1及び表2−2に示す実施例より、本発明が開示するクラッド鋼板の合わせ材用二相ステンレス鋼板は耳割れ長さが3mm以下であって熱間加工性が良好であり、クラッド鋼板合わせ材の孔食発生温度(A−B)が−5℃以上であって耐食性が良好であることが明らかである。また合わせ材の表面硬度がC/Dが1.05以上1.30以下の圧延加工ままの状態で、熱処理を施すこと無く良好な耐食性を有するため、最終焼鈍が省略でき、このため経済的なクラッド鋼板が提供できることが明らかである。
以上の実施例からわかるように、本発明により熱間加工性が良好で、クラッド鋼合わせ材の耐食性が改善され、経済的な二相ステンレス鋼を合わせ材としてクラッド鋼が得られることが明確となった。
Figure 2018028146
Figure 2018028146
本発明の二相ステンレス鋼は、熱間加工性が良好であり、合わせ材として適用した時の耐孔食性が優れており、耐食性とコストのバランスが優れるクラッド鋼であり、各分野において広く使用することができる。本発明により、二相ステンレス鋼を合わせ材とした耐食性が良好で安価なクラッド鋼を提供することが可能となり、輸送船のタンク類、海水淡水化機器、各種容器等として使用できるなど産業上寄与するところは極めて大である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.03%以下、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜6.0%、P:0.05%以下、S:0.0001〜0.0014%、Cr:20.0〜28.0%、Ni:0.5〜9.0%、Mo:5.0%以下、W:3%以下、Co:1.0%以下、Cu:3.0%以下、N:0.05〜0.35%、V:0.5%以下、Nb:0.15%以下、Ti:0.05%以下、B:0.0050%以下、Al:0.003〜0.05%、Ca:0.0005〜0.0040%、Mg:0.0030%以下、O:0.001〜0.004%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、鋼表面における最大径5μm以上の大きさの酸化物系介在物中のCaとAlの重量比率(Ca/Al)が0.5以上3.5以下であることを特徴とするクラッド鋼用二相ステンレス鋼。
  2. 請求項1の二相ステンレス鋼を合わせ材とし、母材を炭素鋼としたことを特徴とするクラッド鋼。
  3. 前記合わせ材の組成に含まれる元素Cr、Mn、W、N、Moの含有量(%)との差が、Cr:−1.0%〜+1.0%、Mn:−1.0%〜+1.0%、W:−0.6%〜+0.6%、N:−0.06%〜+0.06%、Mo:−0.3%〜+0.3%の範囲内であり、下記(1)式で表される耐食性指数PREWが−1.0〜+1.0の範囲内にあり、Caが添加されていない組成を有し且つ固溶化熱処理された二相ステンレス鋼の孔食発生温度に対して、前記合わせ材の孔食発生温度が−5℃以上高いことを特徴とする請求項2に記載のクラッド鋼。
    PREW=Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N−Mn ・・・(1)
    但し、式中の元素記号は当該元素の含有量(質量%)を意味し、元素が含まれないときは0を代入する。
  4. 前記合わせ材の組成に含まれる元素Cr、Mn、W、N、Moの含有量(%)との差が、Cr:−1.0%〜+1.0%、Mn:−1.0%〜+1.0%、W:−0.6%〜+0.6%、N:−0.06%〜+0.06%、Mo:−0.3%〜+0.3%の範囲内であり、下記(1)式で表される耐食性指数PREWが−1.0〜+1.0の範囲内にあり、Caが添加されていない組成を有し且つ固溶化熱処理された二相ステンレス鋼の硬さの1.05倍以上1.30倍以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載のクラッド鋼。
    PREW=Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N−Mn ・・・(1)
    但し、式中の元素記号は当該元素の含有量(質量%)を意味し、元素が含まれないときは0を代入する。
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