JP2019157218A - 自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板 - Google Patents

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【課題】溶接部の低温靭性と常温疲労特性に優れたフェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板の提供。【解決手段】質量%で、C:0.001〜0.05%、Si:0.01〜1.0%、Mn:2〜5%、P≦0.05%、S≦0.005%、Ni:0.1〜6.0%、Cr:15.0〜23.0%、Mo:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜2.0%、N:0.005〜0.30%、B:0.0005〜0.0100%、Al:0.01〜0.5%、V:0.01〜0.50%、Ca:0.0002〜0.0100%、O:0.0001〜0.0100%、Mg:0.0002〜0.0100%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物で、フェライト相とオーステナイト相の2相組織を示し、面積率でオーステナイト相が40%以上存在し、円相当直径で2.0μm以下の介在物が1個/3000μm2以上存在するフェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板。【選択図】図1

Description

本発明は、特に自動車の締結部品であるフランジ、ブラケット、ステー、タンクバンド等への適用に有効な溶接部の靭性と疲労強度に優れた、自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板に関するものである。
近年、排気ガス規制の強化がさらに強まる他、燃費性能の向上やダウンサイジング等の動きから自動車の車体軽量化が進められており、各部材の薄肉化が急務である。自動車の締結部品であるフランジ、ブラケット、ステー、タンクバンドには主に鉄系材料が使用されており、ステンレス鋼の場合フェライト系ステンレス鋼が適用される場合が多い。これらの部品は各種排気部品や燃料部品等を車体と結合するためのものであり、自動車走行時の振動、衝突時の衝撃、排気管を流れる排気ガスによる熱環境に耐える必要があり、高い信頼性が求められる。また、各部品は機械的あるいは溶接によって結合されるため、溶接部の靭性や疲労強度が要求される。例えばステンレス製の燃料系部品の場合、高耐食フェライト系ステンレス鋼板であるSUS436L(17%Cr−0.2%Ti−1%Mo)の適用が特許文献1〜3に開示されている。しかしながら、該鋼は低炭素・窒素成分に起因してフェライト単相組織を有することから、部品を溶接した際に溶接組織が粗大化してしまい、靭性や疲労強度が低下する課題があった。また、素材の引張強度が450MPa程度であるため、所定の締結力を得るためには2mm以上の板厚とする必要があり、薄肉化が困難であった。
一方、フェライト相とオーステナイト相から成る2相ステンレス鋼板は、耐食性に優れているとともに、微細組織であるため高強度であることから、化学プラントなど広範囲に使用されている。近年では省合金2相ステンレス鋼板が家電、各種構造物、自動車、二輪車および鉄道等の輸送機器への適用も進められている。従来の代表的な2相ステンレス鋼は、SUS329J4L(25%Cr−7%Ni−3%Mo−0.1%N)に代表される高Ni、Mo含有であったが、最近ではNi量を低減したり、Moを含有しない省合金フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼が開発され、種々の分野に適用されつつある。この様な省Ni、Mo含有鋼は、MnやNを添加することでオーステナイト量の調整や耐食性の確保が成されており、SUS304(18%Cr−8%Ni)やSUS316(18%Cr−10%Ni−2%Mo)の代替としても期待されている。
特許文献4には、成分の他に形状アスペクトやオーステナイト粒の面積率等を所定の範囲にすることで成形性に優れるフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板の技術が開示されている。特許文献5〜7にはオーステナイト相の面積率の他、集合組織や粒径を規定することで成形性に優れた2相ステンレス鋼板を得る技術が開示されている。さらに、特許文献8には溶接熱影響部の耐食性と靭性が良好な省合金二相ステンレス鋼板を得ることが開示されている。しかしながら板厚が10mm以上の厚鋼板に対する大入熱溶接(サブマージアーク溶接)を前提とした技術であり、自動車締結部品に使用される薄鋼板の靭性や耐疲労強度に関する知見は無かった。本願発明では、自動車締結部品で重要となる溶接部の低温靭性および常温の疲労強度について、鋼成分や組織学的検討を行った。
特開2006−144040号公報 特開2004−330993号公報 特許第3941762号公報 特許第5869922号公報 特開2017−88945号公報 特許第6140856号公報 特許第5345070号公報
高価な合金元素に頼らず、自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板の溶接部の靭性および疲労強度を安定的に発現させることを目的として、溶接組織微細化を達成することが本願の課題である。
上記課題を解決するために、本発明者らはフェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板の製品組織と溶接組織および靭性、疲労強度に関して詳細に調査した。そして、かかる目的を達成すべく種々の検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
本発明者らは,省合金2相ステンレス鋼板において、第二相であるオーステナイト相の相面積率とともに組織形態を規定するとともに、製品に存在する介在物の分布をコントロールすることにより、より溶接部靭性と疲労強度に優れる2相ステンレス鋼板が得られる事を知見した。具体的には、オーステナイト相の面積率を40%以上として母相であるフェライト相を微細化させるとともに、円相当直径で2.0μm以下の介在物が1個/3000μm2以上に分布させて、溶接組織を微細化させ、低温靭性と常温疲労限を確保するものである。本願発明の疲労は主に常温の曲げ疲労を対象にしており、板厚方向に曲げモーメントが作用する疲労である。この場合、疲労亀裂は溶接部の表面から発生し、板厚方向に亀裂が伝播する。また靭性は主に−40℃の吸収エネルギーを対象にしており、亀裂を有する場合の衝撃特性のことである。ここで溶接は主にTIG溶接やスポット溶接を対象としており、溶接部とは溶融部および熱影響部を含む領域のことである。二相ステンレス鋼薄板の溶接部は、特に溶融部でオーステナイト相からフェライト相への変態が生じるためフェライト相が粗大化し易く、低温靭性および常温疲労強度が低下し易い。これは、溶接熱影響部でも同様である。溶接組織が微細になると、衝撃や疲労負荷が生じた際に粒界が亀裂進展の抵抗になることが知られているが、本発明では製品板のオーステナイト相の面積率を40%以上とし、円相当直径で2.0μm以下の介在物が1個/3000μm2以上にすることによって、溶接部のフェライト相を微細組織化しその粒界にオーステナイト相を変態生成させることができ、低温靭性や常温疲労特性に優れた2相ステンレス鋼板を得ることに成功した。
本発明は上記知見に基づいて完成したもので、その発明の要旨は、次の通りのものである。
(1)質量%にて、C:0.001〜0.05%、Si:0.01〜1.0%、Mn:2〜5%、P≦0.05%、S≦0.005%、Ni:0.1〜6.0%、Cr:15.0〜23.0%、Mo:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜2.0%、N:0.005〜0.30%、B:0.0005〜0.0100%、Al:0.01〜0.5%、V:0.01〜0.50%、Ca:0.0002〜0.0100%、O:0.0001〜0.0100%、Mg:0.0002〜0.0100%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、フェライト相とオーステナイト相の2相組織を示し、面積率でオーステナイト相が40%以上存在するとともに、円相当直径で2.0μm以下の介在物が1個/3000μm2以上存在することを特徴とする自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板。
(2)さらに、質量%にて、Ti:0.005〜0.30%、Nb:0.005〜0.30%、Zr:0.005〜0.30%、Sn:0.005〜0.50%、W:0.01〜2.0%、Sb:0.005〜0.50%、Ta:0.005〜0.30%、Hf:0.005〜0.30%、Co:0.01〜0.5%、REM:0.001〜0.05%、Ga:0.0002〜0.1%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板。
(3)−40℃における溶接部の衝撃値が100J/cm2以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板。
(4)溶接部の常温における疲労限が300MPa以上であることを特徴とする請求項(1)または(2)に記載の自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板。
(5)自動車の締結部品に使用される(1)〜(4)のいずれか1つに記載のフェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板。
以上の説明から明らかなように、自動車締結部品用に従来適用されているフェライト系ステンレス鋼板の溶接部靭性および常温疲労特性の課題を解消するとともに、溶接部の組織微細化により溶接部靭性および常温疲労特性に優れたフェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板が得られ、特に自動車の締結部品に適用することで、既存鋼よりも薄肉・軽量化等のメリットが得られる。また、自動車分野以外の輸送機器、家電製品、建築部材としての適用も可能である。
TIG溶接部の断面組織について、本願発明鋼の2相ステンレス鋼と、フェライト系ステンレス鋼(SUS436L、比較鋼)との比較を示す図。 (A)は、本願発明鋼の介在物および組織を走査型電子顕微鏡で観察した図であり、(B)は、(A)の介在物の組成をエネルギー分散型X線分光器で分析した結果を示す図。 (A)は、本願発明鋼の介在物および組織を走査型電子顕微鏡で観察した図であり、(B)は、(A)の介在物の組成をエネルギー分散型X線分光器で分析した結果を示す図。 (A)は、本願発明鋼の介在物および組織を走査型電子顕微鏡で観察した図であり、(B)は、(A)の介在物の組成をエネルギー分散型X線分光器で分析した結果を示す図。 本願発明鋼および比較鋼の溶接部に対してシャルピー衝撃試験を行った際の、試験温度と衝撃値の関係を示す図。 本願発明鋼および比較鋼に対しての溶接部について常温平面曲げ疲労試験を行った際の、破断繰り返し数と振幅応力の関係を示す図。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のフェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板の化学成分についての限定理由について説明する。ここで、成分についての「%」は質量%を意味する。
Cは、0.05%超の添加で成形性、耐食性および靭性を著しく劣化させるため、上限を0.05%とした。しかしながら、オーステナイト相を安定的に生成させて組織微細化を得るために0.001%以上の添加が必要である。さらに、精錬コスト、溶接性部の鋭敏化抑制を考慮すると0.015〜0.03%が望ましい。
Siは、脱酸剤としても有用な元素であり、固溶強化による高疲労強度化につながるが、1.0%超の添加により熱間加工性が劣化して製造し難くなる他、靭性の低下が生じるため、1.0%以下とした。しかしながら、脱酸のためには0.01%以上必要なことから、下限を0.01%とした。さらに、精錬コスト、耐酸化性、耐食性を考慮すると、0.3%〜0.8%が望ましい。
Mnは、脱酸剤として添加される元素であるとともに、Niに代わりオーステナイト相を安定的に生成させる元素である。本願ではオーステナイト相面積率を40%以上とするために2%以上添加するが、過度に添加するとオーステナイト相が軟化して疲労亀裂進展の抵抗とならないため上限を5%とする。さらに、耐酸化性や製造時の酸洗性を考慮すると、2.5〜4.5%が望ましい。
Pは、不純物として含有され製造時の熱間加工性や靭性を劣化させるため、上限を0.05%とした。但し、過度の低減は精錬コストの増加につながる他、リン化物形成による亀裂発生を考慮すると、0.02〜0.04%が望ましい。
Sは、不純物として含有され製造時の熱間加工性や靭性を劣化させるため、0.005%以下とした。但し、過度の低減は精錬コストの増加につながるため0.0002%以上が望ましい。
Niはオーステナイト相を安定的に生成させる元素であり、溶接組織微細化と靭性向上に寄与するため0.1%を下限とする。一方、6.0%超の添加によりコスト高になるため上限を6.0%とした。但し、過度な低減は耐食性の劣化につながる場合がある他、応力腐食割れの観点から0.5〜3.0%が望ましい。
Crは耐食性や耐酸化性を確保するために15%以上添加する。一方、多量の添加は合金コストの増加につながる他、本願で規定する範囲のオーステナイト相面積率の確保が困難になる他、溶接組織が粗大化するため上限を23%とした。さらに、靭性等の製造性や隙間腐食性を考慮すると、19〜22%が望ましい。
Nは2相ステンレス鋼の耐食性や強度を向上させるとともに、オーステナイトを安定的に生成させて溶接組織の微細化に寄与するため、特に省Ni2相ステンレス鋼には必要な元素である。本願では0.005%以上の添加を行うが、0.30%以上添加するとオーステナイト相面積率が過度に多くなる他、CrNの生成によって低靭性化するため上限を0.30%とする。また、精錬コストや延性を考慮すると、0.01〜0.25%が望ましい。さらに、製造性や高温強度を考慮すると、0.05〜0.20%が望ましい。
Moは、耐食性や高温強度向上に寄与する元素であるとともに、疲労強度向上に有効な元素であるため、0.01%以上添加する。また、偏析元素であるため溶接凝固時にフェライト/オーステナイト相界面に濃化し、組織微細化に寄与して靭性や疲労強度の向上に有効であることを見い出した。一方、1.0%超の添加はコスト高になる他、Moはフェライト相生成元素であり、オーステナイト相の確保や組織微細化が困難になることから、上限を1.0%とした。但し、合金コストや製造性を考慮すると、0.1〜0.5%が望ましい。
Cuは、耐食性に寄与する元素であり、オーステナイト相生成元素であるため、オーステナイト相面積率の調整のために0.01以上添加する。また、偏析元素であるため、フェライト/オーステナイト相界面に濃化し、組織微細化に寄与して靭性や疲労強度の向上に有効であることを見い出した。一方、2.0%超の添加は製造製を著しく低下させる他、析出Cuの影響で溶接部の靭性が低下することから上限を2.0%とした。但し、精錬コストや熱間加工性や酸洗性を考慮すると、0.5〜1.5%が望ましい。
Bは、フェライト系ステンレス鋼では2次加工性を向上させることが知られているが、本願では2相ステンレス鋼において溶接凝固時に窒素と結合してBNが生成し、フェライトのオーステナイトへの変態を促進し凝固組織の微細化に寄与することを見出した。また、フェライト/オーステナイト相界面に偏析して、組織微細化および粒界強度の向上に寄与して靭性や疲労強度の向上に有効であることを見出した。この効果は0.0005%以上で発現することから0.0005%以上添加する。但し、フェライト生成元素である他、凝固割れ感受性が高くなることから上限を0.0100%とする。さらに、粒界腐食性を考慮すると、0.0005〜0.0030%が望ましい。
Alは、脱酸剤として活用できる他、耐酸化性や耐食性を向上させる他、適量の添加によって介在物の微細分散化によって溶接凝固時の凝固核として作用し、溶接組織微細化と靭性向上および疲労強度向上に寄与することを見出した。この効果は0.01%以上で発現するため、下限を0.01%とした。一方、0.5%超の添加では、耐酸化性や耐食性の向上が飽和するとともに、AlNやAl系酸化物が凝集粗大化して衝撃および疲労亀裂の起点となるため、上限を0.5%とした。但し、靭性を考慮すると、0.01〜0.10%が望ましい。
Vは、CやNと結合して凝固組織の微細化や耐食性向上に寄与するため0.01%以上添加する。一方、過度な添加はコスト高になる他、耐酸化性の劣化に繋がるため上限を0.50%とする。但し、耐食性を考慮すると、0.05〜0.30%が望ましい。
Mgは、脱酸剤として活用する他、MgO等が凝固核となって溶接部および鋳造組織の組織微細化に有効な元素であるため、0.0002〜0.0100%添加する。0.0002%未満の添加では、溶接部および鋳造組織の組織微細化に対し効果がない。0.0100%超の添加で、その効果は飽和するとともに、介在物の粗大化に起因して亀裂起点や伝播促進の原因になる。但し、製造性を考慮すると、0.0002〜0.0020%が望ましい。
Caは、Sと結合して熱間加工性を向上させる他、CaO等が凝固核となって溶接部および鋳造組織の組織微細化に有効な元素であるため、0.0002〜0.0100%添加する。0.0100%超の添加で、その効果は飽和するするとともに、介在物の粗大化に起因して亀裂起点や伝播促進の原因になる。但し、耐食性を考慮すると、0.0005〜0.0010%が望ましい。
Oは通常低い方が耐食性などの点で優位であるが、各種酸化物を凝固核として溶接組織微細化を達成するために0.0001〜0.0100%に規定する。0.0100%超の場合には、介在物の粗大化に起因して亀裂起点や伝播促進の原因になる。但し、耐食性や精錬コストを考慮すると、0.0005〜0.0010%が望ましい。
上記の元素の他に、Ti、Nb、Zr、Sn、W、Sb、Ta、Hf、Co、REM、Gaの1種以上を以下に規定する範囲で含有してもよい。
Tiは、NとTiNを形成して溶接部および鋳造組織の組織微細化に有効な元素であるとともに耐食性を向上する元素であるため、必要に応じて0.005〜0.30%添加する。0.005%未満の添加では、溶接部および鋳造組織の組織微細化に対し効果が発現しない。0.30%超の添加で、その効果は飽和するとともに、粗大TiNが過度に生成し亀裂起点や伝播促進の原因になる。また、鋼板の製造工程において表面疵の発生原因となる。但し、合金コストや靭性を考慮すると、0.005〜0.15%が望ましい。
Nbは、Tiと類似の作用があるとともに強度を向上させる元素であり、必要に応じて0.005〜0.30%添加する。0.005%未満の添加では、溶接部および鋳造組織の組織微細化に対し効果が発現しない。0.30%超の添加で、その効果は飽和するとともにNbNが過度に生成し亀裂起点や伝播促進の原因になる。但し、合金コストや靭性を考慮すると、0.005〜0.15%が望ましい。
Zr、TaおよびHfは、TiやNbと類似の作用があるとともに耐酸化性を向上させる元素であり、必要に応じて0.005〜0.30%添加する。0.005%未満の添加では、溶接部および鋳造組織の組織微細化に対し効果が無く、耐酸化性の効果を発現しない。0.30%超の添加で、その効果は飽和するとともに、各窒化物や炭化物が粗大に生成し、亀裂起点や伝播促進の原因になる。但し、合金コストや靭性を考慮すると、0.005〜0.15%が望ましい。Zr添加量が0.15%を超えると靱性が低下する傾向にある。
SnやSbは、耐食性を向上させる元素であり、必要に応じて0.005〜0.50%添加する。0.05%未満の添加では、耐食性の向上効果が無い。0.50%超の添加で、その効果は飽和する。但し、熱間加工性や溶接性を考慮すると、0.05〜0.20%が望ましい。
Wは、耐食性や耐熱性を向上させる元素であり、必要に応じて0.01〜2.0%添加する。0.1%未満の添加では、耐食性や耐熱性の向上効果が無い。2.0%超の添加で、その効果は飽和する。但し、合金コストや靭性を考慮すると、0.1〜1.0%が望ましい。
Coは、高温強度の向上やオーステナイト相の靭性向上に寄与するため,必要に応じて0.01%以上添加する。0.5%超の添加によりコスト高になる他、延性の低下につながるため,上限を0.5%とする。さらに,精錬コストや製造性を考慮すると、0.01〜0.4%が望ましい。
REMは、種々の析出物の微細化による靭性向上や耐酸化性の向上の観点から必要に応じて添加される場合があり、この効果は0.001%以上で発現することから下限を0.001%とした。しかしながら、0.05%超の添加により鋳造性が著しく悪くなることから上限を0.05%とした。さらに,精錬コストや製造性を考慮すると、0.001〜0.01%が望ましい。REM(希土類元素)は、一般的な定義に従い、スカンジウム(Sc)、イットリウム (Y)の2元素と、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)の総称を指す。単独で添加してもよいし、混合物であってもよい。
Gaは、耐食性向上や水素脆化抑制のため、0.1%以下で添加してもよい。硫化物や水素化物形成の観点から下限は0.0002%とする。さらに、製造性やコストの観点ならびに、延性や靭性の観点から0.0020%以下が好ましい。
その他の成分について本発明では特に規定するものではないが、本発明においては、Bi等を必要に応じて、0.001〜0.1%添加してもよい。なお、As、Pb等の一般的な有害な元素や不純物元素はできるだけ低減することが好ましい。残部はFeおよび不可避的不純物である。
次に、本発明のポイントとなる溶接部の低温靭性と常温疲労特性について説明する。
2相ステンレス鋼を構成するフェライト相およびオーステナイト相の2相組織から成る。これを溶接した際に溶融部はフェライト単相状態に近づくため、組織は粗大化する。熱影響部についてもオーステナイト相の減少が生じてフェライト相は粗大化するが、溶融部の粗大化の方が著しい。この組織形態で低温にて衝撃を受けたり、常温で繰り返し負荷を受けた場合、結晶粒が粗大化しているため亀裂の抵抗が少なく、脆性的に破壊したり、亀裂進展の速度が速まること起きる。このことを抑制するために、本願発明では、製品段階でのオーステナイト相面積率を40%以上、円相当直径で2.0μm以下の介在物が1個/3000μm2以上存在すると規定する。ここで介在物はMg、Al、Ca、Si、Tiのいずれかを含む酸化物、Al、Bの窒化物あるいはTi、Nb、V、Ta、Zrの炭窒化物のことを示す。オーステナイト相面積率については、溶接前の製品段階で40%未満であると溶融加熱時の段階でフェライト相の粗大化が激しく生じてしまうため、本願では40%以上とする。但し、これが80%超になると材料が著しく硬質化してしまい、製品板の加工が困難になることから、オーステナイト相の面積率は40〜80%が望ましい。なお、オーステナイト相の面積率は、製品板の圧延方向と平行方向の断面を埋め込み研磨し、KOHにて着色エッチングを施し画像解析処理によって面積率を求める方法や、EBSP(Electron Back Scattering Pattern)を用いて求めれば良い。
次に、酸化物を主体とする介在物の存在頻度を1個/3000μm2以上と規定する点について説明する。
溶接時の溶融部では凝固時の核が多数存在することによってフェライト相の生成頻度が増加し、凝固組織微細化に繋がる。本願発明では先に示した鋼組成によって凝固核となる介在物を多数生成させることで、溶融部の凝固核として作用させ凝固組織微細化を達成する。種々の溶融部組織を調査した結果、円相当直径で2.0μm以下の介在物が1個/3000μm2以上とすることによって、図1に示す様な微細な凝固組織を得ることが可能となった。
図1の本願発明鋼の成分は、0.016%C−0.40%Si−3.13%Mn−0.02%P−0.0010%S−2.2%Ni−21.2%Cr−0.16N−0.40%Mo−1.05%Cu−0.02%Al−0.0016%B−0.06%V−0.0020%Ca−0.002%O−0.0005%Mgである。突合せTIG溶接(突合せ形状:I開先、電流:220A、速度:50cpm、シールドガス:Ar、トーチガス流量:10L、バックガス流量:5L、アフターガス流量:50L/min)を施した後の断面組織である。比較例は、タンクバンドに適用されているSUS436Lで、成分は0.004%C−0.05%Si−0.03%Mn−0.03%P−0.0010%S−0.1%Ni−17.3%Cr−0.01N−1.00%Mo−0.04%Cu−0.08%Al−0.21%Ti−0.0003%B−0.07%V−0.0010%Ca−0.001%O−0.0005%Mgである。溶接条件は両鋼とも同一である。本願発明鋼は比較鋼に比べてオーステナイト相が微細分散生成しており、凝固組織は微細である。
図2〜4に本願発明鋼の介在物および組織を走査型電子顕微鏡で観察し、介在物の組成をエネルギー分散型X線分光器で分析した結果を示す。図2の(A)の中央に見える黒色の部分が介在物である。この介在物は、(B)のピークからわかるように、Mg、Ca、Tiを含む酸化物である。
図3の(A)の中央に見える黒色の部分も介在物であり、(B)のピークからわかるように、Ca、Al、Si、Tiを含む介在物である。フェライト相とオーステナイト相の界面に存在していることから、フェライト相からオーステナイト相への変態を促進したと推察される。また図4の(A)の中央に見える黒色の部分も介在物であり、(B)のピークでBとNのピークが強いことからわかるように、BNである。図4(A)ではBNがオーステナイト相に存在しており、これもオーステナイト相の生成に寄与した可能性がある。これらの介在物が溶接時にフェライト相からオーステナイト相への変態を加速させて、凝固組織の微細化に寄与することが本願にて見出されたものである。この様な介在物を30箇所観察した結果、円相当直径で2.0μm以下の介在物が1個/3000μm2以上とすることで図1の本願発明の様な微細組織が溶接部で得られることが分かった。介在物の大きさが2.0μm以上の場合、凝固核や変態核として作用しないと予想されることから、円相当直径で2.0μmとする。介在物の分布は1個/2000μm2以上とするが、望ましくは2個/2000μm2が良い。
また、図5にそれぞれの溶融部についてシャルピー衝撃試験を行った結果、図6にそれぞれの溶接部について常温平面曲げ疲労試験を行った結果を示す。
ここで、シャルピー衝撃試験についてはJIS Z2242に準拠し、溶融部にVノッチを付与して各温度で衝撃値を求めたものであり、本願発明鋼は−40℃における溶接部の衝撃値が100J/cm2以上であり、脆性的には破壊せず自動車締結部品が寒冷地において必要な衝撃値を確保している。
また、常温平面曲げ疲労試験については、JIS Z2275に基づいて行った。
まず、溶接部を対象としてJIS1号試験片を採取し、常温(23℃)で平面曲げ疲労試験を実施した。常温平面曲げ疲労試験は、初期の曲げモーメントが一定になる様にトルクを繰り返し付与し、その速度は1500回/分とした。付与する応力は曲げモーメントから算出されるが、付与応力を種々変化させて、付与応力と破断繰り返し数の関係を求める。疲労限は107回の繰り返しで破断しない応力と定義した。図5から明らかなように、本願発明鋼は自動車締結部品が常温において必要な疲労限300MPa以上を確保している。
本発明の鋼板は、ステンレス冷延鋼板の汎用的な製造工程で製造することができる。具体的には、製鋼−熱間圧延−酸洗−冷間圧延−焼鈍・酸洗の各工程よりなる。製鋼においては、前記必須成分および必要に応じて添加される成分を含有する鋼を、転炉あるいは電炉溶製し、続いて2次精錬を行う方法が好適である。溶製した溶鋼は、公知の鋳造方法(連続鋳造)に従ってスラブとする。スラブは、所定の温度に加熱され、所定の板厚に連続圧延で熱間圧延される。熱間圧延は複数スタンドから成る熱間圧延機で圧延された後に巻き取られる。熱間圧延後は、熱延板焼鈍を施しても省略しても良い。冷間圧延においては、所定の板厚に応じて冷延圧下率を選択すれば良いが、20%未満の圧下率ではオーステナイト相の展伸が不十分であるため、圧下率は20%以上が望ましい。冷間圧延における他の条件(ロール径、パス数、圧延温度等)は特に規定せず、生産性に応じて適宜選択すれば良い。なお、冷延板の焼鈍は冷間圧延後の焼鈍は、オーステナイト相量の調整のために、1050℃以上に加熱することが望ましい。他工程の製造方法については特に規定しないが、熱延板厚、焼鈍雰囲気などは適宜選択すれば良い。また、冷延・焼鈍後に調質圧延やテンションレベラーを付与しても構わない。さらに、製品板厚についても、要求部材厚に応じて選択すれば良い。
表1および表2に示す成分組成の鋼を溶製した後熱間圧延して4mm厚の熱延板とした。その後、熱延板を焼鈍・酸洗し、2mm厚まで冷間圧延し、1080℃で焼鈍後、酸洗を施して薄鋼板とした。
このようにして得られた薄鋼板から、先述した方法で組織解析を行うとともにTIG溶接後、−40℃で溶接部のシャルピー衝撃試験を行い衝撃値を求めた。
また、溶接部の常温平面曲げ疲労試験を行い、疲労限を算出した。表3に各鋼に対する結果を示す。
表3では、−40℃で溶接部のシャルピー衝撃値が100J/cm以上であるものを合格(○)、100J/cm未満であるものを不合格(×)としている。また、疲労限が350MPa以上であるものを合格(○)、350MPa以上未満であるものを不合格(×)としている。
表3では、本願発明鋼No.1〜16は、鋼組成、オーステナイト相面積率、介在物の個数分布が本願の条件を満たし、溶接部の特性は、両特性とも自動車締結部品としての特性を満足していた。
これに対して、比較鋼No.17〜36は、鋼組成、オーステナイト相面積率、介在物の個数分布の少なくとも1つを満たしておらず、溶接部の特性が不合格となった。No.17はBも下限外れであった。No,18はNb含有量も上限外れであった。
具体的には、鋼No.17は、Mn含有率が下限外れであったため、オーステナイト相の面積率が低すぎ、Bも下限外れであったため、介在物としてのBNが充分に生成せず、介在物の個数が少なすぎて、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.18〜19、22は、Mn含有率が下限外れであったため、オーステナイト相の面積率が低すぎて、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.20は、C含有率およびCr含有率が上限外れであり、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.21は、Si含有率が上限外れであったため、加工性と靱性が低下し、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.23は、P含有量とMn含有量が上限外れであったため、加工性と靱性が低下し、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.24は、S含有量が上限外れであったため、加工性と靱性が低下した。Cr含有量も上限外れであったため、オーステナイト相が充分に生成せず、溶接組織が粗大化した。そのため、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.25は、Ni含有量が下限外れであったため、オーステナイト相の面積率が低すぎ、Cu含有量とMn含有量が上限外れであったため、加工性と靱性が低下し、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.26は、Mn含有量が下限外れ、Cr含有量が上限外れであったため、オーステナイト相の面積率が低すぎ、溶接組織も粗大化した。そのため、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.27は、C含有量、N含有量が上限外れであったため、低靱性化してしまい、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。Bも下限外れであった。
鋼No.28は、N含有量が下限外れであったため、オーステナイト相の面積率が低すぎた。また、介在物としての窒化物が充分に生成せず、介在物の個数が少なすぎた。そのため、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.29は、Mo含有量およびCr含有量が上限外れであったため、オーステナイト相の面積率が低すぎて、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.30は、Cu含有量が上限外れであったため、加工性と靱性が低下し、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.31は、B含有量が下限外れであったため、介在物としてのBNが充分に生成せず、介在物の個数が少なすぎて、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.32は、Al含有量が下限外れであったため、Al系の介在物が充分に生成せず、介在物の個数が少なすぎて、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.33は、V含有量が下限外れであり、介在物としてのV炭窒化物が充分に生成せず、介在物の個数が少なすぎて、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.34は、Ca含有量が下限外れであり、介在物としてのCaOが充分に生成せず、介在物の個数が少なすぎて、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.35は、O含有量が上限外れであり、介在物が粗大化して亀裂起点となってしまい、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
鋼No.36は、Mg含有量が下限外れであり、介在物としてのMgOが充分に生成せず、介在物の個数が少なすぎて、溶接部の低温靱性および常温疲労特性が不合格となった。
本発明によれば、溶接部の低温靭性と常温疲労特性に優れたフェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板を提供することが可能である。特に、自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板としての活用が有効であるが、二輪、鉄道、建築用途、各種構造部品や締結部品として使用可能である。これによって、薄肉軽量化や複雑構造の成形品に展開することが可能であることから、産業上極めて有益である。

Claims (5)

  1. 質量%にて、
    C:0.001〜0.05%、Si:0.01〜1.0%、Mn:2〜5%、P≦0.05%、S≦0.005%、Ni:0.1〜6.0%、Cr:15.0〜23.0%、Mo:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜2.0%、N:0.005〜0.30%、B:0.0005〜0.0100%、Al:0.01〜0.5%、V:0.01〜0.50%、Ca:0.0002〜0.0100%、O:0.0001〜0.0100%、Mg:0.0002〜0.0100%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、フェライト相とオーステナイト相の2相組織を示し、面積率でオーステナイト相が40%以上存在するとともに、円相当直径で2.0μm以下の介在物が1個/3000μm2以上存在することを特徴とする自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板。
  2. さらに、質量%にて、
    Ti:0.005〜0.30%、Nb:0.005〜0.30%、Zr:0.005〜0.30%、Sn:0.005〜0.50%、W:0.01〜2.0%、Sb:0.005〜0.50%、Ta:0.005〜0.30%、Hf:0.005〜0.30%、Co:0.01〜0.5%、REM:0.001〜0.05%、Ga:0.0002〜0.1%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板。
  3. −40℃における溶接部の衝撃値が100J/cm2以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板。
  4. 溶接部の常温における疲労限が300MPa以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動車締結部品用フェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板。
  5. 自動車の締結部品に使用される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフェライト・オーステナイト2相ステンレス鋼板。
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