JP2013209688A - 二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板およびその製造方法 - Google Patents

二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造コストを極力抑えた上で、合わせ材の母材との界面側に生じるC拡散層の拡大を抑制しうる、安価なクラッド鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】二相ステンレス鋼を合わせ材とし、炭素鋼もしくは合金鋼を母材とするクラッド鋼板であって、該二相ステンレス鋼が、質量%で、C:0.03%以下、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.5〜7.0%、P:0.05%以下、S:0.010%以下、Ni:0.1〜5.0%、Cr:18.0〜25.0%、N:0.05〜0.30%、Al:0.001〜0.05%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、クロム窒化物析出温度(TN)が800〜970℃であり、前記母材との界面側に存在する炭素拡散層の厚みが0.05〜0.4mmである二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶体化熱処理を省略した安価な合金元素節減型二相ステンレスクラッド鋼板およびその製造方法に係わり、海水淡水化機器、輸送船のタンク類、各種容器等として使用可能な二相ステンレス鋼を合わせ材としたクラッド鋼板に関する。
二相ステンレス鋼は、鋼の組織にオーステナイト相とフェライト相の両相を持つものであり、高強度高耐食性の材料として以前から石油化学装置材料、ポンプ材料、ケミカルタンク用材料等に使用されている。更に、二相ステンレス鋼は、一般に低Niの成分系であることから、直近の金属原料高騰状況に伴い、ステンレス鋼の主流であるオーステナイト系ステンレス鋼よりも合金コストが低くかつその変動が少ない材料として注目を浴びている。
二相ステンレス鋼の直近のトピックとして、省合金タイプの開発とその使用量増加がある。省合金タイプとは、従来の二相ステンレス鋼より高価な合金の含有量を抑え、オーステナイト系より合金コストが低いメリットを更に増大させた鋼種で、特許文献1等に開示されている鋼種等が該当する。特許文献1の鋼はASTM−A240でS32101(代表成分22Cr−1.5Ni−5Mn−0.22N)として規格化されている。省合金タイプの二相ステンレス鋼では、従来の二相ステンレス鋼より耐食性を下げSUS316Lもしくは汎用鋼のSUS304に近いレベルとした代わりに、Moをほぼ0とし、Niを約1%と大幅に低減している。
これに対し発明者らは特許文献2において、C:0.06%以下、Si:0.1〜1.5%、Mn:2.0〜4.0%、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:19.0〜23.0%、Ni:1.00〜4.0%、Mo:1.0%以下、Cu:0.1〜3.0%、V:0.05〜0.5%、Al:0.003〜0.050%、O:0.007%以下、N:0.10〜0.25%、Ti:0.05%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、Md30値が80以下、Ni−bal.が−8以上−4以下であり、かつN含有量の上限がNi−bal.との関係式で表され、オーステナイト相面積率が40〜70%であり、2×Ni+Cuが3.5以上であることを特徴とする溶接熱影響部の耐食性と靭性が良好な省合金二相ステンレス鋼を開示した。
特許文献2に記載の二相ステンレス鋼は、省合金タイプの二相ステンレス鋼において課題となる、溶接熱影響部にクロム窒化物が析出することにより生じる耐食性低下を抑制しうる鋼である。特許文献2のポイントは固溶レベルの微量のV添加に加え、オーステナイト量推定式であるNi−bal.に応じたNの上限を規定することである。
一方、クラッド鋼板は、合わせ材として用いられるステンレス鋼に耐食性を持たせるとともに、母材に強度・靱性と溶接性を持たせることにより、複合的な特性を経済的に得ることができる熱延鋼材である。クラッド鋼板は、合わせ材としてのステンレス鋼と母材とが構造的に接合される部位に用いられ、一般に板厚が厚く、特に強度や靭性が求められる用途に使用されている。具体的には海水淡水化機器、輸送船のタンク類等が挙げられる。
従来、合わせ材としてはオーステナイト系ステンレス鋼が多く用いられてきた。しかし、オーステナイト系ステンレス鋼が安価な二相ステンレス鋼に変更される趨勢が進みつつある現状に伴い、クラッド鋼板の合わせ材についても二相ステンレス鋼への置き換えの要求が高まっている。
二相ステンレス鋼はCr,Mo,Ni,Nを多量に含有し、金属間化合物、窒化物が析出しやすいことから、通常の熱間圧延鋼材では1000℃以上の溶体化熱処理を加えて析出物を固溶させる工程が必須である。しかしながら、クラッド鋼板の製造工程において溶体化熱処理を施すと、母材炭素鋼の靱性が低下してしまうため、上記クラッド鋼板の用途から言えば好ましくない。また、元来の狙いがコスト低減であることに加え、近年の使用エネルギー削減の要求からも、溶体化熱処理を省略することが望まれている。
このため、クラッド鋼板に関しては、熱処理付加前提で1000℃以上の高い温度の熱処理で機械特性を確保することができるように化学組成を工夫した炭素鋼を母材とする(特許文献3など)、熱間圧延条件を制御することにより熱処理を省略して二相ステンレスクラッド鋼板を製造する(特許文献4など)、あるいは熱間圧延中に再加熱して合わせ材中の析出を抑える(特許文献5など)等の措置が行われていた。
このように、従来知見は母材組成やクラッド鋼板製造条件による熱処理省略がほとんどであり、合せ材である二相鋼の改善による解決策は見出されていなかった。
二相ステンレス鋼をクラッド合わせ材として用いる場合の課題の一つとして、合わせ材の母材との界面側に生じるC拡散層の取扱がある。C拡散層は、母材に用いる炭素鋼や合金鋼の炭素量が合わせ材のステンレス鋼より多いため、母材から合わせ材にCが拡散することによって生じるものである。C拡散層は、炭化物の析出によりいわゆる鋭敏化が生じることで界面近傍の耐食性を損ねる。
C拡散層のほとんどは、高温長時間熱処理となる圧延前の加熱工程によって生じる。合わせ材に用いる従来鋼のオーステナイト系ステンレス鋼と異なり、二相ステンレス鋼は素材加熱温度である1100℃付近の温度域でオーステナイト相よりフェライト相が多い組織となる。フェライト相はオーステナイト相より炭素の拡散速度が数倍大きく、その結果C拡散層の厚みが無視できないレベルとなる。
この課題に対する対策として、例えば特許文献4では母材と合わせ材との界面にNiバインダを挿入することにより、合わせ材側へのC侵入を抑止している。また、特許文献6では二相ステンレス鋼と同様にフェライト相主体であるフェライト系ステンレス鋼を合わせ材とする際に、母材の成分を低C−Ti,Nb添加として母材に固溶するCをごく少量とすることで、合わせ材側へのC侵入を抑止している。
国際公開第2002/27056号 国際公開第2009/119895号 特開平7−292445号公報 特公平4−22677号公報 特公平6−36993号公報 特許第2715014号公報
しかしながら、合わせ材側へのC侵入を抑止するために、特許文献4に記載の技術を用いた場合、Niバインダの挿入によるコストアップの課題が生じる。また、合わせ材側へのC侵入を抑止するために、特許文献6に記載の技術を用いた場合、母材に使用する炭素鋼の強度が低下するという不都合がある。
本発明は、省合金タイプの二相ステンレス鋼を合わせ材としたクラッド鋼板に対して、製造コストを極力抑えた上で、合わせ材の母材との界面側に生じるC拡散層の拡大を抑制しうる、安価なクラッド鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らはまず、クラッド鋼板の合わせ材の母材との界面側に形成されるC拡散層が、実質上、クラッド鋼板の特性に影響を及ぼさない厚みの範囲について検討し、以下の通りとした。
即ち、C拡散層分をマイナスしても合わせ材厚をmm単位で保証出来るように0.4mmを炭素拡散層の厚みの上限とした。逆に、炭素拡散層の厚みが0.05mm以下の場合、合わせ材の母材との付着強度が低下するため、0.05mmを下限とした。
次に、熱間圧延後のクラッド材に、例えば、1000℃で5分間保持する溶体化熱処理を施すと、コンマ数mmのC拡散層を追加することになるため、溶体化熱処理を省略して製造する事が有効である。溶体化熱処理の省略は、製造コスト削減の観点からも有利である。
しかしながら、本発明が対象とするクラッド鋼板の合わせ材に用いられる省合金タイプの二相ステンレス鋼は、熱間圧延の温度域で窒化物が析出しやすい性質を持っている。このため、通常、熱間圧延を終了した状態のクラッド材では、耐食性を低下させるクロム窒化物が合わせ材中に分散されている。
そこで、本発明者らは、熱間圧延で合わせ材と母材とを接合する工程で、クロム窒化物が析出しないように、合わせ材である二相ステンレス鋼の成分については、窒化物が析出し難い成分設計を行うこととした。
また、溶体化熱処理を省略した場合、C拡散層のほとんどが熱間圧延前の被圧延素材の加熱工程によって生じることになる。したがって、熱間圧延前の被圧延素材の加熱条件を規定することによって、C拡散層の厚みをほぼ制御できる。本発明者らは、熱間圧延前の被圧延素材の加熱条件とC拡散層厚について鋭意検討し、本発明の完成に至った。
以上の知見より、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1) 二相ステンレス鋼を合わせ材とし、炭素鋼もしくは合金鋼を母材とするクラッド鋼板であって、該二相ステンレス鋼が、
質量%で、
C :0.03%以下、
Si:0.05〜1.0%、
Mn:0.5〜7.0%、
P :0.05%以下、
S :0.010%以下、
Ni:0.1〜5.0%、
Cr:18.0〜25.0%、
N :0.05〜0.30%、
Al:0.001〜0.05%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、
800〜1000℃の均熱温度で20分以上保持する均熱処理を行い、前記均熱処理後5秒以内に水冷を開始して冷却した場合に電解抽出残渣分析法により求めたクロム窒化物の析出量が0.01%以下となる前記均熱温度のうちの最低温度が800〜970℃であり、
前記母材との界面側に存在する炭素拡散層の厚みが0.05〜0.4mmであることを特徴とする二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板。
(2) 二相ステンレス鋼を合わせ材とし、炭素鋼もしくは合金鋼を母材とするクラッド鋼板であって、該二相ステンレス鋼が、
質量%で、
C :0.03%以下、
Si:0.05〜1.0%、
Mn:0.5〜7.0%、
P :0.05%以下、
S :0.010%以下、
Ni:0.1〜5.0%、
Cr:18.0〜25.0%、
N :0.05〜0.30%、
Al:0.001〜0.05%を含有し、更に、
V :0.05〜0.5%、
Nb:0.01〜0.20%、
Ti:0.003〜0.05%から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、
800〜1000℃の均熱温度で20分以上保持する均熱処理を行い、前記均熱処理後5秒以内に水冷を開始して冷却した場合に電解抽出残渣分析法により求めたクロム窒化物の析出量が0.03%以下となる前記均熱温度のうちの最低温度が800〜970℃であり、
前記母材との界面側に存在する炭素拡散層の厚みが0.05〜0.4mmであることを特徴とする二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板。
(3) 前記二相ステンレス鋼が、更に、
Mo:1.5%以下、
Cu:2.0%以下、
W :1.0%以下、
Co:2.0%以下から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板。
(4) 前記二相ステンレス鋼が、更に、
B :0.0050%以下、
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0030%以下、
REM:0.10%以下から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板。
(5) (1)〜(4)のいずれか1項に記載の二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板の製造方法であり、
母材と前記合わせ材とを重ね合わせて被圧延素材とする工程と、
前記被圧延素材を1050℃以上1250℃以下の温度で30分以上10時間以下の時間、かつ、前記合わせ材の前記母材側の界面に下記[式1]で示されるWL以上かつ下記[式2]で示されるWH値以下の厚みの炭素拡散層が形成される条件で加熱する素材加熱工程と、
前記素材加熱工程後の前記被圧延素材を熱間圧延する熱間圧延工程とを備えることを特徴とする二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板の製造方法。
WL=0.05×(TM/TP)・・・[式1]
WH=0.4×(TM/TP)・・・[式2]
[式1]および[式2]において、TPは熱間圧延工程後の鋼板の厚みを示し、TMは熱間圧延工程前の被圧延素材の厚みを示す。
本発明によれば、二相ステンレス鋼を合わせ材とし、炭素鋼もしくは低合金鋼を母材とし、合わせ材の母材との界面側におけるC拡散層の拡大が抑制され、優れた耐食性を有するクラッド鋼板を、溶体化熱処理を行うことなく効率よく製造できる。
本発明により、海水淡水化機器、輸送船のタンク類、各種容器等として好適に用いられ、従来より合金元素を節減したクラッド鋼板を、安価で少ないエネルギーで製造でき、産業面、環境面に寄与するところは極めて大である。
図1は、素材加熱工程における加熱温度および加熱時間の変化と、Cの拡散距離(mm)との関係を示したグラフである。
以下に本発明を詳細に説明する。なお、成分についての%は、質量%を意味する。
先ず、本発明の請求項1記載の限定理由について説明する。
請求項1に係る二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板における合わせ材の成分は、C,Si,Mn,P,S,Ni,Cr,N,Alを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる。また、請求項1のクラッド鋼板に用いられる二相ステンレス鋼は、オーステナイト相とフェライト相の両相の組織を有するものであり、800〜1000℃の均熱温度で20分以上保持する均熱処理を行い、前記均熱処理後5秒以内に水冷を開始して冷却した場合に電解抽出残渣分析法により求めたクロム窒化物の析出量が0.01%以下となる前記均熱温度のうちの最低温度(以下「クロム窒化物析出温度TN」という場合がある。)が800〜970℃であるものである。
Cは、二相ステンレス鋼の耐食性を確保するために0.03%以下の含有量に制限する。0.03%を越えて含有させると熱間圧延時にCr炭化物が生成して、耐食性、靱性が劣化する。好ましいC含有量は0.025%以下である。一方、含有量を極端に低減することは大幅なコストアップになるため、C含有量は0.001%以上であることが好ましく、より好ましくは0.010%以上である。
Siは、脱酸のため0.05%以上添加する。しかしながら1.0%を超えて添加すると靱性が劣化する。そのため、上限を1.0%に限定する。好ましい範囲は0.2〜0.7%である。
Mnは、オーステナイト相を増加させ靭性を改善する効果を有し、母材および溶接部の靱性のため0.5%以上添加する。また、Mnは、クロム窒化物析出温度TNを低下させる効果を有するため、本発明鋼材では積極的に添加することが好ましい。しかしながら、7.0%を超えて添加すると耐食性および靭性が劣化する。そのため、上限を7.0%に限定する。好ましい含有量は1.0〜6.0%であり、さらに好ましくは2.0〜5.0%である。
Pは、原料から不可避に混入する元素であり、熱間加工性および靱性を劣化させるため0.05%以下に限定する。好ましいP含有量は0.03%以下である。
Sは、原料から不可避に混入する元素であり、熱間加工性、靱性および耐食性をも劣化させるため0.010%以下に限定する。好ましいS含有量は0.0020%以下である。
Niは、オーステナイト組織を安定にし、各種酸に対する耐食性、さらに靭性を改善するため0.1%以上含有させる。Ni含有量を増加することによりクロム窒化物析出温度を低下させることが可能になる。一方、高価な合金であり、合金元素節減型二相ステンレス鋼を合わせ材とする本発明鋼ではコストの観点より5.0%以下のNi含有量に制限する。好ましいNi含有量は1.0〜4.0%であり、さらに好ましくは1.5〜3.0%である。
Crは、基本的な耐食性を確保するため18.0%以上含有させる。一方25.0%を超えてCrを含有させるとフェライト相分率が増加し、靭性および溶接部の耐食性を阻害する。このためCrの含有量を18.0%以上25.0%以下とした。好ましいCr含有量は19.0〜23.0%である。
Nは、オーステナイト相に固溶して強度、耐食性を高める有効な元素である。このために0.05%以上含有させる。Nの固溶限度はCr含有量に応じて高くなるが、本発明鋼においては、0.30%を越えてNを含有させるとCr窒化物を析出して靭性および耐食性を阻害するようになるためN含有量の上限を0.30%とした。好ましいN含有量は0.10〜0.25%である。
Alは、鋼の脱酸のための重要な元素であり、鋼中の酸素を低減するためにSiとあわせて含有させる。Alは、Si含有量が0.3%を越える場合には添加しなくて良い場合もあるが、酸素量の低減は靭性確保のために必須であるため、0.001%以上の含有が必要である。好ましいAl含有量は0.005%以上である。一方でAlはNとの親和力が比較的大きな元素であり、過剰に添加するとAlNを生じて二相ステンレス鋼の靭性を阻害する。その程度はN含有量にも依存するが、Al含有量が0.05%を越えると靭性低下が著しくなる。このためAl含有量の上限を0.05%と定めた。好ましいAl含有量は0.03%以下である。
Oは、不可避的不純物であり、その上限を特に定めなかったが、非金属介在物の代表である酸化物を構成する重要な元素であり、過剰な含有は靭性を阻害する。また、粗大なクラスター状酸化物が生成すると表面疵の原因となる。好ましいO含有量は0.010%以下である。
クロム窒化物析出温度TNは、800〜1000℃の均熱温度で20分以上保持する均熱処理を行い、前記均熱処理後5秒以内に水冷を開始して冷却した場合に電解抽出残渣分析法により求めたクロム窒化物の析出量が0.01%以下となる前記均熱温度のうちの最低温度である。クロム窒化物析出温度TNは、熱間圧延中におけるクロム窒化物の析出に関する指標となるものであり、実験的に求められる特性値である。
クロム窒化物析出温度TNが低いほど、クロム窒化物の析出する温度域が低温側に限定されるため、クロム窒化物の析出速度や析出量が抑制され、熱間圧延ままの溶体化熱処理を省略した状態で合わせ材の耐食性が維持される。
クロム窒化物析出温度TNを規定する際の均熱温度を800〜1000℃に規定するのは、一般的な熱間圧延温度域だからである。本発明では、一般的に行われる熱間圧延中にクロム窒化物を析出させないようにするため、当該温度域でもって規定する。
また、クロム窒化物が十分に平衡する時間として均熱処理の均熱温度での保持時間を20分以上に規定する。保持時間が20分未満では析出量の変化が激しい区域に該当して測定の再現性が得られにくくなる。しかし、保持時間を長くすると測定に長時間を要する。したがって、クロム窒化物を十分に平衡させて再現性を確保する観点からいえば、均熱温度での保持時間は20分以上であってもよいが、効率よく測定するために20分であることが好ましい。
均熱処理後においては、水冷に供するまでに長時間を要すると、徐々に鋼材温度が低下してクロム窒化物が析出してしまう。そうなると測定したかった温度でのクロム窒化物量とは異なる値が得られてしまう。したがって、均熱処理後5秒以内に水冷に供することとする。
また、クロム窒化物析出温度TNをクロム窒化物の析出量が0.01%以下となる均熱温度のうちの最低温度と規定したのは、実験によって、二相ステンレス鋼が請求項1に記の成分を有するものである場合、クロム窒化物の析出量0.01%以下が耐食性や靭性に悪影響を及ぼさない析出量であることを確認したことによる。
クロム窒化物析出温度TNは、熱間圧延ままの溶体化熱処理を省略した合金元素節減型二相ステンレス鋼を用いたクラッド鋼板において、耐食性と靭性を確保するためには、970℃以下に設計することが必要であることが実験的に求められた。したがって、クロム窒化物析出温度TNが970℃以下になるような成分組成を設計することが必要であり、好ましくは930℃以下である。また、クロム窒化物析出温度TNは、N含有量を低下させることにより低下するが、本発明鋼では耐食性を高めるためにNを0.05%以上含有させており、この場合にクロム窒化物析出温度TNを800℃未満にすることは困難である。そのため、クロム窒化物析出温度TNの下限を800℃とした。
なお、クロム窒化物析出温度TNを低下させるにはN含有量の低減が有効であるが、N含有量の極端な低下は、オーステナイト相比率の低下と溶接部耐食性の低下とをもたらす。このため、オーステナイト相の生成元素であるNi,Mn,Cuの含有量とN含有量を適切に設計することが必要である。
一方、クラッド鋼板の母材は、合わせ材として用いられる二相ステンレス鋼よりもC含有量が多いものである。母材としては、普通鋼(炭素鋼)もしくは合金鋼が用いられるが、目的用途に応じて適宜選択して使用でき、特に限定されるものではない。また、合金鋼としては、ステンレス鋼を除くものであることが好ましく、低合金鋼、ニッケル鋼、マンガン鋼、クロムモリブデン鋼、高速度鋼からなる群より選択される1種以上などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。具体的には、SS400鋼などを用いることができる。
次に、合わせ材の母材との界面側に生じるC拡散層について、実質上影響を及ぼさない厚みの範囲について検討し、C拡散層分をマイナスしても合わせ材厚をmm単位で保証出来るように0.4mmを上限とした。逆に、C拡散層の厚みが0.05mm未満の場合、合わせ材の付着強度が低下するため、0.05mmを下限とした。
このC拡散層厚を測定するには、断面へシュウ酸電解によるエッチングを行い、光学顕微鏡観察し、析出物が観察される厚みを測定すればよい。
次に請求項2の規定内容について説明する。
請求項2に係るクラッド鋼板の合わせ材の成分は、請求項1と同様にC,Si,Mn,P,S,Ni,Cr,N,Alを含有し、請求項1と異なり、更に、V,Nb,Tiから選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる。
また、請求項2のクラッド鋼板に用いられる二相ステンレス鋼は、オーステナイト相とフェライト相の両相の組織を有するものであり、800〜1000℃の均熱温度で20分以上保持する均熱処理を行い、均熱処理後5秒以内に水冷を開始して冷却した場合に電解抽出残渣分析法により求めたクロム窒化物の析出量が0.03%以下となる前記均熱温度のうちの最低温度(以下「クロム窒化物析出温度TN2」という場合がある。)が800〜970℃であるものである。
本発明者らは、合わせ材としてV,Nb,Tiを含有する合金元素節減型二相ステンレス鋼を用いる場合には、従来知見と異なる挙動を示すことを見出した。即ち、合金元素節減型二相ステンレス鋼中に微量のV,Nb,Tiを含有させると、クロムの一部が置換した窒化物を構成し、クロム窒化物を増加させることが分かった。これはクロム窒化物析出温度をわずかに高めることを意味する。一般的な従来知見からすると、クロム窒化物量が増加すると耐食性が悪化すると思われるが、二相ステンレス鋼中に微量のV,Nb,Tiを含有させた場合、V,Nb,Tiを含有しない場合と比較してクロム窒化物の析出量が増加しても、耐食性が向上する傾向を有することが明らかとなった。この知見を請求項2に規定した。
上記のように、二相ステンレス鋼に微量のV,Nb,Tiを含有させる場合、クロム窒化物の許容量が増加する。そのため、選択的成分であるV、Nb、Tiから選ばれる1種または2種以上を含有する二相ステンレス鋼については、熱間圧延中におけるクロム窒化物の析出に関する第二の指標としてクロム窒化物析出温度を新たにTN2として規定し、クロム窒化物の析出量が0.03%以下となる均熱処理温度のうちの最低温度とした。
なお、請求項1で説明したクロム窒化物析出温度TNは、選択的成分であるV、Nb、Tiを含有しない二相ステンレス鋼における熱間圧延中におけるクロム窒化物の析出に関する指標であることは言うまでもない。
請求項2においては、クロム窒化物量が緩和されたクロム窒化物析出温度TN2が970℃以下であれば、本発明の課題を解決することができる。クロム窒化物析出温度TN2は、好ましくは930℃以下である。また、クロム窒化物析出温度TN2を実験的に求める手段、下限、クロム窒化物析出温度TN2を減少させるための方法は、クロム窒化物析出温度TNと同様である。
なお、クロム窒化物析出温度TN2において、クロム窒化物の析出量が0.03%以下となる温度のうちの最低温度と規定したのは、実験によって二相ステンレス鋼が請求項2に記載の成分を有するものである場合、クロム窒化物の析出量0.03%以下が耐食性や靭性に悪影響を及ぼさない析出量であることを確認したことによる。
Vが形成する窒化物、炭化物は、熱間加工および鋼材の冷却過程で生成し、耐食性を高める作用を有する。この理由として十分な確認はなされていないが、700℃以下でのクロム窒化物の生成速度を抑制する可能性が考えられる。Vを含有させる場合、耐食性の改善のために0.05%以上含有させる。Vは、0.5%を超えて含有させると粗大なV系炭窒化物が生成し、靱性が劣化する。そのため、Vを含有させる場合のV含有量の上限を0.5%に限定する。Vを含有させる場合の好ましい含有量は0.07〜0.3%の範囲である。
Nbが形成する窒化物、炭化物は、熱間加工および鋼材の冷却過程で生成し、耐食性を高める作用を有する。この理由として十分な確認はなされていないが、700℃以下でのクロム窒化物の生成速度を抑制する可能性が考えられる。Nbを含有させる場合、耐食性の改善のために0.01%以上含有させる。一方、過剰な添加は、熱間圧延前の加熱時に未固溶析出物として析出するようになって靭性を阻害するようになるため、Nbを含有させる場合の含有量の上限を0.20%と定めた。Nbを含有させる場合の好ましい含有率範囲は0.03%〜0.10%である。
Tiは、極微量で酸化物、窒化物、硫化物を形成し、鋼の凝固および高温加熱組織の結晶粒を微細化する元素である。またV、Nbと同様にクロム窒化物のクロムの一部に置換する性質も有する。Tiを0.003%以上の含有させることによりTiの析出物が形成されるようになる。一方、0.05%を越えてTiを二相ステンレス鋼に含有させると粗大なTiNが生成して鋼の靭性を阻害するようになる。このためTiを含有させる場合の含有量の上限を0.05%と定めた。Tiの好適な含有率は0.005〜0.02%である。
次に請求項3の規定内容について説明する。
請求項3では、合わせ材の耐食性を付加的に高める元素について規定した。選択的元素であるMo,Cu,W,Coから選ばれる1種または2種以上を更に含有する請求項3に係る発明の限定理由について説明する。
Moは、二相ステンレス鋼の耐食性を付加的に高める非常に有効な元素であり、必要に応じて含有させることができる。耐食性改善のためにはMoを0.2%以上含有させることが好ましい。一方でMoは、金属間化合物の析出を促進する元素であり、本発明鋼では熱間圧延時の析出を抑制する観点より1.5%の含有量を上限とする。
Cuは、二相ステンレス鋼の酸に対する耐食性を付加的に高める元素であり、かつ靭性を改善する作用を有するため0.3%以上含有させることが推奨される。Cuは、2.0%を越えて含有させると、熱間圧延時に固溶度を超えてεCuが析出して脆化するので上限を2.0%とした。Cuを含有させる場合の好ましい含有量は0.3〜1.5%である。
Wは、Moと同様に二相ステンレス鋼の耐食性を付加的に向上させる元素である。本発明鋼において耐食性を高める目的のためには、Wは1.0%を上限に含有させる。好ましいWの含有量は0.05〜0.5%である。
Coは、二相ステンレス鋼の靭性と耐食性を高めるために有効な元素であり、選択的に添加される。Coの含有量は0.03%以上が好ましい。2.0%を越えてCoを含有させると高価な元素であるためにコストに見合った効果が発揮されないようになるため上限を2.0%と定めた。Coを添加する場合の好ましい含有量は、0.03〜1.0%である。
次に請求項4の規定内容について説明する。
請求項4では、熱間加工性の向上を図るために必要に応じて選択的に含有させるB,Ca,Mg,REMを下記の通り限定する。B,Ca,Mg,REMは、いずれも鋼の熱間加工性を改善する元素であり、その目的で1種または2種以上添加される。
B,Ca,Mg,REMいずれも過剰な添加は、逆に熱間加工性および靭性を低下するため、その含有量の上限を次のように定めた。BとCaについては0.0050%、Mgについては0.0030%、REMについては0.10%である。好ましい含有量はそれぞれBとCa:0.0005〜0.0030%、Mg:0.0001〜0.0015%、REM:0.005〜0.05%である。ここでREMはLaやCe等のランタノイド系希土類元素の含有量の総和とする。
次いで本発明の請求項5記載の限定理由について説明する。
本発明の圧延クラッド鋼板は、以下のような工程で製造される。まず、所定の厚さの母材と上述した二相ステンレス鋼からなる合わせ材とを用意し、それぞれ接合面を清浄にして重ね合わせ、四周を溶接により接合し、スラブ(被圧延素材)を組み立てる。接合強度を高めるために真空脱ガスなどが適宜実施される。このスラブに素材加熱工程を行った後、通常の熱間圧延を施してクラッド鋼板が製造される。
本発明においては、熱間圧延前に被圧延素材を、1050℃以上1250℃以下の温度で30分以上10時間以下の時間加熱する素材加熱工程を行う。この熱間圧延前の素材加熱によって、母材から合わせ材にCが拡散する。Cの拡散距離は、素材加熱工程における加熱温度および加熱時間によって決定される。
図1は、素材加熱工程における加熱温度および加熱時間の変化と、素材加熱工程後のスラブにおけるCの拡散距離(mm)との関係を示したグラフである。
図1に示すCの拡散距離は、フェライト相中のCの拡散について分子の拡がりを示す一般式√(2Dt)によって算出した計算値である。このようにして算出したCの拡散距離は、Cの拡散距離に対応する加熱条件をより高精度で設定するために、必要に応じて実験により測定した実験値を用いて補正してもよい。上記一般式において、tは時間であり、Dはフェライト相中のCの拡散定数である。フェライト相中のCの拡散定数は、一般に温度T(K)の関数としてD=Dexp(−Q/RT)(Rは気体定数であり、Qは活性化エネルギーである)と表される。
本発明において、必要とされる素材加熱工程後の炭素拡散層の厚み(Cの拡散距離)に対応する素材加熱工程における加熱温度および加熱時間の条件は、予め、母材鋼種毎に、例えば図1に示すように、素材加熱工程における加熱温度および加熱時間の変化と、Cの拡散距離との関係を調べておき、その結果に基づいて容易に算出できる。
また、Cの拡散距離は、素材加熱工程においてCが拡散した後、熱間圧延されて最終的なクラッド鋼板とされることにより薄くなる。すなわち、最終的なクラッド鋼板におけるCの拡散距離は、比例配分で被圧延素材の厚み×(熱間圧延工程後の鋼板の厚み「最終板厚」/被圧延素材の厚み)と計算しうる。このことから、合わせ材の母材との界面側に生じるC拡散層の厚みを規定範囲内に留めるためには、これを逆算し、素材加熱工程において、下記[式1]で示されるWL以上かつ下記[式2]で示されるWH値以下の厚みのC拡散層を形成すればよい。
WL=0.05×(TM/TP)・・・[式1]
WH=0.4×(TM/TP)・・・[式2]
[式1]および[式2]において、TPは熱間圧延工程後の鋼板の厚みを示し、TMは熱間圧延工程前の被圧延素材の厚みを示す。
すなわち、合わせ材の母材側の界面に上記[式1]で示されるWL以上かつ上記[式2]で示されるWH値以下の厚みのC拡散層が形成される素材加熱工程おける加熱の条件は、一般式√(2Dt)によって算出した計算値と、必要に応じて使用される実験により測定した実験値とを用いて、素材加熱工程における加熱温度および加熱時間の変化と、素材加熱工程後のスラブにおけるCの拡散距離(mm)との関係(図1参照)を調べ、その結果に基づいて設定できる。
なお、素材加熱工程における加熱温度については、1050℃未満では圧延温度低下による熱間加工割れを生じ、1250℃超えではフェライト相の粗大化を生じるため1050℃以上1250℃以下とする。加熱温度は、好ましくは1150〜1250℃である。
また、素材加熱工程における加熱時間が30分未満の場合、中心部の加熱不足により二相ステンレス鋼へ窒化物の残存が見られ、耐食性が低下する。また、素材加熱工程における加熱時間が10時間超では、加熱効果が飽和し、拡散層を助長する。このため、加熱時間は30分以上10時間以下とし、好ましくは1時間〜5時間である。
なお、本発明においては、母材の一方の面に合わせ材を配置したものであってもよいし、母材の両面に合わせ材を配置したものであってもよい。
以下に実施例について記載する。表1に合わせ材の化学組成(質量%)を示す。なお、表1のNo.ア〜チは二相ステンレス鋼であり、No.ツは参考例のためのオーステナイト系ステンレス鋼である。
なお、表1に示した成分について含有量が記載されていない部分は不純物レベルであることを示している。また、REMはランタノイド系希土類元素を意味し、含有量はそれら元素の合計を示している。また、Oは不可避的不純物である。
Figure 2013209688
表1中のクロム窒化物析出温度(TN)及び(TN2)[単位はいずれも℃]は、以下の手順(電解抽出残渣分析法)で求めた。
(1) 10mm厚の供試鋼に、800〜1000℃の任意の均熱温度で20分間保持する均熱処理を行い、その後5秒以内に水冷を開始して冷却する。
(2) 冷却後の供試鋼表層を#500研磨する。
(3) 3g試料を分取し、非水溶液中(3%マレイン酸+1%テトラメチルアンモニウムクロライド+残部メタノール)で電解(100mV定電圧)してマトリックスを溶解する。
(4) 0.2μm穴径のフィルターで残渣(=析出物)を濾過し、析出物を抽出する。
(5) 残渣の化学組成を分析し、そのクロム含有量を求める。この残渣中のクロム含有量(%)をクロム窒化物の析出量の指標とする。
(6) (1)の均熱処理温度を種々変化させ、残渣中のクロム含有量が0.01%以下となる均熱処理温度のうちの最低温度をTNとする。また、合わせ材が、V,Ti,Nbのいずれか1種以上を含有する場合は、クロム含有量が0.03%以下となる均熱処理温度のうちの最低温度をTN2とする。
クラッド鋼板は、表1に示した化学組成の厚み30mmの合わせ材と、表2に示した化学組成の厚み100mmの母材とを重ね合わせ、溶接により組み立てて厚さ130mmのスラブ(被圧延素材)として熱間圧延用の素材に用いた。
Figure 2013209688
そして、熱間圧延前のスラブを表3に示す素材加熱温度および素材加熱時間で加熱(素材加熱工程)した後、合わせ材側を下面として、実験室の2段圧延機によりスラブを熱間圧延した。熱間圧延条件としては、10〜15回の圧下を繰り返し、最終板厚が10〜30mmとなるように930〜960℃で仕上圧延を実施し、冷却床に移送して放冷した。このようにして、合わせ材の厚さが3mmの圧延クラッド鋼板を得た。
Figure 2013209688
作成したクラッド鋼板より、圧延方向に直角な断面を埋込研磨し、シュウ酸エッチングにより組織を表出し、C拡散層厚を測定した。
孔食電位測定としては、合わせ材を取り出し、一部は1000℃で溶体化熱処理を実施し、鋼材の表皮下1mmの面に対してJIS G0577に定められた方法にて電流密度が100μA/cmに対応する電位(VC’100)を測定した。溶体化熱処理を施す前後の鋼材についてそれぞれn=4で測定し、平均値を求めその平均値の差(孔食電位差)を算出した。
また、せん断引張試験としてJIS G0601に準拠して常温にて各3本の試験を実施し、せん断強度を測定した。
表3に、各条件材(番号1〜38)におけるC拡散層厚および孔食電位差の評価結果を示している。
また、一般式√(2Dt)によって算出したCの拡散距離の計算値を用いて、各クラッド鋼板に用いた母材鋼種A,B毎に、素材加熱工程における加熱温度および加熱時間の変化と、素材加熱工程後のスラブにおけるCの拡散距離(mm)との関係を調べ、Cの拡散距離の見積もり用グラフとした。
その後、各クラッド鋼板(番号1〜38)において、加熱温度および加熱時間を見積もり用グラフに当てはめて、素材加熱工程後のスラブにおけるCの拡散距離を見積もった。その結果を表3に示す。
孔食電位差については、クロム窒化物析出温度(TN)(TN2)を970℃以下に低下した合わせ材を用いたクラッド鋼板(番号1〜21)において、溶体化熱処理を省略した状態で0.10V未満の低下量にとどまり、本発明成分のクラッド鋼板は、溶体化熱処理を省略しても耐食性に優れることが明らかである。
一方、C拡散層厚に関しては、同じく表3に各クラッド鋼板(番号1〜38)におけるWL〜WHの範囲、および各加熱条件を見積もり用グラフに当てはめて、見積もり用グラフから読み取ったスラブにおけるCの拡散距離と、実際に測定したC拡散層厚を示している。
本発明例(番号1〜21)では、C拡散層厚はいずれの場合も0.05〜0.4mmの間に収まっており、せん断強度は300MPaを超え良好であった。
番号22〜30は、本発明範囲外の成分もしくはTN値、TN2値の鋼を使用した比較例であり、何れも熱間圧延ままでの孔食電位差が0.10V以上と大きく耐食性が劣化する。
比較例である番号31、32、36は、見積もり用グラフの値がWHを上回っており、C拡散層厚が0.4mmを超過した。特に比較例である番号32は素材厚/板厚が小さいため本発明例1等と同じ加熱条件でも大きな拡散層厚となった。
比較例である番号37は逆に見積もり用グラフの値がWLを下回り、せん断強度が大きく低下し300MPaを下回った。
比較例である番号33は、素材加熱温度が高いためフェライト粒粗大化による耐食性低下が見られた。
比較例である番号34では、素材加熱温度が低いため圧延温度が低すぎて熱間加工割れを生じ、比較例である番号35では、素材加熱時間が短いため窒化物の析出が生じ、耐食性低下が見られた。
最後の比較例である番号38は参考例であり、オーステナイト系を合わせ材とした例である。オーステナイト系ステンレス鋼を合せ材とした場合はC拡散層厚が大幅に小さく、特に製造条件を考慮する必要が無いことがわかる。
以上の実施例からわかるように本発明により省合金タイプ二相ステンレス鋼を合わせ材とし、溶体化熱処理を省略した安価なクラッド鋼板が得られることが明確となった。

Claims (5)

  1. 二相ステンレス鋼を合わせ材とし、炭素鋼もしくは合金鋼を母材とするクラッド鋼板であって、該二相ステンレス鋼が、
    質量%で、
    C :0.03%以下、
    Si:0.05〜1.0%、
    Mn:0.5〜7.0%、
    P :0.05%以下、
    S :0.010%以下、
    Ni:0.1〜5.0%、
    Cr:18.0〜25.0%、
    N :0.05〜0.30%、
    Al:0.001〜0.05%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、
    800〜1000℃の均熱温度で20分以上保持する均熱処理を行い、前記均熱処理後5秒以内に水冷を開始して冷却した場合に電解抽出残渣分析法により求めたクロム窒化物の析出量が0.01%以下となる前記均熱温度のうちの最低温度が800〜970℃であり、
    前記母材との界面側に存在する炭素拡散層の厚みが0.05〜0.4mmであることを特徴とする二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板。
  2. 二相ステンレス鋼を合わせ材とし、炭素鋼もしくは合金鋼を母材とするクラッド鋼板であって、該二相ステンレス鋼が、
    質量%で、
    C :0.03%以下、
    Si:0.05〜1.0%、
    Mn:0.5〜7.0%、
    P :0.05%以下、
    S :0.010%以下、
    Ni:0.1〜5.0%、
    Cr:18.0〜25.0%、
    N :0.05〜0.30%、
    Al:0.001〜0.05%を含有し、更に、
    V :0.05〜0.5%、
    Nb:0.01〜0.20%、
    Ti:0.003〜0.05%から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、
    800〜1000℃の均熱温度で20分以上保持する均熱処理を行い、前記均熱処理後5秒以内に水冷を開始して冷却した場合に電解抽出残渣分析法により求めたクロム窒化物の析出量が0.03%以下となる前記均熱温度のうちの最低温度が800〜970℃であり、
    前記母材との界面側に存在する炭素拡散層の厚みが0.05〜0.4mmであることを特徴とする二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板。
  3. 前記二相ステンレス鋼が、更に、
    Mo:1.5%以下、
    Cu:2.0%以下、
    W :1.0%以下、
    Co:2.0%以下から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板。
  4. 前記二相ステンレス鋼が、更に、
    B :0.0050%以下、
    Ca:0.0050%以下、
    Mg:0.0030%以下、
    REM:0.10%以下から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板の製造方法であり、
    母材と前記合わせ材とを重ね合わせて被圧延素材とする工程と、
    前記被圧延素材を1050℃以上1250℃以下の温度で30分以上10時間以下の時間、かつ、前記合わせ材の前記母材側の界面に下記[式1]で示されるWL以上かつ下記[式2]で示されるWH値以下の厚みの炭素拡散層が形成される条件で加熱する素材加熱工程と、
    前記素材加熱工程後の前記被圧延素材を熱間圧延する熱間圧延工程とを備えることを特徴とする二相ステンレス鋼を合わせ材とするクラッド鋼板の製造方法。
    WL=0.05×(TM/TP)・・・[式1]
    WH=0.4×(TM/TP)・・・[式2]
    [式1]および[式2]において、TPは熱間圧延工程後の鋼板の厚みを示し、TMは熱間圧延工程前の被圧延素材の厚みを示す。
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