JP7474079B2 - クラッド鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接合強度が良好なクラッド鋼板およびその製造方法に関する。
ステンレス鋼やNi系合金を始めとする耐食性合金は厳しい腐食環境において適した素材である。上述の腐食環境として、海水に曝されるような高塩化物環境、リン酸または硫酸などの酸溶液に曝されるプラント設備等での腐食環境が例示される。そして、このような腐食環境において、耐食性合金は、海水淡水化プラント、排煙脱硫装置、化学薬品の保存タンク、油井管等の構造部材、ポンプ・バルブ類、熱交換器などに使用されている。
しかしながら、炭素鋼および低合金鋼と比較すると、耐食性合金にはCr、Ni、Moなどの合金元素が多く含有されており、材料コストが高い。そして、合金元素の高騰などによって価格は大きく変動することも考えられる。そのため、主にコストの面からその使用が制限される場合がある。
上述のようにコストの面を考慮した場合、クラッド板を材料として使用することが有効である。クラッド板とは、異なる二種類以上の金属を貼り合せた材料をいう。クラッド板は、耐食性合金のみからなる板(以下、「ソリッド板」と称する。)と比較し、耐食性合金を使用する量を低減することができ、材料コストを低減することができる。
また、クラッド板においては、主に強度に優れた特性を有し板厚の大きい母材と主に耐食性などに優れた特性を有し板厚の小さい合せ材を貼り合せることで、合せ材と母材とがそれぞれ有する優れた特性を双方とも得ることができる。
例えば、合せ材に、その使用環境で要求される特性を有する耐食性合金を用い、母材にその使用環境で要求される靭性および強度を有する炭素鋼または低合金鋼を用いた場合が考えられる。このような場合、上述のように材料コストを低減することができるだけでなく、ソリッド板と同等の特性と、炭素鋼および低合金鋼と同等の強度および靭性とを確保できる。このため、経済性と機能性とが両立できる。
以上のような経緯から、クラッド板のニーズは、近年各種産業分野で益々高まっている。しかしながら、クラッド板を利用する際には、合せ材と母材との接合強度が重要である。接合強度が低い場合、使用中に合せ材と母材とが剥離し、所望する耐食性等の特性、および強度が得られない場合がある。また、例えば、構造物の穴あき、倒壊などの危険も生じることも考えられる。
特許文献1にはオーステナイト系ステンレスクラッド板において、圧延前の板厚/圧延後の板厚で計算される圧下比を950℃以上で1.5以上とし、900℃以下の温度域における制御圧延において、累積圧下率を50%以上、圧延終了温度を750℃以上とする熱間圧延を行った後に、冷却速度3℃/s以上、冷却停止温度550℃以上とする加速冷却を行い、その後放冷することで母材の低温靭性、HAZ靭性並びに合せ材の耐食性に優れたクラッド鋼板を製造する技術が開示されている。
特許第6127939号公報
特許文献1に限らず、高温での圧下比を規定することで接合強度を向上させる技術は多くある。これら文献における接合強度とは母材と合せ材のまさに界面の強度であり、例えばJIS G 0601のせん断強さ試験などで評価される。
しかしながら、クラッド鋼板を実際に使用する際には種々の溶接などにより板厚方向の引張り応力が生じる場合がある。そのような引張応力による破壊は、合せ材と母材のまさに界面で脆性的に生じるのではなく、合せ材~界面~母材のうち低強度な部分で延性的に生じる。後述のように製造条件によってはクラッド界面に低強度な領域が生成するため、引張応力によるクラッドの耐破断強度を高めるためには界面組織の制御が重要である。
上記のような技術背景に鑑み、本発明は、良好な接合強度を有し、低コストなクラッド鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のクラッド鋼板およびその製造方法を要旨とする。
[1]母材と、前記母材に接合された合せ材とを備えるクラッド鋼板であって、
前記合せ材は、耐食性合金からなり、
前記耐食性合金が、ステンレス鋼またはニッケル基合金であり、
前記母材は、質量%でC:0.020~0.200%、Si:1.00%以下、Mn:0.50~3.00%、P:0.050%以下、S:0.050%を含有し、かつCeqが0.20~0.40であり、残部がFe及び不純物からなる成分組成を有する鋼板であり、
前記母材と前記合せ材の界面の母材側においてフェライト単相組織である領域の板厚方向の長さが20μm以下であり、
板厚方向の引張強さが400MPa以上であるクラッド鋼板。ここで、Ceqは次式(1)により定義される。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5・・式(1)
式中、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、母材の成分組成における各元素の含有量(質量%)である。
[2]前記母材の成分組成が、さらに前記Feの一部に替えて、質量%で、Ni:0.01~1.00%、Cr:0.01~1.00%、Mo:0.01~0.50%、Cu:0.01~1.00%、Co:0.01~0.50%,Se+Te:0.01~0.10%、V:0.001~0.100%、Ti:0.005~0.200%、Nb:0.005~0.200%、Al:0.005~0.300%、Ca:0.0003~0.0050%、B:0.0003~0.0030%およびREM:0.0003~0.0100%から選ばれる1種または2種以上を含有する、[1]に記載のクラッド鋼板
][1]または[2]に記載のクラッド鋼板の製造方法であって、
母材と合せ材を圧着面が真空になるよう積層して圧着面の4周を溶接により密封し、組み立てたクラッド圧延素材について、
上記組み立てたクラッド圧延素材を加熱炉内の最高加熱温度Tが1100~1250℃、加熱温度が最高加熱温度T-20℃となった時点から加熱炉抽出までの時間が式(2)から求められる時間t(分)未満の加熱を実施した後、式(3)から求められる1000℃以上の圧下率rを30%以上とし、圧延最終パスの開始温度Tを式(4)から求められる母材のA3点温度TA3(℃)以上とする熱間圧延を実施した後、TA3(℃)~550℃の平均冷却速度を式(5)から求められる冷却速度CR(℃/s)以上とすることを特徴とするクラッド鋼板の製造方法。
t(分)=7.24×10-4/exp(-1.78×10/(T+273)) ・・・式(2)
1000℃以上の圧下率r(%)=(組立素材厚-1000℃時点での板厚)/組立素材厚×100・・・式(3)
A3(℃)=937.2-436.5C+56Si-19.7Mn-26.6Ni+136.3Ti-19.1Nb+198.4Al ・・・式(4)
CR(℃/s)=exp(1.25-0.30Si-0.75Mn-0.34Ni-0.60Cr-0.75Mo) ・・・式(5)
式(4)(5)中の元素記号は、母材の成分組成における各元素の含有量(質量%)である。
本発明によれば、母材と、前記母材に接合された合せ材とを備え、合せ材が耐食性合金からなるクラッド鋼板において、良好な接合強度を有するクラッド鋼板を得ることができる。
番号45(比較例)の界面ミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
本発明者らは上記の課題に対し、以下の検討を行なった。具体的には、種々の耐食性合金を合せ材とし炭素鋼もしくは低合金鋼を母材とするクラッド板において、板厚方向の引張強さ低下の要因となる製造条件および界面の金属組織について調査した。その結果、以下(a)、(b)の知見を得た。
(a)クラッド鋼板の界面の母材側にフェライト単相領域が存在すると、その厚さに応じて板厚方向の引張強さが低下する。
(b)クラッド鋼板の界面の母材側に存在するフェライト単相領域は、素材加熱時および圧延後の冷却時の炭素の拡散によって生じ、素材加熱温度と時間ならびに圧延後の冷却中の変態を制御することでフェライト単相領域の幅を小さくすることが可能であり、良好な板厚方向の引張強さを得ることができる。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものである。以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
1.本発明の構成
本発明に係るクラッド板は、母材と、母材に接合された合せ材とを備える。母材は後述の成分組成を有する鋼板(炭素鋼または低合金鋼)からなる。また合せ材は耐食性合金からなり、耐食性合金としてステンレス鋼やNi基合金などを例示できる。さらに、前記母材と前記合せ材の界面の母材側においてフェライト単相組織である領域の板厚方向の長さが20μm以下であり、板厚方向の引張強さが400MPa以上である。
2. 母材の化学組成
母材は化学組成が質量%でC:0.020~0.200%、Si:1.00%以下、Mn:0.50~3.00%、P:0.050%以下、S:0.050%を含有し、かつCeqが0.20~0.40であり、残部がFe及び不純物からなる成分組成を有する鋼板である。ここで、Ceqは次式(1)により定義される。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5・・・(1)
式中、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、母材の成分組成における各元素の含有量(質量%)である。
Cは鋼の強度を向上させる元素であり、0.020%以上含有させることで十分な強度を発現する。しかし、0.200%を超えると溶接性および靭性の劣化を招く。したがって、C量は0.020~0.200%とする。好ましくは0.040%以上、さらに好ましくは0.050%以上である。一方上限値は0.100%以下が好ましく、0.080%以下がさらに好ましい。より好ましい範囲は0.040%~0.100%であり、更に好ましい範囲は0.050%~0.080%である。
Siは脱酸に有効であり、また鋼の強度を向上させる元素である。しかしながら、1.00%を超えると鋼の表面性状及び靭性の劣化を招く。したがって、Si量は1.00%以下とする。好ましくは0.50%以下である。Siは含有しなくても良い。Siの好ましい含有量下限は0.01%である。
Mnは鋼の強度を上昇させる元素であり、0.50%以上含有させることでその効果が発現する。しかしながら、3.00%を超えると溶接性が損なわれるとともに合金コストも増大する。したがって、Mn量は0.50~3.00%とする。好ましくは0.50~2.00%であり、更に好ましくは0.90%~1.60%である。
Pは鋼中の不純物であり、含有量が0.050%を超えると靭性が劣化する。したがって、P量は0.050%以下とする。好ましくは0.020%以下である。
Sは鋼中の不純物であり、含有量が0.050%を超えると靭性が劣化する。したがって、S量は0.050%以下とする。好ましくは0.010%以下である。
Ceq(炭素当量)は、鋼の化学組成から硬度と溶接性を見積もるために用いられる値であり、式(1)で計算される。Ceqが高いほど硬さは向上し、溶接性は劣化する。Ceqが0.20未満では構造物として十分な強度が得られない。したがって、Ceqは0.20以上とする。好ましくは0.23以上である。Ceqが0.40超では溶接性が劣化し、パス間温度管理や後熱処理が必要になるなど溶接コストが増加する。したがって、Ceqは0.40以下とする。好ましくは0.35以下である。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5・・式(1)
式中、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、母材の成分組成における各元素の含有量(質量%)である。
前記母材の成分組成にさらに前記Feの一部に替えて、質量%で、Ni:0.01~1.00%、Cr:0.01~1.00%、Mo:0.01~0.50%、Cu:0.01~1.00%、Co:0.01~0.50%,Se+Te:0.01~0.10%、V:0.001~0.100%、Ti:0.005~0.200%、Nb:0.005~0.200%、Al:0.005~0.300%、Ca:0.0003~0.0050%、B:0.0003~0.0030%およびREM:0.0003~0.0100%から選ばれる1種または2種以上を含有することができる。
Niは鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、圧延後の鋼の強度及び靭性を向上させる。しかしながら、1.00%を超えると溶接性および靭性の劣化を引き起こす。したがってNiを含有する場合、Ni量は1.00%以下とする。好ましくは0.50%以下であり、より好ましくは0.30%以下である。好ましいNi含有量下限値は0.01%である。
Crは鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、圧延後の鋼の強度及び靭性を向上させる。しかしながら、1.00%を超えると溶接性および靭性の劣化を引き起こす。したがってCrを含有する場合、Cr量は1.00%以下とする。好ましくは0.50%以下であり、より好ましくは0.30%以下である。好ましいCr含有量下限値は0.01%である。
Moは鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、圧延後の鋼の強度及び靭性を向上させる。しかしながら、0.50%を超えると溶接性および靭性の劣化を引き起こす。したがってMoを含有する場合、Mo量は0.50%以下とする。好ましくは0.30%以下であり、より好ましくは0.1%以下である。好ましいMo含有量下限値は0.01%である。
Cuは鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、圧延後の鋼の強度及び靭性を向上させる。しかしながら、1.00%を超えると溶接性および靭性の劣化を引き起こす。したがってCuを含有する場合、Cu量は1.00%以下とする。好ましくは0.50%以下であり、より好ましくは0.30%以下である。好ましいCu含有量下限値は0.01%である。
Coは鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、圧延後の鋼の強度及び靭性を向上させる。しかしながら、0.5%を超えると熱間での加工性が損なわれて生産性が低下する。したがってCoを含有する場合、Co量は0.50%以下とする。好ましくは0.30%以下であり、より好ましくは0.1%以下である。好ましいCo含有量下限値は0.01%である。
SeおよびTeは鋼板中のMn、Si、Al等の酸化しやすい元素が鋼板表面に拡散されて酸化物を形成することを抑制し、鋼板の表面性状やめっき性を高める。しかしながら、0.1%を超えるとこの効果が飽和する。したがって、SeおよびTeを添加する場合はSeとTeの合計量は0.10%以下とする。より好ましくは0.05%以下である。好ましいSe+Te含有量下限値は0.01%である。
Alは鋼の脱酸に効果がある元素である。しかしながら、0.300%を超えると溶接部の靭性の劣化を引き起こす。したがってAlを含有する場合、Al量は0.300%以下とする。好ましくは0.100%以下である。好ましいAl含有量下限値は0.005%である。
Vは炭窒化物を形成することで鋼の強度を上昇させる。しかしながら、0.100%を超えると溶接性および靭性の劣化を引き起こす。したがってVを含有する場合、V量は0.100%以下とする。好ましくは0.050%以下である。好ましいV含有量下限値は0.001%である。
Tiは結晶粒を微細化させて強度を増加させる元素であり、0.005%以上の添加でその効果が発現する。しかし、0.200%を超えると溶接性が損なわれるとともに合金コストも増大する。したがって、Ti量は0.005~0.200%とする。好ましくは0.010~0.100%であり、更に好ましくは0.010~0.050%である。
Nbは再結晶温度を上げる元素であり、0.005%以上の添加でその効果が発現する。しかし、0.200%を超えると溶接性が損なわれるとともに合金コストも増大する。したがって、Nb量は0.005~0.200%とする。好ましくは0.010~0.100%であり、更に好ましくは0.01~0.050%である。
Caは溶接熱影響部の組織を微細化し、靭性を向上させる。しかしながら、0.0050%を超えると粗大な介在物を形成して靭性を劣化させる。したがってCaを含有する場合、Ca量は0.0050%以下とする。好ましくは0.0030%以下である。好ましいCa含有量下限値は0.0003%である。
Bは鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、圧延後の鋼の強度及び靭性を向上させる。しかしながら、0.0030%を超えると溶接性および靭性の劣化を引き起こす。したがってBを含有する場合、B量は0.0030%以下とする。好ましくは0.0020%以下である。好ましいB含有量下限値は0.0003%である。
REMは溶接熱影響部の組織を微細化し、靭性を向上させる。しかしながら、0.010%を超えると粗大な介在物を形成して靭性を劣化させる。したがってREMを含有する場合、REM量は0.010%以下とする。好ましくは0.005%以下である。好ましいREM含有量下限値は0.0003%である。
ここで、REMとは、ランタノイドの15元素にYおよびScを合せた17元素の総称である。これらの17元素のうちの1種以上を鋼材に含有することができ、REM含有量は、これらの元素の合計含有量を意味する。
本発明の母材の化学組成において、残部はFeおよび不純物である。ここで「不純物」とは、鋼材を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
3.母材と合せ材の界面の母材側においてフェライト単相組織である領域の板厚方向の長さ(以下「フェライト単層領域の厚さ」ともいう。)が20μm以下
熱間圧延前の加熱が長時間の場合、もしくは、熱間圧延後の冷却中に冷却速度が遅く、オーステナイト→フェライト変態やオーステナイト→フェライト+パーライト変態に伴う炭素の拡散が生じる場合には、クラッド鋼板の界面の母材側にフェライト単相組織である領域が生成する。このフェライト単相領域は炭素をほとんど含有せず、フェライト単相領域に隣接する耐食性合金および通常の炭素量を含有している母材部(炭素鋼または低合金鋼)に比べて強度が劣位である。このフェライト単相組織である領域の板厚方向の長さが20μm超であると、板厚方向の引張応力による破断の際にこの柔らかいフェライト単相領域の変形が進むため、フェライト単相領域の厚さが20μm以下である場合に比べて板厚方向の引張強さが劣位となる。より好ましくはフェライト単層領域の厚さが10μm以下であり、フェライト単相領域の厚さが薄いほど引張強さが高くなるため、下限は設けない。
前記のようなフェライト単相である領域が母材側クラッド界面に生成する機構は下記のように考えられる。耐食性合金には通常クロムが多く含まれている。クロムは炭素の活量係数を下げる元素であり、クロムを含む合せ材と炭素を含む母材を接触させて加熱すると、up-hill diffusionと呼ばれる見かけの炭素量とは逆に炭素が母材から合せ材へ拡散する現象が生じ、界面の母材側の炭素含有量は大きく低下する。この現象は母材と合せ材の間にNi箔などクロムを含まない層を挿入していても、その板厚が500μm以下であれば、母材側の炭素含有量の度合いは若干改善するものの同様に低下する。さらに圧延後の冷却中に冷却速度が遅く、オーステナイト→フェライト変態やオーステナイト→フェライト+パーライト変態に伴う炭素の吐き出しおよび拡散が生じる場合は、オーステナイト相に固溶していた炭素が活量係数の低い合せ材側に濃化する。このとき、合せ材側がオーステナイト相であれば濃化程度はより大きくなる。この機構により、素材の加熱時間が高温/長時間である場合または圧延後の冷却速度が遅い場合には母材の界面近傍で炭素濃度が低い領域が生じ、強度の低いフェライト単相領域が生じる。
なお、フェライト単相領域の厚さは、母材側をナイタールエッチングしたサンプルを光学顕微鏡で接合界面の長さ1000μm以上を観察し、接合界面とパーライト組織またはベイナイト組織またはマルテンサイト組織との垂直距離の最も短い値とする(図1参照)。
4. 板厚方向の引張強さ400MPa以上
本発明においては、所望する特性として、板厚方向の引張強さが400MPa以上とする。上記引張強さは440MPa以上であるのが好ましく、490MPa以上であるのがより好ましい。
なお、板厚方向の引張強さは、JIS Z 2241に準拠した引張試験により測定する。試験片はクラッド板の複数の部位から採取し、採取した試験片を用いて、引張試験を行う。得られた各試験片の引張強さの中の最小値をクラッド板の引張強さとする。
5.合せ材の耐食性合金が、ステンレス鋼またはニッケル基合金
本発明の合せ材は、耐食性合金からなる。前述のように、耐食性合金はCrを多く含有し、そのためにクラッド界面で母材側の炭素が合せ材側に拡散し、母材側界面にフェライト単層領域が形成され、接合面の引張強さを低下させる原因となる。即ち、Crを多く含有する耐食性合金を用いる場合に、本発明の効果が発揮される。合せ材のCr含有量が10%以上であれば、本発明を適用することによる効果が顕著に表れる。Cr含有量が15%以上であればより顕著に効果が発揮できる。
本発明は接合界面組織の制御による板厚方向の引張強さに優れたクラッド鋼板および製造方法についての技術であり、合せ材の鋼種は特に規定されないが、合せ材の例としてステンレス鋼またはニッケル基合金を例示できる。ステンレス鋼にはオーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、二相系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼があり、ニッケル基合金にはインコネル、インコロイ、ハステロイなどの商品名で種々の合金成分がある。
6.製造方法
次に本発明の板厚方向の引張強さに優れたクラッド鋼板の製造方法について説明する。前述のように良好な耐食性および接合強度を得るためには金属組織を制御する必要があるが、そのような金属組織は、鋼の化学組成と、適切な製造条件とを組み合わせることで実現できる。
上記のクラッド鋼板において、母材と合せ材を圧着面が真空になるよう積層して圧着面の4周を溶接により密封し、組み立てたクラッド圧延素材について、
上記組み立てスラブを加熱炉内の最高加熱温度Tが1100~1250℃、加熱温度が最高加熱温度T-20℃となった時点から加熱炉抽出までの時間が式(2)から求められる時間t(分)未満の加熱を実施した後、式(3)から求められる1000℃以上の圧下率rを30%以上とし、圧延最終パスの開始温度Tを式(4)から求められる母材のA3点温度TA3(℃)以上とする熱間圧延を実施した後、TA3(℃)~550℃の平均冷却速度CRを式(5)から求められる冷却速度CR(℃/s)以上としてクラッド鋼板を製造する。
t(分)=7.24×10-4/exp(-1.78×10/(T+273)) ・・・式(2)
1000℃以上の圧下率r(%)=(組立素材厚-1000℃時点での板厚)/組立素材厚×100・・・式(3)
A3(℃)=937.2-436.5C+56Si-19.7Mn-26.6Ni+136.3Ti-19.1Nb+198.4Al ・・・式(4)
CR(℃/s)=exp(1.25-0.30Si-0.75Mn-0.34Ni-0.60Cr-0.75Mo) ・・・式(5)
式(4)(5)中の元素記号は、母材の成分組成における各元素の含有量(質量%)である。
合せ材および母材のそれぞれの製造方法としては、転炉、電気炉、真空溶解炉等の公知の方法で溶製した後、連続鋳造法あるいは造塊-分塊法によりスラブにし、得られたスラブを通常用いられる条件で熱間圧延し、熱延板とすれば良い。得られた熱延板に対し、必要ならば焼鈍、酸洗、研磨などを実施しても良い。
上記の合せ材および母材を圧着面が真空になるよう積層して圧着面の4周を溶接により密封してクラッド圧延素材を組み立てる。密着性や界面耐食性を改善するために合せ材と母材の間にNi箔などインサート材を挿入しても良い。圧着面を真空にする方法は特に規定されないが、真空中で電子ビーム溶接する方法や、予め真空引き用の穴を開けておき大気中でアーク溶接やレーザー溶接で4周を溶接した後に真空ポンプで真空引きする方法などが例示できる。真空度は0.1Torr以下であれば界面の酸化物などが少ない良好な接合界面が得られ、より好ましくは0.05Torr以下であり、真空度は高いほど接合界面が良好になる傾向が有るため特に下限は設けない。
得られたクラッド圧延素材はそのまま熱間圧延に供してもよいし、2つの圧延素材の間に剥離剤を塗布して重ねるように組み立てたものをクラッド圧延素材として熱間圧延に供してもよい。2つを重ねる場合は冷却時の板反りを少なくするために母材同士、合せ材同士はそれぞれ等厚であることが望ましい。もちろん、上記で記述した組立方式に限定する必要はない。
上記クラッド圧延素材を加熱炉内の最高加熱温度Tが1100~1250℃、加熱温度が最高加熱温度T-20℃となった時点から加熱炉抽出までの時間が式(2)から求められる時間t(分)未満の加熱を実施する。加熱炉内の最高加熱温度Tが1100℃未満であると熱間加工性が悪化し、界面の接合も不十分で良好な接合強度を得ることができない。このため、最高加熱温度Tは1100℃以上であるのが好ましく、1120℃以上であるのがより好ましい。一方、最高加熱温度Tが1250℃超であると、加熱炉内で鋼片が変形したり熱延時に疵が生じやすくなったりする。このため、加熱炉内の最高加熱温度Tは1250℃以下であるのが好ましく、1220℃以下であるのがより好ましい。また、加熱温度が最高加熱温度T-20℃となった時点から加熱炉抽出までの加熱時間tが、下記式(2)から求められる時間t(分)以上の場合、界面の母材側から合せ材側への炭素拡散が長距離になるため、界面母材側のフェライト単相領域の厚さが大きくなり、接合界面の板厚方向の引張強さが低下する。より好ましくはtが0.7t(分)未満であり、更に好ましくは0.5t(分)未満である。下限は特に設けないが、板厚中央まで温度を均一にさせるにはtが30分以上となる加熱が望ましい。
t(分)=7.24×10-4/exp(-1.78×10/(T+273)) ・・・式(2)
クラッド圧延素材を加熱した後、式(3)から求められる1000℃以上の圧下率rを30%以上とし、圧延最終パスの開始温度Tを式(4)から求められる母材のA3点温度TA3(℃)以上とする熱間圧延を実施する。圧下率rが30%未満である場合、界面の接合が不十分になるため、界面の普通鋼側にフェライト単相領域が存在しなくても板厚方向の引張強さが低下する。好ましくは50%以上である。また圧延最終パスの開始温度TがTA3(℃)以下になると、圧延中にオーステナイト⇒フェライト変態が生じてしまい、界面のフェライト単相領域の厚さが大きくなり接合界面の板厚方向の引張強さが低下する。好ましくはTがTA3+30(℃)以上であり、更に好ましくはTA3+50(℃)以上である。
1000℃以上の圧下率r(%)=(組立素材厚-1000℃時点での板厚)/組立素材厚×100・・・式(3)
A3(℃)=937.2-436.5C+56Si-19.7Mn-26.6Ni+136.3Ti-19.1Nb+198.4Al ・・・式(4)
式(4)中の元素記号は、母材の成分組成における各元素の含有量(質量%)である。
クラッド圧延素材を圧延した後、TA3(℃)~550℃の平均冷却速度CRを式(5)から求められる冷却速度CR(℃/s)以上とする冷却を実施する。CRがCR(℃/s)未満の冷却速度ではオーステナイト→フェライト変態やオーステナイト→フェライト+パーライト変態に伴う炭素の拡散が生じるため、界面のフェライト単相領域の厚さが大きくなり板厚方向の引張強さが低下する。好ましくはCRが1.5CR(℃/s)以上であり、更に好ましくは2CR(℃/s)以上である。上限は特に設けないが、冷却速度が速い場合マルテンサイト組織が主となり母材が高強度となりすぎたり靭性が劣化したりするため、望ましくはCRが6CR(℃/s)未満である。
CR(℃/s)=exp(1.25-0.30Si-0.75Mn-0.34Ni-0.60Cr-0.75Mo) ・・・式(5)
式(5)中の元素記号は、母材の成分組成における各元素の含有量(質量%)である。
本発明によれば、板厚方向の引張強さに優れたステンレスクラッド板を得ることができる。本発明に係るステンレスクラッド板は、剥離対策、付加的な熱処理などを必要とせずに使用時の破断を抑制可能である。また、上記クラッド板は、使用用途の制限がなく、従来、ソリッド板が用いられていた構造部材に適用できる。このため、上記クラッド板は、低コスト化に大きく貢献するものである。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成の合せ材および表2に示す化学組成の母材を溶製して鋼片とし、熱間圧延、焼鈍、酸洗の工程を経て合せ材は厚さ30mm、母材は厚さ130mmの鋼板を製造した。得られた合せ材と母材を素材として、母材と合せ材を圧着面が真空になるよう積層して圧着面の4周を溶接により密封して圧延素材を作成した。2つの圧延素材を母材-合せ材-剥離剤-合せ材-母材となるように合せ材と合せ材の間に剥離剤を塗布して重ね、クラッド圧延素材として組み立てた。得られたクラッド圧延素材について、表3に示す熱間圧延条件で熱間圧延を行った後に剥離剤部分で剥離させ、厚さ16mmのクラッド鋼板を製造した。
Figure 0007474079000001
Figure 0007474079000002
表3に記載の条件を変化させ、界面のミクロ組織および板厚方向の引張強さを調べた。以下表3における製造条件の項目について説明する。Tは圧延前の加熱炉内の最高加熱温度(℃)を示し、tは加熱炉内の加熱温度が最高加熱温度T-20℃となった時点から加熱炉抽出までの時間(分)を示す。rは鋼板表面温度が1000℃以上での圧下率(%)を示す。Tは圧延最終パスを開始する際の鋼板表面温度(℃)を示す。また、CRは圧延終了後の鋼板のTA3温度~650℃までの平均冷却速度(℃/s)を示す。なお、rは式(3)から求める。
1000℃以上の圧下率r(%)=(組立素材厚-1000℃時点での板厚)/組立素材厚×100・・・式(3)
得られたクラッド板に対して、界面のフェライト単相領域の厚さおよび板厚方向の引張強さを測定した。
フェライト単相領域の厚さは、母材側をナイタールエッチングしたサンプルを光学顕微鏡で接合界面の長さ1000μm以上を観察し、接合界面とパーライト組織またはベイナイト組織またはマルテンサイト組織との垂直距離の最も短い値とした。また界面までフェライト+パーライト組織、ベイナイト組織、またはマルテンサイト組織であるなどにより光学顕微鏡ではフェライト単相組織が観察できない場合の厚さは0μmとした。評価した結果を、表3の「α単相厚」欄に記載している。図1に測定例を示す。図1において、左側が母材、右側が合せ材である。母材については結晶組織が顕在化し、明るい色の結晶はフェライト、暗い色の結晶はパーライトである。合せ材についてはナイタールエッチングではエッチングが進行せず、結晶組織が顕在化していない。
板厚方向の引張り強さ試験は、JIS Z 2241に準拠して測定した。試験片は板厚方向の長さを確保するため、クラッド鋼板の合せ材側に合せ材と同じ鋼種を溶接し、母材側に母材と同じ鋼種を溶接し、JIS 14A号に準拠した形状にした。溶接による熱影響を抑制するため、溶接方法として入熱が小さく溶接金属の幅を小さくできる電子ビーム溶接を選択し、溶接後に研削を実施した。なお、試験片の断面観察を実施し、溶接金属が界面から2mm以上離れていることを確認している。評価した結果を、表3の「引張強さ」欄に記載している。
製造条件および上記の結果をまとめて表3に示す。表3には、式(2)のt(分)、式(4)のTA3(℃)、式(5)のCR(℃/s)の値も併せて記載している。製造条件又は品質が本発明範囲から外れている数値に下線を付している。
Figure 0007474079000003
表3の番号1~41は本発明例であり、界面のフェライト単相領域の厚さが20μm以下であり、良好な板厚方向の引張強さが得られた。
番号42、46は圧延素材の加熱時間tがtよりも長時間であるためフェライト単相領域の厚さが厚くなり、良好な板厚方向の引張強さが得られなかった。番号43、47は圧下率rが30%未満と小さいため、良好な接合界面が得られず、良好な板厚方向の引張強さが得られなかった。番号44、48は圧延最終パス開始温度TがTA3よりも低いためフェライト単相領域の厚さが厚くなり、良好な板厚方向の引張強さが得られなかった。番号45、49は圧延後の冷却速度CRがCRよりも遅いためフェライト単相領域の厚さが厚くなり、良好な板厚方向の引張強さが得られなかった。
上述したように、本発明例では良好な板厚方向の引張強さが得られた。一方、比較例では圧延素材の加熱時間、1000℃以上での圧下率、圧延最終パス開始温度、または圧延後の冷却速度が本発明の規定または好ましい製造条件を満足せず、良好な板厚方向の引張強さが得られなかった。
本発明によれば、接合強度が良好なクラッド鋼板を得ることができ、産業上極めて有用である。合せ材として耐食性合金を適用すれば、本発明のクラッド鋼板は、腐食環境として、海水に曝されるような高塩化物環境、リン酸または硫酸などの酸溶液に曝されるプラント設備等での腐食環境等に適用可能性がある。具体的には、海水淡水化プラント、排煙脱硫装置、化学薬品の保存タンク、油井管等の構造部材、ポンプ・バルブ類、熱交換器などである。

Claims (3)

  1. 母材と、前記母材に接合された合せ材とを備えるクラッド鋼板であって、
    前記合せ材は、耐食性合金からなり、
    前記耐食性合金が、ステンレス鋼またはニッケル基合金であり、
    前記母材は、質量%でC:0.020~0.200%、Si:1.00%以下、Mn:0.50~3.00%、P:0.050%以下、S:0.050%を含有し、かつCeqが0.20~0.40であり、残部がFe及び不純物からなる成分組成を有する鋼板であり、
    前記母材と前記合せ材の界面の母材側においてフェライト単相組織である領域の板厚方向の長さが20μm以下であり、
    板厚方向の引張強さが400MPa以上であるクラッド鋼板。
    ここで、Ceqは次式(1)により定義される。
    Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5・・式(1)
    式中、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、母材の成分組成における各元素の含有量(質量%)である。
  2. 前記母材の成分組成が、さらに前記Feの一部に替えて、質量%で、Ni:0.01~1.00%、Cr:0.01~1.00%、Mo:0.01~0.50%、Cu:0.01~1.00%、Co:0.01~0.50%,Se+Te:0.01~0.10%、V:0.001~0.100%、Ti:0.005~0.200%、Nb:0.005~0.200%、Al:0.005~0.300%、Ca:0.0003~0.0050%、B:0.0003~0.0030%およびREM:0.0003~0.0100%から選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1に記載のクラッド鋼板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のクラッド鋼板の製造方法であって、
    母材と合せ材を圧着面が真空になるよう積層して圧着面の4周を溶接により密封し、組み立てたクラッド圧延素材について、
    前記組み立てたクラッド圧延素材を加熱炉内の最高加熱温度Tが1100~1250℃、加熱温度が最高加熱温度T-20℃となった時点から加熱炉抽出までの時間が式(2)から求められる時間t(分)未満の加熱を実施した後、式(3)から求められる1000℃以上の圧下率rを30%以上とし、圧延最終パスの開始温度Tを式(4)から求められる母材のA3点温度TA3(℃)以上とする熱間圧延を実施した後、TA3(℃)~550℃の平均冷却速度を式(5)から求められる冷却速度CR(℃/s)以上とすることを特徴とするクラッド鋼板の製造方法。
    t(分)=7.24×10-4/exp(-1.78×10/(T+273)) ・・・式(2)
    1000℃以上の圧下率r(%)=(組立素材厚-1000℃時点での板厚)/組立素材厚×100・・・式(3)
    A3(℃)=937.2-436.5C+56Si-19.7Mn-26.6Ni+136.3Ti-19.1Nb+198.4Al ・・・式(4)
    CR(℃/s)=exp(1.25-0.30Si-0.75Mn-0.34Ni-0.60Cr-0.75Mo) ・・・式(5)
    式(4)(5)中の元素記号は、母材の成分組成における各元素の含有量(質量%)である。
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