JP7285050B2 - フェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板および溶接構造物、ならびにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
(a)DF値が小さいほど溶接部の孔食電位が良好になる。
(b)Cu含有量が少ないほど溶接部の孔食電位が良好になる。
(c)母材の粒径が小さいほど溶接部の孔食電位が良好になる。
このうち、(a)は二相ステンレス鋼の溶接部に対して一般に知られている知見であるが、(b)および(c)は本調査によって初めて得られた知見である。
C:0.050%以下、
Si:2.00%以下、
Mn:0.50~6.00%、
P:0.050%以下、
S:0.050%以下、
N:0.08~0.25%、
Cr:17.0~30.0%、
Ni:0.10~8.00%、
Cu:0.10~1.50%、
Nb:0~0.10%、
Mo:0~3.50%、
Sn:0~1.00%、
W:0~1.00%、
V:0~1.00%、
Ti:0~0.05%、
B:0~0.0050%、
Ca:0~0.0050%、
Mg:0~0.0050%、
Al:0~0.05%、
REM:0~0.50%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で計算されるPREN_Mn値が40.0未満であり、
下記(ii)式で計算されるDF値が40.0~65.0であり、
下記(iii)式で計算される溶接部の孔食電位低下量予測値が100mV未満であり、
鋼板の圧延方向に垂直な断面における、フェライト粒の平均結晶粒径が12.0μm未満である金属組織を有する、
フェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
PREN_Mn値=Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N-Mn ・・・(i)
DF値=7.2×(Cr+0.88Mo+0.78Si)-8.9×(Ni+0.03Mn+0.72Cu+22C+21N)-44.9 ・・・(ii)
溶接部の孔食電位低下量予測値=3.2DF値+54Cu-115 ・・・(iii)
但し、上記式中の元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有率(質量%)であり、含有しない場合は0を代入する。
Nb:0.01~0.10%、
Mo:0.10~2.50%、
Sn:0.030~1.00%、
W:0.01~1.00%、および、
V:0.01~1.00%、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)に記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
Ti:0.005~0.05%、および、
B:0.0003~0.0050%、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)または(2)に記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
Ca:0.0001~0.0050%、
Mg:0.0001~0.0050%、
Al:0.0030~0.05%、および、
REM:0.005~0.50%、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)から(3)までのいずれかに記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
溶接構造物。
上記(1)から(4)までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼を連続鋳造し、熱間圧延を行い、熱間圧延によって得られた熱延板を1150℃以下で焼鈍し、冷延圧下率が50%以上である1回の冷間圧延、または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行い、1050℃未満で最終焼鈍を行う、
フェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板の製造方法。
ここで、冷延圧下率(%)は、(冷延前の板厚-冷延後の板厚)/冷延前の板厚×100で計算される値である。但し、冷間圧延を複数回行い、冷間圧延の間で中間焼鈍を行った場合は、最終の冷間圧延の圧下率とする。
上記(1)から(4)までのいずれかに記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板に対して、板厚1mmあたり500~3000J/cmの溶接入熱となる条件で溶接を行う、
溶接構造物の製造方法。
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
Cは、オーステナイト相に固溶して強度を高める元素である。しかし、C含有量が0.050%を超えると、鋼板の強度が高くなり加工性が劣化する。また、Cr炭化物の析出を促進するために粒界腐食の発生をもたらす。したがって、C含有量は0.050%以下とする。C含有量は0.040%以下であるのが好ましい。また、耐食性の点からCは低くする方が好ましいが、現存の製鋼設備ではC含有量を0.002%以下に低下させるには大きなコスト増加を招く。そのため、C含有量は0.002%以上であることが好ましい。
Siは、脱酸元素として使われたり、耐酸化性向上のために添加されたりする場合がある。しかし、Si含有量が2.00%を超えると、鋼板の硬質化をもたらし、靭性および加工性が劣化する。したがって、Si含有量は2.00%以下とする。Si含有量は1.50%以下であるのが好ましく、1.00%以下であるのがより好ましい。また、Si含有量を極少量まで低減するためには、鋼の精錬時のコスト増加を招く。そのため、Si含有量は0.03%以上であることが好ましい。
Mnは、オーステナイト相を増加させ、また窒素の固溶度を上げ製造時の気泡欠陥などを抑制する効果を有する。しかし、Mnを多量に含有すると、耐食性および熱間加工性を低下させる。したがって、Mn含有量は0.50~6.00%とする。Mn含有量は1.00%以上であるのが好ましく、2.50%以上であるのがより好ましい。また、Mn含有量は4.00%以下であるのが好ましい。
Pは、鋼中に不可避的に混入する元素であり、またCrなどの原料にも含有されているため、低減することが困難であるが、Pを多量に含有すると成形性を低下させる。P含有量は少ないほど好ましく、0.050%以下とする。P含有量は0.040%以下であるのが好ましい。
Sは、鋼中に不可避的に混入する元素であり、Mnと結合して介在物を作り、発銹の基点となる場合がある。したがって、S含有量は0.050%以下とする。S含有量は低いほど耐食性が向上するので、0.0030%以下であるのが好ましい。
Nは、オーステナイト相に固溶して強度および耐食性を高めて省合金化に寄与する元素である。しかしながら、Nは、溶接冷却時のクロム窒化物の析出に大きく影響する元素である。0.25%を超えて含有させると、溶接金属部および溶接熱影響部のクロム窒化物の析出量が多く、母材試料と溶接部との耐食性差が大きくなる。したがって、N含有量は、0.08~0.25%とする。強度および耐食性の観点からは、N含有量は0.15%以上であるのが好ましい。また、クロム窒化物の析出を抑制する観点からは、N含有量は0.20%であるのが好ましい。
Crは、耐食性を確保するために必要な元素である。しかし、Crを多量に含有すると、熱間加工割れをもたらし、また、溶接金属部および溶接熱影響部でのクロム窒化物の析出量が多くなる。したがって、Cr含有量は17.0~30.0%とする。Cr含有量は20.0%以上であるのが好ましく、21.0%以上であるのがより好ましい。また、Cr含有量は25.0%以下であるのが好ましく、23.0%以下であるのがより好ましく、22.0%以下であるのがさらに好ましい。
Niは、オーステナイト安定化元素であり、DF値を調整するために重要な元素である。また、Niは耐食性を向上させる効果を有する。しかし、Niを多量に含有すると、原料コストの増加をもたらし、またDF値が低くなることで応力腐食割れなどの問題が生じる可能性がある。したがって、Ni含有量は0.10~8.00%とする。Ni含有量は1.00%以上であるのが好ましい。また、Ni含有量は6.00%以下であるのが好ましく、4.00%以下であるのがより好ましく、3.00%以下であるのがさらに好ましい。
Cuは、耐硫酸性の向上に非常に有効な元素である。しかし、上述のように、本発明者らは、Cuが溶接部の孔食電位を劣化させる元素であることを見出した。図1は、DF値が同等でCu含有量の異なる試料の溶接熱影響部および溶接金属部の断面組織写真である。図1に示すように、DF値が同等でもCu含有量が少ない試料では、溶接金属部の黒色にエッチングされた領域、つまりクロム窒化物の析出部の面積は、Cu含有量が多い試料に比べて明らかに小さいことが分かる。
Nbは、Nと化合物を作ることでクロム窒化物の析出を抑制する効果があるため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、Nbを多量に含有すると、鋼板の加工性を低下させる。したがって、Nb含有量は0.10%以下とする。上記の効果を得るためには、Nb含有量は0.01%以上であるのが好ましく、0.04%以上であるのがより好ましい。
Moは、耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、Moを多量に含有すると、原料コストの増加をもたらし、また溶接部のσ相の析出による耐食性低下が問題となる。したがって、Mo含有量は3.50%以下とする。上記の効果を得るためには、Mo含有量は0.10%以上であるのが好ましい。また、Mo含有量は2.50%以下であるのが好ましく、1.00%以下であるのがより好ましく、0.60%以下であるのがさらに好ましい。
Snは、耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、Snを多量に含有すると、熱間加工性を悪化させる。したがって、Sn含有量は1.00%以下とする。上記の効果を得るためには、Sn含有量は0.030%以上であるのが好ましい。
Wは、耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、Wを多量に含有すると、圧延時の負荷を増大させて製造疵を生成させやすくなる。したがって、W含有量は1.00%以下とする。上記の効果を得るためには、W含有量は0.01%以上であるのが好ましい。また、W含有量は0.50%以下であるのが好ましい。
Vは、耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、Vを多量に含有すると、圧延時の負荷を増大させて製造疵を生成させやすくなる。したがって、V含有量は1.00%以下とする。上記の効果を得るためには、V含有量は0.01%以上であるのが好ましい。また、V含有量は0.50%以下であるのが好ましい。
Tiは、Nbと同様に、溶接熱影響部の粗大化を防止し、さらには凝固組織を微細等軸晶化する効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、Tiを多量に含有すると、均一伸びおよび局部伸びを低下させる。したがって、Ti含有量は0.05%以下とする。上記の効果を得るためには、Ti含有量は0.005%以上であるのが好ましい。
Bは、熱間加工性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、Bを多量に含有すると、耐食性が著しく劣化する。したがって、B含有量は0.0050%以下とする。上記の効果を得るためには、B含有量は0.0003%以上であるのが好ましい。また、B含有量は0.0030%以下であるのが好ましい。
Caは、脱硫、脱酸のために必要に応じて含有させてもよい。しかし、Caを多量に含有すると、熱間加工割れが生じやすくなり、また耐食性が低下する。したがって、Ca含有量は0.0050%以下とする。上記の効果を得るためには、Ca含有量は0.0001%以上であるのが好ましい。
Mgは、脱酸だけでなく、凝固組織を微細化する効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、Mgを多量に含有すると、製鋼工程でのコスト増加をもたらす。したがって、Mg含有量は0.0050%以下とする。上記の効果を得るためには、Mg含有量は0.0001%以上であるのが好ましい。
Alは、脱硫、脱酸のために必要に応じて含有させてもよい。しかし、Alを多量に含有すると、製造疵の増加ならびに原料コストの増加を招く。したがって、Al含有量は0.05%以下とする。上記の効果を得るためには、Al含有量は0.0030%以上であるのが好ましい。
REM(希土類元素)は、熱間加工性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、REMを多量に含有すると、製造性を損なうとともにコスト増加をもたらす。したがって、REM含有量は0.50%以下とする。上記の効果を得るためには、REM含有量は0.005%以上であるのが好ましい。REM含有量は0.020%以上であるのが好ましく、0.20%以下であるのが好ましい。
PREN_Mn値は、ステンレス鋼板の耐孔食性を示す一般的な指標であり、鋼板の化学組成から、下記(i)式で計算される。
PREN_Mn値=Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N-Mn ・・・(i)
但し、上記式中の元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有率(質量%)であり、含有しない場合は0を代入する。
DF値は、オーステナイト相の安定度を示す指標であり、鋼板の化学組成から、下記(ii)式で計算される。
DF値=7.2×(Cr+0.88Mo+0.78Si)-8.9×(Ni+0.03Mn+0.72Cu+22C+21N)-44.9 ・・・(ii)
但し、上記式中の元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有率(質量%)であり、含有しない場合は0を代入する。
溶接部の孔食電位低下量予測値は、DF値および鋼板中のCuの化学組成から、下記(iii)式で計算される値である。
溶接部の孔食電位低下量予測値=3.2DF値+54Cu-115 ・・・(iii)
但し、上記式中の元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有率(質量%)であり、含有しない場合は0を代入する。
フェライト粒の平均結晶粒径:12.0μm未満
上述のように、本発明者らは、溶接前のフェライト粒の平均結晶粒径が小さいほど、溶接熱影響部においてクロム窒化物の析出が少なくなり、良好な溶接部耐食性が得られることを見出した。この原因として、フェライト粒径が小さいほどオーステナイト析出サイトであるフェライト/フェライト粒界が多いため、溶接冷却時のオーステナイト相析出が促進され、窒素が多く固溶されたことが考えられる。
本発明に係るフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板の製造方法については、特に制限は設けないが、例えば、上記の化学組成を有する鋼を連続鋳造し、熱間圧延を行い、熱間圧延によって得られた熱延板を1150℃以下で焼鈍し、冷延圧下率が50%以上である1回の冷間圧延、または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行い、1050℃未満で最終焼鈍を行うことによって製造することができる。
最終製品のフェライト粒径を小さくするためには、冷延素材である熱延焼鈍板でのフェライト粒径を小さくする必要がある。熱延板焼鈍温度が1150℃を超えると、最終焼鈍後のフェライト相粒径が12.0μm以上となり、溶接部の耐食性が劣化するおそれがある。したがって、熱延板焼鈍温度は1150℃以下とする。
冷延率が50%未満であると、冷延焼鈍後のフェライト相粒径が12.0μm以上となり、溶接部の耐食性が劣化するおそれがある。したがって、冷間圧延を行うに際しては、その冷延率は50%以上とする。より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは75%以上である。ここで冷延圧下率(%)は、(冷延前の板厚-冷延後の板厚)/冷延前の板厚×100で計算される値である。但し、冷間圧延を複数回行い、冷間圧延の間で中間焼鈍を行った場合は、最終の冷間圧延の圧下率とする。
最終焼鈍温度が1050℃以上であると、最終焼鈍後のフェライト相粒径が12.0μm以上となり、溶接部の耐食性が劣化するおそれがある。したがって、最終焼鈍温度は1050℃未満とする。下限は特に設けないが、最終焼鈍温度が1000℃未満である場合は十分な再結晶が出来ず加工性が劣化するため1000℃以上とすることが好ましい。
本発明に係る溶接構造物は、上述した化学組成および金属組織を有する鋼板に対して、後述する条件において溶接を実施することによって得られる。そのようにして得られた溶接構造物は、溶接部の孔食電位低下量の実測値が100mV未満となるため、SUS304またはSUS316Lの代替鋼種としての用途に好適である。
本発明に係る溶接構造物を製造する方法についても、特に制限は設けない。しかし、溶接部における耐食性を確保する観点からは、上記のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板に対して、板厚1mmあたり500~3000J/cmの溶接入熱となる条件で溶接を行うことが好ましい。
板厚1mmあたりの溶接入熱(J/cm/mm)=I×E÷v÷t ・・・(iv)
HA:熱延板焼鈍温度(℃)
FA:最終焼鈍温度(℃)
α粒径:溶接前の鋼板のフェライト粒の平均結晶粒径(μm)
Claims (7)
- 化学組成が、質量%で、
C:0.050%以下、
Si:2.00%以下、
Mn:0.50~6.00%、
P:0.050%以下、
S:0.050%以下、
N:0.08~0.25%、
Cr:17.0~30.0%、
Ni:0.10~8.00%、
Cu:0.10~1.50%、
Nb:0~0.10%、
Mo:0.10~2.50%、
Sn:0~1.00%、
W:0~1.00%、
V:0~1.00%、
Ti:0~0.05%、
B:0~0.0050%、
Ca:0~0.0050%、
Mg:0~0.0050%、
Al:0~0.05%、
REM:0~0.50%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で計算されるPREN_Mn値が40.0未満であり、
下記(ii)式で計算されるDF値が40.0~65.0であり、
下記(iii)式で計算される溶接部の孔食電位低下量予測値が100mV未満であり、
鋼板の圧延方向に垂直な断面における、フェライト粒の平均結晶粒径が12.0μm未満である金属組織を有する、
フェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
PREN_Mn値=Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N-Mn ・・・(i)
DF値=7.2×(Cr+0.88Mo+0.78Si)-8.9×(Ni+0.03Mn+0.72Cu+22C+21N)-44.9 ・・・(ii)
溶接部の孔食電位低下量予測値=3.2DF値+54Cu-115 ・・・(iii)
但し、上記式中の元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有率(質量%)であり、含有しない場合は0を代入する。 - 前記化学組成が、質量%で、
Nb:0.01~0.10%、
Sn:0.030~1.00%、
W:0.01~1.00%、および、
V:0.01~1.00%、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1に記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、
Ti:0.005~0.05%、および、
B:0.0003~0.0050%、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1または請求項2に記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、
Ca:0.0001~0.0050%、
Mg:0.0001~0.0050%、
Al:0.0030~0.05%、および、
REM:0.005~0.50%、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。 - 請求項1から請求項4までのいずれかに記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板からなり、溶接部の孔食電位低下量実測値が100mV未満である、
溶接構造物。 - 請求項1から請求項4までのいずれかに記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板を製造する方法であって、
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼を連続鋳造し、熱間圧延を行い、熱間圧延によって得られた熱延板を1000℃以上1150℃以下で焼鈍し、冷延圧下率が50%以上である1回の冷間圧延、または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行い、1000℃以上1050℃未満で最終焼鈍を行う、
フェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板の製造方法。
ここで、冷延圧下率(%)は、(冷延前の板厚-冷延後の板厚)/冷延前の板厚×100で計算される値である。但し、冷間圧延を複数回行い、冷間圧延の間で中間焼鈍を行った場合は、最終の冷間圧延の圧下率とする。 - 請求項5に記載の溶接構造物を製造する方法であって、
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板に対して、板厚1mmあたり500~3000J/cm/mmの溶接入熱となる条件で溶接を行う、
溶接構造物の製造方法。
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