JP6025362B2 - 耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 - Google Patents

耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 Download PDF

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本発明は、高温で使用される薄板構造物用材料に関し、特に自動車排気系材料のように、常温での耐食性と共に、高温で使用される事による脆化が生じにくいフェライト系ステンレス鋼に関するものである。
フェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて加工性、靭性及び高温強度では劣るものの、多量のNiを含有していないため廉価であり、また熱膨張が小さいため、近年では屋根等の建築材料や、さらに高温になる自動車排気系材料部品材料などの熱ひずみが問題となるような用途に使用されている。特に自動車の排気系部品材料として使用される場合では、高温強度、常温での耐食性、高温使用に伴う高靭性が重要である。一般には、SUH409L、SUS429、SUS430LX、SUS436J1L、SUS432、SUS444等の鋼種がこれらの用途に適するフェライト系ステンレス鋼として用いられている。
これらの材料に於いて、特許文献1では、0.05〜2%のSnを用いて高温強度を高めた材料が開示されている。また特許文献2では0.005〜0.10%のSnを添加することでステンレス鋼板の表面品質を改善する技術が開示されている。また、近年では表面処理鋼板を含む屑鉄を原料として用いる事により、不可避的不純物として0.05%を超える多量のSnがステンレス鋼に含有されるようになってきた。
特開2000−169943号公報 特開平11−92872号公報
背景技術で述べたようにSnを含有するステンレス鋼を高温で使用すると、従来知られていなかった粒界脆化現象が生じて、部品の強度を損ねる問題が発生することが分かってきた。本発明の目的は、自動車排気系材料等の高温で長時間される場合にも、常温で靭性劣化しないフェライト系ステンレス鋼を提供することにある。
本発明者等は、Snを含有するフェライト系ステンレス鋼の高温長時間時効後の常温に於ける靭性低下について種々検討した。先ず、SU430LXが0.3%のSnを含有した場合に、どの様な温度域で使用する事で靭性低下を生じるか調べたところ、500〜800℃である事が分かった。図1に示す様に、特に短時間で靭性低下が起こる温度は700℃であり、わずか1時間で大幅な靭性低下が生じる事が分かった。図2に示す様に、脆性破壊を生じた破面形態は一般的な劈開破面と異なり、粒界破面を示す特徴があった。AES(オージェ電子分光)装置内で試料を低温に冷却後に破壊し、粒界破面を分析したところ、顕著なSn偏析が約1nmの厚さで認められた。即ち、高温長時間使用による靭性の低下はSnの粒界偏析に起因して生じたものと考えられた。
このような粒界脆化を防止するためには、Snの含有量を低減する事が最も有効であるが、表面処理鋼板のリサイクルは環境保護のためにも避けられない課題である。また、精錬でSnを取り除く事も現有技術では困難であり、Snを含んでも粒界脆化が生じにくい材料が切望された。
そこで、Snの粒界偏析に起因する脆化を防止すべく、各種合金元素の影響について詳細に調査し、耐食性確保のためにステンレス鋼中のC、Nを固定するべく添加される安定化元素Ti、Nbの影響が大きい事を見出した。即ち、図1および2に示すように、Tiで安定化した鋼がSnを含有すると、高温使用に伴う粒界脆化が顕著であり、Nbで安定化した鋼はSnを含有しても脆化が起こりにくい事を見出した。
この知見を基に、安定化元素Ti,Nbを単独で添加した場合、また、複合添加した場合について靭性への影響を調べ、高温使用による靭性低下が生じにくい鋼を開発する事が可能になった。
本発明は、これらの知見に基づいて到ったものであり、本発明の課題を解決する手段、すなわち、本発明のフェライト系ステンレス鋼板は以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.015%以下、Si:0.05%〜1.5%、Mn:1.5%以下、P:0.035%以下、S:0.015%以下、Cr:13.0〜21.0%、Sn:0.05〜0.50%、Nb:0.20〜0.60%、Ti:0.05%以下、N:0.020%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、式(1)および式(2)を満足し、かつ、600〜750℃の温度で、式(3)で示すL値が1.91×104以上となる熱処理を施しても、粒界Sn濃度が2原子%以下に維持されることを特徴とするSn及びNbを含有する耐熱性に優れた排気部材用フェライト系ステンレス鋼。
8≦CI=(Ti+0.52Nb)/(C+N)≦26・・・式(1)
GBSV=Sn+0.8Ti−Nb−0.3Mo−0.06≦0・・・式(2)
L=(273+T)(log(t)+20)・・・式(3)
ここで、T:温度(℃)、t:時間(h)
なお、式(1)及び式(2)において、各元素記号は、その成分の質量%を示す。
(2)質量%で、C:0.015%以下、Si:0.05〜1.5%、Mn:1.5%以下、P:0.035%以下、S:0.015%以下、Cr:13.0〜21.0%、Sn:0.05〜0.50%、Nb:0.20〜0.60%、Ti:0.05%以下、N:0.020%以下、Ni:0.05〜1.5%以下、を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、式(1)および式(2)を満足し、かつ、600〜750℃の温度で、式(3)で示すL値が1.91×10 4 以上となる熱処理を施しても、粒界Sn濃度が2原子%以下に維持されることを特徴とするSn及びNbを含有する耐熱性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
8≦CI=(Ti+0.52Nb)/(C+N)≦26・・・式(1)
GBSV=Sn+1.3Ti−Nb−0.3Mo−0.06≦0・・・式(2)
L=(273+T)(log(t)+20)・・・式(3)
ここで、T:温度(℃)、t:時間(h)
なお、式(1)及び式(2)において、各元素記号は、その成分の質量%を示す。
(3)更に、質量%で、Cu:1.5%以下、Mo:2.0%以下、V:0.3%以下、B:0.0020%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)に記載のSn及びNbを含有する耐熱性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
(4)更に、質量%で、Cu:1.5%以下、Mo:2.0%以下、V:0.3%以下、Al:0.3%以下、B:0.0020%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする(2)に記載のSn及びNbを含有する耐熱性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
)前記熱処理が700℃で1時間保持であることを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載のSn及びNbを含有する耐熱性に優れた排気部材用フェライト系ステンレス鋼。
本発明のSnを含有するフェライト系ステンレス鋼によれば、安定化元素Nb,Tiの最適化を行っているため、高温で使用しても、靭性の劣化が小さく、しかも、耐食性にも優れるステンレス鋼板を得られる。
本実施形態におけるフェライト系ステンレス鋼と比較鋼を、板厚4.0mmの熱延焼鈍板ままと、熱延焼鈍板に700で1時間保持する熱処理をした後で、Vノッチシャルピー衝撃試験を板厚4.0mmのサブサイズ試験片で行い、測定した延性-脆性遷移温度を示したグラフである。 本実施形態におけるフェライト系ステンレス鋼と比較鋼を、板厚4.0mmの熱延焼鈍板ままと、熱延焼鈍板に700で1時間保持する熱処理した後で、Vノッチシャルピー衝撃試験で脆性破壊を示した試験片の破面写真である。 本実施形態におけるフェライト系ステンレス鋼と比較鋼を板厚4mmの熱延焼鈍板とし、更に700℃で1時間熱処理した時に、Vノッチシャルピー衝撃試験片を板厚4.0mmのサブサイズ試験片で行い測定した、延性―脆性遷移温度(DBTT)とSnの粒界偏析傾向を表す指標(GBSV)の関係を示すグラフである。 本実施形態におけるフェライト系ステンレス鋼と比較鋼を板厚4mmの熱延焼鈍板とし、更に700℃で1時間熱処理した時に、AESで粒界破面のSn濃度を測定すると共に、シャルピー衝撃試験で延性―脆性遷移温度(DBTT)を測定し、粒界のSn濃度とDBTTの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本実施形態のステンレス鋼板の鋼組成を限定した理由について説明する。なお、組成についての%の表記は、特に断りのない場合は、質量%を意味する。
C:0.015%以下
Cは、成形性と耐食性、熱延板靭性を劣化させるため、その含有量は少ないほど好ましいので、上限を0.015%とする。但し、過度の低減は精錬コストの増加をもたらし、また、耐食性の観点から考えると、0.002%〜0.009%とすることが望ましい。
N:0.020%以下
Nは、Cと同様、成形性と耐食性、熱延板靭性を劣化させるので、その含有量は少ないほど好ましいため、0.020%以下とする。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、0.002%〜0.015%とすることが望ましい。
Si:0.05%〜1.5%
Siは、脱酸剤としても有用な元素であるとともに、高温強度や耐酸化性を改善させる元素である。脱酸効果は、Si量の増加とともに向上し、その効果は0.05%以上で発現するため、下限を0.05%とする。しかしながら、過度の添加は常温延性を低下させるため、上限を1.5%とする。なお、耐酸化性を考慮すると0.1%〜0.7%が望ましい。
Mn:1.5%以下
Mnは、脱酸剤として添加される元素であるとともに、中温域での高温強度上昇に寄与する元素である。また、長時間使用中にMn系酸化物が表層に形成し、スケール(酸化物)の密着性や異常酸化の抑制効果に寄与する元素である。
一方、過度な添加は、γ相(オーステナイト相)の析出による熱延板靭性の低下を生じる他、MnSを形成して耐食性を低下させるため、上限を1.5%とする。なお、高温延性やスケールの密着性、異常酸化の抑制を考慮すると、0.1〜1.0%が望ましい。
P:0.035%以下
Pは、固溶強化能の大きな元素であるが、フェライト安定化元素であり、しかも耐食性や靭性に対しても有害な元素であるため、可能な限り少ないほうが好ましい。
Pは、ステンレス鋼の原料であるフェロクロムに不純物として含まれるが、ステンレス鋼の溶鋼から脱Pすることは非常に困難であるため、0.010%以上とすることが好ましい。また、Pの含有量は、使用するフェロクロム原料の純度と量でほぼ決定される。しかし、Pは有害な元素であるため、フェロクロム原料のPの純度は低いほうが好ましいが、低Pのフェロクロムは高価であるため、材質や耐食性を大きく劣化させない範囲である0.035%以下とする。なお、好ましくは0.030%以下である。
S:0.015%以下
Sは、硫化物系介在物を形成し、鋼材の一般的な耐食性(全面腐食や孔食)を劣化させるため、その含有量の上限は少ないほうが好ましく、0.015%とする。また、Sの含有量は少ないほど耐食性は良好となるが、低S化には脱硫負荷が増大し、製造コストが増大するので、その下限を0.001%とするのが好ましい。なお、好ましくは0.001〜0.008%である。
Cr:13.0〜21.0%
Crは、本発明において、耐酸化性や耐食性確保のために必須な元素である。13.0%未満では、これらの効果は発現せず、一方で、21.0%超では加工性の低下や靭性の劣化をもたらすため、13.0〜21.0%とする。なお、製造性や高温延性を考慮すると、13.0%〜18.0%が望ましい。
Sn:0.05〜0.50%
Snは、耐食性や高温強度の向上に有効な元素である。また、常温の機械的特性を大きく劣化させない効果もある。高温強度への寄与は、0.05%以上の添加で安定して発現するため下限を0.05%とする。一方、過度に添加すると製造性や溶接性が著しく劣化するため、上限を0.5%とする。なお、耐酸化性等を考慮すると、0.1%〜0.3%が望ましい。
Nb:0.20〜0.60%
Nbは、炭窒化物を形成する事でステンレス鋼におけるクロム炭窒化物の析出による鋭敏化や耐食性の低下を抑制する元素である。更に、Sn含有鋼における粒界脆化を抑制する効果も有する。耐食性向上と粒界脆化の抑制の両効果は0.2%以上の添加で安定して発現するため下限を0.2%とする。一方、過度の添加は、Laves相の生成に起因する製造性の低下が問題になる。これらを考慮し、Nbの上限を0.6%とする。更に、薄板での溶接性や加工性の観点から、0.3%〜0.5%とすることが望ましい。
Ti:0.05%以下
Tiは、Nbと同様に炭窒化物を形成する事で、ステンレス鋼におけるクロム炭窒化物の析出による鋭敏化や耐食性の低下を抑制する元素である。しかしながら、Nbに較べてSn含有鋼における粒界脆化を助長する効果が大きいため、Sn含有鋼に於いては、低減すべき元素である。Snの粒界偏析に対する影響は、0.05%超から現れるようになるため、その上限を0.05%とする。なお、原料から不可避的不純物として混入することから過度に低減することは困難であるため、0.001%以上とすることが好ましい。介在物低減による加工性向上の観点から、0.001〜0.03%とすることが好ましい。
CI=(Ti+0.52Nb)/(C+N)を8以上、26以下とする。Ti,Nbは炭窒化物を形成し、クロム炭窒化物の形成と鋭敏化による耐食性の低下を抑制する。すなわち、鋼中のC,N量に対応した添加量が必要である。CI値は鋼中のC、NをTi,Nbの炭窒化物として析出させ、鋭敏化を抑制するための指標であり、CI値が大きいほど鋭敏化が抑制される。溶接熱サイクルなどでも安定してクロム炭窒化物の析出を抑制するためには、CIが8以上必要である。但し、Ti,Nbを過度に添加すると、大型の介在物を形成して加工性を低下させる事になるために、CIで26以下にする。安定して耐食性、加工性を確保するためには、CIを10以上、20以下とすることが好ましい。
更に、本発明では、GBSV=Sn+1.3Ti−Nb−0.3Mo−0.06を0以下とする。GBSVはSnの粒界偏析傾向を表す指標であり、数値が大きいほど粒界偏析が顕著になる。Snは高温強度や耐食性には有効な元素であるが、粒界偏析により400℃以下における材料の靭性を低下させる。一方、NbやMoには、Snの粒界偏析を抑制する作用の他、粒界強度を高める効果もあり、Snの粒界偏析に起因する脆化を抑制する作用を有する。図3に示す様に、GBSVの低下と共に、延性脆性遷移温度が低くなる事、GBSVが0以下になれば、板厚4.0mmの熱延焼鈍板に於いて延性脆性遷移温度が150℃以下となり、靭性が大きく改善される事が分かるため、GBSVを0以下とした。
600〜750℃の温度で、式(3)で示すL値が1.91×104以上となる熱処理を施した時の粒界Sn濃度が2原子%以下である。Sn含有鋼におけるSnの粒界偏析に起因する粒界脆化を抑制するために、安定化元素Nb,Tiを最適成分範囲に成分調整するが、高温で使用した後の常温靭性は温度履歴や板厚によっても異なってくるため定量的に示す事は難しい。そこで、Snの粒界偏析による脆化が顕著に起こる600〜750℃の温度域に於いて、L値が1.91×104以上となる熱処理を行った後の粒界Sn濃度を指標として、2.0原子%以下とした。
図4に示す様に、粒界のSn濃度が2.0原子%を超えると、延性脆性遷移温度が急激に増加しており、粒界脆化が起きやすくなる。L値による熱処理条件の規定をより簡略化した条件として、700℃で1時間熱処理を施した後の、粒界Sn濃度が2.0原子%以下とする事が好ましい。
粒界のSn濃度は、AES装置内で超高真空下で破断して測定する。装置毎の特徴により、分析精度は異なるため、劈開破面で測定したSn濃度が母材の平均Sn濃度になる様に、測定値は校正するものである。また、オージェ電子は表面だけでなく、表面から数nm内部の原子からも放出されるため、この値は粒界のSn濃度だけを現すものでは無い。 粒界脆化を安定して低減するためには、粒界のSn濃度を1.7原子%以下にする事が好ましい。また、母材のSn濃度以下にする事は困難であるため、0.02原子%を下限とする事が好ましい。
また、本発明では、上記元素に加えて、Ni:1.5%以下、Cu:1.5%以下、Mo:2%以下、V:0.3%以下、Al:0.3%以下、B:0.002%以下の1種以上を添加することが好ましい。
Ni:1.5%以下
Niは、フェライト系ステンレス鋼の合金原料中に不可避的不純物として混入し、一般的に0.03〜0.10%の範囲で含有される。また、孔食の進展抑制に有効な元素であり、その効果は0.05%以上の添加で安定して発揮されるため下限を0.05%とすることが好ましい。
一方、多量の添加は、固溶強化による材質硬化を招くおそれがあるため、その上限を1.5%とする。なお、合金コストを考慮すると0.05〜1.0%が望ましい。
Cu:1.5%以下
Cuは、自動車の高温排気系などに代表される高温環境用部材として使用するために必要とされる高温強度を高めるために必要な元素である。Cuは、500〜750℃では主に析出強化能を発揮し、それ以上の温度に於いては固溶強化によって材料の塑性変形を抑制し、熱疲労特性を高める働きを示す。このような効果は、Cu析出物が生成することによる析出硬化作用であり、0.2%以上の添加により発現する。一方、過度な添加は、熱延加熱時に異常酸化を生じ表面疵の原因ともなるため、上限を1.5%とする。Cuの高温強化能を活かし、安定して表面疵を抑制するためには、0.5〜1.0%が望ましい。
Mo:0.01〜2%
Moは、高温強度や熱疲労特性を向上させるために必要に応じて添加すれば良く、これらの効果を発揮させるため、下限を0.01%とすることが好ましい。
一方、過度の添加は、Laves相の生成を生じさせて、熱延板靭性の低下を生じるおそれがある。これらを考慮し、Moの上限を2%とする。更に、生産性や製造性の観点から、0.05%〜1.5%が望ましい。
V:0.3%以下
Vは、フェライト系ステンレス鋼の合金原料に不可避的不純物として混入し、精錬工程における除去が困難であるため、一般的に0.01〜0.1%の範囲で含有される。また、微細な炭窒化物を形成し、析出強化作用が生じて高温強度向上に寄与する効果を有するため、必要に応じて、意図的な添加も行われる元素である。その効果は0.03%以上の添加で安定して発現するため、下限を0.03%とすることが好ましい。
一方、過剰に添加すると、析出物の粗大化を招くおそれがあり、その結果、高温強度が低下し、熱疲労寿命が低下してしまうため、上限を0.3%とする。なお、製造コストや製造性を考慮すると、0.03%〜0.1%とすることが望ましい。
Al:0.3%以下
Alは、脱酸元素として添加される他、耐酸化性を向上させる元素である。また、固溶強化元素として600〜700℃における強度向上に有用である。その作用は0.01%から安定して発現するため、下限を0.01%とすることが好ましい。
一方、過度の添加は、硬質化して均一伸びを著しく低下させる他、靭性を著しく低下させるため、上限を0.3%とする。更に、表面疵の発生や溶接性、製造性を考慮すると、0.01%〜0.07%が望ましい。
B:0.0020%以下
Bは、加工性に有害なNの固定や、二次加工性改善に有効であり、必要に応じて0.0003%以上で添加する。また、0.0020%を超えて添加してもその効果は飽和し、Bによる加工性劣化や溶接性が低下するため、0.0003〜0.002%で添加する。加工性や製造コストを考慮すると、0.0005%〜0.0015%とすることが望ましい。
Mo:2.0%以下
Moは、高温強度や熱疲労特性を向上させるために必要に応じて添加すれば良く、これらの効果を発揮させるため、下限を0.01%とすることが好ましい。
一方、過度の添加は、Laves相の生成を生じさせて、熱延板靭性の低下を生じるおそれがある。これらを考慮し、Moの上限を2%とする。更に、生産性や製造性の観点から、0.05%〜1.5%が望ましい。
以下、実施例により本発明の効果を説明するが、本発明は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。
本実施例では、まず、表1に示す成分組成の鋼を溶製してスラブに鋳造した。このスラブを1190℃に加熱後、仕上げ温度を800〜950℃の範囲内として、板厚4mmまで熱間圧延し、熱延鋼板とした。なお、表1において、本発明範囲から外れる数値にはアンダーラインを付している。熱延鋼板は気水冷却により、500℃まで冷却した後、コイル状に巻き取った。
引き続き、熱延コイルを1000〜1100℃で焼鈍し、常温まで冷却した。この時、900〜600℃の範囲の平均冷却速度を20℃/s以上とした。続いて、熱延焼鈍板を酸洗し、冷間圧延して板厚1.5mmの薄板とした後、冷延板の焼鈍と酸洗を行って、薄板製品とした。表1中のNo.1〜24は本発明例、NO.25〜45は比較例である。
このようにして得られた熱延焼鈍板に対して、700℃で1時間の熱処理(L値:19460)を行った後、シャルピー衝撃試験をJIS Z 2242に準拠して行った。尚、本実施例における試験片は、熱延焼鈍板の板厚ままのサブサイズ試験片であるため、吸収エネルギーを断面積(単位cm2)で割ることにより、各実施例における熱延焼鈍板の靭性を比較し評価した。なお、靭性の評価基準は、延性脆性遷移温度が150℃以下を良好とした。
また、熱延焼鈍板より、オージェ電子分光分析法(AES)用に14×4×4mmの試験片を作成した。試験片の長手方向中央部に、深さが1mm、幅が0.2mmのノッチを入れた。AES装置内で超高真空化に於いて、液体窒素で冷却し、衝撃を加えて破断させ、粒界破面のSn濃度を測定した。AES装置は、SAM−670(PHI社製、FE型)を使用した。濃度の校正は、劈開破面における分析値が、母材の濃度と同じになる様にして行った。オージェ電子は、粒界破面の最表面だけでなく数nm深さからまで放出されるため、この方法では、正確な粒界のSn濃度では無いが、一般的な測定値として、この手法を用い、2原子%(at%)以下を良好とした。
更に、熱延焼鈍板を1.5mmまで冷間圧延し、840〜980℃で100秒の焼鈍後酸洗し、冷延焼鈍板にMigビードオンプレート溶接を行い、JIS G 0575に規定されるステンレス鋼の硫酸・硫酸銅腐食試験を行って、溶接HAZ部の鋭敏化有無を調査した。但し、硫酸濃度は0.5%とし、試験時間は24時間とした。粒界腐食が認められたものは、耐食性不合格とした。また、冷延焼鈍酸洗板の表面を#600研磨仕上げとした後、JIS Z 2371に規定される塩水噴霧試験方法を24時間行い、錆びの有無を確認して、さびが認められたものを不合格とした。評価結果を表2に示した。また、熱延焼鈍板の熱処理条件を変えて、同様の試験を行った結果を表3に示した。
表1,2,3から明らかなように、本発明を適用した成分組成、粒界Sn濃度の鋼では、熱延焼鈍板で評価した延性脆性遷移温度が低く、冷延焼鈍板で評価した耐食性は良好であり、引張試験で評価した全伸びも30%以上であり良好であった。また、表面疵も認められなかった。一方、本発明から外れる比較例では、シャルピー衝撃値(吸収エネルギー)、耐食性、材質、表面疵の何れかが、1つ以上不合格であった。これにより、比較例におけるフェライト系ステンレス鋼の耐熱性、耐食性が劣る事が分かる。
具体的には、No.25、27、29〜31、33〜37は、GBSVが0より大きく、700℃で1時間熱処理後の粒界Sn偏析量が、AES測定で2at%より大きくなっており、延性脆性遷移温度が150℃超となっている様に、低靭性であった。No.25、26、34、38、45はCI値が8未満であるため、改良ストラウス試験で評価した耐粒界腐食性、塩水噴霧試験で評価した耐銹性が不良であった。No.26、27、28、39,40,41は、それぞれSi、Mn、P、Ni、Cu、Moが高く、固溶強化によって伸びが低下するため、機械的性質が不良であった。No.29はSが高いため、No.30はCrが低く、No.32はSnが低く、No.43はBが高いため、塩水噴霧試験で評価した耐食性が不良であった。また、No.32はSnが低いため、GBSVが0以上であっても靭性が良好であった。No.35はNbが高く、No.36はTi、No.42はVが高いため大型介在物起因の疵が発生し、品質不良と判断された。No.31はCr、No.44はAlが高く、熱延疵が発生したため、品質不良と判断された。
表3の記号a1〜a3はL値が1.91×104以上となる熱処理を施した後の、粒界Sn濃度が、いずれも2原子%以上のために、DBTTが150℃を超えており、靭性が不良であった。また、a4の様に、L値が1.91×104未満の場合は、粒界にSnが偏析しないため、DBTTが80℃と低いが、L値が大きくなると、DBTTが高くなる事から、L値を1.91×104以上で、粒界のSn偏析を評価しなければならない事が確認された。
これらの結果から、上述した知見を確認することができ、また、上述した各鋼組成及び校正を限定する根拠を裏付ける事ができた。
以上の説明から明らかなように、本発明のSnを含有するフェライト系ステンレス鋼によれば、安定化元素Nb,Tiの最適化を行っているため、高温で使用しても、靭性の劣化が小さく、しかも、薄板の耐食性にも優れるステンレス鋼板を製造可能になる。また、本発明を適用した材料を、特に自動車、二輪車の排気系部材に適用する事により、部品の寿命を長くする事が出来るようになり、社会的寄与度を高める事が出来る。つまりは、本発明は、産業上の利用可能性を十分に有する。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.015%以下、
    Si:0.05〜1.5%、
    Mn:1.5%以下、
    P:0.035%以下、
    S:0.015%以下、
    Cr:13.0〜21.0%、
    Sn:0.05〜0.50%、
    Nb:0.20〜0.60%、
    Ti:0.05%以下、
    N:0.020%以下
    を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、式(1)および式(2)を満足し、かつ、600〜750℃の温度で、式(3)で示すL値が1.91×104以上となる熱処理を施しても、粒界Sn濃度が2原子%以下に維持されることを特徴とするSn及びNbを含有する耐熱性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
    8≦CI=(Ti+0.52Nb)/(C+N)≦26・・・式(1)
    GBSV=Sn+1.3Ti−Nb−0.3Mo−0.06≦0・・・式(2)
    L=(273+T)(log(t)+20)・・・式(3)
    ここで、T:温度(℃)、t:時間(h)
    なお、式(1)及び式(2)において、各元素記号は、その成分の質量%を示す。
  2. 質量%で、
    C:0.015%以下、
    Si:0.05〜1.5%、
    Mn:1.5%以下、
    P:0.035%以下、
    S:0.015%以下、
    Cr:13.0〜21.0%、
    Sn:0.05〜0.50%、
    Nb:0.20〜0.60%、
    Ti:0.05%以下、
    N:0.020%以下
    Ni:0.05〜1.5%以下、
    を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、式(1)および式(2)を満足し、かつ、600〜750℃の温度で、式(3)で示すL値が1.91×10 4 以上となる熱処理を施しても、粒界Sn濃度が2原子%以下に維持されることを特徴とするSn及びNbを含有する耐熱性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
    8≦CI=(Ti+0.52Nb)/(C+N)≦26・・・式(1)
    GBSV=Sn+1.3Ti−Nb−0.3Mo−0.06≦0・・・式(2)
    L=(273+T)(log(t)+20)・・・式(3)
    ここで、T:温度(℃)、t:時間(h)
    なお、式(1)及び式(2)において、各元素記号は、その成分の質量%を示す。
  3. 更に、質量%で
    Cu:1.5%以下、
    Mo:2.0%以下、
    V:0.3%以下
    B:0.0020%以下
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のSn及びNbを含有する耐熱性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
  4. 更に、質量%で
    Cu:1.5%以下、
    Mo:2.0%以下、
    V:0.3%以下、
    Al:0.3%以下、
    B:0.0020%以下
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項2に記載のSn及びNbを含有する耐熱性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
  5. 前記熱処理が700℃で1時間であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のSn及びNbを含有する耐熱性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
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