JP7233195B2 - フェライト系ステンレス鋼及びその製造方法、並びに燃料電池用部材 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼及びその製造方法、並びに燃料電池用部材 Download PDF

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Description

本発明は、フェライト系ステンレス鋼及びその製造方法、並びに燃料電池用部材に関する。
最近、石油を代表とする化石燃料の枯渇化、CO2排出による地球温暖化現象等の問題から、従来の発電システムに替わる新しいシステムの普及が加速している。その1つとして、分散電源,自動車の動力源としても実用的価値が高い「燃料電池」が注目されている。燃料電池にはいくつかの種類があるが、その中でも固体高分子型燃料電池(PEFC)や固体酸化物型燃料電池(SOFC)はエネルギー効率が高く、将来の普及拡大が有望視されている。
燃料電池は、水の電気分解と逆の反応過程を経て電力を発生する装置であり、燃料となる水素(燃料水素)を必要とする。燃料水素は、都市ガス(LNG)、メタン、天然ガス、プロパン、灯油、ガソリン等の炭化水素系燃料を触媒の存在下で改質反応させることにより製造される。中でも都市ガスを原燃料とする燃料電池は、都市ガス配管が整備された地区において水素を製造できる利点がある。
燃料改質器は、水素の改質反応に必要な熱量を確保するため、通常、200~900℃の高温で運転される。また、燃料改質器以外でも、改質器を加熱する燃焼器や、熱交換器、電池本体部等も運転温度が非常に高温となる。
更に、このような高温運転下の燃料電池においては、多量の水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素に加え、多量の水素や、炭化水素系燃料由来の硫化水素を微量含んだ雰囲気(以下、浸炭性/還元性/硫化性改質ガス環境、という。)の下に曝されることとなる。このような雰囲気中に、例えば鋼材料が曝されると、材料表面の浸炭、硫化による腐食が進行する状況になり、動作環境としては過酷な状況となる。
これまで、このような過酷な環境下において十分な耐久性を有する燃料電池の実用材料として、SUS310S(25Cr-20Ni)に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼が使用されてきた。しかし、将来、燃料電池システムの普及拡大に向けて、コスト低減は必要不可欠であり、使用材料の最適化による合金コストの低減は重要な課題である。さらに、燃料電池システムでは、比較的高いCr量を含有するステンレス鋼を適用した場合、運転温度が非常に高いことから、Crの蒸発による電極の被毒を防止する課題もある。
上述した背景から、燃料電池を構成する鋼材として、過酷な改質ガス環境下においても良好な耐久性を発揮させるべく、Al系酸化物層(Al系酸化皮膜)の高い耐酸化性を利用したAl含有フェライト系ステンレス鋼が種々検討されている。
特許文献1には、Cr:13~20%、C:0.02%未満、N:0.02%以下、Si:0.15超~0.7%、Mn:0.3%以下、Al:1.5~6%、Ti:0.03~0.5%、Nb:0.6%以下を含み、固溶Ti量と固溶Nb量を調整することにより耐酸化性とクリープ破断寿命に良好な燃料電池用Al含有フェライト系ステンレス鋼が開示されている。これらステンレス鋼は、1050℃、大気中の加速酸化試験により良好な耐酸化性が得られることを示している。
特許文献2には、Cr:11~25%、C:0.03%以下、Si:2%以下、Mn:2%以下、Al:0.5~4.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、N:0.03%以下、Ti:1%以下を含み、水素ガスを50体積%以上含み、酸化皮膜中及び酸化皮膜直下の鋼表面へTiやAlを濃縮させるとともに、Mg、Ga、Sn、Sbを微量添加することにより、改質ガス環境下の耐酸化性を向上させた燃料電池用フェライト系ステンレス鋼が開示されている。
特許文献3には、Cr:11.0~25.0%、C:0.030%以下、Si:2.00%以下、Mn:2.00%以下、Al:0.90~4.00%、P:0.050%以下、S:0.0100%以下、N:0.030%以下、Ti:0.500%以下を含み、B、Mg、Caの微量添加並びにSnとの複合添加により、改質ガス環境下の耐酸化性及び耐クリープ強さを向上させた燃料電池用フェライト系ステンレス鋼が開示されている。
特許文献4には、Cr:11~25%、C:0.03%以下、Si:2%以下、Mn:2%以下、Al:0.5~4.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、N:0.03%以下、Ti:0.5%以下を含み、更にGa:0.1%以下、Mg:0.01%以下、Zn:0.05%以下の1種又は2種以上を含み、Mg、Ga、Zn、更にはSn、Sbの微量添加によってTi及び/又はAlを濃縮させた表面皮膜を形成することで、耐酸化性を向上させたフェライト系ステンレス鋼が開示されている。
特許文献5にはC:0.020%以下、Si:3.0%以下、Mn:3.0%以下、P:0.040%以下、S:0.030%以下、Cr:10~25%、N:0.020%以下、Nb:0.005~0.15%、Al:0.20~3.0%、Ti:5×(C%+N%)~0.5%、Mo:0.1%以下、W:0.1%以下、Cu:0.55~2.0%、B:0.0002~0.0050%、Ni:0.05~1.0%を含有し、適量のNiを含有することで耐酸化性を改善したフェライト系ステンレス鋼が開示されている。
特開2010-222638号公報 特許第6006893号公報 特許第6053994号公報 特開2016-211076号公報 特開2013-210443号公報
前記した都市ガス等を原燃料とした燃料電池の改質ガスは、水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素に加えて、多量の水素、並びに不純物もしくは付臭剤として添加された硫化成分を含む場合がある。しかし従来では、フェライト系ステンレス鋼の耐酸化性について、水蒸気と二酸化炭素を主成分とする雰囲気、あるいは水蒸気と酸素を主成分とする雰囲気、又は大気中といった環境下でしか評価・検討されていない。すなわち、前記浸炭性/還元性/硫化性改質ガス環境の下でのフェライト系ステンレス鋼の酸化特性については不明である。
更に、SOFCシステムやPEFCシステムの場合、燃料電池の運転温度が高温となるため、前記の酸化特性に加え、高温強度のさらなる向上も求められる。
特許文献1~5のフェライト系ステンレス鋼は、酸化性環境下の耐久性について検討されているものの、前記浸炭性/還元性/硫化性改質ガス環境といったさらに厳しい環境下における耐久性については何ら言及されていない。
本発明は、上述した課題を解消すべく案出されたものであり、前記浸炭性/還元性/硫化性改質ガス環境下であっても、高い耐酸化性と優れた高温強度を兼備したフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法を提供するものである。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]質量%にて、
Cr:12.0~16.0%、
C:0.020%以下、
Si:0.50~2.50%、
Mn:1.00%以下、
P:0.050%以下、
S:0.0030%以下、
Al:1.00~3.00%、
N:0.030%以下、
Nb:0.05~1.00%、
Ni:0.05~1.00%、
Mo:0.05~1.00%、
Sn:0.005~0.200%
B:0.0005~0.0100%、
Cu:0~1.00%、
Sb:0~0.50%、
W:0~1.00%、
Co:0~0.50%、
V:0~0.50%、
Ti:0~0.50%、
Zr:0~0.50%、
La:0~0.100%、
Y:0~0.100%、
Hf:0~0.100%、
REM:0~0.100%
Ga:0~0.0200%、
Mg:0~0.0200%、
Ca:0~0.0100%
かつ下記式(1)を満たし、残部がFe及び不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
0.7Nb+Ni+Mo+0.4Ti+0.4Cu+200B≧0.30 ・・・(1)
なお、式(1)中の各元素記号は、鋼中の各元素の含有量(質量%)を示し、元素が含まれないときは0を代入する。
[2]質量%にて、前記B:0.0010%以上であることを特徴とする上記[1]に記載のフェライト系ステンレス鋼。
[3]質量%にて、結晶粒界のNb濃度が3.0~10.0%の範囲であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のフェライト系ステンレス鋼。
[4]質量%にて、結晶粒界のSn濃度が1.0~5.0%であることを特徴とする上記[1]~[3]のうちいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼。
[5]質量%にて、前記Si:1.00%以上、前記Al:1.50%以上、前記Nb:0.15%以上であることを特徴とする上記[1]~[4]のうちいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼。
[6]質量%にて、Cu:0.10~1.00%、Sb:0.01~0.50%、W:0.10~1.00%、Co:0.10~0.50%、V:0.10~0.50%、Ti:0.01~0.50%、Zr:0.01~0.50%、La:0.001~0.100%、Y:0.001~0.100%、Hf:0.001~0.100%、REM:0.001~0.100%、Ga:0.0002~0.0200%、Mg:0.0002~0.0200%、Ca:0.0002~0.0100%のうち1種又は2種以上を含むことを特徴とする上記[1]~[5]のうちいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼。
[7]燃料改質器、熱交換器あるいは燃料電池部材に適用されることを特徴とする上記[1]~[6]のうちいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼。
[8]燃焼器、あるいはバーナーの部材に適用されることを特徴とする上記[1]~[7]のうちいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼。
[9]上記[1]、[2]、[5]、又は[6]のうちいずれかに記載の組成を有するステンレス鋼材を熱間加工した後、熱処理を省略若しくは700℃超で熱処理し、次いで冷間加工を行い、700℃超の仕上げ焼鈍を行うことを特徴とする上記[1]~[8]のうちいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼の製造方法。
[10]前記仕上げ焼鈍の後に、600~700℃の温度範囲内で1分超、3時間以下保持する熱処理を施すことを特徴とする上記[9]に記載のフェライト系ステンレス鋼の製造方法。
[11]前記仕上げ焼鈍において、700℃超に加熱し冷却する際、600~700℃の温度域での保持時間を1分超とすることを特徴とする上記[9]に記載のフェライト系ステンレス鋼の製造方法。
[12]上記[1]~[7]のうちいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼を用いた燃料電池用部材。
本発明によれば、前記浸炭性/還元性/硫化性改質ガス環境下、少なくとも、H2O:10~40%、H2:50~70%、CO:5~15%、CO2:5~15%、H2S:0~0.01%を含有する改質ガス環境下において、高い耐酸化性と優れた高温強度を兼備したフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法、並びに燃料電池用部材を提供することができる。
本発明者らは、前記した課題を解決するために、高温強度、耐酸化性を兼備するAl含有フェライト系ステンレス鋼について鋭意実験と検討を重ね、本発明を完成させた。なお、本実施形態でいう「高温強度」とは、750~800℃付近の高温域においても優れた0.2%耐力を発揮できる特性であり、「耐酸化性」とは前記浸炭性/還元性/硫化性環境下における酸化特性を意味する。
以下に本発明で得られた知見について説明する。
(a)通常、750~800℃付近の高温域で運転中の構造体で課題となる変形を抑止するには、材料であるフェライト系ステンレス鋼の高温強度、特に750℃付近における0.2%耐力を高め、かつ800℃付近における0.2%耐力の低下を抑制することが有効である。
(b)上述した高温域での0.2%耐力の向上及び低下の抑制は、Alの過度な添加や、B、Nb、Snの微量添加及びその添加量の調整により著しく向上することを見出した。すなわち、フェライト系ステンレス鋼において、750℃付近における0.2%耐力を高め、かつ800℃付近における0.2%耐力の低下を抑制するという特性は、これら微量元素の添加により達成できるという新たな知見が得られた。このような高温強度の向上作用については未だ不明な点も多いが、実験事実に基づいて以下に述べるような作用機構を推察している。
(c)Bの微量添加は、750~800℃での耐力や引張強度の上昇に対して少なからず寄与し、特に0.2%耐力を大幅に向上させる作用効果を持つ。Bの微量添加は、Bが粒界偏析することによって、結晶粒界を起点に発生するキャビティ(ナノサイズの隙間)の生成を抑制して粒界すべりを遅延させるとともに、結晶粒内において転位密度の上昇に伴う内部応力を高める作用効果がある。またこれらBの作用効果は、Nb添加鋼で顕著となる新規な知見を見出した。
(d)Nbの添加は、固溶強化により750℃までの温度域における強度上昇に有効であることはよく知られている。Nbの析出は750~800℃においてラーベス相(FeNb)と呼ばれる金属間化合物などを形成して開始するが、NbとBは結晶粒界において共偏析することで前記(c)のBの強度向上作用効果を顕在化させることができる。
(e)更に、前記(c)で述べた、粒内の転位密度の上昇に伴う内部応力を高める作用効果をより発揮させるためには、Snとの複合添加が効果的である。Snは粒界偏析元素ではあるものの、Snの添加によって、B及びNbの複合添加による結晶粒内の固溶強化の作用も大きくなり、内部応力の上昇に伴う高温強度を高めることに効果的である。
(f)また、前述した水素及び硫化成分を含む改質ガス環境下の耐酸化性を高めるにはSi、Al、Nbの含有量を所定の範囲内に調整することで、高温かつ改質ガス環境下におけるAl系酸化皮膜の形成の促進と、当該皮膜の保護性を高めることが効果的である。さらに、フェライト系ステンレス鋼において高温域での0.2%耐力の向上のために添加したB、Nb、Snの添加は、改質ガス環境下の耐酸化性を損なわせるおそれはない。さらに、Mo、Ni、Bを一定量添加することで、500~550℃程度の中温度域でもAl系酸化皮膜の形成が促進され、優れた耐酸化性を示す。
なお本実施形態において、高温の改質ガス環境下に曝される前の表面皮膜を「不働態皮膜」、高温の改質ガス環境下に曝され不働態皮膜が種々の反応によって組成が変化したものを「Al系酸化皮膜」と区別し説明する。
(g)前記した浸炭性/還元性/硫化性改質ガス環境は、大気や水素を含まない水蒸気酸化環境と比較して、フェライト系ステンレス鋼におけるAl系酸化皮膜の欠陥を生成し易い。改質ガス環境が酸化皮膜の欠陥生成を容易とする原因は明らかではないが、硫化成分を含む改質ガス下で生成される硫化物が、酸化皮膜に何らかの悪影響を及ぼしていると推測される。改質ガス環境下でAl系酸化皮膜に欠陥が生じると、露出された母材ではCrやFeの酸化が進行するおそれがある。このような改質ガス中における酸化促進に対して、Mo、Ni、Bの添加によってAl系酸化皮膜の形成が促進される。特にAlの拡散が遅く連続的なAl系酸化皮膜の形成がしにくい500~550℃程度の中温度域では、Mo、Ni、Bの添加により、アモルファスのAl系酸化皮膜の形成が促進され耐酸化性が改善される。その結果、フェライト系ステンレス鋼の耐酸化性を向上させることができる。
(h)さらに、従来のAl、Si含有ステンレス鋼の欠点であった、高温での金属間化合物σ相の析出(σ脆性)と475℃脆性については、成分組成において、Cr、Nb、Si、Alの含有量を調整することが効果的であることが分かった。σ脆性と475℃脆性は、Crを主体としてSiやAlを含む金属間化合物の生成に由来し、その生成サイトは結晶粒界であることが多い。すなわち、σ脆性と475℃脆性を抑制するには、金属間化合物自体の生成を抑制するとともに、その生成サイトを低減することが効果的といえる。これらについて本発明者らがさらに検討したところ、Cr量の制限によって金属間化合物の生成自体を抑制するとともに、Nbの結晶粒界への偏析によって生成サイトを抑制することで組織を安定化させることができ、その結果、σ脆性と475℃脆性が抑制可能であることを見出した。さらに、Cr量の制限とNbの添加により、SiやAlを含む金属間化合物の生成を抑制できることから、前記(g)で述べた耐酸化性に寄与するSiとAl量を確保できるため、耐酸化性と組織安定性を両立することもできる。
上述したように、フェライト系ステンレス鋼において、B、Nb、Sn、Mo、Niの複合添加により、浸炭性/還元性/硫化性改質ガス環境下の耐久性として重要な高温強度と改質ガス中の耐酸化性を兼備できる、という新たな知見が得られた。さらにフェライト系ステンレス鋼において、Cr、Nb、Si、Alの含有量の適正化によって、組織安定性の向上によるσ脆性と475℃脆性の抑制が可能となる上、耐酸化性の両立も達成できる、という知見も新たに得られた。
以下、本発明のフェライト系ステンレス鋼の一実施形態について説明する。
<成分組成>
まず、成分の限定理由を以下に説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
Crは、耐食性に加えて、高温強度を確保する上で基本となる構成元素である。本実施形態においては、12.0%未満では目標とする高温強度と耐酸化性が十分に確保されない。従って、Cr含有量の下限は12.0%以上とする。好ましくは13.0%以上である。しかし、過度にCrを含有することは高温雰囲気に曝された際、脆化相であるσ相(Fe-Crの金属間化合物)の生成を促進して製造時の割れを助長する場合がある。したがってCr含有量の上限は、基本特性や製造性の視点から16.0%以下とする。好ましくは15.0%以下である。
Cは、フェライト相に固溶あるいはCr炭化物を形成して耐酸化性を阻害する。このため、C量の上限が0.020%以下とする。好ましくは0.015%以下である。但し、C量の過度な低減は精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.001%以上とすることが好ましい。耐酸化性と製造性の点から、さらに好ましくは0.005%以上である。
Siは、耐酸化性を確保する上で重要な元素である。Siは、Al系酸化皮膜中へ僅かに固溶するとともに、Al系酸化皮膜直下/鋼界面にも濃化し、改質ガス環境下の耐酸化性を向上させる。これら効果を得るためには0.50%以上が必要となる。好ましくは0.70%以上である。一方、Siを過度に含有させることは、鋼の靭性や加工性の低下並びにAl系酸化皮膜の形成を阻害する場合もあるため、上限は2.50%以下%とする。耐酸化性と基本特性の点から、1.70%以下が好ましい。
Mnは、改質ガス環境下でSiとともにAl系酸化皮膜中又はその直下に固溶して当該皮膜の保護性を高め耐酸化性の向上に寄与しうる。これら効果を得るために下限は0.10%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.20%以上である。一方、Mnを過度に含有させることは、鋼の耐食性やTiやAl系酸化皮膜の形成を阻害するため、上限は1.00%以下とする。耐酸化性と基本特性の点から、0.90%以下が好ましい。
Alは、脱酸元素であることに加えて、本実施形態においては、改質ガス中でAl系酸化皮膜を形成して耐酸化性の向上に寄与する必須の元素である。本実施形態において、良好な耐酸化性を得るには1.00%以上必要となり、好ましくは1.50%以上である。しかし、過度にAlを含有させることは、鋼の靭性や溶接性の低下を招き生産性を阻害するため、合金コストの上昇とともに経済性にも課題がある。そのためAl量の上限は、基本特性と経済性の視点から3.00%以下とする。好ましくは、2.50%以下である。
Pは、製造性や溶接性を阻害する元素であり、その含有量は少ないほどよいため上限は0.050%以下とする。但し、Pの過度な低減は精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.003%とすることが好ましい。製造性と溶接性の点から、好ましい範囲は0.005~0.040%、より好ましくは0.010~0.030%である。
Sは、鋼中に不可避に含まれる不純物元素であり、高温強度及び耐酸化性を低下させる。特に、Sの粒界偏析やMn系介在物や固溶Sの存在は、高温強度と耐酸化性を低下させる作用を持つ。従って、S量は低いほどよいため、上限は0.0030%以下とする。但し、Sの過度の低減は原料や精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.0001%以上とすることが好ましい。製造性と耐酸化性の点から、好ましい範囲は0.0001~0.0020%、より好ましくは0.0002~0.0010%である。
Nは、Cと同様に耐酸化性を阻害する元素である。このため、N量は少ないほどよく、上限を0.030%以下とする。但し、Nの過度な低減は精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.002%以上とすることが好ましい。耐酸化性と製造性の点から、N量の好ましい範囲は0.005~0.020%である。
Nbは、C,Nを固定する安定化元素であって、この作用による鋼の高純度化を通じて耐酸化性や耐食性を向上させることができる。また本実施形態においては、Bとの粒界における共偏析の作用効果により高温強度の向上にも有効に作用する元素である。さらに、σ脆性と475℃脆性の要因となる金属間化合物は、主に結晶粒界を生成サイトとして析出が進行するが、Nbが結晶粒界へ偏析することによってこの生成サイトが低減されるため、組織の安定性が増し、結果、σ脆性と475℃脆性を抑制することができる。耐酸化性及び高温強度の両方の効果を得るためにNb量の下限は0.05%以上とし、好ましくは0.15%以上とする。一方、Nbを過度に含有させることは合金コストの上昇や製造性を阻害することに繋がるため、Nb量の上限は1.00%以下とする。好ましくは0.60%以下とする。
次に、結晶粒界における偏析元素の濃度(質量%)について説明する。
上記の知見でも述べたように、本実施形態においては、NbとBが結晶粒界において共偏析することによって高温強度の向上を図ることができる。また、Snも同様に、粒界へ偏析することによって、粒界すべりを抑制し高温強度の向上を図ることができる。これらの観点から、本実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼において、Nbの結晶粒界における濃度(粒界濃度)は、3.0%以上とすることが好ましい。Snを含有する場合には、Snの粒界濃度は1.0%以上とすることが好ましい。一方、NbとSnの過度な粒界偏析は結晶粒界が破壊起点となって製造性を阻害することに加え、高温強度の低下をもたらす場合もある。そのため、Nbの粒界濃度は10.0%以下であることが好ましく、Snの粒界濃度は5.0%以下であることが好ましい。
結晶粒界におけるNb濃度、Sn濃度は、オージェ電子分光法(Auger Electron Spectrometry,AES)によって測定することができる。
まず、酸化皮膜以外の母相の任意箇所から、ノッチ付き試験片(0.8t×4w×20L(mm))を採取する。次に、ノッチ付き試験片を、真空中(真空度:10-6MPa)において液体窒素で冷却したのちに、その場でノッチ部から試験片を破断して破面を露出させる。露出させた破面における結晶粒界についてAES分析を行い、0~1000eVのエネルギー範囲でオージェ電子スペクトルを測定し、検出される元素を同定(定性分析)する。さらに、得られたピーク強度比を用いて(相対感度係数法)、検出元素を定量(定量分析)する。以上の方法によって、結晶粒界に偏析した元素(Nb、Sn)の濃度を求めることができる。
Niは鋼中でのAlの外方拡散を促進し、Al系酸化皮膜の形成を促進する。さらに、固溶強化により鋼の強度を改善する元素である。Al系酸化皮膜の形成を促進するには0.05%以上必要となり、好ましくは0.10%以上である。過度にNiを含有させても、耐酸化性改善の効果は飽和する。合金コストが上昇し経済性にも課題がある。そのためNi量の上限は、基本特性と経済性の視点から1.00%以下とする。好ましくは0.50%以下である。
Moは使用環境にて酸化皮膜と鋼界面に濃化し、Al系酸化皮膜の形成を促進する。Al系酸化皮膜の形成を促進するには0.05%以上必要となり、好ましくは0.10%以上である。Niと同様に、過度にMoを添加しても、耐酸化性改善の効果は飽和し、合金コストが上昇するため、Mo量の上限は、1.00%以下とする。好ましくは0.50%以下である。
Snは高温強度を高める効果をより発現させることができる元素である。このような効果を得るために、Snの下限は0.005%以上必要であり、好ましくは0.010%である。一方、過度に含有させることは、鋼の精錬コスト上昇を招くほか、製造性と鋼の耐食性を低下させる。このためSnの上限は0.200%以下とする。
Bは、使用環境にて酸化皮膜と鋼界面に濃化し、Al系酸化皮膜の形成を促進する。さらに、粒界偏析することによって粒界すべりを遅延させるとともに、結晶粒内において転位密度の上昇に伴う内部応力を高めて0.2%耐力を向上させることができる。これらの効果を得るには0.0005%以上必要となり、好ましくは0.0010%以上である。
さらに、本実施形態の成分組成では、以下の式(1)を満たすものとする。
0.7Nb+Ni+Mo+0.4Ti+0.4Cu+200B≧0.30 ・・・(1)
なお、式(1)中の各元素記号は、鋼中の各元素の含有量(質量%)を示し、元素が含まれないときは0を代入する。
高温強度及び耐酸化性を向上させる視点から、式(1)は、0.35%以上が好ましく、より好ましくは0.40%以上とする。なお、式(1)の上限は、Nb、Ni、Mo、Ti、Cu、Bの上限値で特に規定するものでないが、耐酸化性と製造性の視点から2.4%とすることが好ましい。
次に、結晶粒界における偏析元素の濃度(質量%)について説明する。
上記の知見(c)及び(d)でも述べたように、本実施形態においては、NbとBが結晶粒界において共偏析することによって高温強度の向上を図ることができる。また、Snも同様に、粒界へ偏析することによって、粒界すべりを抑制し高温強度の向上を図ることができる。
これらの観点から、本実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼において、Nbの結晶粒界における濃度(粒界濃度)は、3.0%以上とすることが好ましい。Snを含有する場合には、Snの粒界濃度は1.0%以上とすることが好ましい。一方、NbとSnの過度な粒界偏析は結晶粒界が破壊起点となって製造性を阻害することに加え、高温強度の低下をもたらす場合もある。そのため、Nbの粒界濃度は10.0%以下であることが好ましく、Snの粒界濃度は5.0%以下であることが好ましい。
なお、結晶粒界におけるNb濃度とSn濃度の調整は、仕上げ焼鈍後さらに、所定の条件下で熱処理を行うことで可能である。詳細については後述する。
結晶粒界におけるNb濃度、Sn濃度は、オージェ電子分光法(Auger Electron Spectrometry,AES)によって測定することができる。
まず、酸化皮膜以外の母相の任意箇所から、ノッチ付き試験片(厚さ0.8×幅4×長さ20(mm))を採取する。次に、ノッチ付き試験片を、真空中(真空度:10-6MPa)において液体窒素で冷却したのちに、その場でノッチ部から試験片を破断して破面を露出させる。露出させた破面における結晶粒界についてAES分析を行い、0~1000eVのエネルギー範囲でオージェ電子スペクトルを測定し、検出される元素を同定(定性分析)する。さらに、得られたピーク強度比を用いて(相対感度係数法)、検出元素を定量(定量分析)する。以上の方法によって、結晶粒界に偏析した元素(Nb、Sn)の濃度を求めることができる。
本実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼は、上述してきた元素以外(残部)は、Fe及び不純物からなるが、後述する任意元素についても含有させることができる。よって、Cu、Sb、W、Co、V、Ti、Zr、La、Y、Hf、REM、Ga、Mg、Caの含有量の下限は0%以上である。
なお、本実施形態における「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に鉱石やスクラップ等のような原料をはじめとして製造工程の種々の要因によって混入する成分であり、不可避的に混入する成分である
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、必要に応じて、Cu:1.00%以下、Sb:0.50%以下、W:1.00%以下、Co:0.50%以下、V:0.50%以下、Ti:0.50%以下、Zr:0.50%以下、La:0.100%以下、Y:0.100%以下、Hf:0.100%以下、REM:0.100%以下、Ga:0.0200%以下、Mg:0.0200%以下、Ca:0.0100%以下の1種又は2種以上を含有しているものであってもよい。
Cu、Sb、W、Co、V、Tiは、鋼の高温強度と耐食性を高めるのに有効な元素であり、必要に応じて含有してよい。但し、過度に含有させると合金コストの上昇や製造性を阻害することに繋がるため、Cu、Wの上限は1.00%以下とする。Sbは、鋼表面近傍に濃化してAlの選択酸化を促進し耐食性の向上効果を持つ元素であるため、上限は0.50%以下とした上で含有することが好ましい。Co、Ti、Vの上限は0.50%以下とする。Cu、W、Co、Vのいずれの元素も好ましい含有量の下限は0.10%以上とする。Sb、Tiの好ましい含有量の下限は0.01%以上とする。
Zr、La、Y、Hf、REMは、熱間加工性や鋼の清浄度を向上並びに耐酸化性改善に対しても、従来から有効な元素であり、必要に応じて含有させてよい。但し、本発明の技術思想と合金コストの低減から、これら元素の添加効果に頼るものではない。Zr、La、Y、Hf、REMを含有させる場合、Zrの上限は0.50%、La、Y、Hf、REMの上限はそれぞれ0.100%とする。前記効果を得るためのZrのより好ましい下限は0.01%、La、Y、Hf、REMの好ましい下限は0.001%とする。ここで、REMはLa、Yを除く原子番号58~71に帰属する元素及びSc(スカンジウム)とし、例えば、Ce、Pr、Nd等である。また本実施形態でいうREMとは、原子番号58~71に帰属する元素及びScから選択される1種以上で構成されるものであり、REM量とは、これらの合計量である。
Ga、Mg、Caは、高温強度を高める効果をより発現させることができる元素である。Ga、Mg、Caは、表面近傍に濃化してAlの選択酸化を促進する作用がある。このような効果を得るために、Ga、Mg、Caそれぞれの含有量の下限は0.0002%以上とすることが好ましい。一方、これら元素を過度に含有させることは、鋼の精錬コスト上昇を招くほか、製造性と鋼の耐食性を低下させる。このため、Caの含有量の上限は0.0100%以下、Ga、Mgの上限はいずれも0.0200%以下とする。
本実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼は、上述してきた元素以外は、Fe及び不純物(不可避的不純物)からなるが、以上説明した各元素の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。一般的な不純物元素である前述のP、Sを始め、Bi、Se等は可能な限り低減することが好ましい。一方、これらの元素は、本発明の課題を解決する限度において、その含有割合が制御され、必要に応じて、Bi≦100ppm、Se≦100ppmの1種以上を含有してもよい。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼の金属組織はフェライト単相組織よりなる。これはオーステナイト相やマルテンサイト組織を含まないことを意味している。オーステナイト相やマルテンサイト組織を含む場合は、原料コストが高くなることに加えて、製造時に耳割れ等の歩留まり低下が起こりやすくなるため、金属組織はフェライト単相組織とする。なお鋼中に炭窒化物等の析出物が存在するが、本発明の効果を大きく左右するものではないためこれら析出物は考慮しなくても良い。
なお、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼の形状は特に限定せず、板状、管状、棒状等であってよく、適用する部材のサイズや形態、形状に合わせて適宜決定してよい。
<製造方法>
次に、上述してきた本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であるが、熱間加工、冷間加工及び各熱処理(焼鈍)を組み合わせることで製造でき、必要に応じて、適宜、酸洗やデスケーリングを行ってよい。製造方法の一例として、製鋼-熱間圧延-焼鈍-冷間圧延-焼鈍(仕上げ焼鈍)の各工程を有する製法を採用でき、熱間圧延後の熱処理は700℃超とすることが好ましい。
例えば、熱間圧延後の熱処理を700℃超で行い、デスケ-リングの後に冷間圧延し、続いて700℃超の仕上げ焼鈍とデスケ-リングを施して冷延焼鈍板としてもよい。また、冷間圧延の圧延率は特に規定するものでないが、30~80%の範囲内が好ましい。
さらに、フェライト系ステンレス鋼をガス配管の用途に適用する場合は、鋼板から製造した溶接菅も含まれるが、配管は、溶接菅に限定するものでなく,熱間加工により製造した継ぎ目無し菅でもよい。
熱間加工後の熱処理(熱延板焼鈍)や冷間圧延後の仕上げ焼鈍の温度を700℃超とするのは、鋼を再結晶させて高温強度の上昇に有効なNbやSnを固溶させるためである。しかし、熱間加工後の熱処理や冷間圧延後の仕上げ焼鈍の各処理温度の過度な温度上昇は、結晶粒径が粗大化し、肌荒れなど表面品位の低下に繋がる。したがって、熱間加工後の熱処理や冷間圧延後の仕上げ焼鈍の各処理温度について、好ましくは上限を1050℃以下とする。
仕上げ焼鈍をした後、NbとSnの結晶粒界における濃度を上述した範囲内に調整して高温強度を上昇させるために、さらに熱処理(仕上げ焼鈍後熱処理)を行うことが望ましい。具体的には、仕上げ焼鈍後に、600~700℃へ再加熱して1分超、3h以下保持する熱処理を施しても構わない。なお、本実施形態でいう「保持」とは、600~700℃の範囲内であれば、一定の温度を保った状態でもよいし、当該範囲内を変動していても構わない。すなわち、熱延板焼鈍又は冷間圧延後の仕上げ焼鈍後、鋼板が600~700℃間に存在している時間が合算して1分超、3時間以下であれば、その間の鋼板温度の変動の有無は問わない。また本実施形態でいう鋼板の温度とは、鋼板表面の温度を指す。
仕上げ焼鈍後の熱処理温度が700℃を超える、もしくは仕上げ焼鈍後の熱処理の保持時間が3時間を超えると、長辺1μmを超える粗大なラーベス相(FeNb)が析出しやすく、高温強度の低下を招く場合がある。そのため、仕上げ焼鈍後の熱処理温度の上限は700℃以下、保持時間は3時間以下とする。一方、仕上げ焼鈍後の熱処理温度が600℃未満、もしくは仕上げ焼鈍後の熱処理の保持時間が1分以下では、NbとSnの粒界偏析が進行せずに、十分な高温強度を得られないほか、粒界強度の低下、組織の不安定化によるσ相析出や475℃脆性を生じる場合もある。そのため、仕上げ焼鈍後の熱処理温度の下限は600℃以上、保持時間は1分超とする。
なお、NbとSnの粒界濃度の制御は、仕上げ焼鈍後の熱処理は行わずに仕上げ焼鈍の工程内で調整することも可能である。その際は、仕上げ焼鈍の冷却の際、すなわち700℃超に加熱した後に冷却する際、600~700℃の温度域の通過時間(冷却所要時間)が1分超、3時間以下となるよう制御する。具体的には、600~700℃の温度間における冷却速度を調整することで当該温度間の通過時間を制御することができる。
或いは、700℃超で仕上げ焼鈍後、冷却の際、600~700℃の温度域の通過時間(冷却所要時間)と、仕上げ焼鈍後熱処理で600~700℃に保持する時間(再加熱を繰り返し行う場合も含む)を合算して、1分超3時間以下になるように制御すれば良い。
熱間加工後の熱処理や仕上げ焼鈍、仕上げ焼鈍後熱処理時の雰囲気は特に規定するものではないが、大気中、LNG燃料雰囲気、水素や窒素、アルゴン等を用いた無酸化性雰囲気(光輝焼鈍)であることが好ましい。
以上説明した製造方法により、本実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼を得ることができる。
本実施形態によれば、前記浸炭性/還元性/硫化性改質ガス環境下であっても、高い耐酸化性と優れた高温強度を兼備したフェライト系ステンレス鋼を提供することができる。
またさらに、本実施形態によれば、成分組成の適正化を図ることで、σ相析出や475℃脆性を抑制可能とする優れた組織安定性をも享受することが可能となる。
そのため、都市ガス、メタン、天然ガス、プロパン、灯油、ガソリン等の炭化水素系燃料を水素に改質する際に使用される燃料改質器、熱交換器などの燃料電池部材に好適であり、特に、運転温度が高温となる固体酸化物型燃料電池(SOFC)や固体高分子型燃料電池(PEFC)の高温部材に好適である。さらに、燃料電池の周辺部材、例えばバーナーや当該バーナーを格納する燃焼器等、改質ガスに接しかつ高温の環境下で使用される部材全般において好適に用いることができる。
次に本発明の実施例を示すが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
なお、下記にて示す表中の下線は、本発明の範囲から外れているものを示す。
表1に成分を示す各種フェライト系ステンレス鋼を溶製し(鋼No.A~O)、熱間圧延によって4mm厚の熱延板とした後、熱延板焼鈍(焼鈍温度:900~1000℃)、酸洗、冷間圧延を行い板厚0.8mmの冷延鋼板を製造した。冷間圧延後、900~1000℃で仕上げ焼鈍を行った。なお一部の鋼板(鋼B、E、F及びI)に対しては、仕上げ焼鈍後、さらに表2に示す条件にて熱処理(仕上げ焼鈍後熱処理)を施した。
得られた冷延鋼板(No.1~19)について、Nb及びSnの粒界濃度の測定、並びに各種特性について評価した。
[粒界濃度の測定]
結晶粒系におけるNb濃度、Sn濃度は、オージェ電子分光法によって測定した。
まず冷延鋼板から、ノッチ付き試験片(高さ0.8×幅4.0×長さ20.0(mm))を採取した。次に、ノッチ付き試験片を、真空中(真空度:10-6MPa)において液体窒素で冷却したのちに、破断面が大気に暴露されないようその場でノッチ部を破断し結晶粒界を露出させた。露出させた結晶粒界についてAES分析を行い、0~1000eVのエネルギー範囲でオージェ電子スペクトルを測定し、Nb元素及び、Sn元素を同定(定性分析)した。さらに、得られたピーク強度比を用いて、相対感度係数法にて前記ピーク強度をNbの原子濃度とSnの原子濃度とを定量分析し、結晶粒界に偏析したNb濃度、Sn濃度(ともに質量%)を求めた。表2に求めたNb濃度、Sn濃度を示すが、表中の「<3.0」、「<1.0」は、検出値が3.0%未満、1.0%未満であったことを意味する。
[耐酸化性]
まず冷延鋼板から幅20mm、長さ25mmの酸化試験片を切り出し酸化試験に供した。酸化試験の雰囲気は、都市ガスを燃料とした改質ガスを想定し、25体積%HO-8%体積%CO-8体積%CO2-0.01%HS-bal.Hの雰囲気とした。当該雰囲気において、酸化試験片を650℃に加熱し、1000時間保持した後に室温まで冷却し、酸化増量ΔW(mg/cm)を測定した。
耐酸化性の評価は以下の通りとした。
◎:重量増加ΔWが0.1mg/cm未満
〇:重量増加ΔWが0.1~0.3mg/cm
×:重量増加ΔWが0.3mg/cm
なお、耐酸化性は「◎」及び「〇」の場合を合格とした。
[高温強度]
冷延鋼板から、圧延方向を長手方向とする板状の高温引張試験片(板厚:0.8mm、平行部幅:10.5mm、平行部長さ:35mm)を作製し、750℃、及び800℃それぞれにて、ひずみ速度は、0.2%耐力まで0.3%/min、以降3mm/minとして高温引張試験を行い、各温度における0.2%耐力(750℃耐力、800℃耐力)を測定した(JIS G 0567に準拠)。
高温強度の評価は、750℃耐力が120MPa超、かつ800℃耐力が40MPa超の場合を合格(「〇」)として評価し、いずか一方でも満たさない場合は不合格(「×」)として評価した。なお、750℃耐力が150MPa超、かつ800℃耐力が60MPa超の場合は高温強度が特に優れているものとして評価した(表2中で「◎」表記)。
[組織安定性(σ脆性/475℃脆性)]
冷延鋼板から、板面と垂直な断面上の中心(板厚中心部:t/2付近)を観察できるよう試料を2つ採取して、一方は、500℃×1000時間の熱処理(500℃熱処理)、もう一方は650℃×1000時間の熱処理(650℃熱処理)を行った。これら熱処理の雰囲気はともに大気中とした。次に、熱処理後の各試料を樹脂に埋め研磨した後、500℃熱処理後のビッカース硬さHv(500℃)、650℃熱処理後のビッカース硬さHv(650℃)のそれぞれをJIS Z 2244に準拠して荷重9.8Nで測定し、熱処理前に予め測定しておいた熱処理前ビッカース硬さからの硬さ上昇量ΔHv(500℃)、ΔHv(650℃)を算出した。
組織安定性(σ脆性/475℃脆性)の評価は、ΔHv(500℃)、ΔHv(650℃)ともに20未満のものを合格(「〇」)として評価し、いずか一方でも20以上であった場合は熱処理後の硬さ上昇が大きく組織が不安定であるとして不合格(「×」)とした。
得られた評価結果(粒界濃度の測定、各種特性)は表2の通りである。
No.1~13は、本発明で規定する成分を満たし、すべての特性の評価は「○」あるいは「◎」となったものである。中でも、No.3、7、9、13は、本発明の好適な粒界濃度を満たしている場合であり、顕著な高温強度の向上効果を発現し、その評価は「◎」となった。また、No.2、3、8、9、11は、本発明の好適な成分組成(特に、Cr、Si、Al)を満たしている場合であり、顕著な耐酸化性の向上効果を発現し、その評価は「◎」となった。
鋼No.14~19は、本発明で規定する鋼成分から外れるものであり、本発明の目標とする各特性を両立することができず、いずれかの評価が「×」となった。
Figure 0007233195000001
Figure 0007233195000002
本発明によれば、浸炭性/還元性/硫化性改質ガス環境下であっても、高い耐酸化性と優れた高温強度を兼備したフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法、並びに燃料電池用部材を提供することができる。本発明に係るフェライト系ステンレス鋼は、都市ガス、メタン、天然ガス、プロパン、灯油、ガソリン等の炭化水素系燃料を水素に改質する際に使用される燃料改質器、熱交換器などの燃料電池部材に好適であり、特に、運転温度が高温となる固体酸化物型燃料電池(SOFC)や固体高分子型燃料電池(PEFC)の高温部材に好適である。さらに、燃料電池の周辺部材、例えばバーナーや当該バーナーを格納する燃焼器等、改質ガスに接しかつ高温の環境下で使用される部材全般において好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 質量%にて、
    Cr:12.0~16.0%、
    C:0.020%以下、
    Si:0.50~2.50%
    Mn:1.00%以下、
    P:0.050%以下、
    S:0.0030%以下、
    Al:1.00~3.00%、
    N:0.030%以下、
    Nb:0.05~1.00%、
    Ni:0.05~1.00%、
    Mo:0.05~1.00%、
    Sn:0.005~0.200%、
    B:0.0005~0.0100%、
    Cu:0~1.00%、
    Sb:0~0.50%、
    W:0~1.00%、
    Co:0~0.50%、
    V:0~0.50%、
    Ti:0~0.50%、
    Zr:0~0.50%、
    La:0~0.100%、
    Y:0~0.100%、
    Hf:0~0.100%、
    REM:0~0.100%、
    Ga:0~0.0200%、
    Mg:0~0.0200%、
    Ca:0~0.0100%、
    かつ下記式(1)を満たし、残部がFe及び不純物からなり、
    質量%にて、結晶粒界のNb濃度が3.0~10.0%の範囲であ
    ことを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
    0.7Nb+Ni+Mo+0.4Ti+0.4Cu+200B≧0.30・・・(1)
    なお、式(1)中の各元素記号は、鋼中の各元素の含有量(質量%)を示し、元素が含まれないときは0を代入する。
  2. 質量%にて、前記B:0.0010%以上であることを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  3. 質量%にて、結晶粒界のSn濃度が1.0~5.0%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  4. 質量%にて、前記Si:1.00%以上、前記Al:1.50%以上、前記Nb:0.15%以上であることを特徴とする請求項1~のうちいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  5. 質量%にて、更に、質量%にて、Cu:0.10~1.00%、Sb:0.01~0.50%、W:0.10~1.00%、Co:0.10~0.50%、V:0.10~0.50%、Ti:0.01~0.50%、Zr:0.01~0.50%、La:0.001~0.100%、Y:0.001~0.100%、Hf:0.001~0.100%、REM:0.001~0.100%、Ga:0.0002~0.0200%、Mg:0.0002~0.0200%、Ca:0.0002~0.0100%のうち1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1~のうちいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  6. 燃料改質器、熱交換器あるいは燃料電池部材に適用されることを特徴とする請求項1~のうちいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  7. 燃焼器、あるいはバーナーの部材に適用されることを特徴とする請求項1~のうちいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  8. 請求項1、2、、又はのうちいずれか1項に記載の組成を有するステンレス鋼材を熱間加工した後、700℃超で熱処理し、次いで冷間加工を行い、700℃超の仕上げ焼鈍を行い、その後、600~700℃の温度範囲内で1分超、3時間以下保持する熱処理を施すことを特徴とする請求項1~のうちいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼の製造方法。
  9. 請求項1、2、4、又は5のうちいずれか1項に記載の組成を有するステンレス鋼材を熱間加工した後、700℃超で熱処理し、次いで冷間加工を行い、700℃超の仕上げ焼鈍を行い、仕上げ焼鈍における700℃超からの冷却の際、600~700℃の温度域での保持時間を1分超、3時間以下とすることを特徴とする請求項1~7のうちいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼の製造方法。
  10. 請求項1~のうちいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼を用いた燃料電池用部材。
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