JP6765287B2 - フェライト系ステンレス鋼とその製造方法、及び燃料電池部材 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼とその製造方法、及び燃料電池部材 Download PDF

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Description

本発明は、都市ガス、メタン、天然ガス、プロパン、灯油、ガソリン等の炭化水素系燃料を水素に改質する際に使用される改質器、熱交換器などの燃料電池高温部材に好適なフェライト系ステンレス鋼、およびその製造方法に関する。特に、改質ガス環境を含む高温環境下において、材料損傷を抑止した耐クリープ強さ、ならびに耐酸化性が要求される固体酸化物型燃料電池(SOFC)の高温部材に好適である。
最近、石油を代表とする化石燃料の枯渇化、CO2排出による地球温暖化現象等の問題から、従来の発電システムに替わる新しいシステムの普及が加速している。その1つとして、分散電源,自動車の動力源としても実用的価値が高い「燃料電池」が注目されている。燃料電池にはいくつかの種類があるが、その中でも固体高分子型燃料電池(PEFC)や固体酸化物型燃料電池(SOFC)はエネルギー効率が高く、将来の普及拡大が有望視されている。
燃料電池は、水の電気分解と逆の反応過程を経て電力を発生する装置であり、水素を必要とする。水素は、都市ガス(LNG)、メタン、天然ガス、プロパン、灯油、ガソリン等の炭化水素系燃料を、触媒の存在下で改質反応させることにより製造される。中でも都市ガスを原燃料とする燃料電池は、都市ガス配管が整備された地区において水素を製造できる利点がある。
燃料改質器は、水素の改質反応に必要な熱量を確保するため、通常、200〜900℃までの高温下で運転される。更に、このような高温運転下において、多量の水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素等を含む酸化性の雰囲気に曝され、水素の需要に応じて起動・停止による加熱・冷却サイクルが繰り返される。これまで、このような過酷な環境下において、十分な耐久性を有する実用材料として、SUS310S(25Cr−20Ni)に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼が使用されてきた。将来、燃料電池システムの普及拡大に向けて、コスト低減は必要不可欠であり、使用材料の最適化による合金コストの低減は重要な課題である。
上述した背景から、アルミナの高い耐酸化性を有するAl含有フェライト系ステンレス鋼の燃料改質器への適用が開示されている。
特許文献1には、Cr:8〜35%、C:0.03%以下、N:0.03%以下、Mn:1.5%以下、Si:0.8〜2.5%及び/又はAl:0.6〜6.0%であり、更にNb:0.05〜0.80%、Ti:0.03〜0.50%、Mo:0.1〜4%、Cu:0.1〜4%の1種又は2種以上を含み、Si及びAlの合計量が1.5%以上に調整された組成を有する石油系燃料改質器用フェライト系ステンレス鋼が開示されている。このステンレス鋼は、200〜900℃の温度域で材料を繰り返し加熱・冷却する熱疲労試験において(拘束率50%)、初期の最大引張応力が3/4まで低下する破損繰り返しが500cyc以上であることを特徴としている。また、耐酸化性は石油系燃料改質器が曝される雰囲気を想定し、50体積%H2O+20体積%CO2、及び50体積%H2O+10ppmSO2中で評価されている。
特許文献2には、Cr:8〜25%、C:0.03%以下、N:0.03%以下、Si:0.1〜2.5%、Mn:1.5%以下、Al:0.1〜4%を含み、更にNb:0.05〜0.80%、Ti:0.03〜0.5%、Mo:0.1〜4%、Cu:0.1〜4%の1種又は2種以上を含むアルコール系燃料改質器用フェライト系ステンレス鋼が開示されている。このステンレス鋼は、200〜900℃の温度域で材料を繰り返し加熱・冷却する熱疲労試験において(拘束率100%)、初期の最大引張応力が3/4まで低下する破損繰り返しが1000cyc以上であることを特徴としている。また、耐酸化性はアルコール系燃料改質器が曝される雰囲気を想定し、50体積%H2O+20体積%CO2中で評価されている。
特許文献3には、Cr:12〜20%、C:0.03%以下、N:0.03%以下、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.95〜1.5%、Al:1.5%以下とし、Nb:0.1〜0.8、Mo:0.1〜4%、Cu:0.1〜4.0の1種又は2種以上を含み、A=Cr+Mn+5(Si+Al)で定義されるA値が15〜25の範囲に調整された炭化水素系燃料改質器用フェライト系ステンレス鋼が開示されている。このステンレス鋼は、200〜900℃の温度域で材料を繰り返し加熱・冷却する熱疲労試験において(拘束率100%)、初期の最大引張応力が3/4まで低下する破損繰り返しが800cyc以上であることを特徴としている。また、耐酸化性は炭化水素系燃料改質器が曝される雰囲気を想定し、50体積%H2O+20体積%CO2中で評価されている。
特許文献4には、C:0.02%未満、Si:0.15〜0.7%、Mn:0.3%以下、P:0.035%以下、S:0.003%以下、Cr:13〜20%、Al:1.5〜6%、N:0.02%以下、Ti:0.03〜0.5%、Nb:0.001〜0.1%以下、鋼中の固溶Ti量を[Ti]、鋼中の固溶Nb量を[Nb]とし、13≦Cr≦16の場合は0≦[Ti]≦[Nb]+0.05、0<[Nb]≦0.10を満たし、16<Cr≦20の場合は0≦[Ti]≦1/2×[Nb]+0.15、[Ti]≦0.12、0<[Nb]≦0.1を満足することを特徴とする燃料電池用Al含有フェライト系ステンレス鋼が開示されている。このステンレス鋼は、750℃、初期応力10MPaのクリープ破断時間が4000h以上であることを特徴としている。また、耐酸化性は1050℃、20体積%H2O+20体積%O2中(残部窒素)で評価されている。
特許文献5には、C:0.001〜0.03%、Si:0.01〜2%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.005〜0.05%、S:0.0001〜0.01%、Cr:16〜30%、N:0.001〜0.03%、Al:0.8〜3%、Sn:0.01〜1%を含み、800℃での0.2%耐力が40MPa以上、引張強さ60MPa以上であることを特徴とする耐酸化性と高温強度に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼板が開示されている。このステンレス鋼の耐酸化性は1050℃、大気中で評価されている。
フェライト系ステンレス鋼を燃料改質器や燃料電池システムの高温部材へ適用するには、高温使用時に変形が少ないことが必要になる。このような視点から、特許文献1〜3は熱疲労試験により材料が破損するサイクル数、特許文献4はクリープ試験で材料が破断する時間、特許文献5は高温引張試験で測定される高温強度を、それぞれ評価対象としている。実際の使用環境では高温で長時間使用されることから、クリープ特性が評価指標として最適であることが予測されるが、そのような観点での検討は特許文献4のみである。
フェライト系耐熱鋼のクリープ特性を向上させる手法としては、これまで多くの技術が開示されているが、添加元素としてBが有効であることが知られている。
特許文献6には、C:0.01〜0.05%、Si:0.01〜0.8%、Mn:2%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Cr:8〜13%、Ni:0.1〜2.0%、W単独またはWとMoを複合添加で0.50〜2.5%、V:0.05〜0.30%、Nb:0.02〜0.20%、B:0.001〜0.01%、Al:0.005〜0.20%、N:0.01〜0.06%を含有することを特徴とする溶接部の靭性に優れたフェライト系耐熱鋼が開示されている。
特許文献7には、C:0.001〜0.03%、Si:0.01〜2%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.005〜0.05%、S:0.0001〜0.01%、Cr:16〜30%、N:0.001〜0.03%、Al:0.8%超〜3%、Sn:0.01〜1%、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、800℃での0.2%耐力が40MPa以上であって、引張強さが60MPa以上であることを特徴とする耐酸化性と高温強度に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼板とその製造方法が開示されている。
特許文献8には、C:0.01以上0.08%未満、N:0.01〜0.10%、Si:0.50%以下、Mn:0.05〜0.50%、Cr:8.00〜13.00%、W:1.50%超〜3.50%、Mo:0.50%以下、V:0.10〜0.30%、Nb:0.01〜0.15%、さらにNi:0.20%以下、Co:0.20%以下、Cu:0.20%以下、B:0.0010〜0.0100%に制限することを特徴とする高温クリープ強度に優れた高クロムフェライト系耐熱鋼が開示されている。
またAl含有フェライト系ステンレス鋼においてSnがクリープ特性に及ぼす影響についてはこれまで明らかにされていない。
特許第3886785号公報 特許第3910419号公報 特許第3942876号公報 特許第5544106号公報 特許第5709570号公報 特許第3475621号公報 特許第5709570号公報 特許第3869908号公報
近年、普及拡大が期待されるSOFCシステムの場合、燃料改質器、熱交換器などの部品は500〜800℃の温度域で連続運転される。従って、これら部位に使用されるAl含有フェライト系ステンレス鋼は、高温運転中のクリープ変形、特に構造体としての耐久性向上の視点から、700℃付近の僅かな変形を抑止することが重要な課題と位置付けられている。
特許文献1〜5に開示された鋼材は、材料の破損・破壊に対する寿命を上昇させたものであり、高温運転中の僅かなクリープ変形に対する有効性については、一切検討されていない。更に、このようなクリープ強さに効果的な微量元素の作用効果についても何ら言及されていない。一方、特許文献6及び特許文献7に開示されている技術の対象は、金属組織が焼戻しマルテンサイト組織であり、そのような金属組織のもとでは、微量元素が炭化物の安定化及び粒界強化に寄与してクリープ特性を向上させると考えられている。
ところがSOFCに用いられるAl含有フェライト系ステンレス鋼は、マルテンサイト変態を生じないフェライト単相組織であり、且つ、Al含有ステンレス鋼におけるクリープ特性向上を示唆する技術に関する記載は見当たらない。
一方、クリープ特性は、鋼材の結晶方位(集合組織)の影響を受けることが知られている。この原因として、活動すべり系と引張方向の角度が重要な因子として考えられている(例えばL.A.del Valleら:Acta Materialia, 55(2007), p455-466参照)。
各活動すべり系の変形応力(臨界分解せん断応力)は添加元素によって異なるため、集合組織制御によってクリープ特性の向上を図る場合、鋼成分によってクリープ特性に最適な集合組織が異なることが予測される。
以上に述べた通り、改質ガスを含む高温環境下の耐久性として重要なクリープ特性について、集合組織を制御して実現した燃料電池用フェライト系ステンレス鋼は、未だ出現していない。
本発明は、燃料電池用各種部材等の構造材として好適な、クリ−プ特性の良好なAl含有フェライト系ステンレス鋼を提供することを目的としてなされた発明であり、以下に記載するとおりの事項を要旨とする。
(1)質量%にて、Cr:11〜25%、C:0.001%以上0.03%以下、Si:0.01%以上2.0%以下、Mn:0.01%以上2.0%以下、Al:0.5%以上4.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、N:0.03%以下を含有し、更に、必要に応じて、Ti:1%以下と、Nb:1%以下の1種または2種以上を含み、かつB:0.0005%以上0.0025%以下と、Sn:0.005%以上0.5%以下の1種または2種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、{211}<011>方位のランダム強度比が2.5以上である集合組織を持つことを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
(2)質量%にて、更に、Ni:1%以下、Cu:1%以下、Mo:2%以下、W:1%以下、Co:0.5%以下、V:0.5%以下、Ca:0.005%以下、Mg:0.005%以下、Zr:0.5%以下、Sb:0.5%以下、La:0.1%以下、Y:0.1%以下、Hf:0.1%以下、REM:0.1%以下の1種または2種以上を含有していることを特徴とする上記(1)に記載のフェライト系ステンレス鋼。
(3)上記(1)〜(2)のいずれかに記載の組成を有する鋼を製造するに際し、熱間圧延後、700℃超で行われる熱処理を省略し、その後に圧延率25〜70%の冷間圧延と熱処理を組み合わせることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼の製造方法。
(4)上記(1)〜(2)のいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼を用いた燃料電池用部材。
2種の鋼の{211}<011>ランダム強度比と最小クリープ速度ε’(%/h)の関係を示すグラフである。
本発明者らは、前記した課題を解決するために、Al含有フェライト系ステンレス鋼の成分組成、集合組織とクリープ特性の関係について鋭意実験と検討を重ね、本発明を完成させた。以下に本発明で得られた知見について説明する。
(a)Al含有フェライト系ステンレス鋼冷延焼鈍板のクリープ特性と結晶方位の関係を調査した結果、{211}<011>({ }は板面に垂直な方向(ND)、< >は圧延方向に平行な方向(RD))のランダム強度比と良い相関があることを初めて知見した。図1に18%Cr鋼と18%Cr−2%Alをベースにした鋼の{211}<011>ランダム強度比と最小クリープ速度ε’(%/h)の関係を示す。クリープ試験片は、圧延方向と平行方向に採取し、クリープ試験は板状試験片を用いて、JIS Z 2271に準拠し、温度750℃、応力10MPaで実施した。ランダム強度比は、(200),(110),(111)面の反射X線解析結果より3次元表示図(ODF)を作製し、φ2=45°断面における{211}<011>位置の強度より算出した。図より、18%Cr−2%Al鋼においてのみ{211}<011>強度比が2.5を超えると顕著にクリープ速度が低下する、すなわちクリープ特性が向上する。
(b){211}<011>のランダム強度比は、製造工程(条件)により変化するが、特に、熱延後の熱処理条件及び冷延率によって大きく変化する。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
(I)成分の限定理由を、以下に説明する。
Crは、耐食性、クリープ特性及び耐酸化性を向上する元素である。本発明においては、11%未満では目標とするクリープ特性、並びに耐酸化性が十分に確保されない。従って、下限は11%とする。しかし、過度なCrの添加は、高温雰囲気に曝された際、脆化相であるσ相の生成を助長することに加え、合金コストの上昇を招くため、上限は25%とする。基本特性及び耐酸化性、製造性の点から、好ましい範囲は13〜22%である。より好ましい範囲は、16〜20%である。
Cは、耐食性を劣化させるため、少ないほど好ましく、上限を0.03%とする。但し、過度な低減は精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.001%とする。クリープ特性、耐酸化性と製造性の点から、好ましい範囲は0.002〜0.02%である。
Siは、耐酸化性を向上する元素である。この効果を得るために下限は0.01%とする。一方、過度な添加は、鋼の靭性や加工性の低下、ならびに本発明の目標とするAl系酸化皮膜の形成を阻害する場合もあるため、上限は2%とする。耐酸化性、製造性及び成形性の点から、1%以下が好ましい。Siの効果を積極的に活用する場合は0.3〜1%の範囲とすることが好ましい。
Mnは、改質ガス環境下で、Siと共に酸化皮膜中に固溶して、保護性を高める。この効果を得るために下限は0.01%とする。一方、過度な添加は、鋼の耐食性や本発明の目標とするTiやAl系酸化皮膜の形成を阻害するため、上限は2%以下とする。耐酸化性と基本特性の点から、1%以下が好ましい。Mnの効果を積極的に活用する場合は0.2〜1%の範囲とすることが好ましい。
Alは、脱酸元素に加えて、本発明の目標とするAl系酸化皮膜を形成して、Cr蒸発を抑止するために必須の添加元素である。また本発明においては、集合組織との組み合わせでクリープ特性を確保する重要な元素である。0.5%未満では目標とするCr蒸発の抑止効果が得られない。従って、下限は0.5%とする。しかし、過度なAlの添加は、集合組織との組み合わせによるクリープ特性向上効果が発揮されないばかりか、鋼の靭性や溶接性の低下を招き生産性を阻害するため、上限は4.0%とする。本発明のCr蒸発抑止及びクリープ特性の点から、好適な範囲は1.0〜3.5%である。製造上より好ましい範囲は、1.5〜2.5%である。
Pは、製造性や溶接性を阻害する元素であり、その含有量は少ないほど良いため、上限は0.05%とする。但し、過度な低減は精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.003%とすることが好ましい。製造性と溶接性の点から、好ましい範囲は0.005〜0.04%、より好ましくは0.01〜0.03%である。
Sは、鋼中に含まれる不可避的不純物元素であり、本発明の目標とするAl系皮膜の保護性を低下させる。特に、Mn系介在物や固溶Sの存在は、高温・長時間使用におけるAl系酸化皮膜の破壊起点としても作用する。従って、S量は低いほど良いため、上限は0.01%とする。但し、過度の低減は原料や精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.0001%とする。製造性と耐酸化性の点から、好ましい範囲は0.0001〜0.002%、より好ましくは0.0002〜0.001%である。
Nは、Cと同様に本発明の目標とする耐酸化性を阻害する。このため、N量は少ないほど好ましく、上限を0.03%とする。但し、過度な低減は精錬時間の長時間化等コストの上昇に繋がるため、下限は0.002%とすることが好ましい。耐酸化性と製造性の点から、好ましい範囲は0.005〜0.02%である。
Ti、Nbは1種または2種を下記のように添加する。
Tiは、C,Nを固定する安定化元素の作用による鋼の高純度化を通じて、クリープ特性及び耐酸化性を向上させる。これらの効果を得るために下限は0.01%とすることが好ましい。一方、過度な添加は合金コストの上昇や再結晶温度上昇に伴う製造性の低下や耐酸化性の低下にも繋がるため、上限は1.0%とする。合金コストや製造性ならびに耐酸化性の点から、好ましい範囲は0.05〜0.5%である。更に、Tiの効果を積極的に活用する好適な範囲は0.1〜0.4%である。
Nbは、C,Nを固定する安定化元素の作用による鋼の高純度化を通じてクリープ特性及び耐酸化性を向上させる。これらの効果を得るために下限は0.01%とすることが好ましい。一方、過度な添加は合金コストの上昇や再結晶温度上昇に伴う製造性の低下や耐酸化性の低下にも繋がるため、上限は1.0%とする。合金コストや製造性ならびに耐酸化性の点から、好ましい範囲は0.05〜0.5%である。更に、Nbの効果を積極的に活用する好適な範囲は0.2〜0.6%である。
B、Snは1種または2種を下記のように添加する。
Bは、クリープ特性に加えて二次加工性を向上させる効果を持つ。それらの向上効果が発揮されるのは0.0005%以上の添加であるため、これを下限とする。一方、過度の添加は製造性、特に連続鋳造時の生産性の劣化を招くことに加えて、クリープ特性向上効果は飽和するため、0.0025%を上限とする。好ましい範囲は0.0005〜0.0012%である。
Snは、クリープ特性を向上させる効果を有し、環境によっては耐食性向上効果を有する元素である。それらの効果は0.005%以上で発揮されるため、これを下限とする。一方、多量の添加は製造性の劣化を招くため、0.5%を上限とする。製造性を考慮して好ましい範囲は0.008〜0.12%である。
Ni、Cu、Mo、W、Co、Vは、当該部材の高温強度と耐食性を高めるのに有効な元素であり、必要に応じて添加する。但し、過度な添加は合金コストの上昇や製造性を阻害することに繋がるため、Ni、Cu、Wの上限は1%とする。Moは、熱膨張係数の低下による高温変形の抑制にも有効な元素であることから、上限は2%とする。Co、Vの上限は0.5%とする。いずれの元素もより好ましい含有量の下限は0.1%とする。
Ca、Mgは、熱間加工性や2次加工性を向上させる元素であり、必要に応じて添加する。但し、過度な添加は製造性を阻害することに繋がるため、上限は、それぞれ0.005%とする。好ましい下限は、それぞれ0.0001%とする。
Zr、Sb、La、Y、Hf、REMは、熱間加工性や鋼の清浄度を向上ならびに耐酸化性改善に対して有効な元素であり、必要に応じて添加しても良い。但し、本発明の技術思想と合金コストの低減から、これら元素の添加効果に頼るものではい。添加する場合、Zr、Sbの上限は0.5%、La、Y、Hf、REMの上限はそれぞれ0.1%とする。Zrのより好ましい下限は0.01%、La、Y、Hf、REMの好ましい下限は0.001%とする。ここで、REMは原子番号57〜71に帰属する元素であり、例えば、Ce、Pr、Nd等である。
以上説明した各元素の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることが出来る。Bi、Pb、Se、H、Ta等は可能な限り低減することが好ましい。一方、これらの元素は、本発明の課題を解決する限度において、その含有割合が制御され、必要に応じて、Bi≦100ppm、Pb≦100ppm、Se≦100ppm、H≦100ppm、Ta≦500ppmの1種以上を含有してもよい。
次に、集合組織について説明する。
{211}<011>のランダム強度比を2.5以上とする。ランダム強度比の測定は、板厚(t)の中心(t/2)、3t/8、t/4、t/8において、反射X線を用いてODF(集合組織の3次元表記)を作成し、ODFのφ2=45°断面におけるφ1=0°、Φ=30°におけるランダム強度比を読み取り、平均化して求めれば良い。もしくはEBSDを用いて全板厚を含む断面(L断面(TD方向に垂直な面)もしくはC断面(RD方向に垂直な面))において結晶方位を測定し、解析ソフト上でODFを作製して上記の方法で求めても良い。但し、EBSD法では、X線と異なり、一般的に測定範囲が狭いので、全板厚で、幅もしくは圧延長手方向に3mm以上の広い範囲を測定し、平均的な値を得る必要がある。
{211}<011>方位のランダム強度比は、通常の焼鈍板であると0.5以下である。この値を2.5以上とするためには、後述の製造方法の工夫が必要である。
次に、製造方法について以下に説明する。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、熱間圧延後、冷間圧延と熱処理を組み合わせる工程で製造する。
なお、本発明において、「熱処理」とは、対象となる材料を人為的に加熱し、一定時間保持する操作を指す。ただし、材料は、冷間圧延時の加工発熱によって、100℃前後にまで昇温・加熱されるが、この冷間圧延による昇温・加熱は、熱処理には含まれないものとする。
従来、熱間圧延後に700℃超で行われていた熱処理は省略する。熱処理を700℃超の温度で実施すると、本発明において重要な集合組織が得られないばかりか、冷間圧延工程において靭性が劣化し、耳割れや板破断が生じるためである。
冷間圧延前には酸洗もしくはコイルグラインダにより表面スケールを除去する。冷間圧延率は25〜70%とする。冷間圧延率が25%未満であると、{211}<011>のランダム強度比が2.5未満になるため、これを下限とした。また70%以上の場合も{211}<011>のランダム強度比を満足しない。冷間圧延の生産性及び表面特性を考慮すると、冷間圧延率は33%〜67%の範囲が好ましい。また冷間圧延後の熱処理温度は、特には規定しないが、850℃〜1000℃の範囲が好ましい。また熱処理時の雰囲気は特に規定するものではないが、熱処理後の表面酸洗性を考慮すると、BA(光輝焼鈍)雰囲気であることが好ましい。
本発明により、クリープ特性に優れた鋼が得られる理由については鋭意研究中であるが、現在のところ次のように考えている。
集合組織とクリープ特性の関係については前述したとおりであるが、本願発明のようなAlを比較的多く含有する鋼においては、鋼中の活動すべり系、並びに転位の蓄積形態が、Al無添加鋼と異なると予測している。鋼中にSiを多量に添加した場合は活動すべり系が変化することが公知(例えばBarrett et al : Trans. ASM 25(1937), 702)である。
Alは、周期律表においてSiの隣に位置しており、Siに近い効果を発揮する可能性が高い。したがって、鋼にAlを添加した場合に、活動すべり系が変化したと推察される。すなわち、本発明においてはAlを含有することによって活動すべり系が変化し、特に、{211}<011>方位において良好なクリープ特性が得られたと考えられる。
本発明は、上記のようにAlを含有したフェライト系ステンレス鋼において、特有の結晶方位(集合組織)を制御することにより、クリープ特性を高めた点が重要なポイントである。
以下に、本発明の実施例について述べる。
表1に成分を示す各種フェライト系ステンレス鋼を溶製し、熱間圧延、焼鈍酸洗、冷間圧延を行い、表2に示す条件で、板厚0.8〜2.0mmの冷延鋼板を製造した。得られた鋼板のL断面より、EBSDを用いて全板厚×長さ3mmの範囲において結晶方位を測定し、{211}<011>のランダム強度比を求めた。
Figure 0006765287
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クリープ試験は、JIS Z 2271準拠する定荷重試験とし、平行部10mm、幅で35mm長さの板状試験片を用いた。試験条件は、750℃、初期応力10MPaとし、本発明の課題である僅かな高温変形に関わる耐クリープ強さを評価するために、最小クリープ速度を評価した。最小クリープ速度が5.0×10-3(%/h)より小さくなった場合にクリープ特性が良好であると評価した。
得られた結果を表2に併記した。本発明で規定する成分、及び金属組織を満たした本発明例は、高いクリープ特性を満足している。表2中のNo.1〜27は、鋼成分が本発明範囲内にあり、製造条件(熱延板焼鈍温度及び冷間圧延率)が本発明を満たすもの(No.2,4,6,8,11,15,17,20,23及び25)が良好なクリープ特性を示している。No.28〜39は、鋼成分が本発明範囲外となっている。すなわち、No.28,29,37,38は、集合組織が本発明範囲にあるが、Al量が本発明範囲外であるため、クリープ特性は不良である。No.31,34,35はB、もしくはSnが本発明外であるため、集合組織は本発明範囲にあるが、クリープ特性は不良である。
本発明によれば、クリ−プ特性の良好なAl含有フェライト系ステンレス鋼を提供することが出来る。本鋼材は燃料電池改質器用に適した材料である。

Claims (3)

  1. 質量%にて、Cr:11〜25%、C:0.001%以上0.03%以下、Si:0.01%以上2.0%以下、Mn:0.01%以上2.0%以下、Al:0.5%以上4.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、N:0.03%以下を含有し、更に、必要に応じて、Ti:1%以下と、Nb:1%以下の1種または2種以上を含み、かつB:0.0005%以上0.0025%以下と、Sn:0.005%以上0.5%以下の1種または2種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、{211}<011>方位のランダム強度比が2.5以上である集合組織を持つことを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
  2. 質量%にて、更に、Ni:1%以下、Cu:1%以下、Mo:2%以下、W:1%以下、Co:0.5%以下、V:0.5%以下、Ca:0.005%以下、Mg:0.005%以下、Zr:0.5%以下、Sb:0.5%以下、La:0.1%以下、Y:0.1%以下、Hf:0.1%以下、REM:0.1%以下の1種または2種以上を含有していることを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  3. 請求項1〜2のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼を用いた燃料電池用部材。
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