JP6765287B2 - フェライト系ステンレス鋼とその製造方法、及び燃料電池部材 - Google Patents
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Description
またAl含有フェライト系ステンレス鋼においてSnがクリープ特性に及ぼす影響についてはこれまで明らかにされていない。
各活動すべり系の変形応力(臨界分解せん断応力)は添加元素によって異なるため、集合組織制御によってクリープ特性の向上を図る場合、鋼成分によってクリープ特性に最適な集合組織が異なることが予測される。
本発明は、燃料電池用各種部材等の構造材として好適な、クリ−プ特性の良好なAl含有フェライト系ステンレス鋼を提供することを目的としてなされた発明であり、以下に記載するとおりの事項を要旨とする。
(2)質量%にて、更に、Ni:1%以下、Cu:1%以下、Mo:2%以下、W:1%以下、Co:0.5%以下、V:0.5%以下、Ca:0.005%以下、Mg:0.005%以下、Zr:0.5%以下、Sb:0.5%以下、La:0.1%以下、Y:0.1%以下、Hf:0.1%以下、REM:0.1%以下の1種または2種以上を含有していることを特徴とする上記(1)に記載のフェライト系ステンレス鋼。
(3)上記(1)〜(2)のいずれかに記載の組成を有する鋼を製造するに際し、熱間圧延後、700℃超で行われる熱処理を省略し、その後に圧延率25〜70%の冷間圧延と熱処理を組み合わせることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼の製造方法。
(4)上記(1)〜(2)のいずれかに記載のフェライト系ステンレス鋼を用いた燃料電池用部材。
(b){211}<011>のランダム強度比は、製造工程(条件)により変化するが、特に、熱延後の熱処理条件及び冷延率によって大きく変化する。
Tiは、C,Nを固定する安定化元素の作用による鋼の高純度化を通じて、クリープ特性及び耐酸化性を向上させる。これらの効果を得るために下限は0.01%とすることが好ましい。一方、過度な添加は合金コストの上昇や再結晶温度上昇に伴う製造性の低下や耐酸化性の低下にも繋がるため、上限は1.0%とする。合金コストや製造性ならびに耐酸化性の点から、好ましい範囲は0.05〜0.5%である。更に、Tiの効果を積極的に活用する好適な範囲は0.1〜0.4%である。
Nbは、C,Nを固定する安定化元素の作用による鋼の高純度化を通じてクリープ特性及び耐酸化性を向上させる。これらの効果を得るために下限は0.01%とすることが好ましい。一方、過度な添加は合金コストの上昇や再結晶温度上昇に伴う製造性の低下や耐酸化性の低下にも繋がるため、上限は1.0%とする。合金コストや製造性ならびに耐酸化性の点から、好ましい範囲は0.05〜0.5%である。更に、Nbの効果を積極的に活用する好適な範囲は0.2〜0.6%である。
Bは、クリープ特性に加えて二次加工性を向上させる効果を持つ。それらの向上効果が発揮されるのは0.0005%以上の添加であるため、これを下限とする。一方、過度の添加は製造性、特に連続鋳造時の生産性の劣化を招くことに加えて、クリープ特性向上効果は飽和するため、0.0025%を上限とする。好ましい範囲は0.0005〜0.0012%である。
Snは、クリープ特性を向上させる効果を有し、環境によっては耐食性向上効果を有する元素である。それらの効果は0.005%以上で発揮されるため、これを下限とする。一方、多量の添加は製造性の劣化を招くため、0.5%を上限とする。製造性を考慮して好ましい範囲は0.008〜0.12%である。
{211}<011>のランダム強度比を2.5以上とする。ランダム強度比の測定は、板厚(t)の中心(t/2)、3t/8、t/4、t/8において、反射X線を用いてODF(集合組織の3次元表記)を作成し、ODFのφ2=45°断面におけるφ1=0°、Φ=30°におけるランダム強度比を読み取り、平均化して求めれば良い。もしくはEBSDを用いて全板厚を含む断面(L断面(TD方向に垂直な面)もしくはC断面(RD方向に垂直な面))において結晶方位を測定し、解析ソフト上でODFを作製して上記の方法で求めても良い。但し、EBSD法では、X線と異なり、一般的に測定範囲が狭いので、全板厚で、幅もしくは圧延長手方向に3mm以上の広い範囲を測定し、平均的な値を得る必要がある。
{211}<011>方位のランダム強度比は、通常の焼鈍板であると0.5以下である。この値を2.5以上とするためには、後述の製造方法の工夫が必要である。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、熱間圧延後、冷間圧延と熱処理を組み合わせる工程で製造する。
なお、本発明において、「熱処理」とは、対象となる材料を人為的に加熱し、一定時間保持する操作を指す。ただし、材料は、冷間圧延時の加工発熱によって、100℃前後にまで昇温・加熱されるが、この冷間圧延による昇温・加熱は、熱処理には含まれないものとする。
従来、熱間圧延後に700℃超で行われていた熱処理は省略する。熱処理を700℃超の温度で実施すると、本発明において重要な集合組織が得られないばかりか、冷間圧延工程において靭性が劣化し、耳割れや板破断が生じるためである。
集合組織とクリープ特性の関係については前述したとおりであるが、本願発明のようなAlを比較的多く含有する鋼においては、鋼中の活動すべり系、並びに転位の蓄積形態が、Al無添加鋼と異なると予測している。鋼中にSiを多量に添加した場合は活動すべり系が変化することが公知(例えばBarrett et al : Trans. ASM 25(1937), 702)である。
Alは、周期律表においてSiの隣に位置しており、Siに近い効果を発揮する可能性が高い。したがって、鋼にAlを添加した場合に、活動すべり系が変化したと推察される。すなわち、本発明においてはAlを含有することによって活動すべり系が変化し、特に、{211}<011>方位において良好なクリープ特性が得られたと考えられる。
Claims (3)
- 質量%にて、Cr:11〜25%、C:0.001%以上0.03%以下、Si:0.01%以上2.0%以下、Mn:0.01%以上2.0%以下、Al:0.5%以上4.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、N:0.03%以下を含有し、更に、必要に応じて、Ti:1%以下と、Nb:1%以下の1種または2種以上を含み、かつB:0.0005%以上0.0025%以下と、Sn:0.005%以上0.5%以下の1種または2種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、{211}<011>方位のランダム強度比が2.5以上である集合組織を持つことを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
- 質量%にて、更に、Ni:1%以下、Cu:1%以下、Mo:2%以下、W:1%以下、Co:0.5%以下、V:0.5%以下、Ca:0.005%以下、Mg:0.005%以下、Zr:0.5%以下、Sb:0.5%以下、La:0.1%以下、Y:0.1%以下、Hf:0.1%以下、REM:0.1%以下の1種または2種以上を含有していることを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼。
- 請求項1〜2のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼を用いた燃料電池用部材。
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