以下、本発明の荷役架台及び転落防止装置の各実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明の荷役架台は、トラック等の輸送自動車への貨物及び荷物等の積み卸し(荷役)を行うために、作業者の足場として用いられるものである。また、本発明の区画装置は、荷役作業の際に作業者や貨物が輸送自動車の荷台から転落することを防止するためのものである。
≪第一実施形態≫
図1は、本発明の第一実施形態にかかる荷役架台10を示している。荷役架台10は、トラック2へ積載された貨物をトラック2の荷台4から降ろす際に、あるいは、トラック2の荷台4へ貨物を積載する際に、作業者が往来するための作業台である。荷役架台10は、図2に示すとおり、長尺の外観を有し、長手方向に並行してトラック2を停止させて荷役作業に用いられる。
荷役架台10は、図2(a)に示すとおり、架台本体20、第一可動台50、第一ガイド機構60a,60b,60c、主動部70及び動力伝達機構80a,80bを有している。
荷役架台10は、図2(c)に示すように、架台本体20から突出するように、第一可動台50を距離L1に亘って移動可能とされている。また、第一可動台50は、第一ガイド機構60a,60b,60cによりガイドされつつ、動力伝達機構80a,80bにより動力が伝達されて、架台本体20の幅方向である第一方向X1(第一の方向)に向けて突出するように移動可能とされている。そのため、図1に示すように、トラック2が荷役架台10と並行して停車した状態において架台本体20と荷台4との間に存在する隙間を、第一可動台50がトラック2に向けてスライドして隙間を閉塞することができる。これにより、荷役架台10は、作業者が荷台4から転落することを防止することができる。
以下、荷役架台10の各構成について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、架台本体20は、作業者が荷役架台10へ昇降して、トラック2への荷役を行う足場として機能する。図2に示すように、架台本体20は、作業台22、6本の支柱24,25,26,27,28,29や、梁30,31、手摺34、階段32等を有している。
架台本体20は、支柱24,25,26,27,28,29及び梁30,31を組み立てて骨組みが構成され、作業台22を支持している。また、作業台22は、6本の支柱24,25,26,27,28,29により支えられて荷台4の床面と略同じ高さに配設される。これにより、荷台4の床面と作業台22との間を、作業者が難なく往来可能となる。また、作業台22は、作業者の荷役作業における主な往来スペースとして機能する。
図4(b)に示すように、荷役架台10の長手方向略中央に配置される支柱25は、後述する第一可動台50を貫通して配置される。支柱25は、長手方向(上下方向)の中間に他よりも厚みが薄い部分が設けられている。本実施形態では、図4(b)中央の図に示すように、支柱25は、二つに断絶された鋼材の端部同士を繋ぐようにこの鋼材よりも厚みの薄い接続板25aを溶接して接続した構成とされている。これにより、接続板25aは、支柱25の長手方向(上下方向)中間部において、支柱25の厚みが薄い部分(肉薄部25b)として形成される。肉薄部25bは、後に詳述するように第一可動台50に設けられた貫通溝52aに挿入される部分である。肉薄部25b(接続板25a)は、支柱25の強度を確保しつつ、貫通溝52aの溝幅を小さくさせるような厚みとされることが望ましい。本実施形態における肉薄部25bは、厚みを小さくすることにより、後述する貫通溝52aの溝幅を小さくしている。これにより、荷役架台10は、作業者が貫通溝52aにつまづくことを抑制している。肉薄部25b(接続板25a)の厚みは0.8cm〜3cmの範囲内であることが好ましい。本実施形態では、肉薄部25bの厚みは0.9cm〜1.2cmの範囲内とされている。
第一可動台50は、架台本体20の幅方向である第一方向X1に沿って進退可能とされている。上述のとおり、荷役架台10は、長手方向に沿ってトラック2を停止させて荷役作業に用いられる。第一可動台50は、荷役架台10の長手方向に沿って停止されたトラック2の側面に向けて、第一方向X1へと摺動することにより、架台本体20とトラック2との間の隙間を閉塞するものである。また、第一可動台50は、作業者が荷役作業を行う際のデッキ部分として機能する作業台22と共に、作業者の荷役作業における足場として機能する。
第一可動台50は、図3(a)に示すとおり、平面視において略矩形の外観を有する長尺の板体である。図2(b)に示すとおり、第一可動台50は、荷役架台10の長手方向の略全長に亘る長さを有し、平面視における長手方向の長さを作業台22と略同じとされている。第一可動台50は、後述する第一ガイド機構60a,60b,60cを介して架台本体20へと取り付けられ、作業台22の下方に配置される。
第一可動台50は、図3に示すとおり、可動台本体52に対して貫通溝52a、車輪取付部54a,54b,54c及び正面板56を設けた構成とされている。また、車輪取付部54a,54b,54cには、背面板58が取り付けられている。車輪取付部54a,54b,54cは、板状の部材であり、可動台本体52の長手方向両側面と長手方向中間部に設けられている。車輪取付部54a,54b,54cは、可動台本体52に対して略垂直とされ、第一可動台50の幅方向に沿うように設けられている。正面板56は第一可動台50の正面側に設けられており、背面板58は背面側に設けられている。正面板56及び背面板58は、それぞれ可動台本体52に対して略垂直となるような姿勢で取り付けられている。
図3(a)に示すとおり、貫通溝52aは、可動台本体52の長手方向略中央において、可動台本体52の短手方向に向けて直線状に延びるように設けられている。貫通溝52aは、可動台本体52の表面から裏面へと貫通する隙間として形成されている。貫通溝52aには、上述した支柱25の接続板25aが挿通され、第一可動台50の摺動を許容している。また、上述のとおり、支柱25は肉薄部25bを有している。貫通溝52aは、肉薄部25b(接続板25a)を挿通可能な幅とされている。具体的には、肉薄部25bの厚みは0.9cm〜1.2cmとされ、貫通溝52aの溝幅は1.5cm〜2.5cmとされている。これにより、貫通溝52aの幅を極力小さくすることができる。その結果、第一可動台50の上で作業者が荷役作業を行う際に、貫通溝52aに作業者のつま先が嵌って作業者がつまづいたりすることを防止することができる。また、荷役架台10は、このように第一可動台50に貫通溝52aを設けて支柱25を貫通させて、第一可動台50が後述する支持車輪66a,66b,66cに支持されることにより、第一可動台50の撓みを抑制している。
車輪取付部54a,54b,54cは、後述する走行車輪64a,64b,64c,64d,64e,64fを取り付けるために設けられている。図3(c)に示すとおり、車輪取付部54a,54b,54cをなす板体は、可動台本体52に対してネジ等の固定具で固定するための固定領域54xと、走行車輪64a,64d等を取り付けるための車輪取付領域54yとを有する。車輪取付部54a,54b,54cは、固定領域54xにおいて可動台本体52に対して片持ち状に固定され、車輪取付領域54yが可動台本体52から突出するような形状とされている。車輪取付領域54yの一端側には、走行車輪64a,64d等からなる2つの車輪が上下方向に所定の間隔を開けて並べて取り付けられる。車輪取付領域54yの他端側は、固定領域54xとは反対側の部分の角を落とした形状とされている。また、正面板56及び背面板58は、後述する第2チェーン92a,92bを取り付けるために設けられている。
第一可動台50は、図3(c)に示すとおり、車輪取付部54a,54b,54cが可動台本体52に対して第一方向X1に突出するように設けられている。より具体的に説明すると、車輪取付部54a,54b,54cには、車輪取付領域54yが可動台本体52に対して第一方向X1に突出して、突出部67が形成されている。突出部67は、第一可動台50の第一方向X1の両端部のうち、第一可動台50が架台本体の外側へと突出する側とは反対側の端部に形成されている。これにより、第一可動台50の幅方向端部は、側面視において略L字型を成すような形状とされている。
なお、第一可動台50は、突出部67を設けない構成として、背面板58を可動台本体52に対して取り付けてもよい。具体的には、図3(d)に示すように、第一可動台50は、車輪取付部54a,54b,54cを可動台本体52に対して略垂直となるような姿勢で取り付けて、背面板58を可動台本体52の幅方向端部から略垂直となるような姿勢で取り付ける構成としてもよい。
第一ガイド機構60a,60b,60cは、第一可動台50の走行進路をガイドして、第一可動台50を滑らかに移動させるために設けられている。第一ガイド機構60a,60b,60cは、図3及び図4等に示すように、レール62a,62b,62c、走行車輪64a,64b,64c,64d,64e,64f、支持車輪66a,66b,66cを有している。
レール62a,62b,62cは、図4(a)に示すように、架台本体20の幅方向に並列するように配置され、ボルト等の固定手段により支柱24,25,26,27,28,29に取り付けられている。レール62aは、両端部が支柱24,27に取り付けられている。レール62bは、両端部が支柱25,28に取り付けられている。また、レール62cは、両端部が支柱26,29に取り付けられている。これにより、レール62a,62b,62cは、架台本体20の幅方向に並行して配置され、第一可動台50の走行進路が第一方向X1へと略水平かつ略真っ直ぐとなるようにガイドする。
走行車輪64a,64b,64c,64d,64e,64fは、第一可動台50側に取り付けられ、第一可動台50をレール62a,62b,62cに沿って走行させるために設けられている。図3(b)に示すとおり、走行車輪64a,64dは車輪取付部54aに対して取り付けられ、走行車輪64b,64eは車輪取付部54bに対して取り付けられ、走行車輪64c,64fは車輪取付部54cに対して取り付けられている。これらの走行車輪64a,64b,64c,64d,64e,64fは、それぞれ車輪取付部54a,54b,54cに対して自由に回動可能なように取り付けられている。図5に示すように、走行車輪64a,64dや走行車輪64b,64e、走行車輪64c,64fは、それぞれ両者の間にレール62a,62b,62cを挟み込むことが可能なように、上下方向に間隔を開けて配置されている。走行車輪64a,64b,64c,64d,64e,64fは、第一可動台50をレール62a,62b,62cに沿って滑らかに摺動させることができる。
支持車輪66a,66b,66cは、第一可動台50の姿勢を略水平に維持するために設けられている。支持車輪66a,66b,66cは、支柱24,25,26に対して取り付けられている。より具体的には、図4(b)に示すとおり、支持車輪66aは支柱24に対して取り付けられ、レール62aの上方に隣接して配置される。支持車輪66bは支柱25に対して取り付けられ、レール62bの上方に隣接して配置される。また、支持車輪66cは支柱26に対して取り付けられ、レール62cの上方に隣接して配置される。支持車輪66a,66b,66cは、作業台22の長辺端部に位置するよう取り付けられ、走行車輪64a,64b,64cと共に第一可動台50を支持している。これにより、第一可動台50は、姿勢を略水平に維持される。
なお、レール62a、走行車輪64a,64d及び支持車輪66aは、第一ガイド機構60aを構成している。レール62b、走行車輪64b,64e及び支持車輪66bは、第一ガイド機構60bを構成している。レール62c、走行車輪64c,64f及び支持車輪66cは、第一ガイド機構60cを構成している。これらの第一ガイド機構60a,60b,60cは、同様の構成とされているため、以下の説明においては第一ガイド機構60aについて詳細に説明し、第一ガイド機構60b,60cについては詳細な説明を省略する。
図5(a)に示すとおり、走行車輪64a,64dは、レール62aを挟むように配置され、レール62aの上方に走行車輪64aが、下方に走行車輪64dが配置される。走行車輪64a,64dは、第一可動台50に対して取り付けられているため、第一可動台50の移動に伴って回転しながら移動する。一方、支持車輪66aは、支柱24に対して回転可能に取り付けられている。そのため、支持車輪66aは、移動する第一可動台50を所定の位置において支持している。
なお、走行車輪64a,64dは、車輪取付部54aの突出部67に配置されている。そのため、図5(b)に示すとおり、第一可動台50を、支柱27から支柱24に向かう方向へ作業台22から突出するようにスライドさせると、突出部67は支柱24に隣接して作業台22の下方に維持される。一方、可動台本体52は、作業台22の下方から第一方向X1へと架台本体20の外側に突出した状態となる。すなわち、荷役架台10は、第一可動台50を架台本体20の外側へ突出するように移動させた状態において、突出部67が第一可動台50を架台本体20に維持するよう機能し、可動台本体52が作業者の往来スペースとして機能する。その結果、荷役架台10は、第一可動台50に突出部67を設けて、突出部67を作業台22の下方に維持しつつ可動台本体52を作業台22から突出させて、可動台本体52の上方面を効率良く作業スペースとして機能させることを可能としている。
主動部70は、第一可動台50を移動させる動力を動力伝達機構80a,80bへと伝達するためのものである。図6(a)に示すとおり、主動部70は、操作部72、第1ギア74、第2ギア75、駆動チェーン76及び駆動軸78を有している。操作部72と第1ギア74とは、連動して回転するように構成されている。また、第1ギア74及び第2ギア75とは駆動チェーン76により連結され、連動して回転する。さらに、第2ギア75と駆動軸78とは、同一の回転軸を中心として一体的に回転するようにキー等の固定手段により連結されている。作業者が操作部72を回動させる操作を行うことにより、第1ギア74及び第2ギア75が回動して、駆動軸78が回動する。
図6(a)に示すとおり、駆動軸78は、作業台22及び第一可動台50の下方に配置されている。第2ギア75及び駆動チェーン76は、作業台22及び第一可動台50の下方に配置された駆動軸78へと動力を伝達している。これにより、操作部72が作業台22の上方へと取り出されている。これにより、作業者が、作業台22の上からトラック2と架台本体20との間の隙間の有無を確認しつつ、操作部72を操作することが可能となる。
動力伝達機構80a,80bは、第一可動台50へと動力を伝達して、第一可動台50を移動可能とするために設けられている。本実施形態においては、荷役架台10は、同一の構成を有する動力伝達機構を一対設けた構成とされている。図6(a)に示すように、動力伝達機構80a,80bは、作業台22及び第一可動台50の下方に位置するように配置されている。また、図2(a)に示すとおり、動力伝達機構80a,80bは、架台本体20の長手方向の両側に配置されている。動力伝達機構80aは階段32側に配置され、動力伝達機構80bは、階段32側と反対側に配置されている。
本実施形態においては、荷役架台10の動力伝達機構80a,80bを、所定間隔のピッチを有する鎖歯車(スプロケット)とチェーンとが噛み合って動力を伝達する「チェーン・スプロケット機構」の構造としている。なお、動力伝達機構として、歯車(ギア)と直線状の歯車(ラック)とが噛み合って動力を伝達する「ラック・ピニオン機構」の構造としてもよい。これにより、一対の動力伝達機構がいずれも所定のピッチで駆動して、精度良く第一可動台50を摺動させることができる。また、チェーン・スプロケット機構及びラック・ピニオン機構のほか、タイミングベルトを用いることもできる。
図7(a)及び図8に示すように、動力伝達機構80aは、第1鎖歯車82a、第2鎖歯車84a、第3鎖歯車86a、第4鎖歯車88a、第1チェーン90a及び第2チェーン92aを有している。また、図8(a)に示すとおり、動力伝達機構80bは、第1鎖歯車82b、第2鎖歯車84b、第3鎖歯車86b、第4鎖歯車88b、第1チェーン90b及び第2チェーン92bを有している。図7(b)に示すとおり、動力伝達機構80aは、支柱24から支柱27へと亘るように設けられた取付梁81aに配置されている。また、動力伝達機構80bは、支柱26から支柱29へと亘るように設けられた取付梁81bに配置されている。なお、取付梁81aには軸受94aが取り付けられている。また、取付梁81bには軸受94bが取り付けられている。駆動軸78は、軸受94a,94bにより両端が支持されている。
なお、動力伝達機構80aと動力伝達機構80bとは、配置される位置が異なること以外は同一の構成とされている。そのため、以下においては動力伝達機構80aについて詳細に説明し、動力伝達機構80bの各構成については説明を省略する。
動力伝達機構80aは、駆動軸78から出力された回転動力を第一可動台50へと伝達して、第一可動台50を移動させるためのものである。動力伝達機構80aは、架台本体20の長手方向、すなわち第一方向X1に沿って配置されている。
続いて、動力伝達機構80aの各構成と連結構造について詳細に説明する。第1鎖歯車82aは、駆動軸78に対して取り付けられ、駆動軸78の回転に従動して回転する。第2鎖歯車84aは、第1鎖歯車82aと第1チェーン90aにより連結される。第3鎖歯車86aは、第2鎖歯車84aと回転軸が同軸となるようにキーにより連結されている。そのため、第2鎖歯車84aと第3鎖歯車86aとは一体的に回転する。なお、第4鎖歯車88aは、テンションプーリとして機能する。
第2チェーン92aは、端部が解放された1本のチェーンである。第2チェーン92aは、両端部がいずれも第一可動台50へと連結される。より具体的には、図8(a)に示すとおり、第2チェーン92の一端側は第一可動台50の正面板56へと取り付けられ、他端側は第一可動台50の背面板58へと取り付けられる。また、第2チェーン92aは、第3鎖歯車86aと噛み合うように、第4鎖歯車88aにより張力を維持して配置される。
図8(a)に示すように、駆動軸78が正回転すると、駆動軸78と第1鎖歯車82aが連動して回転する。また、第1鎖歯車82aの回転動力が第1チェーン90aにより第2鎖歯車84aへと伝達される。さらに、第2鎖歯車84aと一体的に回転するよう構成された第3鎖歯車86aが回転する。第3鎖歯車86aの回転により、第2チェーン92aがF1方向へと牽引されて、図8(b)に示すように第一可動台50が移動する。
また、図8(a)に示す方向とは逆向きに駆動軸78が回転すると、図8(a)の動きとは逆方向へと第一可動台50が牽引される。このように、荷役架台10は、動力伝達機構80aにより第一可動台50を第一方向X1に沿って進退可能としている。
また、上述のとおり、荷役架台10は一対の動力伝達機構80a,80bが設けられている。動力伝達機構80a,80bは、同ピッチを有するスプロケット及びチェーンにより精度良く同期して動力を伝達する。そのため、第一可動台50の両側が同じ距離で移動するよう精度良く制御される。また、これによりレール62a,62b,62cに対する走行車輪64a,64b,64c,64d,64e,64fの姿勢が略真っ直ぐに維持される。そのため、第一可動台50の荷重による摩擦を効果的に低減して、操作部72の回動操作を少ない力で行うことができる。その結果、第一可動台50がトラック2の全長を超えるような長尺のものであっても、第一可動台50の荷重負担を低減して、女性などであっても第一可動台50の移動操作を軽快に行うことができる。
≪第2実施形態≫
続いて、本発明の第2の実施形態にかかる荷役架台100について説明する。なお、以下の説明においては、荷役架台10と同一の構成とされたものについては、荷役架台10の説明において付した符号と同じ符号、及び「’」を付した符号を用いてこれらの説明を省略する。
図9に示すとおり、荷役架台100は、一対の架台本体20,20’、第一可動台50,50’、第二可動台110、第二ガイド機構120、付勢手段130及び緩衝装置140を有している。
荷役架台100は、一対の架台本体20,20’の間に架台本体20,20’の長手方向に沿ってトラック2を停止させて荷役作業を行うために用いられる。荷役架台100は、第一可動台50,50’をトラック2の側面両側に向けてそれぞれ移動可能とされている。荷役架台100の架台本体20,20’及び第一可動台50,50’は、上述した荷役架台10と同一の構成とされている。そのため、荷役架台100は、トラック2の両側の隙間を閉塞して、作業者がトラック2の側面から転落することを防止することができる。荷役架台100は、図10(a)に示す位置に配置された第二可動台110を、トラック2の進入に伴い図10(b)に示す位置へと移動させることができる。
また、荷役架台100は、トラック2の進退方向へ第二可動台110をスライドさせて、トラック2の荷台4後方の隙間を閉塞することができる。より具体的には、図10に示すとおり、荷役架台100は、架台本体20と架台本体20’との間にトラック2を駐車させることができる駐車領域Sが形成される。また、荷役架台100は、トラック2を駐車領域Sに後進により進入させて第二可動台110を接触させ、第二可動台110をトラック2の後進に伴い架台本体20の長手方向である第二方向X2(第二の方向)へと距離L2移動することができる。そのため、荷役架台100は、駐車領域Sに後進により進入してきたトラック2の荷台4に対して後方から第二可動台110を接触させ、荷台4の後方に人が転落したりつまずくような隙間が形成されるのを防止できる。また、架台本体20,20’からトラック2の荷台4に対して側方から第一可動台50,50’を突出させ、接触させることにより、荷台4の側方にも人が転落したりつまずくような隙間が形成されるのを防止できる。そのため、荷役架台100は、トラック2の三方向の隙間を閉塞することができる。
荷役架台100は、第一可動台50,50’に加えて第二可動台110を備えている点に特徴を有する。第二可動台110は、トラック2の荷台4の後方において作業者が荷役作業を行うためのデッキとして機能する。
第二可動台110は、図9に示すとおり、平面視において略矩形の外観を有する。第二可動台110は、幅方向の一端に柵112が設けられている。また、第二可動台110は、後述する第二ガイド機構120により架台本体20,20’に対して取り付けられる。
第二可動台110は、図11(a)に示すとおり、柵112、上面台114、支持台116及び接続部118を有している。上面台114及び支持台116は、平面視において長尺で略矩形の板状部材とされている。また、第二可動台110は、下方に配置される支持台116と、上方に配置される上面台114とが、接続部118により接続された構成とされている。支持台116は、略水平の姿勢となるように後述する第二ガイド機構120を介して架台本体20,20’に対して取り付けられる。また、上面台114は、支持台116及び接続部118により支持された状態となり、作業台22と略同じ高さに配置される。なお、支持台116には、後述する付勢手段130が取り付けられる。
第二可動台110は、図11(a)に示すとおり、支持台116に対して上面台114が接続部118により上方に持ち上げられて、上面台114と支持台116との間の隙間としてスライド許容領域110aが形成される。スライド許容領域110aは、第一可動台50,50’と第二可動台110とが平面視において交差するように位置する状態において、第二可動台110が位置する領域内で第一可動台50,50’の移動を許容するよう設けられている。すなわち、第一可動台50,50’を架台本体20,20’から突出するように第一方向X1へと移動させると、第一可動台50,50’は、第二可動台110が位置する領域内に進入する。この状態において、第一可動台50,50’は、上面台114a及び支持台116に挟まれるような状態となり、スライド許容領域110aに位置する。これにより、荷役架台100は、第一可動台50,50’と第二可動台110とが、双方の移動方向(第一方向X1及び第二方向X2)において、互いに接触することを回避している。そのため、荷役架台100は、第一可動台50,50’を架台本体20,20’から突出するように第一方向X1へと移動可能としつつ、第二可動台110を第二方向X2に自由に移動可能としている。これにより、トラック2の駐車位置に応じてトラック2と架台本体20,20’との間の隙間を閉塞することができる。
第二ガイド機構120は、第二可動台110を第二方向X2へと移動可能とするためのガイドとして機能する。第二ガイド機構120は、図11(b)及び(c)に示すとおり、H鋼材121a,121bと、ガイドレール122a,122bと、車輪124a,124b,124c,124dと、車輪連結部126a,126b,126c,126dと、車軸128a,128bとを有している。なお、図11(b)に示すとおり、H鋼材121a,121b及びガイドレール122a,122bは、架台本体20,20’に設けられている。また、図11(c)に示すとおり、車輪124a,124b,124c,124d、車輪連結部126a,126b,126c,126d及び車軸128a,128bは、第二可動台110に設けられている。
図11(b)に示すとおり、H鋼材121a,121bは、支柱25,26,27の長手方向中間部を二つに断絶して、これらの端部に挟み込まれるようにして設けられている。また、ガイドレール122a,122bは、H鋼材121a,121bに取り付けられ、H鋼材121a,121bの全域に亘り設けられている。これにより、第二可動台110を第二方向X2にガイドして移動可能とするように、第二可動台110の走行進路が構成される。
車輪124a,124b,124c,124dは、ガイドレール122a,122bに沿って第二可動台110を走行させるために設けられている。支持台116の下方面には車輪連結部126a,126b,126c,126dが取り付けられ、車輪連結部126a,126b,126c,126dには車軸128a,128bが挿通されている。車輪124a,124b,124c,124dは、車軸128a,128bの両端部に取り付けられている。さらに、図11(b)に示すように、124a,124b,124c,124dはH鋼材121a,121bの窪んだ部分に配置され、ガイドレール122a,122b上に配置される。これにより、第二可動台110は、架台本体20,20’に取り付けられる。
また、第二可動台110が架台本体20,20’へと取り付けられた状態において、第二可動台110は、作業台22,22’と略同じ高さに配置される。これにより、作業台22,22’と第二可動台110との間の段差を少なくすることができる。その結果、作業者が作業台22,22’及び第二可動台110の間を行き来して荷役作業を行う際に、作業者が段差につまづいて転倒することを抑制することができる。
付勢手段130は、第二可動台110に付勢力を付与して、駐車領域Sに進入したトラック2の後進に伴い、第二可動台110を付勢力に反して第二方向X2に移動させるために設けられている。付勢手段130には、巻きばねや、コイルばねの構造を有するものを好適に用いることができる。なお、付勢手段130は、付勢力を付与するものであれば、いかなるものでもよい。本実施形態においては、付勢手段130としてバランサーが採用されている。付勢手段130は、一端側が支柱26,26’に対して取り付けられ、他端側が支持台116に対して取り付けられている。また、付勢手段130は、支柱27,27’から支柱26,26’へと向かう方向に第二可動台110に付勢力を与えている。
図10(a)に示すとおり、第二可動台110は、付勢手段130により支柱26,26’から支柱25,25’に向かう方向に付勢されている。また、第二可動台110は、所定位置Pにおいて後述する油圧ダンパー142a,142bと接触して、支柱26,26’から支柱25,25’に向かう方向への移動が規制されている。これにより、第二可動台110は、所定位置Pにおいて維持されている。
図10(b)に示すとおり、トラック2が駐車領域Sへと後進して進入し続けると、第二可動台110はトラック2の後方に押されて支柱25,25’から支柱26,26’側へと付勢手段130の付勢力に反して距離L2の範囲内を移動する。これにより、荷役架台100は、トラック2の駐車位置に応じてトラック2と第二可動台110とを略密着させて、トラック2の後方の隙間を閉塞することができる。
緩衝装置140は、付勢手段130の付勢力を緩衝して、第二可動台110を所定の位置で停止させるために設けられている。図12に示すとおり、緩衝装置140は、油圧ダンパー142a,142b、緩衝板144a,144b及びばね146a,146bを有している。
緩衝装置140は、H鋼材121a,121bの上方面に対して取り付けられている。また、図9に示すとおり、緩衝装置140は支柱26,26’に近接する位置に配置されている。緩衝板144a,144bは、ピン148a,148bにより一端側が揺動可能に取り付けられている。また、緩衝板144a,144bの他端側は、ばね146a,146bにより架台本体20,20’の外側に向けて付勢されている。
第二可動台110が緩衝装置140へと向かって摺動すると、緩衝板144a,144bと接触して付勢手段130の付勢力が緩衝される。そのため、第二可動台110は、緩衝された状態で油圧ダンパー142a,142bと接触し、緩やかに停止する。これにより、荷役架台100は、トラック2が駐車領域S内で進入及び退出を小刻みに繰り返した場合等に、第二可動台110が付勢された状態でトラック2と衝突することを抑制することができる。そのため、トラック2の後方を破損するおそれを回避することができる。
続いて、荷役架台100の変形例について図面を参照しつつ説明する。荷役架台100は、付勢手段130の付勢力を利用することで、モーター等の電気的な動力源によらずに第二可動台110を第二方向X2へと移動させることを可能としている。ここで、荷役架台100は、第二可動台110を移動させる手段としてモータ等の動力源を利用することも可能である。また、第二可動台110を停止させる手段として、センサ等を用いることも可能である。
図13は、荷役架台100の変形例にかかる第二可動台150、第二ガイド機構160を示している。図13(a)に示すとおり、第二可動台150は、上面台152、モータ154及びセンサ156を有している。また、図13(b)に示すとおり、第二ガイド機構160は、ガイドレール162a,162b、車輪164a,164b,164c,164dを有している。第二ガイド機構160のガイドレール162a,162bは、作業台22,22’の周面に形成されている。車輪164a,164b,164c,164dは、第二可動台150の長手方向側面に取り付けられている。車輪164a,164b,164c,164dはガイドレール162a,162bに対して装着され、これにより、第二可動台150は架台本体20,20’に対して摺動可能に取り付けられる。
第二可動台150は、上面台152にモータ154及びセンサ156が設けられている。センサ156は、トラック2の停止位置を検知するために設けられている。また、モータ154は、センサ156が検知したトラック2の停止位置に応じて第二可動台110を移動させる。より具体的に説明すると、図14(a)に示すとおり、トラック2が駐車領域Sに進入してトラック2の後方が所定位置Pまで到達すると、センサ156がトラック2への駐車領域Sへの検知する。そして、モータ154が車輪164a,164b,164c,164dを回転させて、第二可動台110をトラック2と隣接する位置まで走行させる。このように、第二可動台150は、トラック2の駐車領域Sへの進入やトラック2の位置を検知して、第二可動台150をトラック2の後方と略密着する位置まで移動可能としている。これにより、第二可動台150は、トラック2の後方の隙間を閉塞可能としている。
≪第三実施形態≫
続いて、本発明の第三の実施形態にかかる荷役架台200について説明する。荷役架台200は、図15に示すとおり、架台本体220と、2つの第一可動台250,260を有する。荷役架台200は、架台本体220の幅方向両側に第一可動台250,260が設けられている。すなわち、荷役架台200は、架台本体220の両側から、第一可動台250及び第一可動台260を、それぞれ第一方向X1へと移動可能とされている。なお、荷役架台200は、複数の荷役架台200を並列するように配置させて、これらの間に形成される駐車領域Sにトラック2を駐車させて好適に荷役作業に用いることができる。
荷役架台200には、主動部70及び一対の動力伝達機構80a,80bが、設けられている。なお、荷役架台200には、主動部70及び一対の動力伝達機構80a,80bが、第一可動台250及び第一可動台260にそれぞれ対応するように設けられている。また、荷役架台200には、第一可動台250をガイドするための第一ガイド機構60a,60b,60cが設けられている。さらに、荷役架台200には、第一可動台260をガイドするための第一ガイド機構60a,60bが設けられている。なお、第一ガイド機構60a,60b,60c、主動部70及び一対の動力伝達機構80a,80bは、荷役架台10におけるこれらの構成と同様の構成とされている。そのため、本実施形態においては荷役架台10の説明において付した符号と同一の符号を用いて、詳細な説明を省略する。
架台本体220は、作業台222と、階段232とを有している。作業台222の平面視における幅方向の長さL3は、第一可動台250の幅方向の長さL4と第一可動台251の幅方向の長さL5との合算した距離と略同等とされている。すなわち、第一可動台250,260が架台本体220に収容された状態においては、第一可動台250,260が作業台222の幅方向の長さと略一致するように収容される。
図16(a−1)に示すとおり、第一可動台250には、可動台本体252及び3つの車輪取付部254a,254b,254cが設けられている。また、図16(b−1)に示すとおり、第一可動台260には可動台本体262及び2つの車輪取付部264a,264bが設けられている。
第一可動台250は、図16(a−2)に示すとおり、車輪取付部254a,254b,254cが可動台本体252に対して第一方向X1へ突出するように設けられて、突出部276が形成されている。また、図16(b−2)に示すとおり、第一可動台260は、車輪取付部264a,264bが可動台本体262に対して第一方向X1へ突出するように設けられて、突出部286が形成されている。これにより、第一可動台250,260は、側面視において一端側が「L字」の形状を成すような外観とされている。
図17(a)に示すとおり、第一可動台250の車輪取付部254a,254b,254cと、第一可動台260の車輪取付部264a,264bとは、架台本体220(図17においては図示を省略)において互い違いに配置されている。そのため、図17(b)に示すように、車輪取付部254a,254b,254cと、車輪取付部264a,264bとは、第一可動台250及び第一可動台260が架台本体220に収容された状態においても、互いに接触しない。
また、図18(a)に示すように、第一可動台250,260が架台本体220に収容された状態において、第一可動台250の突出部276は、第一可動台260の下方に位置する。また、第一可動台260の車輪取付部264a,264bは第一可動台250の下方に位置する。これにより、第一可動台250,260は、相互に干渉することなく架台本体220に収容される。
上述のとおり、第一可動台250,260は、平面視において車輪取付部254a,254b,254c,264a,264bが可動台本体252,262よりも突出するような形状とされた突出部276,286を有している。また、走行車輪284は、突出部276,286に配置されている。そのため、第一可動台250を架台本体220から突出するように移動させた状態において、図18(b)に示すように、第一可動台250は突出部276に配置された走行車輪274に支持される。そのため、可動台本体252全域を荷役作業を行うデッキとして機能することができる。これにより、荷役架台200の幅方向の長さを制限しながら、可動台本体252,262を作業スペースとして最大限活用することができる。
このように、荷役架台200は、架台本体220の両側から第一可動台250,260をスライドさせてトラック2と架台本体220との間の隙間を閉塞することができる。そのため、トラック2の停止スペースを複数設けて荷役作業を行う場合に、複数の荷役架台200を並列して設置し、荷役作業に好適に用いることができる。
≪第4実施形態≫
続いて、本発明の区画装置300及びこれを備えた荷役架台400について説明する。区画装置300は、荷役作業を行う際に、荷台4の領域を区画してトラック2の荷台4から作業者が転落することや貨物が落下することを防止するために用いることができる。また、荷役架台400は、荷役架台10に加えて区画装置300を設けた構成とされている。以下においては、区画装置300の構成及び機構について説明し、次いで荷役架台400について説明する。
区画装置300は、図19に示すとおり、支持部310、区画部320及び可動機構330を有している。区画装置300は、区画部320を、支持部310に対して近接・離反可能としている。区画装置300は、区画装置300全体の長手方向である軸線方向X3に沿うように駐車されたトラック2に対して、区画部320を隣接させるように変位することができる。これにより、区画部320がトラック2の荷台4の仕切り面として機能して、作業者が荷台4から転落することを防止することができる。以下、区画装置300の各構成について図面を参照しつつ詳細に説明する。
支持部310は、区画装置300を設置して各構成を支持するために設けられている。支持部310は、支柱312a,312b,312c、連結桁314及び固定部316a,316b,316cを有している。
支柱312a,312b,312cは、区画装置300の軸線方向X3に沿って、概ね等間隔となるように配置されている。支柱312a,312b,312cは、直立した姿勢とされ、固定部316a,316b,316cをアンカーボルト(図示を省略)等の固定手段により地面に対して固定されている。また、支柱312a,312b,312cの長手方向の下方には、連結桁314が連結され、支柱312a,312b,312cが相互に連結されて固定されている。
支柱312a,312b,312cには、軸体取付部318a,318b,318c,318d,318e,318fが設けられている。軸体取付部318aは、支柱312aの長手方向上方側の端部に設けられ、軸体取付部318dは支柱312aの長手方向略中央に設けられている。軸体取付部318a,318dには、それぞれ貫通孔が形成され、後述する軸体332aが挿通される。なお、支柱312a及び軸体取付部318a,318dの構成と同様に、支柱312bには軸体取付部318b,318eが設けられ、支柱312cには318c,318fが設けられている。
区画部320は、区画装置300と隣り合うように駐車又は停止されたトラック2に隣接するように変位され、トラック2の荷台4から作業者や貨物が転落することを防止する仕切りとして機能する。区画部320は、フレーム322、網体324(図示を省略)及び連結部326a,326b,326c,326d,326e,326fを有している。
フレーム322は、面を構成するように折り曲げ加工されたパイプ材であり、区画部320の外枠としての機能を有する。フレーム322は、パイプ材を略矩形の枠として折り曲げ加工された外枠と、格子状に配置されて接続される2本の縦パイプ及び2本の横パイプから構成されている。
網体324は、フレーム322の全域に亘り張られて、領域を区画する仕切りとして機能するよう構成される。網体324は、ネット、金網等、仕切りとして機能するものを用いることができる。なお、本実施形態においては、網体324にネットが用いられている。網体324は、フレーム322の構成によっては設けなくともよい。例えば、網体324に代えて、フレーム322に柵を設けるものとしても良い。
連結部326a,326b,326c,326d,326e,326fは、フレーム322が構成する片側の面に位置するように設けられている。より具体的には、図19に示すように、連結部326a,326b,326c,326d,326e,326fは、フレーム322の縦パイプ及び横パイプの交差部分に取り付けられている。連結部326a,326b,326cは、区画部320の上方に位置するようにフレーム322に取り付けられている。また、連結部326d,326e,326fは、区画部320の下方に位置するようにフレーム322に取り付けられている。なお、連結部326a,326b,326c,326d,326e,326fには、後述する第一アーム340a,340b,340cが連結される。
可動機構330は、区画部320を変位させるために設けられている。可動機構330は、軸体332a,332b,332c、第一アーム340a,340b,340c、第二アーム350a,350b,350c、連結パイプ336(長尺部材)及び変位操作部360を有している。
なお、軸体332aと軸体332b及び軸体332cとは、同様の構成とされている。また、第一アーム340aと第一アーム340b,340cとは同様とされている。さらに、第二アーム350aと第二アーム350b,350cとも、同様の構成とされている。そのため、以下の説明においては、軸体332a、第一アーム340a及び第二アーム350aについて詳細に説明し、軸体332b,332c、第一アーム340b,340c及び第二アーム350b,350cについては詳細な説明を省略する。
軸体332aは、第一アーム340a及び第二アーム350aの揺動支点として機能させるために設けられている。軸体332aは、軸体取付部318a,318dに形成された貫通孔に挿通されて、支柱312aに近接する位置に配置される。なお、軸体332aの下方端部には、詳述する第二アーム350aの軸体嵌合部352aが嵌め込まれる。
第一アーム340aは、区画部320を変位させるためのアームとして設けられている。第一アーム340aは、上部アーム構成体342a、下部アーム構成体344a、連結枠346a及びフレーム取付部348a,348dを有している。
第一アーム340aは、図19に示すとおり、上部アーム構成体342a及び下部アーム構成体344aが並行するよう、上下に配置され、これらを連結枠346aが連結して、矩形の平面を構成するような外観を有する。上部アーム構成体342a及び下部アーム構成体344aは、軸体332aに対して取り付けられる。また、上部アーム構成体342a及び下部アーム構成体344aには、軸体332aが取り付けられる側とは反対側の端部に、区画部320の連結部326a,326d取り付けられる。
第一アーム340aと軸体332aとは、一体的に回転するように連結される。一方、第一アーム340aと区画部320とは、連結部326a,326dを介して揺動可能に連結される。なお、上部アーム構成体342a及び下部アーム構成体344aは、軸体322aと連結される基端から他端までの距離が長さAとされている。
第二アーム350aは、軸体332aと後述する連結パイプ336とを連結するために設けられている。第二アーム350aは、図19に示すとおり、軸体嵌合部352aと、アーム部354aとを有している。
軸体嵌合部352aは、第二アーム350aを軸体332aに取り付けるために設けられている。軸体嵌合部352aは、図19に示すとおり、略円柱形状とされ、上方から軸体332aが嵌め込まれて、軸体332aに固定して取り付けられる。これにより、第二アーム350aは、軸体332aの回転と一体的に旋回するように構成される。
アーム部354aは、軸体嵌合部352aと一体的に形成され、軸体嵌合部352aの径方向へ延びるように設けられている。より具体的には、アーム部354aは、軸体嵌合部352aの上方端部及び下方端部の両端から、それぞれ軸体嵌合部352aの径方向へと延びるように構成されている。アーム部354aの先端には貫通孔が形成され、ピン356aが挿通される。
なお、第二アーム350aのアーム部354aの長手方向の距離(長さB)は、第一アーム340aの長さAよりも短い。すなわち、区画装置300は、第一アーム340a及び第二アーム350aのアームとして機能する長さA及び長さBの関係が、[A>B]となるよう構成されている。
連結パイプ336は、第二アーム350a,350b,350cを連結する長尺のパイプ部材である。連結パイプ336は、一端側が後述する変位操作部360のリンクアーム364に連結されている。また、連結パイプ336には、第二アーム350a,350b,350cが、ピン356aにより連結されている。また、第二アーム350a,350b,350cは、それぞれ支柱312a,312b,312cの離間距離と同じ分だけ離間させた状態とされている。そのため、連結パイプ336に対して第二アーム350a,350b,350cは揺動可能に連結されている。
変位操作部360は、作業者の回動操作により、区画部320を作業者の所望の位置へと変位させるために設けられている。図20に示すとおり、変位操作部360は、ボールねじ362、リンクアーム364、ハンドル366、スライダ部370、ベアリング372及びケーシング368を有している。変位操作部360は、区画装置300の長手方向において、支柱312a側に設けられている。
なお、以下の説明において、区画装置300の長手方向において支柱312a側を単に「基端側」と、支柱312c側を単に「他端側」と称して説明する。
ボールねじ362は、多段で長尺のねじ部材である。ボールねじ362は、長手方向が軸線方向X3に沿うように、かつ、他端側が連結パイプ336の基端側に近接するように配置されている。ボールねじ362は、ケーシング368に収容された状態で設けられ、基端側がハンドル366と接続されている。そのため、作業者がハンドル366を回動する操作を行うと、これに伴ってボールねじ362も回転する。
スライダ部370は、ボールねじ362に取り付けられている。ハンドル366を回動操作させると、ボールねじ362が回転して、スライダ部370がボールねじ362の軸線方向へと移動するよう構成されている。スライダ部370の上方には、ベアリング372が取り付けられている。
リンクアーム364は、スライダ部370と連結パイプ336及び第二アーム350aとを連結するために設けられている。図20に示すとおり、リンクアーム364は、基端側の端部がベアリング372を介してスライダ部370へと連結されている。また、リンクアーム364の他端側の端部は、ピン356aが挿通されて連結パイプ336及び第二アーム350aと連結される。
続いて、可動機構330の動きについて詳細に説明する。上述のとおり、ハンドル366に対して回動操作を行うと、スライダ部370が軸線方向X3に沿って移動する。また、リンクアーム364は、基端側の端部がベアリング372を介してスライダ部370に対して連結され、他端側の端部が連結パイプ336及び第二アーム350aに連結されている。
なお、第一アーム340a及び第二アーム350aは、図21(a)に示すとおり、平面視において所定の角度θ1を構成している。さらに、上述のとおり、第一アーム340a及び第二アーム350aは、軸体322aと一体的に回転するように構成されている。そのため、第一アーム340a及び第二アーム350aが成す角度θ1は、これらの旋回角度に関わらず角度θ1を維持する。
図22(a)は、スライダ部370が基端側に位置している状態を示している。図22(a)の状態から、ハンドル366を正方向へ回転するよう回動操作を行うと、図22(b)に示すように、スライダ部370が他端側へと移動する。また、スライダ部370の移動に伴って、リンクアーム364及び第二アーム350aの連結部分は、他端側に向けて牽引されて軸体322aを揺動軸として円運動を行う。これにより、第二アーム350aは、軸体332aを支点として旋回する運動を行う。
さらに、ハンドル366を正方向へ回転するように回動させ、第二アーム350aが角度θ2まで旋回すると、図22(c)に示すとおり、第一アーム340aが軸線方向X3に沿う方向と概ね一致するよう旋回する。このように、第二アーム350aは軸体332aを軸として回転するクランクとして機能する。すなわち、第二アーム350a、リンクアーム364及びスライダ部370は、スライダ・クランク機構としての構成を成し、スライダ部370の直線運動を軸体332aを回転軸とした回転運動へと変換している。
上述のとおり、第一アーム340a及び第二アーム350aは、軸体332aの回転に伴って平面視における角度θ1を維持しつつ旋回する。そのため、図22(a)の状態から図22(c)の状態へと、第二アーム350aが旋回すると、第一アーム340aも同様に旋回する。そのため、図22(a)において軸線方向X3と略直交するように位置していた第一アーム340aは、図22(c)の状態において軸線方向X3に沿う方向に旋回する。
上述のとおり、第一アーム340a,340b,340cは区画部320に対して軸線方向X3に沿う方向に並行して配置され、連結されている。また、第二アーム350a,350b,350cも、連結パイプ336に対して等間隔で配置され連結されている。そのため、連結パイプ336が変位すると、区画部320は、軸線方向X3に沿うように姿勢を維持しつつ変位する。これにより、図22(a)の状態から図22(c)の状態へと変位する。すなわち、区画部320は、姿勢を維持しながら支柱312a,312b,312cとの距離を変化することができる。そのため、区画部320を支柱312a,312b,312cと離間した状態から近接した状態へと、折り畳むように変位する。
このように、区画装置300は、支柱312a,312b,312cの位置を維持したまま、区画部320の位置を支柱312a,312b,312から離間する位置から近接する位置へと変位可能としている。また、上述において説明した方向とは逆向きにハンドル366を回動操作することにより、区画部320を支柱312a,312b,312と近接する位置から離間する位置へと変位することができる。
また、上述のように、区画装置300は、第一アーム340aの長さA及び第二アーム350aの長さBの関係が[A>B]とされている。そのため、第二アーム350aの先端を移動させる距離に対して第一アーム340aが旋回して移動する距離が大きい。これにより、変位操作部360により第二アーム350aを移動させる距離を少なくして、第一アーム340aを大きく移動させることができる。そのため、連結パイプ336が変位させる範囲を小さくしつつ、第一アーム340aの移動距離を大きくすることができる。
続いて、本発明の区画装置300を備える荷役架台400について説明する。図23は、区画装置300を備える荷役架台400を示す概念図である。図23に示すとおり、荷役架台400は、本発明の第一実施形態にかかる荷役架台10に区画装置300を設けた構成とされている。
荷役架台400は、複数の荷役架台400を並列して配置して荷役作業に用いることができる。図23に示すとおり、荷役架台400と荷役架台400’との間には、トラック2を進入させて駐車可能とする駐車領域Sが形成される。荷役架台400は、駐車領域Sにトラック2を停車させて荷役作業を行う際に荷役架台400’に隣接して駐車されたトラック2から作業者が転落しないようにするために用いられる。なお、荷役架台400’は、駐車領域Sに駐車されたトラック2の側面を第一可動台50’により閉塞することができる。このように、荷役架台400,400’は、トラック2の一方の側面に生じた隙間を第一可動台50’により閉塞しつつ、他方の側面を区画装置300が落下防止の仕切りとして機能する。これにより、トラック2の荷台4両側から作業者が転落することや貨物が落下することを防止することができる。
なお、荷役架台400は、架台本体20の手摺34側に区画装置300を設けた構成としたが、本発明の荷役架台及び区画装置はこれに限定されない。例えば、単一の荷役架台10を運用する場合において、第一可動台50が突出する方向へ区画装置300を離間させて配置しても良い。
≪第五実施形態≫
続いて、本発明の第五実施形態にかかる荷役架台500について説明する。図24に示すとおり、荷役架台500は、架台本体520、第一可動台540,550、階段32及び手摺り534を有する。また、荷役架台500は、第一ガイド機構560(図24において図示を省略)、動力伝達機構580a,580b、及び主動部570を有する。
図24(b)に示すとおり、荷役架台500には、架台本体520の幅方向両側に第一可動台540,550が設けられている。より具体的には、荷役架台500は、架台本体520の幅方向両側のうち、一方に第一可動台540を有し、他方に第一可動台550を有する。また、荷役架台500は、架台本体520の幅方向両側から、第一可動台540及び第一可動台550を、それぞれ第一方向X1へと移動可能とされている。荷役架台500は、架台本体520の幅方向両側にそれぞれトラック2を駐車させて、それぞれのトラック2に向かうように第一可動台540,550を突出あるいは退入させることができる。なお、荷役架台500は、複数の荷役架台500を並列するように配置させて、これらの間に形成される駐車領域Sにトラック2を駐車させて好適に荷役作業に用いることができる。
図24(b)に示すとおり、架台本体520は、作業台522と、手摺り534と、階段32とを有している。作業台522の平面視における幅方向の長さL3は、第一可動台540の幅方向の長さL4と第一可動台550の幅方向の長さL5との合算した距離と略同等とされている。すなわち、第一可動台540,550が架台本体520に収容された状態において、第一可動台540,550は作業台522の幅方向の長さと略一致するように収容される。
図24(a)に示すとおり、手摺り534は、作業台522の上方面に設けられている。また、図24(b)に示すとおり、手摺り534は、作業台522の上方面の略全域を取り囲むように設けられている。これにより、荷役架台500は、作業者が荷役作業中に作業台522から誤って転落することを抑制することができる。また、手摺り534には、複数の開閉部534aが設けられている。荷役架台500は、開閉部534aを開放することにより、作業者が作業台522と第一可動台540,550との間を往来可能とされている。
図24(a)に示すとおり、架台本体520は、複数(本実施形態では10本)の支柱524及び複数の梁530を組み立てて骨組みが構成され、作業台522を支持している。支柱524は、荷役架台10の支柱25と同様に、二つに断絶された鋼材の端部同士を繋ぐようにこの鋼材よりも厚みの薄い接続板25aを溶接して接続した構成とされ、支柱524の厚みが薄い部分(肉薄部25b)が設けられている(図4(b)及び図28等参照)。肉薄部25bは、支柱524の強度を確保しつつ、後述する貫通溝542a,552aの溝幅を小さくさせるような厚みとされている。
続いて、図25及び図28を参照しつつ、第一ガイド機構560及び車輪取付部546の配置について説明する。図25は、第一ガイド機構560と、貫通溝542a,552a及び車輪取付部546との位置関係を説明するための平面図である。
図25に示すとおり、架台本体520には、第一可動台540をガイドするための複数(本実施形態では5本)のガイドレール562と、第一可動台550をガイドするための複数(本実施形態では5本)のガイドレール562とが取り付けられている。それぞれのガイドレール562は、第一可動台540,550の車輪取付部546,556に取付けられる走行車輪564と共に、第一可動台540,550の走行進路を第一方向X1へとガイドする第一ガイド機構560を構成する。
図25及び図28に示すとおり、荷役架台500は、第一可動台540をガイドするためのレール562と、第一可動台550をガイドするためのレール562とが、支柱524を挟むように配置されて支柱524に対して取り付けられる。また、支柱524を挟むように配置された2本のレール562には、第一可動台540に取り付けられた走行車輪564と、第一可動台550に取り付けられた走行車輪564とが、それぞれ配置され、1の支柱524の両側面に2つの第一ガイド機構560が構成される。
より具体的に説明すると、第一可動台540をガイドするための第一ガイド機構560と、第一可動台550をガイドするための第一ガイド機構560とは、支柱524の幅の距離分だけ離して配置される。そのため、図28に示すとおり、第一可動台540及び第一可動台550の双方が作業台522の下方に収容された状態において、第一可動台540の突出部276と、第一可動台550の突出部276とが、支柱524の幅の距離分だけ離して配置され、相互に干渉しないように配置される。
このように、荷役架台500は、支柱524の両側面に第一ガイド機構560を設けて、第一可動台540の突出部276と、第一可動台550の突出部276とが干渉することを回避している。これにより、荷役架台500は、第一可動台540,550のそれぞれをガイドするための第一ガイド機構560をより多く設けて、第一可動台540,550を精度良くガイドすることができる。
図28に示すとおり、第一ガイド機構560のガイドレール562は、可動台本体542が配置される高さと略一致する高さに配置される。また、動力伝達機構580a,580bは、第一ガイド機構560の下方に配置される。より具体的には、動力伝達機構580a,580bは、架台本体520の幅方向一端側の梁530から他端側の梁530に亘り配置されるギア取付部531に取り付けられる。
続いて、図26を参照しつつ、第一可動台540についてさらに詳細に説明する。なお、第一可動台540と第一可動台550とは同様の構成とされているため、以下の説明において第一可動台540について詳細に説明し、第一可動台550の説明を省略する。
第一可動台540は、可動台本体542の下方に車輪取付部546が取り付けられた構成とされている。車輪取付部546には、突出部276が設けられている。車輪取付部546の突出部276には、2つの走行車輪564が取り付けられる。突出部276は、第三実施形態における車輪取付部254a等の突出部276と同様の形状及び機能とされている。そのため、本実施形態の第一可動台540,550の突出部276の説明において、第三実施形態において用いた符号と同様の符合を用いて、突出部276の詳細な説明を省略する。
図26(a)及び(b)に示すとおり、可動台本体542は、板材を溶接等により加工して形成され、断面視において略コの字の形状を有する。より具体的には、可動台本体542は、第一可動台540において上方に配置される可動台天面542b、可動台天面542bに対して略直交するように配置される退入側面542c及び突出側面542dを有する。退入側面542cは、第一可動台540が退入する方向の側面を構成する。また、突出側面542dは、第一可動台540の幅方向において退入側面542cが設けられた側とは反対側の側面(突出側の側面)を構成する。
貫通溝542aは、可動台本体542の幅方向に向けて直線状に延びるように設けられている。より具体的には、貫通溝542aは、可動台本体542において、可動台天面542bを第一方向X1に延びるように形成されて退入側面542cまで到達し、退入側面542cを分断するように形成される。
さらに、可動台本体542は、分断された退入側面542cを接続するように、接続部544が設けられている。接続部544は、分断された退入側面542cに対して、可動台本体542の外側からボルト等の固定手段で取付けられる。第一可動台540は、第一可動台540の幅方向の長さにおいて、厚みD1の分大きく第一方向X1に突出させることができる。
図27に示すとおり、本実施形態の車輪取付部546には、チェーン連結部548が設けられている。チェーン連結部548には、後述する動力伝達機構580a,580bの伝達チェーン590a,590bが連結される。
次に、図29を参照しつつ、第一可動台540,550を第一方向X1へ移動させるようための主動部570及び動力伝達機構580a,580bについて説明する。荷役架台500には、第一可動台540,550のそれぞれに対応する主動部570及び動力伝達機構580a,580bが設けられている。以下の説明において、第一可動台540に対応する主動部570及び動力伝達機構580a,580bについて説明し、第一可動台550に対応する主動部570及び動力伝達機構580a,580bについては詳細な説明を省略する。
荷役架台500は、主動部570の操作部572を回動操作することにより、第一可動台540を第一方向X1へ移動させることができる。より具体的には、荷役架台500は、操作部572を正方向(図29(a)において反時計回り)へ回動させることにより、第一可動台540を第一方向X1へ突出する(矢印F1で示した方向)へ移動させることができる。また、荷役架台500は、操作部572を逆方向へ回動させることにより、第一可動台540を第一方向X1へ退入する(矢印F1で示したのとは逆方向)へ移動させることができる。
図29(a)に示すとおり、主動部570は、操作部572、第1ギア574、第2ギア575、駆動チェーン576及び駆動軸578を有している。操作部572と第1ギア574とは、連動して回転するように構成されている。また、第1ギア574及び第2ギア575とは駆動チェーン576により連結され、連動して回転する。さらに、第2ギア575と駆動軸578とは、同一の回転軸を中心として一体的に回転するようにキー等の固定手段により連結されている。作業者が操作部572を回動させる操作を行うことにより、第1ギア574及び第2ギア575が回動して、駆動軸578が回動する。
動力伝達機構580a,580bは、操作部572の回転動力を第一可動台540へと伝達して、第一可動台540を移動させるために設けられている。図29(a)に示すように、動力伝達機構580aは、第1鎖歯車582a、第2鎖歯車584a、伝達チェーン590aを有している。また、動力伝達機構580bは、第1鎖歯車582b、第2鎖歯車584b、伝達チェーン590bを有している。動力伝達機構580a,580bは、架台本体520の長手方向、すなわち第一方向X1に沿うように配置されている。なお、動力伝達機構580aと動力伝達機構580bとは、配置される位置が異なること以外は同一の構成とされている。そのため、以下においては動力伝達機構580aについて詳細に説明し、動力伝達機構580bの各構成については説明を省略する。
第1鎖歯車582aは、駆動軸578に対して取り付けられ、駆動軸578の回転に従動して回転する。第2鎖歯車584aは、第1鎖歯車582aと伝達チェーン590aにより連結される。また、伝達チェーン590aは、車輪取付部546のチェーン連結部548に対して連結される。
図29(a)に示すように、操作部572のハンドル572aが正回転するように操作されると、操作部572と接続された第1ギア574が正回転し、第1ギア574の回転動力が駆動チェーン576を介して第2ギア575に伝達される。また、第2ギア575が正回転すると、第2ギア575と接続された駆動軸578が連動して正回転する。
駆動軸578が正回転すると、駆動軸578と接続された第1鎖歯車582aが連動して回転する。また、第1鎖歯車582aが正回転すると、第1鎖歯車582a及び第2鎖歯車584aに噛み合う伝達チェーン590aの上方側がF1方向へと牽引される。伝達チェーン590aの上方側がF1方向に移動すると、伝達チェーン590aの上方側に連結された車輪取付部546がF1方向に移動し、これに伴って第一可動台540がF1方向に移動する(図29(b)参照)。このように、荷役架台500は、操作部572に対する回動操作を動力伝達機構580a,580bを介して第一可動台540に伝達して、第一可動台540を移動させることができる。
また、図29(a)に示す方向とは逆向きに駆動軸78が回転すると、図29(a)の動きとは逆方向へと第一可動台540が牽引される。このように、荷役架台500は、動力伝達機構580a,580bにより第一可動台540を第一方向X1に沿って進退可能とされている。
また、本実施形態の動力伝達機構580a,580bは、伝達チェーン590a,590bに対してチェーン連結部548を介して車輪取付部546を連結する構成とされている。そのため、荷役架台500は、極めてシンプルな構成により操作部572の回転動力を伝達して、第一可動台540,550を移動させることができる。
また、上述のとおり、荷役架台500は、動力伝達機構580a,580bの同ピッチを有するスプロケット及びチェーンにより精度良く同期して動力を伝達する。そのため、第一可動台540,550の両側が同じ距離で移動するよう精度良く制御される。また、これによりレール562に対する走行車輪564の姿勢が、略真っ直ぐに維持される。そのため、第一可動台540,550の荷重による摩擦を効果的に低減して、操作部572の回動操作を少ない力で行うことができる。その結果、第一可動台540,550がトラック2の全長を超えるような長尺のものであっても、第一可動台540,550の荷重負担を低減して、女性などであっても第一可動台540,550の移動操作を軽快に行うことができる。
さらに、上述のとおり、本実施形態の動力伝達機構580a,580bは、極めてシンプルな構成とされている。そのため、荷役架台500は、動力伝達機構580a,580bの第一方向X1の距離において、第一可動台540,550を繰り出すための距離を最大限確保することができる。これにより、第一可動台540,550の幅方向の距離を確保しつつ、作業台522の幅方向の距離を最小限に抑えることができる。
さらに、図25及び図29等に示すとおり、本実施形態の主動部570は、第一可動台540,550よりも下方に配置される。これにより、主動部570を作業台522の上方に設けた場合と比較して、荷役架台500の幅方向の距離において主動部570の駆動チェーン576を上方に取り出す分の距離を確保する必要がなく、荷役架台500の幅方向の距離を削減することができる。