JP2018015784A - レーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ加工装置において複層樹脂基板をハーフカット加工するときに、下側の樹脂層を加工してしまう不具合を減らす。【解決手段】レーザ加工装置1は、表面側から第1樹脂層L1と第1接着層A1と第2樹脂層L2とを有する複層樹脂基板Pをハーフカットする装置であって、レーザ装置3を備えている。レーザ光Rは、第1樹脂層L1に対して吸収率が高く、かつ、第2樹脂層L2に対して吸収率が低い。【選択図】図3

Description

本発明は、レーザ加工装置、特に、レーザ光を照射することで樹脂基板を切断する装置に関する。
樹脂基板の種類は、単層樹脂基板と、複層樹脂基板とに分かれる。複層樹脂基板は、例えば、異なる材料の複数の樹脂層を含む。
複層樹脂基板を切断する装置として、レーザ加工装置が用いられる(例えば、特許文献1を参照)。複層樹脂基板は、レーザ加工装置によって、上側の層だけが切断されたり(ハーフカット加工)、全ての層が切断されたりする(フルカット加工)。
特開2014−8511号公報
複層樹脂基板をハーフカット加工するときに、表面の樹脂層のみを切断する。より詳細には、表面の樹脂層及び接着層がレーザ加工される。
しかし、使用するレーザの光学特性によっては、表面の樹脂層及び接着層を加工する際に、下側の中間樹脂層まで加工してしまうことがある。
本発明の目的は、レーザ加工装置において複層樹脂基板をハーフカット加工するときに、下側の樹脂層を加工しないようにする。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係るレーザ加工装置は、表面側から第1樹脂層と接着層と第2樹脂層とを有する複層樹脂基板を切断する装置であって、レーザ装置を備えている。
レーザ光は、第1樹脂層に対して吸収率が高く、かつ、第2樹脂層に対して吸収率が低い。
この装置では、レーザ光によって第1樹脂層が切断されるときに、第1樹脂層のみが加工され、第2樹脂層には損傷が生じない。なぜなら、レーザ光は、第1樹脂層に対して吸収率が高いが、第2樹脂層に対しては吸収率が低いからである。
レーザ光の第1樹脂層に対する吸収率は80%以上(好ましくは90%以上)であり、レーザ光の第2樹脂層に対する吸収率は40%以下(好ましくは30%以下)であってもよい。
第1樹脂層はPETを含み、第2樹脂層はPI(ポリイミド樹脂)を含み、レーザ装置はCOレーザであってもよい。
本発明に係るレーザ加工装置では、複層樹脂基板をハーフカット加工するときに、下側の樹脂層を加工しないようにできる。
本発明の第1実施形態のレーザ加工装置の模式図。 樹脂基板の構造を示す模式的断面図。 樹脂基板の加工状態を示す模式的断面図。
1.第1実施形態
(1)全体構成
図1に、本発明の一実施形態による樹脂基板切断用のレーザ加工装置1の全体構成を示す。図1は、本発明の第1実施形態のレーザ加工装置の模式図である。
レーザ加工装置1は、樹脂基板Pをハーフカット加工するための装置である。樹脂基板とは、樹脂シート、樹脂フィルムともいわれるものである。
レーザ加工装置1は、レーザ装置3を備えている。レーザ装置3は、樹脂基板Pにレーザ光を照射するためのレーザ発振器9を有している。レーザ発振器9は、例えば、COレーザである。
レーザ装置3は、レーザ光を後述する機械駆動系に伝送する伝送光学系11を有している。伝送光学系11は、例えば、図示しないが、集光レンズ、複数のミラー、プリズム、ビームエキスパンダ等を有する。また、伝送光学系11は、例えば、レーザ発振器9及び他の光学系が組み込まれたレーザ照射ヘッド(図示せず)をX軸方向に移動させるためのX軸方向移動機構(図示せず)を有している。
レーザ加工装置1は、機械駆動系5を備えている。機械駆動系5は、ベッド13と、樹脂基板Pが載置される加工テーブル15と、加工テーブル15をベッド13に対して水平方向に移動させる移動装置17とを有している。移動装置17は、ガイドレール、移動テーブル、モータ等を有する公知の機構である。
レーザ加工装置1は、制御部7を備えている。制御部7は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。制御部7は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
制御部7は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
制御部7には、図示しないが、樹脂基板Pの大きさ、形状及び位置を検出するセンサ、各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
この実施形態では、制御部7は、レーザ発振器9を制御できる。また、制御部7は、移動装置17を制御できる。さらに、制御部7は、伝送光学系11を制御できる。
図2を用いて、樹脂基板Pの構造を説明する。図2は、樹脂基板の構造を示す模式的断面図である。
樹脂基板Pは、図2に示すように、複層の樹脂からなる複層樹脂基板である。具体的には、樹脂基板Pは、三層構造であり、表側から、第1樹脂層L1と、第2樹脂層L2と、第3樹脂層L3とを有している。
一例として、第1樹脂層L1は、PETを含む。第2樹脂層L2は、PIを含む。第3樹脂層L3は、PETを含む。
一例として、各樹脂層は第1接着層A1、第2接着層A2により互いに接着されている。第1接着層A1は、第1樹脂層L1と第2樹脂層L2との間に配置されている。第2接着層A2は、第2樹脂層L2と第3樹脂層L3との間に配置されている。
一例として、第2樹脂層L2の上面には、回路(図示せず)が形成されている。
(2)動作
図2及び図3を用いて、レーザ光による樹脂基板Pの加工動作を説明する。図3は、樹脂基板の加工状態を示す模式的断面図である。
制御部7が、レーザ発振器9を駆動して、樹脂基板Pの切断を実行する。レーザ発振器9は、レーザ光を切断ラインCに沿って移動させることで、樹脂基板Pをハーフカットする。レーザ光の走査回数は1回でもよいし、複数回でもよい。
具体的には、切断の対象は、第1樹脂層L1及び第1接着層A1である。切断には、レーザ発振器9つまりCOレーザが用いられる。図4に示すように、レーザ光Rによって、第1樹脂層L1及び第1接着層A1が切断される。これにより、切断部19が形成されるなお、レーザ光Rの焦点位置は、第1樹脂層L1又は第1接着層A1内に止まっていることが好ましい。
この装置では、レーザ光Rによって第1樹脂層L1が切断されるときに、第1樹脂層L1のみが加工され、第2樹脂層L2には損傷が生じない。なぜなら、レーザ光Rは第1樹脂層L1に対して吸収率が高いが、第2樹脂層L2に対しては吸収率が低いからである。
具体例として、COレーザのPETに対する吸収率は、9.4μm波長帯の場合は90%程度であり、10.6μm波長帯の場合は80%である。また、COレーザのPIに対する吸収率は9.4μm波長帯の場合は25%程度である。
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
前記樹脂基板は樹脂層が3層であったが、樹脂層は、2層であってもよいし、4層以上であってもよい。
前記基板は全て樹脂層で構成されていたが、2層の樹脂層の下に他の層(例えば、金属層)が設けられていてもよい。
レーザ装置、機械駆動系の具体的な構成は、前記実施形態に限定されない。
樹脂基板の形状、切断ラインの形状は特に限定されない。
本発明は、レーザ光を照射することで樹脂基板を切断するレーザ加工装置に広く適用できる。
1 :レーザ加工装置
3 :レーザ装置
5 :機械駆動系
7 :制御部
9 :レーザ発振器
11 :伝送光学系
13 :ベッド
15 :加工テーブル
17 :移動装置
A1 :第1接着層
A2 :第2接着層
C :切断ライン
L1 :第1樹脂層
L2 :第2樹脂層
L3 :第3樹脂層
P :樹脂基板

Claims (3)

  1. 表面側から第1樹脂層と接着層と第2樹脂層とを有する複層樹脂基板を切断するレーザ加工装置であって、
    前記第1樹脂層及び前記接着層を切断するためのレーザ光を発生するレーザ装置を備え、
    前記レーザ光は、前記第1樹脂層に対して吸収率が高く、かつ、前記第2樹脂層に対して吸収率が低い、
    レーザ加工装置。
  2. 前記レーザ光の前記第1樹脂層に対する吸収率は80%以上であり、前記レーザ光の前記第2樹脂層に対する吸収率は40%以下である、請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記第1樹脂層はPETを含み、
    前記第2樹脂層はPIを含み、
    前記レーザ装置は、COレーザである、請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
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