JP2014008511A - 熱可塑性樹脂シートを切断する方法及び導光板 - Google Patents

熱可塑性樹脂シートを切断する方法及び導光板 Download PDF

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晃和 松本
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Abstract

【課題】レーザーにより熱可塑性樹脂シートを切断する方法において、切断面における外観不良や、この方法により製造された導光板の輝度の低下を防止する。
【解決手段】厚さ1.5mm以下の熱可塑性樹脂シート6に垂直にレーザー1を照射して、熱可塑性樹脂シート6を切断する方法において、レーザー1を熱可塑性樹脂シート6に照射する際に、レーザー1を、熱可塑性樹脂シート6の表面から焦点Fまでの距離Dが0mm以上かつ8mm以下となるように集束させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂シートを切断する方法及び導光板に関し、特に、厚さ1.5mm以下の熱可塑性樹脂シートに垂直にレーザー光を照射して、熱可塑性樹脂シートを切断する方法、及びこの方法により切断された熱可塑性樹脂シートからなる導光板に関する。
近年、ガラスに比べて光学特性に優れ、割れにくいという特性を有しているため、熱可塑性樹脂シートがガラスに代わって広く使用されている。特に、熱可塑性樹脂シートの中でも、アクリル樹脂シートは優れた光学特性を有しているため、レンズ、自動車部品、照明部品、各種電子ディスプレイ等に用いられる導光体として使用されている。このような導光体は、原材料であるアクリル製の熱可塑性樹脂シートを所望の形状及び大きさに切断することで製造される。
このような熱可塑性樹脂シートの切断方法としては、シートが薄い場合には、はさみやカッター等の鋭利な刃物により切断する方法が用いられ、また、シートが厚い場合には鋸で切断する方法や、研磨材を付着させたテープ又は円盤を高速回転させて切断する方法が用いられる。さらに、その他の切断方法としては、コンターマシン方法、打ち抜き加工方法、ウォータージェット方法等が知られている。しかしながら、このように刃物等により熱可塑性樹脂シートを切断する方法では、切断面に割れやひびが生じたり、切断屑が切断面に付着したりする。このように切断面に割れやひびが生じたり、切断屑が付着したりすると、導光板の切断面で光の拡散を生じてしまい、導光板の輝度が低下してしまう。このため、導光板の端面を滑らかにするため、端面を切削又は研磨する必要があった。
これに対して、例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂シートをレーザーで切断する方法が開示されている。このように熱可塑性樹脂シートをレーザー切断して製造された導光板は、切断面における割れやひびの発生、及び切断屑の付着を防止できる。
特開平10−253831号公報
ここで、引用文献1に記載された方法では、レーザーを熱可塑性樹脂シートの内部に集束させてシートを切断している。しかし、近年、導光板の薄型化が進んでおり、レーザーを正確に薄型の導光板内に集束させることが非常に難しい。このため、レーザーの焦点がずれて熱可塑性樹脂シートを載置する載置面でレーザーが反射してしまい、反射したレーザーが熱可塑性樹脂シートの切断面以外の部分を溶融させ、外観の不良を発生させたり、導光体として用いる際の輝度を低下させたりするなどの問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、レーザーにより熱可塑性樹脂シートを切断する方法において、切断面における外観不良や、この方法により製造された導光板の輝度の低下を防止することを目的とする。
本発明の熱可塑性樹脂シートを切断する方法は、厚さ1.5mm以下の熱可塑性樹脂シートに垂直にレーザーを照射して、熱可塑性樹脂シートを切断する方法であって、レーザーを熱可塑性樹脂シートに照射する際に、レーザーの焦点を、熱可塑性樹脂シートの表面から外部方向の距離が0mm以上かつ8mm以下となるように集束させる、ことを特徴とする。
上記の構成の本発明によれば、熱可塑性樹脂シートの表面からレーザーの焦点までの距離を0mm以上とする、すなわち、レーザーを熱可塑性樹脂シートの外部において集束させることとなり、容易にレーザーの焦点位置を制御することができる。これにより、例え、焦点位置がずれた場合であっても、レーザーが熱可塑性樹脂シートを載置する床面で反射することを防止し、切断面に融解を生じさせることなく、熱可塑性樹脂シートを切断することができる。さらに、距離を8mm以下とすることにより、十分に集束したレーザーが熱可塑性樹脂シートに照射されるため、確実に切断に必要な溶融温度に到達させることができる。さらに、レーザーの焦点を熱可塑性樹脂シートの外部において集束させることにより、例え、レーザーが載置面において反射したとしても、レーザーが十分に減衰しているため、シートの切断面以外の部分を溶解してしまうことを防止できる。
本発明において、レーザーとして、レーザー照射強度1J/mm以上のレーザーを用い、かつレーザーを熱可塑性樹脂シートの表面から外部方向の焦点までの距離が0mm以上かつ0.5mm以下となるように集束させるとよい。
上記の構成の本発明によれば、従来の端面に切削や研磨を施す方法よりも、端面を滑らかに形成し、端面における光の拡散を減らし、導光性を向上することができる。
本発明において、好ましくは、熱可塑性樹脂シートがアクリル樹脂からなる。
上記の構成の本発明によれば、アクリル樹脂は透明性が優れているため、導光板の輝度を向上できる。
本発明の導光板は、上記の方法により切断された熱可塑性樹脂シートからなる。
上記の構成の本発明によれば、端面における光の拡散を減らし、導光板の輝度の低下を防止できる。
本発明によれば、レーザーにより熱可塑性樹脂シートを切断する方法において、切断面における外観不良や、この方法により製造された導光板の輝度の低下を防止できる。
本発明の一実施形態による熱可塑性樹脂シートを切断する方法を示す正面図である。 本発明の実施例による試験片の20cm長光路輝度を測定する方法を示す概略図である。
以下、本発明の熱可塑性樹脂シートを切断する方法の一実施形態を詳細に説明する。以下の説明では、熱可塑性樹脂シートを切断して導光板を製造する場合を例として説明する。
本実施形態では、まず、図1に示すように、レーザー発振器から照射されたレーザー1を移動可能なレンズ等からなる焦点調整機構2により集束させる。そして、集束したレーザー1を載置面4上に載置された熱可塑性樹脂シート6に照射して、熱可塑性樹脂シート6を所望の形状、大きさに切断する。次に、切断した熱可塑性樹脂シート6の表面に凹凸を形成して、導光板を製造する。
なお、後述するように、本実施形態の方法により製造された導光板は、端面における導光性に優れていることから、特に、薄型の液晶ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、プラズマディスプレイ、携帯電話ディスプレイ、携帯電話キーパッド照明、パソコンキーボード照明、室内照明及びデジタルサイネージ等のその他看板等に用いられるサイドライト型導光板に適している。
以下、本実施形態で用いられる熱可塑性樹脂シート、熱可塑性樹脂シートの切断方法、及び熱可塑性樹脂シート表面への凹凸の付与方法について詳細に説明する。
<熱可塑性樹脂シート>
熱可塑性樹脂シートとしてはその厚さが1.5mm以下であり、0.1mm以上、1mm以下であることが好ましく、0.25mm以上、0.8mm以下であることがより好ましい。熱可塑性樹脂シートの厚さが1.5mmよりも厚いものにおいては切断の際に必要とされるレーザー強度が不足することにより切断を行うことが困難となる。これに対して、厚さが1.5mm以下の熱可塑性樹脂シートであれば、レーザー強度が不足することなく容易に切断できる。
本実施形態で用いられる熱可塑性樹脂シートとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスチレン樹脂(PS)、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマーからなるものを用いることができる。特に、本実施形態のように導光板を製造する場合には、透明性が優れているため、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂を用いることが望ましい。
さらに、アクリル樹脂シートはその組成内にアクリルゴム成分やメタクリレートとアクリレートのブロック共重合体、長鎖のジ(メタ)アクリレートといったガラス転移温度を低下させる成分を含んでもよい。
これらの成分を含むことで、アクリル樹脂のガラス転移温度を低下させることが可能となり、レーザーによる溶融熱でアクリル樹脂シートを切断することが容易になる。なお、アクリル樹脂シートの透明性を確保するため、ガラス転移温度を低下させる成分を用いる場合には、以下の化学式(1)で示される長鎖のジ(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
CH2=CR1−COO−(X)−COCR1=CH2 (1)
但し、(X)は数平均分子量500以上の、アルキレングリコール、エステルジオール及びカーボネートジオールの繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種を含む二価基であり、R1はH又はCH3を示す。
また、(X)の形態が複数組成の繰返し単位の場合、繰返し単位の組成としては、ランダム組成、ブロック組成又は交互組成のいずれでも良い。
(X)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール等のモノアルキレングリコール、ドデカエチレングリコール、トリデカエチレングリコール、テトラデカエチレングリコール、ペンタデカエチレングリコール、ヘキサデカエチレングリコール等の繰り返し単位数が12以上のポリエチレングリコール、ノナプロピレングリコール、デカプロピレングリコール、ウンデカプロピレングリコール、ドデカプロピレングリコール、トリデカプロピレングリコール等の繰り返し単位数が9以上のポリプロピレングリコール、ヘプタブチレングリコール、オクタブチレングリコール、ノナブチレングリコール、デカブチレングリコール、ウンデカブチレングリコール等の繰り返し単位数が7以上のポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール二価基;前記ポリアルキレングリコール及びエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の低分子量ジオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分との反応物であるポリエステルジオール二価基;並びに前記ポリアルキレングリコール及び前記低分子量ジオールと炭酸ジメチル等の炭酸エステルとの反応物であるポリカーボネートジオール二価基が挙げられる。
これら長鎖ジ(メタ)アクリレートの具体例としては三菱レイヨン株式会社製のアクリエステルPBOM(三菱レイヨン株式会社製ポリブチレングリコールジメタクリレート、(X)の数平均分子量650、商品名)、日油株式会社製のブレンマーPDE−600(ポリエチレングリコールジメタクリレート、n=14)、ブレンマーPDP−700(ポリプロピレングリコールジメタクリレート、n=12)、ブレンマーPDT−650(ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート n=9)、ブレンマー40PDC1700B(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのランダム共重合体ジメタクリレート Xの分子量1700)及びブレンマーADE−600(ポリエチレングリコールジアクリレート n=14)並びに新中村化学工業株式会社製のNKエステルA−PTNG65(n=9)、NKエステルA−600(ポリエチレングリコールジアクリレート n=14)、NKエステルA−1000(ポリエチレングリコールジアクリレート n=23)、NKエステルAPG−700(ポリプロピレングリコールジアクリレート n=12)、NKエステル14G(ポリエチレングリコールジメタクリレートn=14)及びNKエステル23G(ポリエチレングリコールジメタクリレート n=23)(いずれも商品名)が工業的に入手可能であり、好適に使用できる。
<熱可塑性樹脂シートの切断方法>
本実施形態では、図1に示すように集束させたレーザー1を照射することにより、熱可塑性樹脂シート6を切断する。集束させたレーザー1を熱可塑性樹脂シート6に照射すると、熱可塑性樹脂シート6が溶融し、これにより切断することができる。このようなレーザー照射による溶融現象を利用した切断は、熱可塑性樹脂シートの端面に割れや欠けを生じること無く切断できるため、研磨工程を省略することが可能となり、コストを削減し、生産効率を向上することができる。
また、レーザーを照射すると同時に照射点にアシストガスを吹き付けることが好ましい。アシストガスを吹き付けることにより、切断時に発生した溶融物などの熱可塑性樹脂シートへ付着、及び熱可塑性樹脂シートの熱による損傷を防止できる。このようなアシストガスとしては、ドライエア、窒素、アルゴンガスなどのレーザー光と不活性のガスであれば良い。
本実施形態で用いられるレーザー発振器としては、連続発振のレーザー発振器が好ましく、Arレーザー、Krレーザー、CO2レーザー、YAGレーザー、YVO2レーザー、フォルステライト(Mg2SiO4)レーザー、YLFレーザー、YAlO3レーザー、GdVO4レーザー、Y2O3レーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4にドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザー発振器などを用いることができる。
また、パルス発振のレーザー発振器も用いることができ、Arレーザー、Krレーザー、エキシマレーザー、CO2レーザー、YAGレーザー、Y2O3レーザー、YVO4レーザー、フォルステライト(Mg2SiO4)レーザー、YLFレーザー、YAlO3レーザー、GdVO4レーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、銅蒸気レーザービーム、金蒸気レーザー、多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4にドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザー発振器などを用いることができる。
上記のうち、CO2レーザー発振器は、レーザーを低出力かつ連続発振可能であり、さらに安価であるため、より好ましい。
本発明のレーザー強度としては0.4J/mm以上が好ましく、より好ましくは1J/mm以上である。レーザー強度が0.4J/mm未満の場合にはレーザーの熱による熱可塑性樹脂の溶融が発生しないおそれがある。これに対して、レーザー強度を0.4J/mm以上とすることにより、確実に熱可塑性樹脂を溶融させて、必要な割れや欠けを生じることなく、熱可塑性樹脂シートの端面を確実に溶融切断することができる。
本実施形態では、図1に示すように、レーザー1を熱可塑性樹脂シート6に対して垂直に照射する。レーザー1を熱可塑性樹脂シート6に対して垂直に照射することにより、シート面に対して垂直な端面を成形することが出来る。特に、サイドライト型の導光板では端面から光を導光するため、端面をシート面に対して垂直に形成することにより、光源から導光板内に入射する光量を増加させることができる。
本実施形態では、レーザー1を、熱可塑性樹脂シート6の表面からレーザー1の焦点Fまでの距離Dが、0mm以上かつ8mm以下の範囲となるように集束させる。さらに、この距離Dは0mmかつ以上5mm以下の範囲内であることが好ましく、0mm以上かつ0.5mm以下の範囲内であることがより好ましい。
このように、熱可塑性樹脂シート6の表面からレーザー1の焦点までの距離Dを、0mm以上の範囲となるようにすることにより、レーザー1が熱可塑性樹脂シート6の外部において集束することとなる。このため、容易にレーザー1の焦点Fの位置を制御することができる。これにより、レーザーが熱可塑性樹脂シート6を載置する載置面4で反射することを防止し、切断面に融解が生じることなく熱可塑性樹脂シート6を切断することができる。さらに、距離Dを8mm以下とすることにより、レーザー1が熱可塑性樹脂シート6において十分に集束することとなり、確実に切断に必要な溶融温度に到達させることができる。このように、熱可塑性樹脂シート6の表面からレーザーの焦点までの距離Dを、0mm以上かつ8mm以下とすることにより、端面における融解等の発生を防止し、確実に熱可塑性樹脂シート6を溶融切断することができる。これにより、端面における光の拡散を抑止し、導光板の輝度の低下を抑えることができる。
<熱可塑性樹脂シート表面への凹凸の付与方法>
本実施形態では、熱可塑性樹脂シートの片面又は両面に微細な凹凸形状をする。このように熱可塑性樹脂シートの片面又は両面に微細な凹凸形状を形成することにより、レーザー切断後の熱可塑性樹脂シートを導光体として用いる上で、出射する光の均一性を高めることができる。
熱可塑性樹脂シートの片面又は両面に微細な凹凸形状を付与する工程は、熱可塑性樹脂シートの成形と同時行ってもよいし、熱可塑性樹脂シートの成形後にいってもよい。本実施形態では、凹凸形状を付与する工程を熱可塑性樹脂シートの成形後に行う場合について説明する。
熱可塑性樹脂シートの成形後に凹凸形状を付与する方法としては、例えば、転写用型部材を用いて熱可塑性樹脂シートに熱プレスすることにより凹凸形状を転写する熱インプリント方式、光硬化性樹脂組成物を熱可塑性樹脂シートに散布して硬化させることで凹凸形状を付与するUVインクジェット印刷方式、CO2レーザー等により熱可塑性樹脂シート表面を加工して凹凸形状を付与するレーザー加工方式、光硬化性樹脂組成物を塗布して転写用型部材により凹凸形状を転写する方法、または、転写用型部材を用いてシルク印刷樹脂組成物を塗布して形状を転写する樹脂印刷方式等を用いることができる。
微細な凹凸形状としては、本発明の熱可塑性樹脂シートの片面又は両面に、例えば、マット構造、ドット形状、またはプリズム配列構造等を形成したものが挙げられる。本実施形態の熱可塑性樹脂シートの表面への凹凸の構造は、上記のいずれか一つの構造のみを用いてもよいし、2つ以上の構造を併用してもよい。
なお、上記のように、熱可塑性樹脂シートの片面又は両面に微細な凹凸形状を付与する工程は、熱可塑性樹脂シートの成形と同時行ってもよい。この場合、例えば、凹凸形状を付与する方法として、予め微細な凹凸形状が表面に付与されたPETフィルムやステンレスベルトの上で熱可塑性樹脂を重合することにより熱可塑性樹脂シートの表面に凹凸形状を付与する方法などを用いることができる。
なお、本実施形態では、熱可塑性樹脂シート表面へ凹凸を付与しているが、この工程は必須ではなく、省略することも可能である。
上述した本発明の切断方法により、以下の条件において熱可塑性樹脂シートを切断して製造した試験体(実施例1−8)、及び従来の切断方法により熱可塑性樹脂シートを切断して製造した試験体(比較例1−5)について、切断面の外観及び20cm長光路輝度について評価を行った。
<実施例1−8>
−熱可塑性樹脂シート−
表1に示すように、熱可塑性樹脂シートとして、実施例1−6については、厚さ0.35mmのPMMAシート(熱可塑性樹脂シートシートAとする)を用いた。
熱可塑性樹脂シートとして、実施例7については、以下の方法で製造した熱可塑性樹脂シートBを用いた。
まず、ポリブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン株式会社製、商品名:アクリエステルPBOM)20部、メチルメタクリレート(三菱レイヨン株式会社製、商品名:アクリエステルM)80部、重合開始剤(α)として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.3部及び剥離剤としてスルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム0.05部(500ppm)を混合し、アクリル系組成物を得た。
次に、縦300mm及び横300mmのガラス板を、ポリ塩化ビニル製ガスケットを介して0.4mm間隔で相対させて鋳型を形成し、形成された鋳型内に、減圧下で脱気処理を行った上記のアクリル系組成物を注入した。
そして、アクリル系組成物を注入した鋳型にケミカルランプ(東芝ライテック株式会社製、商品名:FL20SBL)を用いてピーク照度2.1mW/cm2及び積算光量3,780mJ/cm2で紫外線を照射してアクリル系組成物の光重合を行った。その後、鋳型を室温まで冷却し、型枠を脱枠して、平均厚さ約400μmの熱可塑性樹脂シートBを得た。
熱可塑性樹脂シートとして、実施例8については、厚さ1mmのPMMAシートを用いた。
−レーザーの照射強度及び焦点距離−
表1に示すように、レーザーの照射強度については、実施例1、4、7、8では2.1J/mm、実施例2、5、6では1J/mm、実施例3では0.4J/mmとした。すなわち、実施例1−8におけるレーザーの照射強度は、実施例3のみが1J/mm未満であり、実施例1−3、5−8では1J/mm以上である。
レーザーの焦点距離については、実施例1−3、7では0mm、実施例4、8では0.5mm、実施例5では1mm、実施例6では5mmとした。すなわち、実施例1−8におけるレーザーの焦点距離は全て0mm以上かつ8mm以下であり、さらに、実施例1−4、7、8では0mm以上かつ0.5mm以下である。なお、本実験における「レーザーの焦点距離」との用語は、シート表面から外部方向を正としたレーザーの焦点までのシート表面に対して垂直方向の距離をいう。すなわち、焦点距離がマイナスの場合には、焦点はシート内に位置することとなる。
Figure 2014008511
<比較例1>
表2に示すように、比較例1については、実施例1−8と同様に、厚さ0.35mmのPMMAシート(熱可塑性樹脂シートシートA)をレーザー切断して試験片を製造した。ただし、比較例1では、レーザー照射強度を2.1J/mm、かつ焦点距離を−0.2mmとした。
Figure 2014008511
<評価方法>
(1)切断可否(切断面の外観)
上記の切断条件で各実施例、比較例において熱可塑性樹脂シートを切断し、3×20cmの試験片を得ることとした。このとき切断によって切断面に割れやかけなどの外観不良を生じることなく試験片が得られたものを○、得られた試験片に溶融や割れ、欠けによる外観不良が発生しているものを△、切断できなかったものを×として評価した。
(2)20cm長光路輝度
図2に示すように、基盤上に0.5cm間隔でLEDを配列した面光源8に、各実施例、比較例で得られた試験片10の一方の端面を近接させ、LED光を20cmの光路長で試験片10に導光させた。測定時には光の漏れが発生しないよう試験片の上下を反射フィルム12で挟んだ。LED光を導光させた後、入射側と反対側の端面から出射された光の輝度を輝度計14により測定した。輝度の測定は出射面から1m離れた地点で、輝度計CS−100A(株式会社コニカミノルタ製)を用いて実施した。また、20cm長光路輝度については比較例1で得られた端面の研磨後の試験片を測定した結果を100%として、相対値で評価した。なお、図2は、説明のための概略図であり、試験片10の寸法に対する試験片10から輝度計14までの距離の割合は、実際と異なっている。
<実施例と比較例の比較>
表3に、実施例1−8及び比較例1の切断可否及び20cm長光路輝度についての結果を示す。
Figure 2014008511
表3に示すように、実施例1−8では、切断面に割れやかけなどの外観不良を生じることなく試験片を得ることができ、さらに、得られた試験片では、切削後の比較例1と同等(比較例1の108〜145%)の20cm長光路輝度が得られた。このことから、実施例1−8では、切削後の比較例1よりも滑らかな端面が得られているといえる。
特に、レーザーの照射強度が1J/mm以上であり、かつ熱可塑性樹脂シートの表面から焦点までの距離が0mm以上かつ0.5mm以下である実施例1、2、4、7、8では、比較例1に比べて3割〜4割近く高い20cm長光路輝度が得られている。すなわち、端面を滑らかに形成し、端面における光の拡散を良好に減らすことができ、導光板の輝度の低下を防止できるといえる。
比較例1は、熱可塑性樹脂シートを切断することはできるものの、切断面に溶融による外観不良が生じた。
これは、比較例1では、レーザー焦点を熱可塑性樹脂シート内部に位置させているものであるが、熱可塑性樹脂シートが薄型であり、熱可塑性樹脂シートを静置する床面にレーザーが反射してしまい、反射したレーザーが熱可塑性樹脂シートの端面以外の部分を溶融させてしまっているためである。
1 レーザー
2 焦点調整機構
4 載置台
6 熱可塑性樹脂シート
8 面光源
10 試験片
12 反射アルミフィルム
14 輝度計
F 焦点

Claims (4)

  1. 厚さ1.5mm以下の熱可塑性樹脂シートに垂直にレーザーを照射して、前記熱可塑性樹脂シートを切断する方法であって、
    前記レーザーを熱可塑性樹脂シートに照射する際に、前記レーザーの焦点を、前記熱可塑性樹脂シートの表面から外部方向の距離が0mm以上かつ8mm以下となるように集束させる、
    熱可塑性樹脂シートの切断方法。
  2. 前記レーザーとして、レーザー照射強度1J/mm以上のレーザーを用い、かつ前記レーザーを前記熱可塑性樹脂シートの表面から外部方向の焦点までの距離が0mm以上かつ0.5mm以下となるように集束させる、請求項1に記載の熱可塑性樹脂シートの切断方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂シートがアクリル樹脂からなる請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂シートの切断方法。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂シートの切断方法により切断された熱可塑性樹脂性シートからなる導光板。
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CN104002039A (zh) * 2014-04-29 2014-08-27 深圳市大族激光科技股份有限公司 一种激光设备获取激光焦点的方法
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