JP5892463B2 - 導光板の製造方法 - Google Patents
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Description
上記の構成の本発明によれば、アクリル樹脂は透明性が高いため、高品質の導光板を製造することができる。
上記の構成の本発明によれば、アクリル樹脂板が柔軟になるため、打ち抜き加工時に、力が保護フィルムから樹脂板に伝達されたとしても、この力に応じてアクリル樹脂が変形することができるため、割れや欠けの発生を低減することが可能になる。
樹脂板は、厚みが厚くなると、その分、打ち抜き刃が樹脂板に深く打ち込まれることとなる。また、打ち抜き刃は、その厚さが刃先から徐々に大きくなるような形状を呈している。このため、刃が樹脂板に深く打ち込まれると、厚さが大きい部分まで樹脂板に打ち込まれることとなりクラックを生じやすい。これに対して、上記の構成の本発明によれば、樹脂板の厚さを1000μm以下とすることにより、刃の厚みの薄い刃先で切断することができるため、打ち抜き加工時に生じる割れや欠けを低減することが出来る。
図1は、本発明の一実施形態による導光板の製造方法を説明するための概略図であり、樹脂板に保護フィルムを貼付した状態を示す。
本実施形態では、例えば、薄型液晶ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、プラズマディスプレイ、携帯電話ディスプレイ、携帯電話キーパッド照明、パソコンキーボード照明及び看板等に用いられるサイドライト型導光板などに用いられる無色透明の導光板を製造する場合について説明する。
まず、本実施形態で打ち抜き加工の対象となる樹脂板10について説明する。
本実施形態では、樹脂板として、厚さが1000μm以下の樹脂板を用いることが好ましく、600μm以下のものがより好ましく、400μm以下のものがさらに好ましい。樹脂板は、厚みが厚くなると、その分、刃が樹脂板に深く打ち込まれることとなる。これに対して、打ち抜き刃は、図2〜4に示すように、厚さが刃先から徐々に大きくなるような形状を呈している。このため、打ち抜き刃が樹脂板に深く打ち込まれると、打ち抜き刃の厚さが大きい部分まで樹脂板に打ち込まれることとなりクラックを生じやすい。これに対して、樹脂板の厚さを薄くすることにより、刃の厚みの薄い刃先で切断することができるため、打ち抜き加工時に生じる割れや欠けを低減することが出来る。
また、アクリル樹脂板の貯蔵弾性率は25℃の条件で2000MPa以下であることが好ましい。このように、アクリル樹脂板の貯蔵弾性率が25℃の条件で2000MPa以下であることにより、アクリル樹脂が柔軟になるため、打ち抜き加工時に、力が保護フィルムから樹脂板に伝達されたとしても、この力に応じてアクリル樹脂が変形することができるため、より効果的に打ち抜き加工時にアクリル樹脂板に生じる割れや欠けを低減することが可能になる。
なお、本実施形態では、アクリル樹脂製の樹脂板を用いる場合について説明するが、これに限らず、その他の樹脂材からなる樹脂板に対しても本発明を適用できる。
図1に示すように、保護フィルム11では、シート材からなる基材13の片面に粘着層14が設けられ、この粘着層14が樹脂板10に付着することになる。
基材13としては、例えばポリエチレンなどのオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いることができる。粘着層14としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系粘着剤、直鎖状低密度ポリエチレンなどからなる。
保護フィルム11の伸び率が100%より大きい場合には、樹脂板切断時に保護フィルム11が破断する際に保護フィルム11が伸びてしまい、樹脂板10を切断するための力が保護フィルム11に逸脱してしまい、樹脂板10を切断する力が小さくなってしまう。これに対して、破断点伸び率を100%以下とすることで、打ち抜き加工時に保護フィルム11が伸びることがなく、樹脂板10を切断するための力が保護フィルム11に逸脱してしまうことを防止できるため、打ち抜き刃から作用する力が樹脂板10に集中し、保護フィルム11を容易に断ち切ることが可能になる。このように、樹脂板10に集中して力が作用するため、スムーズに打ち抜き加工を行うことができ、打ち抜き端面に割れや欠けが生じるのを防止できる。
まず、株式会社ダンベル製のスーパーダンベルカッター(登録商標)SDK−100Dを用いてダンベル状1号型の保護フィルムの試験片を3枚作成する。次に、得られた試験片について、株式会社オリエンテック製のテンシロン万能材料試験機を使用して室温25℃及び引張速度500mm/分で3回の引張試験を実施し、得られた値の平均値を破断点伸び率とする。
保護フィルム11の粘着力を0.05N/10mm以下とすることにより打ち抜き加工時に保護フィルム11と樹脂板10が必要以上に密着することがないため、打ち抜き加工時に保護フィルム11に打ち抜き刃から力が伝達されたとしても、打ち抜き刃から保護フィルム11に作用する力が樹脂板10に伝わるのを防止できる。これにより、樹脂板10の打ち抜き端面に割れや欠けが生じるのを防止できる。
本実施形態では、図2に示すように、樹脂板10の上方又は下方のいずれか一方側(図2では上方側)に打ち抜き刃12Aを有し、樹脂板10の他方側には切断材料受け12Bを有する打ち抜き加工機を用いて、打ち抜き加工を行う。打ち抜き刃12Aは切断材料受け12Bに向かって上下方向に移動可能である。打ち抜き加工を行う際には、樹脂板10を切断箇所が上方の打ち抜き刃12Aの直下に位置するように配置し、上方の打ち抜き刃12Aを降下させて(図2の矢印方向)、樹脂板10に押し込むことにより、樹脂板10を切断する。
本実施例では、アクリル樹脂板の表面に後述する保護フィルムA−Eを室温条件で貼付し、この保護フィルムを貼り合わせたアクリル樹脂板に打ち抜き加工を施した。
このようにして製作されたアクリル樹脂板の貯蔵弾性率は、1920(MPa)であった。
保護フィルムA:SUNYTECT PAC4K−90(株式会社サンエー化研製、厚み90μm、基材:高密度ポリエチレン)
保護フィルムB:Silicon Protection:(東洋包材株式会社製開発品、厚み75μm、基材:ポリエチレンテレフタレート)
保護フィルムC:SUNYTECT PAC3−70(株式会社サンエー化研製、厚み70μm、基材:低密度ポリエチレン)
保護フィルムD:E−MASK R−200(日東電工株式会社製、厚み65μm、基材:低密度ポリエチレン)
保護フィルムE:DP−1020(日立化成工業株式会社製、厚み40μm、基材:ポリプロピレン)
保護フィルムの破断点伸び率は、以下のようにして測定した。まず、JIS K6251に準拠して、スーパーダンベルカッター(株式会社ダンベル製、SDK−100D(商品名))を用いてダンベル状1号型の保護フィルムの試験片を3枚作成する。そして、得られた試験片について、テンシロン(株式会社オリエンテック製、商品名)を使用して室温25℃及び引張速度500mm/分で3回の引張試験を実施し、得られた値の平均値を破断点伸び率とした。
なお、以下、保護フィルムA−Eをアクリル樹脂板に貼付したものをそれぞれ、実施例1、2及び比較例1−3とする。
これに対して、上記の破断点伸び率が100%より大きい、または、粘着層の粘着力が0.05N/10mmよりも大きい比較例1−3は、打ち抜き加工後の端面に割れや欠けの発生が見られた。
11 保護フィルム
12、15、16 打ち抜き加工機
13 基材
14 粘着層
Claims (4)
- 一方の面に粘着層を有する保護フィルムを、透明な樹脂板の少なくとも一方の面に前記粘着層を介して貼付し、前記少なくとも一方の面に保護フィルムを貼付した樹脂板に打ち抜き加工を施して導光板を製造する方法であって、
前記保護フィルムの破断点伸び率が100%以下であり、前記粘着層の粘着力が0.05N/10mm以下であることを特徴とする方法。 - 前記樹脂板がアクリル樹脂からなる請求項1に記載の方法。
- 前記アクリル樹脂の25℃における貯蔵弾性率が2000MPa以下である請求項2に記載の方法。
- 前記樹脂板の厚さが1000μm以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
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