JP2015174903A - 両面粘着フィルム、粘着層付き透明面材 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性の向上が可能となる両面粘着フィルムを提供する。【解決手段】透明面材によって表示パネルが保護された表示装置は、透明面材の一面に粘着層が貼着された粘着層付き透明面材を表示パネルの表面に粘着層を介して貼合すること等により製造される。。粘着層2Aと、前記粘着層2Aの一面に剥離可能に貼着されると共に、金属層3Aが設けられた第1のセパレータ4Aと、前記粘着層2Aの他面に剥離可能に貼着された第2のセパレータ7Aとを備える両面粘着フィルム50A。【選択図】図4
Description
本発明は、両面粘着フィルム、粘着層付き透明面材に関する。
透明面材によって表示パネル(被貼合物)の表面が保護された表示装置が従来より知られている(たとえば、特許文献1を参照。)。透明面材によって表示パネルが保護された表示装置は、透明面材の一面に粘着層が貼着された粘着層付き透明面材を表示パネルの表面に粘着層を介して貼合することや、表示パネルの一面に粘着層が貼着された粘着層付き表示パネルを透明面材の表面に粘着層を介して貼合することにより製造される。
なお、ここで言う「透明」とは、一般に可視光に対して光透過性を有することを意味する。したがって、「透明面材」についても、可視光に対して光透過性を有する面材であることを意味する。
ところで、上述した粘着層付き透明面材を製造する際は、予め粘着層の両面にセパレータ(保護フィルム、離型フィルムともいう。)が剥離可能に貼着された両面粘着フィルムを用意(作製)する。そして、この両面粘着フィルムから一方のセパレータを剥離した後に、粘着層の表面に透明面材を貼着することで、粘着層付き透明面材を効率良く製造できる。また、この製造方法の場合、粘着層付き透明面材の更なる大型化に対応できる。さらに、この製造方法を連続プロセスにより行えば、粘着層付き透明面材の生産効率が高められる。
本発明の一つの態様は、生産性の向上を可能とした両面粘着フィルムおよび粘着層付き透明面材を提供することを目的の一つとする。
本発明の一つの態様に係る両面粘着フィルムは、粘着層と、前記粘着層の一面に剥離可能に貼着されると共に、金属層が設けられた第1のセパレータと、前記粘着層の他面に剥離可能に貼着された第2のセパレータとを備えることを特徴とする。
また、本発明の一つの態様に係る粘着層付き透明面材は、粘着層と、前記粘着層の一面に剥離可能に貼着されると共に、金属層が設けられたセパレータと、前記粘着層の他面に貼着された透明面材とを備えることを特徴とする。
以上のように、本発明の一つの態様によれば、生産性の向上を可能とした両面粘着フィルムおよび粘着層付き透明面材を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明では、各構成要素を見易くするため、図面において構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
なお、以下の説明では、各構成要素を見易くするため、図面において構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
初めに、両面粘着フィルムを使用した粘着層付き透明面材の製造方法についての概要を説明する。まず、粘着層と、粘着層の一面に剥離可能に貼着された第1のセパレータと、粘着層の他面に剥離可能に貼着された第2のセパレータとを備える長尺帯状の両面粘着フィルムの原反を用意する。この両面粘着フィルムの原反から透明面材の大きさに対応した両面粘着フィルムを打ち抜き加工等で切り出す必要がある。切り出した両面粘着フィルムの一方のセパレータを剥がして透明面材に貼着することで粘着層付き透明面材を製造する。
粘着層付き透明面材は、セパレータを剥がして被貼合物と貼着するためのものであるため、粘着層よりも大きい面積を有するセパレータの方が剥がし易い。そのため、上記の打ち抜き加工後、片側のセパレータをより大きいものに貼り直す作業が必要となり、工程が煩雑であった。
また、上記した打抜き刃を用いた打抜き加工では、粘着層を切断した後に、粘着層の切断面が両面粘着フィルムとなる部分と余白部分との間で付着してしまうことがあり、打ち抜き工程で不具合が生じる可能性が高くなる問題がある。たとえばIPSモードの液晶パネルのように、液晶パネルに表示ムラが発生する恐れがある場合には、粘着層を介した透明面材との貼合工程において弾性率の低い(柔軟性の高い)粘着層が用いられることがある。この場合、弾性率の低い粘着層では特に切断面での再付着が起こりやすい。
また、以下のように粘着層付き透明面材を連続プロセスで製造することも可能である。まず、粘着層と、粘着層の一面に剥離可能に貼着された第1のセパレータと、粘着層の他面に剥離可能に貼着された第2のセパレータとを備える長尺帯状の両面粘着フィルムの原反を搬送させながら、この両面粘着フィルムの原反に対して打抜き刃を用いた打抜き加工を施す。このとき、第2のセパレータ側から打抜き刃を、第1のセパレータを切断することなく、且つ、第2のセパレータおよび粘着層を切断するのに充分な深さで打ち抜くことによって、第1のセパレータ上にある第2のセパレータおよび粘着層を前記両面粘着フィルムに対応する大きさ(形状)に切断する。また、原反に対する打抜き加工を容易にするために、打抜き加工の前段階として、長尺帯状の原反を予め所定寸法に切断しておいてもよい。
また、この打抜き加工は、搬送される両面粘着フィルムの原反に対して連続的に行われるため、第1のセパレータ上には前記両面粘着フィルムとなる部分が搬送方向に並んで形成されることになる。
次に、両面粘着フィルムの原反から、前記両面粘着フィルムとなる部分を残して、それ以外の余白部分にある第2のセパレータおよび粘着層と、前記両面粘着フィルムとなる部分にある第2のセパレータとを剥離する。
次に、前記両面粘着フィルムとなる部分にある粘着層に透明面材を貼着する。透明面材は、上述した搬送方向に並ぶ前記両面粘着フィルムとなる部分に対して順次貼着される。その後、第1のセパレータを余白部分において、すなわち前記両面粘着フィルムとなる部分の間で切断する。これにより、前記粘着層付き透明面材を連続プロセス、または半連続プロセスにより製造できる。
上記した連続プロセスであっても打抜き刃による切断面での再付着の問題が起こってしまうため、粘着層付き透明面材をより信頼性が高く効率良く製造可能な両面粘着フィルムが求められている。
<粘着層付き透明面材>
まず、本発明の一実施形態として、たとえば図1に示す粘着層付き透明面材1について説明する。なお、図1は、粘着層付き透明面材1の概略構成を示す断面図である。
まず、本発明の一実施形態として、たとえば図1に示す粘着層付き透明面材1について説明する。なお、図1は、粘着層付き透明面材1の概略構成を示す断面図である。
粘着層付き透明面材1は、後述する表示装置100が備える表示パネル(被貼合物)101の表面に粘着層2を介して貼合された透明面材5によって、表示パネル(被貼合物)101の表面を保護する用途等に使用することができる。
具体的に、この粘着層付き透明面材1は、図1に示すように、粘着層2と、粘着層2の一面2aに剥離可能に貼着されると共に、金属層3が設けられたセパレータ4と、粘着層2の他面2bに貼着された透明面材5とを備えている。
(粘着層)
粘着層2は、液状の粘着剤または粘着剤の前駆体材料を硬化してなるものであり、粘着性を有する透明な樹脂組成物からなる。具体的に、粘着剤としては、光硬化性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物などを用いることができる。その中でも、低温で硬化でき、且つ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。
粘着層2は、液状の粘着剤または粘着剤の前駆体材料を硬化してなるものであり、粘着性を有する透明な樹脂組成物からなる。具体的に、粘着剤としては、光硬化性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物などを用いることができる。その中でも、低温で硬化でき、且つ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。
粘着剤に含まれる硬化性化合物としては、その粘度を調整し易い点から、硬化性基を有し、且つ数平均分子量が1000〜100000であるオリゴマー(A)の1種以上と、硬化性基を有し、且つ分子量が125〜600であるモノマー(B)の1種以上とを含み、モノマー(B)の割合が、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計(100質量%)のうち、20質量%〜80質量%であるものを用いることが好ましい。
オリゴマー(A)の硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(たとえば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基など。)、不飽和基とチオール基との組み合わせなどが挙げられる。その中でも、オリゴマー(A)の硬化性基としては、硬化速度が速い点および透明性の高い粘着層が得られる点から、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基から選ばれる基を用いることが好ましい。
オリゴマー(A)としては、硬化性および機械的特性の点から、硬化性基を1分子当たり平均1.8〜4個有するものが好ましい。オリゴマー(A)としては、ウレタン結合を有するウレタンオリゴマー、ポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、オリゴマー(A)としては、ウレタン鎖の分子設計などによって硬化後の機械的特性、および密着性などを幅広く調整できる点から、ウレタンオリゴマー(A1)を用いることが好ましい。また、オリゴマー(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
モノマー(B)の硬化性基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基などの付加重合性の不飽和基、または不飽和基とチオール基との組み合わせなどが挙げられる。その中でも、モノマー(B)の硬化性基としては、硬化速度が速い点、および透明性の高い粘着層が得られる点から、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基から選ばれる基を用いることが好ましい。
モノマー(B)は、密着性、および各種添加剤の溶解性の点から、水酸基を有するモノマー(B3)を含むことが好ましい。水酸基を有するモノマー(B3)としては、水酸基数1〜2、炭素数3〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアクリレート、またはヒドロキシメタアクリレートなどを用いることが好ましい。具体的には、たとえば、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。その中でも、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレートを用いることが特に好ましい。また、モノマー(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粘着剤は、以下の非硬化性オリゴマー(D)を含んでいてもよい。具体的に、この非硬化性オリゴマー(D)は、硬化時にオリゴマー(A)およびモノマー(B)と硬化反応しない水酸基を有するオリゴマーであり、その数平均分子量(Mn)は400〜8000であり、その1分子当たりの水酸基数は0.8〜3個である。
非硬化性オリゴマー(D)を含む場合は、モノマー(B3)を含む硬化物に由来する水酸基と、非硬化性オリゴマー(D)の水酸基との間の相互作用によって、硬化後に非硬化性オリゴマー(D)を安定化させる効果が得られ易い。また、モノマー(B3)と非硬化性オリゴマー(D)との相互作用には、水素結合が関与すると推測される。
水酸基を含有する非硬化性オリゴマー(D)としては、たとえば、高分子量のポリオールなどが挙げられる。その中でも、非硬化性オリゴマー(D)としては、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを用いることが好ましい。非硬化性オリゴマー(D)は、オリゴマー(A)の合成に用いられるポリオールを含むことで、硬化前の粘着剤の様相性が向上する。また、非硬化性オリゴマー(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、たとえば、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインまたはベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系などの光重合開始剤が挙げられる。吸収波長域の異なる2種以上の重合開始剤を併用することによって、硬化時間を更に速めたり、粘着層2における表面硬化性を高めたりすることができる。
粘着剤または粘着剤の前駆体材料の粘度は、1Pa・s〜100Pa・sであることが好ましく、2Pa・s〜50Pa・sであることがより好ましく、3Pa・s〜30Pa・sであることが更に好ましい。粘着剤または粘着剤の前駆体材料の粘度が1Pa・s以上であれば、塗布時に塗布面で広がり過ぎず、粘着剤または粘着剤の前駆体材料の層の高さを充分に維持できる。一方、粘着剤または粘着剤の前駆体材料の粘度が100Pa・s以下であれば、粘着剤または粘着剤の前駆体材料を容易に塗布できる。なお、本実施形態では、E型粘度計を用いて、25℃における粘着剤または粘着剤の前駆体材料の粘度を測定した。
粘着層2の25℃における剪断弾性率は、103Pa〜106Paであることが好ましく、103Pa〜105Paであることがより好ましく、103Pa〜104Paであることが更に好ましい。
粘着層2の剪断弾性率が103Pa以上であれば、粘着層2の形状を維持できる。また、粘着層2の厚さが比較的厚い場合であっても、粘着層2の厚さを均一に維持できる。さらに、粘着層2の剪断断弾性率が103Pa以上であれば、セパレータ4を剥離する際に粘着層2の変形を抑え易い。一方、粘着層2の剪断弾性率が106Pa以下であれば、粘着層2と表示パネルとの界面において良好な密着性を発揮できる。また、透明面材5が貼着された粘着層2については、たとえば、剪断弾性率を103Pa〜106Paの範囲で小さくしても、透明面材5に支持されることによって、その形状を充分に維持できる。
なお、本実施形態では、以下の方法を用いて、25℃における粘着層2の剪断弾性率を測定した。レオメーター(アントンパール(Anton paar)社製、モジュラーレオメーター PhysicaMCR−301)を用いて、測定スピンドルと透光性の定板の隙間を粘着層2の平均厚さと同一として、その隙間に未硬化の粘着剤を配置する。さらに、硬化に必要な熱または光を未硬化の粘着剤に加えながら硬化過程の剪断弾性率を測定し、所定の硬化条件における計測値を粘着層2の剪断弾性率とする。
粘着層2の平均厚さは、0.03mm〜2mmであることが好ましく、0.1mm〜0.8mmであるがことがより好ましく、0.3mm〜0.5mmであることが更に好ましい。粘着層2の平均厚さが0.03mm以上であれば、透明面材5側からの外力による衝撃などを粘着層2が効果的に緩衝して、表示パネルを保護できる。また、表示装置の製造時に、粘着層付き透明面材1と表示パネルとの間に粘着層2の厚さを超えない異物が混入しても、粘着層2の平均厚さが大きく変化することなく、透明性能への影響が少ない。一方、粘着層2の平均厚さが2mm以下であれば、表示装置の全体の厚さが不要に厚くならない。なお、粘着層2の厚さを調整する方法としては、製造時に粘着剤の量を調節する方法が挙げられる。
(金属層)
金属層3は、後述する本実施形態の製造工程において、レーザー光の照射により粘着層2を切断する際にセパレータ4が切断されるのを防止するためのものである。金属層3は、粘着層2との密着性を考慮して、セパレータ4の層内に配置されていることが好ましい。但し、金属層3については、セパレータ4の粘着層2側の面、もしくはそれとは反対側の面に配置された構成とすることも可能である。
金属層3は、後述する本実施形態の製造工程において、レーザー光の照射により粘着層2を切断する際にセパレータ4が切断されるのを防止するためのものである。金属層3は、粘着層2との密着性を考慮して、セパレータ4の層内に配置されていることが好ましい。但し、金属層3については、セパレータ4の粘着層2側の面、もしくはそれとは反対側の面に配置された構成とすることも可能である。
金属層3は、レーザー光を反射する反射層としての機能と、レーザー光の照射時に放熱するヒートシンク層としての機能とを有することが好ましい。また、金属層3は、セパレータ4の層内に配置されることで、セパレータ4と共に粘着層2を保護する保護層としての機能を有している。このような機能を有する金属層3としては、Al膜またはAl合金膜を好適に用いることができる。また、それ以外の金属膜を用いてもよい。金属層3は、たとえば、セパレータ4を形成する樹脂層の一面に金属箔を貼着した後に、もしくは真空蒸着法またはスパッタ法などを用いて金属膜を形成した後に、その面上にセパレータ4を形成する別の樹脂層を貼り合わせることで、セパレータ4の層内に配置できる。
(セパレータ)
セパレータ4は、粘着層2の一面(透明面材5が貼着された側とは反対側の面)2aを保護する保護フィルムとしての機能と、粘着層2の一面2aに剥離可能に貼着された離型フィルムとしての機能を有している。また、セパレータ4の形成材料としては、粘着層2の形成過程において伸びの小さい樹脂材料を用いることが好ましく、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系樹脂、またはナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド系樹脂、2軸延伸したポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が挙げられる。なお、セパレータ4の形成材料について「伸び」を比較する場合には、ASTM D638に規定された方法にて得られる伸びの値を用いる。
セパレータ4は、粘着層2の一面(透明面材5が貼着された側とは反対側の面)2aを保護する保護フィルムとしての機能と、粘着層2の一面2aに剥離可能に貼着された離型フィルムとしての機能を有している。また、セパレータ4の形成材料としては、粘着層2の形成過程において伸びの小さい樹脂材料を用いることが好ましく、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系樹脂、またはナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド系樹脂、2軸延伸したポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が挙げられる。なお、セパレータ4の形成材料について「伸び」を比較する場合には、ASTM D638に規定された方法にて得られる伸びの値を用いる。
セパレータ4及び金属層3を合わせた厚さ(以下、保護層厚という。)については、材質によっても異なるが、上述した2軸延伸したポリプロピレンなどの比較的柔軟な樹脂材料を用いた場合には、保護層厚を40μm〜120μmの範囲とすることが好ましい。保護層厚が40μm以上であれば、粘着層2からセパレータ4及び金属層3を剥離する際にセパレータ4及び金属層3の変形を抑えることができる。一方、保護層厚が120μm以下であれば、剥離時にセパレータ4及び金属層3が撓み易くなり、剥離させ易くなる。また、図1に示すように、セパレータ4は粘着層2と貼着された領域よりも大きい面積を有している方が、剥離させ易いため好ましい。
上述したPETなどの比較的伸びが小さい樹脂材料を用いた場合には、保護層厚を20μm〜100μmの範囲とすることが好ましい。保護層厚が20μm以上であれば、粘着層2からセパレータ4及び金属層3を剥離する際にセパレータ4及び金属層3の過度の変形を抑えることができる。一方、保護層厚が100μm以下であれば、剥離時にセパレータ4及び金属層3が撓み易くなり、剥離させ易くなる。
セパレータ4の粘着層2と貼着される側の面には、離型剤が塗布されていることが好ましい。これにより、粘着層2に対する密着力を小さくすることができ、粘着層2から容易に剥離できる。なお、離型剤については、特に限定されるものではなく、セパレータ4の離型剤として従来より使用されているものを用いることができる。また、離型剤を塗布する代わりに、ポリエステルフィルムなどの基材フィルムに予め離型剤が塗布された離型フィルムを、セパレータ4の粘着層2と貼着される側の面に前記離型剤が粘着層2に接するように貼り合わせてもよい。離型フィルムの貼り合わせには、ドライラミネーション法などを用いることができる。ドライラミネーション法を用いた場合には、離型フィルムの基材フィルムとセパレータ4とが別の接合層を介して貼着される。また、離型フィルムの代わりに、ポリオレフィンやフッ素樹脂などの粘着層との密着力が小さい樹脂フィルムをセパレータ4と貼り合わせて用いることもできる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレンやポリプロピレンなどが挙げられるが、機械的強度の観点では2軸延伸したポリプロピレンを用いることが好ましい。
セパレータ4は、上述した剥離剤が塗布された樹脂フィルム(第1のフィルムという。)と、基材として伸びが小さいことが望ましい樹脂フィルム(第2のフィルムという。)とを、金属層3を介して積層した構成としてもよい。この構成の場合、第1のフィルムの剥離剤が塗布された面を粘着層2側とし、第2のフィルムを粘着層2とは反対側とすることが好ましい。第1のフィルムと第2のフィルムは同じ材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。
また、前記第1のフィルムまたは第2のフィルムに、気体バリア層(図示せず。)を設けた構成としてもよい。この構成の場合、表示パネルとの貼合時の空隙を抑えることができる。気体バリア層としては、無機化合物または無機化合物を樹脂に分散した材料を用いることができる。また、第1のフィルムと第2のフィルムとの間に気体バリア効果を有するフィルムを挟持してもよい。金属層3が気体バリア性を有する場合には、気体バリア層は省略することができる。
(透明面材)
透明面材5は、表示パネルを保護する保護板としての機能を有している。透明面材5の形成材料としては、平行平板状、または曲面を有する板状のガラスまたは透明樹脂、もしくはガラスと透明樹脂とを積層したものを用いることができる。その中でも、透明性、耐光性、低複屈折性、平面精度、耐表面傷付性(耐擦過性)、および機械的強度などの点から、ガラスを用いることが好ましい。
透明面材5は、表示パネルを保護する保護板としての機能を有している。透明面材5の形成材料としては、平行平板状、または曲面を有する板状のガラスまたは透明樹脂、もしくはガラスと透明樹脂とを積層したものを用いることができる。その中でも、透明性、耐光性、低複屈折性、平面精度、耐表面傷付性(耐擦過性)、および機械的強度などの点から、ガラスを用いることが好ましい。
ガラスとしては、たとえばソーダライムガラスなどのガラス材料が挙げられる。その中でも、鉄分がより低く、青みの少ない高透過ガラス(白板ガラス)を用いることがより好ましい。また、ガラスとしては、安全性を高めるため、強化ガラスを用いてもよく、化学強化を施したガラスを用いてもよい。
透明樹脂としては、たとえば、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの透明性の高い樹脂材料が挙げられる。また、必要とする透明性を有するならば、2種以上の樹脂材料を積層した樹脂板を用いてもよく、2種以上の樹脂材料またはフィラーが混合した樹脂組成物を形成材料とする樹脂板を用いてもよい。
透明面材5には、粘着層2との界面接着力を向上させるための表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、透明面材5の表面をシランカップリング剤で処理する方法が挙げられる。また、透明面材5がガラス板である場合には、表面処理の方法として、フレームバーナーによる酸化炎によって酸化ケイ素の薄膜を形成する方法が挙げられる。
透明面材5の厚さは、機械的強度および透明性などの点から設定すればよい。たとえば、透明面材5がガラス板である場合には、厚みを0.3mm〜25mmの範囲とすることが好ましい。また、屋内で使用するテレビ受像機、またはPC用ディスプレイなどの用途では、表示装置の軽量化の点から、透明面材5の厚さを0.3mm〜6mmの範囲とすることがより好ましい。また、屋外に設置する公衆表示用途では、透明面材5の厚さを1mm〜20mmの範囲とすることがより好ましい。透明面材5として化学強化ガラスを用いる場合は、充分な強度を確保するために、透明面材5の厚さを0.3mm〜1.5mmの範囲とすることが好ましい。透明面材5として透明樹脂を用いる場合は、透明面材5の厚さを1mm〜10mmの範囲とすることが好ましい。
(遮光層)
透明面材5の粘着層2と貼着される側の面には、額縁状の遮光層6が設けられている。遮光層6は、透明面材5の側から表示パネルの画像表示領域以外の領域を遮光するものである。また、遮光層6は、表示パネルに接続される配線、回路などが配置された領域(周辺回路領域)を遮蔽している。一方、遮光層6によって囲まれた内側の領域は、たとえば、表示パネルの画像表示領域に対応した大きさとされる。そして、この領域は、表示パネルの画像表示領域を透明面材5の側から視認可能な領域(以下、透光領域という。)5aとなっている。
透明面材5の粘着層2と貼着される側の面には、額縁状の遮光層6が設けられている。遮光層6は、透明面材5の側から表示パネルの画像表示領域以外の領域を遮光するものである。また、遮光層6は、表示パネルに接続される配線、回路などが配置された領域(周辺回路領域)を遮蔽している。一方、遮光層6によって囲まれた内側の領域は、たとえば、表示パネルの画像表示領域に対応した大きさとされる。そして、この領域は、表示パネルの画像表示領域を透明面材5の側から視認可能な領域(以下、透光領域という。)5aとなっている。
遮光層6は、透明面材5がガラス板である場合、遮光性を高めるため、たとえば、黒色顔料または白色顔料を含むセラミック塗料を用いて、セラミック印刷により形成することができる。遮光層6が黒色である場合、遮光層6の厚さは、5μm〜20μmの範囲であることが好ましい。一方、遮光層6が白色である場合、遮光層6の厚さは、15μm〜50μmの範囲であることが好ましい。
なお、粘着層付き透明面材1では、たとえば、表示装置の筺体などの他の部材により表示パネルの周辺回路領域が遮蔽されることによって、表示パネルの周辺回路領域が透明面材5側から視認できない場合、または、表示パネル以外の被貼合物と貼合される場合には、遮光層6を透明面材5に設けない構成とすることもある。
<表示装置>
次に、前記図1に示す粘着層付き透明面材1が貼合された表示パネルを備える表示装置の一例について、図2を参照して説明する。なお、図2は、前記粘着層付き透明面材1が貼合された表示パネル101を備える表示装置100の概略構成を示す断面図である。
次に、前記図1に示す粘着層付き透明面材1が貼合された表示パネルを備える表示装置の一例について、図2を参照して説明する。なお、図2は、前記粘着層付き透明面材1が貼合された表示パネル101を備える表示装置100の概略構成を示す断面図である。
表示装置100は、図2に示すように、表示パネル101と、透明面材5の一面に粘着層2が貼着された粘着層付き透明面材1Aとを備えている。表示装置100は、表示パネル101の表面に粘着層2を介して貼合された透明面材5によって、この表示パネル101の表面が保護された構造を有している。
図2に示す表示装置100は、前記図1に示す粘着層付き透明面材1から、セパレータ4を金属層3と共に、粘着層2の一面2aから剥離した後、この透明面材5の一面に粘着層2が貼着された粘着層付き透明面材1Aを、表示パネル101の表面に粘着層2を介して貼合することにより得られる。なお、粘着層2を2層とし、その粘着層2の間にタッチセンサー基板を配置した構成としてもよい。
また、粘着層付き透明面材1Aと表示パネル101との貼合は、減圧雰囲気下で行ってもよい。減圧雰囲気下で貼合を行うことにより、表示パネル101と粘着層2との界面に空隙が生じにくくなる。また、貼合後に大気圧雰囲気下に戻したときに、粘着層2と表示パネル101との界面に空隙が生じたとしても、空隙内の圧力(減圧のまま)と粘着層2にかかる圧力(大気圧)との差圧によって、空隙の体積が減少し易くなる。さらに、体積が減少した空隙内の気体は、粘着層2に溶解し、吸収され易くなる。
表示装置100では、上述した空隙による影響を無くすことで、光学的な歪を受けることなく、透明面材5を通して表示パネル101の表示画像を視認できる。
(表示パネル)
表示パネル101は、透過型の液晶パネルであり、第1の透明基板102と、第2の透明基板103との間に、液晶層104が挟持された構造を有している。また、第1の透明基板102の液晶層104と対向する側の面には、TFT、画素電極、および配向膜などが設けられたTFT基板である。一方、第1の透明基板102の液晶層104と対向する側の面には、カラーフィルタ、対向電極、および配向膜などが設けられたカラーフィルタ基板である。さらに、第1の透明基板102及び第2の透明基板103の液相層104と対向する側とは反対側の面には、一対の偏光板105,106が配置されている。また、表示パネル101には、この表示パネル101を動作させる駆動ICが搭載されたフレキシブルプリント配線板(FPC)107が接続されている。
表示パネル101は、透過型の液晶パネルであり、第1の透明基板102と、第2の透明基板103との間に、液晶層104が挟持された構造を有している。また、第1の透明基板102の液晶層104と対向する側の面には、TFT、画素電極、および配向膜などが設けられたTFT基板である。一方、第1の透明基板102の液晶層104と対向する側の面には、カラーフィルタ、対向電極、および配向膜などが設けられたカラーフィルタ基板である。さらに、第1の透明基板102及び第2の透明基板103の液相層104と対向する側とは反対側の面には、一対の偏光板105,106が配置されている。また、表示パネル101には、この表示パネル101を動作させる駆動ICが搭載されたフレキシブルプリント配線板(FPC)107が接続されている。
なお、前記図2に示す表示装置100では、表示パネル101として、透過型の液晶パネルを用いた構成となっているが、反射型の液晶パネルを用いることも可能である。また、液晶パネルの駆動方式としては、例えば、TNモード、STNモード、VAモード、IPSモードなどが挙げられる。また、本実施形態の表示装置が備える表示パネルとしては、上述した液晶パネルの他にも、たとえば、有機ELパネル、プラズマパネル、電子インク型パネルなどが挙げられる。
以上のように、本実施形態の粘着層付き透明面材1では、金属層3が設けられたセパレータ4を備えることで、後述する製造工程において、レーザー光の照射により粘着層2を切断する際にセパレータ4が切断されるのを防止すると共に、切断された粘着層2の切断面が付着するのを防止できる。したがって、本実施形態では、信頼性の高い高品質の粘着層付き透明面材1が得られる。
<両面粘着フィルム>
次に、本発明の一実施形態として、たとえば図3に示す両面粘着フィルム50について説明する。なお、図3は、両面粘着フィルム50の概略構成を示す断面図である。また、以下の説明では、前記図1に示す粘着層付き透明面材1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
次に、本発明の一実施形態として、たとえば図3に示す両面粘着フィルム50について説明する。なお、図3は、両面粘着フィルム50の概略構成を示す断面図である。また、以下の説明では、前記図1に示す粘着層付き透明面材1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
両面粘着フィルム50は、図3に示すように、粘着層2と、粘着層2の一面2aに剥離可能に貼着されると共に、金属層3が設けられた第1のセパレータ4と、粘着層2の他面2bに剥離可能に貼着された第2のセパレータ7とを備えている。すなわち、この両面粘着フィルム50は、前記図1に示す粘着層付き透明面材1を構成する透明面材5の代わりに、第2のセパレータ7が剥離可能に貼着された構成となっている。
第2のセパレータ7は、粘着層2の他面2bを保護する保護フィルムとしての機能と、粘着層2の他面2bに剥離可能に貼着された離型フィルムとしての機能を有している。また、第2のセパレータ7の形成材料としては、前記セパレータ4と同様のものを用いることができる。
また、第2のセパレータ7の粘着層2と貼着される側の面には、離型剤が塗布されていることが好ましい。これにより、粘着層2に対する密着力を小さくすることができ、粘着層2から容易に剥離できる。なお、離型剤については、特に限定されるものではなく、セパレータ4の離型剤として従来より使用されているものを用いることができる。
また、第2のセパレータ7の粘着層2に貼着される側の面の表面粗さについては、十点平均粗さRzで2.0μm〜20μmの範囲であることが好ましい。この範囲であれば、前記透明面材5を貼着する際に空隙の残存が抑えられる。
前記図1に示す粘着層付き透明面材1は、両面粘着フィルム50から、第2のセパレータ7を粘着層2の他面2bから剥離した後に、この粘着層2の他面2bに透明面材5を貼着することにより得られる。
第2のセパレータ7は、粘着層2に対して前記金属層3が設けられた第1のセパレータ4よりも軽い剥離性を有することが好ましい。これにより、第2のセパレータ7を粘着層2の他面2bから剥離する際に、この第2のセパレータ7よりも先に第1のセパレータ4が粘着層2の一面2aから剥離してしまうことを防止できる。
以上のように、本実施形態の両面粘着フィルム50では、前記図1に示す粘着層付き透明面材1と同様に、金属層3が設けられた第1のセパレータ4を備えることで、後述する製造工程において、レーザー光の照射により粘着層2を切断する際に第1のセパレータ4が切断されるのを防止すると共に、切断された粘着層2の切断面が付着するのを防止できる。したがって、本実施形態では、信頼性の高い高品質の両面粘着フィルム50が得られる。
<粘着層付き透明面材の製造方法>
次に、前記図1に示す粘着層付き透明面材1の製造方法について説明する。
前記図1に示す粘着層付き透明面材1を製造する際は、まず、図4に示す両面粘着フィルム50の原反50Aを準備(作製)する。なお、図4は、両面粘着フィルム50の原反50Aを示す斜視図である。
次に、前記図1に示す粘着層付き透明面材1の製造方法について説明する。
前記図1に示す粘着層付き透明面材1を製造する際は、まず、図4に示す両面粘着フィルム50の原反50Aを準備(作製)する。なお、図4は、両面粘着フィルム50の原反50Aを示す斜視図である。
両面粘着フィルム50の原反50Aは、図4に示すように、金属層3Aが設けられた第1のセパレータ4Aと、粘着層2Aと、第2のセパレータ7Aとが、この順で積層された長尺帯状の積層シートである。
(粘着層付き透明面材の製造装置)
次に、前記図1に示す粘着層付き透明面材1の製造に用いられる製造装置の一例について、図5を参照して説明する。なお、図5は、前記図1に示す粘着層付き透明面材1の製造に用いられる製造装置200の概略構成を示す模式図である。
次に、前記図1に示す粘着層付き透明面材1の製造に用いられる製造装置の一例について、図5を参照して説明する。なお、図5は、前記図1に示す粘着層付き透明面材1の製造に用いられる製造装置200の概略構成を示す模式図である。
図5に示す製造装置200は、両面粘着フィルム50の原反50Aと、複数の透明面材5とを搬送させながら、前記図1に示す粘着層付き透明面材1を連続的に製造するものである。
具体的に、この製造装置200は、図5に示すように、原反50Aを搬送させる第1の搬送部201と、複数の透明面材5を搬送させる第2の搬送部202とを備えている。第1の搬送部201は、第2の搬送部202の上方に配置されている。
第1の搬送部201は、原反50Aがロール状に巻き取られた原反ロール203と、原反ロール203から巻き出された原反50Aを順次案内する複数のガイドロール204,205,206とを有している。
原反50Aは、原反ロール203から巻き出される。原反ロール203から巻き出された原反50Aは、ガイドロール204との間で水平方向(図5中に示す搬送方向X)に搬送される。このとき、原反50Aは、第2のセパレータ7A側を上方に向けた状態で搬送される。また、原反50Aは、ガイドロール204で搬送される向きが反転された後、ガイドロール204よりも下方に位置するガイドロール205,206に案内されて、透明面材5と対向する位置まで搬送される。このとき、原反50Aは、第1のセパレータ4A側を上方に向けた状態で搬送される。
第2の搬送部202は、複数のロール207aが並んで配列されたロールコンベア207を有している。複数の透明面材5は、これら複数のロール207aの上を所定の間隔で並んで水平方向(図5中に示す搬送方向Y)に搬送される。また、各透明面材5のロール207aと接する面には、第3のセパレータ8が剥離可能に貼着されている。なお、第3のセパレータ8には、前記セパレータ4と同様のものを用いることができる。
製造装置200は、原反ロール203とガイドロール204との間で搬送される原反50Aの搬送路中に、X方向から順に、第1の切断部208と、第1の剥離部209と、第2の剥離部210とを有している。また、製造装置200は、複数の透明面材5の搬送路中に、Y方向から順に、貼合部211と、第2の切断部212とを有している。
第1の切断部208は、原反50Aに対してレーザー光Lを用いた切断加工を施す。具体的に、この第1の切断部208は、レーザー加工機213を有している。レーザー加工機213は、原反50Aの上方に位置して、原反50Aの第2のセパレータ7A側からレーザー光Lを照射する。これにより、原反50Aは、第1のセパレータ4A上にある第2のセパレータ7Aおよび粘着層2Aが両面粘着フィルム50に対応する大きさ(形状)に切断される。また、この切断加工は、搬送される原反50Aに対して連続的に行われる。このため、第1のセパレータ4A上には、前記両面粘着フィルム50となる部分が搬送方向に並んで形成されることになる。
第1の剥離部209は、切断加工後の原反50Aから、前記両面粘着フィルム50となる部分を残して、それ以外の余白部分にある第2のセパレータ7Bを剥離する。具体的に、この第1の剥離部209は、第1の剥離ロール214と、第1のバックアップロール215と、第1の巻取ロール216とを有している。原反50Aは、互いに対向する第1の剥離ロール214と第1のバックアップロール215との間を通過する。このとき、原反50Aからは、余白部分にある第2のセパレータ7Bが剥離ロール214の外周面に沿って剥離される。剥離された第2のセパレータ7Bは、第1の巻取ロール214に巻き取られる。
第2の剥離部210は、第2のセパレータ7Bが剥離された原反50Aから、余白部分にある粘着層2Bおよび前記両面粘着フィルム50となる部分にある第2のセパレータ7を剥離する。具体的に、この第2の剥離部210は、第2の剥離ロール217と、第2のバックアップロール218と、第2の巻出ロール219と、第2の巻取ロール220とを有している。また、第2の剥離部210は、第2の巻出ロール219から巻き出された粘着シート221が、第2の剥離ロール217と第2のバックアップロール218との間を通過した後、第2の巻取ロール220が巻き取る構成となっている。
原反50Aは、互いに対向する剥離ロール217と第2のバックアップロール218との間を通過する。このとき、原反50Aからは、余白部分にある粘着層2Bと、前記両面粘着フィルム50となる部分にある第2のセパレータ7とが粘着シート221に貼着した状態で剥離される。剥離された粘着層2Bおよび第2のセパレータ7は、粘着シート221と共に第2の巻取ロール220に巻き取られる。
これにより、原反50Aは、長尺帯状の第1のセパレータ4Aの上に、前記両面粘着フィルム50となる部分にある粘着層2のみが残存した状態となる。そして、この原反50Aは、ガイドロール204で搬送される向きが反転された後、ガイドロール205,206に案内されながら、貼合部211まで搬送される。
貼合部211は、複数のロール207上で搬送される透明面材5と、第1のセパレータ4A上にある粘着層2とを貼合する。具体的に、この貼着部211は、加圧ロール222と、バックアップロール223とを有している。透明面材5および原反50Aは、粘着層2に透明面材5が貼着されるタイミングを同期させながら、互いに対向する加圧ロール222とバックアップロール223との間を通過する。このとき、加圧ロール222とバックアップロール223との間で加圧されながら、粘着層2に透明面材5が貼着される。
第2の切断部212は、第1のセパレータ4Aを余白部分、すなわち粘着層2に透明面材5が貼着された部分の間で切断する。具体的に、この第2の切断部212では、カッター224を用いて、第1のセパレータ4Aを金属層3Aと共に分断する方向に切断する。また、カッター224の代わりに、前記レーザー加工機213よりも出力の大きなレーザー加工機(図示せず。)を用いて、第1のセパレータ4Aを金属層3Aと共に切断することもできる。
以上のような製造装置200を用いることによって、前記図1に示す粘着層付き透明面材を連続プロセスで製造できる。
(粘着層付き透明面材の製造工程)
次に、前記図5に示す製造装置200を用いた粘着層付き透明面材1の製造工程の一例について、図6〜図13を参照して説明する。なお、図6〜図13は、前記図1に示す粘着層付き透明面材1の各製造工程を説明するための図である。
次に、前記図5に示す製造装置200を用いた粘着層付き透明面材1の製造工程の一例について、図6〜図13を参照して説明する。なお、図6〜図13は、前記図1に示す粘着層付き透明面材1の各製造工程を説明するための図である。
前記図5に示す製造装置200を用いた粘着層付き透明面材1の製造工程では、まず、図6に示すように、両面粘着フィルム50となる原反50Aに対して、第2のセパレータ7A側からレーザー光Lを照射し、第1のセパレータ4A上にある第2のセパレータ7Aおよび粘着層2Aを前記両面粘着フィルム50に対応する大きさ(形状)に切断する。
本実施形態では、図7に示すように、レーザー光Lの照射により第1のセパレータ4A上にある第2のセパレータ7Aおよび粘着層2Aを切断する際に、金属層3Aがレーザー光Lを反射する。また、レーザー光Lの照射時に発生する熱を金属層3Aによって放熱させる。これにより、レーザー光Lの照射により第1のセパレータ4が切断されるのを防止できる。また、レーザー光Lを用いた切断加工では、レーザー光Lの照射位置に第2のセパレータ7A及び粘着層2Aを分断する溝部9(図9を参照。)が形成される。切断加工後の原反50Aでは、この溝部9によって切断された粘着層2Aの切断面が付着するのを防止できる。
次に、図8に示すように、切断加工後の原反50Aから、前記両面粘着フィルム50となる部分を残して、それ以外の余白部分にある第2のセパレータ7Bを剥離する。第2のセパレータ7Aは、前記両面粘着フィルム50となる部分にある第2のセパレータ7を残して枠状に切り抜かれているため、それ以外の余白部分にある第2のセパレータ7Bは、第1の巻取ロール216に連続して巻き取れることになる。これにより、原反50Aは、図9に示すように、前記両面粘着フィルム50となる部分にある第2のセパレータ7が残存し、余白部分にある粘着層2Bが露出した状態となる。
次に、図10に示すように、第2のセパレータ7Bが剥離された原反50Aから、余白部分にある粘着層2Bおよび前記両面粘着フィルム50となる部分にある第2のセパレータ7を剥離する。原反50Aからは、余白部分にある粘着層2Bと、前記両面粘着フィルム50となる部分にある第2のセパレータ7とが粘着シート221に貼着した状態で剥離される。これにより、原反50Aは、図11に示すように、長尺帯状の第1のセパレータ4Aの上に、前記両面粘着フィルム50となる部分にある粘着層2のみが残存した状態となる。
次に、図12に示すように、第1のセパレータ4Aの上にある粘着層2の他面2bに透明面材5を貼着する。これにより、図13に示すように、複数のロール207上にある透明面材5と、第1のセパレータ4A上にある粘着層2とが互いに貼合された状態となる。
次に、第1のセパレータ4Aを余白部分、すなわち粘着層2に透明面材5が貼着された部分の間で切断する。具体的には、カッター224を用いて、第1のセパレータ4Aを金属層3Aと共に分断する方向に切断する。これにより、第1のセパレータ4Aおよび金属層3Aは、第1のセパレータ4および金属層3に分断される。
以上のような工程を経ることによって、前記図1に示す粘着層付き透明面材1を連続プロセスにより製造できる。
なお、粘着層付き透明面材1の製造工程では、上述した透明面材5と第1のセパレータ4A上にある粘着層2とを貼り合わせる前に、図11に示す原反50Aについて、粘着層2の露出面に別の離型フィルムを貼合して一旦巻き取った後、別の工程にて離型フィルムを剥離し、透明面材5と第1のセパレータ4A上にある粘着層2との貼合を行ってもよい。この場合の離型フィルムは、ほぼ同様の幅の連続フィルムであっても、粘着層毎のシート状のフィルムであってもよい。また、図11に示す原反50Aを所定寸法に分断してシート状とした後に、剥離フィルムを貼合してもよい。さらに、分断したシートには、複数の粘着層2が設けられていてもよい。
以上のように、本実施形態の粘着層付き透明面材1の製造方法では、レーザー光Lの照射により第2のセパレータ7Aおよび粘着層2Aを切断する際に、金属層3Aによって第1のセパレータ4が切断されるのを防止すると共に、切断された粘着層2の切断面が付着するのを防止できる。
したがって、本実施形態では、信頼性の高い高品質の粘着層付き透明面材1が製造できる。また、この製造方法の場合、粘着層付き透明面材1の更なる大型化に対応できる。さらに、この製造方法を連続プロセスにより行えば、粘着層付き透明面材1の生産効率が高められる。
<両面粘着フィルムの製造方法>
次に、前記図4に示す両面粘着フィルム50の製造方法について説明する。
前記両面粘着フィルム50の製造方法は、前記両面粘着フィルム50の原反50Aに対して、第2のセパレータ7A側からレーザー光Lを照射し、第2のセパレータ7Aおよび粘着層2Aを両面粘着フィルム50に対応する大きさに切断する工程と、切断加工後の原反50Aから、両面粘着フィルム50となる部分を残して、それ以外の余白部分にある第2のセパレータ7Bおよび粘着層2Bを剥離する工程とを含むものである。
次に、前記図4に示す両面粘着フィルム50の製造方法について説明する。
前記両面粘着フィルム50の製造方法は、前記両面粘着フィルム50の原反50Aに対して、第2のセパレータ7A側からレーザー光Lを照射し、第2のセパレータ7Aおよび粘着層2Aを両面粘着フィルム50に対応する大きさに切断する工程と、切断加工後の原反50Aから、両面粘着フィルム50となる部分を残して、それ以外の余白部分にある第2のセパレータ7Bおよび粘着層2Bを剥離する工程とを含むものである。
すなわち、本実施形態の両面粘着フィルム50の製造方法では、前記図5に示す製造装置200のうち、第2の剥離部210において、粘着シート221の代わりに、粘着性を有しない転写シート(図示せず。)を用いる。これにより、原反50Aからは、余白部分にある粘着層2Aが転写シートに貼着した状態で剥離される。
その後、貼合部211を省略して、第2の切断部212において、カッター224を用いて、第1のセパレータ4Aを金属層3Aと共に分断する方向に切断する。これにより、第1のセパレータ4Aおよび金属層3Aは、第1のセパレータ4および金属層3に分断される。
以上のような工程を経ることによって、前記図4に示す両面粘着フィルム50を連続プロセスで製造できる。
また、この両面粘着フィルム50から、第2のセパレータ7を粘着層2の他面2bから剥離した後に、粘着層2の他面2bに透明面材5を貼着することで、前記図1に示す粘着層付き透明面材1を製造することができる。
以上のように、本実施形態の両面粘着フィルム50の製造方法では、レーザー光Lの照射により第2のセパレータ7Aおよび粘着層2Aを切断する際に、金属層3Aによって第1のセパレータ4が切断されるのを防止すると共に、切断された粘着層2の切断面が付着するのを防止できる。
したがって、本実施形態では、信頼性の高い高品質の両面粘着フィルム50が製造できる。また、この製造方法の場合、両面粘着フィルム50の更なる大型化に対応できる。さらに、この製造方法を連続プロセスにより行えば、両面粘着フィルム50の生産効率が高められる。
なお、本発明は、前記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
たとえば、前記実施形態では、表示パネルに粘着層付き透明面材を貼合して表示装置を製造する場合について説明したが、粘着層付き透明面材は、たとえばタッチパネル等の座標入力装置に貼合して使用してもよい。また、粘着層付き透明面材を構成する透明面材は、タッチパネル付き表示装置においてタッチパネル部分を構成する透明電極を有した透明面材であってもよい。
たとえば、前記実施形態では、表示パネルに粘着層付き透明面材を貼合して表示装置を製造する場合について説明したが、粘着層付き透明面材は、たとえばタッチパネル等の座標入力装置に貼合して使用してもよい。また、粘着層付き透明面材を構成する透明面材は、タッチパネル付き表示装置においてタッチパネル部分を構成する透明電極を有した透明面材であってもよい。
1…粘着層付き透明面材 2…粘着層 3…金属層 4…セパレータ(第1のセパレータ) 5…透明面材 6…遮光層 7…第2のセパレータ 8…第3のセパレータ 9…溝部 50…両面粘着フィルム 50A…両面粘着フィルムの原反 100…表示装置 101…表示パネル 200…製造装置 201…第1の搬送部 202…第2の搬送部 203…原反ロール 208…第1の切断部 209…第1の剥離部 210…第2の剥離部 211…貼合部 212…第2の切断部 213…レーザー加工機 L…レーザー光
Claims (11)
- 粘着層と、
前記粘着層の一面に剥離可能に貼着されると共に、金属層が設けられた第1のセパレータと、
前記粘着層の他面に剥離可能に貼着された第2のセパレータとを備える両面粘着フィルム。 - 前記金属層は、前記第1のセパレータの層内に配置されている請求項1に記載の両面粘着フィルム。
- 前記第1のセパレータの前記粘着層と貼着される側の面には、離型剤が塗布されている請求項1または2に記載の両面粘着フィルム。
- 前記金属層は、Al膜またはAl合金膜からなる請求項1〜3の何れか一項に記載に記載の両面粘着フィルム。
- 前記第2のセパレータは、前記粘着層に対して前記金属層が設けられた第1のセパレータよりも軽い剥離性を有する請求項1〜4の何れか一項に記載の両面粘着フィルム。
- 前記第2のセパレータ及び前記粘着層が部分的に切断されている請求項1〜5の何れか一項に記載の両面粘着フィルム。
- 粘着層と、
前記粘着層の一面に剥離可能に貼着されると共に、金属層が設けられたセパレータと、
前記粘着層の他面に貼着された透明面材とを備える粘着層付き透明面材。 - 前記金属層は、前記セパレータの層内に配置されている請求項7に記載の粘着層付き透明面材。
- 前記セパレータの前記粘着層と貼着される側の面には、離型剤が塗布されている請求項7または8に記載の粘着層付き透明面材。
- 前記金属層は、Al膜またはAl合金膜からなる請求項7〜9の何れか一項に記載の粘着層付き透明面材。
- 前記第セパレータは、前記粘着層と貼着された領域よりも大きい面積を有している請求項7〜10の何れか一項に記載の粘着層付き透明面材。
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