JP2016160408A - 両面粘着シートの製造方法、両面粘着シート付き透明面材およびその製造方法、表示装置 - Google Patents
両面粘着シートの製造方法、両面粘着シート付き透明面材およびその製造方法、表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016160408A JP2016160408A JP2015043451A JP2015043451A JP2016160408A JP 2016160408 A JP2016160408 A JP 2016160408A JP 2015043451 A JP2015043451 A JP 2015043451A JP 2015043451 A JP2015043451 A JP 2015043451A JP 2016160408 A JP2016160408 A JP 2016160408A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- double
- adhesive sheet
- layer
- manufacturing
- sided
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
Abstract
【課題】無溶剤型の光硬化性樹脂組成物から形成された粘着層が2層以上積層し、各粘着層の層間密着性が優れた両面粘着シートの製造方法の提供。
【解決手段】無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程と、前記一次硬化層を2層以上積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層とする工程と、を有することを特徴とする両面粘着シートの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程と、前記一次硬化層を2層以上積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層とする工程と、を有することを特徴とする両面粘着シートの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、両面粘着シートの製造方法、両面粘着シート付き透明面材およびその製造方法ならびに表示装置に関する。
液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置等の表示装置において、表示面を保護する目的で、透明面材(保護パネル)を、透明な両面粘着シートを介して表示パネルに貼合することが行われている。このような用途に用いられる両面粘着シートとして、多層構造のものが提案されている。
例えば特許文献1では、保護パネルと偏光フィルムとの間に配置される画像表示装置用透明粘着シートとして、異なる粘弾性挙動を有する第1粘着層及び第2粘着層をそれぞれ1層以上有し、且つ、これらの層を積層し一体化してなる構成を備えた粘着シートであって、第1粘着層及び第2粘着層のうちの少なくとも一層が特定の組成物からなり、該粘着シートについての特定条件で測定した動的剪断貯蔵弾性率G’の値が特定の範囲内であるものが提案されている。該粘着シートは、第1粘着層付きシート、第2粘着層付きシートをそれぞれ作製した後、それらを一体化することにより製造されている。
例えば特許文献1では、保護パネルと偏光フィルムとの間に配置される画像表示装置用透明粘着シートとして、異なる粘弾性挙動を有する第1粘着層及び第2粘着層をそれぞれ1層以上有し、且つ、これらの層を積層し一体化してなる構成を備えた粘着シートであって、第1粘着層及び第2粘着層のうちの少なくとも一層が特定の組成物からなり、該粘着シートについての特定条件で測定した動的剪断貯蔵弾性率G’の値が特定の範囲内であるものが提案されている。該粘着シートは、第1粘着層付きシート、第2粘着層付きシートをそれぞれ作製した後、それらを一体化することにより製造されている。
しかし、特許文献1に記載の方法では、第1粘着層、第2粘着層をそれぞれ無溶剤型の光硬化性樹脂組成物で形成する場合、得られる粘着シートの第1粘着層と第2粘着層との間の密着性が不充分である。
粘着層間の密着性が不充分であると、表示パネルと透明面材とを固定する際等に、粘着層間に気泡が発生するおそれがある。また、表示パネルと透明面材とを固定する力が不足し、透明面材の位置が経時的にずれたり脱離したりするおそれがある。
粘着層間の密着性が不充分であると、表示パネルと透明面材とを固定する際等に、粘着層間に気泡が発生するおそれがある。また、表示パネルと透明面材とを固定する力が不足し、透明面材の位置が経時的にずれたり脱離したりするおそれがある。
本発明の目的は、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物から形成された粘着層が2層以上積層し、各粘着層の層間密着性が優れた両面粘着シートの製造方法、両面粘着シート付き透明面材およびその製造方法ならびに表示装置を提供することにある。
本発明は、以下の[1]〜[14]の構成を有する、両面粘着シートの製造方法、両面粘着シート付き透明面材およびその製造方法ならびに表示装置を提供する。
[1]2層以上の粘着層を有する両面粘着シートの製造方法であって、
無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程と、
前記一次硬化層を2層以上積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層とする工程と、
を有することを特徴とする両面粘着シートの製造方法。
[2]前記二次露光が、前記粘着層の硬化率と前記一次硬化層の硬化率との差が2%以上、かつ、前記粘着層の硬化率が90%以上となる条件で行われる[1]に記載の両面粘着シートの製造方法。
[3]前記光硬化性樹脂組成物の25℃における粘度が10〜100000mPa・sである[1]または[2]に記載の両面粘着シートの製造方法。
[4]前記2層以上の粘着層の25℃、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’が各々10〜20000Paで、損失正接tanδが各々0.01〜10である[1]〜[3]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法。
[5]前記光硬化性樹脂組成物が、硬化性基を有し、数平均分子量が1000〜100000である硬化性ポリマー(A1)と、硬化性基を有し、分子量が100〜600である硬化性モノマー(A2)と、光重合開始剤(B)と、非硬化性ポリマー(C)とを含む[1]〜[4]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法。
[6]前記光硬化性樹脂組成物が、連鎖移動剤(D)をさらに含む[5]に記載の両面粘着シートの製造方法。
[7]前記硬化性ポリマー(A1)、前記硬化性モノマー(A2)および前記非硬化性ポリマー(C)のうちの少なくとも一部が、水酸基およびカルボキシ基のいずれか一方または両方を有する[5]または[6]に記載の両面粘着シートの製造方法。
[8]2層以上の一次硬化層が積層されて形成される積層体において、一方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物と、他方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物とが異なる[1]〜[7]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法。
[9]2層以上の一次硬化層が積層されて形成される積層体において、一方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物中の前記非硬化性ポリマー(C)の含有割合と、他方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物中の前記非硬化性ポリマー(C)の含有割合とが異なる[5]〜[7]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法。
[10]透明面材の少なくとも一方の主面上に、[1]〜[9]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法で得られた両面粘着シートを有する両面粘着シート付き透明面材。
[11][1]〜[9]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法により両面粘着シートを製造する工程と、
透明面材の少なくとも一方の主面上に前記両面粘着シートを貼合する工程と、
を有する両面粘着シート付き透明面材の製造方法。
[12]無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程と、
透明面材の少なくとも一方の主面上に、前記一次硬化層を2層以上積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層として、2層以上の粘着層を有する両面粘着シートを形成する工程と、
を有することを特徴とする両面粘着シート付き透明面材の製造方法。
[13]前記二次露光が、前記粘着層の硬化率と前記一次硬化層の硬化率との差が2%以上、かつ、前記粘着層の硬化率が90%以上となる条件で行われる[12]記載の両面粘着シート付き透明面材の製造方法。
[14]透明面材と表示パネルとが、[1]〜[9]のいずれかに記載の製造方法で得られた両面粘着シートを介して貼合されている表示装置。
[1]2層以上の粘着層を有する両面粘着シートの製造方法であって、
無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程と、
前記一次硬化層を2層以上積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層とする工程と、
を有することを特徴とする両面粘着シートの製造方法。
[2]前記二次露光が、前記粘着層の硬化率と前記一次硬化層の硬化率との差が2%以上、かつ、前記粘着層の硬化率が90%以上となる条件で行われる[1]に記載の両面粘着シートの製造方法。
[3]前記光硬化性樹脂組成物の25℃における粘度が10〜100000mPa・sである[1]または[2]に記載の両面粘着シートの製造方法。
[4]前記2層以上の粘着層の25℃、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’が各々10〜20000Paで、損失正接tanδが各々0.01〜10である[1]〜[3]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法。
[5]前記光硬化性樹脂組成物が、硬化性基を有し、数平均分子量が1000〜100000である硬化性ポリマー(A1)と、硬化性基を有し、分子量が100〜600である硬化性モノマー(A2)と、光重合開始剤(B)と、非硬化性ポリマー(C)とを含む[1]〜[4]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法。
[6]前記光硬化性樹脂組成物が、連鎖移動剤(D)をさらに含む[5]に記載の両面粘着シートの製造方法。
[7]前記硬化性ポリマー(A1)、前記硬化性モノマー(A2)および前記非硬化性ポリマー(C)のうちの少なくとも一部が、水酸基およびカルボキシ基のいずれか一方または両方を有する[5]または[6]に記載の両面粘着シートの製造方法。
[8]2層以上の一次硬化層が積層されて形成される積層体において、一方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物と、他方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物とが異なる[1]〜[7]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法。
[9]2層以上の一次硬化層が積層されて形成される積層体において、一方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物中の前記非硬化性ポリマー(C)の含有割合と、他方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物中の前記非硬化性ポリマー(C)の含有割合とが異なる[5]〜[7]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法。
[10]透明面材の少なくとも一方の主面上に、[1]〜[9]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法で得られた両面粘着シートを有する両面粘着シート付き透明面材。
[11][1]〜[9]のいずれかに記載の両面粘着シートの製造方法により両面粘着シートを製造する工程と、
透明面材の少なくとも一方の主面上に前記両面粘着シートを貼合する工程と、
を有する両面粘着シート付き透明面材の製造方法。
[12]無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程と、
透明面材の少なくとも一方の主面上に、前記一次硬化層を2層以上積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層として、2層以上の粘着層を有する両面粘着シートを形成する工程と、
を有することを特徴とする両面粘着シート付き透明面材の製造方法。
[13]前記二次露光が、前記粘着層の硬化率と前記一次硬化層の硬化率との差が2%以上、かつ、前記粘着層の硬化率が90%以上となる条件で行われる[12]記載の両面粘着シート付き透明面材の製造方法。
[14]透明面材と表示パネルとが、[1]〜[9]のいずれかに記載の製造方法で得られた両面粘着シートを介して貼合されている表示装置。
本発明の両面粘着シートの製造方法によれば、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物から形成された粘着層が2層以上積層され、各粘着層の層間密着性が優れた両面粘着シートを製造できる。
本発明の両面粘着シート付き透明面材を使用して被貼合物に貼合することにより、各粘着層の層間密着性に優れた積層物を製造できる。
本発明の両面粘着シート付き透明面材の製造方法によれば、透明面材上に、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物から形成された粘着層が2層以上積層した両面粘着シートを備え、各粘着層の層間密着性が優れた両面粘着シート付き透明面材を製造できる。
本発明の表示装置は、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物から形成された粘着層が2層以上積層した両面粘着シートを介して透明面材と表示装置本体とが貼合され、各粘着層の層間密着性が優れる。
本発明の両面粘着シート付き透明面材を使用して被貼合物に貼合することにより、各粘着層の層間密着性に優れた積層物を製造できる。
本発明の両面粘着シート付き透明面材の製造方法によれば、透明面材上に、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物から形成された粘着層が2層以上積層した両面粘着シートを備え、各粘着層の層間密着性が優れた両面粘着シート付き透明面材を製造できる。
本発明の表示装置は、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物から形成された粘着層が2層以上積層した両面粘着シートを介して透明面材と表示装置本体とが貼合され、各粘着層の層間密着性が優れる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「光硬化性樹脂組成物」とは、露光により硬化し得る樹脂組成物を意味する。
「無溶剤型」とは、溶剤を含まない、または溶剤の含有割合が、光硬化性樹脂組成物の総質量(100質量%)のうち、5質量%以下であることを意味する。
「溶剤」とは、沸点が150℃以下の液体(揮発性希釈剤)を意味する。
「露光」は、紫外線等の光を照射することを意味する。
「光硬化性樹脂組成物」とは、露光により硬化し得る樹脂組成物を意味する。
「無溶剤型」とは、溶剤を含まない、または溶剤の含有割合が、光硬化性樹脂組成物の総質量(100質量%)のうち、5質量%以下であることを意味する。
「溶剤」とは、沸点が150℃以下の液体(揮発性希釈剤)を意味する。
「露光」は、紫外線等の光を照射することを意味する。
「透明面材」における「透明」とは、面材と表示パネルの表示面とを粘着層を介して、空隙なく貼合した後に、表示パネルの表示画像の全体または一部が光学的な歪を受けることなく面材を通して視認できる様態を意味する。したがって、表示パネルから面材に入射する光の一部が面材により吸収または反射され、もしくは光学的な位相の変化などにより、面材の可視光透過率が低くなっても、面材を通して光学的な歪なく表示パネルの表示画像を視認できれば、「透明」であるということができる。
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
「厚さ」とは、マイクロゲージまたはレーザー変位計等を用いた測定方法により測定された厚さを意味する。典型的には、10箇所について測定された厚さの平均値とする。
「厚さ」とは、マイクロゲージまたはレーザー変位計等を用いた測定方法により測定された厚さを意味する。典型的には、10箇所について測定された厚さの平均値とする。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更できる。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更できる。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
<両面粘着シートの製造方法>
本発明の両面粘着シートの製造方法は、2層以上の粘着層を有する両面粘着シートの製造方法であって、
無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程(工程i)と、
前記一次硬化層を2層以上積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層とする工程(工程ii)と、を有することを特徴とする。
本発明の両面粘着シートの製造方法は、2層以上の粘着層を有する両面粘着シートの製造方法であって、
無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程(工程i)と、
前記一次硬化層を2層以上積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層とする工程(工程ii)と、を有することを特徴とする。
本発明の製造方法において一次硬化層の硬化率は50%以上なので、一次硬化層を自立した層として使用できる。一次硬化層の硬化率が50%未満であると、一次硬化層にセパレータが当接している場合に、当該セパレータを良好に剥離できず、剥離に際して、一次硬化層を変形させるおそれがある。
本発明の製造方法において、一次硬化層の硬化率は95%以下なので、一次硬化層の積層後に二次露光して、各一次硬化層を粘着層とさせると、各粘着層間の層間密着性に優れた両面粘着シートが得られる。
本発明の製造方法において、一次硬化層の硬化率は95%以下なので、一次硬化層の積層後に二次露光して、各一次硬化層を粘着層とさせると、各粘着層間の層間密着性に優れた両面粘着シートが得られる。
以下、図1〜2に示す両面粘着シート20を製造する場合を例に挙げて、本発明の両面粘着シートの製造方法の実施形態を説明する。
図1は、両面粘着シート20の平面図である。図2は、両面粘着シート20の図1におけるII−II断面図である。
両面粘着シート20の平面視形状は、図1に示すように、矩形状である。ただし本発明の両面粘着シートの製造方法は個の形状に限定されず、任意の形状を採用できる。
両面粘着シート20は、図2に示すように、第一粘着層21と第二粘着層22と積層したものである。第一粘着層21と第二粘着層22とは当接している。
両面粘着シート20の第一粘着層21側の面には第一セパレータ30が積層し、第二粘着層22側の面には第二セパレータ31が積層して、セパレータ付き両面粘着シート10を形成している。
両面粘着シート20の平面視形状は、図1に示すように、矩形状である。ただし本発明の両面粘着シートの製造方法は個の形状に限定されず、任意の形状を採用できる。
両面粘着シート20は、図2に示すように、第一粘着層21と第二粘着層22と積層したものである。第一粘着層21と第二粘着層22とは当接している。
両面粘着シート20の第一粘着層21側の面には第一セパレータ30が積層し、第二粘着層22側の面には第二セパレータ31が積層して、セパレータ付き両面粘着シート10を形成している。
本実施形態の製造方法では、下記の、1対のセパレータに一次硬化層が狭持された積層体11,12をそれぞれ製造する工程(工程i)、積層体11,12それぞれのセパレータの一方を剥離し、一次硬化層21cと一次硬化層22cとを、セパレータを剥離した面を重ねて積層し、積層後に二次露光して第一粘着層21と第二粘着層22の積層体を製造する工程(工程ii)により、一対のセパレータに狭持された両面粘着シート20を製造する。
積層体11:第一セパレータ30と第三セパレータ32との間に、第一粘着層21を形成する無溶剤型の光硬化性樹脂組成物(以下、第一硬化性樹脂組成物23という。)に一次露光して得られた一次硬化層21cが挟持されたもの。
積層体12:第二セパレータ31と第四セパレータ33との間に、第二粘着層22を形成する無溶剤型の光硬化性樹脂組成物(以下、第二硬化性樹脂組成物24という。)に一次露光して得られた一次硬化層22cが挟持されたもの。
積層体11:第一セパレータ30と第三セパレータ32との間に、第一粘着層21を形成する無溶剤型の光硬化性樹脂組成物(以下、第一硬化性樹脂組成物23という。)に一次露光して得られた一次硬化層21cが挟持されたもの。
積層体12:第二セパレータ31と第四セパレータ33との間に、第二粘着層22を形成する無溶剤型の光硬化性樹脂組成物(以下、第二硬化性樹脂組成物24という。)に一次露光して得られた一次硬化層22cが挟持されたもの。
[工程i]
本実施形態の工程iを、図3に模式図を示す第一製造装置100を用いて積層体11,12を製造する場合を例に挙げて説明する。
第一製造装置100では、ロール状に巻き取られた第一セパレータ30を巻出しロール50によって巻き出し、塗布部44にて、巻き出された第一セパレータ30の面上に第一硬化性樹脂組成物23を塗布する。第一硬化性樹脂組成物23が塗布された第一セパレータ30は、貼合ロール52によって、巻出しロール51によって巻き出された第三セパレータ32と、第一硬化性樹脂組成物23を介して貼合される。これにより、第一硬化性樹脂組成物23からなる未硬化層が第一セパレータ30と第三セパレータ32との間に挟持された積層体11aが形成される。
本実施形態の工程iを、図3に模式図を示す第一製造装置100を用いて積層体11,12を製造する場合を例に挙げて説明する。
第一製造装置100では、ロール状に巻き取られた第一セパレータ30を巻出しロール50によって巻き出し、塗布部44にて、巻き出された第一セパレータ30の面上に第一硬化性樹脂組成物23を塗布する。第一硬化性樹脂組成物23が塗布された第一セパレータ30は、貼合ロール52によって、巻出しロール51によって巻き出された第三セパレータ32と、第一硬化性樹脂組成物23を介して貼合される。これにより、第一硬化性樹脂組成物23からなる未硬化層が第一セパレータ30と第三セパレータ32との間に挟持された積層体11aが形成される。
積層体11aは、一次露光部40に搬送される。一次露光部40では、光源42,43から紫外線が照射(露光)される。これにより、未硬化層が一次硬化層21cとなり、1対のセパレータに一次硬化層21cが狭持された積層体11が形成される。
光源42,43としては、たとえば、通常知られた高圧水銀灯、メタルハライドランプおよびUV−LED(Light Emitting Diode)を用いることができる。
図3に示す例では、光源は2つであるが、光源の数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
本実施形態においては、第一セパレータ30は紫外線を透過するものが用いられる。
光源42,43としては、たとえば、通常知られた高圧水銀灯、メタルハライドランプおよびUV−LED(Light Emitting Diode)を用いることができる。
図3に示す例では、光源は2つであるが、光源の数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
本実施形態においては、第一セパレータ30は紫外線を透過するものが用いられる。
露光の際、チャンバー41内の雰囲気は特に限定されず、不活性ガス雰囲気としてもよい。チャンバー41内の不活性ガス雰囲気としては、例えば、窒素が充填され、酸素濃度が100ppm以下の雰囲気が挙げられる。チャンバー41内を不活性ガス雰囲気とすれば、一次露光により第一硬化性樹脂組成物23を硬化させる際に、露光によって生じるラジカルが酸素で失活する副反応を抑制することができる。
一次露光部40における一次露光は、形成される一次硬化層21cの硬化率、つまり一次露光後の第一硬化性樹脂組成物23の硬化率が、50%以上95%以下となる条件で行われる。一次硬化層21cの硬化率は、55%以上92.5%以下が好ましく、60%以上90%以下がより好ましい。
一次硬化層21cの硬化率が前記した好ましい範囲の下限値以上であれば、一次硬化層21cから第三セパレータ32を良好に剥離できる。一次硬化層21cの硬化率が前記した好ましい範囲の上限値以下であれば、工程iiにおける二次露光の後の硬化率(第一粘着層21の硬化率)と一次硬化層21cの硬化率との差を充分に大きくでき、他の粘着層との間の層間密着性をより良好にできる。
一次硬化層21cの硬化率は、露光量(強度、照射時間等)によって調整できる。
一次硬化層21cの硬化率が前記した好ましい範囲の下限値以上であれば、一次硬化層21cから第三セパレータ32を良好に剥離できる。一次硬化層21cの硬化率が前記した好ましい範囲の上限値以下であれば、工程iiにおける二次露光の後の硬化率(第一粘着層21の硬化率)と一次硬化層21cの硬化率との差を充分に大きくでき、他の粘着層との間の層間密着性をより良好にできる。
一次硬化層21cの硬化率は、露光量(強度、照射時間等)によって調整できる。
硬化率(%)は、露光前の光硬化性樹脂組成物中の硬化性基のうち、硬化反応した硬化性基の割合を示すものである。
一次硬化層の硬化率は、以下の方法によって計測される。
未硬化層(光硬化性樹脂組成物)、一次硬化層それぞれについて、反射型赤外分光器を用い、約800〜825cm−1に現れるビニル基由来のピーク強度を測定する。未硬化層、一次硬化層それぞれにおけるビニル基由来のピーク強度をx0、x1とする。それらのピーク強度の比から、一次硬化層における2重結合残留率(x1/x0×100)を求める。100%から2重結合残留率(%)を減じた値を硬化率とする。
約800〜825cm−1のピークは他のピークと重なることがあるが、その場合はバックグラウンドとして他のピークを減じた後の値を採用する。
一次硬化層の硬化率は、以下の方法によって計測される。
未硬化層(光硬化性樹脂組成物)、一次硬化層それぞれについて、反射型赤外分光器を用い、約800〜825cm−1に現れるビニル基由来のピーク強度を測定する。未硬化層、一次硬化層それぞれにおけるビニル基由来のピーク強度をx0、x1とする。それらのピーク強度の比から、一次硬化層における2重結合残留率(x1/x0×100)を求める。100%から2重結合残留率(%)を減じた値を硬化率とする。
約800〜825cm−1のピークは他のピークと重なることがあるが、その場合はバックグラウンドとして他のピークを減じた後の値を採用する。
一次硬化層21cは、測定温度25℃で周波数1Hzにおける貯蔵弾性率G’が10〜20000Paであることが好ましく、100〜17500Paであることがより好ましく、1000〜15000Paであることがさらに好ましい。
一次硬化層21cの貯蔵弾性率G’が前記下限値以上であれば、一次硬化層の取り扱い性がより優れる。一方、一次硬化層21cの貯蔵弾性率G’が前記上限値以下であれば、ガラス積層時に積層界面に発生する気泡が消失しやすい。
一次硬化層21cは、測定温度25℃で周波数1Hzにおける損失正接tanδが0.01〜10であることが好ましく、0.05〜5であることがより好ましく、0.1〜1であることがさらに好ましい。
損失正接tanδは、貯蔵弾性率G’(Pa)に対する損失弾性率G”(Pa)の割合(G’/G”)である。
一次硬化層21cの損失正接tanδが前記下限値以上であれば、一次硬化層を硬化して得られる粘着層の損失正接tanδを所望の範囲にできる。一次硬化層21cの損失正接tanδが前記上限値以下であれば、セパレータの剥離性がより優れる。
一次硬化層21cの貯蔵弾性率G’が前記下限値以上であれば、一次硬化層の取り扱い性がより優れる。一方、一次硬化層21cの貯蔵弾性率G’が前記上限値以下であれば、ガラス積層時に積層界面に発生する気泡が消失しやすい。
一次硬化層21cは、測定温度25℃で周波数1Hzにおける損失正接tanδが0.01〜10であることが好ましく、0.05〜5であることがより好ましく、0.1〜1であることがさらに好ましい。
損失正接tanδは、貯蔵弾性率G’(Pa)に対する損失弾性率G”(Pa)の割合(G’/G”)である。
一次硬化層21cの損失正接tanδが前記下限値以上であれば、一次硬化層を硬化して得られる粘着層の損失正接tanδを所望の範囲にできる。一次硬化層21cの損失正接tanδが前記上限値以下であれば、セパレータの剥離性がより優れる。
一次硬化層21cの貯蔵弾性率G’および損失正接tanδは、一次硬化層21cを形成する光硬化性樹脂組成物の組成によって調整できる。たとえば、光硬化性樹脂組成物に、非硬化性ポリマー(C)を含有させることなどにより、損失正接(tanδ)の上昇を抑えつつ、貯蔵弾性率G’を低下させることができる。
1対のセパレータに一次硬化層22cが狭持された積層体12は、第一セパレータ30、第三セパレータ32、および第一硬化性樹脂組成物23をそれぞれ、第二セパレータ31、第四セパレータ33、および第二硬化性樹脂組成物24に変更する以外は、積層体11と同様にして製造できる。
一次硬化層22cの硬化率は、一次硬化層21cの硬化率と同様に、50%以上95%以下であり、好ましい硬化率も同様である。一次硬化層22cの硬化率と一次硬化層21cの硬化率とは、同じでもよく、異なってもよい。
一次硬化層21cの貯蔵弾性率G’および損失正接tanδの好ましい範囲は、一次硬化層21cと同様である。
一次硬化層22cの硬化率は、一次硬化層21cの硬化率と同様に、50%以上95%以下であり、好ましい硬化率も同様である。一次硬化層22cの硬化率と一次硬化層21cの硬化率とは、同じでもよく、異なってもよい。
一次硬化層21cの貯蔵弾性率G’および損失正接tanδの好ましい範囲は、一次硬化層21cと同様である。
工程iで製造する一次硬化層の種類および数は限定されない。次に説明する工程iiで使用する一次硬化層の種類および数に合わせて製造する。具体的には、同一の一次硬化層を2以上製造する場合と、2種以上の異なる一次硬化層を製造する場合が挙げられる。
[工程ii]
本実施形態の工程iiを、図4に模式図を示す第二製造装置200を用いて一次硬化層21cおよび22cを積層し、二次露光して、各一次硬化層を粘着層21および22にする場合を例に挙げて説明する。
本実施形態の工程iiを、図4に模式図を示す第二製造装置200を用いて一次硬化層21cおよび22cを積層し、二次露光して、各一次硬化層を粘着層21および22にする場合を例に挙げて説明する。
ロール状に巻き取られた積層体11が原反ロール54によって巻き出され、第三セパレータ32が剥離ロール55aを介してセパレータ巻取りロール56aに巻き取られる。これにより、一次硬化層21cが露出する。
同様の工程を、積層体12についても行う。これにより一次硬化層22cが露出する。
同様の工程を、積層体12についても行う。これにより一次硬化層22cが露出する。
貼合ロール57aと貼合ロール57bとにより、それぞれ露出した一次硬化層21cおよび22cが当接するように挟持され、貼合される。これにより、第一セパレータ30と第二セパレータ31との間に一次硬化層21c,22cが挟持された積層体13が得られる。
本実施形態において、一次硬化層21cと22cは同一のものでも異なるものでもよい。一次硬化層21c,22cを同一のものとすれば、本実施形態の製造方法により、分厚くて層間密着性に優れた両面粘着シートを製造できる。一次硬化層21c,22cを異なるものとすれば、表層と裏層とで物性の異なり、かつ層間密着性に優れた両面粘着シートを製造できる。一次硬化層21cと22cを異なるものとする場合には、光硬化性樹脂組成物23、24の組成を変えればよい。
積層体13は、複数の搬送ロール60によって、二次露光部70に搬送される。二次露光部70では、光源72,73の少なくとも一方から紫外線が照射(露光)される。照射された紫外線は、第一セパレータ30、第二セパレータ31の少なくとも一方を介して一次硬化層21c,22cに入射する。これにより、一次硬化層21c,22cの硬化が進み、硬化率が高まり、第一粘着層21、第二粘着層22となる。これにより、第一セパレータ30と第二セパレータ31との間に両面粘着シート20が挟持されたセパレータ付き両面粘着シート10が形成される。
二次露光部70での露光(二次露光)は、第一粘着層21の硬化率と一次硬化層21cの硬化率との差、および第二粘着層22の硬化率と一次硬化層22cの硬化率との差がそれぞれ、2%以上となるように行われることが好ましい。該差は、3%以上がより好ましく、5%以上が特に好ましい。該差が2%以上であれば、つまり二次露光により硬化率が2%以上上昇すれば、両面粘着シート20における第一粘着層21と第二粘着層22との間の層間密着性が優れる。
該差の上限は特に限定されないが、二次露光時の露光量の点では、45%以下が好ましい。
該差の上限は特に限定されないが、二次露光時の露光量の点では、45%以下が好ましい。
また、該二次露光は、第一粘着層21、第二粘着層22それぞれの硬化率が、90%以上となるように行われることが好ましい。該硬化率は、92%以上がより好ましく、95%以上が特に好ましい。各粘着層の硬化率が90%以上であれば、未硬化の硬化性化合物等の低分子量成分が少なく、両面粘着シート20の信頼性が優れる。
各粘着層の硬化率は、一次硬化層の代わりに粘着層のビニル基由来のピーク強度を測定する以外は、一次硬化層の硬化率と同様にして求められる。
各粘着層の硬化率は、一次硬化層の代わりに粘着層のビニル基由来のピーク強度を測定する以外は、一次硬化層の硬化率と同様にして求められる。
得られたセパレータ付き両面粘着シート10は、必要に応じて、複数の搬送ロール60によって切断部46に搬送され、切断部46によって切断され、個片化される。
本実施形態における切断部46での、両面粘着シート20を切断する方法は、たとえば、回転刃やレーザーカッターが挙げられる。両面粘着シートが柔らかく、貯蔵弾性率G’が100kPaより小さい場合などには、切断後の再付着を防止する面から、レーザーカッターを用いることが好ましい。
セパレータ付き両面粘着シート10の両面のセパレータ30、31はそれぞれ必要に応じて剥離できる。
ただし、本発明においては、二次露光後の工程は特に限定されない。前述のように、扱いやすい大きさに切断してもよく、図示しないが両面粘着シート20を巻き取りロールで巻き取ってもよい。
本実施形態における切断部46での、両面粘着シート20を切断する方法は、たとえば、回転刃やレーザーカッターが挙げられる。両面粘着シートが柔らかく、貯蔵弾性率G’が100kPaより小さい場合などには、切断後の再付着を防止する面から、レーザーカッターを用いることが好ましい。
セパレータ付き両面粘着シート10の両面のセパレータ30、31はそれぞれ必要に応じて剥離できる。
ただし、本発明においては、二次露光後の工程は特に限定されない。前述のように、扱いやすい大きさに切断してもよく、図示しないが両面粘着シート20を巻き取りロールで巻き取ってもよい。
第一粘着層21、第二粘着層22はそれぞれ、測定温度25℃で1Hzにおける貯蔵弾性率G’が10〜20000Paであることが好ましく、100〜17500Paであることがより好ましく、1000〜15000Paであることがさらに好ましい。
第一粘着層21、第二粘着層22それぞれの貯蔵弾性率G’が前記下限値以上であれば、両面粘着シート20の形状を維持しやすい。また、両面粘着シート20を介して面材同士を貼合する際に、両面粘着シート20が貼合時の圧力などで変形しにくく、面材同士を充分に固定することができる。一方、第一粘着層21、第二粘着層22それぞれの貯蔵弾性率G’が前記上限値以下であれば、面材同士の貼合時に、各面材と両面粘着シート20との界面等において気泡が発生したとしても、その気泡が短時間で消失しやすい。このような面材としては例えば、透明面材と表示パネルとの組合せが挙げられる。
第一粘着層21、第二粘着層22それぞれの貯蔵弾性率G’が前記下限値以上であれば、両面粘着シート20の形状を維持しやすい。また、両面粘着シート20を介して面材同士を貼合する際に、両面粘着シート20が貼合時の圧力などで変形しにくく、面材同士を充分に固定することができる。一方、第一粘着層21、第二粘着層22それぞれの貯蔵弾性率G’が前記上限値以下であれば、面材同士の貼合時に、各面材と両面粘着シート20との界面等において気泡が発生したとしても、その気泡が短時間で消失しやすい。このような面材としては例えば、透明面材と表示パネルとの組合せが挙げられる。
第一粘着層21、第二粘着層22はそれぞれ、測定温度25℃で1Hzにおける損失正接tanδが0.01〜10であることがより好ましく、0.5〜3であることがより好ましく、0.1〜1がさらに好ましい。
第一粘着層21、第二粘着層22それぞれの損失正接tanδが前記下限値以上であれば、各粘着層の面材に対する濡れ性がより優れる。第二粘着層22それぞれの損失正接tanδが前記上限値以下であれば、セパレータの剥離性がより優れる。
第一粘着層21、第二粘着層22それぞれの損失正接tanδが前記下限値以上であれば、各粘着層の面材に対する濡れ性がより優れる。第二粘着層22それぞれの損失正接tanδが前記上限値以下であれば、セパレータの剥離性がより優れる。
被貼合物(例えば、面材)に対する第一粘着層21の密着力と第二粘着層22の密着力とは、同じでもよく、異なってもよい。第一粘着層21と第二粘着層22の密着力を変えたい場合には、一次硬化層21c,22cとして異なるものを使用すればよい。
例えば、後述のように、第一粘着層21に透明面材を貼合し、第二粘着層22に表示装置の表示パネルを貼合する場合、第二粘着層22の方が第一粘着層21よりも密着力が低いことが好ましい。このようにすれば、表示パネルに対する透明面材(保護板)の貼合位置がずれる等が起こった場合において、容易に一度表示パネルから透明面材を剥離して、貼合し直すことできる。
例えば、後述のように、第一粘着層21に透明面材を貼合し、第二粘着層22に表示装置の表示パネルを貼合する場合、第二粘着層22の方が第一粘着層21よりも密着力が低いことが好ましい。このようにすれば、表示パネルに対する透明面材(保護板)の貼合位置がずれる等が起こった場合において、容易に一度表示パネルから透明面材を剥離して、貼合し直すことできる。
本明細書において、密着力(N/25mm)は、以下の方法によって計測されたものである。
まず、両面にセパレータが積層した両面粘着シートを長さ98mm、幅25mmとなるようにカットし、評価片を得る。そして、密着力を測定する面(以下、「測定面」という。)に貼着したセパレータを部分的に剥離して測定面を露出させ、該測定面を、エタノール拭きした2mm厚のガラス板(旭硝子社製、商品名:フロート板ガラス)に貼合し、長さ方向に30mmだけ、ガラス板と測定面とが貼合された状態にする。
次に、両面粘着シートの端部を、ガラス板の表面に対して90°上方に、引っ張り試験機(オートグラフ、島津製作所社製)を用いて引張し、残りの部分を剥離させる。剥離させる速度は、50mm/分となるようにし、両面粘着シートの剥離に要した力を密着力とする。
まず、両面にセパレータが積層した両面粘着シートを長さ98mm、幅25mmとなるようにカットし、評価片を得る。そして、密着力を測定する面(以下、「測定面」という。)に貼着したセパレータを部分的に剥離して測定面を露出させ、該測定面を、エタノール拭きした2mm厚のガラス板(旭硝子社製、商品名:フロート板ガラス)に貼合し、長さ方向に30mmだけ、ガラス板と測定面とが貼合された状態にする。
次に、両面粘着シートの端部を、ガラス板の表面に対して90°上方に、引っ張り試験機(オートグラフ、島津製作所社製)を用いて引張し、残りの部分を剥離させる。剥離させる速度は、50mm/分となるようにし、両面粘着シートの剥離に要した力を密着力とする。
本実施形態において、両面粘着シート20の全体の厚さ(複数の粘着層の積層方向の長さ)は、特に限定されない。両面粘着シート20の厚さは、第一粘着層21の厚さと、第二粘着層22の厚さとを合わせた厚さであり、第一粘着層21の厚さと、第二粘着層22の厚さとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
両面粘着シート20を用いて透明面材と表示パネルとを貼合する場合には、厚さは0.05〜2.0mmが好ましく、0.1〜0.8mmがより好ましい。両面粘着シート20の厚さが前記下限値以上であれば、透明面材側からの外力による衝撃等を両面粘着シート20が効果的に緩衝し、表示パネルを保護できる。一方、両面粘着シート20の厚さが前記上限値以下であれば、両面粘着シート20を介して透明面材を表示パネルに貼合しやすく、表示装置の全体の厚さが不要に厚くならない。
両面粘着シート20を用いて透明面材と表示パネルとを貼合する場合には、厚さは0.05〜2.0mmが好ましく、0.1〜0.8mmがより好ましい。両面粘着シート20の厚さが前記下限値以上であれば、透明面材側からの外力による衝撃等を両面粘着シート20が効果的に緩衝し、表示パネルを保護できる。一方、両面粘着シート20の厚さが前記上限値以下であれば、両面粘着シート20を介して透明面材を表示パネルに貼合しやすく、表示装置の全体の厚さが不要に厚くならない。
第一粘着層21の貯蔵弾性率G’と第二粘着層22の貯蔵弾性率G’とが異なる場合は、貯蔵弾性率G’の大きい方の粘着層の厚さを、貯蔵弾性率G’の小さい方の粘着層の厚さよりも薄くすることが好ましい。
第一粘着層21、第二粘着層22それぞれの厚さは、0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。第一粘着層21、第二粘着層22それぞれの厚さが前記下限値以上であれば、セパレータの剥離が容易である。
第一粘着層21、第二粘着層22それぞれの厚さは、0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。第一粘着層21、第二粘着層22それぞれの厚さが前記下限値以上であれば、セパレータの剥離が容易である。
以上、本発明の両面粘着シートの製造方法について、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
たとえば、積層体11,12を製造するための製造装置は、第一製造装置100に限定されない。また、積層体11,12を貼合し、二次露光を行ってセパレータ付き両面粘着シート10を製造するための製造装置は、第二製造装置200に限定されない。
一対のセパレータの間に挟持される粘着層は、3層以上であってもよい。両面粘着シートの薄型化、生産性、リワーク性等の点では、2層または3層が好ましく、2層が特に好ましい。
たとえば、積層体11,12を製造するための製造装置は、第一製造装置100に限定されない。また、積層体11,12を貼合し、二次露光を行ってセパレータ付き両面粘着シート10を製造するための製造装置は、第二製造装置200に限定されない。
一対のセパレータの間に挟持される粘着層は、3層以上であってもよい。両面粘着シートの薄型化、生産性、リワーク性等の点では、2層または3層が好ましく、2層が特に好ましい。
図5に、本発明の両面粘着シートの製造方法で得られる両面粘着シートの他の例として、積層している粘着層が3層である両面粘着シート120の断面図を示す。
なお、以下の説明においては、前述の実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
なお、以下の説明においては、前述の実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
両面粘着シート120は、図5に示すように、第一粘着層121と第二粘着層122と第三粘着層123とがこの順に積層したものである。
各粘着層121,122および123は、対応する第一〜第三の一次硬化層を硬化して得られる。また、第一〜第三の一次硬化層はそれぞれ対応する第一〜第三の無溶剤型の光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる。なお、第一〜第三の無溶剤型の光硬化性樹脂組成物はそれぞれ同一でも異なる種類でもよい。
各粘着層121,122および123は、対応する第一〜第三の一次硬化層を硬化して得られる。また、第一〜第三の一次硬化層はそれぞれ対応する第一〜第三の無溶剤型の光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる。なお、第一〜第三の無溶剤型の光硬化性樹脂組成物はそれぞれ同一でも異なる種類でもよい。
両面粘着シート120は、たとえば、第一と第二の一次硬化層を用いて、上記した2層の両面粘着シートの製造において得られる積層体13を形成した後、露光を行わずにロールに巻き取り、これと第三の一次硬化層とを貼合し、その後で二次露光を行う方法で製造される。または、3つの一次硬化層を貼合できるような構成の装置を用いる方法等により製造できる。
両面粘着シート120では、たとえば、第一粘着層121を形成する光硬化性樹脂組成物の組成と第三粘着層123を形成する光硬化性樹脂組成物の組成とが大きく異なるものを用いて、第一粘着層121と第三粘着層123との親和性が低下する場合であっても、第二粘着層122を形成する光硬化性樹脂組成物の組成を調整することにより、互いの密着性が高い両面粘着シートが得られる。
図2、図5においては、各粘着層は同程度の厚さで記載されているが、これに限られず、各粘着層の厚さは異なってもよい。たとえば両面粘着シート120において、第一粘着層121および第三粘着層123の厚さを、第二粘着層122の厚さに比べて十分に小さくしてもよい。この構成によれば、両面粘着シート120全体の物性は、主として第二粘着層122の物性によって決定できる。
本発明の製造方法で得られる両面粘着シートは、たとえば、透明面材と、該透明面材の少なくとも一方の面に積層した両面粘着シートとを備える両面粘着シート付き透明面材を製造する用途、透明面材と、該透明面材の少なくとも一方の面に積層した両面粘着シートと、該両面粘着シートを介して前記透明面材と貼合された表示パネルとを備える表示装置を製造する用途等に用いられる。
[光硬化性樹脂組成物]
本発明の両面粘着シートの製造方法で用いられる光硬化性樹脂組成物(第一硬化性樹脂組成物23、第二硬化性樹脂組成物24等)は、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物である。無溶剤型の場合、溶剤を除去するための加熱を行う必要がない。光硬化性樹脂組成物は、乾燥工程が省ける点、時間とエネルギーを省くことができる点で、溶剤を含まないことが最も好ましい。
本発明の両面粘着シートの製造方法で用いられる光硬化性樹脂組成物(第一硬化性樹脂組成物23、第二硬化性樹脂組成物24等)は、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物である。無溶剤型の場合、溶剤を除去するための加熱を行う必要がない。光硬化性樹脂組成物は、乾燥工程が省ける点、時間とエネルギーを省くことができる点で、溶剤を含まないことが最も好ましい。
光硬化性樹脂組成物の25℃における粘度(以下、「粘度(25℃)」ともいう。)は、10〜100000mPa・sが好ましく、100〜50000mPa・sがより好ましく、1000〜10000mPa・sが特に好ましい。光硬化性樹脂組成物の粘度(25℃)が前記範囲内にあれば、未硬化層を塗布法によって形成できる。
光硬化性樹脂組成物の粘度は、B型粘度計を用いて測定される。
光硬化性樹脂組成物の粘度は、B型粘度計を用いて測定される。
光硬化性樹脂組成物は、硬化性基を有する硬化性化合物(A)と、光重合開始剤(B)とを含む。必要に応じて、光重合開始剤(B)以外の他の非硬化性成分が含まれてもよい。非硬化性成分としては、非硬化性ポリマー(C)、連鎖移動剤(D)、他の添加剤等が挙げられる。
{硬化性化合物(A)}
硬化性化合物(A)の硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられる。硬化速度が速い点および透明性の高い粘着層が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基からなる群から選ばれる基が好ましい。
硬化性化合物(A)の硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられる。硬化速度が速い点および透明性の高い粘着層が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基からなる群から選ばれる基が好ましい。
硬化性化合物(A)は、以下の硬化性ポリマー(A1)と、以下の硬化性モノマー(A2)とを含むことが好ましい。硬化性ポリマー(A1)と硬化性モノマー(A2)とを含むことで、光硬化性樹脂組成物の粘度を好ましい範囲に調整しやすい。
硬化性ポリマー(A1):硬化性基を有し、数平均分子量が1000〜100000であるポリマー。
硬化性モノマー(A2):硬化性基を有し、分子量が100〜600であるモノマー。
硬化性ポリマー(A1):硬化性基を有し、数平均分子量が1000〜100000であるポリマー。
硬化性モノマー(A2):硬化性基を有し、分子量が100〜600であるモノマー。
硬化性ポリマー(A1)における硬化性基と、硬化性モノマー(A2)における硬化性基とは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
比較的高分子量の硬化性ポリマー(A1)における硬化性基は、比較的低分子量の硬化性モノマー(A2)における硬化性基よりも反応性が低くなりやすい。そのため、硬化性モノマー(A2)の硬化が先に進んで急激に組成物全体の粘性が高まり、硬化反応が不均質となるおそれがある。両者の硬化性基の反応性の差を小さくし、均質な粘着層を得るために、硬化性ポリマー(A1)の硬化性基を比較的反応性の高いアクリロイルオキシ基とし、硬化性モノマー(A2)の硬化性基を比較的反応性の低いメタクリロイルオキシ基とすることがより好ましい。
硬化反応に必要な時間を短縮したり、粘着層の粘着力を高めるためには、硬化性ポリマー(A1)と硬化性モノマー(A2)の硬化性基をいずれもアクリロイルオキシ基とすることが好ましい。
比較的高分子量の硬化性ポリマー(A1)における硬化性基は、比較的低分子量の硬化性モノマー(A2)における硬化性基よりも反応性が低くなりやすい。そのため、硬化性モノマー(A2)の硬化が先に進んで急激に組成物全体の粘性が高まり、硬化反応が不均質となるおそれがある。両者の硬化性基の反応性の差を小さくし、均質な粘着層を得るために、硬化性ポリマー(A1)の硬化性基を比較的反応性の高いアクリロイルオキシ基とし、硬化性モノマー(A2)の硬化性基を比較的反応性の低いメタクリロイルオキシ基とすることがより好ましい。
硬化反応に必要な時間を短縮したり、粘着層の粘着力を高めるためには、硬化性ポリマー(A1)と硬化性モノマー(A2)の硬化性基をいずれもアクリロイルオキシ基とすることが好ましい。
「硬化性ポリマー(A1)」
硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量(Mn)は、1000〜100000であり、10000〜70000が好ましい。硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量がこの範囲であると、光硬化性樹脂組成物の粘度を前記範囲に調整しやすい。
硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)の測定によって得られた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。
なお、GPCの測定において、未反応の低分子量成分(モノマー等)のピークが現れる場合は、ピークを除外して数平均分子量を求める。
硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量(Mn)は、1000〜100000であり、10000〜70000が好ましい。硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量がこの範囲であると、光硬化性樹脂組成物の粘度を前記範囲に調整しやすい。
硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)の測定によって得られた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。
なお、GPCの測定において、未反応の低分子量成分(モノマー等)のピークが現れる場合は、ピークを除外して数平均分子量を求める。
硬化性ポリマー(A1)としては、光硬化性樹脂組成物の硬化性、形成される粘着層の機械的特性の点から、分子中における硬化性基の数が1個以上4個以下であるものが好ましく、2個または3個がより好ましい。なお、硬化性化合物(A)の製造時に硬化性基を有さない副生成物が生じる場合も考慮すると、硬化性化合物(A)の硬化性基の平均数は0.8〜4.0が好ましく、1.8〜3.0がより好ましい。
硬化性ポリマー(A1)としては、ウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン鎖の分子設計等によって硬化後の樹脂の機械的特性、面材との密着性等を幅広く調整できる点から、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートのなかでも、ポリオールおよびポリイソシアネートを原料に用いて合成されたウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。ポリオールはポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。
ウレタン鎖の分子設計等によって硬化後の樹脂の機械的特性、面材との密着性等を幅広く調整できる点から、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートのなかでも、ポリオールおよびポリイソシアネートを原料に用いて合成されたウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。ポリオールはポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。
数平均分子量が30000〜100000の範囲のウレタン(メタ)アクリレートは、高粘度となるため、通常の方法では合成が難しく、合成できたとしても硬化性モノマー(A2)との混合が難しい。そのため、ウレタン(メタ)アクリレートを、硬化性モノマー(A2)(下記のモノマー(A21)および(A22))を用いる合成方法で合成した後、得られた生成物をそのまま、または得られた生成物をさらに硬化性モノマー(A2)(下記のモノマー(A21)、モノマー(A23)等)で希釈して、光硬化性樹脂組成物に用いることが好ましい。
・モノマー(A21):硬化性基を有し、かつイソシアネート基と反応する基を有さないモノマー。
・モノマー(A22):硬化性基を有し、かつイソシアネート基と反応する基を有するモノマー。
・モノマー(A23):硬化性基を有し、かつ水酸基およびカルボキシ基のいずれか一方または両方を有するモノマー。
・モノマー(A21):硬化性基を有し、かつイソシアネート基と反応する基を有さないモノマー。
・モノマー(A22):硬化性基を有し、かつイソシアネート基と反応する基を有するモノマー。
・モノマー(A23):硬化性基を有し、かつ水酸基およびカルボキシ基のいずれか一方または両方を有するモノマー。
硬化性モノマー(A2)を用いるウレタン(メタ)アクリレートの合成方法としては、たとえば、希釈剤としてモノマー(A21)の存在下、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、該プレポリマーのイソシアネート基に、モノマー(A22)を反応させる方法が挙げられる。
ポリオール、ポリイソシアネートとしては、公知の化合物、たとえば、国際公開第2009/016943号パンフレットに記載のウレタン系オリゴマー(a)の原料として記載された、ポリオール(i)、ジイソシアネート(ii)等が挙げられ、本明細書に組み入れられる。
硬化性ポリマー(A1)は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ポリオール、ポリイソシアネートとしては、公知の化合物、たとえば、国際公開第2009/016943号パンフレットに記載のウレタン系オリゴマー(a)の原料として記載された、ポリオール(i)、ジイソシアネート(ii)等が挙げられ、本明細書に組み入れられる。
硬化性ポリマー(A1)は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
「硬化性モノマー(A2)」
硬化性モノマー(A2)の分子量は100〜600であり、110〜400が好ましい。硬化性モノマー(A2)の分子量が100以上であると、減圧手段を用いて粘着層を形成するような場合にモノマーの揮発が抑えられる。硬化性モノマー(A2)の分子量が600以下であると、粘着層の密着性が良好である。
硬化性モノマー(A2)は、光硬化性樹脂組成物の硬化性、形成される粘着層の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり1個〜3個有するものが好ましい。
硬化性モノマー(A2)の分子量は100〜600であり、110〜400が好ましい。硬化性モノマー(A2)の分子量が100以上であると、減圧手段を用いて粘着層を形成するような場合にモノマーの揮発が抑えられる。硬化性モノマー(A2)の分子量が600以下であると、粘着層の密着性が良好である。
硬化性モノマー(A2)は、光硬化性樹脂組成物の硬化性、形成される粘着層の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり1個〜3個有するものが好ましい。
硬化性モノマー(A2)としては、前述のモノマー(A21)〜(A23)等が挙げられる。
モノマー(A21)としては、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(n−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、イソオクタデシル(メタ)アクリレート、n−ベヘニル(メタ)アクリレート等)、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート(イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等)が挙げられる。これらの中では、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−ドデシルメタクリレートが好ましい。
モノマー(A21)としては、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(n−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、イソオクタデシル(メタ)アクリレート、n−ベヘニル(メタ)アクリレート等)、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート(イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等)が挙げられる。これらの中では、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−ドデシルメタクリレートが好ましい。
モノマー(A22)としては、活性水素(水酸基、カルボキシ基、アミノ基等)および硬化性基を有するモノマーが挙げられる。具体的には、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等)等が挙げられる。
モノマー(A23)としては、モノマー(A22)のうち、水酸基またはカルボキシ基を有するものが挙げられる。
モノマー(A22)、モノマー(A23)としては、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレートが好ましく、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートが特に好ましい。
モノマー(A23)としては、モノマー(A22)のうち、水酸基またはカルボキシ基を有するものが挙げられる。
モノマー(A22)、モノマー(A23)としては、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレートが好ましく、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートが特に好ましい。
硬化性モノマー(A2)は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
硬化性モノマー(A2)は、硬化性基を有し、かつ水酸基を有するモノマー(A23)を含むことが好ましい。モノマー(A23)を含むと、透明面材や表示パネル等と粘着層との良好な密着性が得られやすい。また、モノマー(A23)は、非硬化性ポリマー(C)の安定化に寄与する。
硬化性モノマー(A2)は、硬化性基を有し、かつ水酸基を有するモノマー(A23)を含むことが好ましい。モノマー(A23)を含むと、透明面材や表示パネル等と粘着層との良好な密着性が得られやすい。また、モノマー(A23)は、非硬化性ポリマー(C)の安定化に寄与する。
硬化性モノマー(A2)は、モノマー(A23)とともに、モノマー(A21)を含むことが好ましい。モノマー(A21)を含むと、相溶性が優れる。
「含有割合」
硬化性ポリマー(A1)の含有割合は、硬化性化合物(A)の全体(100質量%)のうち、1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましい。硬化性ポリマー(A1)の割合が1質量%以上であると、粘着層の耐熱性が良好である。硬化性ポリマー(A1)の割合が90質量%以下であると、光硬化性樹脂組成物の硬化性、粘着層の透明面材に対する密着性等が良好である。
硬化性ポリマー(A1)の含有割合は、硬化性化合物(A)の全体(100質量%)のうち、1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましい。硬化性ポリマー(A1)の割合が1質量%以上であると、粘着層の耐熱性が良好である。硬化性ポリマー(A1)の割合が90質量%以下であると、光硬化性樹脂組成物の硬化性、粘着層の透明面材に対する密着性等が良好である。
硬化性モノマー(A2)の含有割合は、硬化性化合物(A)の全体(100質量%)のうち、10〜99質量%が好ましく、20〜95質量%がより好ましい。硬化性モノマー(A2)の割合が10質量%以上であると、光硬化性樹脂組成物の硬化性、粘着層の透明面材に対する密着性等が良好である。硬化性モノマー(A2)の割合が99質量%以下であると、粘着層の耐熱性が良好である。
硬化性モノマー(A2)がモノマー(A23)を含む場合、モノマー(A23)の含有割合は、硬化性化合物(A)の全体(100質量%)のうち、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。モノマー(A23)の含有割合が10質量%以上であると、透明面材や表示パネル等と粘着層との密着性向上効果、光硬化性樹脂組成物の安定性向上効果等が充分に得られやすい。
硬化性化合物(A)中の硬化性ポリマー(A1)と硬化性モノマー(A2)との合計の含有割合は、硬化性化合物(A)の全体(100質量%)のうち、60質量%以上が好ましく、100質量%が特に好ましい。すなわち、硬化性化合物(A)は、硬化性ポリマー(A1)と硬化性モノマー(A2)とからなることが特に好ましい。
{光重合開始剤(B)}
光重合開始剤(B)としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインまたはベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられる。これらの中では、フォスフィンオキサイド系、チオキサントン系の光重合開始剤が好ましい。光重合反応後に着色を抑える面ではフォスフィンオキサイド系が特に好ましい。高強度の光照射による光重合反応を行う場合には、アセトフェノン系の光重合開始剤を用いると、硬化速度を高めることができるため、好ましい。
光重合開始剤(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
光重合開始剤(B)としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインまたはベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられる。これらの中では、フォスフィンオキサイド系、チオキサントン系の光重合開始剤が好ましい。光重合反応後に着色を抑える面ではフォスフィンオキサイド系が特に好ましい。高強度の光照射による光重合反応を行う場合には、アセトフェノン系の光重合開始剤を用いると、硬化速度を高めることができるため、好ましい。
光重合開始剤(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
光硬化性樹脂組成物における光重合開始剤(B)の含有割合は、硬化性化合物(A)の全体100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
{非硬化性ポリマー(C)}
非硬化性ポリマー(C)は、光硬化性樹脂組成物の硬化時に組成物中の硬化性化合物(A)と硬化反応しないポリマーである。非硬化性ポリマー(C)は、不揮発性希釈剤として機能する。
非硬化性ポリマー(C)は、光硬化性樹脂組成物の硬化時に組成物中の硬化性化合物(A)と硬化反応しないポリマーである。非硬化性ポリマー(C)は、不揮発性希釈剤として機能する。
非硬化性ポリマー(C)の数平均分子量(Mn)は、500〜20000が好ましく、1000〜18000がより好ましく、1000〜15000が特に好ましい。非硬化性ポリマー(C)の数平均分子量がこの範囲であると、硬化性化合物(A)との相溶性を高くできる。
非硬化性ポリマー(C)の数平均分子量は、硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量と同様にして測定される。
非硬化性ポリマー(C)の数平均分子量は、硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量と同様にして測定される。
非硬化性ポリマー(C)としては、水酸基を有するものが好ましい。
非硬化性ポリマー(C)の1分子当たりの水酸基数は、0.8個〜6個が好ましく、0.8個〜3.0個がより好ましい。
非硬化性ポリマー(C)の1分子当たりの水酸基数は、0.8個〜6個が好ましく、0.8個〜3.0個がより好ましい。
水酸基を含有する非硬化性ポリマー(C)の例としては、高分子量のポリオールなどが挙げられる。水酸基を有する非硬化性ポリマー(C)は、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、またはポリカーボネートポリオールが好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、たとえば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、分枝構造を有するポリオキシプロピレングリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族ジオールの残基とグルタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸の残基とを有する脂肪族系ポリエステルジオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、たとえば、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール残基を有する脂肪族ポリカーボネートジオール、脂肪族環状カーボネートの開環重合体などの脂肪族ポリカーボネートジオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、たとえば、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール残基を有する脂肪族ポリカーボネートジオール、脂肪族環状カーボネートの開環重合体などの脂肪族ポリカーボネートジオールが挙げられる。
非硬化性ポリマー(C)としては、粘着層の弾性率がより低くなりやすい点で、ポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、ポリオキシプロピレンポリオールが特に好ましい。ポリオキシプロピレンポリオールのオキシプロピレン基の一部がオキシエチレン基で置換されてもよい。
硬化性ポリマー(A1)が、ポリオキシアルキレンポリオールおよびポリイソシアネートを原料に用いて合成されたウレタン(メタ)アクリレートであり、非硬化性ポリマー(C)がポリオキシアルキレンポリオールであることが、相溶性の点で好ましい。
非硬化性ポリマー(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
硬化性ポリマー(A1)が、ポリオキシアルキレンポリオールおよびポリイソシアネートを原料に用いて合成されたウレタン(メタ)アクリレートであり、非硬化性ポリマー(C)がポリオキシアルキレンポリオールであることが、相溶性の点で好ましい。
非硬化性ポリマー(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
光硬化性樹脂組成物中の非硬化性ポリマー(C)は、減圧または常圧雰囲気下で両面粘着シート付き透明面材と表示パネル等とを貼合した後、大気圧雰囲気下において、表示パネルと両面粘着シートとの界面に生じた気泡が消失するのに必要な時間の短縮に寄与する。光硬化性樹脂組成物中の非硬化性ポリマー(C)の含有割合が少なすぎると、所定の効果が得られず、多すぎると、粘着層の硬化が不充分となるおそれがある。粘着層の硬化が不十分であると、硬化後の粘着層から、該粘着層に貼着したセパレータ(第一セパレータ30、第二セパレータ31)を剥離することが困難となる場合がある。
したがって、光硬化性樹脂組成物における非硬化性ポリマー(C)の含有割合は、光硬化性樹脂組成物の全体(100質量%)のうち、10〜90質量%であることが好ましく、該範囲内で、上記の不都合が生じないように、他の成分とのバランスも考慮して設定されることが好ましい。
したがって、光硬化性樹脂組成物における非硬化性ポリマー(C)の含有割合は、光硬化性樹脂組成物の全体(100質量%)のうち、10〜90質量%であることが好ましく、該範囲内で、上記の不都合が生じないように、他の成分とのバランスも考慮して設定されることが好ましい。
{連鎖移動剤(D)}
連鎖移動剤(D)は、ラジカル重合によって成長するポリマーからラジカルを受け取り、ポリマーの伸長を抑制する。そのため、連鎖移動剤(D)の含有割合を調節することによって、硬化物の分子量、粘着層の貯蔵弾性率G’、密着力等を調節することができる。
連鎖移動剤(D)としては、たとえば、チオール基を有する化合物(n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等が挙げられる。
連鎖移動剤(D)は、ラジカル重合によって成長するポリマーからラジカルを受け取り、ポリマーの伸長を抑制する。そのため、連鎖移動剤(D)の含有割合を調節することによって、硬化物の分子量、粘着層の貯蔵弾性率G’、密着力等を調節することができる。
連鎖移動剤(D)としては、たとえば、チオール基を有する化合物(n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等が挙げられる。
光硬化性樹脂組成物が連鎖移動剤(D)を含む場合、その配合割合は、硬化性化合物(A)の全体(100質量%)に対し、0.1質量%以上が好ましい。連鎖移動剤(D)を0.1質量%以上含むと、粘着層の貯蔵弾性率G’が低くなり、表示装置との貼合後に貼合時の空隙が消失しやすい。
また、連鎖移動剤(D)の含有割合は、光硬化性樹脂組成物の全体(100質量%)に対し、1.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。連鎖移動剤(D)の含有割合が1.5質量%以下であれば、硬化物の分子量が小さくなりすぎず、高温保管時に粘着層の形状が変化しにくい等、耐久性が優れる。
また、連鎖移動剤(D)の含有割合は、光硬化性樹脂組成物の全体(100質量%)に対し、1.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。連鎖移動剤(D)の含有割合が1.5質量%以下であれば、硬化物の分子量が小さくなりすぎず、高温保管時に粘着層の形状が変化しにくい等、耐久性が優れる。
{他の添加剤}
必要に応じて含んでもよい他の添加剤としては、たとえば、重合禁止剤、光硬化促進剤、光安定剤(紫外線吸収剤、ラジカル捕獲剤等)、酸化防止剤、難燃化剤、接着性向上剤(シランカップリング剤、タッキファイヤ等)、顔料、染料等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記のうち、重合禁止剤、光安定剤、熱安定剤等を含むことが好ましい。特に、重合開始剤より少ない量の重合禁止剤を含むことにより、光硬化性樹脂組成物の安定性を改善でき、硬化後の分子量も調整できる。また、光安定剤や熱安定剤を含むことにより、光硬化性樹脂組成物やその硬化物である粘着層の安定性を高めることができる。
必要に応じて含んでもよい他の添加剤としては、たとえば、重合禁止剤、光硬化促進剤、光安定剤(紫外線吸収剤、ラジカル捕獲剤等)、酸化防止剤、難燃化剤、接着性向上剤(シランカップリング剤、タッキファイヤ等)、顔料、染料等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記のうち、重合禁止剤、光安定剤、熱安定剤等を含むことが好ましい。特に、重合開始剤より少ない量の重合禁止剤を含むことにより、光硬化性樹脂組成物の安定性を改善でき、硬化後の分子量も調整できる。また、光安定剤や熱安定剤を含むことにより、光硬化性樹脂組成物やその硬化物である粘着層の安定性を高めることができる。
重合禁止剤としては、たとえば、ハイドロキノン系(2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等)、カテコール系(p−t−ブチルカテコール等)、アンスラキノン系、フェノチアジン系、ヒドロキシトルエン系等が挙げられる。
光安定剤としては、たとえば、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシフェニトリアジン系、サリチレート系等)、ラジカル捕獲剤(ヒンダードアミン系)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、たとえば、リン系、イオウ系の化合物が挙げられる。
光安定剤としては、たとえば、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシフェニトリアジン系、サリチレート系等)、ラジカル捕獲剤(ヒンダードアミン系)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、たとえば、リン系、イオウ系の化合物が挙げられる。
他の添加剤の合計量は、硬化性化合物(A)の全体100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
本発明において用いられる光硬化性樹脂組成物としては、硬化性基を有し、数平均分子量が1000〜100000である硬化性ポリマー(A1)と、硬化性基を有し、分子量が125〜600である硬化性モノマー(A2)と、光重合開始剤(B)と、非硬化性ポリマー(C)とを含むものが好ましい。
該光硬化性樹脂組成物は、連鎖移動剤(D)をさらに含むことが好ましい。
該光硬化性樹脂組成物は、連鎖移動剤(D)をさらに含むことが好ましい。
該光硬化性樹脂組成物においては、透明面材(ガラス基板等)への密着安定性を向上できる点で、硬化性ポリマー(A1)、硬化性モノマー(A2)および非硬化性ポリマー(C)のうちの少なくとも一部が、水酸基およびカルボキシ基のいずれか一方または両方を有することが好ましい。
硬化性モノマー(A2)として、水酸基およびカルボキシ基のいずれか一方または両方を有するもの(たとえばモノマー(A23))を含む場合、硬化性モノマー(A2)として、水酸基およびカルボキシ基を有しないもの(たとえばモノマー(A21))をさらに含んでもよい。硬化性ポリマー(A1)、非硬化性ポリマー(C)においても同様である。
硬化性モノマー(A2)として、水酸基およびカルボキシ基のいずれか一方または両方を有するもの(たとえばモノマー(A23))を含む場合、硬化性モノマー(A2)として、水酸基およびカルボキシ基を有しないもの(たとえばモノマー(A21))をさらに含んでもよい。硬化性ポリマー(A1)、非硬化性ポリマー(C)においても同様である。
[セパレータ]
本発明の両面粘着シートの製造方法で用いられるセパレータ(セパレータ30,31,32,33等)は、一次硬化層および粘着層と強固に密着しないフィルムが好ましい。
セパレータとしては、たとえば、以下の(1)または(2)が好ましい。
(1)フィルム基材の少なくとも片面(第一粘着層21と接する面)に離型剤が塗布されたフィルム。
(2)密着性の比較的低い樹脂のフィルム。
本発明の両面粘着シートの製造方法で用いられるセパレータ(セパレータ30,31,32,33等)は、一次硬化層および粘着層と強固に密着しないフィルムが好ましい。
セパレータとしては、たとえば、以下の(1)または(2)が好ましい。
(1)フィルム基材の少なくとも片面(第一粘着層21と接する面)に離型剤が塗布されたフィルム。
(2)密着性の比較的低い樹脂のフィルム。
前記(1)におけるフィルム基材としては、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が挙げられる。離型剤としては、たとえばシリコーン樹脂等が挙げられる。
前記(2)における密着性の比較的低い樹脂としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂等が挙げられる。
外部から気体(酸素ガス、窒素ガス、水蒸気等)がセパレータを透過して一次硬化層や粘着層に入ることを防止するために、セパレータ一部(フィルムの表面、多層構造のフィルムの層間等)にガスバリア層を設けてもよい。
セパレータと当接する各一次硬化層および各粘着層との密着力は、適宜設定することができる。
前記(2)における密着性の比較的低い樹脂としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂等が挙げられる。
外部から気体(酸素ガス、窒素ガス、水蒸気等)がセパレータを透過して一次硬化層や粘着層に入ることを防止するために、セパレータ一部(フィルムの表面、多層構造のフィルムの層間等)にガスバリア層を設けてもよい。
セパレータと当接する各一次硬化層および各粘着層との密着力は、適宜設定することができる。
前記(1)の場合、セパレータの厚さは0.025mm〜0.175mmが好ましく、0.038mm〜0.125mmがさらに好ましい。
前記(2)の場合、セパレータの厚さは、0.04mm〜0.2mmが好ましく、0.06mm〜0.1mmがさらに好ましい。
セパレータの厚さが前記下限値以上であると、セパレータを一次硬化層および粘着層から剥離する際に、一次硬化層および第一粘着層の変形を抑えることができる。一方、セパレータの厚さが前記上限値以下であると、剥離時にセパレータが撓みやすく、剥離を容易にできる。
前記(2)の場合、セパレータの厚さは、0.04mm〜0.2mmが好ましく、0.06mm〜0.1mmがさらに好ましい。
セパレータの厚さが前記下限値以上であると、セパレータを一次硬化層および粘着層から剥離する際に、一次硬化層および第一粘着層の変形を抑えることができる。一方、セパレータの厚さが前記上限値以下であると、剥離時にセパレータが撓みやすく、剥離を容易にできる。
<両面粘着シート付き透明面材>
本発明の両面粘着シート付きの透明面材は、透明面材の一主面上に上記の製造方法で得られた両面粘着フィルムを有する。
両面粘着フィルムは、同一の粘着層が積層した構成でもよく、異なる粘着層が積層した構成でもよい。また、粘着層の層数は2層以上あればよい。
本発明の両面粘着シート付きの透明面材は、透明面材の一主面上に上記の製造方法で得られた両面粘着フィルムを有する。
両面粘着フィルムは、同一の粘着層が積層した構成でもよく、異なる粘着層が積層した構成でもよい。また、粘着層の層数は2層以上あればよい。
透明面材の平面視形状および断面形状は、特に限定されない。例えば、平面視形状および断面形状、矩形や周辺の一部または全部が曲線を有する形状が挙げられる。
透明面材の材料は、透明面材を貼合する用途に応じて適宜使い分けられ、ガラス、または透明樹脂が挙げられる。
ガラスとしては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等が挙げられる。特に薄いガラス板を用いる場合には、化学強化を施したガラス板を用いることが好ましい。
透明樹脂としては、透明性の高い樹脂材料が好ましく、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
透明面材の材料は、透明面材を貼合する用途に応じて適宜使い分けられ、ガラス、または透明樹脂が挙げられる。
ガラスとしては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等が挙げられる。特に薄いガラス板を用いる場合には、化学強化を施したガラス板を用いることが好ましい。
透明樹脂としては、透明性の高い樹脂材料が好ましく、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
両面粘着シート付きの透明面材の一実施形態として、透明面材が表示パネルの保護板81であり、両面粘着シートが2層の粘着層からなる場合を、図6を用いて説明する。
図6に示す両面粘着シート付き透明面材80は、遮光部82を有する保護板81の一主面に両面粘着シート20を有する。
本実施形態においては、保護板81の断面形状は、矩形である。また、図示しないが、本実施形態における保護板81の平面視形状は矩形である。なお、保護板81を貼合する表示パネル、または表示パネルが設けられた表示装置等の形状に応じて断面形状および平面視形状は適宜設定される。
図6に示す両面粘着シート付き透明面材80は、遮光部82を有する保護板81の一主面に両面粘着シート20を有する。
本実施形態においては、保護板81の断面形状は、矩形である。また、図示しないが、本実施形態における保護板81の平面視形状は矩形である。なお、保護板81を貼合する表示パネル、または表示パネルが設けられた表示装置等の形状に応じて断面形状および平面視形状は適宜設定される。
保護板81の材料としては、表示パネルからの射出光や反射光に対して透明性が高い点、耐光性、低複屈折性、高い平面精度、耐表面傷付性、高い機械的強度を有する点から、ガラスが好ましい。
保護板81の両面粘着シート20との貼合する面(上面)81aには表面処理が施されていることが好ましい。これにより、保護板81と両面粘着シート20との界面接着力を向上できる。表面処理の方法としては、保護板81の表面をシランカップリング剤で処理する方法、フレームバーナーによる酸化炎によって酸化ケイ素の薄膜を形成する方法等が挙げられる。
保護板81の両面粘着シートと貼合しない面(下面)81bには、反射防止層が設けられていてもよい。これにより、保護板81をとおして表示画像を見る場合に、表示画像のコントラストを高めることができる。
反射防止層は、保護板の下面81bに無機薄膜を直接形成する方法、反射防止層を設けた透明樹脂フィルムを保護板の下面81bに貼合する方法によって設けることができる。
反射防止層は、保護板の下面81bに無機薄膜を直接形成する方法、反射防止層を設けた透明樹脂フィルムを保護板の下面81bに貼合する方法によって設けることができる。
保護板81は、一部または全体を着色する、保護板の下面81bの一部または全体を磨りガラス状にして光を散乱させる、保護板の下面81bの一部または全体に微細な凹凸等を形成して透過光を屈折または反射させる等の加工が施されていてもよい。また、これらと同様の機能を持たせるために、着色フィルム、光散乱フィルム、光屈折フィルム、光反射フィルム等が、保護板の下面81bの一部または全体に貼着されてもよい。
保護板81の厚さは、機械的強度、透明性の点から、ガラス板の場合は通常0.2mm〜25mmである。屋内で使用するテレビ受像機、PC用ディスプレイ等の用途では、表示装置の軽量化の点から、0.3mm〜6mmが好ましく、屋外に設置する公衆表示用途では、0.4mm〜20mmが好ましい。化学強化ガラスを用いる場合は、ガラスの厚さは、強度の点で、0.2mm〜1.5mm程度が好ましい。透明樹脂板の場合は、1mm〜10mmが好ましい。
本実施形態における遮光部82は、枠状に形成された、加飾印刷部である。遮光部82を設けることで、表示パネルの画像表示領域以外が下面81b側から視認できないようにできる。
遮光部82は、保護板の上面81aまたは保護板の下面81bに設けることができる。本実施形態で示すとおり、遮光部82と画像表示領域との視差を低減する点で、遮光部82を保護板の上面81aに形成することが好ましい。
遮光部82を設ける方法は、保護板81に黒色顔料を含むセラミック印刷やスクリーン印刷法が挙げられる。
遮光部82は、保護板の上面81aまたは保護板の下面81bに設けることができる。本実施形態で示すとおり、遮光部82と画像表示領域との視差を低減する点で、遮光部82を保護板の上面81aに形成することが好ましい。
遮光部82を設ける方法は、保護板81に黒色顔料を含むセラミック印刷やスクリーン印刷法が挙げられる。
<両面粘着シート付き透明面材の製造方法>
次に、本発明の両面粘着シート付き透明面材の製造方法を説明する。
次に、本発明の両面粘着シート付き透明面材の製造方法を説明する。
本発明の両面粘着シート付き透明面材の製造方法の第1の態様は、前述の本発明の両面粘着シートの製造方法により両面粘着シートを製造する工程と、透明面材の少なくとも一方の主面上に前記両面粘着シートを貼合する工程と、を有する。
第1の態様においては、たとえば、前述のセパレータ付き両面粘着シート10を製造し、セパレータ付き両面粘着シート10から第一セパレータ30を剥離して両面粘着シート20を露出させ、保護板81の一方の主面(以下、「上面」ともいう。)81aに貼合することにより、両面粘着シート付き透明面材80を製造する。
セパレータ付き両面粘着シート10の製造は、両面粘着シートの製造方法の実施形態と同様にして実施できる。
両面粘着シート付き透明面材80の第二セパレータ31は必要に応じて剥離できる。
セパレータ付き両面粘着シート10の製造は、両面粘着シートの製造方法の実施形態と同様にして実施できる。
両面粘着シート付き透明面材80の第二セパレータ31は必要に応じて剥離できる。
本発明の両面粘着シート付き透明面材の製造方法の第2の態様は、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程と、透明面材の少なくとも一方の主面上に、前記一次硬化層を2層以上積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層として、2層以上の粘着層を有する両面粘着シートを形成する工程と、を有する。
第2の態様の実施形態として、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程と、前記一次硬化層を2以上積層する工程と、透明面材の少なくとも一方の主面上に一次硬化層の積層物を積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層として、2層以上の粘着層を有する両面粘着シートを形成する工程と、を有する製造方法が挙げられる。
すなわち、第2の態様の実施形態においては、複数の一次硬化層を準備し、これらをあらかじめ積層し、次いで透明面材に貼合し、その後、二次露光を行う。
すなわち、第2の態様の実施形態においては、複数の一次硬化層を準備し、これらをあらかじめ積層し、次いで透明面材に貼合し、その後、二次露光を行う。
この実施形態の製造方法により、たとえば前述の両面粘着シート付き透明面材80を製造する場合、まず、上記した両面粘着シートの製造方法と同様の方法で、一次硬化層21c、22cを有する積層体13を製造する。そして、この積層体13を、二次露光を行わずに個片に切断する。
次いで、個片化した積層体13を保護板81の上面81aに貼合する。これにより、保護板81と第二セパレータ31との間に複数の一次硬化層21c、22cが挟持された積層体が得られる。
得られた積層体に対し二次露光を行うことで、両面粘着シート付き透明面材80が得られる。二次露光は、積層体13に対する二次露光と同様にして行うことができる。
両面粘着シート付き透明面材80の第二セパレータ31は必要に応じて剥離できる。
次いで、個片化した積層体13を保護板81の上面81aに貼合する。これにより、保護板81と第二セパレータ31との間に複数の一次硬化層21c、22cが挟持された積層体が得られる。
得られた積層体に対し二次露光を行うことで、両面粘着シート付き透明面材80が得られる。二次露光は、積層体13に対する二次露光と同様にして行うことができる。
両面粘着シート付き透明面材80の第二セパレータ31は必要に応じて剥離できる。
第2の態様の他の実施形態として、透明面材上に複数の一次硬化層を順次積層し、その後、二次露光を行う工程を有する製造方法が挙げられる。
この実施形態の製造方法により、たとえば前述の両面粘着シート付き透明面材80を製造する場合、まず、両面粘着シートの製造方法と同様の方法で、一次硬化層21c,22cを製造する。そして、これらの一次硬化層21c,22cをそれぞれ切断し、個片化する。個片化は、前記積層体13の個片化と同様にして実施できる。
次いで、個片化した一次硬化層21cを保護板81の上面81aに貼合し、一次硬化層21cの非貼合面に一次硬化層22cを貼合する。このとき、一次硬化層22cの非貼合面には第二セパレータ31が貼り合わされている。従って、保護板81と第二セパレータ31との間に複数の一次硬化層21c、22cが挟持された積層体が得られる。
得られた積層体に対し二次露光を行うことで、両面粘着シート付き透明面材80が得られる。二次露光は、積層体13に対する二次露光と同様にして行うことができる。
両面粘着シート付き透明面材80の第二セパレータ31は必要に応じて剥離できる。
この実施形態の製造方法により、たとえば前述の両面粘着シート付き透明面材80を製造する場合、まず、両面粘着シートの製造方法と同様の方法で、一次硬化層21c,22cを製造する。そして、これらの一次硬化層21c,22cをそれぞれ切断し、個片化する。個片化は、前記積層体13の個片化と同様にして実施できる。
次いで、個片化した一次硬化層21cを保護板81の上面81aに貼合し、一次硬化層21cの非貼合面に一次硬化層22cを貼合する。このとき、一次硬化層22cの非貼合面には第二セパレータ31が貼り合わされている。従って、保護板81と第二セパレータ31との間に複数の一次硬化層21c、22cが挟持された積層体が得られる。
得られた積層体に対し二次露光を行うことで、両面粘着シート付き透明面材80が得られる。二次露光は、積層体13に対する二次露光と同様にして行うことができる。
両面粘着シート付き透明面材80の第二セパレータ31は必要に応じて剥離できる。
<表示装置>
本発明の表示装置は、透明面材と表示パネルとが、前述の本発明の製造方法で得られた両面粘着シートを介して貼合されていることを特徴とする。
以下、図7に示す表示装置1000を例に挙げて、本発明の表示装置の一実施形態を説明する。
本発明の表示装置は、透明面材と表示パネルとが、前述の本発明の製造方法で得られた両面粘着シートを介して貼合されていることを特徴とする。
以下、図7に示す表示装置1000を例に挙げて、本発明の表示装置の一実施形態を説明する。
図7は、表示装置1000の断面図である。
表示装置1000は、両面粘着シート付き透明面材80と、表示パネル90と、表示パネル90に接続されたフレキシブルプリント配線板99とを備える。
両面粘着シート付き透明面材80は、両面粘着シート20における第二粘着層22が表示パネル90に接するように、表示パネル90に貼合されている。
表示パネル90は、カラーフィルタを設けた透明基板92と、TFT(薄膜トランジスタ)を設けた透明基板94とを、液晶層96を介して貼合し、これを一対の偏光板98で挟んだ構成の液晶パネルである。
フレキシブルプリント配線板99は、表示パネル90を動作させる駆動ICを搭載したものである。
表示装置1000は、両面粘着シート付き透明面材80と、表示パネル90と、表示パネル90に接続されたフレキシブルプリント配線板99とを備える。
両面粘着シート付き透明面材80は、両面粘着シート20における第二粘着層22が表示パネル90に接するように、表示パネル90に貼合されている。
表示パネル90は、カラーフィルタを設けた透明基板92と、TFT(薄膜トランジスタ)を設けた透明基板94とを、液晶層96を介して貼合し、これを一対の偏光板98で挟んだ構成の液晶パネルである。
フレキシブルプリント配線板99は、表示パネル90を動作させる駆動ICを搭載したものである。
表示装置1000の製造方法は限定されないが、一例としては以下が挙げられる。まず、上記したいずれかの方法で両面粘着シート付き透明面材80を製造する。次いで、両面粘着シート付き透明面材80から第二セパレータ31を剥離して両面粘着シート20を露出させ、表示パネル90を貼合する。これにより、表示装置1000が得られる。
以上、本発明の表示装置の製造方法について、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
たとえば、本発明の表示装置の製造方法により製造される表示装置は表示装置1000に限定されない。
たとえば、本発明の表示装置の製造方法により製造される表示装置は表示装置1000に限定されない。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
〔製造例1:硬化性ポリマーの製造〕
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(数平均分子量:4000)と、イソホロンジイソシアネートとを、ポリプロピレングリコール:イソホロンジイソシアネート=5:6のモル比で混合し、錫化合物の触媒存在下で、70℃で反応させてプレポリマーを得た。
得られたプレポリマーと、2−ヒドロキシエチルアクリレートとを、プレポリマー:2−ヒドロキシエチルアクリレート=ほぼ1:2のモル比で加えて70℃で反応させることによって、ウレタンアクリレートポリマー(以下、UA−1と記す。)を得た。
UA−1の1分子あたりの硬化性基数は2であり、数平均分子量は約24000であり、25℃における粘度は約830Pa・sであった。
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(数平均分子量:4000)と、イソホロンジイソシアネートとを、ポリプロピレングリコール:イソホロンジイソシアネート=5:6のモル比で混合し、錫化合物の触媒存在下で、70℃で反応させてプレポリマーを得た。
得られたプレポリマーと、2−ヒドロキシエチルアクリレートとを、プレポリマー:2−ヒドロキシエチルアクリレート=ほぼ1:2のモル比で加えて70℃で反応させることによって、ウレタンアクリレートポリマー(以下、UA−1と記す。)を得た。
UA−1の1分子あたりの硬化性基数は2であり、数平均分子量は約24000であり、25℃における粘度は約830Pa・sであった。
〔製造例2:光硬化性樹脂組成物D1の製造〕
UA−1の50質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業製、4HBA)の20質量部、n−ドデシルアクリレート(共栄社化学製、ライトアクリレートL−A LA)の30質量部を均一に混合し、該混合物の100質量部に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、BASF社製、IRGACURE(登録商標)819)の0.5質量部、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製、DTBHQ)の0.08質量部、n−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤、花王社製、チオカルコール(登録商標)20)の0.5質量部、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5-ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化防止剤、BASF社製、IRGANOX(登録商標)1010)の0.5質量部、およびベンゼンプロパン酸,3−(2H−べンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ− C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル(紫外線吸収剤、BASF社製、Tinuvin(登録商標)384−2)の0.3質量部を均一に溶解させて、組成物PD1を得た。
UA−1の50質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業製、4HBA)の20質量部、n−ドデシルアクリレート(共栄社化学製、ライトアクリレートL−A LA)の30質量部を均一に混合し、該混合物の100質量部に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、BASF社製、IRGACURE(登録商標)819)の0.5質量部、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製、DTBHQ)の0.08質量部、n−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤、花王社製、チオカルコール(登録商標)20)の0.5質量部、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5-ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化防止剤、BASF社製、IRGANOX(登録商標)1010)の0.5質量部、およびベンゼンプロパン酸,3−(2H−べンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ− C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル(紫外線吸収剤、BASF社製、Tinuvin(登録商標)384−2)の0.3質量部を均一に溶解させて、組成物PD1を得た。
次に、組成物PD1の60質量部と、非硬化性ポリマー(C−1)の20質量部と、非硬化性ポリマー(C−2)の20質量部とを均一に溶解させて光硬化性樹脂組成物D1を得た。
非硬化性ポリマー(C−1)としては、UA−1の合成時に用いたものと同一の、分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)を用いた。
非硬化性ポリマー(C−2)としては、分子末端をエチレンオキシドで変性した3官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:6200)を用いた。
光硬化性樹脂組成物D1の25℃における粘度は3204mPa・sであった。
非硬化性ポリマー(C−1)としては、UA−1の合成時に用いたものと同一の、分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)を用いた。
非硬化性ポリマー(C−2)としては、分子末端をエチレンオキシドで変性した3官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:6200)を用いた。
光硬化性樹脂組成物D1の25℃における粘度は3204mPa・sであった。
〔製造例3:光硬化性樹脂組成物D2の製造〕
UA−1の50質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業製、4HBA)の10質量部、n−ドデシルアクリレート(共栄社化学製、ライトアクリレートL−A LA)の40質量部を均一に混合し、該混合物の100質量部に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、BASF社製、IRGACURE 819)の0.5質量部、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製、DTBHQ)の0.08質量部、n−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤、花王社製、チオカルコール20)の0.2質量部、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5-ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](熱安定剤、BASF社製、IRGANOX1010)の0.5質量部、およびベンゼンプロパン酸,3−(2H−べンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−, C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル(紫外線吸収剤、BASF社製、Tinuvin384−2)の0.3質量部を均一に溶解させて、組成物PD2を得た。
UA−1の50質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業製、4HBA)の10質量部、n−ドデシルアクリレート(共栄社化学製、ライトアクリレートL−A LA)の40質量部を均一に混合し、該混合物の100質量部に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、BASF社製、IRGACURE 819)の0.5質量部、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製、DTBHQ)の0.08質量部、n−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤、花王社製、チオカルコール20)の0.2質量部、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5-ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](熱安定剤、BASF社製、IRGANOX1010)の0.5質量部、およびベンゼンプロパン酸,3−(2H−べンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−, C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル(紫外線吸収剤、BASF社製、Tinuvin384−2)の0.3質量部を均一に溶解させて、組成物PD2を得た。
次に、組成物PD2の60質量部と、非硬化性ポリマー(C−1)の20質量部と、非硬化性ポリマー(C−2)の20質量部とを均一に溶解させて光硬化性樹脂組成物D2を得た。
非硬化性ポリマー(C−1)、非硬化性ポリマー(C−2)はそれぞれ、製造例2で用いたものと同じである。
光硬化性樹脂組成物D2の25℃における粘度は3070mPa・sであった。
非硬化性ポリマー(C−1)、非硬化性ポリマー(C−2)はそれぞれ、製造例2で用いたものと同じである。
光硬化性樹脂組成物D2の25℃における粘度は3070mPa・sであった。
〔サンプル作製法〕
後述の各例で用いたサンプル(D1フィルム、D2フィルム)の作製法は以下の通りである。
長さ150mm、幅150mm、厚さ125μmのセパレータ(離型剤が塗布されたPETフィルム)上に、中心部をくりぬいた厚さ0.5mmのシリコーンシートを載せ、光硬化性樹脂組成物D1をバーコートにて塗布した。この上に長さ150mm、幅150mm、 厚さ75μmのセパレータ(離型剤が塗布されたPETフィルム)をのせ、水銀ランプにて一次露光を行い、光硬化性樹脂組成物D1を一次硬化させた。一次硬化後のフィルムを長さ100mm、幅100mmのサイズにくり抜き、D1フィルムとした。露光強度は150mWとし、露光時間を調整することで積算光量を振った。
光硬化性樹脂組成物D1の代わりに光硬化性樹脂組成物D2を用いた以外は上記と同様にしてD2フィルムを得た。
後述の各例で用いたサンプル(D1フィルム、D2フィルム)の作製法は以下の通りである。
長さ150mm、幅150mm、厚さ125μmのセパレータ(離型剤が塗布されたPETフィルム)上に、中心部をくりぬいた厚さ0.5mmのシリコーンシートを載せ、光硬化性樹脂組成物D1をバーコートにて塗布した。この上に長さ150mm、幅150mm、 厚さ75μmのセパレータ(離型剤が塗布されたPETフィルム)をのせ、水銀ランプにて一次露光を行い、光硬化性樹脂組成物D1を一次硬化させた。一次硬化後のフィルムを長さ100mm、幅100mmのサイズにくり抜き、D1フィルムとした。露光強度は150mWとし、露光時間を調整することで積算光量を振った。
光硬化性樹脂組成物D1の代わりに光硬化性樹脂組成物D2を用いた以外は上記と同様にしてD2フィルムを得た。
〔評価方法〕
後述の各例で用いた評価方法は以下の通りである。
後述の各例で用いた評価方法は以下の通りである。
(硬化率)
光硬化性樹脂組成物の塗布により形成された層(未硬化層)、該未硬化層に一次露光を施した後の層(一次硬化層)、該一次硬化層に二次露光を施した後の層(粘着層)それぞれについて、反射型赤外分光器を用い、硬化前後で不変の炭化水素由来の2880〜2950cm−1に現れるピークで規格化した。その後、800〜825cm−1に現れるビニル基由来のピークを用いそのピーク値を測定した。
「未硬化層について測定されたピーク値の強度」に対する「一次硬化層について測定されたピーク値の強度」の割合(%)を求め、その値を一次露光後の2重結合残留率とした。100%から一次露光後の2重結合残留率を減じた値を硬化率(%)とした。
「未硬化層について測定されたピーク値の強度」に対する「粘着層について測定されたピーク値の強度」の割合(%)を求め、その値を二次露光後の2重結合残留率とした。100%から二次露光後の2重結合残留率を減じた値を硬化率(%)とした。
約800〜825cm−1のピークは他のピークと重なることがあるが、その場合はバックグラウンドとして他のピークを減じた後の値を採用した。
光硬化性樹脂組成物の塗布により形成された層(未硬化層)、該未硬化層に一次露光を施した後の層(一次硬化層)、該一次硬化層に二次露光を施した後の層(粘着層)それぞれについて、反射型赤外分光器を用い、硬化前後で不変の炭化水素由来の2880〜2950cm−1に現れるピークで規格化した。その後、800〜825cm−1に現れるビニル基由来のピークを用いそのピーク値を測定した。
「未硬化層について測定されたピーク値の強度」に対する「一次硬化層について測定されたピーク値の強度」の割合(%)を求め、その値を一次露光後の2重結合残留率とした。100%から一次露光後の2重結合残留率を減じた値を硬化率(%)とした。
「未硬化層について測定されたピーク値の強度」に対する「粘着層について測定されたピーク値の強度」の割合(%)を求め、その値を二次露光後の2重結合残留率とした。100%から二次露光後の2重結合残留率を減じた値を硬化率(%)とした。
約800〜825cm−1のピークは他のピークと重なることがあるが、その場合はバックグラウンドとして他のピークを減じた後の値を採用した。
(セパレータの剥離性)
下記の層間密着力の評価において、最初に厚さ75μmのセパレーターを剥離する際、及びガラス板に貼合した後、厚さ125μmのセパレーターを剥離する際に、剥離部の粘着剤の変形が大きく平坦性が目視で損なわれたものを「不良」とした。変形が少なく平坦性が損なわれないものを「良好」とした。
下記の層間密着力の評価において、最初に厚さ75μmのセパレーターを剥離する際、及びガラス板に貼合した後、厚さ125μmのセパレーターを剥離する際に、剥離部の粘着剤の変形が大きく平坦性が目視で損なわれたものを「不良」とした。変形が少なく平坦性が損なわれないものを「良好」とした。
(層間密着力)
D1フィルムの厚さ75μmのセパレータを剥がした後、厚さ75μmのセパレータを剥がしたD2フィルムを貼り合わせた。D2フィルムの厚さ125μmのセパレータ越しに水銀ランプ(積算光量1080mJ/cm2)で二次露光を施して、セパレータ付き両面粘着シートを得た。
得られたセパレータ付き両面粘着シートから、試験片(25mm×100mm)を切りだし、D1フィルムの厚さ125μmのセパレータをはがし、長さ74mm、幅68mm、厚さ1.3mmのソーダライムガラス板に貼りつけ、D2フィルムの厚さ125μmのセパレータを、粘着剤つきPETフィルム(日東電工社製、ポリエステル粘着テープ(No.31B))に貼り替えた。これにより、ソーダライムガラス板/D1フィルム由来の粘着層/D2フィルム由来の粘着層/粘着剤つきPETフィルムの構成の積層体1を得た。
得られた積層体1について、D1フィルム由来の粘着層とD2フィルム由来の粘着層との間の層間密着力を、90°ピール試験(JIS Z0237の引き剥がし粘着力試験に準拠)によって室温で評価した。具体的には、D2フィルム由来の粘着層の端部を、粘着剤つきPETフィルムごとチャックでつかんで90°に折り返し、50mm/secの速度で引き剥がした時の粘着力(N/25mm)で評価した。
D1フィルムの厚さ75μmのセパレータを剥がした後、厚さ75μmのセパレータを剥がしたD2フィルムを貼り合わせた。D2フィルムの厚さ125μmのセパレータ越しに水銀ランプ(積算光量1080mJ/cm2)で二次露光を施して、セパレータ付き両面粘着シートを得た。
得られたセパレータ付き両面粘着シートから、試験片(25mm×100mm)を切りだし、D1フィルムの厚さ125μmのセパレータをはがし、長さ74mm、幅68mm、厚さ1.3mmのソーダライムガラス板に貼りつけ、D2フィルムの厚さ125μmのセパレータを、粘着剤つきPETフィルム(日東電工社製、ポリエステル粘着テープ(No.31B))に貼り替えた。これにより、ソーダライムガラス板/D1フィルム由来の粘着層/D2フィルム由来の粘着層/粘着剤つきPETフィルムの構成の積層体1を得た。
得られた積層体1について、D1フィルム由来の粘着層とD2フィルム由来の粘着層との間の層間密着力を、90°ピール試験(JIS Z0237の引き剥がし粘着力試験に準拠)によって室温で評価した。具体的には、D2フィルム由来の粘着層の端部を、粘着剤つきPETフィルムごとチャックでつかんで90°に折り返し、50mm/secの速度で引き剥がした時の粘着力(N/25mm)で評価した。
(真空下での層間発泡性)
D1フィルムの厚さ75μmのセパレータを剥がした後、厚さ75μmのセパレータを剥がしたD2フィルムを貼り合わせた。D2フィルムの厚さ125μmのセパレータ越しに水銀ランプ(積算光量1080mJ/cm2)で二次露光を施して、セパレータ付き両面粘着シートを得た。
得られたセパレータ付き両面粘着シートから、試験片(50mm×50mm)を切りだし、D1フィルムの厚さ125μmのセパレータをはがし、長さ74mm、幅68mm、厚さ1.3mmのソーダライムガラス板に貼りつけた。これを真空チャンバーに設置し10Paまで真空度を上げて1分間保持した。その後、目視にて層間における泡の有無を確認した。
D1フィルムの厚さ75μmのセパレータを剥がした後、厚さ75μmのセパレータを剥がしたD2フィルムを貼り合わせた。D2フィルムの厚さ125μmのセパレータ越しに水銀ランプ(積算光量1080mJ/cm2)で二次露光を施して、セパレータ付き両面粘着シートを得た。
得られたセパレータ付き両面粘着シートから、試験片(50mm×50mm)を切りだし、D1フィルムの厚さ125μmのセパレータをはがし、長さ74mm、幅68mm、厚さ1.3mmのソーダライムガラス板に貼りつけた。これを真空チャンバーに設置し10Paまで真空度を上げて1分間保持した。その後、目視にて層間における泡の有無を確認した。
(リワーク性)
D1フィルムの厚さ75μmのセパレータを剥がした後、厚さ75μmのセパレータを剥がしたD2フィルムを貼り合わせた。D2フィルムの厚さ125μmのセパレータ越しに水銀ランプ(積算光量1080mJ/cm2)で二次露光を施して、セパレータ付き両面粘着シートを得た。
得られたセパレータ付き両面粘着シートから、試験片(50mm×50mm)を切りだし、D1フィルムの厚さ125μmのセパレータをはがし、長さ74mm、幅68mm、厚さ1.3mmのソーダライムガラス板に貼りつけた。これにより、ソーダライムガラス板/D1フィルム由来の粘着層/D2フィルム由来の粘着層/厚さ125μmのセパレータの構成の積層体2を得た。
もう一枚のソーダライムガラス板に偏光板を張り付けて偏光板付きガラスとした。該偏光板付きガラスの偏光板側に、真空下で、厚さ125μmのセパレータを剥がした積層体2(以下、「D1/D2フィルム積層ガラス」という。)を貼り合わせ、貼合してから1晩放置した。その後、偏光板付きガラスを吸着台に固定し、D1/D2フィルム積層ガラスを反らせて剥離した。
この試験を、5枚の試験片について行い、1枚もガラス板が破損しなかった場合を良好。1枚以上ガラス板が破損した場合を不良とした。
D1フィルムの厚さ75μmのセパレータを剥がした後、厚さ75μmのセパレータを剥がしたD2フィルムを貼り合わせた。D2フィルムの厚さ125μmのセパレータ越しに水銀ランプ(積算光量1080mJ/cm2)で二次露光を施して、セパレータ付き両面粘着シートを得た。
得られたセパレータ付き両面粘着シートから、試験片(50mm×50mm)を切りだし、D1フィルムの厚さ125μmのセパレータをはがし、長さ74mm、幅68mm、厚さ1.3mmのソーダライムガラス板に貼りつけた。これにより、ソーダライムガラス板/D1フィルム由来の粘着層/D2フィルム由来の粘着層/厚さ125μmのセパレータの構成の積層体2を得た。
もう一枚のソーダライムガラス板に偏光板を張り付けて偏光板付きガラスとした。該偏光板付きガラスの偏光板側に、真空下で、厚さ125μmのセパレータを剥がした積層体2(以下、「D1/D2フィルム積層ガラス」という。)を貼り合わせ、貼合してから1晩放置した。その後、偏光板付きガラスを吸着台に固定し、D1/D2フィルム積層ガラスを反らせて剥離した。
この試験を、5枚の試験片について行い、1枚もガラス板が破損しなかった場合を良好。1枚以上ガラス板が破損した場合を不良とした。
<実施例1>
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量をともに1500mJ/cm2とした。各フィルムの一次硬化層の硬化率を表1に示す。
得られたD1フィルムおよびD2フィルムを用いて、層間密着力、真空下での層間発泡性、リワーク性、セパレータの剥離性の評価を行った。結果を表1に示す。また、層間密着力の評価において二次露光を行った後の、D1フィルム由来の粘着層、D2フィルム由来の粘着層それぞれの硬化率を表1に示す。
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量をともに1500mJ/cm2とした。各フィルムの一次硬化層の硬化率を表1に示す。
得られたD1フィルムおよびD2フィルムを用いて、層間密着力、真空下での層間発泡性、リワーク性、セパレータの剥離性の評価を行った。結果を表1に示す。また、層間密着力の評価において二次露光を行った後の、D1フィルム由来の粘着層、D2フィルム由来の粘着層それぞれの硬化率を表1に示す。
<実施例2>
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量をともに522J/cm2とした以外は実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量をともに522J/cm2とした以外は実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例3>
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量をともに375mJ/cm2とし、追加露光前後の転化率、層間密着力、真空下での層間発泡性、リワーク性を評価した。
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量をともに375mJ/cm2とし、追加露光前後の転化率、層間密着力、真空下での層間発泡性、リワーク性を評価した。
<実施例4>
D1フィルムを2枚作製し、重ねた以外は実施例1と同様の操作を行った。一次露光の積算光量はともに1500mJ/cm2とした。評価結果を表1に示す。
D1フィルムを2枚作製し、重ねた以外は実施例1と同様の操作を行った。一次露光の積算光量はともに1500mJ/cm2とした。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量をともに4500mJ/cm2とした以外は実施例1と同様の操作を行った。ただし、層間密着力および層間発泡性の結果が悪かったため、リワーク性の評価は行わなかった。評価結果を表1に示す。
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量をともに4500mJ/cm2とした以外は実施例1と同様の操作を行った。ただし、層間密着力および層間発泡性の結果が悪かったため、リワーク性の評価は行わなかった。評価結果を表1に示す。
<比較例2>
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量を1500mJ/cm2、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量を4500mJ/cm2とした以外は実施例1と同様の操作を行った。ただし、層間密着力および層間発泡性の結果が悪かったため、リワーク性の評価は行わなかった。評価結果を表1に示す。
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量を1500mJ/cm2、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量を4500mJ/cm2とした以外は実施例1と同様の操作を行った。ただし、層間密着力および層間発泡性の結果が悪かったため、リワーク性の評価は行わなかった。評価結果を表1に示す。
<比較例3>
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量をともに250mJ/cm2とした以外は実施例1と同様の操作を行った。ただし、セパレータ剥離性が不可であったため、以降の評価は行わなかった。評価結果を表1に示す。
D1フィルム作製時の一次露光の積算光量、D2フィルム作製時の一次露光の積算光量をともに250mJ/cm2とした以外は実施例1と同様の操作を行った。ただし、セパレータ剥離性が不可であったため、以降の評価は行わなかった。評価結果を表1に示す。
上記結果に示すとおり、実施例1〜4においては、層間密着力が3N/25mm以上または剥離が生じず、また、真空下で層間に発泡が見られず、両面粘着シートの層間密着性が優れていた。偏光板付きガラスへ積層する粘着層組成をD2とした実施例1〜3では、実施例4に比べて、リワーク性にも優れていた。
一方、D2の一次露光後の硬化率が95%超の比較例1は、両面粘着シートの層間密着性が低かった。
D2の一次露光後の硬化率が95%超の比較例2は、両面粘着シートの層間密着性が低かった。
D1、D2それぞれの一次露光後の硬化率が50%未満の比較例3は、セパレータが良好に剥離できなかった。
D2の一次露光後の硬化率が95%超の比較例2は、両面粘着シートの層間密着性が低かった。
D1、D2それぞれの一次露光後の硬化率が50%未満の比較例3は、セパレータが良好に剥離できなかった。
10,110 セパレータ付き両面粘着シート
11,12 1対のセパレータに一次硬化層が狭持された積層体
20,120 両面粘着シート
21,121 第一粘着層
22,122 第二粘着層
23 第一硬化性樹脂組成物(光硬化性樹脂組成物)
24 第二硬化性樹脂組成物(光硬化性樹脂組成物)
30 第一セパレータ
31 第二セパレータ
32 第三セパレータ
33 第四セパレータ
40 一次露光部
46 切断部
70 二次露光部
80 両面粘着シート付き透明面材
81 保護板(透明面材)
90 表示パネル
100 第一製造装置
123 第三粘着層
200 第二製造装置
1000 表示装置
11,12 1対のセパレータに一次硬化層が狭持された積層体
20,120 両面粘着シート
21,121 第一粘着層
22,122 第二粘着層
23 第一硬化性樹脂組成物(光硬化性樹脂組成物)
24 第二硬化性樹脂組成物(光硬化性樹脂組成物)
30 第一セパレータ
31 第二セパレータ
32 第三セパレータ
33 第四セパレータ
40 一次露光部
46 切断部
70 二次露光部
80 両面粘着シート付き透明面材
81 保護板(透明面材)
90 表示パネル
100 第一製造装置
123 第三粘着層
200 第二製造装置
1000 表示装置
Claims (14)
- 2層以上の粘着層を有する両面粘着シートの製造方法であって、
無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程と、
前記一次硬化層を2層以上積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層とする工程と、
を有することを特徴とする両面粘着シートの製造方法。 - 前記二次露光が、前記粘着層の硬化率と前記一次硬化層の硬化率との差が2%以上、かつ、前記粘着層の硬化率が90%以上となる条件で行われる請求項1記載の両面粘着シートの製造方法。
- 前記光硬化性樹脂組成物の25℃における粘度が10〜100000mPa・sである請求項1または2に記載の両面粘着シートの製造方法。
- 前記2層以上の粘着層の25℃、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’が各々10〜20000Paで、損失正接tanδが各々0.01〜10である請求項1〜3のいずれか一項に記載の両面粘着シートの製造方法。
- 前記光硬化性樹脂組成物が、硬化性基を有し、数平均分子量が1000〜100000である硬化性ポリマー(A1)と、硬化性基を有し、分子量が100〜600である硬化性モノマー(A2)と、光重合開始剤(B)と、非硬化性ポリマー(C)とを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の両面粘着シートの製造方法。
- 前記光硬化性樹脂組成物が、連鎖移動剤(D)をさらに含む請求項5に記載の両面粘着シートの製造方法。
- 前記硬化性ポリマー(A1)、前記硬化性モノマー(A2)および前記非硬化性ポリマー(C)のうちの少なくとも一部が、水酸基およびカルボキシ基のいずれか一方または両方を有する請求項5または6に記載の両面粘着シートの製造方法。
- 2層以上の一次硬化層が積層されて形成される積層体において、一方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物と、他方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物とが異なる請求項1〜7のいずれか一項に記載の両面粘着シートの製造方法。
- 2層以上の一次硬化層が積層されて形成される積層体において、一方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物中の前記非硬化性ポリマー(C)の含有割合と、他方の最表層に配置される一次硬化層を形成する光硬化性樹脂組成物中の前記非硬化性ポリマー(C)の含有割合とが異なる請求項5〜7のいずれか一項に記載の両面粘着シートの製造方法。
- 透明面材の少なくとも一方の主面上に、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法で得られた両面粘着シートを有する両面粘着シート付き透明面材。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の両面粘着シートの製造方法により両面粘着シートを製造する工程と、
透明面材の少なくとも一方の主面上に前記両面粘着シートを貼合する工程と、
を有する両面粘着シート付き透明面材の製造方法。 - 無溶剤型の光硬化性樹脂組成物に一次露光して硬化率が50%以上95%以下の一次硬化層を得る工程と、
透明面材の少なくとも一方の主面上に、前記一次硬化層を2層以上積層し、積層後に二次露光して各一次硬化層を粘着層として、2層以上の粘着層を有する両面粘着シートを形成する工程と、
を有することを特徴とする両面粘着シート付き透明面材の製造方法。 - 前記二次露光が、前記粘着層の硬化率と前記一次硬化層の硬化率との差が2%以上、かつ、前記粘着層の硬化率が90%以上となる条件で行われる請求項12記載の両面粘着シート付き透明面材の製造方法。
- 透明面材と表示パネルとが、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法で得られた両面粘着シートを介して貼合されている表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015043451A JP2016160408A (ja) | 2015-03-05 | 2015-03-05 | 両面粘着シートの製造方法、両面粘着シート付き透明面材およびその製造方法、表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015043451A JP2016160408A (ja) | 2015-03-05 | 2015-03-05 | 両面粘着シートの製造方法、両面粘着シート付き透明面材およびその製造方法、表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016160408A true JP2016160408A (ja) | 2016-09-05 |
Family
ID=56846396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015043451A Withdrawn JP2016160408A (ja) | 2015-03-05 | 2015-03-05 | 両面粘着シートの製造方法、両面粘着シート付き透明面材およびその製造方法、表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016160408A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018174012A1 (ja) * | 2017-03-23 | 2018-09-27 | 日東電工株式会社 | 光学積層体 |
WO2019026577A1 (ja) * | 2017-08-02 | 2019-02-07 | バンドー化学株式会社 | 光学透明粘着シート、積層体、及び、貼り合わせ構造物 |
CN113539071A (zh) * | 2020-04-16 | 2021-10-22 | 元太科技工业股份有限公司 | 显示装置 |
WO2024144308A1 (ko) * | 2022-12-30 | 2024-07-04 | (주)티엠에스 | 광학 투명 점착 시트 및 이의 제조방법 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0680944A (ja) * | 1992-09-04 | 1994-03-22 | Sekisui Chem Co Ltd | 粘着テープの製造方法及び粘着テープ |
JP2010070585A (ja) * | 2008-09-16 | 2010-04-02 | Hitachi Chem Co Ltd | 両面粘着シートの製造方法及び両面粘着シート |
WO2012032995A1 (ja) * | 2010-09-06 | 2012-03-15 | 三菱樹脂株式会社 | 画像表示装置構成用積層体の製造方法、及びこの積層体を用いてなる画像表示装置 |
JP2013186216A (ja) * | 2012-03-07 | 2013-09-19 | Mitsubishi Plastics Inc | 画像表示装置用透明両面粘着シート、これを用いた透明両面粘着シート付き画像表示装置用構成部材及び画像表示装置 |
-
2015
- 2015-03-05 JP JP2015043451A patent/JP2016160408A/ja not_active Withdrawn
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0680944A (ja) * | 1992-09-04 | 1994-03-22 | Sekisui Chem Co Ltd | 粘着テープの製造方法及び粘着テープ |
JP2010070585A (ja) * | 2008-09-16 | 2010-04-02 | Hitachi Chem Co Ltd | 両面粘着シートの製造方法及び両面粘着シート |
WO2012032995A1 (ja) * | 2010-09-06 | 2012-03-15 | 三菱樹脂株式会社 | 画像表示装置構成用積層体の製造方法、及びこの積層体を用いてなる画像表示装置 |
JP2013186216A (ja) * | 2012-03-07 | 2013-09-19 | Mitsubishi Plastics Inc | 画像表示装置用透明両面粘着シート、これを用いた透明両面粘着シート付き画像表示装置用構成部材及び画像表示装置 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018174012A1 (ja) * | 2017-03-23 | 2018-09-27 | 日東電工株式会社 | 光学積層体 |
WO2019026577A1 (ja) * | 2017-08-02 | 2019-02-07 | バンドー化学株式会社 | 光学透明粘着シート、積層体、及び、貼り合わせ構造物 |
JP6510736B1 (ja) * | 2017-08-02 | 2019-05-08 | バンドー化学株式会社 | 光学透明粘着シート、積層体、及び、貼り合わせ構造物 |
CN110959031A (zh) * | 2017-08-02 | 2020-04-03 | 阪东化学株式会社 | 光学透明粘着片、层叠体以及贴合结构体 |
US11267991B2 (en) | 2017-08-02 | 2022-03-08 | Bando Chemical Industries, Ltd. | Transparent adhesive optical sheet, laminate and bonded structure |
CN110959031B (zh) * | 2017-08-02 | 2022-03-15 | 阪东化学株式会社 | 光学透明粘着片、层叠体以及贴合结构体 |
CN113539071A (zh) * | 2020-04-16 | 2021-10-22 | 元太科技工业股份有限公司 | 显示装置 |
WO2024144308A1 (ko) * | 2022-12-30 | 2024-07-04 | (주)티엠에스 | 광학 투명 점착 시트 및 이의 제조방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10557065B2 (en) | Adhesive layer-equipped transparent surface material, display device and processes for their production | |
JP5757288B2 (ja) | 粘着層付き透明面材、表示装置およびそれらの製造方法 | |
JP5757291B2 (ja) | 粘着層付き透明面材の製造方法 | |
JP5867571B2 (ja) | 樹脂層および表示装置 | |
JP5729385B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物およびこれを用いた積層体の製造方法 | |
US20200247095A1 (en) | Adhesive film, adhesive layer-equipped transparent plate and display device | |
JP6413405B2 (ja) | 両面粘着フィルム、粘着層付き透明面材、および積層体 | |
JP6126857B2 (ja) | 画像表示装置構成用積層体の製造方法、及びこの積層体を用いてなる画像表示装置 | |
WO2014104231A1 (ja) | 粘着層付き透明面材、積層体、表示装置、およびそれらの製造方法 | |
WO2015159957A1 (ja) | 粘着層付き透明面材、表示装置およびそれらの製造方法、ならびに粘着シート | |
JP6492925B2 (ja) | 両面粘着シートの製造方法、両面粘着シート付き透明面材の製造方法、表示装置の製造方法 | |
JP2016160408A (ja) | 両面粘着シートの製造方法、両面粘着シート付き透明面材およびその製造方法、表示装置 | |
KR20170020344A (ko) | 터치 패널용 자외선 경화형 수지 조성물, 그것을 사용한 첩합 방법 및 물품 | |
JP2018203809A (ja) | 剥離方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170804 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180510 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180522 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20180605 |