JP2018203809A - 剥離方法 - Google Patents

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純一 ▲角▼田
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直子 青木
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豊 白石
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朋乃 吉岡
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Abstract

【課題】粘着層を介して積層した一対の面材同士を容易に、良好な剥離性で剥離できる剥離方法の提供。
【解決手段】粘着層と、前記粘着層を介して積層した一対の面材とを備える積層体の、前記一対の面材同士を剥離する方法であって、前記一対の面材のうち一方の面材と前記粘着層との界面に、液体を吸収させた、太さが前記粘着層の厚さ以下で吸液率が10〜200%の糸を通し、前記粘着層から前記一方の面材を剥離する剥離方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着層と、前記粘着層を介して積層した一対の面材とを備える積層体において、前記一対の面材同士を剥離する方法に関する。
従来、粘着層を介して一対の面材を積層することが行われている。例えば液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置等の表示装置の製造において、表示面を保護する目的で、透明面材(保護パネル)を、透明粘着層を介して表示パネルに貼り合わせることが行われている。また、上記のような表示装置を、粘着層を介して窓ガラス等に貼り合わせることが行われている。
上記のような用途においては、透明面材や表示装置を新しいものに交換する、不要になった表示装置を窓ガラス等から取り除く等の目的で、貼り合わせた面材同士を剥離することがある。しかし、上記のような用途においては、面材の経時的な位置のずれや脱落を防ぐため、ある程度強い粘着力を有する粘着層が用いられており、面材同士の剥離は容易ではない。特に面材が高剛性である場合、剥離の際に強い力が面材にかかり、面材が破損することがある。
粘着性組成物を硬化させてなる透明樹脂層と被着体が接着してなる部品において、透明樹脂層にイオンを取りこませて被着体を剥がす方法が提案されている(特許文献1)。この方法では、被着体を良好に剥離できるとされている。
特開2015−178068号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、イオンを含む水溶液に積層体を浸漬させ、粘着層の露出している側面部分からイオンを取りこませているため、粘着層の中心付近にはイオンが充分に取りこまれない。そのため、面材の剥離性が充分ではなく、粘着層の面積が大きくなるにつれて剥離性が悪くなる。
また、この方法では、粘着層が一対の面材それぞれの表面に残る。そのため、剥離した面材を再利用する場合には、面材から粘着層を剥離する作業がさらに必要になり、剥離作業全体が煩雑になる。
さらに、この方法では、粘着層がイオンと錯体形成可能な化合物を含む必要があり、適用対象が制限される。
本発明の目的は、粘着層を介して積層した一対の面材同士を容易に、良好な剥離性で剥離できる剥離方法を提供することにある。
本発明は、以下の〔1〕〜〔10〕の構成を有する剥離方法を提供する。
〔1〕粘着層と、前記粘着層を介して積層した一対の面材とを備える積層体の、前記一対の面材同士を剥離する方法であって、前記一対の面材のうち一方の面材と前記粘着層との界面に、液体を吸収させた、太さが前記粘着層の厚さ以下で、下記方法で算出される吸液率が10〜200%の糸を通し、前記粘着層から前記一方の面材を剥離する剥離方法。
吸液率の測定方法:液体を吸収させる前の糸を乾燥させ、その質量を初期質量とする。この糸を、25℃の条件下、液体中に1時間くぐらせ、その後、糸を乾燥させ、その質量を乾燥後質量とする。前記乾燥後質量から前記初期質量を減算した値を吸液量とし、以下の式により吸液率(%)を算出する。
吸液率(%)=吸液量(g)/乾燥後質量(g)×100
〔2〕前記界面に前記糸を通す期間にも、前記糸に液体を供給する〔1〕の剥離方法。
〔3〕前記界面に前記糸を通す期間に、前記面材と前記粘着層との間の前記糸が通った部分に液体を供給する〔1〕又は〔2〕の剥離方法。
〔4〕前記糸を、前記面材と前記粘着層との界面に沿って移動させる〔1〕〜〔3〕のいずれかの剥離方法。
〔5〕前記粘着層の25℃、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’が5×10〜1×10Paである〔1〕〜〔4〕のいずれかの剥離方法。
〔6〕前記粘着層の厚さが0.2mm以上である〔1〕〜〔5〕のいずれかの剥離方法。
〔7〕前記粘着層の下記方法で算出されるトルエンによる膨潤度が質量比で1〜80倍である〔1〕〜〔6〕のいずれかの剥離方法。
トルエンによる膨潤度の算出方法:粘着層をトルエンに2日間浸漬した後、トルエンを含んだ粘着層の質量(質量B)を測定する。トルエンを含んだゲル状の粘着層を乾燥させた後、質量(質量C)を測定する。質量Bと質量Cとの質量比(B/C)から膨潤度を算出する。
〔8〕前記粘着層の下記方法で算出される水による膨潤度が質量比で1〜20倍である〔1〕〜〔7〕のいずれかの剥離方法。
水による膨潤度の算出方法:粘着層を水に2日間浸漬した後、水を含んだ粘着層の質量(質量B´)を測定する。水を含んだゲル状の粘着層を乾燥させた後、質量(質量C´)を測定する。質量B´と質量C´との質量比(B´/C´)から膨潤度を算出する。
〔9〕前記一対の面材の少なくとも一方が透明面材である〔1〕〜〔8〕のいずれかの剥離方法。
〔10〕前記透明面材がガラスである〔9〕の剥離方法。
本発明の剥離方法によれば、粘着層を介して積層した一対の面材同士を容易に、良好な剥離性で剥離できる。
本発明の剥離方法の一実施形態の剥離対象である積層体の概略構成を示す断面図である。 図1に示す積層体の面材と粘着層との界面に糸を通す工程を模式的に説明する図である。 図2に示す器具の概略構成を示す断面図である。
本発明の剥離方法は、粘着層と、前記粘着層を介して積層した一対の面材とを備える積層体の、前記一対の面材同士を剥離する方法であって、
前記一対の面材のうち一方の面材と前記粘着層との界面に、液体を吸収させた、太さが前記粘着層の厚さ以下で吸液率が10〜200%の糸を通し、前記粘着層から前記一方の面材を剥離する。
そして、必要に応じて、他方の面材から前記粘着層を剥離する工程を行ってもよい。
液体を吸収した糸を面材と粘着層との界面に通すと、糸に含まれる液体によって、糸と接した面材、粘着層それぞれの表面が濡れ、また粘着層が膨潤する。これにより面材と粘着層との密着性が低下し、過剰な力を加えなくても糸を移動させることができる。また、糸が通った後、面材と粘着層とが再び接触した場合でも、それらの間の密着力は弱いため、界面全体に糸を通した後、面材を粘着層側とは反対側に引っ張ることで、過剰な力を必要とすることなく面材を剥離できる。糸の移動や剥離の際に面材に過剰な力が加わらないため、一対の面材がそれぞれ剛直な面材であっても破損しにくい。
本発明において「面材」とは、面状の部材を意味する。面材は、全体として面状であればよい。面材は、単一の部材からなるものでも複数の部材からなるものでもよい。
以下、本発明について、添付の図面を用い、実施形態を示して説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更できる。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
図1は、本実施形態の剥離対象である積層体1の概略構成を示す断面図である。図2は、積層体1の面材と粘着層との界面に糸を通す工程(II)を模式的に説明する図である。図3は、図2に示す器具の概略構成を示す断面図である。
積層体1は、表示装置10(面材)と、透明面材20(面材)とが粘着層30を介して積層されている。本実施形態においては、積層体1の表示装置10、第2の透明面材20および粘着層30はそれぞれ正面視矩形状である。積層体1については後で詳しく説明する。
以下の実施形態の説明においては、積層体1の表示装置10と透明面材20とを剥離する場合を用いて説明するが、本発明は、表示装置10の透明面材13と表示パネル11とを剥離する場合にも適用できる。
本実施形態の剥離方法では、まず、吸液性の糸3に液体を吸収させる(工程(I))。次に、液体を吸収させた糸3を、積層体1の表示装置10と粘着層30との界面1a、又は透明面材20と粘着層30との界面1bに通し、粘着層30から表示装置10又は透明面材20を剥離する(工程(II))。このとき粘着層30から剥離するのは、糸3を界面1aに通した場合にはら表示装置10であり、糸3を界面1bに通した場合には透明面材20である。必要に応じて、透明面材20側又は表示装置10側に残った粘着層30を、透明面材20又は表示装置10から剥離してもよい。
本実施形態において工程(I)及び工程(II)は、図3に示す一対の器具5,5を用いて行われる。糸3の両方の端部は各々、器具5,5に巻き取られている。
<糸>
吸液性の糸3は、液体を吸収可能な糸である。
糸3の吸液率は、10〜200%である。前記吸収率は、20〜150%がより好ましい。吸液率が前記範囲の10%以上であれば、剥離性がより優れる。吸液率が200%以下であれば、糸の耐久性がより優れる。
吸液率は、以下の測定方法により測定される。
吸液率は、糸3を構成する繊維の材質、撚糸の場合は撚り数等によって調整できる。
(吸液率の測定方法)
液体を吸収させる前の糸3の約0.5gを、60℃に予熱した熱風乾燥炉内にて2時間乾燥させ、その質量を初期質量とする。次に、この糸3を、25℃の条件下、液体(糸3に吸収させる液体)中に1時間くぐらせ、その後、糸3を再度、60℃に予熱した熱風乾燥炉内にて3時間乾燥させ、その質量を乾燥後質量とする。前記乾燥後質量から前記初期質量を減算した値を吸液量とし、以下の式により吸液率(%)を算出する。
吸液率(%)=吸液量(g)/乾燥後質量(g)×100
糸3を構成する繊維としては、特に限定されず、例えば綿、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等が挙げられる。これらはいずれか1種が単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
糸3は、単糸でも撚糸でもよく、粘着層30との摩擦抵抗が小さく界面1a又は界面1bを通しやすい点で、撚糸が好ましい。
糸3の太さは、粘着層30の厚さ以下である。これにより、糸3が界面1a又は界面1bを通りやすくなる。糸3が界面1a又は界面1bを通ることで、剥離性が良好となる。糸3の太さが粘着層30の厚さを超えると、糸3を界面1a又は界面1bを通す際、糸3が粘着層30に入り込むおそれがある。糸3が粘着層30に入り込むと、粘着層30の抵抗が大きいため、糸3が途中で進まなくなる。
上記の観点から、糸3の太さは、粘着層30の厚さ(100%)に対し、100%以下が好ましく、95%以下がより好ましい。
糸3の太さは、糸3の強度の点では、0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。糸3の太さが前記下限値以上であれば、糸3を界面1a又は界面1bを通す際に糸3が途中で切れにくい。
粘着層30の厚さは、マイクロゲージ又はレーザー変位計等を用いた測定方法により測定された厚さを意味する。典型的には、10箇所について測定された厚さの平均値とする。
糸3の太さは、乾燥状態、張力無の状態下において、レーザー顕微鏡(例えばキーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−1000)にて拡大観察した画像解析により求め、糸3の合計10か所で測定した直径の平均値とする。
<液体>
糸3に吸収させる液体としては、典型的には、粘着層30を膨潤可能な液体、つまり粘着層30に接したときに、粘着層30を溶解せず、粘着層30に吸収されて、粘着層30の体積を増大させる液体、が用いられる。
液体は、糸3が通る界面を形成する面材(表示装置10又は透明面材20)の粘着層30と接する面を損なわない(溶解、変色等を生じさせない)液体であることが好ましい。
好ましい液体の例として、水、アルコール、水とアルコールとの混合液、これらのいずれかを溶媒とする界面活性剤溶液等が挙げられる。アルコールとしては、例えばエタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等が挙げられる。
液体としては、ウェットな状態を維持しやすい点で、水を含む水性液体が好ましい。水性液体としては、水、又は水とアルコールとの混合液が好ましく、水が特に好ましい。水としては、純水、イオン交換水、水道水等を特に制限なく使用できる。
<器具>
器具5は、糸3に液体を供給する液供給部5aと、リール部5bと、これらを収容する筐体5cとを備える。
リール部5bには糸3の末端が固定されている。リール部5bは回転可能に設けられており、リール部5bが第一方向に回転することで糸3が巻き出され、リール部5bが第一方向とは反対方向の第二方向に回転することで糸3が巻き取られるようになっている。
筐体5cには、糸3を通すための開口部(図示なし)が形成されており、この開口部を通って糸3が巻き出される又は巻き取られるようになっている。
また、器具5は、リール部5bのロック機構(図示なし)を備えており、ロック機構を作動させることで、リール部5bを第一方向に回転しない(糸3が巻き出されない)ようにロックできるようになっている。
液供給部5aは、筐体5cの開口部と、リール部5bとの間に配置されており、糸3の巻き取り又は巻出しの際に糸3と液供給部5aとが接触するようになっている。
液供給部5aは、典型的には、液体の吸収及び保持が可能な部材(スポンジ等)で構成される。この部材に液体を供給し、液体を吸収及び保持させておくことで、糸3が液供給部5aに接触した際に、液供給部5aから糸3に液体が供給される。
したがって、器具5から糸3を巻き出すことで、工程(I)を行うことができる。また、糸3を器具5から巻出しながら工程(II)を行うことで、糸3に液体を供給しながら工程(II)を行うことができる。
<剥離方法>
本実施形態の剥離方法では、まず、一対の器具5,5のうち一方の器具5(以下、器具5Aともいう。)のリール部5bをロック解除状態(ロック機構が作動していない状態)、他方の器具5(以下、器具5Bともいう。)のリール部5bをロック状態(ロック機構が作動している状態)とする。この状態で器具5Bを引っ張ることで、器具5Aから糸3が巻き出される。この際、器具5Aの液供給部5aから糸3に液体が供給される(工程(I))。
なお、工程(I)で糸3に吸収される液体の量は、おおむね前記吸液率に対応した量となる。つまり、以下の式で求められる質量増加率は、おおむね前記吸液率と同じかそれよりも若干高い値になる。
質量増加率(%)=(工程(I)で吸収した液質量)/(液体を吸収させる前の糸3の質量)×100
ここで、工程(I)で吸収した液質量とは、(液体を吸収させた糸3の質量−液体を吸収させる前の糸3の質量)である。
次に、器具5Aから巻き出した糸3を、正面視矩形の粘着層30の四隅の1つの端部から界面1a又は界面1bに挿入し、界面1a又は界面1bに沿って一方向(図2中、矢印D1方向)にスライドさせる。この時、糸3を界面1a又は界面1bの全体にわたって通してもよく、界面1a又は界面1bの途中まで通してもよい。糸3を界面1a又は界面1bの全体にわたって通すことで、表示装置10を透明面材20から剥離できる(工程(II))。また、糸3を界面1a又は界面1bの途中まで通している場合、必要に応じて、表示装置10を第2の透明面材20側とは反対側に引っ張ることで、表示装置10を透明面材20から剥離できる(工程(II))。
糸3をスライドさせる方法としては、例えば、一対の器具5,5それぞれを手で持ち、糸3を界面1aに通す場合には表示装置10側、糸3を界面1bに通す場合には透明面材20側に糸3を押し付けつつ、一対の器具5,5を矢印D1方向に移動させる方法が挙げられる。
糸3を通すのは、界面1a及び界面1bのどちらでもよいが、界面1aが好ましい。本実施形態のように一対の面材の大きさが異なる場合、大きい方の面材側よりも、小さい方の面材側の方に糸3を押し付けやすい。そのため界面1bよりも界面1aの方が糸3を通しやすい。
工程(II)では、糸3をスライドさせている間にも、糸3に液体を供給することができる。糸3に吸収させた液体が、粘着層30に吸収される等によって失われると、糸3が界面1a又は界面1bを通りにくくなる。工程(II)でも糸3に液体を供給することで、界面1a又は界面1bを通っている糸3が常に充分に液体を含むものとなり、界面1a又は界面1bを通りやすい。
工程(II)にて糸3に液体を供給する方法としては、例えば、糸3の界面1a又は界面1bから露出している部分に液体を供給し、この部分を界面1a又は界面1bに移動させる方法が挙げられる。
この方法では、例えば、器具5Bを界面1a又は界面1bから遠ざかる方向(図2中、矢印D2方向)に引っ張って糸3を器具5Aからさらに巻き出し、界面1a又は界面1bに移動させてよい。又は、器具5Aのリール部5bをロック状態とし、器具5Bのリール部5bをロック解除状態とし、器具5Aを界面1a又は界面1bから遠ざかる方向(図2中、矢印D2方向と逆方向)に引っ張って糸3を器具5Bから巻き出し、界面1a又は界面1bに移動させてよい。又は、これらの操作を交互に繰り返してもよい。
糸3をスライドさせている間、糸3が通った部分(界面1aの場合は表示装置10と粘着層30との間、界面1bの場合は透明面材20と粘着層30との間)に液体を供給してもよい。これにより、糸3が通った部分での密着性(表示装置10と粘着層30との密着性、又は透明面材20と粘着層30との密着性)がさらに低くなったり、糸3に吸収させた液体が粘着層30に吸収されることが抑制されたり、糸3に液体がさらに供給されたりして、剥離性がより高まる。
糸3が通った部分に供給する液体としては、糸3に吸収させる液体と同様のものが挙げられる。
糸3が通った部分に液体を供給する方法としては、例えばスポイドで液滴を垂らして濡らす方法、刷毛などを用いて液体を濡らす方法、スプレーで液体を吹き付ける方法等が挙げられる。
工程(II)で、糸3を界面1aに通した場合には、表示装置10と粘着層30とが分離し、透明面材20側に粘着層30が残る。糸3を界面1bに通した場合には、透明面材20と粘着層30とが分離し、表示装置10側に粘着層30が残る。そのため、工程(II)の後、必要に応じて、透明面材20側又は表示装置10側に残った粘着層30を剥離する工程を行ってもよい。
粘着層30は柔軟であるため、容易に剥離できる。例えば粘着層30の縁部を透明面材20側又は表示装置10側とは反対方向に引っ張ることで、徐々に粘着層30を剥離していくことができる。
上記した実施形態の説明においては、積層体1の表示装置10と透明面材20とを剥離する場合で説明したが、本発明は、表示装置10の透明面材13と表示パネル11とを剥離する場合にも適用できる。
表示装置10と透明面材13と表示パネル11とを剥離する場合には、上記の積層体1の表示装置10と透明面材20とを剥離する場合の説明で、透明面材20を透明面材13に、表示装置10を表示パネル11に置き換えればよい。
前記実施形態では、一対の器具5,5を用いて工程(I)及び工程(II)を行う例を示したが、一対の器具5,5を用いなくてもよい。例えば一対の器具5,5が取り付けられていない糸を液体中にくぐらせて工程(I)を行い、この糸の両端を手に持って工程(II)を行ってもよい。
<積層体>
本発明において、積層体は、粘着層を介して積層した一対の面材を備える。この構成をとるものであれば、積層体の形態は限定されず、積層体の一例として、上記した積層体1が挙げられる。
本発明の剥離方法は、透明面材と表示装置が積層されている積層体から透明面材を剥離する場合や、透明面材が表示パネルに積層されている表示装置から透明面材を剥離する場合に好適に使用できる。
(表示装置)
本実施形態においては、積層体1の表示装置10として、液晶表示装置を使用している。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、表示装置として公知の表示装置を使用できる。例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置が挙げられる。
表示装置10は、表示パネル11と、粘着層12と、透明面材13と、遮光部14と、フレキシブルプリント配線板15とを備える。表示装置10においては、表示パネル11に透明面材13が積層されている。
表示パネル11は、カラーフィルタを設けた透明基板16とTFT(薄膜トランジスタ)を設けた透明基板17とが液晶層18を介して積層した積層体が、一対の偏光板19で挟持された構成の液晶パネルである。
透明面材13における「透明」とは、面材と表示パネル11の表示面とを粘着層12を介して空隙なく貼合した後に、表示パネル11の表示画像の全体又は一部が光学的な歪を受けることなく面材を通して視認できる様態を意味する。したがって、表示パネル11から面材に入射する光の一部が面材により吸収又は反射され、もしくは光学的な位相の変化等により、面材の可視光透過率が低くなっても、面材を通して光学的な歪なく表示パネル11の表示画像を視認できれば、「透明」であるということができる。
透明面材13の材料は、例えばガラス、透明樹脂等が挙げられ、透明面材を貼合する用途に応じて適宜使い分けられる。
ガラスとしては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等が挙げられる。特に薄いガラスを用いる場合には、化学強化が施された化学強化ガラスが好ましい。
透明樹脂としては、透明性の高い樹脂材料が好ましく、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
透明面材13の材料としては、表示パネル11からの射出光や反射光に対して透明性が高い点、耐光性、低複屈折性、高い平面精度、耐表面傷付性、高い機械的強度を有する点から、ガラスが好ましい。
透明面材13の厚さは、透明面材13の用途、材料等に応じて適宜設定できる。
透明面材13がガラス(ただし化学強化ガラスを除く。)の場合、透明面材13の厚さは、機械的強度、透明性の点から、通常0.2〜25mmである。屋内で使用するテレビ受像機、PC用ディスプレイ等の用途では、表示装置の軽量化の点から、0.3〜6mmが好ましく、屋外に設置する公衆表示用途では、0.4〜20mmが好ましい。
透明面材13が化学強化ガラスの場合、透明面材13の厚さは、強度の点で、0.2〜1.5mm程度が好ましい。
透明面材13が透明樹脂板の場合、透明面材13の厚さは1〜10mmが好ましい。
遮光部14は、表示パネル11の画像表示領域以外の領域が透明面材13側から見えないように隠蔽する働きをする。例えば遮光部14によってフレキシブルプリント配線板15等の配線部材が隠蔽される。
遮光部14は、透明面材13の表示パネル11側(粘着層12側)の面、その反対側の面のいずれか一方又は両方に設けられてよい。遮光部14と画像表示領域との視差を低減する点では、本実施形態で示すとおり、透明面材13の表示パネル11側に設けられることが好ましい。
遮光部14は、公知の方法により形成できる。例えばセラミック印刷、スクリーン印刷等の印刷法を用いて形成できる。印刷法で遮光部14を形成する際に用いられるインキは、通常、黒色顔料を含む。
(透明面材)
積層体1の透明面材20としては、特に限定されず、例えば前記の透明面材13と同様のものが挙げられる。
透明面材20は、構造物の一部をなす透明面材であってよい。構造物の一部をなす透明面材としては、例えば建造物の窓ガラス、パーティション等が挙げられる。
(粘着層)
積層体1の粘着層30としては、特に限定されず、表示装置等の分野で公知の粘着層であってよい。
粘着層30は、典型的には、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。硬化性樹脂組成物については後で詳しく説明する。
粘着層30は、単層構造でもよく多層構造でもよい。多層構造の場合、同一の粘着層が積層した構成でもよく、異なる粘着層が積層した構成でもよい。多層構造を構成する粘着層の層数は2層以上であればよい。
粘着層30の25℃、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’は、5×10〜1×10Paが好ましく、1×10×2.5×10Paがより好ましい。粘着層30の貯蔵弾性率G’が前記下限値以上であれば、表示装置10と透明面材20とを充分に固定することができ、経時的な位置ずれ等の不具合が生じにくい。粘着層30の貯蔵弾性率G’が前記上限値以下であれば、表示装置10と透明面材20との貼合時に、表示装置10と粘着層30との界面又は透明面材20と粘着層30との界面等において気泡が発生したとしても、その気泡が短時間で消失しやすい。また、引張伸びが大きく、表示装置10又は透明面材20を粘着層30から剥離した後、透明面材20側又は表示装置10側に残った粘着層30を引っ張って剥離する場合に、剥離の途中で粘着層30が切れにくく、粘着層30全体を一度に剥離できる。
粘着層30が多層構造の場合、多層構造を構成する複数の粘着層それぞれの貯蔵弾性率G’が前記範囲内であることが好ましい。
粘着層の貯蔵弾性率G’は、Anton Paar社製MCRレオメータ301により測定される。
粘着層30のゲル分率は、1〜50%が好ましく、10〜40%がより好ましい。ゲル分率が前記範囲の下限値以上であれば、粘着層30の耐熱性がより優れる。ゲル分率が前記範囲の上限値以下であれば、粘着層30を用いて貼合した際に、被貼合物に段差があっても段差追従性が優れて、段差で気泡が発生しにくくなる。
ゲル分率は、下記の測定方法において、液体としてトルエンを用いて測定される値である。
粘着層30のトルエンによる膨潤度(以下、溶剤膨潤度ともいう。)は、1〜80倍が好ましく、10〜70倍がより好ましい。
粘着層30の水による膨潤度(以下、水膨潤度ともいう。)は、1〜20倍が好ましく、1〜10倍がより好ましい。
溶剤膨潤度又は水膨潤度が前記範囲の下限値以上であれば、粘着層30の耐水性がより優れる。溶剤膨潤度又は水膨潤度が前記範囲の下限値以上であれば、粘着層30の濡れ性がより優れる。
溶剤膨潤度、水膨潤度はそれぞれ、下記の測定方法において、液体としてトルエン又は水を用いて測定される値である。
(ゲル分率及び膨潤度の測定方法)
60mm角のPET(ポリエチレンテレフタレート)製メッシュフィルムを二枚用意し、2枚の間に50mm角の粘着層30(質量A)を挟み、周囲をホッチキスでとめ、粘着層30の流出を抑止する。これを液体に1日間浸漬したのち、液体を交換する。これを2回繰り返し、液体を含んだ状態の質量(質量B)を測定する。液体を含んだゲル状の粘着層を加熱により十分乾燥させた後、再び質量(質量C)を測定する。質量A(初期質量)と質量C(乾燥後ゲル量)との比(100×C/A)からゲル分率を算出する。また、質量B(溶剤含有時質量)と質量Cとの質量比(B/C)から膨潤度を算出する。
粘着層30の面積は、10000mm以上が好ましく、50000mm以上がより好ましい。粘着層30の面積が大きいほど、粘着層30と表示装置10又は透明面材20との接触面積が大きく、従来の方法での剥離が困難で、本実施形態の剥離方法の有用性が高い。
粘着層30の面積の上限は、特に限定されないが、例えば1000000mmであってよい。
粘着層30の厚さは、0.2mm以上が好ましく、0.3〜1.5mmがより好ましく、0.5〜1.0mmがさらに好ましい。粘着層30の厚さが前記下限値以上であれば、糸3を界面1a又は界面1bに通しやすい。また、表示装置10又は透明面材20を粘着層30から剥離した後、透明面材20側又は表示装置10側に残った粘着層30を引っ張って剥離する場合に、剥離の途中で粘着層30が切れにくい。粘着層30の厚さが前記上限値以下であれば、被貼合物に貼合する前の取扱い性に優れる。
<硬化性樹脂組成物>
粘着層30は、光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、光及び熱硬化性樹脂組成物等が硬化して得られる。
「光硬化性樹脂組成物」とは、露光により硬化し得る樹脂組成物を意味する。「熱硬化性樹脂組成物」とは、加熱により硬化し得る樹脂組成物を意味する。「光及び熱硬化性樹脂組成物」とは、露光及び加熱により硬化し得る樹脂組成物を意味する。「露光」は、紫外線等の光を照射することを意味する。
硬化性組成物としては、低温で硬化でき、硬化速度が速い点から、光硬化性樹脂組成物が好ましい。
光硬化性樹脂組成物は、溶剤を除去するための加熱を行う必要がない点で、無溶剤型であることが好ましい。「無溶剤型」とは、溶剤を含まない、又は溶剤の含有割合が、光硬化性樹脂組成物の総質量(100質量%)のうち、5質量%以下であることを意味する。「溶剤」とは、沸点が150℃以下の液体(揮発性希釈剤)を意味する。
光硬化性樹脂組成物は、乾燥工程が省ける点、時間とエネルギーを省くことができる点で、溶剤を含まないことが最も好ましい。
硬化性組成物は、典型的には、硬化性基を有する硬化性化合物(A)と、光重合開始剤(B)とを含む。必要に応じて、光重合開始剤(B)以外の他の非硬化性成分が含まれてもよい。非硬化性成分としては、非硬化性ポリマー(C)、連鎖移動剤(D)、他の添加剤等が挙げられる。
(硬化性化合物(A))
硬化性化合物(A)としては、アクリル系、シリコーン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系等の化合物が挙げられる。中でも、粘着層30の貯蔵弾性率G’を5×10〜1×10Paに調整しやすい点で、硬化性化合物(A)は、シリコーン系またはウレタンアクリレート系が好ましい。さらに、粘着層30のゲル分率を1〜50%に調整しやすい点で、硬化性化合物(A)は、ウレタンアクリレート系がより好ましい。
以下に、硬化性化合物(A)としてのウレタンアクリレート系の硬化性化合物の好ましい例を説明する。
この例の硬化性化合物(A)は、硬化性ポリマー(A1)と、以下の硬化性モノマー(A2)とを含むことが好ましい。硬化性ポリマー(A1)と硬化性モノマー(A2)とを含むことで、光硬化性樹脂組成物の粘度を好ましい範囲に調整しやすい。
硬化性ポリマー(A1):硬化性基を有し、数平均分子量が1000〜100000であるポリマー。
硬化性モノマー(A2):硬化性基を有し、分子量が100〜600であるモノマー。
硬化性ポリマー(A1)における硬化性基と、硬化性モノマー(A2)における硬化性基とは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
通常、硬化性ポリマー(A1)における硬化性基は、硬化性モノマー(A2)における硬化性基よりも反応性が低くなりやすい。硬化反応が不均質となることを防止する観点から、硬化性ポリマー(A1)の硬化性基を比較的反応性の高いアクリロイルオキシ基とし、硬化性モノマー(A2)の硬化性基を比較的反応性の低いメタクリロイルオキシ基とすることがより好ましい。
硬化反応に必要な時間を短縮し、粘着層の粘着力を高めるためには、硬化性ポリマー(A1)と硬化性モノマー(A2)の硬化性基をいずれもアクリロイルオキシ基とすることが好ましい。
「硬化性ポリマー(A1)」
硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量(Mn)は、1000〜100000であり、10000〜70000が好ましい。硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量がこの範囲であると、光硬化性樹脂組成物の粘度を前記範囲に調整しやすい。
硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)の測定によって得られた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。
なお、GPCの測定において、未反応の低分子量成分(モノマー等)のピークが現れる場合は、ピークを除外して数平均分子量を求める。
硬化性ポリマー(A1)としては、光硬化性樹脂組成物の硬化性、形成される粘着層の機械的特性の点から、分子中における硬化性基の数が1個以上4個以下であるものが好ましく、2個又は3個がより好ましい。なお、硬化性化合物(A)の製造時に硬化性基を有さない副生成物が生じる場合も考慮すると、硬化性化合物(A)の硬化性基の平均数は0.8〜4.0が好ましく、1.8〜3.0がより好ましい。
硬化性ポリマー(A1)としては、ウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
ウレタン鎖の分子設計等によって硬化後の樹脂の機械的特性、面材との密着性等を幅広く調整できる点から、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートのなかでも、ポリオール及びポリイソシアネートを原料に用いて合成されたウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。ポリオールはポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。
硬化性ポリマー(A1)は、1種を単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
「硬化性モノマー(A2)」
硬化性モノマー(A2)の分子量は100〜600であり、110〜400が好ましい。硬化性モノマー(A2)の分子量が100以上であると、減圧手段を用いて粘着層を形成するような場合にモノマーの揮発が抑えられる。硬化性モノマー(A2)の分子量が600以下であると、粘着層の密着性が良好である。
硬化性モノマー(A2)は、光硬化性樹脂組成物の硬化性、形成される粘着層の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり1個〜3個有するものが好ましい。
硬化性モノマー(A2)としては、以下のモノマー(A21)〜(A23)等が挙げられる。
・モノマー(A21):硬化性基を有し、かつイソシアネート基と反応する基を有さないモノマー。
・モノマー(A22):硬化性基を有し、かつイソシアネート基と反応する基を有するモノマー。
・モノマー(A23):硬化性基を有し、かつ水酸基及びカルボキシ基のいずれか一方又は両方を有するモノマー。
モノマー(A21)としては、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(n−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、イソオクタデシル(メタ)アクリレート、n−ベヘニル(メタ)アクリレート等)、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート(イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等)が挙げられる。これらの中では、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−ドデシルメタクリレートが好ましい。
モノマー(A22)としては、活性水素(水酸基、カルボキシ基、アミノ基等)及び硬化性基を有するモノマーが挙げられる。具体的には、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等)等が挙げられる。
モノマー(A23)としては、モノマー(A22)のうち、水酸基又はカルボキシ基を有するものが挙げられる。
モノマー(A22)、モノマー(A23)としては、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレートが好ましく、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートが特に好ましい。
硬化性モノマー(A2)は、1種を単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
硬化性モノマー(A2)は、硬化性基を有し、かつ水酸基を有するモノマー(A23)を含むことが好ましい。モノマー(A23)を含むと、透明面材等と粘着層との良好な密着性が得られやすい。また、モノマー(A23)は、非硬化性ポリマー(C)の安定化に寄与する。
硬化性モノマー(A2)は、モノマー(A23)とともに、モノマー(A21)を含むことが好ましい。モノマー(A21)を含むと、相溶性が優れる。
「含有割合」
硬化性ポリマー(A1)の含有割合は、硬化性化合物(A)の全体(100質量%)のうち、1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましい。硬化性ポリマー(A1)の割合が1質量%以上であると、粘着層の耐熱性が良好である。硬化性ポリマー(A1)の割合が90質量%以下であると、光硬化性樹脂組成物の硬化性、粘着層の透明面材に対する密着性等が良好である。
硬化性モノマー(A2)の含有割合は、硬化性化合物(A)の全体(100質量%)のうち、10〜99質量%が好ましく、20〜95質量%がより好ましい。硬化性モノマー(A2)の割合が10質量%以上であると、光硬化性樹脂組成物の硬化性、粘着層の透明面材に対する密着性等が良好である。硬化性モノマー(A2)の割合が99質量%以下であると、粘着層の耐熱性が良好である。
硬化性モノマー(A2)がモノマー(A23)を含む場合、モノマー(A23)の含有割合は、硬化性化合物(A)の全体(100質量%)のうち、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。モノマー(A23)の含有割合が10質量%以上であると、透明面材や表示パネル等と粘着層との密着性向上効果、光硬化性樹脂組成物の安定性向上効果等が充分に得られやすい。
硬化性化合物(A)中の硬化性ポリマー(A1)と硬化性モノマー(A2)との合計の含有割合は、硬化性化合物(A)の全体(100質量%)のうち、60質量%以上が好ましく、100質量%が特に好ましい。すなわち、硬化性化合物(A)は、硬化性ポリマー(A1)と硬化性モノマー(A2)とからなることが特に好ましい。
{光重合開始剤(B)}
光重合開始剤(B)としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾイン又はベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられる。
上記の中では、フォスフィンオキサイド系、チオキサントン系の光重合開始剤が好ましい。光重合反応後の着色を抑える面では、フォスフィンオキサイド系が特に好ましい。高強度の光照射による光重合反応を行う場合には、硬化速度を高めることができる点で、アセトフェノン系の光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤(B)は、1種を単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
光硬化性樹脂組成物における光重合開始剤(B)の含有割合は、硬化性化合物(A)の全体100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
{非硬化性ポリマー(C)}
非硬化性ポリマー(C)は、光硬化性樹脂組成物の硬化時に組成物中の硬化性化合物(A)と硬化反応しないポリマーである。非硬化性ポリマー(C)は、不揮発性希釈剤として機能する。
非硬化性ポリマー(C)の数平均分子量(Mn)は、500〜20000が好ましく、1000〜18000がより好ましく、1000〜15000が特に好ましい。非硬化性ポリマー(C)の数平均分子量がこの範囲であると、硬化性化合物(A)との相溶性を高くできる。
非硬化性ポリマー(C)の数平均分子量は、硬化性ポリマー(A1)の数平均分子量と同様にして測定される。
非硬化性ポリマー(C)としては、水酸基を有するものが好ましい。
非硬化性ポリマー(C)の1分子当たりの水酸基数は、0.8個〜6個が好ましく、0.8個〜3.0個がより好ましい。
水酸基を含有する非硬化性ポリマー(C)の例としては、高分子量のポリオール等が挙げられる。
水酸基を有する非硬化性ポリマー(C)は、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、又はポリカーボネートポリオールが好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、分枝構造を有するポリオキシプロピレングリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオールの残基と、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸の残基とを有する脂肪族系ポリエステルジオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば1,6−ヘキサンジオール等のジオール残基を有する脂肪族ポリカーボネートジオール、脂肪族環状カーボネートの開環重合体等の脂肪族ポリカーボネートジオールが挙げられる。
非硬化性ポリマー(C)としては、粘着層の弾性率がより低くなりやすい点で、ポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、ポリオキシプロピレンポリオールが特に好ましい。ポリオキシプロピレンポリオールのオキシプロピレン基の一部がオキシエチレン基で置換されてもよい。
硬化性ポリマー(A1)が、ポリオキシアルキレンポリオール及びポリイソシアネートを原料に用いて合成されたウレタン(メタ)アクリレートであり、非硬化性ポリマー(C)がポリオキシアルキレンポリオールであることが、相溶性の点で好ましい。
非硬化性ポリマー(C)は、1種を単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
光硬化性樹脂組成物中の非硬化性ポリマー(C)は、粘着層の貯蔵弾性率G’を低下させ、減圧又は常圧雰囲気下で粘着層を介して一対の面材を貼合した後、大気圧雰囲気下において、各面材と粘着層との界面に生じた気泡が消失するのに必要な時間の短縮に寄与する。光硬化性樹脂組成物中の非硬化性ポリマー(C)の含有割合が少なすぎると、所定の効果が得られず、多すぎると、粘着層の硬化が不充分となるおそれがある。
したがって、光硬化性樹脂組成物における非硬化性ポリマー(C)の含有割合は、光硬化性樹脂組成物の全体(100質量%)のうち、10〜90質量%であることが好ましく、該範囲内で、上記の不都合が生じないように、他の成分とのバランスも考慮して設定されることが好ましい。
{連鎖移動剤(D)}
連鎖移動剤(D)は、ラジカル重合によって成長するポリマーからラジカルを受け取り、ポリマーの伸長を抑制する。そのため、連鎖移動剤(D)の含有割合を調節することによって、硬化物の分子量、粘着層の貯蔵弾性率G’、密着力等を調節することができる。
連鎖移動剤(D)としては、例えば、チオール基を有する化合物(n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等が挙げられる。
光硬化性樹脂組成物が連鎖移動剤(D)を含む場合、その配合割合は、硬化性化合物(A)の全体(100質量%)に対し、0.1質量%以上が好ましい。連鎖移動剤(D)を0.1質量%以上含むと、粘着層の貯蔵弾性率G’が低くなり、表示装置との貼合後に貼合時の空隙が消失しやすい。
また、連鎖移動剤(D)の含有割合は、光硬化性樹脂組成物の全体(100質量%)に対し、1.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。連鎖移動剤(D)の含有割合が1.5質量%以下であれば、硬化物の分子量が小さくなりすぎず、高温保管時に粘着層の形状が変化しにくい等、耐久性が優れる。
{他の添加剤}
必要に応じて含んでもよい他の添加剤としては、例えば、重合禁止剤、光硬化促進剤、光安定剤(紫外線吸収剤、ラジカル捕獲剤等)、酸化防止剤、難燃化剤、接着性向上剤(シランカップリング剤、タッキファイヤ等)、顔料、染料等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
上記のうち、重合禁止剤、光安定剤、熱安定剤等を含むことが好ましい。特に、重合開始剤より少ない量の重合禁止剤を含むことにより、光硬化性樹脂組成物の安定性を改善でき、硬化後の分子量も調整できる。また、光安定剤や熱安定剤を含むことにより、光硬化性樹脂組成物やその硬化物である粘着層の安定性を高めることができる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン系(2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等)、カテコール系(p−t−ブチルカテコール等)、アンスラキノン系、フェノチアジン系、ヒドロキシトルエン系等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシフェニトリアジン系、サリチレート系等)、ラジカル捕獲剤(ヒンダードアミン系)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、リン系、イオウ系の化合物が挙げられる。
他の添加剤の合計量は、硬化性化合物(A)の全体100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
粘着層30の形成に用いられる光硬化性樹脂組成物としては、硬化性基を有し、数平均分子量が1000〜100000である硬化性ポリマー(A1)と、硬化性基を有し、分子量が125〜600である硬化性モノマー(A2)と、光重合開始剤(B)と、非硬化性ポリマー(C)とを含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。
この光硬化性樹脂組成物は、連鎖移動剤(D)をさらに含むことが好ましい。
この光硬化性樹脂組成物においては、面材(ガラス等)への密着安定性を向上できる点で、硬化性ポリマー(A1)、硬化性モノマー(A2)及び非硬化性ポリマー(C)のうちの少なくとも一部が、水酸基及びカルボキシ基のいずれか一方又は両方を有することが好ましい。
硬化性モノマー(A2)として、水酸基及びカルボキシ基のいずれか一方又は両方を有する硬化性モノマー(例えばモノマー(A23))を含む場合、硬化性モノマー(A2)として、水酸基及びカルボキシ基を有しない硬化性モノマー(例えばモノマー(A21))をさらに含んでもよい。硬化性ポリマー(A1)、非硬化性ポリマー(C)においても同様である。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
〔製造例1:硬化性ポリマーの製造〕
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(数平均分子量:4000)と、イソホロンジイソシアネートとを、ポリプロピレングリコール:イソホロンジイソシアネート=5:6のモル比で混合し、錫化合物の触媒存在下で、70℃で反応させてプレポリマーを得た。
得られたプレポリマーと、2−ヒドロキシエチルアクリレートとを、プレポリマー:2−ヒドロキシエチルアクリレート=ほぼ1:2のモル比で加えて70℃で反応させることによって、ウレタンアクリレートポリマー(以下、UA−1と記す。)を得た。
UA−1の1分子あたりの硬化性基数は2であり、数平均分子量は約24000であり、25℃における粘度は約830Pa・sであった。
〔製造例2:光硬化性樹脂組成物D1の製造〕
UA−1の50質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業製、4HBA)の20質量部、n−ドデシルアクリレート(共栄社化学製、ライトアクリレートL−A LA)の30質量部を均一に混合し、該混合物の100質量部に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、BASF社製、IRGACURE(登録商標)819)の0.5質量部、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製、DTBHQ)の0.08質量部、n−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤、花王社製、チオカルコール(登録商標)20)の0.5質量部、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5-ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化防止剤、BASF社製、IRGANOX(登録商標)1010)の0.5質量部、及びベンゼンプロパン酸,3−(2H−べンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ− C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル(紫外線吸収剤、BASF社製、Tinuvin(登録商標)384−2)の0.3質量部を均一に溶解させて、組成物PD1を得た。
次に、組成物PD1の60質量部と、非硬化性ポリマー(C−1)の20質量部と、非硬化性ポリマー(C−2)の20質量部とを均一に溶解させて光硬化性樹脂組成物D1を得た。
非硬化性ポリマー(C−1)としては、UA−1の合成時に用いたものと同一の、分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)を用いた。
非硬化性ポリマー(C−2)としては、分子末端をエチレンオキシドで変性した3官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:6200)を用いた。
光硬化性樹脂組成物D1の25℃における粘度は3204mPa・sであった。
<剥離性評価>
5枚の評価用積層体を使用して、評価用積層体の剥離を行い、評価用積層体のガラスが1枚も破損しなかった場合を「良好」、1枚以上破損した場合を「不良」とした。結果を表1に示した。
<糸の耐久性評価>
上記剥離性評価の際、一度も糸が切れなかった場合を「良好」、途中で1度でも糸が切れた場合を「不良」とした。結果を表1に示した。
〔実施例1〕
<両面粘着シートの作製>
長さ150mm、幅150mm、厚さ125μmのセパレータ(離型剤が塗布されたPETフィルム)上に、中心部をくりぬいた厚さ1mmのシリコーンシートを載せ、光硬化性樹脂組成物D1をバーコートにて塗布した。この上に長さ150mm、幅150mm、 厚さ75μmのセパレータ(離型剤が塗布されたPETフィルム)をのせて積層体とし、この積層体に対して水銀ランプにて露光を行い、光硬化性樹脂組成物D1を硬化させて粘着層とした。硬化後の積層体を90×90mmのサイズにくり抜き、両面粘着シートとした。露光強度は150mW、積算光量は1500mJ/cmとした。この両面粘着シートが有する粘着層の厚さはシリコーンシートの厚さに等しい。
粘着層の貯蔵弾性率G’は12kPa、ゲル分率は36%、溶剤膨潤度は29倍、水膨潤度は3倍であった。
<評価用積層体の作製>
上記両面粘着シートのセパレータの一方を剥離し、露出した粘着層(90×90mm、厚さ1mm)を、ガラス(100×100mm、厚さ2mm、ソーダライムガラス、旭硝子製ASガラス)の中央部に真空積層した。次に他方のセパレータを剥離し、露出した粘着層の上に別のガラス(100×100mm、厚さ2mm、ソーダライムガラス、旭硝子製ASガラス)を真空積層し、評価用積層体とした。
<糸>
糸として、太さ0.8mm、吸水率111.4%の綿糸(撚糸)を用意した。
吸水率は、前記の吸液率の測定方法において液体が水である場合の吸液率である(以下同様)。
<評価用積層体の剥離>
水を張った容器を用意し、容器内の水に上記の糸をくぐらせた。この糸を、評価用積層体の4隅の角の1つから、ガラスと粘着層との界面に挿入し、一方向にスライドさせて、ガラスを剥離した。
この試験を、5枚の評価用積層体について行った。
〔実施例2〕
糸を太さ0.1mm、吸水率111.4%の綿糸(撚糸)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
〔実施例3〕
両面粘着シートとして、90×90mmで厚さ1mmのシリコーンの両面粘着シート(タイカ社製 αGEL(登録商標)(型番)N100UK)を用いて評価用積層体を作製した。そのこと以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
実施例3における粘着層の貯蔵弾性率G’は15kPa、溶剤膨潤度は3倍、水膨潤度は1倍であった。
〔実施例4〕
粘着層の厚さを0.5mmとし、糸を太さ0.4mm、吸水率85.7%のポリエチレン糸(撚糸)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
〔比較例1〕
糸を、太さ0.3mm、吸水率4.7%の純ニッケルワイヤーに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
〔比較例2〕
糸を太さ0.5mmの綿糸(撚糸)に変更し、上記剥離性評価の際、糸を水にくぐらせなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
Figure 2018203809
表1中、粘着剤種は、粘着層の形成に用いた材料を示す。
上記結果に示すとおり、実施例1〜4においては、面材を良好に剥離できた。
糸の吸液率が10%未満の比較例1、糸に液体を吸収させなかった比較例2では、剥離性が不良で、剥離の際に面材の破損が見られた。
1 積層体
1a,1b 界面
3 糸
5 器具
10 表示装置(面材)
20 透明面材(面材)
30 粘着層

Claims (10)

  1. 粘着層と、前記粘着層を介して積層した一対の面材とを備える積層体の、前記一対の面材同士を剥離する方法であって、
    前記一対の面材のうち一方の面材と前記粘着層との界面に、液体を吸収させた、太さが前記粘着層の厚さ以下で、下記方法で算出される吸液率が10〜200%の糸を通し、前記粘着層から前記一方の面材を剥離する剥離方法。
    吸液率の測定方法:液体を吸収させる前の糸を乾燥させ、その質量を初期質量とする。この糸を、25℃の条件下、液体中に1時間くぐらせ、その後、糸を乾燥させ、その質量を乾燥後質量とする。前記乾燥後質量から前記初期質量を減算した値を吸液量とし、以下の式により吸液率(%)を算出する。
    吸液率(%)=吸液量(g)/乾燥後質量(g)×100
  2. 前記界面に前記糸を通す期間にも、前記糸に液体を供給する請求項1に記載の剥離方法。
  3. 前記界面に前記糸を通す期間に、前記面材と前記粘着層との間の前記糸が通った部分に液体を供給する請求項1又は2に記載の剥離方法。
  4. 前記糸を、前記面材と前記粘着層との界面に沿って移動させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の剥離方法。
  5. 前記粘着層の25℃、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’が5×10〜1×10Paである請求項1〜4のいずれか一項に記載の剥離方法。
  6. 前記粘着層の厚さが0.2mm以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載の剥離方法。
  7. 前記粘着層の下記方法で算出されるトルエンによる膨潤度が質量比で1〜80倍である請求項1〜6のいずれか一項に記載の剥離方法。
    トルエンによる膨潤度の算出方法:粘着層をトルエンに2日間浸漬した後、トルエンを含んだ粘着層の質量(質量B)を測定する。トルエンを含んだゲル状の粘着層を乾燥させた後、質量(質量C)を測定する。質量Bと質量Cとの質量比(B/C)から膨潤度を算出する。
  8. 前記粘着層の下記方法で算出される水による膨潤度が質量比で1〜20倍である請求項1〜7のいずれか一項に記載の剥離方法。
    水による膨潤度の算出方法:粘着層を水に2日間浸漬した後、水を含んだ粘着層の質量(質量B´)を測定する。水を含んだゲル状の粘着層を乾燥させた後、質量(質量C´)を測定する。質量B´と質量C´との質量比(B´/C´)から膨潤度を算出する。
  9. 前記一対の面材の少なくとも一方が透明面材である請求項1〜8のいずれか一項に記載の剥離方法。
  10. 前記透明面材がガラスである請求項9に記載の剥離方法。
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