JP6024505B2 - 硬化性樹脂組成物、粘着層付き透明面材および積層体 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、粘着層付き透明面材および積層体 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、粘着層付き透明面材および積層体に関する。
一対の面材の間に粘着層を有する積層体の使われ方として、表示パネルの表面に粘着層を介して保護板を貼り合わせた表示装置が知られている。該積層体の製造方法としては、保護板となる面材の表面に粘着層が形成された粘着層付き透明面材を予め製造しておき、該粘着層付き透明面材と、表示パネルとなる面材とを、粘着層が表示パネルに接するように貼合する方法が挙げられる。
前記粘着層付き透明面材および積層体の粘着層としては、面材の表面に沿って広がる層状部と、前記層状部の周縁を囲む堰状部とを有し、前記層状部が、硬化性化合物と非硬化性オリゴマーとを含む硬化性樹脂組成物の硬化物からなるものが知られている(特許文献1、2参照)。
例えば、表示パネルと、予め製造しておいた粘着層付き透明面材との貼合方法としては、減圧雰囲気下にて表示パネルと粘着層付き透明面材とを貼合した後、これを大気圧雰囲気下に戻す方法がある。減圧雰囲気下で表示パネルと粘着層付き透明面材とを貼合した際には、表示パネルと粘着層との界面に空隙が生じる。しかし、貼合した表示パネルと粘着層付き透明面材とを大気圧雰囲気下に戻した際に、該空隙内の圧力(減圧のまま)と粘着層にかかる圧力(大気圧)との差圧によって、該空隙の体積が減少し、空隙は消失する。
その他の積層体を得る方法として、面材上に粘着層となる未硬化の樹脂組成物を塗布した後に続けて表示パネルとなる面材を積層し、粘着層を硬化して積層体を得る方法もある。
層状部を形成する硬化性樹脂組成物に、硬化反応に関与しない非硬化性オリゴマーを含有させると、非硬化性オリゴマーが含まれていない場合に比べて形成される層状部の流動性が高くなる。そのため、層状部を形成する硬化物が空隙へと流動しやすく、貼合の際に粘着層と表示パネルとの界面に生じた空隙は短時間で消失する。
また、非硬化性オリゴマーが含まれていることで粘着層の層状部は低弾性となる。そのため、前記粘着層と貼合した表示パネルにかかる応力は小さく、表示装置の表示ムラが抑制される。
国際公開第2011/158839号 国際公開第2012/077726号
しかし、積層体または粘着層付き透明面材の粘着層形成後において、室温または高温環境下で所定時間経過すると、層状部と堰状部の境界領域にあたる粘着層箇所にて、貼合した表示パネルと粘着層との界面に空隙が発生し、残存する等の接合不良の課題があった。
本発明は、面材にかかる硬化収縮による応力を低減でき、粘着層形成後において所定の時間経過しても、貼合した表示パネル等の面材と粘着層との界面に空隙が残存する等の接合不良が発生し難い粘着層付き透明面材および積層体を形成できる、層状部を形成するための硬化性樹脂組成物を提供する。また、本発明は、該硬化性樹脂組成物を用いて形成した粘着層付き透明面材および積層体を提供する。
本発明者等が前記接合不良の問題について詳細に検討したところ、以下のことが要因であることが判明した。具体的には、層状部と堰状部とを形成する粘着層間での非硬化性オリゴマーの濃度差により、経時的に層状部から堰状部へと非硬化性オリゴマーが拡散移動していた。その結果、層状部と堰状部との界面において、堰状部の体積が増加膨張する一方、層状部の体積が減少収縮し、層状部表面が凹に、堰状部表面が凸に変形して粘着層表面に段差が発生する。その結果、表示パネル等の面材との貼合時に粘着層と表示パネルとの界面において、層状部と堰状部の界面に当たる部分に空隙が発生し残存する等の接合不良が引き起こされていた。
本発明等はさらに検討を重ね、層状部を形成する硬化性樹脂組成物として、硬化性官能基の平均数が0.5〜1のオリゴマー(C)を含む硬化性樹脂組成物を用いることで、非硬化性オリゴマーと同様の効果を得つつ、粘着層形成後に所定の時間を経過した場合でも貼合した粘着層と面材との界面に空隙が発生することを抑制できることを見い出した。
本発明の硬化性樹脂組成物は、一対の面材を貼り合わせる粘着層であり、かつ面材の表面に沿って広がる層状部と、前記層状部の周縁を囲む堰状部とを有する粘着層における層状部を形成するための硬化性樹脂組成物であって、下記オリゴマー(A)、下記モノマー(B)および下記オリゴマー(C)を含有し、オリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)の合計(100質量%)に対して、オリゴマー(A)が6〜80質量%、モノマー(B)が3〜70質量%、オリゴマー(C)が10〜70質量%である
オリゴマー(A):数平均分子量が1,000〜100,000、ラジカル重合性の不飽和結合を有する硬化性官能基の平均数が1.8〜4のオリゴマー。
モノマー(B):分子量が125〜600、ラジカル重合性の不飽和結合を有する硬化性官能基の数が1〜3であるモノマーの少なくとも1種からなり、少なくとも1種の、水酸基を有するモノマー(B1)を含むモノマー。
オリゴマー(C):数平均分子量が1,000〜20,000、ラジカル重合性の不飽和結合を有する硬化性官能基の平均数が0.5〜1のオリゴマー。
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに光重合開始剤(E1)を含有することが好ましい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに下記非硬化性オリゴマー(D)を含有することが好ましい。
非硬化性オリゴマー(D):硬化時に前記オリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)と硬化反応せず、かつ水酸基を有し、水酸基当たりの分子量が400〜8,000であるオリゴマー。
また、前記オリゴマー(C)と前記非硬化性オリゴマー(D)の合計(100質量%)に対する前記オリゴマー(C)の割合は、50〜100質量%であることが好ましい。
また、前記硬化性官能基は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることが好ましい。
また、前記オリゴマー(A)が、ポリオールとポリイソシアネートを反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、該プレポリマーのイソシアネート基に、下記モノマー(a1)を反応させて得られるウレタンアクリレートオリゴマーであり、かつ前記オリゴマー(C)がモノオールとポリイソシアネートとを反応させて片末端にのみイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、該プレポリマーのイソシアネート基に、下記モノマー(c1)を反応させて得られるオリゴマーであることが好ましい。
モノマー(a1):分子量が125〜600で、アクリロイルオキシ基を1個以上有し、かつイソシアネート基と反応する基を1個有するモノマー。
モノマー(c1):分子量が125〜600で、アクリロイルオキシ基を1個以上有し、かつイソシアネート基と反応する基を1個有するモノマー。
本発明の粘着層付き透明面材は、透明面材と、該透明面材の表面に設けられた粘着層と、を有し、前記粘着層が、透明面材の表面に沿って広がる層状部と、前記層状部の周縁を囲む堰状部とを有し、前記層状部が本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
本発明の積層体は、一対の面材と、それら面材の間に向き合う2つの面に接するように設けられた粘着層と、を有し、前記粘着層が、面材の表面に沿って広がる層状部と、前記層状部の周縁を囲む堰状部とを有し、前記層状部が本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
本発明の硬化性樹脂組成物および得られる粘着層付き透明面材または積層体は、面材にかかる応力を低減でき、粘着層形成後において所定の時間経過しても貼合した表示パネル等の面材と粘着層との界面に空隙が残存する等の接合不良が発生し難い。
本発明の粘着層付き透明面材の一例を示す断面図である。
本明細書において、「透明」とは、面材と表示パネルの表示面とを粘着層を介して、空隙なく貼合した後に、表示パネルの表示画像の全体または一部が光学的な歪を受けることなく面材を通して視認できる様態を意味する。したがって、表示パネルから面材に入射する光の一部が面材により吸収、反射されたり、または光学的な位相の変化等によって、面材の可視線透過率が低いものであっても、面材を通して光学的な歪なく表示パネルの表示画像を視認することができるものであれば、「透明」であるということができる。
また、「硬化性官能基」とは、ラジカル重合性の不飽和結合を有する官能基を意味する。また、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの総称を意味する。
また、オリゴマーの硬化性官能基の平均数は、オリゴマー1モルにおける1分子あたりの硬化性官能基の平均数を意味する。オリゴマーの硬化性官能基の平均数は、オリゴマーの製造時の原料の配合から計算される。
本発明におけるオリゴマーの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の測定によって得られた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。なお、GPCの測定において、未反応の低分子量成分(モノマー等。)のピークが現れる場合は、該ピークを除外して数平均分子量を求める。
≪硬化性樹脂組成物≫
本発明の硬化性樹脂組成物は、一対の面材を貼り合わせる、面材の表面に沿って広がる層状部と、前記層状部の周縁を囲む堰状部とを有する粘着層の層状部を形成するための硬化性樹脂組成物である。以下、層状部を形成するための硬化性樹脂組成物を第一組成物、堰状部を形成するための硬化性樹脂組成物を第二組成物と記す。
本発明における第一組成物は、後述するオリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)を必須成分とする組成物である。
第一組成物は、光硬化性樹脂組成物であってもよく、熱硬化性樹脂組成物であってもよい。第一組成物としては、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、光重合開始剤(E1)がさらに配合された光硬化性樹脂組成物であることが好ましい。また、第一組成物が光硬化性樹脂組成物であれば、硬化には高い温度を必要としないことから、高温による表示パネル等の損傷のおそれも少ない。
また、第一組成物は、さらに非硬化性オリゴマー(D)が配合されていることが好ましい。また、第一組成物は、必要に応じて、添加剤が配合されていてもよい。
(オリゴマー(A))
オリゴマー(A)は、数平均分子量が1,000〜100,000、硬化性官能基の平均数が1.8〜4のオリゴマーである。
オリゴマー(A)は、1分子中における硬化性官能基の数が2個以上4個以下のものが好ましいが、オリゴマー(A)の製造工程において目的の硬化性官能基数のオリゴマー以外の副生成物が生じることがある。該副生成物も含むものとして、オリゴマー(A)の硬化性官能基数は1.8〜4である。
オリゴマー(A)の数平均分子量は、1,000〜100,000であり、10,000〜70,000が好ましい。オリゴマー(A)の数平均分子量が上記範囲であれば、第一組成物の粘度を前記範囲に調整しやすく、気泡残りのない硬化膜を得やすい。
オリゴマー(A)の硬化性官能基としては、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が好ましく、アクリロイルオキシ基が特に好ましい。
オリゴマー(A)の硬化性官能基の平均数は、第一組成物の硬化性、層状部の機械的特性の点から、1.8〜4であり、1.8〜3が好ましい。
オリゴマー(A)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
オリゴマー(A)としては、ウレタンオリゴマーが好ましく、下記のオリゴマー(A1)が特に好ましい。
オリゴマー(A1):ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、該プレポリマーのイソシアネート基に、下記モノマー(a1)を反応させて得られるウレタンアクリレートオリゴマー。
モノマー(a1):分子量が125〜600で、アクリロイルオキシ基を1個以上有し、かつイソシアネート基と反応する基を1個有するモノマー。
モノマー(a1)としては、活性水素を有する基(水酸基、アミノ基等。)およびアクリロイルオキシ基を有するモノマーが挙げられる。
モノマー(a1)の具体例としては、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレート(2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等。)等が挙げられる。
前記プレポリマーに反応させるモノマー(a1)としては、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレートが好ましい。
ポリオールおよびポリイソシアネートとしては、公知の化合物を使用でき、例えば、国際公開第2009/016943号に記載のウレタン系オリゴマー(a)の原料として記載された、ポリオール(i)、ジイソシアネート(ii)等が挙げられる。すなわち、1分子あたり平均1.8〜4個の水酸基を有するポリオール(i)と、無黄変性のジイソシアネート(ii)とが挙げられる。
硬化性官能基の平均数が上記範囲のオリゴマー(A)は、オリゴマー(A)の製造時の原料配合比を調節することにより得られる。例えば、オリゴマー(A1)の場合、次の方法で得ることができる。
(i)平均で1.8〜2個の硬化性官能基を有するオリゴマー(A1)の場合
平均で1.8〜2官能のポリオールと2官能のポリイソシアネートとを反応させて末端にイソシアネート基を平均で1.8〜2個有するプレポリマーを得た後、1分子中に硬化性官能基と水酸基をそれぞれ1個有するモノマー(a11)をイソシアネート基/水酸基のモル数の比が1/1となるように反応させる方法。
(ii)平均で2〜4個の硬化性官能基を有するオリゴマー(A1)の場合
平均で2官能のポリオールと2官能のポリイソシアネートとを反応させて末端にイソシアネート基を平均で2個有するプレポリマーを得た後、1分子中に水酸基を1個、硬化性官能基を1個以上有するモノマー(a12)をイソシアネート基/水酸基のモル数の比が1/1、硬化性官能基が平均で2〜4個となるように反応させる方法。
ポリオールの具体例としては、ポリオキシアルキレンポリオール(ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオール等。)、ポリエステルポリオール、ポリカードネートポリオール等が挙げられる。これらの中でも、ポリオールとしては、ポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、ポリオキシプロピレンポリオールがより好ましい。また、オキシプロピレン基とオキシエチレン基を含むオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンポリオールを用いれば、第一組成物の他の成分との相溶性を高めることができ、さらに好ましい。また、ポリオキシアルキレンポリオールであれば、低温域においても柔軟性の高い硬化物が得られやすく、特にオキシエチレン基とオキシプロピレン基から構成されるポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。
ポリオールは、1種でもよく、2種類以上でもよい。
ポリイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートおよび無黄変性芳香族ジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等が挙げられる。
無黄変性芳香族ジイソシアネートとしてはキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネートは、1種でもよく、2種類以上でもよい。
第一組成物中におけるオリゴマー(A)とモノマー(B)との合計(100質量%)に対するオリゴマー(A)の割合は、20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。該オリゴマー(A)の割合が下限値以上であれば、層状部の耐熱性が良好となる。該オリゴマー(A)の割合が上限値以下であれば、第一組成物の硬化性、および面材と層状部との密着性が良好となる。
(モノマー(B))
モノマー(B)は、分子量が125〜600、硬化性官能基の数が1〜3であるモノマーの少なくとも1種からなり、少なくとも1種の、水酸基を有するモノマー(B1)を含むモノマーである。モノマー(B1)を含有させることで、面材と層状部との良好な密着性が得られる。
第一組成物の硬化物からなる層状部内には、モノマー(B)に由来する水酸基が残存する。かかる水酸基の存在は、第一組成物に後述する非硬化性オリゴマー(D)を配合する場合に、層状部中における非硬化性オリゴマー(D)の分散安定化に寄与する。
モノマー(B)の分子量は、125〜600であり、140〜400が好ましい。モノマー(B)の分子量が小さいほど、面材と層状部との密着性が良好となる。モノマー(B)の分子量が下限値以上であれば、後述の方法によって粘着層付き透明面材または積層体を製造する際のモノマー(B)の揮発が抑えられる。
モノマー(B)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
モノマー(B)の硬化性官能基の数は、1〜3であり、1〜2が好ましい。モノマー(B)としては、硬化性官能基が1個のモノマーと、硬化性官能基が2個以上のモノマーとを併用することが好ましい。
モノマー(B)の硬化性官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。モノマー(B)の硬化性官能基としては、硬化速度が速い点および透明性の高い層状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が好ましく、オリゴマー(A)とモノマー(B)との硬化性官能基の反応性の差が小さくなり、均質な層状部を得る点から、メタクリロイルオキシ基が特に好ましい。
モノマー(B1)が有する水酸基数は、1または2個が好ましい。
水酸基を1個有するモノマー(B1)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
水酸基を2個有するモノマー(B1)としては、グリセリンモノメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート等が挙げられる。
モノマー(B1)としては、水酸基数1〜2、炭素数3〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシメタクリレート(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等。)が好ましく、2−ヒドロキシブチルメタクリレートが特に好ましい。
モノマー(B1)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物はさらに、下記モノマー(B2)を含んでもよい。
モノマー(B2):硬化性官能基を1〜3個有し、分子量125〜600で、水酸基を有さないモノマー。
モノマー(B2)としては、下記モノマー(B21)が好ましい。質量比でモノマー(B1)の含有量よりもモノマー(B21)の含有量が多いと、減圧雰囲気下にて表示パネル等の被貼合面材と粘着層付き透明面材とを貼合した後、これを大気圧雰囲気下に戻した際に、粘着層に生じた空隙が消失するまでの時間が短くなる傾向にある。一方、モノマー(B21)を含有させると、第一組成物の硬化に要する時間が長くなる傾向にある。
モノマー(B21):水酸基を有さず、炭素数8〜22のアルキル基を有するアルキルメタクリレート。
モノマー(B21)としては、n−ドデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、n−ベヘニルメタクリレート等が挙げられる。モノマー(B21)としては、n−ドデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレートが好ましい。
モノマー(B2)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
第一組成物中におけるオリゴマー(A)とモノマー(B)の合計(100質量%)に対する、モノマー(B)の割合は、10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。
第一組成物中におけるオリゴマー(A)とモノマー(B)の合計(100質量%)に対する、モノマー(B1)の割合は、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。前記モノマー(B1)の割合が下限値以上であれば、第一組成物の貯蔵安定性、および面材と層状部との密着性が良好になる。
第一組成物物中におけるオリゴマー(A)とモノマー(B)の合計(100質量%)に対する、モノマー(B2)の割合は、10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。前記モノマー(B2)の割合が下限値以上であれば、モノマー(B2)の添加効果が充分に得られやすい。
なお、オリゴマー(A1)の合成において、プレポリマーのイソシアネート基と反応したモノマー(a1)は、オリゴマー(A)の一部として存在するため、第一組成物におけるモノマー(B)の割合には含まない。一方、オリゴマー(A1)の合成において、オリゴマー(A1)の合成時または合成後に希釈剤として必要に応じて添加するモノマー(プレポリマーと反応しないもの。)が、モノマー(B)に該当する場合は、当該モノマーも第一組成物におけるモノマー(B)の割合に含める。
オリゴマー(C)の合成で用いるモノマーの扱いについても同様である。
(オリゴマー(C))
オリゴマー(C)は、数平均分子量が1,000〜20,000、硬化性官能基の平均数が0.5〜1のオリゴマーである。
オリゴマー(C)の数平均分子量は、1,000〜20,000であり、2,000〜10,000が好ましい。オリゴマー(C)の数平均分子量が該範囲であれば、第一組成物の粘度を前記範囲に調整しやすい。
オリゴマー(C)の第一組成物への配合は、表示パネル等との貼合の際に粘着層と表示パネル等との界面に生じる空隙消失にかかる時間の短縮や、粘着層付き透明面材と表示パネルの積層体である表示装置の表示ムラ抑制に寄与する。
オリゴマー(C)が有する硬化性官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。オリゴマー(C)の硬化性官能基としては、硬化速度が速い点および透明性の高い層状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が好ましく、オリゴマー(C)とモノマー(B)との硬化性官能基の反応性の差が小さくなり、均質な層状部を得る点から、アクリロイルオキシ基が特に好ましい。
オリゴマー(C)の硬化性官能基の平均数は、第一組成物の硬化性、層状部の機械的特性の点から、0.5〜1であり、0.7〜1が好ましい。硬化性官能基の数が1を超えると架橋性を有するオリゴマーとなり、硬化性樹脂組成物の硬化物の弾性率が上がりやすくなるため粘着層と貼合した表示パネルにかかる応力が大きく、表示装置の表示ムラが出やすくなる。また層状部の流動性が失われ、貼合の際に粘着層と表示パネルとの界面に生じた空隙が残存しやすい。従って、1を超える反応生成物が含まれないようにオリゴマー(C)の製造時の原料を選択することが好ましい。
オリゴマー(C)としては、下記オリゴマー(C1)が好ましい。
オリゴマー(C1):モノオールとポリイソシアネートとを反応させて片末端にのみイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、該プレポリマーのイソシアネート基に、下記モノマー(c1)を反応させて得られる、硬化性官能基の平均数が0.5〜1のポリウレタンモノアクリレートオリゴマー。
モノマー(c1):分子量が125〜600で、アクリロイルオキシ基を1個以上有し、かつイソシアネート基と反応する基を1個有するモノマー。
オリゴマー(C)の硬化性官能基の平均数は、オリゴマー(C)の製造時の原料配合比を調整することにより0.5〜1に制御できる。
例えば、以下の方法により製造できる。
(iii)モノオールとジイソシアネートとを、イソシアネート基/水酸基のモル数の比が1.0〜2.0となる割合で反応させて、1分子中に平均で0.5〜1.0個のイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、該プレポリマーのイソシアネート基と、アクリロイルオキシ基を1個有するモノマー(c11)とをイソシアネート基/イソシアネート基と反応する基とのモル数の比が1/1となるように反応させる方法。
(iv)モノオールと、1分子中にアクリロイルオキシ基とイソシアネート基をそれぞれ1個ずつ有する化合物とをイソシアネート基/水酸基のモル数の比が0.5〜1.0となる割合で反応させて、アクリロイルオキシ基を1分子中に平均で0.5〜1.0個有する化合物を得る方法。
オリゴマー(C)に用いる前記ポリオールおよびポリイソシアネートは、前記したオリゴマー(A1)で挙げたものと同じものが挙げられ、好ましい態様も同じである。また、モノマー(c1)は、前記したモノマー(a1)と同じものが挙げられ、好ましい態様も同じである。
オリゴマー(C)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
本発明では、硬化前の第一組成物の混合状態を安定にし、硬化後の層状部からオリゴマー(C)が分離することを抑える点から、オリゴマー(A)とオリゴマー(C)とが、同一構造または類似構造の分子鎖を有することが好ましい。本発明では、オリゴマー(A)がオリゴマー(A1)で、かつオリゴマー(C)がオリゴマー(C1)であることがより好ましい。
第一組成物(100質量%)中のオリゴマー(C)の割合は、10〜70質量%が好ましい。該オリゴマー(C)の割合が下限値以上であれば、層状部と面材との間に空隙が残存し難くなる。該オリゴマー(C)の割合が上限値以下であれば、第一組成物の硬化性、および面材と層状部との密着性が良好となる。
(非硬化性オリゴマー(D))
非硬化性オリゴマー(D)は、硬化時にオリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)と硬化反応せず、かつ水酸基を有し、水酸基当たりの分子量が400〜8,000のオリゴマーである。
非硬化性オリゴマー(D)を第一組成物に含ませると、第一組成物の流動性が高まり、層状部の弾性率が低減される。そのため非硬化性オリゴマー(D)は、減圧雰囲気下で粘着層付き透明面材と被貼合面材とを貼合した後に大気圧雰囲気下に戻した際の、被貼合面材と粘着層との界面に生じた空隙が消失するのに必要な時間の短縮に寄与する。また、非硬化性オリゴマー(D)は、面材上に第一組成物を塗布して未硬化の層状部を形成し、続けて減圧雰囲気下で該未硬化の層状部上にさらに面材を積層して大気圧雰囲気下に戻し、未硬化の層状部を硬化した際に面材にかかる応力を抑制できる。非硬化性オリゴマー(D)は、少量で前記効果を得られやすいが、層状部とした時に、堰状部への拡散が起こるため、層状部と堰状部との界面における変形(段差)発生による液晶ディスプレイとの貼合時の空隙発生または残存の要因となるおそれがあるため、後述する量の範囲で用いることが好ましい。
非硬化性オリゴマー(D)の平均水酸基数は、0.8〜3が好ましく、1.8〜2.3個がより好ましい。
非硬化性オリゴマー(D)の水酸基1個当たりの数平均分子量は、400〜8,000である。水酸基1個当たりの数平均分子量が400以上であれば、非硬化性オリゴマー(D)の極性が高くなりすぎず、オリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)との良好な相溶性が得られやすい。水酸基1個当たりの数平均分子量が8,000以下であれば、モノマー(B1)に由来する水酸基と、非硬化性オリゴマー(D)の水酸基との間の相互作用によって、硬化後の層状部中で非硬化性オリゴマー(D)を分散安定化させる効果が得られやすい。かかる相互作用には、水素結合が関与すると推測される。
非硬化性オリゴマー(D)は、1種でもよく、2種類以上でもよい。
非硬化性オリゴマー(D)としては、高分子量のポリオール等が挙げられる。非硬化性オリゴマー(D)としては、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが好ましい。また、オリゴマー(A)が、ポリオキシアルキレンポリオールを原料として用いるウレタンアクリレートである場合、非硬化性オリゴマー(D)は、相溶性がより良くなるためポリオキシアルキレンポリオールがより好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレンジオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基1個当たりの数平均分子量は400〜8,000であり、600〜5,000が好ましい。
非硬化性オリゴマー(D)の数平均分子量は、JIS K 1557−1(2007年版)に準拠して測定した水酸基価P(mgKOH/g)と、非硬化性オリゴマー(D)1分子当たりの平均水酸基数Qより、下式(1)にて算出した値である。
非硬化性オリゴマー(D)の分子量=56.1×Q×1000/P ・・・(1)
硬化後の層状部の弾性率がより低くなりやすい点で、非硬化性オリゴマー(D)としてポリオキシアルキレンポリオールを用いることが好ましく、特にポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。また、非硬化性オリゴマー(D)としては、オキシプロピレン基とオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオールを用いてもよい。
また、本発明では、硬化前の第一組成物の混合状態を安定にし、硬化後の層状部から非硬化性オリゴマー(D)が分離することを抑える点から、オリゴマー(A)またはオリゴマー(C)と非硬化性オリゴマー(D)とが、同一構造または類似構造の分子鎖を有することが好ましい。
具体的には、第一組成物中のオリゴマー(A)またはオリゴマー(C)の原料として、水酸基を有する化合物(以下、「水酸基含有化合物」と記す。)を用いると共に、同じ水酸基含有化合物を非硬化性オリゴマー(D)として用いることが好ましい。
第一組成物では、オリゴマー(A)またはオリゴマー(C)が、ポリオキシアルキレンポリオールおよびポリイソシアネートを原料に用いて合成されたウレタンアクリレートオリゴマーであり、非硬化性オリゴマー(D)がポリオキシアルキレンポリオールであることが相溶性の点で特に好ましい。
オリゴマー(A)またはオリゴマー(C)の原料として用いる水酸基含有化合物と、非硬化性オリゴマー(D)として用いる水酸基含有化合物が同一でない場合でも、それら水酸基含有化合物は、互いに分子鎖が共通の繰り返し単位を有する等、部分的に共通の構造を有し、極性が同程度であることが好ましい。オリゴマー(A)とオリゴマー(C)と非硬化性オリゴマー(D)とが同一の分子構造を部分的にでも有していれば、組成物中の非硬化性オリゴマー(D)の相溶性がより高まる。
水酸基含有化合物の極性の調整方法としては、例えば、極性基を導入する方法、オキシプロピレン基とオキシエチレン基とを含むオキシアルキレン基を有する水酸基含有化合物とする方法が挙げられる。極性基を導入すれば水酸基含有化合物の極性が上がる。また、オキシプロピレン基とオキシエチレン基とを含むオキシアルキレン基を有する水酸基含有化合物とすれば、水酸基含有化合物の極性が上がる。これらの方法は組み合わせて用いてもよい。
オリゴマー(A)またはオリゴマー(C)の原料として用いる水酸基含有化合物と、非硬化性オリゴマー(D)として用いる水酸基含有化合物が同一でない場合の好ましい組み合わせとしては、以下の組み合わせが挙げられる。
オリゴマー(A)またはオリゴマー(C)が、オキシプロピレン基の一部をオキシエチレン基で置換したポリオキシプロピレンポリオールと、ポリイソシアネートとを原料に用いて合成されたウレタンアクリレートオリゴマーであり、非硬化性オリゴマー(D)が、オキシエチレン基を有しないポリオキシプロピレンポリオールであって、水酸基1個当たりの分子量がオリゴマー(A)として用いるポリオールよりも小さいポリオキシプロピレンポリオールである組み合わせ。
第一組成物に含まれるオリゴマー(A)とオリゴマー(C)と非硬化性オリゴマー(D)の組み合わせとしては、下記オリゴマー(A11)とオリゴマー(C11)と下記非硬化性オリゴマー(D1)の組み合わせが最も好ましい。
オリゴマー(A11):オキシプロピレン基とオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンジオールと、ポリイソシアネートとを反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、前記モノマー(a1)と反応させて得られるポリウレタンアクリレートオリゴマー。
オリゴマー(C11):オキシプロピレン基とオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンモノオールと、ポリイソシアネートとを反応させて片末端にのみイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、前記モノマー(c1)とを反応させて得られるポリウレタンモノアクリレートオリゴマー。
非硬化性オリゴマー(D1):オリゴマー(A11)の原料と同じ、オキシプロピレン基とオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンジオール。
また、第一組成物に含まれるオリゴマー(A)と非硬化性オリゴマー(D)の組み合わせとしては、前記オリゴマー(A11)と前記オリゴマー(C11)と下記非硬化性オリゴマー(D2)の組み合わせも好ましい。
非硬化性オリゴマー(D2):オキシプロピレン基を有するポリオキシプロピレンジオールであって、オリゴマー(A11)の原料のポリオキシプロピレンジオールよりも分子量が小さいポリオキシプロピレンジオール。
非硬化性オリゴマー(D)を用いる場合、第一組成物(100質量%)中の非硬化性オリゴマー(D)の含有量は、1〜35質量%が好ましい。非硬化性オリゴマー(D)の含有量が下限値以上であれば、粘着層と面材の間に空隙が残存しにくい。非硬化性オリゴマー(D)の含有量が上限値以下であれば、層状部が充分に硬化すれば、硬化後の粘着層から保護フィルムを剥離することが容易になる。
また、非硬化性オリゴマー(D)を用いる場合、第一組成物中におけるオリゴマー(C)と非硬化性オリゴマー(D)の合計(100質量%)に対するオリゴマー(C)の割合は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。前記オリゴマー(C)の割合が前記下限値以上であれば、層状部と面材との間に空隙が発生、また残存することを抑制しやすい。前記オリゴマー(C)の割合の上限値は100質量%である。
また、連鎖移動剤も、面材と粘着層との界面に生じた空隙が消失するまでの時間の短縮に寄与する。
第一組成物が連鎖移動剤を含有せず、モノマー(B1)とモノマー(B2)を含有し、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の質量比が0.6〜2.5である場合、第一組成物(100質量%)中の非硬化性オリゴマー(D)の含有量は、30〜70質量%がより好ましく、40〜70質量%がさらに好ましい。
第一組成物が、オリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)の合計100質量部に対して1質量部以下の連鎖移動剤を含有し、モノマー(B2)の含有量がモノマー(B1)よりも少ない場合、第一組成物(100質量%)中の非硬化性オリゴマー(D)の含有量は、40〜70質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。
第一組成物がモノマー(B1)とモノマー(B2)を含有し、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の質量比が1〜3であり、オリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)の合計100質量部に対して1質量部以下の連鎖移動剤を含有する場合、第一組成物(100質量%)中の非硬化性オリゴマー(D)の含有量は、5〜55質量%がより好ましく、10〜50質量%がさらに好ましく、35〜50質量%が特に好ましい。
また、第一組成物にモノマー(B2)または連鎖移動剤が含まれていると、硬化速度が遅くなる傾向があるため、モノマー(B2)および連鎖移動剤の使用量は少ない方が好ましい。
本発明において、第一組成物は、オリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)の合計(100質量%)に対して、オリゴマー(A)が6〜80質量%、モノマー(B)が3〜70質量%、オリゴマー(C)が10〜70質量%であることが好ましく、オリゴマー(A)が6〜60質量%、モノマー(B)が3〜55質量%、オリゴマー(C)が30〜70質量%であることがより好ましい。
本発明において、第一組成物が非硬化性オリゴマー(D)を含む場合、オリゴマー(A)、モノマー(B)、オリゴマー(C)および非硬化性オリゴマー(D)の合計(100質量%)に対して、オリゴマー(A)が6〜80質量%、モノマー(B)が3〜70質量%、オリゴマー(C)が5〜69質量%、非硬化性オリゴマー(D)が1〜35質量%であることが好ましく、オリゴマー(A)が6〜60質量%、モノマー(B)が3〜55質量%、オリゴマー(C)が15〜69質量%、非硬化性オリゴマー(D)が1〜35質量%であることがより好ましい。
第一組成物の粘度は、0.05〜50Pa・sが好ましく、1〜20Pa・sがより好ましい。第一組成物の粘度が0.05Pa・s以上であれば、後述の製造方法によって層状部を得る際に、積層前まで層状部となる第一組成物の塗布形状が保持され、積層後に大気圧雰囲気下に戻した際に空隙が生じたとしても独立した空隙となりやすく、空隙内の圧力(減圧のまま)と粘着層にかかる圧力(大気圧)との差圧によって空隙の体積が減少し、空隙は消失しやすいため気泡残りのない硬化膜を得ることが出来る。第一組成物の粘度が50Pa・s以下であれば、層状部と面材の間に空隙が残留しにくい。
第一組成物の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定する。
(光重合開始剤(E1))
光重合開始剤(E1)としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインまたはベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤(E1)としては、フォスフィンオキサイド系、チオキサントン系の光重合開始剤が好ましく、光重合反応後に着色を抑える面ではフォスフィンオキサイド系が特に好ましい。
光硬化性の第一組成物における光重合開始剤(E1)の含有量は、オリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
(添加剤)
添加剤としては、重合禁止剤、光硬化促進剤、連鎖移動剤、光安定剤(紫外線吸収剤、ラジカル捕獲剤等。)、酸化防止剤、難燃化剤、接着性向上剤(シランカップリング剤等。)、顔料、染料等が挙げられる。第一組成物に添加する添加剤としては、重合禁止剤、光安定剤が好ましい。特に、重合開始剤より少ない量の重合禁止剤を含ませることによって、第一組成物の貯蔵安定性を改善でき、硬化後の層状部の分子量も調整できる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン系(2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン等。)、カテコール系(p−tert−ブチルカテコール等。)、アンスラキノン系、フェノチアジン系、ヒドロキシトルエン系等の重合禁止剤が挙げられる。
光安定剤としては、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチレート系等。)、ラジカル捕獲剤(ヒンダードアミン系。)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、リン系、イオウ系の化合物等が挙げられる。
第一組成物中の添加剤の含有量は、オリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)の合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
第一組成物の硬化後における層状部の35℃における貯蔵せん断弾性率は、0.5〜100kPaが好ましい。前記貯蔵せん断弾性率の下限値は、0.8kPaがより好ましい。前記貯蔵せん断弾性率の上限値は80kPaがより好ましく、70kPaがさらに好ましい。貯蔵せん断弾性率が上記範囲であれば、被貼合面材と貼合した後、被貼合面材と粘着層との界面において、層状部と堰状部との界面部分に生じる空隙が消失しやすい。また被貼合面材と透明面材とを貼合して得られる積層体において、良好に被貼合面材を固定できる。
層状部の35℃における貯蔵せん断弾性率は、レオメーター(アントンパール(Anton Paar)社製、モジュラーレオメーター Physica MCR−301)を用い、測定スピンドルと透光性の定板の隙間を層状部の厚みと同一として、その隙間に未硬化の第一組成物を配置し、硬化に必要な熱や光を未硬化の第一組成物に加えながら、硬化過程の貯蔵せん断弾性率を測定し、層状部を形成する際の硬化条件における計測値を層状部の貯蔵せん断弾性率とする。
貯蔵せん断弾性率はオリゴマー(C)の配合量によって調整することができ、オリゴマー(C)の量が多ければ貯蔵せん断弾性率は大きくなる。更に、貯蔵せん断弾性率は非硬化性オリゴマー(D)を配合することによっても調整ができる。
≪粘着層付き透明面材≫
図1は、本発明の粘着層付き透明面材の一例を示す断面図である。
粘着層付き透明面材1は、透明面材10(保護板)と、透明面材10の表面の周縁部に形成された遮光印刷部12と、遮光印刷部12が形成された側の透明面材10の表面に形成された粘着層14と、粘着層14の表面を覆う、剥離可能な保護フィルム16(保護材)と、を有する。
粘着層付き透明面材1は、保護フィルム16を剥離した後、表示パネルと貼合することで表示装置を製造できる。
図1では粘着層14が透明面材10の片面に形成されている場合を図示しているが、粘着層は透明面材の両面に形成されていてもよく、その場合にはいずれの粘着層の表面も剥離可能な保護フィルムで覆われる。
<透明面材>
透明面材10は、表示パネルの画像表示側に設けられて表示パネルを保護する保護板であることが好ましい。
透明面材10としては、例えば、ガラス板、透明樹脂板等が挙げられる。透明面材10としては、表示パネルからの出射光や反射光に対して透明性が高い点はもちろん、耐光性、低複屈折性、高い平面精度、耐表面傷付性、高い機械的強度を有する点からも、ガラス板が最も好ましい。また、光硬化性樹脂組成物の硬化のための光を充分に透過させる点でも、透明面材10はガラス板であることが好ましい。
ガラス板の材料としては、ソーダライムガラス等のガラス材料が挙げられる。ガラス板としては、鉄分がより低く、青みの少ない高透過ガラス(白板ガラス)が好ましい。ガラス板としては、安全性を高めるために強化ガラスを用いてもよい。特に薄いガラス板を用いる場合には、化学強化を施したガラス板を用いることが好ましい。
透明樹脂板の材料としては、透明性の高い樹脂材料(ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等。)が挙げられる。
透明面材10には、粘着層14との界面接着力を向上させるために、表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、透明面材10の表面をシランカップリング剤で処理する方法、フレームバーナーによる酸化炎によって酸化ケイ素の薄膜を形成する方法等が挙げられる。
透明面材10には、表示画像のコントラスを高めるために、粘着層14が形成された側とは反対側の表面に反射防止層を設けてもよい。反射防止層を設ける方法としては、透明面材10の表面に無機薄膜を直接形成する方法、反射防止層を設けた透明樹脂フィルムを透明面材10に貼合する方法等が挙げられる。
また、目的に応じて、透明面材10の一部または全体を着色したり、透明面材10の表面の一部または全体を磨りガラス状にして光を散乱させたり、透明面材10の表面の一部または全体に微細な凹凸等を形成して透過光を屈折または反射させたりしてもよい。また、着色フィルム、光散乱フィルム、光屈折フィルム、光反射フィルム等を、透明面材10の表面の一部または全体に貼着してもよい。
透明面材10の形状は、表示装置の外形に合わせる目的で通常矩形である。表示装置の外形によっては、表示パネルの表示面の全面を覆う、外形形状に曲線を含む形状の保護板を用いることもできる。
透明面材10の大きさは、表示装置の外形に合わせて適宜設定すればよい。
透明面材10の厚さは、機械的強度、透明性の点から、ガラス板の場合は通常0.5〜25mmであることが好ましい。屋内で使用するテレビ受像機、PC用ディスプレイ等の用途では、表示装置の軽量化の点から、1〜6mmが好ましく、屋外に設置する公衆表示用途では、3〜20mmが好ましい。化学強化ガラスを用いる場合は、ガラスの厚さは、強度の点で、0.5〜1.5mm程度が好ましい。透明樹脂板の場合は、透明樹脂板の厚さは、2〜10mmが好ましい。
<遮光印刷部>
遮光印刷部12は、後述する表示パネルの画像表示領域以外が透明面材10側から視認できないようにして、表示パネルに接続されている配線部材等を隠蔽するものである。遮光印刷部12は、粘着層14が形成される側またはその反対側の表面に形成できる。遮光印刷部12と画像表示領域との視差を低減する点では、粘着層14が形成される側の表面に遮光印刷部12を形成することが好ましい。透明面材10がガラス板の場合、遮光印刷部12に黒色顔料を含むセラミック印刷を用いると遮光性が高く好ましい。
表示パネルの配線部材等が、表示パネルを観察する側からは視認できない構造であったり、表示装置の筺体等の他の部材により隠蔽される場合、または表示パネル以外の被貼合面材と粘着層付き透明面材1とを貼合する場合には、遮光印刷部12を透明面材10に形成しない場合もある。
<粘着層>
粘着層14は、透明面材10の表面に沿って広がる層状部18と、層状部18の周縁に接してこれを囲む堰状部20と、を有する。
層状部18は、前記した本発明の第一組成物を硬化して形成される硬化物(透明樹脂)からなる部分である。
堰状部20は、後述する第二組成物を塗布し、硬化して形成される硬化物(透明樹脂)からなる部分である。
[層状部]
層状部18としては、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、光重合開始剤(E1)を含む光硬化性樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。
層状部18の厚さは、0.03〜2mmが好ましく、0.1〜0.8mmがより好ましい。層状部18の厚さが下限値以上であれば、透明面材10側からの外力による衝撃等を層状部18が効果的に緩衝して、表示パネル等を保護できる。また、本発明の表示装置の製造方法において、表示パネルと粘着層付き透明面材1との間に層状部18の厚さを超えない異物が混入しても、層状部18の厚さが大きく変化することなく、光透過性能への影響が少ない。層状部18の厚さが上限値以下であれば、層状部18に空隙が残留しにくく、また、表示装置の全体の厚さが必要以上に厚くならない。
[堰状部]
堰状部20を形成する第二組成物は、光硬化性樹脂組成物であってもよく、熱硬化性樹脂組成物であってもよい。堰状部20としては、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および光重合開始剤(E2)を含む光硬化性樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。また、第二組成物が光硬化性樹脂組成物であれば、硬化には高い温度を必要としないことから、高温による表示パネルの損傷のおそれも少ない。
また、層状部の形成に用いる第一組成物と同様の組成の第二組成物を、面材の表面の周縁部に塗布して半硬化させ、後述する工程(X4)または工程(Y4)で硬化される前の堰状部としてもよい。
第二組成物としては、例えばシリコーン樹脂(オルガノポリシロキサン)、ウレタンオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
第二組成物の25℃における粘度は、500〜3000Pa・sが好ましく、800〜2500Pa・sがより好ましく、1000〜2000Pa・sがさらに好ましい。第二組成物の粘度が500Pa・s以上であれば、硬化前の堰状部の形状を比較的長時間維持でき、硬化前の堰状部の高さを充分に維持できる。第二組成物の粘度が3000Pa・sであれば、硬化前の堰状部を塗布によって形成できる。
また、堰状部を形成する第二組成物の塗布時の粘度が500Pa・sより小さい場合であっても、第二組成物が光硬化性樹脂組成物である場合には、塗布の直後に光を照射することで、光照射後の第二組成物の粘度を上述の好ましい範囲とすればよい。塗布の容易さからは、第二組成物の塗布時の粘度が500Pa・s以下である方が好ましく、200Pa・s以下がさらに好ましい。
第二組成物の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定する。
また、透明面材10と表示パネルとの間隔を保持するために、所定の粒子径のスペーサ粒子を第二組成物に配合してもよい。
第二組成物としては、オリゴマー(G)、モノマー(H)および光重合開始剤(E2)を含む組成物が好ましい。
オリゴマー(G)は、硬化性官能基を有し、かつ数平均分子量が30,000〜100,000のオリゴマーである。
モノマー(H)は、硬化性官能基を有し、分子量が125〜600のモノマーである。
オリゴマー(G)およびモノマー(H)が有する硬化性官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。オリゴマー(G)およびモノマー(H)の硬化性官能基としては、硬化速度が速い点および透明性の高い堰状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が好ましい。また、オリゴマー(G)とモノマー(H)との硬化性官能基の反応性の差が小さくなり、均質な層状部を得る点から、オリゴマー(G)が有する硬化性官能基がアクリロイルオキシ基、モノマー(H)が有する硬化性官能基がメタクリロイルオキシ基であることが特に好ましい。
オリゴマー(G)の数平均分子量は、30,000〜100,000であり、40,000〜80,000が好ましく、50,000〜65,000がより好ましい。オリゴマー(G)の数平均分子量が前記範囲内であれば、第二組成物の粘度を前記範囲に調整しやすい。
モノマー(H)の分子量は、125〜600であり、140〜400が好ましく、150〜350がより好ましい。モノマー(H)の分子量が125以上であると、表示装置等の積層体を製造する際のモノマー(H)の揮発が抑えられる。モノマー(H)の分子量が600以下であると、高分子量のオリゴマー(G)に対するモノマー(H)の溶解性を高めることができ、第二組成物としての粘度調整を好適に行える。
オリゴマー(G)の硬化性官能基の平均数は、第一組成物の硬化性、層状部の機械的特性の点から、1.8〜4が好ましい。
オリゴマー(G)としては、ウレタン結合を有するウレタンオリゴマー、ポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン鎖の分子設計等によって硬化後の樹脂の機械的特性、面材との密着性等を幅広く調整できる点から、ポリオールおよびポリイソシアネートを原料に用いて合成されたウレタンオリゴマーが好ましく、後述のオリゴマー(G1)がより好ましい。ポリオールはポリオキシアルキレンポリオールがより好ましい。
(オリゴマー(G1))
数平均分子量が30,000〜100,000の範囲のオリゴマー(G1)は、高粘度となるため、通常の方法では合成が難しく、合成できたとしてもモノマー(H)との混合が難しい。
そのため、オリゴマー(G1)を、モノマー(H)(下記のモノマー(H1)および(H2))を用いる合成方法で合成した後、得られた生成物をそのまま第二組成物として用いる、または得られた生成物をさらにモノマー(H)(下記のモノマー(H1)、モノマー(H3)等)で希釈して第二脂組成物として用いることが好ましい。
モノマー(H1):モノマー(H)のうち、硬化性官能基を有し、かつイソシアネート基と反応する基を有さないモノマー。
モノマー(H2):モノマー(H)のうち、硬化性官能基を有し、かつイソシアネート基と反応する基を有するモノマー。
モノマー(H3):モノマー(H)のうち、硬化性官能基を有し、かつ水酸基を有するモノマー。
オリゴマー(G1)の合成方法:
希釈剤として用いるモノマー(H1)の存在下、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、該プレポリマーのイソシアネート基に、モノマー(H2)を反応させる方法。
ポリオール、ポリイソシアネートとしては、公知の化合物、例えば、国際公開第2009/016943号パンフレットに記載のウレタン系オリゴマー(a)の原料として記載された、ポリオール(i)、ジイソシアネート(ii)等が挙げられる。
ポリオールの具体例としては、第一組成物で例示されたポリオールと同様のものを用いることができる。ポリオールの種類は第一組成物と同じであっても同じでなくてもよいが、同じであることが好ましい。また、オキシプロピレン基とオキシエチレン基を含むオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンポリオールを用いれば、第二組成物の他の成分との相溶性を高めることができ、さらに好ましい。
ポリオールは、1種でもよく、2種類以上でもよい。
ポリイソシアネートとしては、第一組成物で例示されたポリイソシアネートと同様のものを用いることができる。ポリイソシアネートは第一組成物と同一であっても同一でなくてもよいが、同一であることが好ましい。
ポリイソシアネートは、1種でもよく、2種類以上でもよい。
モノマー(H1)としては、炭素数8〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、n−ベヘニル(メタ)アクリレート等。)、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート(イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等。)が挙げられる。
モノマー(H2)としては、活性水素(水酸基、アミノ基等。)および硬化性基を有するモノマーが挙げられる。モノマー(H2)の具体例としては、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等。)等が挙げられる。なかでも、モノマー(H2)としては、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレートが好ましい。
モノマー(H)は、オリゴマー(G1)の合成方法において希釈剤として用いたモノマー(H1)を含んでいてもよい。また、モノマー(H)として、オリゴマー(G1)の合成方法に用いた未反応のモノマー(H2)を含んでいてもよい。
また、モノマー(H)は、面材と堰状部との密着性や後述する各種添加剤の溶解性の点から、モノマー(H3)を含むことが好ましい。
モノマー(H3)としては、水酸基数1〜2、炭素数3〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシメタアクリレート(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等。)が好ましく、2−ヒドロキシブチルメタクリレートが特に好ましい。
第二組成物におけるモノマー(H)の割合は、オリゴマー(G)とモノマー(H)との合計(100質量%)に対して、15〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましく、25〜40質量%がさらに好ましい。モノマー(H)の割合が15質量%以上であれば、第二組成物の硬化性、面材と堰状部との密着性が良好となる。モノマー(H)の割合が50質量%以下であれば、第二組成物の粘度を500Pa・s以上に調整しやすい。
なお、オリゴマー(G1)の合成において、プレポリマーのイソシアネート基と反応したモノマー(H2)は、オリゴマー(G)の一部として存在するため、第二組成物におけるモノマー(H)の含有量に含まれない。一方、オリゴマー(G1)の合成において、希釈剤として用いたモノマー(H1)、およびオリゴマー(G1)を合成した後に添加されたモノマー(H)は第二組成物におけるモノマー(H)の割合に含まれる。
(光重合開始剤(E2))
光硬化性の第二組成物に含まれる光重合開始剤(E2)としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインまたはベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられる。なかでも、光重合開始剤(E2)としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインエーテル系の光重合開始剤が好ましい。短波長の可視光による硬化を行う場合は、吸収波長域の点から、フォスフィンオキサイド系の光重合開始剤がより好ましい。吸収波長域の異なる2種以上の光重合開始剤(E2)を併用することによって、硬化時間をさらに速めたり、堰状部における表面硬化性を高めることができる。
光硬化性の第二組成物における光重合開始剤(E2)の含有量は、オリゴマー(G)とモノマー(H)との合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
(添加剤)
第二組成物に添加する添加剤としては、第一組成物で挙げたものと同じものが挙げられる。第二組成物に添加する添加剤としては、重合禁止剤、光安定剤が好ましい。特に、重合開始剤より少ない量で重合禁止剤を含ませることによって、第二組成物の貯蔵安定性を改善でき、硬化後の堰状部の分子量も調整できる。
これらの添加剤の合計量は、オリゴマー(G)とモノマー(H)との合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
通常表示パネルの画像表示領域の外側の領域が比較的狭いため、堰状部20の幅は狭くすることが好ましい。堰状部20の幅は、0.5〜2mmが好ましく、0.8〜1.6mmがより好ましい。
堰状部20の35℃におけるせん断弾性率は、層状部18の35℃におけるせん断弾性率よりも大きいことが好ましい。堰状部20のせん断弾性率が、層状部18のせん断弾性率よりも大きければ、表示パネルと粘着層付き透明面材1とを貼合する際に、粘着層14の周縁部において、表示パネルと粘着層14との界面に空隙が残存していても、空隙が外部に開放されにくく、独立した空隙となりやすい。よって、減圧雰囲気下にて表示パネルと粘着層付き透明面材1とを貼合した後、これを大気圧雰囲気下に戻した際に、空隙内の圧力(減圧のまま)と粘着層14にかかる圧力(大気圧)との差圧によって空隙の体積が減少し、空隙は消失しやすい。
堰状部20の厚さと層状部18の厚さの差は、堰状部20と層状部18の段差による空隙の発生を抑える点から、0.05mm以下が好ましく、0.03mm以下がより好ましい。
堰状部20の厚さと層状部18の厚さの差は、レーザー変位計を用い、透明面材10とその上に形成された層状部18または堰状部20の総厚を計測し、その差から求める。また、層状部18の厚さは、堰状部20と接する層状部18の周縁部の厚さとする。
堰状部20と層状部18が近接する領域の少なくとも一部において、堰状部20の厚さが層状部18の厚さよりも厚い場合、堰状部20の厚さに対する層状部18の最も薄い部分の厚さの比率は、1/2以上、99/100以下が好ましい。前記比率が前記範囲内であれば、空隙110が外部に開放されず、独立した空隙110となりやすい。
[保護フィルム]
保護フィルム16には、粘着層14と強固に密着しないこと、ならびに後述する製造方法において支持面材に貼着できることが求められる。よって、保護フィルム16としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等の密着性の比較的低い基材フィルムの片面が粘着面とされた自己粘着性保護フィルムが好ましい。
保護フィルム16の粘着面の粘着力は、アクリル板に対する剥離速度300mm/分での180度剥離試験における50mm幅の試験体にて0.01〜0.1Nが好ましく、0.02〜0.06Nがより好ましい。前記粘着力が下限値以上あれば、支持面材への貼着が可能である。前記粘着力が上限値以下であれば、支持面材から保護フィルム16を剥離させることが容易である。
保護フィルム16の厚さは、用いる樹脂により異なるが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の比較的柔軟なフィルムを用いる場合には、0.04〜0.2mmが好ましく、0.06〜0.1mmがより好ましい。保護フィルム16の厚さが下限値以上であれば、粘着層14から保護フィルム16を剥離する際に保護フィルム16の変形を抑制できる。保護フィルム16の厚さが上限値以下であれば、剥離時に保護フィルム16が撓みやすく、粘着層14から保護フィルム16を剥離させることが容易になる。
また、保護フィルム16の粘着面とは反対側の裏面に背面層を設けることで、粘着層14からの剥離をさらに容易にできる。背面層にも、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等の密着性の比較的低いフィルムを用いることが好ましい。保護フィルム16の剥離をさらに容易にするために、粘着層14に悪影響を与えない範囲において、保護フィルム16にシリコーン等の離型剤を塗布してもよい。
[支持面材]
支持面材としては、平滑な面を有し剛性のある面材を用いることが好ましい。例えばガラス、透明樹脂板等が挙げられ、物質そのものにUV光の吸収が無いことから特にガラスが好ましい。ガラスの材質は強化ガラス、非強化ガラスのいずれの材質も用いることができる。
[他の形態]
なお、図示例の粘着層付き透明面材1は、面材が表示装置の保護板である例であるが、本発明の粘着層付き透明面材は、図示例のものに限定はされず、面材の少なくとも一方の表面に特定の粘着層が形成されたものであればよい。
また、本発明の粘着層付き透明面材は、面材(保護板)と特定の粘着層との間に、偏光手段(フィルム状の吸収型偏光子、ワイヤグリッド型偏光子等。)、光変調手段(1/4波長板等の位相差フィルム、ストライプ状にパターン加工された位相差フィルム等。)等が設けられたものであってもよい。
≪粘着層付き透明面材の製造方法≫
本発明の粘着層付き透明面材の製造方法としては、例えば、下記の工程(X1)〜(X5)を有する方法が挙げられる。
(X1)面材の表面の周縁部に、液状の第二組成物を塗布して未硬化の堰状部を形成する工程。
(X2)前記面材の表面の未硬化の堰状部に囲まれた領域に、液状の第一組成物を供給する工程。
(X3)100Pa以下の減圧雰囲気下にて、前記第一組成物上に、保護フィルムが貼着された支持面材を、保護フィルムが第一組成物に接するように重ねて、透明面材、保護フィルムおよび未硬化の堰状部で第一組成物からなる未硬化の層状部が密封された前駆積層体を得る工程。
(X4)50kPa以上の圧力雰囲気下に前駆積層体を置いた状態にて、未硬化の層状部および未硬化の堰状部を硬化させ、層状部および堰状部を有する粘着層を形成する工程。
(X5)支持面材を保護フィルムから剥離する工程。
本発明の粘着層付き透明面材の製造方法は、減圧雰囲気下で面材と、支持面材に貼着された保護フィルムとの間に第一組成物を封じ込め、大気圧雰囲気下等の高い圧力雰囲気下にて、封じ込められている第一組成物を硬化させて層状部を形成する方法である。減圧下において第一組成物を封じ込める方法としては、面材と、支持面材に貼着された保護フィルムとの間隙の狭く広い空間に第一組成物を注入する方法ではなく、面材のほぼ全面に第一組成物を供給し、その後、支持面材に貼着された保護フィルムを重ねて、面材と、支持面材に貼着された保護フィルムとの間に第一組成物を封じ込める方法を採用する。
減圧下における硬化性樹脂組成物の封じ込め、および大気圧雰囲気下における硬化性樹脂組成物の硬化による透明積層体の製造方法の一例は公知である。例えば、国際公開第2008/81838号、国際公開第2009/16943号に透明積層体の製造方法、および該製造方法に用いられる硬化性樹脂組成物が記載されている。本発明の粘着層付き透明面材の製造においては、本発明の第一組成物を用いる以外は、これらの文献に記載された製造方法を採用してもよい。
本発明の粘着層付き透明面材は、第一組成物にオリゴマー(C)が含まれているため、層状部の流動性が高く、製造時において減圧下で密封した層状部に空隙が残存しても、気圧雰囲気下に戻した際の空隙内の圧力と粘着層にかかる圧力との差圧によって、空隙が短時間で消失する。また、本発明の粘着層付き透明面材は、オリゴマー(C)が含まれていることで層状部が低弾性となり、貼合した表示パネルにかかる応力が小さく、表示ムラを抑制することができる。以上のような粘着層付き透明面材は、表示装置の保護板として好適である。
≪積層体≫
本発明の積層体は、一対の面材と、それら面材の間に向き合う2つの面に接するように設けられた、層状部および堰状部を有する粘着層とを有し、前記層状部が本発明の第一組成物の硬化物からなるものである。
本発明の積層体は、合わせガラス(風防ガラス、安全ガラス、防犯ガラス等。)、ディスプレイ用、太陽電池用等として有用である。
本発明の積層体は、一方の面材である表示パネルと、他方の面材である透明面材とを有する表示装置として特に有用である。
<作用効果>
本発明の積層体にあっては、硬化性官能基の平均数が0.5〜1のオリゴマー(C)を含む第一組成物を用いることで、非硬化性オリゴマーと同様の効果を得つつ、粘着層形成後に所定の時間を経過した場合でも、粘着層と被貼合面材との界面に空隙が発生または残存することを充分に抑制できる。
≪積層体の製造方法≫
本発明の積層体の製造方法としては、後述する粘着層付き透明面材を用いる方法(x)と、粘着層付き透明面材を用いない方法(y)が挙げられる。
方法(x)は、1kPa以下の減圧雰囲気下にて、粘着層付き透明面材と、粘着層のないもう一方の面材(被貼合面材)とを、粘着層がもう一方の面材に接するように重ねて貼合する方法である。
また、方法(y)は、下記工程(Y1)〜(Y4)を有する方法である。
(Y1)一方の面材の表面の周縁部に、堰状部を形成するための液状の第二組成物を塗布して未硬化の堰状部を形成する工程。
(Y2)前記一方の面材の表面の未硬化の堰状部に囲まれた領域に、液状の第一組成物を供給する工程。
(Y3)1kPa以下の減圧雰囲気下にて、第一組成物上に他方の面材を重ねて、一方の面材、他方の面材および未硬化の堰状部で第一組成物からなる未硬化の層状部が密封された前駆積層体を得る工程。
(Y4)50kPa以上の圧力雰囲気下に前駆積層体を置いた状態にて、未硬化の層状部および未硬化の堰状部を硬化させ、層状部および堰状部を有する粘着層を形成する工程。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[面材]
長さ100mm、幅100mm、厚さ1.3mmのソーダライムガラスの一方の表面の周縁部に、透光部が長さ68mm、幅68mmの領域となるように黒色顔料を含むセラミック印刷にて額縁状に遮光印刷部を形成し、面材−iを作製した。
[支持面材]
長さ100mm、幅100mm、厚さ3mmのソーダライムガラスからなる透明板の片面に、長さ130mm、幅130mm、厚さ0.75mmの保護フィルム(東セロ社製、ピュアテクトVLH−9)を、保護フィルムの粘着面がガラスに接するようにゴムロールを用いて貼着し、保護フィルムが貼着された支持面材−iiを作製した。
[被貼合面材]
被貼合面材として、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.7mmのソーダライムガラスの一方の面に、粘着層付き偏光板(ポラテクノ社製、KN−18240T)を貼着して、液晶表示パネルを代用する被貼合面材−iiiを用いた。
[オリゴマー(A)]
オリゴマー(A−1):分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレンポリオール(水酸基価(28mgKOH/g)より算出した数平均分子量:4000)と、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルジイソシアネートとをモル比4:5で混合し、錫触媒の存在下で、70℃で反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得た。得られたイソシアネート末端プレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをプレポリマーのイソシアネート基と同じ当量になるように加えて70℃で反応させ、オリゴマー(A−1)(ウレタンアクリレートオリゴマー)を得た。オリゴマー(A−1)の硬化性官能基の数は2個、数平均分子量は約24,000、25℃における粘度は約830Pa・sであった。
[オリゴマー(C)]
オリゴマー(C−1):1官能のポリプロピレンポリオール(水酸基価(16.8mgKOH/g)より算出した数平均分子量:3340)と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とをモル比1:0.975で混合し、錫触媒の存在下で、70℃で反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得た。得られたイソシアネート末端プレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをプレポリマーのイソシアネート基と同じ当量になるように加えて70℃で反応させ、オリゴマー(C−1)を得た。
オリゴマー(C−1)の硬化性官能基の平均数は0.95個、数平均分子量は約3,500、25℃における粘度は約880mPa・sであった。
オリゴマー(C−2):1官能のポリプロピレンポリオール(水酸基価(11.0mgKOH/g)より算出した数平均分子量:5100)と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとをモル比1:0.95で混合し、錫触媒の存在下で、70℃で反応させてオリゴマー(C−2)を得た。
オリゴマー(C−2)の硬化性官能基の平均数は0.95個、数平均分子量は約5,100、25℃における粘度は約1700mPa・sであった。
[非硬化性オリゴマー(D)]
非硬化性オリゴマー(D−1):前記オリゴマー(A−1)の合成時に用いたものと同一の、分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレンポリオール(水酸基価(28mgKOH/g)より算出した数平均分子量:4000)を用いた。
[層状部形成用樹脂組成物]
オリゴマー(A−1)の40質量部と、モノマー(B1)として2−ヒドロキシブチルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステル HOB)の30質量部と、モノマー(B2)としてn−ドデシルメタクリレートの30質量部と、を均一に混合した。その後、該混合物の100質量部に、商品名「IRGACURE 819」(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、)の0.3質量部、および2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製)の0.04質量部、商品名「TINUVIN 109」(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、紫外線吸収剤)の0.3質量部、およびn−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤、花王社製、チオカルコール20)の0.3質量部を均一に溶解させて、ベース組成物(P−1)を得た。
ベース組成物(P−1)の70質量部と、非硬化性オリゴマー(D−1)の30質量部とを均一に溶解させ、容器に入れたまま開放状態で減圧装置内に設置して、減圧装置内を約20Paに減圧して10分保持することで脱泡処理を行い、組成物−1を得た。
また、ベース組成物(P−1)の70質量部と、オリゴマー(C−1)とオリゴマー(C−2)の質量比1:1の混錬物30質量部とを、均一に溶解させ、容器に入れたまま開放状態で減圧装置内に設置して、減圧装置内を約20Paに減圧して10分保持することで脱泡処理を行い、組成物−2を得た。
組成物−1と組成物−2を表1に示す混合比率(単位:質量%)で均一に混合させて、層状部を形成するための第一組成物−1〜第一組成物−4を得た。
Figure 0006024505
[堰状部形成用樹脂組成物]
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレンポリオール(水酸基価(28mgKOH/g)より算出した数平均分子量:4000)と、ヘキサメチレンジイソシアネートとをモル比6:7で混合し、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製、IBXA)を30質量%となるように加え、錫触媒の存在下で、70℃で反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得た。得られたイソシアネート末端プレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをプレポリマーのイソシアネート基と同じ当量になるように加えて70℃で反応させ、30質量%のイソボルニルアクリレート(モノマー(H))で希釈されたウレタンアクリレートオリゴマー(以下、「オリゴマー(G1−1)」という。)を得た。オリゴマー(G1−1)の硬化性官能基の平均数は2であり、数平均分子量は55,000、60℃における粘度は580Pa・sであった。
オリゴマー(G1−1)の90質量部と、2−ヒドロキシブチルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステル HOB)の10質量部とを均一に混合して混合物を得た。該混合物の100質量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 184)の0.9質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 819)の0.1質量部、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製)の0.04質量部、および紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、TINUVIN 109)の0.3質量部を均一に混合した。この混合液を容器に入れたまま開放状態で減圧装置内に設置して、減圧装置内を約20Paに減圧して10分保持することで脱泡処理を行い、堰状部を形成するための第二組成物−1を得た。
[例1]
(工程(X1))
面材−iの遮光印刷部の内縁から約7mmの位置の全周にわたって、幅約1mm、塗布厚さ約0.6mmとなるように第二組成物−1をディスペンサにて塗布し、堰状部を形成した。
次に、ケミカルランプ(日本電気社製、FL15BL、ピーク波長:365nm、照射強度:2mW/cm)からの紫外線および450nm以下の可視光を30秒間、面材−i上に形成した堰状部に均一に照射した。これにより堰状部が増粘した。
(工程(X2))
面材−iに形成された堰状部の内側の領域に、第一組成物−1を、ディスペンサを用いて総質量が2.5gとなるように複数個所に供給した。
第一組成物−1を供給する間、決壊等の破損個所はなく、堰状部の形状は維持されていた。
(工程(X3))
面材−iを、一対の定盤の昇降装置が設置されている減圧装置内の下定盤の上に、第一組成物−1の面が上になるように平置した。
静電チャックを用いて、保護フィルムが貼着された支持面材−iiを減圧装置内の昇降装置の上定盤の下面に保持させた。保護フィルムの垂直方向の位置は、面材−iとの距離が10mmとなるようにした。
減圧装置を密封状態として、減圧装置内の圧力が約40Paとなるまで排気した。減圧装置内の昇降装置にて上下の定盤を接近させ、面材−iと、保護フィルムが貼着された支持面材−iiとを、第一組成物−1を介して2kPaの圧力で圧着し、10秒間保持させた。静電チャックを除電して上定盤から支持面材−iiを離間させ、約15秒で減圧装置内を大気圧雰囲気に戻し、面材−i、保護フィルムおよび堰状部で第一組成物−1からなる層状部が密封された前駆積層体−1を得た。
前駆積層体−1において堰状部の形状は、ほぼ初期の状態のまま維持されていた。
(工程(X4))
前駆積層体−1の堰状部および層状部に、支持面材−iiの側から、ケミカルランプ(日本電気社製、FL15BL、ピーク波長:365nm、照射強度:2mW/cm)からの紫外線および450nm以下の可視光を10分間、均一に照射し、堰状部および層状部を硬化させることによって、粘着層を形成した。
照射強度は、照度計(ウシオ電機社製、紫外線強度計ユニメーターUIT−101)を用いて測定した。硬化後の層状部の厚さは、0.4mmでほぼ均一であった。
(工程(X5))
前駆積層体−1における支持面材−iiを保護フィルムから剥離することによって、保護フィルムが貼設された粘着層付き透明面材−1を得た。
[例2〜4]
第一組成物の種類を表2に示すとおりに変更した以外は、例1と同様にして粘着層付き透明面材−2〜粘着層付き透明面材−4を得た。
[粘着層変形評価]
(1)長期保管加速試験
各例で得られた粘着層付き透明面材から保護フィルムを剥離し、80℃の恒温槽にて5日間保管した。
(2)粘着層の変形評価
粘着層の形状評価には、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−1000を用い、焦点深度を利用して形状を測定した。測定箇所は、粘着層付き透明面材の1辺の中央部分の堰状部の外周端部から層状部に跨る粘着層面の約5mmの距離にわたる部分とした。測定においては、測定感度の向上を目的として、粘着層の表面に銀ペーストを薄く塗布した。測定は(1)の加速試験の前後で実施した。形状変化として、加速試験前後の堰状部と層状部の変位量を評価した。
変形評価は、測定箇所内における堰状部樹脂と層状部樹脂の境界を中心として、幅2mmに渡る堰状部樹脂の最も高い点と層状部樹脂の最も低い点の高低差を段差(変形量)として算出した。
[被貼合面材との貼り合わせ工程における空隙評価]
前記段差評価の(1)の加速試験後の、保護フィルムを剥離した粘着層付き透明面材の減圧脱気処理を行った。その後、1分以内に一対の定盤の昇降装置が設置されている減圧装置内の下定盤の上に、粘着層の面が上になるように粘着層付き透明面材を平置した。減圧脱気処理の条件は、雰囲気圧力が100Pa、処理時間が10分であった。
静電チャックを用いて、減圧装置内の昇降装置の上定盤の下面に被貼合面材−iiiを保持させ、被貼合面材−iiiと粘着層付き透明面材との距離を10mmとした。
減圧装置を密封状態として、減圧装置内の圧力が約30Paとなるまで排気した。減圧装置内の昇降装置にて上下の定盤を接近させ、被貼合面材−iiiと粘着層付き透明面材とを粘着層を介して2kPaの圧力で圧着し、10秒間保持させた。静電チャックを除電して上定盤から被貼合面材−iiiを離間させ、約20秒で減圧装置内を大気圧に戻し、積層体を得た。
得られた積層体を粘着層付き透明面材との積層直後に観察したところ、被貼合面材−iiiと粘着層付き透明面材の粘着層との界面に微細な空隙(気泡)が多数見られた。該積層体を放置し、空隙の消失に関して評価した。
[樹脂粘弾性評価(貯蔵せん断弾性率測定)]
レオメーター(アントンパール社製、Physica MCR301)を用いて、第一組成物を、ソーダライムガラス製のステージと測定用スピンドル(アントンパール社製、D−PP20/AL/S07)の間の0.4mmの隙間に挟持した。窒素雰囲気下、35℃でステージ下部に設置したブラックライト(日本電気社製、FL15BL)により、第一組成物に10分間2mW/cmの光を照射しながら、1%の動的せん断歪みを印加して、粘着層の層状部の貯蔵せん断弾性率を測定した。
例1〜4における評価結果を表2に示す。例1は比較例であり、例2〜4は実施例である。また、表2における(C)/((C)+(D))は、オリゴマー(C)と非硬化性オリゴマー(D)との合計に対するオリゴマー(C)の割合(質量%)を意味する。
Figure 0006024505
表2に示すように、層状部を形成するための第一組成物中における(C)/((C)+(D))の割合が多くなるほど、加速試験後の粘着層表面に発生する変形量(段差)が小さくなっていくことが示された。オリゴマー(C)を含まない層状部を有する粘着層付き透明面材−1を用いた積層体では、貯蔵せん断弾性率は好ましいものの、被貼合面材との貼合直後に空隙が残り、その後24時間後まで空隙が残存し続けた。これに対し、オリゴマー(C)を含む層状部を有する粘着層付き透明面材−2〜4を用いた積層体では、積層直後に空隙が消滅、または時間の経過に伴い消失することが確認できた。
1 粘着層付き透明面材
10 透明面材
14 粘着層
16 保護フィルム
18 層状部
20 堰状部

Claims (8)

  1. 一対の面材を貼り合わせる粘着層であり、かつ面材の表面に沿って広がる層状部と、前記層状部の周縁を囲む堰状部とを有する粘着層における層状部を形成するための硬化性樹脂組成物であって、下記オリゴマー(A)、下記モノマー(B)および下記オリゴマー(C)を含有し、
    オリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)の合計(100質量%)に対して、オリゴマー(A)が6〜80質量%、モノマー(B)が3〜70質量%、オリゴマー(C)が10〜70質量%である硬化性樹脂組成物。
    オリゴマー(A):数平均分子量が1,000〜100,000、ラジカル重合性の不飽和結合を有する硬化性官能基の平均数が1.8〜4のオリゴマー。
    モノマー(B):分子量が125〜600、ラジカル重合性の不飽和結合を有する硬化性官能基の数が1〜3であるモノマーの少なくとも1種からなり、少なくとも1種の、水酸基を有するモノマー(B1)を含むモノマー。
    オリゴマー(C):数平均分子量が1,000〜20,000、ラジカル重合性の不飽和結合を有する硬化性官能基の平均数が0.5〜1のオリゴマー。
  2. さらに光重合開始剤(E1)を含有する、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. さらに下記非硬化性オリゴマー(D)を含有する、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
    非硬化性オリゴマー(D):硬化時に前記オリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)と硬化反応せず、かつ水酸基を有し、水酸基当たりの分子量が400〜8,000であるオリゴマー。
  4. 前記オリゴマー(C)と前記非硬化性オリゴマー(D)の合計(100質量%)に対する前記オリゴマー(C)の割合が50〜100質量%である、請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記硬化性官能基がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記オリゴマー(A)が、ポリオールとポリイソシアネートを反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、該プレポリマーのイソシアネート基に、下記モノマー(a1)を反応させて得られるウレタンアクリレートオリゴマーであり、かつ前記オリゴマー(C)がモノオールとポリイソシアネートとを反応させて片末端にのみイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、該プレポリマーのイソシアネート基に、下記モノマー(c1)を反応させて得られるオリゴマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
    モノマー(a1):分子量が125〜600で、アクリロイルオキシ基を1個以上有し、かつイソシアネート基と反応する基を1個有するモノマー。
    モノマー(c1):分子量が125〜600で、アクリロイルオキシ基を1個以上有し、かつイソシアネート基と反応する基を1個有するモノマー。
  7. 透明面材と、該透明面材の表面に設けられた粘着層と、を有し、
    前記粘着層が、透明面材の表面に沿って広がる層状部と、前記層状部の周縁を囲む堰状
    部とを有し、
    前記層状部が請求項1に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物からなる粘着層付き透明面材。
  8. 一対の面材と、それら面材の間に向き合う2つの面に接するように設けられた粘着層と、を有し、
    前記粘着層が、面材の表面に沿って広がる層状部と、前記層状部の周縁を囲む堰状部とを有し、
    前記層状部が請求項1に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物からなる積層体。
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