JP6192300B2 - ラベルシート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ラベルシート及びその製造方法に関する。
陶磁器、ガラス製品等に焼成により一体化可能な焼成用ラベルが知られている。
特許文献1には、ラベル素材に含まれるシート状基材が、無機化合物、ガラスフリット及び有機バインダーを主成分として含み、更に、タルクとアルカリ金属化合物を加熱合成した層状硅酸塩を含むことが開示されている。更に、同文献には、このシート状基材上に認識パターン層を設け、管理すべき製品に取付けた後、焼成する工程が開示されている。同文献の実施例3には、製品への取付後に、レーザーによりバーコードを描画する例が開示されている。
特許文献2には、同文献の図1等に開示のように、セパレータ4上に粘着層3、ガラス粉末含有層2、可燃性基材層1が積層されたシートに穴6が設けられた構成が開示されている。同文献の図3には、耐熱性インクから成るパターン層5を設けることが開示されている。
特許文献3には、同文献の請求項1に記載のように、ガラスフリット含有シートに孔乃至凹凸からなるパターンを彫刻して成る未焼成のパターンシートを被着体に被着し、加熱処理してパターンシートを焼成し、被着体に焼成パターンを形成することが開示されている。
特開平9−97012号公報 特開平2−102042号公報 特開平2−104679号公報
タックラベラー等のラベラーを活用して陶磁器、ガラス瓶等の製品に対してラベルを貼着することがラベル貼着の効率化の観点から望ましい。ところが、陶磁器、ガラス瓶等の製品に対してラベルを貼着した後、ラベルに可変情報を付与する場合、生産効率や製品への影響といった観点から好ましくない場合がある。従って、陶磁器、ガラス瓶等の製品に対してラベルを貼る前にラベルに可変情報を付与することに有利性がある。
しかしながら、本願発明者の検討によれば、陶磁器、ガラス瓶等の製品に対してラベルを貼った後ではなく、陶磁器、ガラス瓶等の製品にラベルを貼る前にレーザーや切削装置を活用してラベルに可変情報を付与する場合、その加工がラベル内の粘着層に影響し、陶磁器、ガラス瓶等の製品に対するラベルの貼着が意図したように行い得ない場合が生じ得ることが明らかになった。陶磁器、ガラス瓶等の製品に対するラベルの付着性が劣化すると陶磁器、ガラス瓶等の製品に対してラベルが十分に固着しない部分が生じ得る。このような場合、陶磁器、ガラス瓶等の製品に一体化したラベルの耐久性等が劣化してしまうことも懸念される。
上述の例示的な説明から明らかなように、製品にラベルを貼着する前にラベルに可変情報を付与する場合、製品に対するラベルの付着性が劣化してしまうおそれがある。
本発明に係るラベルシートは、剥離性シート、及び当該剥離性シート上に設けられた少なくとも1つの積層体を備えるラベルシートであって、前記剥離性シート上の前記少なくとも1つの積層体は、前記剥離性シート上に積層され、焼成除去可能である粘着層と、少なくとも前記粘着層を介して前記剥離性シート上に積層されたベース中間層と、少なくとも前記粘着層及び前記ベース中間層を介して前記剥離性シート上に積層され、かつ焼成により被着体に対して固着可能である1層以上の着色層と、を含み、前記1層以上の着色層には、少なくとも当該着色層が部分的に除去されて形成された1以上の穴部にして、前記粘着層まで到達しない1以上の穴部が設けられる。ベース中間層により着色層への加工が粘着層に影響することを抑制されている。なお、典型的には、積層体に付与される可変情報は、穴部の個数や配置に応じたものになるだろう。
前記少なくとも1つの積層体が、複数の島状の積層体を含み、前記1以上の穴部により示されるコードパターンが、前記複数の島状の積層体間において異なる、と良い。
前記ベース中間層が、焼成除去可能であり、熱硬化性樹脂を含む層を含む、と良い。
前記ベース中間層が、焼成により被着体に固着可能であり、かつ白色に着色されている若しくは透明層である層を含む、と良い。
前記1層以上の着色層が、第1及び第2着色層を含む2層以上の着色層であり、前記第1及び第2着色層が異なる色に着色される、と良い。
前記1層以上の着色層が、第1乃至第3着色層を含む3層以上の着色層であり、前記第1乃至第3着色層が異なる色に着色される、と良い。
前記第1及び第2着色層の間には第1層間中間層が設けられ、前記第1層間中間層が、焼成除去可能又は焼成により被着体に固着可能である、と良い。
前記第1及び第2着色層の間には第1層間中間層が設けられ、前記第1層間中間層が、焼成除去可能又は焼成により被着体に固着可能であり、前記第2及び第3着色層の間には第2層間中間層が設けられ、前記第2層間中間層が、焼成除去可能又は焼成により被着体に固着可能である、と良い。
前記少なくとも1つの積層体が、複数の島状の積層体を含み、当該複数の島状の積層体は、各々、前記1以上の穴部により示されるコードパターンが付与される領域に加えて、模様が付与された領域を含む、と良い。
本発明に係るラベルシートの製造方法は、剥離性シート、及び当該剥離性シート上に設けられた積層体を備えるラベルシートの製造方法であって、前記剥離性シート上に焼成除去可能である粘着層を積層する工程と、少なくとも前記粘着層を介して前記剥離性シート上にベース中間層を積層する工程と、少なくとも前記粘着層及び前記ベース中間層を介して前記剥離性シート上に1層以上の着色層を積層する工程にして、前記着色層が焼成により被着体に対して固着可能である、工程と、少なくとも前記着色層を部分的に除去して前記粘着層まで到達しない1以上の穴部を設け、これにより、前記穴部に応じたコードパターンを付与する工程と、を含む。穴部の個数や配置を変えることによりコードパターンの可変性を好適に確保可能である。
前記着色層に前記コードパターンを設ける前記工程が、前記積層体に対してレーザー光を照射して少なくとも前記着色層を部分的に除去する工程を含む、と良い。
少なくとも前記粘着層、前記ベース中間層、及び前記1層以上の着色層を含む積層体を部分的に除去して前記剥離性シート上において前記積層体を2以上の島部の態様にて残存させる工程を更に含む、と良い。
本発明によれば、ガラス瓶等の被着体にラベルを貼着する前にラベルに可変情報を付与する場合において、ガラス瓶等の被着体に対するラベルの付着性が劣化してしまうことを抑制可能である。
本発明の第1実施形態に係るラベルシートの転写ラベルの上面構成を示す概略的な模式図である。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの転写ラベルの概略的な断面模式図であり、図1のX2−X2間に沿う転写ラベルの概略的な断面構成を示す。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートが巻かれた態様を示す概略的な斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの概略的な断面模式図である。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートがタックラベラーにより送られて被着体のガラス瓶側に転写ラベルが繰り出される態様を模式的に示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る転写ラベルが被着体のガラス瓶に貼着され、焼成された状態を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの概略的な製造工程図であり、積層工程を断面的に示す。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの概略的な製造工程図であり、積層工程を断面的に示す。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの概略的な製造工程図であり、除去及び切断工程を平面的に示す。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの概略的な製造工程図であり、ラベルシート上の島状の転写ラベルの上表面にレーザー光を照射して穴部を形成する工程を模式的に示す。 本発明の第2実施形態に係るラベルシートの転写ラベルの概略的な断面模式図である。 本発明の第3実施形態に係るラベルシートの転写ラベルの概略的な断面模式図である。 本発明の第4実施形態に係るラベルシートの転写ラベルの概略的な断面模式図である。 本発明の第5実施形態に係るラベルシートの転写ラベルの概略的な断面模式図である。 本発明の第6実施形態に係るラベルシートの転写ラベルの上面構成を示す概略的な模式図である。 本発明の第7実施形態に係るラベルシートの転写ラベルの上面構成を示す概略的な模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。各実施形態は、個々に独立したものではなく、過剰説明をするまでもなく、当業者をすれば、適宜、組み合わせることが可能であり、この組み合わせによる相乗効果も把握可能である。実施形態間の重複説明は、原則的に省略する。
<第1実施形態>
図1乃至図10を参照して第1実施形態について説明する。図1は、ラベルシートの転写ラベルの上面構成を示す概略的な模式図である。図2は、ラベルシートの転写ラベルの概略的な断面模式図であり、図1のX2−X2間に沿う転写ラベルの概略的な断面構成を示す。図3は、ラベルシートが巻かれた態様を示す概略的な斜視図である。図4は、ラベルシートの概略的な断面模式図であり、図3のX4−X4間に沿うラベルの概略的な断面構成を示す。図5は、ラベルシートがタックラベラーにより送られて被着体のガラス瓶側に転写ラベルが繰り出される態様を模式的に示す説明図である。図6は、ラベルが被着体のガラス瓶に貼着され、焼成された状態を示す模式図である。図7及び図8は、ラベルシートの概略的な製造工程図であり、積層工程を断面的に示す。図9は、ラベルシートの概略的な製造工程図であり、除去及び切断工程を平面的に示す。図10は、ラベルシートの概略的な製造工程図であり、ラベルシート上の島状の転写ラベルの上表面にレーザー光を照射して穴部を形成する工程を模式的に示す。
図1乃至図4に示すように、ラベルシート100は、共通の剥離性フィルム(剥離性シート)50上に1個以上の積層体としての転写ラベル60が剥離可能に積層したものである。ラベルシート100は、非限定的かつ例示的には、図3及び図4に示すように長尺に構成され、リールに巻かれ、転写ラベルの連続的な繰り出しが可能に構成される。本例では、図3に示した横隣の転写ラベル間(60m、60n)の間において異なるコードパターンが付与され、端的には、図1に示した転写ラベル60の上表面60aに設けられる穴部H10の個数や配置位置が異なる。穴部H10は切削やレーザー加工により形成可能であり、印刷の場合の如く個別の異なる版を用意する必要が生じない。
図1及び図2に示すように、転写ラベル60の上表面60aには、1以上の穴部H10の2次元配置から規定されるコードパターンが付与され、1以上の穴部H10に応じて凸凹が上表面60aに形成されている。コードパターンは、所謂、一次元及び二次元バーコード等に代表される可変情報であり、本例においては二次元バーコードが例示されている。後述の実施形態の開示から明らかなように、コードパターンは、モノクロコードパターンに限られるものではなく、カラーコードパターンであっても良い。
図1に例示的に示す場合、転写ラベル60の上表面60aが24個の単位領域に区分され、図1を正面視したとき、次の箇所に穴部H10が設けられている。つまり、上及び左から2番目の単位領域に穴部H10が設けられ、上及び左から3番目の単位領域に穴部H10が設けられ、上から3番目及び左から4番目の単位領域に穴部H10が設けられ、上から2番目及び左から5番目の単位領域に穴部H10が設けられている。24個の単位領域に対して穴部H10を選択的に設けることにより、転写ラベル60に対して可変情報を付与することができる。冒頭で述べたように、穴部H10が切削やレーザー加工により形成可能であり、印刷の場合の如く個別の異なる版を用意する必要が生じない。
なお、図1に示したものはあくまで説明のためのものである。規格から定まる2次元バーコードを図1の例に倣って設けても良い。また、本例においてはモノクロであるが、カラーの場合においては、穴部H10の間で異なる色を付与することになるだろう。
図1に示す場合、転写ラベル60の上表面60aの面積に対して90%を超える割合で24個の単位領域から成るコードパターン形成領域が設けられているが、このような態様は一例であり、転写ラベル60の上表面60aに占めるコードパターンの面積は任意である。
図2に示すように、剥離性フィルム50の上面51上に転写ラベル60が剥離可能に積層される。転写ラベル60は、焼成除去可能な粘着層61、焼成除去可能、若しくは焼成により被着体に固着可能なベース中間層62、焼成により被着体に固着可能な着色層63、及び焼成除去可能な保護層64がこの順に積層した積層体である。なお、剥離性フィルム50は、上面51と下面52を一組の主面として有するフィルムであり、上面51と下面52により規定される一定の厚みを有する。
図2に示すように、保護層64及び着色層63が部分的に除去され、転写ラベル60へコードパターンが付与される。穴部H10は、ベース中間層62と着色層63の界面近傍まで到達し、粘着層61まで到達せず、この際、ベース中間層62が部分的に除去されても構わない。ベース中間層62を粘着層61と着色層63の間に設けることにより、着色層63に対する加工が粘着層61に及ぶことを抑制し、更に、穴部H10の深度に関する加工精度を低く確保することができる。
穴部H10の形成方法は任意である。例えば、切削加工やレーザー加工を活用して穴部H10を設ける。好ましくは、レーザー加工を活用して穴部H10を設け、より好ましくは固体レーザー装置を活用して穴部H10を設ける。レーザー加工に用いられるレーザー装置の種類は任意であるが、レーザー出力強度の調整や安定性及びスポット径の調整精度を考慮して固体レーザー装置を用いることが望ましい。
使用されるレーザー装置の出射レーザー光の波長範囲は任意であるが、着色層63が可視光範囲内の色に着色される場合がある点を考慮し、可視光範囲よりも長波長の波長帯を出射レーザー波長として選択しても良い。使用されるレーザー装置は、極めて短い時間幅のパルスの態様でレーザーを出射することが望ましいが、レーザーを連続的に出射するCWレーザー装置であっても構わない。保護層64が上述のように焼成除去可能であるため、レーザー光の照射により特に支障なく除去されるだろう。
図2等に示す剥離性フィルム50は、転写ラベル60の支持基材である。剥離性フィルム50は、好ましくは、十分な可撓性を有し、かつ十分な機械的強度を有する。剥離性フィルム50の構成材料は、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、アクリルなどのプラスチックである。プラスチックの他にも紙又はこれらの複合物を用いても良い。
剥離性フィルム50が粘着層61に対して剥離性を有することが好ましく、フィルム基材をそのまま用いても良いが、フィルム基材上にシリコーン系やアルキド樹脂系等からなる剥離層を成膜したものを採用しても構わない。剥離界面の接着強度は、フィルム基材や剥離層の材料や層厚等によって調製可能である。剥離性フィルム50は、好ましくは、0.1〜2mN/mmの剥離強度を有する。
剥離性フィルム50の層厚は任意であるが、例示的には25〜250μm、好ましくは35〜125μm、より好ましくは50〜75μmである。剥離性フィルム50の層厚は、転写ラベル60の基材としての役割、転写ラベル60の剥離性や生産性を考慮して適切に設定される。
粘着層61は、焼成除去が容易な有機物であることが好ましく、例えば、常温で粘着性を有するアクリル系、ゴム系等の粘着剤から成る。粘着層61を構成する粘着剤は焼成工程において熱分解して気化する。粘着層61の層厚は、例えば、1〜20μmであり、好ましくは、2〜10μmである。粘着層61の層厚が1μm未満の時、粘着層61の粘着力が十分ではなくなり、ガラス瓶等の被着体への転写ラベル60の転写が上手く為し得ないおそれがある。粘着層61の層厚が20μmを超えると、焼成時に粘着層61の熱分解により生じるガス量が増加し、着色層63に欠陥が生じる等して焼成不良が生じてしまうおそれがある。
ベース中間層62は、粘着層61と着色層63の間に設けられ、切削やレーザー等による着色層63の加工が粘着層61に影響することを抑制若しくは緩和するためのバッファー層である。典型的には、ベース中間層62は、焼成除去可能であるが、これに限らず、焼成により被着体に固着可能な層であっても良い。
ベース中間層62が無い場合、着色層63に穴部H10を形成する時、粘着層61にまで加工が為され、穴部H10が粘着層61まで達してしまうおそれがあり、場合によっては、穴部H10の穴径に応じて粘着層61が除去されてしまうおそれがある。このような場合、粘着層61の除去や劣化に起因してガラス瓶等の被着体への転写ラベル60の付着性が劣化してしまうおそれがあり、場合によっては、ガラス瓶等の被着体に転写ラベル60の着色層63を十分に一体化することが達成できないおそれがある。
被着体のガラス瓶等に対して転写ラベルを貼った後に転写ラベルに可変情報を付与する場合には、このような点は問題にはならないかもしれないが、冒頭でのべたように被着体のガラス瓶等に対して転写ラベルを貼る前に転写ラベルに可変情報を付与することに有利性がある。
本実施形態においては、この点に鑑みて、粘着層61と着色層63の間にベース中間層62を設け、切削やレーザー等による着色層63の加工が粘着層61に影響することを抑制若しくは緩和する。これにより、ガラス瓶等の被着体に転写ラベルを貼着する前に転写ラベルに可変情報を付与する場合において、ガラス瓶等の被着体に対するラベルの付着性が劣化してしまうことを抑制可能になる。焼成除去可能なベース中間層62を粘着層61と着色層63の間に設けることにより、粘着層61の粘着性の低下を抑制することも期待できる。
ベース中間層62が焼成除去可能な層であるとき、ベース中間層62を次の有機物から構成しても良い。例えば、ベース中間層62は、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸ポリマー、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、及びポリエステルの群から選択される1以上の樹脂から成る。
ベース中間層62が、上述のように焼成除去可能な層であるとき、熱可塑性樹脂ではなく、熱硬化性樹脂を採用することが好ましい。これにより、レーザー等の加熱によりベース中間層62が軟化し、溶融してしまうことを抑制することができ、ベース中間層62の形状維持を図ることができる。
ベース中間層62を焼成除去可能とし、高分子樹脂等の有機物で構成することにより、粘着層61と着色層63の間にバリア性を持たせることができる。この場合、着色層63に含有される有機物が粘着層61に含有される溶媒に溶解することを抑制可能である。
ベース中間層62を構成する高分子樹脂等の有機物は、特に限定されるものではないが、Tg30℃以上、好ましくは40℃以上から105℃までのものを用いると良い。例えば、熱硬化できる水酸基を有しているアクリル系樹脂が好ましい。Tgが30℃未満である樹脂であっても、硬化剤を添加し、Tgを30℃以上として、ベース中間層62として使用しても良い。Tg30℃未満であると重ねて保管もしくはロール形態にて保管した場合、ベース中間層62と剥離性フィルム50が接着し、ブロッキングが生じてしまうおそれがある。
なお、ブロッキングとは、塗膜や印刷膜が十分に乾燥されず、十分に硬化していない状態、塗膜や印刷膜にTgの低い有機物が含まれる場合、において発生するものである。例えば、剥離性フィルム50上の乾燥不十分又はTgが低いベース中間層62上に剥離性フィルム50の他の部分が積層されたとき、これらの間で接着が生じるおそれがある、つまりブロッキングが生じてしまうおそれがある。この状態で積層を解除しようとすると、ベース中間層62が、積層されたままの状態にあるべき剥離性フィルム50から離れてしまうおそれがある。ベース中間層62上に他の層が積層される場合においても同様に説明できる。
ガラス転移温度が50℃以上である高分子樹脂をベース中間層62の材料として採用することが好ましく、これにより適当なバリア性を確保することが見込まれる。また、この場合、ベース中間層62に可撓性を付与する目的で有機物から成る可塑剤をベース中間層62に加えてもよい。可塑剤としては脂肪酸エステルやリン酸エステルなどから適宜選定して用いることができる。
ベース中間層62に硬化剤を加えても良く、これにより、リール形態とすることが好適に確保される。例えば、イソシアネート系の硬化剤を加えても良い。具体的には、TDI(トリレンジイソシアネート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)、H6XDI(ハイドロゲンキシリレンジイソシアネート)を加えても良い。硬化剤の添加による硬化処理により、硬化剤との反応点で100%硬化反応する必要はなく、着色層と保護層の形状の変形や焼成性の低下を防止できる硬化度であればよい。
切削やレーザー等による着色層63の加工が粘着層61に影響することを抑制若しくは緩和する点を考慮し、ベース中間層62の層厚を、例えば5〜20μm、好ましくは10〜15μmとしても良い。ベース中間層62の層厚が5μm未満の場合、ベース中間層62上への着色層63や保護層64の形成が容易ではなくなるおそれがあり、また、切削やレーザー等による着色層63の加工が粘着層61に影響してしまうおそれがある。ベース中間層62の層厚が25μmを超える場合、ベース中間層62の全体又は部分的な熱分解により生じるガスの発生量が多くなり、着色層63に欠陥が生じやすくなるおそれがある。このような観点から、非限定的かつ典型的な場合においては、ベース中間層62の層厚を5μm以上、好ましくは10μm以上とすることが望ましく、また25μm以下、好ましくは20μm以下とすることが望ましい。
ベース中間層62を焼成除去可能な層とすることとの関係において、代替的又は追加的に、ベース中間層62を焼成により被着体に固着可能な層としても良い。この場合、ベース中間層62に含有される固着材料として、焼成温度において軟化するガラスフリットを用いると良く、これにより、被着体のガラス瓶等に対するベース中間層62の十分な密着性を確保することができる。固着材料のガラスフリットに対して無機顔料を加えて着色しても良いし、更に有機物等のバインダーを加えても良い。無機顔料としては特に白色顔料を加えることが望ましい。これにより、例えば、透明なガラス瓶上にバーコードのようなパターンを黒色の着色層63により形成する場合でも、ベース中間層62と着色層63の間で十分なコントラストを得ることができる。
ベース中間層62に用いるガラスフリットや白色顔料は、後述する着色層63と同様のものを用いることができる。ベース中間層62は必ずしも単層である必要はなく複層にて構成しても良い。この場合、ベース中間層62は、焼成除去可能な有機物から成る第1ベース中間層、ガラスフリットと焼成除去可能な有機物とを含んで成る第2ベース中間層、白色顔料とガラスフリットと焼成除去可能な有機物とを含んで成る第3ベース中間層のうち、少なくとも任意の2層を積層して構成しても良い。
着色層63は、粘着層61及びベース中間層62を介して剥離性フィルム50上に積層する。着色層63は、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエロー等の発色を呈する着色用の無機顔料によりガラス等の固着材料が着色された層であり、焼成により被着体に対して一体的に融着する。
着色層63の着色用の無機顔料としては次のものを使用可能である。黒色顔料としてCu−Cr系酸化物またはCu−Cr−Mn系酸化物等を使用可能である。白色顔料としてTiO2系またはAl23系等を使用可能である。青色顔料としてCo−Al系酸化物またはCo-Cr−Al系酸化物等を使用可能である。黄色顔料としてTi−Sb−Ni系酸化物またはCr−Ti系酸化物等を使用可能である。赤色顔料としてZn−Fe−Cr系酸化物またはFe23系等を使用可能である。これら単体もしくは2種類以上を混ぜあわせて使用しても良い。
一般的には、黒色(ブラック)、赤色(マゼンタ)、青色(シアン)、黄色(イエロー)、及び白色(ホワイト)の順でレーザー光の吸収率が高いため、着色層63の積層数にもよるがレーザー光の吸収率が高い色を優先させて着色層63に着色を付与することが望ましい。
着色層63に含有される固着材料は、典型的にはガラスフリットである。ガラスフリットは、例えば、SiO2、ZrO2、Al23、TiO2、CeO2、B23、Bi23、Na2O、K2O、ZnO等の成分を含有するものが使用可能である。ガラスフリットは、好ましくは、SiO2、ZrO2、及びBi23成分を含有する軟化温度500〜600℃のガラスフリットである。より好ましくは、SiO2、ZrO2、Bi23からなる複合酸化物で、軟化温度500〜600℃のガラスフリットが好ましい。軟化温度が500℃以下であるとガラスフリットが十分に溶解せずに被着体に融着しないおそれがある。また600℃以上であるとガラスフリットが結晶化し白濁してしまうおそれがある。
着色層63に有機バインダーを加えても良い。この場合、有機バインダーとしては、焼成除去可能な材料を用いれば特に限定されない。例えば、アクリル、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエステル等の樹脂が挙げられ、単独、またはこれらの混合物を主要成分として使用することができる。また補助の有機成分として焼成前の塗膜に可とう性を付与する目的で可塑剤を添加してもよい。可塑剤としては脂肪酸エステル系、リン酸エステル系等が使用可能である。
着色層63においては、着色用の無機顔料よりもガラスフリットの重量%(質量%)を大きくすることが好ましい。これにより、被着体に対する着色層63の一体性を高めることができる。
着色層63において、着色用の無機顔料の重量%(質量%)をPとし、ガラスフリットの重量%(質量%)をQとしたとき、0.05<(P/Q)<0.65を満足することが好ましく、0.15<(P/Q)<0.35を満足することがより好ましい。
保護層64は、例示的かつ典型的には所定厚の有機物から成り、焼成除去可能な層である。保護層64は、着色層63を保護する役割を担う層であり、その厚みに応じて転写ラベル60の機械的強度も補強され得る。保護層64に用いる有機物は特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル系、ブチラール系、ポリエステル系、ポリウレタン系、セルロース系、ポリビニル系などを用いることが可能であり、複数種を選択し用いることが可能である。保護層64は、粘着層61、ベース中間層62、着色層63に用いている有機物の熱分解温度よりも熱分解温度が低温であることが望ましい。好ましくは、保護層64の層厚は5〜50μmである。
保護層64は、例えば、下記式に示すメタクリル酸エステルモノマーの重合体を50wt%(若しくは50質量%)以上含有する重合体から成る層である。メタクリル酸エステルポリマーから成る保護層64に対してメタクリル酸エステル系の微粒子を添加しても良い。保護層64に微粒子を添加すると、保護層64の引張弾性率を向上させることができる。また保護層64を構成するメタクリル酸エステルポリマーと微粒子とが同種であるため、保護層に微粒子を均一分散することができ、またポリマーと微粒子との熱分解性に大きな差がない点で好ましい。
Figure 0006192300
(Rは、炭素数が1〜4のアルキル基)
メタクリル酸エステルポリマーは焼成中の熱分解性が良好であるため、残炭が生じず、焼成破裂が起き難く、絵柄印刷層にピンホールや色むら等の焼成不具合も生じ難い。保護層64は、メタクリル酸エステルポリマーを、好ましくは80wt%以上含有する。より好ましくは、保護層64は、メタクリル酸エステルホモポリマーであっても良く、異なるメタクリル酸エステルモノマー同士の共重合体であっても良い。
保護層64のガラス転移温度は40℃以上が好ましい。40℃以上とすることにより、ラベルシート100を重ねて保管もしくはリール形態にて保管した場合、保護層64と剥離性フィルム50が接着してしまうことを抑制することができる。保護層64のガラス転移温度は、40℃以上100℃以下であると良い。
保護層64の層厚は、好ましくは、5〜50μmである。5μm未満の場合、耐衝撃性が悪く、50μmを超えると焼成中に着色層63及びその層より下の層から出る熱分解ガスの気道を塞いでしまうおそれがある。より好ましくは、保護層64の層厚は、10〜20μmである。
着色層63は含有する有機物の割合が相対的に少ないため焼成前の膜質は硬く脆い傾向にある。このためラベルシート100を屈曲させると着色層63にひび割れが発生してしまうおそれがある。瓶にむき出しの着色層63を貼付すると、着色層63に傷が発生しやすい。保護層64を設けることにより、上述のひび割れ防止や傷の発生の抑制を図ることができる。保護層64は、後述の焼成工程により熱分解ガスとして除去される。
図2に示すように、転写ラベル60の上表面60aには、穴部H10が形成されている。穴部H10の形成方法は任意であるが、好適にはレーザー加工により設けることが望ましい。典型的には、剥離性フィルム50上に粘着層61、ベース中間層62、着色層63、保護層64を任意の方法にて積層した後、転写ラベル60の上表面60a側から転写ラベル60に対して加工を施し、典型的には、所定波長のレーザーパルスを照射し、保護層64を部分的に除去し、かつ着色層63を部分的に除去し、保護層64の上表面からベース中間層62に至る穴部H10を形成する。穴部H10が粘着層61に到達することがベース中間層62により抑止され、粘着性の低下等の悪影響を抑制可能である。
図3及び図4を参照して図1及び図2に示したラベルシート100が長尺に構成された例について説明する。図3に示すように、ラベルシート100は、所定幅の長尺体として構成され、リールに巻かれている。ラベルシート100は、長尺な剥離性フィルム50と、剥離性フィルム50上に剥離可能に積層された転写ラベル60の列を有する。転写ラベル60は、剥離性フィルム50上で矩形島状に区画されており、剥離性フィルム50の長手方向に沿って一定間隔で設けられている。横隣の転写ラベル60間で剥離性フィルム50の一面が露出した間隔部が設けられているが、必ずしもこの限りではない。
図3のX4−X4間の概略的な断面構成を図4に示す。剥離性フィルム50上の積層体が選択的に除去され、図4に示すように矩形島状の転写ラベル60が残存する。典型的には、スリット加工を活用して上述の選択除去を実行する。
図5及び図6を参照して転写ラベル60の貼付工程及び焼成工程について説明する。図5に模式的に示すようにラベルシート100が送られる過程で、転写ラベル60が図5の紙面左側へ送り出される。詳細には、剥離性フィルム50がプレート12の先端を逆方向へ曲がりながら通過する際、転写ラベル60がその先端から徐々に剥離性フィルム50から反り出し、転写ラベル60が被着体に向かって繰出される。これにより、粘着層61の下面が被着体のガラス瓶等の外表面に付着する。望ましくは、転写ラベル60が剥離性フィルム50から完全に剥離する前、転写ラベル60の繰り出し方向における転写ラベル60の先端部が被着体のガラス瓶等の外表面に付着する。この付着後、被着体のガラス瓶等の自転により、被着体のガラス瓶等の外表面に転写ラベル60が仮着する。
転写ラベル60が仮着した被着体のガラス瓶等をガラス軟化点以上の温度条件(例えば、500℃〜700℃)にて焼成する。この焼成工程において、粘着層61がガス化して除去され、ベース中間層62中の有機物がガス化して除去され、着色層63中の有機物がガス化して除去され、保護層64がガス化して除去される。他方、着色層63中のガラスフリットがガラス化/軟化して被着体の外表面に固着する。また、ベース中間層62がガラスフリットを含むならば、同様にガラス化/軟化して被着体の外表面に固着する。例えば、被着体が筒状のガラスであり、ベース中間層62の全体が焼成除去される場合、着色層63は、図6に模式的に示すように被着体の一例のガラス瓶70の外表面に焼結して一体化する。
上述の説明から明らかなように、本実施形態によれば、ラベルシート100を送りながら転写ラベル60を所定方向へ繰り出すことにより、転写ラベル60を被着体のガラス瓶等に対して高効率に貼付することが可能である。被着体のガラス瓶等に仮着した後に転写ラベル60に対して可変情報を付与する必要がないため、被着体のガラス瓶等への加工の影響を心配する必要がなく、また、ラベルシート100の購入者側での負担を軽減することも期待できる。
最後に、図7及び図8を参照してラベルシートの製造工程について補足的に説明する。なお、剥離性フィルム50等のフィルム基材上への粘着層61、ベース中間層62、着色層63、保護層64の形成は、スクリーン印刷、オフセット印刷等の印刷方式やナイフコート、ノズルコーティング、コンマコーターコーティング、グラビアコーティング、メイヤーバー等の塗布方式を使用可能である。
印刷方法や塗布方法により各層を形成する場合、これらに含有される着色顔料や有機物を溶媒中に分散または溶解してなる塗布液(ペースト)を作製して使用する。溶剤としては、有機物の溶解性や分散性、印刷工程や塗布工程に適した沸点を考慮し、水系、アルコール系、ケトン系、エステル系、エーテル系、炭化水素系等を単独または混合して使用することが可能である。そして、これらの溶媒は、粘度やチキソ性等の印刷適性、そして固形分を適宜調整して用いる。これらの溶媒は、各層の印刷や塗布後に大部分が揮発するが、残留する分は焼成によって揮発または分解除去される。必要により印刷時の気泡対策や粘度調整のために消泡剤や増粘剤等の添加剤を使用することも可能である。添加剤は焼成によって分解除去できるものを使用する。
まず、図7(a)に示すように、剥離性フィルム50上に粘着層61を任意の方法で成膜して剥離性フィルム50上に積層し、必要に応じて乾燥処理を施す。次に、犠牲剥離性シート71上にベース中間層62を任意の方法で成膜して犠牲剥離性シート71上に積層し、必要に応じて乾燥処理、硬化処理を施す。次に、図7(c)に示すように、図7(a)の積層体と図7(b)の積層体を積層し、粘着層61上にベース中間層62を積層する。次に、図7(d)に示すように、犠牲剥離性シート71を除去する。
次に、図8(e)に示すように、ベース中間層62上に着色層63を任意の方法で成膜してベース中間層62上に着色層63を積層し、必要に応じて乾燥処理を施す。次に、図8(f)に示すように、着色層63上に保護層64を任意の方法で成膜して着色層63上に保護層64を積層し、必要に応じて乾燥処理を施す。好適には、グラビアコーターに例示される任意の種類の塗工装置を活用して保護層64を成膜する。
次に、必要に応じて、図9に示すように、領域R10で示される範囲を除去するべく剥離性フィルム50上の転写ラベル60となるべき積層体をカットし、次に図9に示すようにカット線CLに沿ってラベルシート100をカットする。カットにより得られた帯体をリールに巻くことにより、図3及び4に示したリール形態のラベルシート100を得ることができる。
次に、図10に示すように、転写ラベル60に対してコードパターンを付与する。端的には、加工装置の一例としてレーザー装置、好適には固体レーザー装置を活用して保護層64及び着色層63を部分的に除去して転写ラベル60の上表面60aに穴部H10を形成、つまりコードパターンを設ける。固体レーザー装置は、YAGロッドの励起を原理とするものや、所謂ファイバーレーザー装置と呼ばれるものを利用可能であるが、この限りではない。パルス及びCWレーザーのいずれも活用できる。
レーザー波長は、例えば、波長:532nm、1064nm、1090nm、10600nmのいずれかを使用しても良い。好ましくは、レーザー光吸収率の観点から、532nmの波長のレーサーを用いるのが良く、その次に1064nmであり、その次に1090nmであり、その次に10600nmである。
図10から明らかなように、着色層63の除去と共に保護層64が除去される。このような観点からも、保護層64を樹脂等の有機物から構成し、その除去が容易とすることが有利である。ベース中間層62により粘着層61が保護され、レーザー加熱の影響が粘着層61に及ぶことが抑制される。
<第2実施形態>
図11を参照して第2実施形態について説明する。図11は、ラベルシートの転写ラベルの概略的な断面模式図である。図11に模式的に示すように、着色層63を2層構成としても良い。このような場合においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
図11に示すように、下部着色層63aと上部着色層63bの2層により着色層63を構成しても良い。下部着色層63aと上部着色層63bの各色の組み合わせは任意であり、同じ色に着色しても良い。例えば、ホワイト、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローから成る群の一つに下部着色層63aが着色され、その群の他の一つに上部着色層63bが着色される。例えば、下部着色層63aが白色であり、上部着色層63bが黒色に着色され、転写ラベル60に付与されるコードパターンのコントラストが向上する。例えば、下部着色層63aが黄色であり、上部着色層63bが青色に着色され、情報量が大きいカラーコードパターンの付与が達成可能になる。下部着色層63aと上部着色層63bの各構成材料は、上述の着色層63と同様である。
下部着色層63aと上部着色層63bの界面近傍に到達する穴部H10aは、保護層64、上部着色層63bの部分的除去により形成される。ベース中間層62と下部着色層63aの界面近傍に到達する穴部H10bは、保護層64、上部着色層63b、下部着色層63aの部分的除去により形成される。下部着色層63a、上部着色層63b、及びベース中間層62の色に応じたカラーコードパターンが転写ラベル60に付与される。
<第3実施形態>
図12を参照して第3実施形態について説明する。図12は、ラベルシートの転写ラベルの概略的な断面模式図である。図12に模式的に示すように、着色層63を下部着色層63aと上部着色層63bの2層とし、更に下部着色層63aと上部着色層63bの間に層間中間層65を設けても良い。このような場合においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。第2実施形態の場合と比較して、層間中間層65の介在により、穴部H10aの加工に要する精度を低くすることができる。
層間中間層65は、好適には、焼成により被着体のガラス瓶等に対して固着可能な層である。例えば、層間中間層65は、固着材料としてのガラスフリットを含み、より好適には有機バインダーを追加的に含む。場合によっては、層間中間層65を焼成除去可能な材料としても良く、この場合には、ベース中間層62と同様、熱硬化性樹脂を採用すれば良い。層間中間層65の構成は、ベース中間層62の構成に倣えばよく冗長な説明は省略する。
上部着色層63bと層間中間層65の界面近傍に到達する穴部H10aは、保護層64、上部着色層63bの部分的除去により形成される。ベース中間層62と下部着色層63aの界面近傍に到達する穴部H10bは、保護層64、上部着色層63b、層間中間層65、下部着色層63aの部分的除去により形成される。
<第4実施形態>
図13を参照して第4実施形態について説明する。図13は、ラベルシートの転写ラベルの概略的な断面模式図である。図13に模式的に示すように、着色層63を着色層63a〜63dの4層とし、更に着色層63a〜63d同士が直接的に積層されないように上下の着色層63a〜63d間に層間中間層65a〜65cを設けても良い。このような場合においても第1乃至第3実施形態と同様の効果を得ることができ、情報量が大きいカラーコードパターンの付与が達成可能になる。また、各着色層63の加工精度を低くすることができ、量産的な加工が達成しやすい。
層間中間層65cと着色層63dの界面近傍に到達する穴部H10aは、保護層64、着色層63dの部分的除去により形成される。層間中間層65bと着色層63cの界面近傍に到達する穴部H10bは、保護層64、着色層63d、層間中間層65c、着色層63cの部分的除去により形成される。層間中間層65aと着色層63bの界面近傍に到達する穴部H10cは、保護層64、着色層63d、層間中間層65c、着色層63c、層間中間層65b、着色層63bの部分的除去により形成される。ベース中間層62と着色層63aの界面近傍に到達する穴部H10dは、保護層64、着色層63d、層間中間層65c、着色層63c、層間中間層65b、着色層63b、層間中間層65a、着色層63aの部分的除去により形成される。
<第5実施形態>
図14を参照して第5実施形態について説明する。図14は、ラベルシートの転写ラベルの概略的な断面模式図である。図14に模式的に示すように、図13に示した個々の穴部H10が連続して大きな穴部H10が形成されている。このような場合であっても、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第6実施形態>
図15を参照して第6実施形態について説明する。図15は、ラベルシートの転写ラベルの上面構成を示す概略的な模式図である。上述の特に図13及び図14に示した構成を踏まえて、図15に示すように、転写ラベル60にカラーコードパターンを付与しても良い。図15に示す場合、マゼンタ色が付与された領域が「M」で示され、シアン色が付与された領域が「C」で示され、イエロー色が付与された領域が「Y」で示され、各色の配置態様によりコードの識別が可能である。
<第7実施形態>
図16を参照して第7実施形態について説明する。図16は、ラベルシートの転写ラベルの上面構成を示す概略的な模式図である。上述の構成を踏まえて、図16に示すように、転写ラベル60にコードパターン付与領域R10に加えて、図形、絵柄等の模様付与領域R20を設ける。コードパターンのみならず、図16に示した星模様も切削やレーザー加工により施すことが可能であり、多品種少量生産に適する技術を提供可能である。
図16においては、模様の一例として星形が提示されているが、模様付与領域R20に付与する模様や絵柄は任意であり、これに限られるべきものではない。コードパターン付与領域R10には、数字も付与されているが、これも同様に、切削やレーザー加工により施すことが可能である。
以下に本発明の具体例を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
まず、着色層の原料を次のように調製した。本例では、着色層に黒色無機顔料を加え、黒色に着色した。具体的には、黒色顔料粉末(東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製:42−302A)、ガラスフリット(奥野製薬工業株式会社製、GF3545)、有機バインダーを3本ロールで分散して黒色層ペーストを作製した。また、着色層に加える有機バインダーとしてアクリル系樹脂BR102 (三菱レーヨン株式会社製)を用いた。具体的には、アクリル系樹脂BR102をビス(2−ブトキシエチル)エーテル(和光純薬工業株式会社製)で20%に溶解し、無機顔料(黒色顔料:ガラスフリット=10:90)と有機バインダーの顔料比率(P/R)=80/20に調製した。
ベース中間層の原料を次のように調製した。具体的には、アクリル系樹脂[KC−7000](共栄社化学株式会社)をトルエン:MEK=50:50の混合溶液に溶解した18%溶液を用意し、硬化剤としてイソシアネート系の硬化剤[コロネートL55E](日本ポリウレタン工業株式会社)を1当量となるように添加しベース中間層ペーストとした。
保護層の原料を次のように調製した。i−BMAホモポリマーを炭化水素系溶媒(ソルベッソ#150)に溶解した40%溶液を作製した。
粘着層の原料を次のように調製した。アクリル系粘着剤「SK1309」(綜研化学工業株式会社製)を混合溶媒(トルエン:酢酸エチル=60:40)で希釈し作製した。
以下の手順で、ラベルシートを作製した。剥離性フィルムとしてシリコーン系剥離層を設けたPETフィルム「A31」(帝人デュポンフィルム株式会社製、フィルムサイズ20cm×30cm、厚み50μm)を用意し、メイヤーバーを用いて粘着層を膜厚6μmになるように塗布し、120℃、10分で乾燥した。別に設けたPETフィルム「A31」に、メイヤーバーを用いてベース中間層を膜厚15μmになるように塗布し、120℃、10分で乾燥した。これらを粘着層とベース中間層が向きあうようにラミネート装置を用いて貼り合わせ、ベース中間層側のPETフィルムの剥離をした。次に、ベース中間層側にメイヤーバーを用いて黒色の着色層を膜厚6μmになるように塗布し、120℃、10分で乾燥した。そして、黒色の着色層上にメイヤーバーを用いて保護層を膜厚10μmとなるように塗布し、120℃、10分で乾燥させ、剥離性フィルム上に粘着層、ベース中間層、黒色の着色層、及び保護層からなる積層体を設けたラベルシート積層物を作製した。
その後、フィルムサイズを2cm×30cmのサイズになるようにスリットし、積層体のラベルサイズが2cm×2cmとなるように12mm幅にて積層体を部分的に除去し、図3及び図4に示す態様とし、内径1inch肉厚3mmの紙管にラベル面が内側になるように巻き取り、リール形態のラベルシートを作製した。
(実施例2)
実施例1と同様の手順でラベルシートを作製した。ただし着色層上に保護層を形成しなかった。
(実施例3)
実施例1と同様の手順でラベルシートを作製した。ただしベース中間層厚みを10μmで形成した。
(実施例4)
実施例1と同様の手順でラベルシートを作製した。ただしベース中間層厚みを20μmで形成した。
(実施例5)
実施例1と同様の手順でラベルシートを作製した。ただしベース中間層厚みを5μmで形成した。
(実施例6)
ベース中間層を下部中間層と上部中間層の複層構成とした。
まず、次のように着色層の原料を調製した。黒色顔料粉末(東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製:42−302A)、ガラスフリット(奥野製薬工業株式会社製、GF3545)、有機バインダーを、3本ロールで分散して黒色の着色層ペーストを作製した。有機バインダーとしてアクリル系樹脂BR102(三菱レーヨン株式会社製)を用いた。アクリル系樹脂BR102をビス(2−ブトキシエチル)エーテル(和光純薬工業株式会社製)で20%に溶解し、無機顔料(黒色顔料:ガラスフリット=10:90)と有機バインダーの顔料比率(P/R)=80/20に調製した。
下部中間層用の第1の塗布液を次のように調製した。アクリル系樹脂[KC−7000](共栄社化学株式会社)をトルエン:MEK=50:50の混合溶液に溶解した18%溶液を用意し、硬化剤としてイソシアネート系の硬化剤[コロネートL55E](日本ポリウレタン工業株式会社)を1当量となるように添加した。
上部中間層用の第2の塗布液を次のように調製した。白色顔料粉末(堺化学工業製:GTR−100)、ガラスフリット(奥野製薬工業株式会社製、GF3545)、有機バインダーを3本ロールで分散して白色中間層ペーストを作製した。有機バインダーは黒色層ペーストと同様のものを使用した。無機顔料(白色顔料:ガラスフリット=30:70)と有機バインダーの顔料比率(P/R)=80/20に調製した。
保護層の原料を次のように調製した。i−BMAホモポリマーを炭化水素系溶媒(ソルベッソ#150)に溶解した40%溶液を作製した。粘着層ペーストとしてアクリル系粘着剤「SK1309」(綜研化学工業株式会社製)を混合溶媒(トルエン:酢酸エチル=60:40)で希釈し作製した。
以下の手順で、ラベルシートを作製した。剥離性フィルムとしてシリコーン系剥離層を設けたPETフィルム「A31」(帝人デュポンフィルム株式会社製、フィルムサイズ20cm×30cm、厚み50μm)を用意し、メイヤーバーを用いて粘着層を膜厚6μmになるように塗布し、120℃、10分で乾燥した。別に設けたPETフィルム「A31」に、メイヤーバーを用いて下部中間層を膜厚15μmになるように塗布し、120℃、10分で乾燥した。これらを粘着層と下部中間層が向きあうようにラミネート装置を用いて貼り合わせ、下部中間層側のPETフィルムの剥離をした。
次に、下部中間層側にメイヤーバーを用いて白色の上部中間層を膜厚6μmとなるように塗布し、120℃、10分で乾燥した。乾燥終了後にメイヤーバーを用いて黒色の着色層を膜厚6μmになるように塗布し、120℃、10分で乾燥した。
次に、黒色の着色層上にメイヤーバーを用いて保護層を膜厚10μmとなるように塗布し、120℃、10分で乾燥させた。これにより、剥離フィルム上に粘着層、下部中間層、白色の上部中間層、黒色の着色層、保護層からなる積層体を設けたラベルシート積層物を作製した。
その後、フィルムサイズを2cm×30cmのサイズになるようにスリットし、積層体のラベルサイズが2cm×2cmとなるように12mm幅にて積層体を部分的に除去し、図3及び図4に示す態様とし、内径1inch肉厚3mmの紙管にラベル面が内側になるように巻き取り、リール形態のラベルシートを作製した。
(実施例7)
剥離性フィルムとしてシリコーン系剥離層を設けたPETフィルム「A31」(帝人デュポンフィルム株式会社製、フィルムサイズ20cm×30cm、厚み50μm)を用意し、メイヤーバーを用いて実施例6と同じ粘着層ペーストを膜厚6μmになるように塗布し、120℃、10分で乾燥した。別に設けたPETフィルム「A31」に、メイヤーバーを用いて実施例6の第2の塗布液と同じ白色のベース中間層ペーストを膜厚10μmとなるように塗布し、120℃、10分で乾燥した。これらを粘着層と白色のベース中間層が向き合うようにラミネート装置を用いて貼り合わせ、白色のベース中間層側のPETフィルムの剥離をした。次に、白色のベース中間層側にメイヤーバーを用いて実施例6と同じ黒色の着色層ペーストを膜厚6μmになるように塗布し、120℃、10分で乾燥した。そして、黒色の着色層上にメイヤーバーを用いて実施例6と同じ保護層を膜厚10μmになるように塗布し、120℃、10分で乾燥させ、ラベルシート積層物を作製した。その後、実施例6と同様にリール形態のラベルシートを作製した。
(実施例8)
実施例7と同様の手順でラベルシートを作製した。ただしベース中間層としてガラスフリットと有機バインダーからなる透明ベース中間層とした。
透明ベース中間層ペーストとして、ガラスフリット(奥野製薬工業株式会社製、GF3545)と有機バインダーを3本ロールで分散してペーストを作製した。有機バインダーは黒色の着色層ペーストと同様のものを使用した。ガラスフリットと有機バインダーの顔料比率(P/R)=80/20に調製した。
(実施例9)
実施例7の白色のベース中間層と黒色の着色層の間に厚み6μmの黄色層、厚み6μmの青色層、厚み6μmを有する赤色層を設けた。赤色層として赤色顔料粉末(東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製:42−129A)、ガラスフリット(奥野製薬工業株式会社製、GF3545)、有機バインダーを、3本ロールで分散して赤色層ペーストを作製した。有機バインダーとしてアクリル系樹脂BR102(三菱レーヨン株式会社製)を用い、ビス(2−ブトキシエチル)エーテル(和光純薬工業株式会社製)で20%に溶解し、無機顔料(赤色顔料:ガラスフリット=20:80)と有機バインダーの顔料比率(P/R)=80/20に調製した。
青色層として青色顔料粉末(東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製:42−250A)、ガラスフリット(奥野製薬工業株式会社製、GF3545)、有機バインダーを、3本ロールで分散して青色層ペーストを作製した。有機バインダーとしてアクリル系樹脂BR102(三菱レーヨン株式会社製)を用い、ビス(2−ブトキシエチル)エーテル(和光純薬工業株式会社製)で20%に溶解し、無機顔料(青色顔料:ガラスフリット=30:70)と有機バインダーの顔料比率(P/R)=80/20に調製した。
黄色層として黄色顔料粉末(東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製:42−401A)、ガラスフリット(奥野製薬工業株式会社製、GF3545)、有機バインダーを、3本ロールで分散して黄色層ペーストを作製した。有機バインダーとしてアクリル系樹脂BR102(三菱レーヨン株式会社製)を用い、ビス(2−ブトキシエチル)エーテル(和光純薬工業株式会社製)で20%に溶解し、無機顔料(黄色顔料:ガラスフリット=25:75)と有機バインダーの顔料比率(P/R)=80/20に調製した。各着色層ペーストをメイヤーバーを用いて6μmで塗布し、120℃、10minで乾燥させた。
(実施例10)
実施例9と同様の手順でラベルシートを作製した。ただし各着色層間に厚み5μmの層間中間層を設けた。層間中間層としてガラスフリット(奥野製薬工業株式会社、GF3545)、有機バインダーを、3本ロールで分散して層間中間層ペーストを作製した。有機バインダーとしてアクリル系樹脂(共栄社化学株式会社、KC7000)を用い、トルエン:MEK=50:50の混合溶媒に溶解し、ガラスフリットと有機バインダーの顔料比率(P/R)=80/20に調製した。
(比較例1)
ベース中間層が設けられていない例を比較例1として次のように作製した。剥離性フィルムとしてシリコーン系剥離層を設けたPETフィルム「A31」(帝人デュポンフィルム株式会社製、フィルムサイズ20cm×30cm、厚み50μm)を用意し、メイヤーバーを用いて粘着層ペーストを膜厚6μmになるように塗布し、120℃、10分乾燥した。別に設けたPETフィルム「A31」に、メイヤーバーを用いて黒色の着色層を膜厚6μmになるように塗布し、120℃、10分乾燥した。粘着層と黒色の着色層が向きあうようにラミネート装置を用いて各フィルムを貼り合わせ、黒色の着色層側のPETフィルムの剥離をした。最後に、黒色の着色層上にメイヤーバーを用いて保護層を膜厚10μmになるように塗布し、120℃、10分で乾燥させ、比較例のラベルシートを作製した。
Figure 0006192300
(加工性能評価)
上記手順で作製したラベルシートにレーザー装置を用いてコードパターンを付与した。レーザーは着色層(保護層)側より照射した。本例においては、次の装置を用いた。キーエンス製YVO4レーザー装置、波長(波長:532nm、1064nm)、ファイバーレーザー装置(波長:1090nm)、CO2レーザー装置(波長:10600nm)の4種類の波長を用いてラベルシートの着色層に2次元コードを加工した。レーザー装置による着色層の加工性能の評価基準として次のものを採用した。加工に用いた4種類の波長全てにおいて加工可能だった場合を○、1種類でも可能であった場合は△、全て不可能であった場合を×とした。
(転写性評価)
レーザー装置によりコードパターンを付与したラベルシートをタックラベラーを用いて被着体のガラス瓶に仮着し、転写した。被着体に転写されたコードパターンについて目視観察を行い、次の評価基準に従って評価した。パターン形状の欠け、ゆがみ、クラック、剥離などが無い状態を○、パターン形状の欠け、ゆがみ、クラック、剥離などがあるが、他の特性に影響を及ぼさない状態を△、パターン形状の欠け、ゆがみ、クラック、剥離などがあり、他の特性に影響を及ぼす状態を×とした。
(焼成性評価)
コードパターンを形成したラベルシートを厚み2.0mmのソーダライムガラスに転写し、630℃に設定した焼成炉に入れ、10分間焼成を行った。焼成性の評価基準は、次の基準に従って行った。目視観察でパターン形状の欠け、ゆがみ、クラック、剥離、発色不良などが無い状態を○、目視観察でパターン形状の欠け、ゆがみ、クラック、剥離、発色不良などがあるが、他の特性に影響を及ぼさない状態を△、目視観察でパターン形状の欠け、ゆがみ、クラック、剥離、発色不良などがあり、他の特性に影響を及ぼす状態を×とした。
(耐摩耗性)
耐摩耗性の評価基準は、次の基準に従って行った。摩耗試験後の目視観察で焼成後のパターンが剥離していない状態を○、パターンが剥離し、他の特性に影響を及ぼす状態を×とした。
表1の結果から分かるように、比較例1はベース中間層を有していないため、レーザー波が粘着層に到達してしまい、転写性に問題があり、これが他の性能にも影響した。
上述の教示を踏まえると、当業者をすれば、各実施形態に対して様々な変更を加えることができる。着色層の着色は、シアン、マゼンタ、イエロー等の中間色であっても構わない。レーザー加工の際に用いられるレーザー装置の具体的な構成は任意であり、パルスレーザーに限らず、CWレーザーであっても良い。請求項で述べた第1、第2、第3等の表現は、これが付与された用語同士を区別するためのものであり、請求項の用語と詳細な説明の用語との対応関係は明瞭であろう。
50 剥離性フィルム、
60 転写ラベル(積層体)、
60a 上表面、
61 粘着層、
62 ベース中間層、
63 着色層、
64 保護層、
H10 穴部。

Claims (12)

  1. 剥離性シート、及び当該剥離性シート上に設けられた少なくとも1つの積層体を備えるラベルシートであって、
    前記剥離性シート上の前記少なくとも1つの積層体は、
    前記剥離性シート上に積層され、焼成除去可能である粘着層と、
    少なくとも前記粘着層を介して前記剥離性シート上に積層されたベース中間層と、
    少なくとも前記粘着層及び前記ベース中間層を介して前記剥離性シート上に積層され、かつ焼成により被着体に対して固着可能である層以上の着色層と、を含み、
    前記ベース中間層が、焼成除去可能であり、又は焼成により被着体に固着可能であり、
    前記層以上の着色層には、少なくとも当該着色層が部分的に除去されて形成された1以上の穴部にして、前記ベース中間層を超えて前記粘着層まで到達しない1以上の穴部が設けられ
    前記2層以上の着色層に含まれる第1及び第2着色層の間には第1層間中間層が設けられ、前記第1層間中間層が、焼成除去可能又は焼成により被着体に固着可能である、ラベルシート。
  2. 前記少なくとも1つの積層体が、複数の島状の積層体を含み、
    前記1以上の穴部により示されるコードパターンが、前記複数の島状の積層体間において異なる、請求項1に記載のラベルシート。
  3. 前記ベース中間層が、焼成除去可能であり、熱硬化性樹脂を含む層を含む、請求項1又は2に記載のラベルシート。
  4. 前記ベース中間層が、焼成により被着体に固着可能であり、かつ白色に着色されている若しくは透明層である層を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のラベルシート。
  5. 記第1及び第2着色層が異なる色に着色される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のラベルシート。
  6. 前記層以上の着色層が、第1乃至第3着色層を含む3層以上の着色層であり、前記第1乃至第3着色層が異なる色に着色される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のラベルシート。
  7. 記第2及び第3着色層の間には第2層間中間層が設けられ、
    前記第2層間中間層が、焼成除去可能又は焼成により被着体に固着可能である、請求項6に記載のラベルシート。
  8. 前記ベース中間層が、焼成により被着体に固着可能である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のラベルシート。
  9. 剥離性シート、及び当該剥離性シート上に設けられた積層体を備えるラベルシートの製造方法であって、
    前記剥離性シート上に焼成除去可能である粘着層を積層する工程と、
    少なくとも前記粘着層を介して前記剥離性シート上にベース中間層を積層する工程にして、前記ベース中間層が、焼成除去可能であり、又は焼成により被着体に固着可能である、工程と、
    少なくとも前記粘着層及び前記ベース中間層を介して前記剥離性シート上に層以上の着色層を積層する工程にして、前記着色層が焼成により被着体に対して固着可能である、工程と、
    少なくとも前記着色層を部分的に除去して前記ベース中間層を超えて前記粘着層まで到達しない1以上の穴部を設け、これにより、前記穴部に応じたコードパターンを付与する工程と、
    を含み、
    前記2層以上の着色層に含まれる第1及び第2着色層の間には第1層間中間層が設けられ、前記第1層間中間層が、焼成除去可能又は焼成により被着体に固着可能である、ラベルシートの製造方法。
  10. 前記着色層に前記コードパターンを設ける前記工程が、前記積層体に対してレーザー光を照射して少なくとも前記着色層を部分的に除去する工程を含む、請求項に記載のラベルシートの製造方法。
  11. 少なくとも前記粘着層、前記ベース中間層、及び前記層以上の着色層を含む積層体を部分的に除去して前記剥離性シート上において前記積層体を2以上の島部の態様にて残存させる工程を更に含む、請求項又は10に記載のラベルシートの製造方法。
  12. 前記ベース中間層が、焼成により被着体に固着可能である、請求項9乃至11のいずれか一項に記載のラベルシートの製造方法。
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