JP6125179B2 - 転写ラベルを有するラベルシート - Google Patents

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Description

本発明は、無機顔料を含む絵柄印刷層を具備する転写ラベルを含むラベルシートに関する。
近年、陶磁器、ガラス製品等の多種多様な製品にラベルが施され、商標、商品説明等の記述的態様に限らずラベルにより製品の意匠性を高める努力も為されている。なお、製品に施されるラベルは、商標専用ラベル、意匠専用ラベル、又は双方を兼ねるラベルが例示される。
特許文献1乃至5には、セラミック製品等に模様を転写する転写シートに関する技術が開示されている。
特許文献1には、同文献の図3に示すように、印刷台紙1上に黄色層21、中間層31、赤色層22、中間層32、青色層23、及び黒色層24をスクリーン印刷によって順次印刷することが開示されている(同文献の図1及び図2も併せて参照)。同文献の図5に示すように、中間層31により黄色層21を平坦化し、これにより、赤色層22を確実に印刷することができることが開示されている(例えば、同文献の段落0012参照)。同文献の段落0030には、転写紙を印刷台紙から剥離し、熱膨張率が異なる釉薬の生地に貼布し、800〜850℃で焼成することが開示されている。
特許文献2には、同文献の図1に示すように、ポリエステルシート2上に剥離層3、着色層4、隠蔽用着色層5、及び接着層6が積層した転写シート1が開示されている。同文献の図2に示すように、転写シート1がセラミック基材7上に貼り合わせられ、ポリエステルシート2が剥離される。
特許文献3には、同文献の図1に示すように、熱転写紙4をセラミック基体1上に載置し、熱プレスし、冷却後に離型紙5を剥離し、電気窯で焼成して装飾セラミック体を得ることが開示されている(同文献の段落0018参照)。なお、熱転写紙4は、離型紙5上に樹脂層6を形成し、模様2を印刷したものである(同文献の段落0017参照)。
特許文献4には、同文献の図2に示すように、剥離性基材シート1上に剥離層2、絵柄印刷層3、及び接着剤層4を積層し、同文献の図3に示すように基材6に載置することが開示されている。同文献の段落0020には、タイル基材の表面に接着剤層を形成し、転写シートを事前加熱してタイル基材表面に載置して熱転写し、その後、剥離性基材シート1を剥離し、1070℃で焼成することが開示されている。
特許文献5には、同文献の図2に示すように、接着層9を下側にして転写シート50を絶縁硝子に圧着させて転写して約800℃で焼成してデザインを等径部分に焼き付けることが開示されている。転写シート50は、上質紙5上に剥離層6を有し、剥離層6上に顔料層7、8を有し、顔料層7、8が接着層9により被覆される。
特開平5−139020号公報 特開平5−85866号公報 特開平11−48694号公報 特開平7−1894号公報 特開平10−29400号公報
被着体に対して絵柄印刷層を焼成により転写するに際して、被着体に対する絵柄印刷層のより効率的な貼付を確保すると共に、より良好な絵柄の色再現性も確保することを目的とする。
本発明に係るラベルシートは、剥離フィルム上に剥離可能な態様で1個以上の転写ラベルが積層したラベルシートであって、前記転写ラベルが、前記剥離フィルム上に積層した焼成除去可能な粘着層と、少なくとも前記粘着層を介して前記剥離フィルム上に積層し、焼成により被着体に対して固着可能な絵柄印刷層とを備え、前記絵柄印刷層は、互いに異なる無機顔料を含有する複数種のインクドット群が少なくとも部分的に共通平面に存在するべく形成されて成り、かつ前記複数種のインクドット群の各分布に応じた所定の絵柄を呈する。
本構成によれば、被着体に対する絵柄印刷層のより効率的な貼付を確保すると共に、より良好な絵柄の色再現性も確保することができる。
前記粘着層の最大層厚が1μm〜15μmの範囲内にある、と良い。
前記転写ラベルは、前記粘着層とは反対側にて前記絵柄印刷層上に積層した焼成除去可能な保護層を更に備える、と良い。
前記複数種のインクドット群が、イエローに対応する無機顔料を含有する第1インクドット群、マゼンタに対応する無機顔料を含有する第2インクドット群、シアンに対応する無機顔料を含有する第3インクドット群、及びブラックに対応する無機顔料を含有する第4インクドット群から成るインクドット群の集合から選択される2種以上のインクドット群を含む、と良い。
前記転写ラベルは、前記複数種のインクドット群を被覆する被覆層を更に備え、当該被覆層が前記被着体に対して焼成により固着可能である、と良い。
前記転写ラベルは、所定層厚のベタ層状に形成された白色を呈するべき下地層を備え、前記絵柄印刷層の前記複数種のインクドット群が前記下地層上に形成される、と良い。
前記転写ラベルは、前記粘着層と前記絵柄印刷層間に焼成除去可能な中間層を更に備える、と良い。
前記複数種のインクドット群の夫々は、最大の網点面積率≦90%の網点面積率の分布を反映した版を用いて印刷される、と良い。
本発明に係るラベルシートの製造方法は、剥離フィルム上に剥離可能な態様で1個以上の転写ラベルが積層したラベルシートの製造方法であって、前記剥離フィルム上に焼成除去可能な粘着層を積層する工程と、前記剥離フィルム上に積層された前記粘着層上に焼成により被着体に対して固着可能な絵柄印刷層を印刷若しくは貼り合わせる工程と、を含み、前記絵柄印刷層は、網点面積率=100%を含まない網点面積率の分布を反映した版を用いた互いに異なる無機顔料を含有する複数種のインクの個別印刷処理により形成される。
本発明によれば、被着体に対する絵柄印刷層のより効率的な貼付を確保すると共に、より良好な絵柄の色再現性も確保することができる。
本発明の第1実施形態に係るラベルシートの概略的な断面模式図であり、各色のインクドットのハッチングについても併せて図示する。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの絵柄印刷層を構成するインクドット群の平面分布を例示的に示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係るコンピューターの概略的なブロック図であり、当該コンピューターの動作により各色の網点面積率分布データが生成される。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの概略的な斜視図であり、リールに巻かれたラベルシートの一端が引き出された状態を示す。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの概略的な断面模式図であり、図4に示す転写ラベルシールの長手方向のXV−XV間の断面構成を示す。 本発明の第1実施形態に係る転写ラベルの貼付工程における転写ラベルの繰り出し態様を模式的に示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る焼成後の瓶の所定の高さ位置での概略的な端面図である。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの製造工程を示す概略的な工程図である。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの製造工程を示す概略的な工程図である。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの製造工程を示す概略的な工程図である。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの製造工程を示す概略的な工程図である。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの製造工程を示す概略的な工程図である。 本発明の第1実施形態に係るラベルシートの製造工程を示す概略的な工程図である。 本発明の第2実施形態に係るラベルシートの概略的な断面模式図である。 本発明の第3実施形態に係るラベルシートの概略的な断面模式図である。 本発明の第4実施形態に係る転写ラベルの貼付工程を示す工程図である。 本発明の第5実施形態に係る転写ラベルの貼付工程を示す工程図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。各実施形態は、個々に独立したものではなく、過剰説明をするまでもなく、当業者をすれば、適宜、組み合わせることが可能であり、この組み合わせによる相乗効果も把握可能である。実施形態間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明説明を主目的とするものであり、適宜、簡略化されている。
<第1実施形態>
図1乃至図13を参照して第1実施形態について説明する。図1は、ラベルシートの概略的な断面模式図であり、各色のインクドットのハッチングについても併せて図示する。図2は、絵柄印刷層を構成するインクドット群の平面分布を例示的に示す平面図である。図3は、各色の網点面積率分布データを生成するコンピューターの概略的なブロック図であり、順次データが生成される点も模式的に示す。図4は、ラベルシートの概略的な斜視図であり、リールに巻かれたラベルシートの一端が引き出された状態を示す。図5は、ラベルシートの概略的な断面模式図であり、図4に示す転写ラベルシールの長手方向のXV−XV間の断面構成を示す。図6は、転写ラベルの貼付工程における転写ラベルの繰り出し態様を模式的に示す説明図である。図7は、焼成後の瓶の所定の高さ位置での概略的な端面図である。図8乃至図13は、ラベルシートの製造工程を示す概略的な工程図である。
図1に示すように、ラベルシート100は、共通の剥離フィルム50上に1個以上の転写ラベル60が積層したものであり、限定するわけではないが典型的には図4に示すように長尺に構成され、リールに巻かれ、剥離フィルム50の連続的な繰り出しが可能に構成される。図1に示すように、転写ラベル60は、焼成除去可能な粘着層61、焼成により被着体に固着するべき絵柄印刷層62、及び焼成除去可能な保護層63がこの順に積層した積層体であり、剥離フィルム50の上面(主面)51上に積層されている。絵柄印刷層62が形成されていない範囲では、粘着層61の直上に保護層63が積層されている。保護層63の積層を省いて転写ラベル60をより薄い層としても構わない。
はじめにラベルシート100の構成要素について詳細に説明する。剥離フィルム50は、好ましくは、十分な可撓性を有し、かつ十分な機械的強度を有する基材である。剥離フィルム50の構成材料は、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、アクリルなどのプラスチックである。プラスチックの他にも紙又はこれらの複合物を用いても良い。剥離フィルム50の層厚は、例示的には25〜250μm、好ましくは35〜75μmである。
剥離フィルム50が粘着層61に対して剥離性を有することが好ましく、フィルム基材をそのまま用いても良いが、フィルム基材上にシリコーン系やアルキド樹脂系等からなる剥離層を成膜したものを採用しても構わない。剥離界面の接着強度は、フィルム基材や剥離層の材料や層厚等によって調整可能である。
転写ラベル60の構成層である粘着層61は、焼成除去が容易な有機物であることが好ましく、例えば、アクリル系、ゴム系等の粘着剤から成り、この粘着剤は焼成工程において熱分解して気化する。粘着層61の層厚は、例えば、1〜15μmであり、好ましくは、4〜8μmである。
絵柄印刷層62は、粘着層61を介して剥離フィルム50上に積層し、本例においては粘着層61中に埋め込まれている。絵柄印刷層62は、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエロー等のインクの個別のスクリーン印刷により形成された層である。絵柄印刷層62は、焼成によりイエローを発色するべきイエロードットYDの群(以下、イエロードット群と呼ぶ場合がある)、焼成によりマゼンタを発色するべきマゼンタドットMDの群(以下、マゼンタドット群と呼ぶ場合がある)、焼成によりシアンを発色するべきシアンドットCDの群(以下、シアンドット群と呼ぶ場合がある)、焼成によりブラックを呈するべきブラックドットKDの群(以下、ブラックドット群と呼ぶ場合がある)を含む。イエロードット群、マゼンタドット群、シアンドット群、及びブラックドット群の少なくとも2種以上が共通平面に形成され、イエロードット群、マゼンタドット群、シアンドット群、及びブラックドット群の各分布に応じた所定のカラーの絵柄が呈される。
本例では、被着体に対して転写ラベル60が仮着した状態で被着体側からイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの積層順番を確保するために、ブラックドット群、シアンドット群、マゼンタドット群、及びイエロードット群の順に各色のインクを連続的に保護層63上でスクリーン印刷する。絵柄印刷層62により呈される絵柄は、非限定的かつ典型的には人物写真や風景写真であり、絵柄平面内の部分毎に色合いが大きく異なる場合がある。例えば、ヒトの顔写真に関しては、髪に対応してブラックドットが他のドットと比較してより高密度に配置され、赤い唇に対応してマゼンタドットが他のドットと比較してより高密度に配置されるだろう。
色分解に関しては、必ずしも4原色の色分解にてオリジナル絵柄を再現する必要はない。ブラックを除く3原色でオリジナルの絵柄を表示しても良い。3原色のうち2種類の色のみを用いてオリジナルの絵柄を表示しても良い。イエロー、マゼンタ、シアン以外の特殊な色のインクを活用しても構わない。
各色のインクドットIDには無機顔料が含まれる。無機顔料は、所定の波長帯域の可視光を実質的に反射し、所定の波長帯域外の光を実質的に吸収する特性を有する。イエロードットYDに含まれる無機顔料は、例示的には、Ti−Sb−Ni系酸化物又はCr−Ti系酸化物等である。マゼンタドットMDに含まれる無機顔料は、例示的には、Zn−Fe−Cr系酸化物又はFe23等である。シアンドットCDに含まれる無機顔料は、例示的には、Co−Al系酸化物又はCo−Cr−Al系酸化物等である。ブラックドットKDに含まれる無機顔料は、例示的には、Cu−Cr系酸化物又はCu−Cr−Mn系酸化物等である。
各色のインクドットIDには被着体に対する顔料の十分な固着を確保するために固着材料、典型的にはガラス粉体を混入することが望ましい。ガラス粉体は、例えば、SiO2、ZrO2、Al23、TiO2、CeO2、B23、Bi23、Na2O、K2O、ZnO等の成分を含有するものが使用可能である。ガラス粉体は、好ましくは、SiO2、ZrO2、及びBi23成分を含有する軟化温度500〜600℃のガラス粉体である。ガラス粉体は、焼成により被着体に固着し、これにより、被着体から顔料が落ちてしまうことが抑制される。
顔料よりもガラス粉体の重量%(質量%)を大きくすることが好ましい。これにより、被着体に対する絵柄印刷層62の一体性を高めることができる。なお、スクリーン印刷にて絵柄印刷層62を形成する場合、各インクドットIDの厚みを十分に確保することができるため、多量のガラス粉体をインクドットIDに含ませたとしても各インクドットIDに必要十分な量の顔料を含ませることができるだろう。
絵柄印刷層62/インクドットIDにおいて、顔料の重量%(質量%)をPとし、ガラス粉体の重量%(質量%)をQとしたとき、0.05<(P/Q)<0.9を満足することが好ましく、0.1<(P/Q)<0.7を満足することがより好ましい。
各色のインクドットIDに有機物(有機バインダーと呼んでも良い)を含めることが望ましい。この有機物は、例えば、メタクリル酸樹脂であるが、これに限られるべきものではない。インクドットID中の有機物は、焼成工程により熱分解して気化してインクドットID外へ放出される。インクドットIDに有機物を含めることにより、安定した印刷を好適に確保することができ、また粘着層61/保護層63に対する絵柄印刷層62の密着性を高めることが期待できる。絵柄印刷層62の平面構成については図2を参照して後述する。
保護層63は、転写ラベル60の機械的な強度を確保するのに十分な厚みを有する有機物から成る層であり、焼成により除去される。好ましくは、保護層63の層厚は5〜50μmである。
保護層63は、例えば、下記式[化1]に示すメタクリル酸エステルモノマーの重合体を50wt%(若しくは50質量%)以上含有する重合体から成る層である。メタクリル酸エステルポリマーから成る保護層63に対してメタクリル酸エステル系の微粒子を添加しても良い。保護層63に微粒子を添加すると、保護層63の引張弾性率を向上させることができる。また保護層63を構成するメタクリル酸エステルポリマーと微粒子とが同種であるため、保護層に微粒子を均一分散することができ、またポリマーと微粒子との熱分解性に大きな差がない点で好ましい。
Figure 0006125179
メタクリル酸エステルポリマーは焼成中の熱分解性が良好であるため、残炭が生じず、焼成破裂が起き難く、絵柄印刷層にピンホールや色むら等の焼成不具合も生じ難い。保護層63は、メタクリル酸エステルポリマーを、好ましくは80wt%以上含有する。より好ましくは、保護層63は、メタクリル酸エステルホモポリマーであっても良く、異なるメタクリル酸エステルモノマー同士の共重合体であっても良い。
保護層63のガラス転移温度は40℃以上が好ましい。40℃以上とすることにより、ラベルシート100を重ねて保管もしくはリール形態にて保管した場合、保護層63と剥離フィルム50が接着してしまうことを抑制することができる。保護層63のガラス転移温度は、40℃以上100℃以下であると良い。
保護層63の層厚は、好ましくは、5〜50μmである。5μm未満の場合、耐衝撃性が悪く、50μmを超えると焼成中に絵柄印刷層62及びその層より下の層から出る熱分解ガスの気道を塞いでしまうおそれがある。より好ましくは、保護層63の層厚は、10〜20μmである。
絵柄印刷層62は含有する有機物の割合が相対的に少ないため焼成前の膜質は硬く脆い傾向にある。このためラベルシート100を屈曲させると絵柄印刷層62にひび割れが発生してしまうおそれがある。瓶にむき出しの絵柄印刷層62を貼付すると、絵柄印刷層62に傷が発生しやすい。保護層63を設けることにより、上述のひび割れ防止や傷の発生の抑制を図ることができる。保護層63は、後述の焼成工程により熱分解ガスとして除去される。
図2に、絵柄印刷層62の各インクドットIDの平面分布の一例を模式的に示す。なお、図示の都合上、各インクドットの外形が正確な矩形として表現しているが、実際のインクドットの外形は必ずしもこれに限られるべきものではなく、例えば、円形であっても構わない。図2(a)に示す例においては、イエロードットYDが、剥離フィルム50の上面51上において2次元配置されている。マゼンタドットMDは、イエロードットYDと同層、換言すれば、イエロードットYDと共通平面に配置され、この点は、シアンドットCDについても同様である。図2(a)に示す範囲では、ブラックドットKDが含まれていない。
図2(b)に絵柄印刷層62の各インクドットIDの平面分布の別例を模式的に示す。図2(b)に示すように、マゼンタドットMD上にイエロードットYDが積層される。ここでは、矩形のイエロードットYDに対して矩形のマゼンタドットMDが所定角度だけ反時計方向へ回転されている(逆の説明も然り)。これにより、異種のインクドット同士の重なりによる悪影響(主にモアレ等)を回避することができる。なお、イエロードットYDによりマゼンタドットMDが隠れてしまうが、マゼンタドットMDの部分的な露出を確保することにより、マゼンタドットMDの網点面接率の低下を抑制することができる。なお、シアン、ブラックに関しては、矩形のマゼンタドットMDに対して矩形のブラックドットKDが所定角度だけ反時計方向へ回転されている。矩形のブラックドットKDに対して矩形のシアンドットCDが所定角度だけ反時計方向へ回転されている。
ブラックドット群、シアンドット群、マゼンタドット群、及びイエロードット群を個別にスクリーン印刷する際には、色毎に用意されたスクリーン(版)を用いることが一般的である。本実施形態においては、最終的に絵柄印刷層62におけるインクドットIDの分布に反映される各色の網点面積率の最大値を100%ではなく90%以下に意図的に低く設定し、これにより、網点面積率100%に応じてベタ層が全体的又は部分的に絵柄印刷層62に形成されることを阻止する。インクに含有される無機顔料が光透過性に乏しく、インクベタ層の形成により絵柄印刷層62により呈される絵柄の透明性や中間的な色合いの表現が劣化し、つまり絵柄の色再現性が劣化してしまうおそれがある。
以下、各色のインクドットIDの疎密分布に反映される各網点面積率分布をコンピューター上で調整する点について説明する。ここでは、図1及び図2の説明に併せて、オリジナル絵柄を三原色(イエロー、マゼンタ、シアン)に墨(ブラック)を加えた四原色で色分解する場合について説明する。
まず、コンピューター、端的には、コンピューター上のソフトウェアを活用してオリジナルの絵柄データ(例えば、所定ファイル形式の画像データ)をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの四原色に色分解し、これにより各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の2次元的な色濃度比(濃淡)を示す色濃度比の分布データを生成する。
次に、同様にコンピューターを活用して、この色濃度比の分布データに基づいて色毎の網点面積率の分布データを生成する。色濃度比の分布データは、マトリクス状の各セルに色濃度比の値が割り当てられたデータである。コンピューターは、各セルに割り当てられた色濃度比を所定アルゴリズムに従って色毎の網点面積率へ変換し、これにより色毎の網点面積率分布データが生成される。上述の変換に際して、仮に所定の色濃度比に応じてイエローの網点面積率を100%とすべきであっても、100%よりも低い90%から70%の範囲内の網点面積率とする。これにより1以上のセルに応じた範囲においてイエローのベタ層が形成されてしまうことを阻止することができる。例えば、コンピューターに対して網点面積率の最大値を入力しておけば、コンピューター上のソフトウェアがこの入力値に応じて上述の色濃度比に基づく網点面積率の算出処理を実行するだろう。
なお、網点面積率(網点濃度)=0%のとき、インクが全く印刷されない状態であり、網点面積率(網点濃度)=100%のとき、ベタ層が印刷される状態となる。上述のセルのマトリクス配置に関しては、1インチ当たりの縦/横に走る線数が80〜175線であることが好ましい。線数が80線のとき、縦80個、横80個のセルマトリクスになる。使用するスクリーン版のメッシュ数に応じて、適宜可能な限り高線数で網点処理することが好ましい。線数が粗い(即ち低線数)と解像度が落ち、細かい(即ち高線数)と解像度が上がり、鮮明な絵柄を再現できる。
色濃度割合に基づいて網点面接率を算出/決定することについては、例えば、イエローに着目して説明すると、網点面積率の最大値を80%として上限を設けた場合、色濃度割合100%のセルは網点面積率80%、色濃度割合62.5%のセルは網点面積率50%、色濃度割合50%のセルは網点面積率40%、色濃度割合0%のセルは網点面積率0%といったように変換処理される。このような変換処理を行うことで、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の色濃度割合が100%のセルに応じて絵柄印刷層62にインクベタ膜が形成されずにあくまでインクドットの群が形成され、擬似的に無機顔料を含有するインクの透過性を上げたのと同様の効果が得られる。これにより、インクベタ層の形成により絵柄印刷層62により呈される絵柄の透明性や中間的な色合いの表現が劣化し、つまり絵柄の色再現性が劣化してしまうことを回避又は抑制することができる。
オリジナルの絵柄データを色分解する処理、色濃度比分布データに基づいて各色の網点面積率分布データを生成する処理、各色の網点面積率分布データを露光装置へ転送する処理等に例示される様々な処理は、汎用のコンピューターを活用して実行できる。
図3を参照して例示的に説明する。図3に示す汎用のコンピューター200は、ソフトウェア制御されるCPU等から構成される処理部202とハードディスク又はメモリ等から構成されるデータ格納部203を具備する一般的なハードウェア構成を具備する。なお、バス、バスコントローラー、メモリコントローラー、入出力インターフェイス等を省略している。
処理部202は、演算を実行する機能部であり、データ格納部203から読み出したオリジナル絵柄データに対して色分解処理を実行し、これにより得られた濃度比分布データは、データ格納部203へ転送されて格納される。次に、処理部202は、データ格納部203から濃度比分布データを読出し、色毎の網点面積率の分布データを生成する。この時、処理部202は、任意の記憶装置に格納された網点面積率の最大値に応じた条件で演算処理を実行する。この演算処理により生成された色毎の網点面積率分布データは、処理部202からデータ格納部203へ転送されて格納される。なお、図3において別々にイメージ的に図示した3つのデータ格納部203は、同一のハードウェアの異なる記憶領域に対応している。処理部202の機能は、画像処理用のソフトウェアがCPU(Central Processing Unit)等により実行されることにより具現化されるだろう。
色(ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエロー)毎の網点占有率分布データは、露光機に送られ、網点占有率分布を反映したフィルム、例えば、多数の黒色ドットが描かれたフィルムが刷られる。次に、このフィルムを用いてスクリーン上の乳剤を露光し、黒色ドットに応じて未硬化の乳剤が除去され、スクリーン印刷に用いられるスクリーンが得られる。このスクリーンも網点面積率分布を反映したものである。
図4及び図5を参照して図1に示したラベルシート100が長尺に構成された例について説明する。図4に示すように、ラベルシート100は、所定幅の長尺体として構成され、リールに巻かれている。ラベルシート100は、長尺な剥離フィルム50と、剥離フィルム50上に剥離可能に積層された転写ラベル60の列を有する。転写ラベル60は、剥離フィルム50上で矩形島状に区画されており、剥離フィルム50の長手方向に沿って一定間隔で設けられている。隣り合う転写ラベル60間で剥離フィルム50の一面が露出しているが、必ずしもこの限りではない。
図4のXV−XV間の概略的な断面構成を図5に示す。剥離フィルム50上の積層体が選択的に除去され、図5に示すように矩形島状の転写ラベル60が残存する。典型的には、スリット加工を活用して上述の選択除去を実行する。
図6及び図7を参照して転写ラベルの貼付工程及び焼成工程について説明する。図6に模式的に示すようにラベルシート100が送られる過程で、転写ラベル60が図6の左側へ送り出される。詳細には、剥離フィルム50がプレート12の先端を逆方向へ曲がりながら通過する際、転写ラベル60がその先端から徐々に剥離フィルム50から反り出し、転写ラベル60が被着体(不図示)に向かって繰出される。これにより、粘着層61の下面(剥離フィルム50側の面)が被着体(不図示)の外表面に付着する。望ましくは、転写ラベル60が剥離フィルム50から完全に剥離する前、転写ラベル60の繰り出し方向における転写ラベル60の先端部が被着体の外表面に付着する。この付着後、被着体の移動により、被着体の外表面に転写ラベル60が仮着する。
転写ラベル60が仮着した被着体をガラス軟化点以上の温度条件(例えば、500℃〜700℃)にて焼成する。この焼成工程において、粘着層61がガス化して除去され、保護層63がガス化して除去され、更に絵柄印刷層62中の有機物もガス化して除去される。他方、絵柄印刷層62中のガラス粉体がガラス化/軟化して被着体の外表面に固着する。例えば、被着体が筒状のガラスであるならば、絵柄印刷層62は、図7に模式的に示すように被着体70の外表面に焼結して一体化する。
上述の説明から明らかなように、本実施形態によれば、ラベルシート100を送りながら転写ラベル60を所定方向へ繰り出すことにより、転写ラベル60を被着体に対して高効率に貼付することが可能である。また、本実施形態に係る絵柄印刷層62は、複数種のインクドット群の各分布に応じて所定の絵柄を呈するものであり、この場合、所定の絵柄の良好な色再現性を好適に確保することができる。絵柄の種類は任意であるが、例えば、風景写真、人物写真等であったり、所望のキャラクターであったりする。
ところで、被着体に対して転写ラベル60が仮着すると絵柄印刷層62よりも被着体側に粘着層61が配されるが、絵柄印刷層62の層厚が平面内で局所的に薄層であると、その薄厚箇所へ粘着層61の気化ガスが集中してしまい、絵柄に亀裂や発泡が生じさせてしまうおそれがある。本実施形態においては、このような背景があるにも関わらず、インクベタ層を含まないインクドット群で絵柄印刷層62を構成し、光透過性が乏しい無機顔料を使用した場合に不足する傾向にある絵柄の色再現性、例示的には透明性や中間色の再現をより十分に確保する。この場合にあっても、粘着層61の層厚を調整することにより粘着層61の気化による絵柄印刷層62への影響を極力抑制することができる。好ましくは、粘着層61の最大層厚を1μm〜15μmの範囲内とする。粘着層61の層厚が15μmを超えると、焼成時の熱分解ガスの影響により、絵柄印刷層62に焼成不具合が生じる確率が高くなるおそれがあり、また、粘着層61の層厚が1μm未満では、粘着層61の粘着力が不足し、被着体(陶磁器又はガラス製の瓶等)に転写ラベル60を十分に貼付することができないおそれがある。
最後に、図8乃至図13を参照してラベルシートの製造工程について補足的に説明する。まず、図8(a)に示すように、犠牲剥離シート71上に保護層63を積層する。好適には、グラビアコーターに例示される任意の種類の塗工装置を活用して保護層63を成膜する。その後、任意の種類の乾燥装置を用いて、保護層63を乾燥する。
次に、図8(b)に示すように、スクリーン印刷により絵柄印刷層62を保護層63上に積層する。端的には、まず、ブラック用スクリーン版を介してブラックインクを保護層63上にスクリーン印刷し、次にシアン用スクリーン版を介してシアンインクを保護層63上にスクリーン印刷し、次にマゼンタ用スクリーン版を介してマゼンタインクを保護層上にスクリーン印刷し、次にイエロー用スクリーン版を介してイエローインクを保護層63上にスクリーン印刷する。絵柄の種類にも依存するが、多くの場合、2種以上のインクドット群が少なくとも部分的に同一平面、端的には保護層63の直上に積層されるだろう。なお、異種のインクドット同士が積層することは当然に予定されている。その後、任意の種類の乾燥装置を用いて、絵柄印刷層62を乾燥する。
他方、図8(c)に示すように、剥離フィルム50上に粘着層61を積層する。好適には、グラビアコーターに例示される任意の種類の塗工装置を活用して粘着層61を成膜する。その後、任意の種類の乾燥装置を用いて、粘着層61を乾燥する。
次に、図9に模式的に示すように図8(b)の積層体と図8(c)の積層体とを貼り合わせて図10に示す積層体を得る。好適には、ラミネーター装置を活用して両者を貼り合わせる。その後、図11に模式的に示すように犠牲剥離シート71を剥離してラベルシート100を得る。次に、必要に応じて図12に示すように、領域R10で示される範囲を除去するべく剥離フィルム50上の転写ラベル60となるべき積層体60をカットし、次に図13に示すようにカット線CLに沿ってラベルシート100をカットする。カットにより得られた帯体をリールに巻くことにより、図4に示したリール形態のラベルシート100を得ることができる。
<第2実施形態>
図14を参照して第2実施形態について説明する。本実施形態においては、図14に示すように、粘着層61と絵柄印刷層62との間に中間層64を設け、粘着層61と絵柄印刷層62との間でバリア性を確保する。このような場合であっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。中間層64を粘着層61上に成膜することにより、粘着層61上において絵柄印刷層62を印刷形成することができ、第1実施形態で説明した貼合工程を省略することができ、ラベルシート100の製造の簡素化を図ることができる。
中間層64は、絵柄印刷層62と粘着層61間にバリアを持たせるバリア層として機能し、絵柄印刷層62に含有される有機物が粘着層61に含有される溶媒に溶解することを効果的に抑制する。中間層64は焼成により除去可能な有機物であれば特に限定されず、絵柄印刷層62に用いられる有機物と同様なものから選ぶことができる。例えば、中間層64は、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸ポリマー、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、及びポリエステルの群から選択される1以上の樹脂から成る。ガラス転移温度が50℃以上である高分子樹脂を中間層64の材料として採用することが好ましく、これにより十分なバリア性を確保することができる。
中間層64の層厚は、例えば5〜25μm、好ましくは10〜20μmである。絵柄形成部分においてバリア効果を十分に得るには、中間層64の層厚を5μm以上、好ましくは10μm以上とする。但し、中間層64の層厚が厚くなると有機物の熱分解による気化ガスの発生量が多くなるため絵柄に欠陥が生じやすく焼成不良になるおそれがある。よって、中間層64の層厚を25μm以下、好ましくは20μm以下とすることが望ましい。
中間層64に可撓性を付与する目的で有機物から成る可塑剤を中間層64に加えてもよい。可塑剤としては脂肪酸エステルやリン酸エステルなどから適宜選定して用いることができる。
第1実施形態の説明を踏まえれば、任意の種類の塗膜装置や任意の種類の印刷装置や任意の種類の乾燥装置等を活用して図14に示す積層体を製造可能であることは当業者には明らかである。概略的に説明すれば、剥離フィルム50上に粘着層61を塗布し、粘着層61上に中間層64を塗布し、中間層64上に絵柄印刷層62を印刷し、絵柄印刷層62上に保護層を塗布し、これにより積層体が構成され、第1実施形態と同様に部分的な除去や切断が行われる。本実施形態では、第1実施形態とは異なり、イエロードット群、マゼンタドット群、シアンドット群、及びブラックドット群の順にスクリーン印刷して絵柄印刷層62を中間層64上に形成し、これにより、被着体に対して転写ラベル60が仮着した状態でイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの積層順番を確保することができ、結果として良好な絵柄の再現性を確保することができる。
<第3実施形態>
図15を参照して第3実施形態について説明する。本実施形態では、図15に示すように、転写ラベル60は、焼成により白色を呈するべき白色顔料を含有するベタ層の下地層62kを更に有し、下地層62k上に上述の絵柄印刷層62、つまり各色のインクドットIDの群を形成する。オリジナル絵柄の種類によっては白色を呈する下地層62kを活用することで絵柄を再現することが簡便であることが少なくない。従って、白色についてはベタ層で構成する。このような場合であっても、絵柄印刷層62においてイエロー、マゼンタ、シアン等の各インクドットIDの混在によりオリジナル絵柄の色合いを好適に再現することができるだろう。また、本実施形態によれば、下地層62kにより絵柄印刷層62の薄層部分を補うことができ、粘着層61や中間層64の気化ガスによって絵柄が破損等することを抑制することができる。
下地層62kは、絵柄印刷層62とは異なり凸凹が無い所定層厚のベタ層であり、可視光を反射して白色を呈する。下地層62kは、好適には、ガラス粉体、白色顔料、及び有機物の混合物であり、ガラス粉体及び有機物の成分は絵柄印刷層62におけるものと同様である。白色顔料は、例示的には、TiO2又はAl23等である。下地層62kにおいて、顔料の重量%(質量%)をPとし、ガラス粉体の重量%(質量%)をQとしたとき、好ましくは、0.05<(P/Q)<0.7を満足し、より好ましくは、0.1<(P/Q)<0.5を満足する。下地層62kの層厚は、3〜15μmが好ましく、より好ましくは5〜10μmである。
<第4実施形態>
図16を参照して第4実施形態について説明する。本実施形態では、図16に示すように、転写ラベル60は、焼成除去されない被覆層65を更に含み、この被覆層65により絵柄印刷層62のインクドット群が被覆され、これにより、絵柄印刷層62の凸凹が補われ、絵柄印刷層62の局所的な薄層部分へ粘着層61や中間層64の気化ガスが集中して絵柄に亀裂や発泡が生じることを抑制することができる。更に、被覆層65を透明層とすることによりインクドット群が呈する絵柄に光沢感を与えることもできる。被覆層65が絵柄印刷層62のインクドットの凸凹を埋める点を考慮して被覆層65を平坦化層と把握しても構わなく、また、被覆層65が実質的に透明に構成される点を考慮してクリア層、光透過層、若しくは可視光透過層と把握しても構わない。
被覆層65は、焼成により被着体に対して固着可能な層であり、好適には、焼成により被着体に固着する固着材料に対して焼成除去可能な有機物が含有されて成る。被覆層65に含まれる固着材料は、SiO2、ZrO2、Al23、TiO2、CeO2、B23、Bi23、Na2O、K2O、ZnO等のガラス粉体に代表される無機粉体である。無機粉体は、好ましくは、SiO2、ZrO2、及びBi23成分を含有する軟化温度500〜600℃のガラス粉体である。被覆層65に含まれる有機物は、例えば、メタクリル酸樹脂であるが、これに限られるべきものではない。被覆層65は、被覆層65を介して絵柄印刷層62が呈する絵柄を外部からヒトが視認可能な程度の透光性を具備する。要望に応じて被覆層65に無機顔料等の他の材料、スペーサー等を含めても構わない。
<第5実施形態>
図17を参照して第5実施形態について説明する。本実施形態では、図17に示すように、転写ラベル60が、第3実施形態において説明した下地層62kと、第4実施形態で説明した被覆層65の両方を含む。これにより、第3及び第4実施形態で説明した効果を相乗的に得ることができる。このように上述の各実施形態を相互に組み合わせることは任意である。
以下、専ら例示/参考のために実施例を開示する。以下の実施例は、特定条件下において試行されたものであり、以下の開示を以て本願発明を限定解釈することは許されない。なお、実施例1は上述の第1実施形態に対応する。実施例2は上述の第2実施形態に対応する。実施例3は上述の第3実施形態に対応する。実施例4は上述の第4実施形態に対応する。実施例5は上述の第5実施形態に対応する。
(実施例1)
以下の手順で、本発明のラベルシートを作製した。剥離性フィルムとしてシリコーン系離形層を設けたPETフィルム「A31」(帝人デュポンフィルム株式会社製)、フィルムサイズ幅250mm、長さ100m厚み38μmを用意した。粘着層の塗布液としてアクリル系粘着剤「SK1451」(綜研化学工業株式会社製)を用意し、溶媒として酢酸エチルとトルエンとの50対50の混合物を用いて希釈し、粘着層塗料を用意した。印刷模様層インクとして、エチルセルロース樹脂「N45」(ハーキュレス製)、ガラススフリット(ケイ素:ビスマス=100at%:40at%、熱膨張係数80×10-7/℃、軟化温度530℃)、表2の無機顔料を表1に示す混合割合(重量比)で、遊星型攪拌機で均一になるまで混練調合し、溶媒としてα-テルピネオールを用いて希釈し、印刷模様層塗料を用意した。但し、実施例1ではホワイトインクを用いていない。ホワイトインクは、実施例3、5で用いられる。
Figure 0006125179
Figure 0006125179
剥離性フィルム上にグラビアコーターを用いて粘着層を塗布した。粘着層は乾燥後の層厚が6μmとなるように形成した。このようにフィルム積層体Aを作製した。次に保護層の塗料としてアクリル系樹脂「オリコックス#2224」(共栄社化学株式会社)を、溶媒としてイソプロピルアルコールを用いて希釈し、保護層塗料を用意し、別の剥離性フィルム上に、グラビアコーターにより、乾燥後の層厚30μmとなるように塗布し、保護層を形成し、保護膜上に、スクリーン印刷機を用いて所望の絵柄の印刷模様層を形成した。絵柄を原図からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに色分解し、線数120線、網点面積率0〜75%の範囲内で網点処理を施し、出力したフィルムにより製版を行ってスクリーン版を得た。各色のスクリーン版を用いてブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順で印刷し、印刷模様層を形成した。なお各色の絵柄印刷層の層厚は、全て5μmで形成した。このようにフィルム積層体Bを作製した。
その後、ラミネート機を用いて、フィルム積層体Aとフィルム積層体Bの貼り合せを行い、フィルム積層体Bの剥離性フィルムを剥離した。このようにして、剥離フィルム上に、粘着層、印刷模様層からなるラベルを形成しラベル原反を得た。最後にラベル原反にラベル加工を行った。印刷模様層の絵柄を中心に長さ70mmのラベルと長さ15mmの間隔部にハーフカットを形成し、間隔部をカス上げ除去した後、60mm幅にスリット加工し、リール化した矩形縞状のラベルを有するラベルシートを作製した。
(実施例2)
剥離性フィルム上に、グラビアコーターにより、乾燥後の層厚6μmとなるように塗布し、粘着層を形成した。粘着層の塗布液としては、アクリル系粘着剤「SK1451」(綜研化学工業株式会社製)を用意し、溶媒として酢酸エチルとトルエンとの50対50の混合物を用いて希釈し、粘着層塗料を用意いた。中間層の塗布液としてアクリル系樹脂「KC−7000」(共栄社化学株式会社)をトルエン:MEK=50:50の混合溶液に溶解した18%溶液を用意し、粘着層を覆うようにして、グラビアコーターにより、乾燥後の層厚15μmとなるように塗布し、中間層を形成した。この中間層上に、スクリーン印刷機を用いて所望の絵柄の印刷模様層を形成した。印刷模様層は、絵柄を原図からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに色分解し、線数120線、網点面積率0〜75%の範囲内で網点処理を施し、出力したフィルムにより製版を行ったスクリーン版により、各々イエロー層、マゼンタ層、シアン層、ブラック層の順で印刷し、印刷模様層を形成した。保護層の塗料としてアクリル系樹脂「オリコックス#2004」(共栄社化学)を、溶媒としてソルベッソ150を用いて希釈し、保護層塗料を用意し、印刷模様層を挟んで、中間層全面を覆うように、スクリーン印刷機により、乾燥後の層厚10μmとなるように印刷し、保護層を形成しラベル原反を作製した。最後に実施例1と同様のラベル加工を行い、ラベルシートを作製した。
(実施例3)
実施例2と同様の手順でラベルシート作製した。ただし、中間層上に、絵柄の下地となるベタ膜形状で製版を行ったスクリーン版により、層厚8μmの白下地(ホワイト)層を形成し、その上に印刷模様層を形成した。
(実施例4)
実施例2と同様の手順でラベルシート作製した。ただし、印刷模様層上に、被覆層としての透明層塗料を用い、絵柄を覆う形状で製版を行ったスクリーン版により、乾燥後の層厚10μmの透明層(被覆層)を印刷形成した。透明層インクとして、エチルセロロース樹脂「N45」(ハーキュレス製)とガラススフリット(ケイ素:ビスマス=100at%:40at%、熱膨張係数80×10-7/℃、軟化温度560℃)とを、重量部比率5:95の混合割合で、遊星型攪拌機で均一になるまで混練調合し、溶媒としてα-テルピネオールを用いて希釈し、透明層塗料を用いた。
(実施例5)
実施例3と同様の手順でラベルシート作製した。ただし、印刷模様層上に、透明層塗料を用い、絵柄を覆う形状で製版を行ったスクリーン版により、乾燥後の層厚10μmとの透明層を印刷形成した。透明層インクとして、実施例4と同様のものを用いた。
このようにして得られた実施例1〜5のラベルシートを、一般のタックラベルに使用しているロータリー型タックラベラーを用いて、剥離性フィルムより剥離し、被着体として準備したガラスびんに転移するようにて貼付けた後、昇温速度20℃/分で620℃まで昇温させ、620℃に到達後その温度で10分間保持した後、炉内放冷により100℃以下になるまで冷却を行った。そして、冷却が完了した絵柄付きガラスびんを取り出し、焼成体を作製した。
このようにして得られた焼成体は、絵柄の亀裂や破裂や発泡、脱落なく良好な焼成性が得られた。また、絵柄は網点印刷を用いたことで、中間色も含めて良好な色再現性を示し、所望の色調の発色性が得られた。実施例4、5では、印刷模様層の段差部への透明層(被覆層)の充填効果により、絵柄の表面平滑性が向上し、光沢のあるものが得られた。
上述の教示を踏まえると、当業者をすれば、各実施形態に対して様々な変更を加えることができる。剥離フィルムは、可撓性を有するシートであれば良く、その具体的な構成及び材料は任意である。剥離フィルム上の転写ラベルの上面視形状は任意であり、矩形状、円形状、星型等が例示できる。絵柄印刷層が呈する「絵柄」は、風景写真や人物写真等の任意の種類の写真、任意の文字、任意の図形、又はこれらの組み合わせ等が例示できるが、これに限られるべきものではない。
100 :ラベルシート

50 :剥離フィルム
60 :転写ラベル
61 :粘着層
62 :絵柄印刷層
62k :下地層
63 :保護層
64 :中間層
65 :被覆層

200 :コンピューター
202 :処理部
203 :データ格納部

ID :インクドット
YD :イエロードット
MD :マゼンタドット
CD :シアンドット
KD :ブラックドット

Claims (3)

  1. 剥離フィルム上に剥離可能な態様で複数の転写ラベルが積層したラベルシートであって、
    転写ラベルが、前記剥離フィルム上に積層した最大層厚が1μm〜15μmの範囲内の焼成除去可能な粘着層と、少なくとも前記粘着層を介して前記剥離フィルム上に積層し、焼成により被着体に対して固着可能な絵柄印刷層と、前記粘着層とは反対側にて前記絵柄印刷層上に積層した焼成除去可能な保護層と、前記粘着層と前記絵柄印刷層の間の焼成除去可能な中間層を備え、
    前記絵柄印刷層は、互いに異なる無機顔料を含有する複数種のインクドット群の各分布に応じた所定の絵柄を呈し、
    前記複数種のインクドット群が、イエローに対応する無機顔料を含有する第1インクドット群、マゼンタに対応する無機顔料を含有する第2インクドット群、シアンに対応する無機顔料を含有する第3インクドット群、及びブラックに対応する無機顔料を含有する第4インクドット群を含み、
    各インクドット群は、網点面積率=100%を含まないように0.9以下の所定係数で乗算された網点面積率=0%以上及び90%以下の範囲内の網点面積率の分布を反映したものであり、
    前記第1乃至第4インクドット群が、この順で印刷され、前記第4インクドット群は、前記第1乃至第3インクドット群の各インクドットと比べて前記剥離フィルムから最も離れた位置に配されるインクドットを含む、ラベルシート。
  2. 前記転写ラベルは、前記複数種のインクドット群を被覆する被覆層を更に備え、当該被覆層が前記被着体に対して焼成により固着可能である、請求項1に記載のラベルシート。
  3. 前記転写ラベルは、所定層厚のベタ層状に形成された白色を呈するべき下地層を備え、
    前記絵柄印刷層の前記複数種のインクドット群が前記下地層上に形成される、請求項1又は2に記載のラベルシート。
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