JP2021054006A - 印画物の製造方法、記録媒体と保護層転写シートの組合せ、プリンタ、及びプリントシステム - Google Patents

印画物の製造方法、記録媒体と保護層転写シートの組合せ、プリンタ、及びプリントシステム Download PDF

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Abstract

【課題】金属光沢感を有し、記録媒体が有している欠陥等が目立ちにくい印画物の製造方法を提供する。【解決手段】金属層5を含む支持体10上に画像層30が設けられた記録媒体100を準備する準備工程と、画像層に画像50を形成して画像形成物150を得る画像形成工程と、画像形成工程後、画像形成物の画像層側に第1保護層200を形成する第1保護層形成工程と、を含み、準備工程で準備された記録媒体の画像層と第1保護層の下面が接するように重ねたものを第1積層体とし、記録媒体の画像層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度A、第1積層体の第1保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Bとしたときに、光沢度A>光沢度Bの関係とできる第1保護層を、第1保護層の下面が画像形成物側に位置するように形成する工程。【選択図】図1

Description

本発明は、印画物の製造方法、記録媒体と保護層転写シートの組合せ、プリンタ、及びプリントシステムに関する。
印画物の意匠性については、種々の検討がなされており、その1つとして、金属光沢感(メタリック感と称される場合もある)を有する印画物や、この印画物の製造に用いられる熱転写受像シートが提案されている。金属光沢を有する印画物としては、金属層(光沢層と称される場合もある)上に設けられた受容層等に画像が形成されたもの等が知られている。特許文献1には、金属光沢感を有し、装飾性の高い印画物の製造が可能な熱転写受像シートとして、基材上に、金属層、受容層が設けられた熱転写受像シートが提案されている。このような熱転写受像シートによれば、受容層に画像を形成することで、金属光沢感を有する印画物を製造できるとされている。
特開平11−157225号公報
ところで、特許文献1に提案がされているような熱転写受像シートを用いて製造される印画物は金属光沢感を有することから、金属層を有しない熱転写受像シートを用いて製造される印画物よりも、熱転写受像シートが有している欠陥が目立ち易くなる(見え易くなる)といった問題が内在している。本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、金属光沢感を有し、且つ、熱転写受像シートが有している欠陥等を目立ちにくくできる印画物の製造方法や、この印画物を製造できる記録媒体と保護層転写シートの組合せ、プリンタ、及びプリントシステムを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法は、金属層を含む支持体上に画像層が設けられた記録媒体を準備する準備工程と、前記記録媒体の前記画像層に画像を形成して画像形成物を得る画像形成工程と、前記画像形成工程後、前記画像形成物の前記画像層側に第1保護層を形成する第1保護層形成工程と、を含み、前記準備工程で準備された前記記録媒体の前記画像層と前記第1保護層の下面が接するように重ねたものを第1積層体とし、前記準備工程で準備される前記記録媒体の前記画像層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度A、前記第1積層体の前記第1保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Bとしたときに、前記第1保護層形成工程が、前記光沢度A>前記光沢度Bの関係とできる第1保護層を、前記第1保護層の前記下面が前記画像形成物側に位置するように形成する工程である。
また、上記の印画物の製造方法は、前記第1保護層形成工程後、第2保護層を形成する第2保護層形成工程を含み、前記第1積層体の上面と前記第2保護層の下面が接するように重ねたものを第2積層体とし、前記第2積層体の前記第2保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Cとしたときに、前記第2保護層形成工程が、前記光沢度B<前記光沢度Cの関係とできる第2保護層を、前記第2保護層の前記下面を前記画像形成物側に位置させ、且つ、製造される印画物の最表面に位置するように形成する工程であってもよい。
また、上記の印画物の製造方法は、前記第1保護層形成工程後、第2保護層を形成する第2保護層形成工程を含み、前記第1積層体の上面と前記第2保護層の下面が接するように重ねたものを第2積層体とし、前記第2積層体の前記第2保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Cとしたときに、前記第2保護層形成工程が、前記光沢度A<前記光沢度Cの関係とできる第2保護層を、前記第2保護層の前記下面を前記画像形成物側に位置させ、且つ、製造される印画物の最表面に位置するように形成する工程であってもよい。
また、上記の印画物の製造方法は、前記第1保護層形成工程後、第2保護層を形成する第2保護層形成工程を含み、前記準備工程で準備された前記記録媒体の前記画像層と前記第2保護層の下面が接するように重ねたものを第3積層体とし、前記第3積層体の前記第2保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Dとしたときに、前記第2保護層形成工程が、測定角度45°の条件で測定される光沢度を、前記光沢度A<前記光沢度Dの関係とできる第2保護層を、前記第2保護層の前記下面を前記画像形成物側に位置させ、且つ、製造される印画物の最表面に位置するように形成する工程であってもよい。
また、上記の印画物の製造方法は、前記第2保護層を転写で形成してもよい。また、前記第2保護層が、2以上の層が積層された積層構造を呈していてもよい。
また、上記の印画物の製造方法は、前記第1保護層を転写で形成してもよい。また、前記第1保護層が、2以上の層が積層された積層構造を呈していてもよい。
また、上記の印画物の製造方法は、前記画像層が、熱転写画像を形成できる画像層であってもよい。
また、上記の印画物の製造方法は、前記支持体が、紙基材と、前記紙基材よりも前記画像層側に位置する前記金属層を含むものであってもよい。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る記録媒体と保護層転写シートの組合せは、前記記録媒体が、金属層を含む支持体と、支持体上に設けられた画像層を有し、前記保護層転写シートが、前記記録媒体の前記画像層上に転写される第1保護層を有し、前記記録媒体の画像層上に前記保護層転写シートの第1保護層を転写したものを第1積層体とし、前記記録媒体の前記画像層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度A、前記第1積層体の前記第1保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Bとしたときに、前記光沢度A>前記光沢度Bの関係を満たす。
また、上記記録媒体と保護層転写シートの組合せは、前記保護層転写シートが、前記第1保護層と面順次に設けられた第2保護層を有し、前記第1積層体の第1保護層上に、前記第2保護層を転写したものを第2積層体とし、前記第2積層体の前記第2保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Cとしたときに、前記光沢度B<前記光沢度Cの関係を満たすものであってもよい。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る記録媒体と保護層転写シートの組合せは、前記記録媒体が、金属層を含む支持体と、支持体上に設けられた画像層を有し、前記保護層転写シートが、基材と、基材上に設けられる離型層と、離型層上に設けられる第1保護層を含む単層、又は積層構造の転写層とを有し、且つ、前記第1保護層は、前記離型層と接しており、前記離型層が、粒子を含有している。
また、上記記録媒体と保護層転写シートの組合せは、前記保護層転写シートが、前記転写層と、色材層が面順次に設けられた保護層転写シートであってもよい。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係るプリンタは、前記記録媒体の画像層に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成物上に、前記第1保護層を形成する第1保護層形成部と、を備え、前記第1保護層形成部が、前記画像形成物上に形成される前記第1保護層表面の光沢度を調整できる光沢度調整手段を含む。
また、上記のプリンタは、前記画像形成部と前記第1保護層形成部が共通していてもよい。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係るプリントシステムは、プリンタ、記録媒体、熱転写シート、及び保護層転写シートを備えたプリントシステムであって、前記記録媒体、及び前記保護層転写シートとして、上記の記録媒体と保護層転写シートの組合せを備える。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係るプリントシステムは、プリンタ、記録媒体、及び保護層転写シートを備えたプリントシステムであって、前記記録媒体、及び前記保護層転写シートとして、上記の記録媒体と保護層転写シートの組合せを備える。
本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法によれば、金属光沢感を有し、且つ、記録媒体が有している欠陥等が目立ちにくい(見えにくい)印画物を製造できる。また、本開示の実施の形態に係る記録媒体と保護層転写シートの組合せ、プリンタ、及びプリントシステムによれば、この印画物を製造できる。
本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法の工程図である。 本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法の工程図である。 本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法に用いられる記録媒体の一例を示す概略断面図である。 (a)は、第1積層体の一例を示す概略断面図であり、(b)は、第2積層体の一例を示す概略断面図であり、(c)は、第3積層体の一例を示す概略断面図である。 (a)、(b)は、本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法に用いられる保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。
<<印画物の製造方法>>
以下に、本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法(以下、本開示の製造方法と言う)について図面を用いて具体的に説明する。図1に示すように、本開示の製造方法は、金属層5を含む支持体10上に画像層30が設けられた記録媒体100を準備する準備工程(図1(a)参照)と、記録媒体100の画像層30に画像50を形成して画像形成物150を得る画像形成工程(図1(b)参照)と、画像形成工程後、画像形成物150の画像層30側に第1保護層200を形成する第1保護層形成工程(図1(c)参照)を含む。
本開示の製造方法によれば、支持体10が有する金属層5によって、製造された印画物300に金属光沢感(メタリック感)を付与できる。さらに、画像50が形成された画像層30上に形成された第1保護層200により、画像50に耐久性を付与できる。つまり、金属光沢感を有し、且つ、画像50の耐久性に優れた印画物300を製造できる。
<準備工程>
準備工程は、金属層5を含む支持体10上に画像層30が設けられた記録媒体100を準備する工程である。以下、記録媒体100について一例を挙げて説明する。
(支持体)
図1に示すように、支持体10は金属層5を含む。一例としての支持体10は、基材1と、基材1上に設けられた金属層5を含む。
(基材)
基材1は、単層構造を呈していてもよく、図3に示すように、積層構造を呈していてもよい。なお、図3は、本開示の製造方法に用いられる記録媒体100の一例を示す概略断面図である。
基材1としては、紙基材や、フィルム基材(樹脂基材、樹脂シートと称される場合もある)等を例示できる。紙基材としては、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等を例示できる。フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等を例示できる。これらフィルム基材は、延伸されたものであってもよく、未延伸であってもよい。フィルム基材は、透明性を有するフィルム基材であってもよく、不透明なフィルム基材であってもよい。また、フィルム基材は、白色顔料や充填剤を含有する白色フィルム基材であってもよい。また、内部にミクロボイドを有するフィルム基材であってもよい。また、市販の基材を用いることもでき、例えば、紙基材として、RC紙ペーパー(STF−150 三菱製紙(株))、コート紙(オーロラコート 日本製紙(株))、上質紙等を好適に使用可能である。
図3に示す形態の記録媒体100は、基材1が、紙基材11や、フィルム基材12を含む積層構造を呈している。また、紙基材11よりも金属層5側に位置するフィルム基材12を、ボイドを有するフィルム基材12としてもよい。ボイドを有するフィルム基材12を用いることで、記録媒体100の断熱性を高めることができ、画像層30に、熱転写画像等を形成するときに、形成される画像50の濃度を高くできる。
ボイドを有するフィルム基材12は、その内部にボイド(ミクロボイドや、空孔と称される場合もある)を有する。ボイドを有するフィルム基材12は、例えば、ポリマー中に無機微粒子を混練し、そのコンパウンドを延伸するときに無機微粒子を核としてボイドを生じさせることで製造されたものや、主体とする樹脂に対して非相溶なポリマー(一種類でも複数でも良い)をブレンドしたコンパウンドを作成して製造されたもの等を例示できる。このコンパウンドは微視的にみるとポリマー同士が微細な海島構造を形成しており、コンパウンドを延伸すると、海島界面の剥離または、島を形成するポリマーの大きな変形によってボイドが発生する。
また、基材1を、紙基材11や、フィルム基材12を含む積層構造とする場合、これら基材の間に接着層(図示しない)を設けてもよい。また、接着層を設けることにかえて、ポリエチレン等を使用したECサンドラミネーションにより、紙基材11とフィルム基材12を貼り合わせてもよい。
(金属層)
基材1上に設けられる金属層5は、本開示の製造方法で製造される印画物300に金属光沢感、換言すればメタリック感を付与するための層である。一例としての金属層5は、樹脂成分と、金属顔料を含有している。金属顔料としては、アルミニウム、金、銀、銅、ブロンズ、亜鉛、ステンレス、ニッケル等を例示できる。また、金属顔料として、その表面を樹脂で被覆した樹脂被覆金属顔料を用いてもよい。被覆樹脂としては、アクリル樹脂、シリカ等を例示できる。また、これ以外の被覆樹脂を用いてもよい。金属層5は、金属顔料として1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。中でも、アルミニウムを含有する金属層5は、本開示の製造方法で製造される印画物300に高い金属光沢感(メタリック感)を付与できる点で好ましい。
金属顔料の形状について限定はなく、粒状、板状、塊状、鱗片状等の種々の形状のものを使用できる。中でも、鱗片状の金属顔料を含有する金属層5は、本開示の製造方法で製造される印画物300に高い金属光沢感(メタリック感)を付与できる点で好ましい。
金属顔料の粒子径について限定はなく、一例としては、5μm以上35μm以下である。本願明細書でいう粒子径とは、粒度分布計(Microtrac(登録商標) MT3000(日機装(株))を用いて測定される平均粒子径である。
金属顔料の含有量について限定はないが、金属層5の総質量に対する金属顔料の含有量は30質量%以上80質量%以下が好ましい。
金属層5の厚みについて限定はなく、製造される印画物に所望される金属光沢感などに応じて適宜設定すればよい。一例としての金属層5の厚みは0.5μm以上5μm以下であり、好ましくは、0.7μm以上3μm以下である。なお、金属層5の厚みを上記好ましい厚みとし、この金属層5を塗工によって形成した場合には、金属層5に塗工ムラ(スジムラと称される場合もある)が出やすく、記録媒体100の状態、つまりは、後述する第1保護層200を形成する前の段階においては、この塗工ムラが目立ち易い状態となっているが、本開示の製造方法では、後述する記録媒体100上に形成される第1保護層200によって、この塗工ムラを目立ちにくくできる。
金属層5が含有している樹脂成分について限定はなく、金属層5中に金属顔料を保持できるものであればよい。金属層5は、樹脂成分として1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
図1(a)に示すように、支持体10を構成する層のうち、画像層30と接する層を金属層5とする場合、当該金属層5は、金属顔料と、接着性を有する樹脂成分を含有している。このような金属層5によれば、画像層30と支持体10との密着性を良好なものとできる。接着性を有する樹脂成分としては、ポリウレタン、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル、シアノアクリレート等を例示できる。
金属層5の形成方法について限定はなく、金属顔料を有するフィルム基材等を、接着層等を用いた貼り合わせで形成してもよく、金属顔料、及び樹脂成分を適当な溶媒に分散、或いは溶解した金属層用塗工液を、基材1上に塗布・乾燥して形成してもよい。塗布方法としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等が挙げられる。また、これ以外の塗布方法を用いることもできる。このことは、後述する各種塗工液の塗布方法についても同様である。
なお、金属層5を各種の塗布方法で形成した場合には、記録媒体100を画像層30側から視認したときに金属層5の塗工ムラ等が目立ち易くなる。しかしながら、本開示の製造方法は、画像形成工程後に、後述する第1保護層200を形成する第1保護層形成工程を含むことから、例えば、金属層5を塗工で形成し、金属層5に塗工ムラ等が生じているような場合であっても、最終的に製造される印画物300においては、この塗工ムラ等を目立ちにくくできる。
また、金属層5が接着性を有しない場合には、金属層5と画像層30の間に、接着性を有する樹脂成分を含有する接着層(プライマー層と称される場合もある)を設けてもよい。例えば、図1(a)に示す形態において、金属層5と画像層30の間に、接着層を設けてもよい。
支持体10の厚みについて限定はないが、1μm以上300μm以下が好ましい。また、記録媒体100の厚みについても限定はなく、記録媒体100の画像層30に画像を形成するときの画像形成方法等を考慮して適宜決定すればよい。例えば、プリンタ内で画像形成を行う場合には、プリンタの搬送適性を考慮した厚みとすればよい。
(画像層)
本開示の製造方法に用いられる記録媒体100は、金属層5を有する支持体10と、支持体10上に設けられた画像層30を有する。画像層30の種別や、画像層30が含有している成分についていかなる限定もされることはなく、画像層30上に形成される画像に応じて、換言すれば、画像に含まれる成分や、画像形成方法に応じて適宜設定すればよい。
プリンタ等を用いて行われる代表的な画像形成方法としては、昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式、インクジェット印刷方式、トナー印刷方式(レーザー印刷方式)等を例示できる。昇華型熱転写方式とは、昇華性染料を含有する色材層が設けられた熱転写シートを用い、当該熱転写シートに画像情報に応じた熱エネルギーを印加し、色材層が含有している昇華性染料を画像層30に移行させて画像を形成する画像形成方式である。溶融型熱転写方式とは、溶融インキを含む色材層が設けられた熱転写シートを用い、当該熱転写シートに画像情報に応じた熱エネルギーを印加して、熱エネルギーの印加により溶融、或いは軟化した色材層を、画像層30に層ごと転写して画像を形成する画像形成方式である。インクジェット印刷方式とは、インクジェット用のインクをピエゾ駆動で発生させた圧力波によってノズルから噴出する、もしくは、加熱により管内のインクに気泡を発生させてインクを噴射する等により、このインクを画像層30に付着させて画像を形成する画像形成方式である。トナー印刷方式は、レーザー等の熱によりトナーを静電転写方式で画像層30に定着(融着)させる画像形成方式である。これ以外にも、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、スクリーン印刷方式等を例示できる。また、これ以外の画像形成方法を用いてもよい。
したがって、画像層30の成分としては、上記で例示した画像形成方法で画像を形成できる成分を適宜選択して用いればよい。画像層30としては、熱転写画像の形成が可能なものが好ましい。
中でも、昇華性染料を受容可能な成分を含有する画像層30とし、この画像層30に昇華型熱転写方式を用いて画像形成を行うことで、画像層30に鮮明、且つ濃度の高い画像を形成できる。したがって、好ましい形態の画像層30は、昇華性染料を受容可能な成分を含有している。昇華性染料を受容可能な成分としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、或いはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、エチレン、或いはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体、アイオノマー、或いはセルロースジアスターゼ等のセルロース樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等を例示できる。中でも、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有する画像層30は、昇華型熱転写方式を用いて画像層30により濃度の高い画像を形成できる点で好ましい。
画像層30の厚みについて限定はなく、画像形成方法等に応じて適宜設定できる。例えば、熱転写方式に用いられる画像層30の厚みは、0.1μm以上10μm以下が好ましい。また、インクジェット印刷方式に用いられる画像層30の厚みは、0.1μm以上50μm以下が好ましく、1μm以上40μm以下がより好ましく、3μm以上30μm以下がさらに好ましい。また、トナー印刷方式に用いられる画像層30の厚みは、0.01μm以上5μm以下が好ましく、0.05μm以上1μm以下がより好ましい。
画像層30の形成方法についても限定はなく、各種のフィルム等を画像層30とする場合には、支持体10上に、これらフィルム等を貼り合わせて形成してもよく、画像層30の成分を適当な溶媒に分散、或いは溶解した塗工液を支持体10上に塗布・乾燥して形成してもよい。
<画像形成工程>
画像形成工程は、図1(b)に示すように、上記準備工程で準備した記録媒体100の画像層30に画像50を形成する工程である。本願明細書では、記録媒体100の画像層30に画像50が形成されたものを画像形成物150と称している。
画像層30への画像50の形成方法について限定はなく、記録媒体100の画像層30の種類や、上記画像層30で説明した各種の画像形成方法を適宜選択して行えばよい。上記で説明したように昇華型熱転写方式は、画像層30に、鮮明で、濃度の高い画像50を形成できる点で好ましい。なお、昇華型熱転写方式で形成された画像50は耐久性が低いものの、本開示の製造方法では、画像形成物150上に第1保護層200が形成されることから画像50の耐久性を良好なものとできる。一例としての画像形成工程では、色材層を有した熱転写シートが用いられる。他の一例としての画像形成工程では、後述する第1保護層と、色材層とが面順次に設けられた保護層転写シート400が用いられる。
<第1保護層形成工程>
本開示の製造方法に用いられる記録媒体100は、金属層5によって、金属光沢感が付与されており、その輝度は高いものとなっている。したがって、本開示の製造方法に用いられる記録媒体100は、金属層5を有しない記録媒体では目立たないような欠陥が目立ち易い状態となっており、製造される印画物の品質の低下を引き起こしやすい。例えば、記録媒体100の支持体10が、基材1と金属層5とから構成される場合において、基材1として紙基材を用いる場合や、基材1上に金属層5を塗工で形成する場合には、紙基材のシワや、紙基材の凹凸、金属層5の塗工ムラ等が目立ち易くなる。この記録媒体100の画像層30に画像50を形成した画像形成物150(図1(b))においても、記録媒体100の欠陥が目立ち易い状態となっている。
そこで、本開示の製造方法では、準備工程で準備された記録媒体100の画像層30と第1保護層200の下面が接するように重ねたものを第1積層体350A(図4(a)参照)とし、準備工程で準備される記録媒体100の画像層側表面(図1(a)に示す形態では画像層30の表面)を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度A、第1積層体350Aの第1保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Bとしたときに、第1保護層形成工程では、光沢度A>光沢度Bの関係となる第1保護層200を、第1保護層200の下面が画像形成物150側に位置するように形成する。
第1保護層形成工程を含む本開示の製造方法によれば、金属層5によって高められた輝度を第1保護層200によって低くでき、本開示の製造方法に用いられる記録媒体100が、各種の欠陥を有している場合であっても、各種の欠陥を第1保護層200によって目立ちにくくできる。つまり、各種の欠陥が目立ちにくい印画物を製造できる。本開示の製造方法は、記録媒体100の輝度(画像形成物150の輝度)を下げることによって、記録媒体100が有している欠陥を目立ちにくくできるとの技術的思想のもと、あえて、光沢度A>光沢度Bの関係とできる第1保護層200を用いて、記録媒体100の輝度(画像形成物150の輝度)を下げている点を特徴の1つとしている。要約すれば、金属光沢層を有し、その輝度が高い記録媒体100を用いているにもかかわらず、第1保護層200によって、あえて、その輝度を下げていることを特徴の1つとしている。
記録媒体100の画像層側表面、及び第1積層体350Aの第1保護層側表面の光沢度は、光沢計(VG7000 日本電色工業(株))を用い、JIS−Z−8741に準拠した方法により入射角度45°で測定される光沢度である。後述する第2積層体350Bの第2保護層側表面、及び第3積層体350Cの第2保護層側表面の光沢度も同様である。
光沢度Aの測定対象である記録媒体100は、準備工程で準備される記録媒体100をそのまま用いる。光沢度Bの測定対象である第1積層体350Aは、準備工程で準備される記録媒体100上に、第1保護層形成工程で形成する第1保護層200を設けたものを用いる。なお、第1積層体350Aの形成、つまり、記録媒体100上への第1保護層の形成は、第1保護層形成工程における第1保護層200の形成条件と同じ条件で行う。具体的には、第1保護層形成工程において、第1保護層200を転写で形成する場合には、第1積層体350Aも同じ条件で形成したものを用いる。より具体的には、第1保護層形成工程において第1保護層200を転写で形成する場合には、記録媒体100上に第1保護層を転写して第1積層体350Aを形成し、第1保護層形成工程における第1保護層の転写エネルギー条件と、第1積層体350Aを形成するときの第1保護層の転写エネルギー条件を同じとする。他方、第1保護層形成工程を、接着層等を用いて第1保護層200を貼り合わせで形成する場合には、第1積層体350Aも同じ条件で形成したものを用いる。つまりは、同じ接着層を用いる。後述する第2積層体350B、及び第3積層体350Cの形成方法についても同様である。
準備工程で準備される記録媒体100の画像層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度A、第1積層体350Aの第1保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度Bのそれぞれの値について限定はなく、光沢度A>光沢度Bの関係となっていればよい。つまり、第1保護層200を形成することで、第1保護層形成前の記録媒体100の光沢度よりも、その光沢度を低くできるものであればよい。
なお、第1保護層形成工程では、第1積層体350Aの第1保護層側表面の光沢度Bを70以下とできる、さらには60以下とできる、特には30以下とできる第1保護層200を用いることが好ましい。また、記録媒体100の画像層30側表面の光沢度Aは、95以上が好ましい。また、光沢度Bは、光沢度Aの70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、30%以下が特に好ましい。
(第1保護層)
第1保護層200について限定はなく、光沢度A>光沢度Bの関係とできるものであればよい。以下、光沢度A>光沢度Bの関係とできる第1保護層200について一例を挙げて説明する。なお、第1保護層200は、この形態に限定されるものではない。また、第1積層体350Aの光沢度Bと、準備工程で準備される記録媒体100の光沢度Aの関係は、準備工程で準備される記録媒体100の光沢度Aに応じて決定され、この光沢度Aよりも第1積層体350Aとしたときの光沢度Bを低くできる第1保護層200を用いればよい。
光沢度A>光沢度Bの関係とできる一例としての第1保護層200は、図5(a)に示すような保護層転写シート400を用いて形成されたものであり、その表面が凹凸構造を有している(図1(c)参照)。図5(a)は、第1保護層200を有する保護層転写シート400の一例を示す概略断面図であり、基材410、離型層420、第1保護層200を有する。図5(a)に示す形態の保護層転写シート400は、離型層420が、粒子を含有している。図5(a)に示す形態の保護層転写シート400では、画像形成物150と保護層転写シート400を重ね、基材410側に加熱手段を接触させ、この加熱手段から保護層転写シート400の基材410にエネルギーを印加する。これにより、エネルギーが印加された領域の第1保護層200が、離型層420から剥離され、画像形成物150上に、第1保護層200が転写される。第1積層体350Aも同様の方法で形成できる。
(保護層転写シートの基材)
保護層転写シートの基材410について限定はなく、離型層420、及び第1保護層200を保持できるものであればよく、保護層転写シート等の分野で従来公知のフィルム基材等を適宜選択して用いることができる。
(離型層)
離型層420は、粒子、及び樹脂成分を含有している。粒子を含有する離型層420、及びこの離型層420上に第1保護層200が設けられた保護層転写シート400によれば、第1保護層200を転写で形成するときに、画像形成物150上に転写された第1保護層200の表面に、この粒子の形状に応じた凹部を賦形できる(図1(c)参照)。つまり、転写後の第1保護層200の表面を凹凸構造とできる。離型層が含有する粒子としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、クレー粒子、タルク粒子、珪藻土粒子、ゼオライト粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化チタン粒子、水酸化アルミニウム粒子、擬ベーマナイト粒子、珪酸アルミニウム粒子、珪酸マグネシウム粒子、炭酸マグネシウム粒子、マイカ粒子等の無機粒子等や、ポリエチレンワックス粒子、樹脂粒子等の有機粒子を例示できる。樹脂粒子をなす樹脂成分としては、アクリル、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、スチレン樹脂、有機フッ素化合物、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物等を例示できる。離型層420が含有している粒子の大きさや、形状について限定はなく、第1保護層200の表面に発現を所望する凹凸形状に応じて適宜決定すればよい。一例としての離型層420は、レーザー回折散乱法で測定される体積平均粒子径が0.5μm以上5μm以下の粒子を、離型層420の総質量に対し、5質量%以上50質量%以下で含有している。離型層420は、粒子として1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
図5(a)に示す形態では、離型層420の第1保護層200側の表面から粒子が突出している。この形態の離型層420によれば、画像形成物150上に転写された第1保護層200の表面に、この粒子の形状等に対応する凹凸形状をそのまま発現できる。
なお、離型層420は、その表面から粒子が突出しておらず、その内部にのみ粒子が存在していてもよい。また、基材410と離型層420との間に任意の層を設け、当該任意の層と離型層2とを跨ぐように粒子が存在していてもよい。なお、画像形成物150上への第1保護層200の転写は、上記で説明したように保護層転写シートの基材210側に加熱手段を接触させ、加熱手段からエネルギーを印加することで行われる。このとき、画像形成物150上に転写される第1保護層200の転写部には、加熱手段により所定の印圧がかけられる。したがって、離型層420の内部にのみ粒子が存在する形態とした場合においても、加熱手段より離型層420に所定の印圧がかかることにより、離型層420の内部に存在している特定粒子は、第1保護層200側に押し込まれ、これにより、転写後の第1保護層200の表面を凹凸形状とできる。
好ましい形態の離型層420は、その形状が不定形状の特定粒子を含有している。このような離型層420を有する離型層420によれば、第1保護層200の表面に不規則な形状の凹部を形成でき、製造される印画物において、記録媒体100が欠陥を有している場合であっても、当該欠陥をより目立ちにくくできる。不定形状の粒子とは、その形が一定の形に定まっておらず、形に規則性がなく、個々の形状に類似性が見られない粒子を意味する。例えば、不規則な多数の角や、不規則な曲率等を有する粒子である。不定形状の粒子としては、破砕や、粉砕によって得られるもの等を例示できる。以下、不定形状の粒子を、特定粒子という場合がある。
特定粒子は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置で測定される粒度分布において2.5μm以上3μm以下に最大となるピークを有することが好ましく、2.5μm以上2.8μm以下に最大となるピークを有することがより好ましい。特定粒子の粒度分布は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(マイクロトラックMT3000(マイクロトラック・ベル(株))を用いて測定した粒度分布である。レーザー回折散乱法粒度分布測定装置で測定される粒度分布において2.5μm以上3μm以下に最大となるピークを有するとは、縦軸を体積(%)、横軸を粒子径とした特定粒子の粒度分布において、粒子径が2.5μm以上3μm以下の位置で縦軸の体積(%)が最も大きくなることを意味する。したがって、離型層が含有している粒子から、特定粒子を抽出し、この粒度分布を測定したときに、粒子径が2.5μm以上3μm以下の位置において体積(%)が最大となれば、特定粒子が、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置で測定される粒度分布において2.5μm以上3μm以下に最大となるピークを有しているものと特定できる。
また、好ましい形態の離型層2は、レーザー回折散乱法で測定される体積平均粒子径が2.5μm以上3μm以下の特定粒子を含有している。
離型層420が、特定粒子以外に、これとは形状が異なる他の粒子を含有している場合、特定粒子の総質量を、特定粒子を含む全粒子の総質量で除した値は、0.6以上が好ましく、0.8以上がより好ましい。また、特定粒子を含む全粒子の総質量を、バインダー樹脂の総質量で除した値は、0.13以上0.3以下が好ましく、0.15以上0.28以下がより好ましい。また、離型層420の総質量に対する特定粒子を含む全粒子の総質量は、0.08以上0.28以下が好ましい。
離型層420が含有しているバインダー樹脂としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などの各種シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリル−スチレン共重合体、熱硬化性エポキシ−アミノ共重合体、及び熱硬化性アルキッド−アミノ共重合体(熱硬化性アミノアルキド樹脂)、メラミン樹脂、セルロース樹脂、尿素樹脂、ポリオレフィン等の第1保護層200の剥離性を良好なものとできる樹脂成分を好適に用いることができる。離型層420は、樹脂成分として1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
離型層420の厚みは、0.1μm以上4μm以下が好ましく、0.5μm以上2μm以下がより好ましい。
離型層420の形成方法についても特に限定はなく、バインダー樹脂、粒子、必要に応じて添加される特定粒子以外の粒子や、各種の添加材を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した離型層用塗工液を調製し、この塗工液を、基材410、或いは基材410上に任意に設けられた層(例えば、プライマー層)上に、塗布・乾燥して形成できる。
(第1保護層)
保護層転写シート400の第1保護層200の成分としては、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリルウレタン、活性光線硬化性樹脂等を例示できる。保護層転写シート400の第1保護層200の形成方法について限定はなく、上記成分等を適当な溶媒に分散、或いは溶解した保護層用塗工液を調製し、これを離型層420上に塗布・乾燥して形成できる。
図5(a)に示す形態の保護層転写シート400は、離型層420上に、単層の第1保護層200が設けられ、単層の第1保護層200のみが転写されるように構成されているが、第1保護層200上に他の層が積層された積層構造としてもよい(図示しない)。つまり、離型層420上に第1保護層200を含む転写層が設けられた構成とし、転写層を構成する層のうち、離型層420から最も近くに位置する層を第1保護層200としてもよい。また、第1保護層200を含む複数の層が積層された積層構造の転写層としては、離型層420側から、第1保護層200、接着層を設けた構成(図示しない)等を例示できる。
上記では、第1保護層200を転写するときに、当該転写後の第1保護層200の表面に離型層420が含有している粒子に応じた凹凸形状を賦形した形態を説明したが、これ以外にも、その内部に粒子等を含有せしめ、例えば、粒子が練りこまれ、その表面から突出している粒子によって凹凸構造が付与されたフィルム基材や、凹凸構造を付与するための表面処理が施されたフィルム基材等を第1保護層200としてもよい。練りこまれる粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、多孔質粒子、中空粒子、タルク、ジカルボン酸エステルアミド、ポリエチレン等の、無機粒子や、有機粒子を例示できる。凹凸構造を付与するための表面処理の方法としては、エンボス加工や、ブラスト加工等を例示できる。このような第1保護層200は、画像形成物150上に、接着層等を用いて貼り合わせて形成できる。また、このような第1保護層200を有する保護層転写シートを用いて、第1保護層200を転写で形成してもよい。
また、上記保護層転写シート400を用いた第1保護層200の転写では、離型層420に粒子を含有せしめ、転写後の第1保護層200の表面に凹凸形状を賦形しているが、離型層2に粒子を含有せしめることにかえて、あるいは、これとともに、第1保護層200を転写するときのエネルギー、例えば、保護層転写シート400に印加される熱エネルギーや、保護層転写シート400を押圧するときの圧力等を、部分毎に異ならせて、転写後の第1保護層200の表面に凹凸形状を賦形してもよい。例えば、転写後の第1保護層200の表面に賦形される凹凸形状の凹部に対応する部分に印加するエネルギーを、凸部に対応する部分に印加するエネルギーよりも高くして、転写後の第1保護層200の表面に凹凸形状を賦形してもよい。
また、他の一例としての第1保護層200は、ボイドを有する。ボイドを有する第1保護層200としては、上記記録媒体100の支持体10で説明したボイドを有するフィルム基材等の中から、光沢度A>光沢度Bの関係とできるフィルム基材を適宜選択して用いることができる。
第1保護層200の厚みは0.5μm以上200μm以下が好ましい。また、第1保護層200を転写で形成する場合、当該第1保護層200の厚みは0.5μm以上50μm以下が好ましく、この転写を熱転写とする場合、第1保護層200の厚みは0.5μm以上10μm以下が好ましい。また、第1保護層200をフィルム基材とする場合、第1保護層200の厚みは、25μm以上100μm以下が好ましい。
図1(c)に示す形態では、画像形成物150と直接的に接するように、第1保護層200を形成しているが、画像形成物150上に、光沢度A≦光沢度Bの関係となる保護層を形成し、この保護層上に、光沢度A>光沢度Bとなる保護層(第1保護層200)を形成してもよい。つまり、本開示の製造方法は、第1保護層形成工程の前に、画像形成物150上に、各種の層を形成する工程を含んでいてもよい。
また、本開示の製造方法は、光沢度A>光沢度Bとできる第1保護層200を、画像形成物150上に形成する工程を複数回行ってもよい。つまり、本開示の製造方法で製造される印画物300は、光沢度A>光沢度Bとできる第1保護層200を複数含んでいてもよい。
<第2保護層形成工程>
図2(a)〜(d)に示すように、本開示の製造方法は、第2保護層形成工程を含んでいてもよい。なお、図2は、本開示の製造方法の一例を示す工程図であり、図2(a)〜(c)は、図1(a)〜(c)と共通している。
上記で説明したように、光沢度A>光沢度Bの関係とできる第1保護層200を、画像形成物150上に形成し、その表面光沢度を低くすることで、記録媒体100が各種の欠陥を有している場合であっても、これらの欠陥を目立ちにくくできる。ところで、製造される印画物の最表面に第1保護層200を位置させた場合には、記録媒体100が本来有している金属光沢感よりも、第1保護層200が形成された印画物300の金属光沢感は低くなる。製造される印画物の使用形態によっては、金属光沢感が抑えられた印画物300が所望される場合もあるが、金属光沢感が高い印画物300としたいとの要求もある。
そこで、一例としての第2保護層形成工程は、上記第1積層体350Aの上面と第2保護層250の下面が接するように重ねたものを第2積層体350B(図4(b)参照)とし、第2積層体350Bの第2保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Cとしたときに、光沢度B<光沢度Cの関係とできる第2保護層250を、第2保護層の下面を画像形成物側に位置させ、且つ、製造される印画物の最表面に位置するように形成する。つまりは、第1積層体350Aの表面光沢度よりも、その表面光沢度を高くできる第2保護層250を、第1保護層200上に、直接的に、或いは間接的に形成する工程である。本工程を経ることで、図2(d)に示すように、第1保護層200上に、第2保護層250がさらに形成された印画物300を得る。
一例としての第2保護層形成工程を含む本開示の製造方法によれば、第1保護層形成工程によって低くした表面の光沢度を、第2保護層形成工程で形成される第2保護層250によって、再び高くでき、第2保護層形成工程を含まない本開示の製造方法と比較して、製造される印画物の金属光沢感を高くできる。つまりは、記録媒体100が欠陥を有している場合であっても、その欠陥を目立ちにくくでき、さらに、金属光沢感の高い印画物を製造できる。なお、第2保護層形成工程は、本開示の製造方法における任意の工程であり、第2保護層形成工程を含まない場合であっても、画像形成物150の画像層30に形成されている画像50を視認できる第1保護層200を用いることで、製造される印画物300に金属光沢感を付与できる。
他の一例としての第2保護層形成工程は、第1積層体350Aの上面と第2保護層の下面が接するように重ねたものを第2積層体350Bとし、第2積層体350Bの第2保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Cとしたときに、光沢度A<光沢度Cの関係とできる第2保護層を、第2保護層の下面を画像形成物側に位置させ、且つ、製造される印画物の最表面に位置するように形成する工程である。
また、他の一例としての第2保護層形成工程は、準備工程で準備された記録媒体の画像層と第2保護層の下面が接するように重ねたものを第3積層体350C(図4(c)参照)とし、第3積層体350Cの第2保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Dとしたときに、光沢度A<光沢度Dの関係とできる第2保護層250を、第2保護層の下面を画像形成物側に位置させ、且つ、製造される印画物の最表面に位置するように形成する工程である。
このような他の一例としての第2保護層形成工程を含む本開示の製造方法によれば、最終的に製造される印画物の金属光沢感をより高くできる。特に、光沢度A<光沢度Cの関係とできる第2保護層を形成した場合には、第1保護層が形成される前の記録媒体100の金属光沢感よりも、最終的に製造される印画物の金属光沢感を高くできる。
(第2保護層)
第2保護層250は、光沢度B<光沢度C、光沢度A<光沢度C、光沢度A<光沢度Dの何れか、或いは全ての関係を満たすことができるものであればよい。例えば、上記第1保護層200として、その表面が凹凸構造を有するものを用いる場合には、第2保護層250として、第1保護層200よりも、表面の平滑性が高いものを用いる、粒子を含有しない、或いは、第1保護層200よりも粒子の含有量等が少ないものを用いる、又は、ボイドを有しないものを用いればよい。
第2保護層の樹脂成分としては、上記第1保護層200で説明した樹脂成分等を適宜選択して用いることができる。第1保護層200と、第2保護層250が含有している樹脂成分は、同じであってもよく、異なるものであってもよい。例えば、第2保護層250を、活性光線硬化性樹脂を含有する第2保護層250とした場合には、製造される印画物の耐久性等をより良好なものとできる。
第2保護層250は、接着層等を用いた貼り合わせで形成してもよく、第2保護層250を転写可能な保護層転写シートを用いて転写で形成してもよい。図5(b)は、第2保護層250を転写で形成できる保護層転写シート400の一例を示す概略断面図である。なお、図5(b)に示す形態の保護層転写シート400は、第1保護層200と、第2保護層250が離型層420上に面順次に設けられており、第1保護層200と重なる離型層420が各種の粒子を含有しており、第2保護層250と重なる離型層420が、粒子を含有していない形態となっている。図5(b)に示すような保護層転写シート400によれば、第1保護層200、及び第2保護層250の形成を、1つの保護層転写シート400を用いて行うことができる。なお、図5(b)に示す形態の保護層転写シート400を、第1保護層200を転写で形成できる保護層転写シート400(図5(a)参照)と、第2保護層250を転写で形成できる保護層転写シート(図示しない)に分離してもよい。
図5(b)に示す形態の保護層転写シート400は、離型層420上に、単層の第2保護層250が設けられ、単層の第2保護層250のみが転写されるように構成されているが、第2保護層250を複数の層が積層された積層構造としてもよい(図示しない)。また、第2保護層250上に接着層を設けた構成としてもよい(図示しない)。
また、本開示の製造方法は、光沢度B<光沢度C、光沢度A<光沢度C、光沢度A<光沢度Dの何れか、或いは全ての関係を満たすことができる第2保護層200を、第1保護層200上に形成する工程を複数回行ってもよい。つまり、本開示の製造方法で製造される印画物300は、光沢度B<光沢度C、光沢度A<光沢度C、光沢度A<光沢度Dの何れかを満たす第2保護層250を複数含んでいてもよい。
また、第2保護層250を複数含む場合、これら第2保護層250の間に、第1保護層200が位置するように、第1保護層200を形成してもよい。
また、本開示の製造方法で用いられる保護層転写シート400は、第1保護層200と、色材層が面順次に設けられたものであってもよい。この形態の保護層転写シートによれば、記録媒体の画像層30への画像の形成と、これにより形成される画像形成物上への第1保護層200の形成を、1つの保護層転写シート400を用いて行うことができる。第1保護層200と面順次に設けられる色材層は、1つであってもよく、色相が異なる複数であってもよい。色材層としては、イエローの昇華性染料を含有するイエロー染料層、マゼンタの昇華性染料を含有するマゼンタ染料層、シアンの昇華性染料を含有するシアン染料層、ブラックの溶融インキ層等を例示できる。また、色材層以外の層、例えば、蛍光層等が設けられていてもよい。また、第1保護層200、第2保護層250が面順次に設けられたものであってもよい。また、第1保護層200、第2保護層250と、これとは異なる層の1つ、或いは2つ以上が面順次に設けられたものであってもよい。
以上、本開示の製造方法について一例を挙げて説明したが、本開示の製造方法は、上記で説明した製造方法に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各種の変形が可能である。例えば、本開示の製造方法で用いられる記録媒体100の支持体10は、金属顔料を含有する金属層5を含むものであるが、金属顔料を含有する金属層5を、各種の蒸着で形成された蒸着層や、パール顔料等を含有するパール顔料含有層等としてもよい。また、画像形成工程において、金属層5上に直接的に画像形成が可能であれば、金属層5は、画像層30の機能を兼ねてもよい。つまりは、画像層30を有さず、最表面に金属層5が位置する記録媒体100を用いてもよい。
また、本開示の製造方法は、記録媒体を準備する準備工程、及び画像形成物を得る画像形成工程を含むが、これらの工程を省略し、予め、記録媒体100の画像層30に画像が形成された画像形成物150を用いてもよい。つまり、記録媒体を準備する準備工程、及び画像形成工程にかえて、記録媒体100の画像層30に画像が形成された画像形成物を準備する工程としてもよい。
<<記録媒体と保護層転写シートの組合せ>>
次に、本開示の実施の形態に係る記録媒体と保護層転写シートの組合せ(以下、本開示の組合せという)について説明する。
本開示の組合せは、記録媒体と保護層転写シートの組合せであって、記録媒体が、金属層5を含む支持体10上に画像が形成される前の画像層30が設けられた記録媒体100(図1(a)、図2(a)、図3参照)であり、保護層転写シートが、基材410上に、当該基材から剥離可能に第1保護層200が設けられたものであり、記録媒体の画像層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Aとし、当該記録媒体の画像層上に保護層転写シートの保護層を転写して得られるものを第1積層体とし、この第1積層体の第1保護層表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Bとしたときに、光沢度A>光沢度Bの関係を満たす。
本開示の組合せに用いられる記録媒体、及び保護層転写シートとしては、上記本開示の製造方法で説明した記録媒体100(図3参照)や、保護層転写シート400(図5(a)参照)をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。したがって、保護層転写シート400は、基材410と第1保護層200の間に、離型層420を有していてもよく、また、この離型層420は、粒子を含有していてもよい。本開示の組合せによれば、金属光沢感を有し、且つ、記録媒体が有している欠陥等が目立ちにくい印画物を製造できる。
また、本開示の組合せに用いられる保護層転写シート400は、図5(b)に示すように、第2保護層250を含むものであってもよい。また、色材層を含むものであってもよい。第2保護層250についても、上記本開示の製造方法で説明した第2保護層250をそのまま用いることができる。
記録媒体100の画像層30上に保護層転写シート400の第1保護層200を転写するときの転写条件は、以下の通りである。
(第1保護層の転写条件)
記録媒体100の画像層30上に、第1保護層200を有する保護層転写シート400を、画像層30と第1保護層200が対向するように重ね、下記テストプリンタの転写条件で、第1保護層200を転写する。
(テストプリンタ)
・発熱体平均抵抗値:5241(Ω)
・主走査方向印字密度:300(dpi)
・副走査方向印字密度:300(dpi)
・ライン周期:2(msec./line)
・パルスDuty:85(%)
・印加電圧:18V
・階調値:255/255(最も熱エネルギーがかかる状態)
また、本開示の別の実施の形態に係る記録媒体と保護層転写シートの組合せ(以下、本開示の別の実施の形態の組合せと言う)は、記録媒体100が、金属層5を含む支持体10上に画像が形成される前の画像層30が設けられた記録媒体100(図1(a)、図2(a)、図3参照)であり、保護層転写シート400が、基材410上に離型層420が設けられ、離型層420上に第1保護層200を含む単層構造、又は積層構造の転写層が設けられ、離型層420と第1保護層200が接する保護層転写シート400であり、離型層420が粒子を含有している。
本開示の別の実施の形態の組合せによれば、金属光沢感を有し、且つ、記録媒体が有している欠陥等が目立ちにくい印画物を製造できる。具体的には、記録媒体100の画像層30に画像を形成して画像形成物150を得ることができる。また、画像形成物150上に転写層を転写して、表面に第1保護層200が位置する印画物を製造できる。また、離型層420が含有している粒子によって、転写後の第1保護層200の表面を凹凸形状とでき、この第1保護層200によって、記録媒体100(画像形成物150)の輝度を低くできる。これにより、記録媒体100が、各種の欠陥を有している場合であっても、各種の欠陥を第1保護層200によって目立ちにくくできる。つまり、本開示の別の実施の形態の組合せによれば、金属光沢感を有し、各種の欠陥が目立ちにくい印画物を製造できる。
本開示の別の実施の形態の組合せを構成する記録媒体は、上記本開示の製造方法で説明した記録媒体100(図3参照)をそのまま用いることができる。本開示の別の実施の形態の組合せを構成する記録媒体としては、上記本開示の製造方法で説明した粒子を含有する離型層420を有する保護層転写シート400をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
また、別の実施の形態の組合せを構成する保護層転写シート400は、図5(b)に示すように、第2保護層250を含むものであってもよい。第2保護層250についても、上記本開示の製造方法で説明した第2保護層250をそのまま用いることができる。
<<プリンタ>>
次に、本発明の実施の形態に係るプリンタ(以下、本開示のプリンタと言う)について説明する。本開示のプリンタは、上記本開示の印画物の製造に用いられるプリンタ700であって、図6に示すように、記録媒体100の画像層30上に画像を形成する画像形成部650と、記録媒体の画像層に画像が形成された画像形成物150上に、第1保護層200を形成する第1保護層形成部660とを備える。図6は、本開示のプリンタの概略構成図である。図中では、記録媒体、熱転写シート、保護層転写シートの各構成の記載を省略している。記録媒体、熱転写シート、保護層転写シートとしては、上記本開示の印画物の製造方法や、記録媒体と保護層転写シートの組合せで説明した構成等を適宜選択して用いることができる。
図示する形態のプリンタ700は、記録媒体100を供給する第1供給部670と、色材層を有するシート500を供給する第2供給部651Aと、保護層転写シート400を供給する第3供給部651B等を備える。
図示する形態のプリンタ700の第1供給部670には、記録媒体100をリボン状に巻き取った巻取が装填されている。第1供給部670は、記録媒体100の巻取を回転させ、記録媒体100を、長尺帯状で画像形成部650、及び第1保護層形成部660に搬送する。
画像形成部650は、サーマルヘッド653Aと、サーマルヘッド653Aの下方側に設けられた回転駆動自在なロール654と、サーマルヘッド653Aをプラテンロール654Aに対して昇降自在とさせる昇降手段(図示しない)を備えている。図示する形態のプリンタ700において、第1供給部670から供給された記録媒体100は、サーマルヘッド653Aとプラテンロール654Aとの間を通過する。サーマルヘッドは、本開示のプリンタ700の画像形成部650を構成する。
図示する形態のプリンタ700において、熱転写シート500は、第2供給部651Aとしての供給ロール側から、ガイドロール655Aを経由して、サーマルヘッド653Aとプラテンロール654Aとの間を通り、ガイドロール656Aを経由して、巻取りロール652Aに巻き取られる。サーマルヘッド653Aとプラテンロール654Aとの間において、熱転写シートの色材層と、記録媒体の画像層とは対向している(図示しない)。
図示する形態のプリンタ700では、記録媒体100と、熱転写シートの色材層との位置合わせを行い、サーマルヘッド653Aをプラテンロール654Aに向けて降下させ、熱転写シート500、及び記録媒体100を介してサーマルヘッド653Aをプラテンロール654Aに当接させる。次いで、プラテンロール654Aを回転駆動させ、熱転写シート500、及び記録媒体100を下流側へ搬送する。この間、サーマルヘッド653Aは、当該サーマルヘッド653Aに送信されてきた画像データに基づいて、熱転写シートの色材層の領域を選択的に加熱し、換言すれば、熱エネルギーを印加し、熱転写シートから、画像層に色材層の染料を移行させる。これにより、記録媒体100の画像層上に画像の形成が行われる。
また、図示する形態のプリンタ700は、画像層に画像が形成された記録媒体(画像形成物150)を、ガイドロール672を経由して第1保護層形成部660へ搬送する。図示する形態のプリンタ700において、第1保護層形成部660は、サーマルヘッド653Bと、サーマルヘッド653Bの下方側に設けられた回転駆動自在なロール654と、サーマルヘッド653Bをプラテンロール654Bに対して昇降自在とさせる昇降手段(図示しない)を備えている。図示する形態のプリンタ700において、第1保護層形成部660に搬送された画像形成物150は、サーマルヘッド653Bとプラテンロール654Bとの間を通過する。サーマルヘッドは、本開示のプリンタ700の画像形成部650を構成する。
図示する形態のプリンタ700において、保護層転写シート400は、第3供給部651Bとしての供給ロール側から、ガイドロール655Bを経由して、サーマルヘッド653Bとプラテンロール654Bとの間を通り、ガイドロール656Bを経由して、巻取りロール652Bに巻き取られる。サーマルヘッド653Bとプラテンロール654Bとの間において、画像形成物150の画像層と、保護層転写シート400の転写層は対向している(図示しない)。
図示する形態のプリンタ700では、サーマルヘッド653Bをプラテンロール654Bに向けて降下させ、保護層転写シート400、及び画像形成物150を介してサーマルヘッド653Bをプラテンロール654Bに当接させる。次いで、プラテンロール654Bを回転駆動させ、保護層転写シート400、及び画像形成物150を下流側へ搬送する。この間、サーマルヘッド653Bは、当該サーマルヘッド653Bに送信されてきたデータに基づいて、保護層転写シートの転写層の領域を選択的に加熱し、第1保護層を含む転写層を画像形成物上に転写する。これにより、画像形成物150の画像層側に第1保護層を含む転写層が転写された印画物を得る。
本開示のプリンタ700は、第1保護層形成部660が、第1保護層の光沢度を調整する光沢度調整手段を備える。一例としての光沢度調整手段は、保護層転写シート400の転写層に印加するエネルギーを部分毎に可変できるサーマルヘッドを有する。第1保護層形成部660が、光沢度調整手段を含む本開示のプリンタによれば、第1保護層を含む転写層を転写するときに転写層に印加するエネルギーを部分毎に異ならせることで、転写後の第1保護層の表面に凹凸形状を発現できる。例えば、第1保護層の表面に発現する凹部に対応する部分に印加するエネルギーを、第1保護層の表面に発現する凸部に対応する部分に印加するエネルギーよりも高くすることで、転写後の第1保護層の表面に凹凸形状を発現できる。印加するエネルギーとしては、保護層転写シートの転写層に印加される熱エネルギーや、保護層転写シートの転写層を押圧する圧力等を例示できる。
他の一例としての本開示のプリンタ700は、第1保護層形成部660が、ヒートローラ(図示しない)と、ヒートローラの下方に設けられた加圧ロール(図示しない)とを備えている。この形態のプリンタ700では、ヒートローラと加圧ロールとの間において、画像形成物150と保護層転写シート400とを重ね、保護層転写シートを加熱する。これにより、画像形成物上に第1保護層を含む転写層が転写された印画物を得る。
他の一例としての本開示のプリンタ700は、保護層転写シートの転写層に印加される熱エネルギーや、保護層転写シートの転写層に印加される圧力等を、部分毎に異ならせることができるように、ヒートローラ、及び加圧ロールの何れか一方、又は双方が構成されている。また、一例としてのヒートローラ、及び加圧ロールの何れか一方、又は双方は、当該ローラの表面が凸部を有している。この形態におけるヒートローラ、及び加圧ロールは、本開示のプリンタの第1保護層形成部を構成する。
以上説明した本開示のプリンタによれば、画像形成部650により、記録媒体100の画像層30に画像が形成された画像形成物150を得る。また、光沢度調整手段を含む第1保護層形成部によって、画像形成物150上に形成される第1保護層200の表面に凹凸形状を発現でき、本開示の製造方法で説明した印画物を製造できる。
また、図6に示すような形態のプリンタにおいて、画像形成部650が、保護層転写シート400の転写層に印加するエネルギーを部分毎に可変できる光沢度調整手段としてのサーマルヘッドを有する場合には、第1保護層形成部660を使用することなく、画像形成部650で、画像の形成、及び第1保護層の形成を行ってもよい。同様に、第1保護層形成部660が、光沢度調整手段としてのサーマルヘッドを有し、このサーマルヘッドで、記録媒体100の画像層30に画像を形成できれば、画像形成部650を使用することなく、第1保護層形成部660で、画像の形成、及び第1保護層の形成を行ってもよい。
また、本開示の別の実施の形態に係るプリンタは、画像形成部650が、第1保護層形成部660と共通する。換言すれば、画像形成部650、及び第1保護層形成部660の何れか一方が、他方を兼ねる。一例としての本開示の別の実施の形態に係るプリンタ700は、図6に示す形態のプリンタから、第1保護層形成部660を除いた構成を呈しており、画像形成部650で画像層30への画像の形成、及び、画像形成物150上への第1保護層200を含む転写層の転写ができる。他の一例としての本開示の別の実施の形態に係るプリンタ700は、図6に示す形態のプリンタから、画像形成部650を除いた構成を呈しており、第1保護層形成部650で画像層30への画像の形成、及び、画像形成物150上への第1保護層200を含む転写層の転写ができる。なお、この形態のプリンタでは、画像層30に画像を形成するための色材層と、これにより形成された画像形成物150上に転写される第1保護層200を含む転写層が面順次に設けられた熱転写シートを用いる。
本開示の別の実施の形態に係るプリンタでは、画像形成部650において熱転写受像シートの画像層に画像を形成した後に、これにより形成された画像形成物を巻き戻して、画像形成部650のサーマルヘッド653Aとプラテンロール654Aの間を通過させる。また、熱転写シートの第1保護層200を含む転写層部分が画像形成物上に位置するように熱転写シートを搬送する。次いで、画像形成部650において熱転写シートが有する第1保護層200を含む転写層を選択的に加熱することで、画像形成物上に第1保護層を含む転写層を転写できる。この場合において、画像形成部650、サーマルヘッド653A、プラテンロール654Aとある記載を、第1保護層形成部660、サーマルヘッド653B、プラテンロール654Bと読み替えてもよい。
本開示の別の実施の形態に係るプリンタにおいて、画像形成部650が第1保護層形成部66を兼ねる場合、画像形成部650が備えるサーマルヘッド653Aは、熱転写受像シートの画像層に画像を形成でき、且つ熱転写シート100の第1保護層を含む転写層に印加するエネルギーを部分毎に可変できる。一方、第1保護層形成部660が画像形成部650を兼ねる場合、第1保護層形成部660が備えるサーマルヘッド653Bは、熱転写受像シートの画像層に画像を形成でき、且つ熱転写シート100の第1保護層を含む転写層に印加するエネルギーを部分毎に可変できる。つまり、つまり、共通して用いられるサーマルヘッドは、画像を形成できる画像形成手段、及び光沢度調整手段を構成する。
また、上記各種の実施の形態に係るプリンタを用いて、第1保護層上に、第2保護層を形成する場合、第2保護層の形成は、画像形成手段650や、第1保護層形成手段660を用いて行ってもよく、これとは別の第2保護層形成手段により、第2保護層を形成してもよい。一例としてのプリンタは、第2保護層形成手段を有する。第2保護層形成手段としては、上記画像形成手段650や、第1保護層形成手段660で説明した構成を適宜選択して用いることができる。
<<プリントシステム>>
次に、本発明の実施の形態に係るプリントシステム(以下、本開示のプリントシステムと言う)について説明する。本開示のプリントシステムは、プリンタ、記録媒体100、熱転写シート、及び保護層転写シート400を備える。
本開示のプリントシステムは、上記本開示の組合せで説明した記録媒体100、及び保護層転写シート400を備える。本開示のプリントシステムによれば、金属光沢感を有し、各種の欠陥が目立ちにくい印画物を製造できる。
本開示のプリントシステムを構成する熱転写シートについて限定はなく、記録媒体100の画像層30に画像を形成できるものであればよい。一例としての熱転写シートは、昇華型熱転写方式や、溶融型熱転写方式で画像を形成できる色材層を有している。
本開示のプリントシステムを構成するプリンタについても限定はなく、記録媒体100の画像層30に画像を形成でき、画像形成物150上に、第1保護層200を形成できる機能を有していればよい。
<<保護層転写シート>>
次に、本発明の実施の形態に係る保護層転写シート(以下、本開示の保護層転写シートと言う)について説明する。
本開示の保護層転写シート400は、基材1と、基材1上に、第1保護層200、第2保護層250が面順次に設けられた構成を呈している。そして、本開示の保護層転写シート400は、第1保護層、及び第2保護層が、被転写体上に第1保護層を転写して得られる第1転写物の表面の光沢度を、被転写体上に第2保護層を転写して得られる第2転写物の表面の光沢度よりも低くできるものである。ここでいう第1転写物を構成する被転写体と、第2転写物を構成する被転写体は同じものとする。光沢度の測定方法は、上記で説明した方法を用いる。
本開示の保護層転写シート400によれば、被転写体上に第1保護層を転写して得られる第1転写物の光沢度を、転写後の第1保護層200に応じた光沢度とできる。
また、第1転写物上に第2保護層を転写して得られる第3転写物の光沢度を、転写後の第2保護層250の光沢度に応じた光沢度とできる。具体的には、第1転写物の光沢度よりも、第3転写物の光沢度を高くできる。
本開示の保護層転写シート400によれば、被転写体上に第1保護層を転写して得られる第1転写物よりも、第1転写物上に第2保護層を転写して得られる第3転写物の光沢度を高くできることから、第1保護層、及び第2保護層が重なるように被転写体上に転写することで、それぞれの保護層の光沢度に応じた機能を、これらを転写して得られる転写物に付与できる。
被転写体について限定はなく、第1保護層、及び第2保護層を転写できるものであればよい。一例としての被転写体は、上記本開示の製造方法で説明した画像形成物である。
第1保護層、及び第2保護層の光沢度は、第1転写物の光沢度<第2転写物の光沢度の関係とできるものであればよい。
一例としての保護層転写シート400は、図5(b)に示すように、基材1、及び基材1上に、第1保護層200、及び第2保護層250が面順次に設けられ、基材1と第1保護層200の間に第1離型層が設けられ、基材1と第2保護層250の間に第2離型層が設けられ、第1離型層が粒子を含有している。第2離型層は、(1)粒子を含有していないか、又は(2)粒子を含有しており、第2離型層が粒子を含有している場合には、その含有量が、第1離型層が含有している粒子の含有量よりも少ない。
また、第1離型層と、第2離型層が含有している粒子の含有量を異ならせることにかえて、或いはこれとともに、粒子の大きさや、第1保護層200、及び第2保護層250の成分、厚み等を異ならせて、第1転写物の光沢度<第2転写物の光沢度の関係とすることもできる。
他の一例としての保護層転写シート400は、基材1、基材1上の一部に設けられた離型層と、当該離型層上に設けられた第1保護層200と、基材1上の他の一部に設けられた第2保護層250を有し、離型層が粒子を含有している。換言すれば、基材1と第1保護層200の間に粒子を含有する離型層が設けられ、基材1と第2保護層250の間には、離型層が設けられていない。
本開示の保護層転写シート400を構成する基材1、第1保護層200、第2保護層250、第1離型層、第2離型層としては、上記本開示の製造方法で説明した各種の構成を適宜選択して、また適宜組み合わせて用いることができる。また、本開示の保護層転写シート400は、第1保護層、第2保護層とともに、これとは異なる他の層が、面順次に設けられたものであってもよい。また、第1保護層200や、第2保護層250上に、他の層、例えば、ヒートシール層等が設けられていてもよい。
一例としての本開示の保護層転写シート400は、金属層を含む支持体上に画像層が設けられ、その表面の光沢度が95以上の記録媒体上に、第1保護層200を転写して得られる転写物Aの光沢度を95未満、好ましくは70以下、より好ましくは60以下、さらに好ましくは30以下とでき、この転写物A上に第2保護層を転写して得られる転写物Bの光沢度を、転写物Aの光沢度よりも高くできる第1保護層、及び第2保護層を有する。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準であり、固形分に換算する前の配合を示している。
(記録媒体の作成)
厚みが154μmの上質紙の一方の面にポリエチレンを溶融押出し、厚みが24μmのポリエチレン層を形成した。次いで、上質紙の他方の面にポリエチレンを溶融押出し、厚みが14μmのポリエチレン層を形成し、他方の面に形成されたポリエチレン層を介して、厚みが35μmのボイドPP(ボイドポリプロピレン)フィルムを貼り合わせ、上質紙の一方の面側にポリエチレン層が設けられ、他方の面にポリエチレン層、ボイドPPフィルムがこの順で積層された基材を準備した。この基材のボイドPPフィルム側の面上に、下記組成の金属層用塗工液を塗布・乾燥して厚みが3μmの金属層を形成した。次いで、金属層上に、下記組成の画像層用塗工液を塗布・乾燥して厚みが4μmの画像層を形成して、基材上に金属層、画像層がこの順で積層された記録媒体を作成した。
<金属層層用塗工液>
・ポリウレタン 20部
(ニッポラン(登録商標)5253 東ソー(株))
・顔料(アルミニウム顔料(アクリル被覆)) 10部
・トルエン 75部
・メチルエチルケトン 75部
<画像層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 0.4部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 70部
・トルエン 70部
(保護層転写シート1の作成)
保護層転写シートの基材として厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、この基材上に、下記組成の離型層用塗工液1を、乾燥時の厚みが1.1μmとなるように塗布・乾燥して離型層を形成した。次いで、この離型層上に、下記組成の保護層用塗工液1を、乾燥時の厚みが1.5μmとなるように塗布・乾燥し保護層を形成して、保護層転写シート1を作成した。
<離型層用塗工液1>
・アクリル樹脂(固形分:50%) 32部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株))
・真球状アクリル粒子(粒子径:2μm) 3.36部
(エポスター(登録商標)MA1002 (株)日本触媒)
・アルミ触媒(固形分:50%) 6部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・トルエン 8部
・メチルエチルケトン 8部
<保護層用塗工液1>
・アクリル樹脂 60部
(TS−413A DIC(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
(保護層転写シート2の作成)
離型層用塗工液1を、下記組成の離型層用塗工液2に変更して離型層を形成した以外は、全て保護層転写シート1と同じ方法で、保護層転写シート2を作成した。
<離型層用塗工液2>
・アクリル樹脂(固形分:50%) 32部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株))
・不定形状シリカ粒子(粒子径:2.7μm) 3.36部
(サイリシア(登録商標)310P 富士シリシア化学(株))
・アルミ触媒(固形分:50%) 6部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株))
・トルエン 8部
・メチルエチルケトン 8部
(保護層転写シート3の作成)
保護層転写シートの基材として厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、この基材上に、下記組成の保護層用塗工液2を、乾燥時の厚みが1.5μmとなるように塗布・乾燥し保護層を形成して、保護層転写シート3を作成した。
<保護層用塗工液2>
・アクリル樹脂 10部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱ケミカル(株))
・スチレン−アクリル共重合体 10部
(ダイヤナール(登録商標)BR−52 三菱ケミカル(株))
・トルエン 40部
・メチルエチルケトン 40部
(保護層転写シート4の作成)
保護層用塗工液2を、下記組成の保護層用塗工液3に変更して保護層を形成した以外は、全て保護層転写シート3と同じ方法で、保護層転写シート4を作成した。
<保護層用塗工液3>
・スチレン−アクリル共重合体 20部
(ダイヤナール(登録商標)BR−50 三菱ケミカル(株))
・トルエン 40部
・メチルエチルケトン 40部
(記録媒体の光沢度の測定)
上記で準備した記録媒体の画像層側表面の光沢度を、光沢計(VG7000 日本電色工業(株))を用い、JIS−Z−8741に準拠した方法により入射角度45°で測定したときの値は、99であった。
(第1積層体の作成)
記録媒体上に、テストプリンタを用いた下記転写条件で、上記で準備した各保護層転写シートの保護層(転写層)を転写して、第1積層体(1)〜(4)を形成した。第1積層体(1)〜(4)の詳細は以下の通りである。
第1積層体(1)・・・保護層転写シート1の保護層を転写
第1積層体(2)・・・保護層転写シート2の保護層を転写
第1積層体(3)・・・保護層転写シート3の保護層を転写
第1積層体(4)・・・保護層転写シート4の保護層を転写
(転写層の転写条件)
・発熱体平均抵抗値:5241(Ω)
・主走査方向印字密度:300(dpi)
・副走査方向印字密度:300(dpi)
・ライン周期:2(msec./line)
・パルスDuty:85(%)
・印加電圧:18V
・階調値:255/255(最も熱エネルギーがかかる状態)
(第1積層体の光沢度の測定)
上記記録媒体の光沢度の測定方法と同様にして、第1積層体(1)〜(4)の保護層側表面の光沢度を測定した。第1積層体(1)〜(4)の光沢度は、それぞれ以下の通りである。
第1積層体(1)の光沢度:56
第1積層体(2)の光沢度:21
第1積層体(3)の光沢度:116
第1積層体(4)の光沢度:129
第1積層体(1)、(2)の光沢度は、記録媒体の光沢度よりも低いことから、第1積層体(1)、(2)、及び第1積層体(1)、(2)の形成に用いられる保護層転写シート1、2の保護層は、上記本開示の製造方法で説明した光沢度A>光沢度Bの関係とできる第1積層体、及び第1保護層の要件を満たす。一方で、第1積層体(3)、(4)の光沢度は、記録媒体の光沢度よりも高いことから、第1積層体(3)、(4)、及び第1積層体(3)、(4)の形成に用いられる保護層転写シート3、4の保護層は、上記本開示の製造方法で説明した光沢度A<光沢度Dの関係とできる第3積層体、及び第2保護層の要件を満たす。
(第2積層体の作成)
上記で作成した第1積層体(2)上に、上記条件で、上記で準備した保護層転写シート3の保護層を転写して、第2積層体(1)を形成した。また、上記で作成した第1積層体(2)上に、上記条件で、上記で準備した保護層転写シート4の保護層を転写して、第2積層体(2)を形成した。
(第2積層体の光沢度の測定)
上記記録媒体の光沢度の測定方法と同様にして、第2積層体(1)、(2)の保護層側表面の光沢度を測定した。第2積層体(1)、(2)の光沢度は、それぞれ以下の通りである。
第2積層体(1)の光沢度:110
第2積層体(2)の光沢度:122
上記第2積層体(1)、(2)の光沢度は、記録媒体の光沢度、及び第2積層体を得るための第1積層体(2)の光沢度よりも高いことから、第2積層体(1)、(2)、及びこの第2積層体の形成に用いられる保護層転写シート3、4の保護層は、上記本開示の製造方法で説明した光沢度A<光沢度C、及び光沢度B<光沢度Cの関係とできる第2積層体、及び第2保護層の要件を満たす。
(画像形成物の作成)
上記で準備した記録媒体と、昇華型熱転写プリンタ(DS620 大日本印刷(株))の純正リボンを組み合わせ、下記テストプリンタを用いた下記画像形成条件でイエロー、マゼンタ、シアンの各色の11Step階調画像を形成して、画像形成物を得た。
(画像形成条件)
・発熱体平均抵抗値:5241(Ω)
・主走査方向印字密度:300(dpi)
・副走査方向印字密度:300(dpi)
・ライン周期:2(msec./line)
・パルスDuty:85(%)
・印加電圧:18V
・11Step階調値
1Step:0/255階調、2Step:25/255階調、
3Step:50/255階調、4Step:75/255階調、
5Step:100/255階調、6Step:125/255階調、
7Step:150/255階調、8Step:175/255階調、
9Step:200/255階調、10Step:225/255階調、
11Step:255/255階調
(255/255諧調:255段階で最も熱エネルギーがかかる状態)
(実施例1)
上記で形成した画像形成物の画像層側に、上記条件で、上記保護層転写シート1の保護層を転写して実施例1の印画物を得た。なお、各実施例の印画物は、記録媒体の光沢度A>第1積層体の光沢度Bの関係とできる保護層を含む。
(実施例2)
上記で形成した画像形成物の画像層側に、上記条件で、上記保護層転写シート2の保護層を転写して実施例2の印画物を得た。
(実施例3)
上記で形成した画像形成物の画像層側に、上記条件で、上記保護層転写シート2の保護層を重ねて5回転写して実施例3の印画物を得た。保護層の転写条件は、いずれも上記条件とした。
(実施例4)
上記で形成した画像形成物の画像層側に、上記保護層転写シート3の保護層を転写し、次いで、この保護層上に上記保護層転写シート1の保護層を転写し、次いで、この保護層上に、上記保護層転写シート3の保護層を転写し、次いで、この保護層上に上記保護層転写シート1の保護層を転写して実施例4の印画物を得た。各保護層の転写条件は、いずれも上記条件で共通している。
(実施例5)
上記で形成した画像形成物の画像層側に、上記保護層転写シート1の保護層を転写し、次いで、この保護層上に上記保護層転写シート3の保護層を転写し、次いで、この保護層上に、上記保護層転写シート1の保護層を転写し、次いで、この保護層上に上記保護層転写シート3の保護層を転写して実施例5の印画物を得た。各保護層の転写条件は、いずれも上記条件で共通している。
(実施例6)
上記で形成した画像形成物の画像層側に、上記保護層転写シート2の保護層を転写し、次いで、この保護層上に上記保護層転写シート4の保護層を転写して実施例6の印画物を得た。各保護層の転写条件は、いずれも上記条件で共通している。
(実施例7)
上記で形成した画像形成物の画像層側に、上記保護層転写シート2の保護層を転写し、次いで、この保護層上に上記保護層転写シート3の保護層を転写して実施例7の印画物を得た。各保護層の転写条件は、いずれも上記条件で共通している。
(比較例1)
上記で形成した画像形成物の画像層側に、上記条件で、上記保護層転写シート3の保護層を転写して比較例1の印画物を得た。なお、各比較例の印画物は、記録媒体の光沢度A>第1積層体の光沢度Bの関係とできる保護層を含まない。
(比較例2)
上記で形成した画像形成物の画像層側に、上記条件で、上記保護層転写シート4の保護層を転写して比較例2の印画物を得た。
(比較例3)
上記で形成した画像形成物の画像層側に、上記条件で、上記保護層転写シート3の保護層を重ねて5回転写して比較例3の印画物を得た。保護層の転写条件は、いずれも上記条件とした。
(外観評価)
各実施例、及び比較例の印画物の1Stepの領域を目視で確認し、下記評価基準に基づいて外観評価を行った。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
1・・・記録媒体と同様に塗工ムラがはっきりと見える。
2・・・記録媒体よりも金属層の塗工ムラは目立たないがはっきりと見える。
3・・・記録媒体よりも金属層の塗工ムラは目立たないが目視で確認できる。
4・・・注意すれば塗工ムラが目視で確認できる。
5・・・塗工ムラが目視で殆どみえない。
(メタリック感評価)
各実施例、及び比較例の印画物を目視で確認し、下記評価基準に基づいてメタリック感評価を行った。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
1・・・メタリック感がない。
2・・・記録媒体よりもメタリック感が低く、光沢感も低い。
3・・・記録媒体よりもメタリック感が低いが、上記基準2よりも光沢感は高い。
4・・・記録媒体のメタリック感と同等のメタリック感を有する。
5・・・記録媒体のメタリック感よりも高いメタリック感を有する
Figure 2021054006
1・・・基材
5・・・金属層
10・・・支持体
30・・・画像層
50・・・画像
100・・・記録媒体
150・・・画像形成物
200・・・第1保護層
250・・・第2保護層
300・・・印画物
350A・・・第1積層体
350B・・・第2積層体
350C・・・第3積層体
400・・・保護層転写シート
600・・・プリンタ、プリントシステム

Claims (18)

  1. 印画物の製造方法であって、
    金属層を含む支持体上に画像層が設けられた記録媒体を準備する準備工程と、
    前記記録媒体の前記画像層に画像を形成して画像形成物を得る画像形成工程と、
    前記画像形成工程後、前記画像形成物の前記画像層側に第1保護層を形成する第1保護層形成工程と、を含み、
    前記準備工程で準備された前記記録媒体の前記画像層と前記第1保護層の下面が接するように重ねたものを第1積層体とし、前記準備工程で準備される前記記録媒体の前記画像層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度A、前記第1積層体の前記第1保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Bとしたときに、
    前記第1保護層形成工程が、前記光沢度A>前記光沢度Bの関係とできる第1保護層を、前記第1保護層の前記下面が前記画像形成物側に位置するように形成する工程である、印画物の製造方法。
  2. 前記第1保護層形成工程後、第2保護層を形成する第2保護層形成工程を含み、
    前記第1積層体の上面と前記第2保護層の下面が接するように重ねたものを第2積層体とし、前記第2積層体の前記第2保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Cとしたときに、
    前記第2保護層形成工程が、前記光沢度B<前記光沢度Cの関係とできる第2保護層を、前記第2保護層の前記下面を前記画像形成物側に位置させ、且つ、製造される印画物の最表面に位置するように形成する工程である、請求項1に記載の印画物の製造方法。
  3. 前記第1保護層形成工程後、第2保護層を形成する第2保護層形成工程を含み、
    前記第1積層体の上面と前記第2保護層の下面が接するように重ねたものを第2積層体とし、前記第2積層体の前記第2保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Cとしたときに、
    前記第2保護層形成工程が、前記光沢度A<前記光沢度Cの関係とできる第2保護層を、前記第2保護層の前記下面を前記画像形成物側に位置させ、且つ、製造される印画物の最表面に位置するように形成する工程である、請求項1又は2に記載の印画物の製造方法。
  4. 前記第1保護層形成工程後、第2保護層を形成する第2保護層形成工程を含み、
    前記準備工程で準備された前記記録媒体の前記画像層と前記第2保護層の下面が接するように重ねたものを第3積層体とし、前記第3積層体の前記第2保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Dとしたときに、
    前記第2保護層形成工程が、測定角度45°の条件で測定される光沢度を、前記光沢度A<前記光沢度Dの関係とできる第2保護層を、前記第2保護層の前記下面を前記画像形成物側に位置させ、且つ、製造される印画物の最表面に位置するように形成する工程である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の印画物の製造方法。
  5. 前記第2保護層を転写で形成する、請求項2乃至4の何れか1項に記載の印画物の製造方法。
  6. 前記第2保護層が、2以上の層が積層された積層構造を呈する、請求項2乃至5の何れか1項に記載の印画物の製造方法。
  7. 前記第1保護層を転写で形成する、請求項1乃至6の何れか1項に記載の印画物の製造方法。
  8. 前記第1保護層が、2以上の層が積層された積層構造を呈する、請求項1乃至7の何れか1項に記載の印画物の製造方法。
  9. 前記画像層が、熱転写画像を形成できる画像層である、請求項1乃至8の何れか1項に記載の印画物の製造方法。
  10. 前記支持体が、紙基材と、前記紙基材よりも前記画像層側に位置する前記金属層を含む、請求項1乃至9の何れか1項に記載の印画物の製造方法。
  11. 記録媒体と保護層転写シートの組合せであって、
    前記記録媒体が、金属層を含む支持体と、支持体上に設けられた画像層を有し、
    前記保護層転写シートが、前記記録媒体の前記画像層上に転写される第1保護層を有し、
    前記記録媒体の画像層上に前記保護層転写シートの第1保護層を転写したものを第1積層体とし、前記記録媒体の前記画像層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度A、前記第1積層体の前記第1保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Bとしたときに、
    前記光沢度A>前記光沢度Bの関係を満たす、記録媒体と保護層転写シートの組合せ。
  12. 前記保護層転写シートが、前記第1保護層と面順次に設けられた第2保護層を有し、
    前記第1積層体の第1保護層上に、前記第2保護層を転写したものを第2積層体とし、前記第2積層体の前記第2保護層側表面を測定角度45°の条件で測定したときの光沢度を光沢度Cとしたときに、
    前記光沢度B<前記光沢度Cの関係を満たす、請求項11に記載の記録媒体と保護層転写シートの組合せ。
  13. 記録媒体と保護層転写シートの組合せであって、
    前記記録媒体が、金属層を含む支持体と、支持体上に設けられた画像層を有し、
    前記保護層転写シートが、基材と、基材上に設けられる離型層と、離型層上に設けられる第1保護層を含む単層、又は積層構造の転写層とを有し、且つ、前記第1保護層は、前記離型層と接しており、
    前記離型層が、粒子を含有している、記録媒体と保護層転写シートの組合せ。
  14. 前記保護層転写シートが、前記転写層と、色材層が面順次に設けられた保護層転写シートである、請求項11乃至13の何れか1項に記載の記録媒体と保護層転写シートの組合せ。
  15. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の印画物の製造方法に用いられるプリンタであって、
    前記記録媒体の画像層に画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成物上に、前記第1保護層を形成する第1保護層形成部と、を備え、
    前記第1保護層形成部が、前記画像形成物上に形成される前記第1保護層表面の光沢度を調整できる光沢度調整手段を含む、プリンタ。
  16. 前記画像形成部と前記第1保護層形成部が共通する、請求項15に記載のプリンタ。
  17. プリンタ、記録媒体、熱転写シート、及び保護層転写シートを備えたプリントシステムであって、
    前記記録媒体、及び前記保護層転写シートとして、請求項11乃至13の何れか1項に記載の記録媒体と保護層転写シートの組合せを備える、プリントシステム。
  18. プリンタ、記録媒体、及び保護層転写シートを備えたプリントシステムであって、
    前記記録媒体、及び前記保護層転写シートとして、請求項14に記載の記録媒体と保護層転写シートの組合せを備える、プリントシステム。
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