JP2022058002A - 熱転写シート、画像形成用シート、及び焼成体の製造方法 - Google Patents

熱転写シート、画像形成用シート、及び焼成体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡便な焼成体の製造方法を提供すること、及びこの製造方法に使用できる熱転写シートや、画像形成用シートを提供すること【解決手段】 熱転写シート10は、基材1の一方の面側に、熱溶融性インキ層2、保護層3が面順次に設けられ、前記熱溶融性インキ層2が、無機顔料を含有し、前記保護層3が、ガラスフリットを含有している。画像形成用シート50は、画像形成用層40を含む単層構造、又は積層構造であり、前記画像形成用シートを構成する少なくとも1つの構成部材が、ガラスフリットを含有している。【選択図】図1

Description

本開示は、熱転写シート、画像形成用シート、及び焼成体の製造方法に関する。
被焼成体に画像を形成し、これを焼成する焼成体の製造方法において、ガラスフリットを含有する構成部材を有した媒体が使用されている。特許文献1では、ガラスフリットを含有する転写層が設けられた転写シートを使用し、この転写層にトナー画像からなる絵柄を形成し、この転写層を、ガラス製品や、ガラス層表面を有する陶磁器に転写し、焼成する絵付け方法が提案されている。特許文献2では、ガラスフリット層がコートされた水転写用シートに顔料を転写して反転した画像を作成し、この水転写用シートを水につけ転写紙の台紙から画像を分離し、分離した画像面が陶磁器、ガラス等の製品表面と対向するように貼り付け、この後、焼成する陶磁器・ガラス等の製品表面への絵付け方法が提案されている。
特開平10-129198号公報 特開2003-136899号公報
本開示は、簡便な焼成体の製造方法の提供、及びこの製造方法に使用できる熱転写シートや、画像形成用シートの提供を主たる課題とする。
本開示の熱転写シートは、基材の一方の面側に、熱溶融性インキ層、保護層が面順次に設けられ、前記熱溶融性インキ層が、無機顔料を含有し、前記保護層が、ガラスフリットを含有している。
本開示の画像形成用シートは、ガラスフリットを含有する保護層が設けられた熱転写シートと組合せて使用される画像形成用シートであって、前記画像形成用シートは、画像形成用層を含む単層構造、又は積層構造であり、前記画像形成用シートを構成する少なくとも1つの構成部材が、ガラスフリットを含有している。
本開示の焼成体の製造方法は、上記の画像形成用シートの前記画像形成用層に、無機顔料を含有する熱溶融性インキ層で画像を形成する画像形成工程と、前記画像上に、ガラスフリットを含有する保護層を転写する転写工程と、被焼成体と前記画像形成用シートを一体化させて積層体を得る一体化工程と、前記積層体を焼成する焼成工程とを含む。
本開示の焼成体の製造方法は、焼成体を簡便に製造できる。本開示の熱転写シート、及び画像形成用シートは、焼成体を簡便に製造できる。
本開示の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の画像形成用シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の画像形成用シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の画像形成用シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の画像形成用シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の画像形成用シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の画像形成用シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の画像形成用シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の画像形成用シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の画像形成用シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の焼成体の製造方法の一例を示す工程図である。 本開示の焼成体の製造方法の一例を示す工程図である。 本開示の焼成体の製造方法の一例を示す工程図である。 本開示の焼成体の製造方法の一例を示す工程図である。 本開示の焼成体の製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本開示の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。なお、本開示は多くの異なる態様で実施でき、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上又は下等という語句を用いて説明するが、上下方向が逆転してもよい。左右方向についても同様である。
<<画像形成用シート>>
本開示の実施の形態に係る画像形成用シート(以下、本開示の画像形成用シートと言う)は、画像形成用層を含む単層構造、又は積層構造である(図4~図12参照)。図4~図12は、本開示の画像形成用シート50の一例を示す概略断面図である。本開示の画像形成用シート50は、図示する形態に限定されない。各図の構成を適宜組合せてもよい。各図の構成から一部の構成を除いてもよい。各図に別の構成を追加してもよい。
本開示の画像形成用シート50は、焼成体200の製造に使用できる。
本開示の画像形成用シート50は、少なくとも画像形成用層40を有する。本開示の画像形成用シート50は、画像形成用シート50を構成する少なくとも1つの構成部材が、ガラスフリットを含有している。
ガラスフリットを含有する構成部材は、画像形成用層40でなくてもよい。本開示の画像形成用シート50が、画像形成用層40を含む複数の構成部材を有する場合、画像形成用層40以外の構成部材が、ガラスフリットを含有してもよい。
本開示の一例としての画像形成用シート50は、支持体31の一方の面側に、画像形成用層40が設けられ(図5参照)、支持体31、及び画像形成用層40の何れか一方、又は双方がガラスフリットを含有している。
本開示の一例としての画像形成用シート50は、支持体31の一方の面側に、中間層32、及び画像形成用層40がこの順番で設けられており(図6参照)、支持体31、中間層32、及び画像形成用層40の少なくとも1つがガラスフリットを含有している。
(ガラスフリット)
ガラスフリットに限定はなく、従来公知のものを適宜選択して使用できる。
一例としてのガラスフリットは、SiO、B、Bi、Al、PbO、ZnO、SnO、TiO、P等を含有している。ガラスフリットが含有している成分は1種でもよく、2種以上でもよい。
ガラスフリットの軟化点は、各種成分の構成比率等で調整できる。
上記の成分にアルカリ金属、アルカリ土類金属、及び希土類の酸化物等を付加したものも好適である。
好ましい形態のガラスフリットはPbOを含有していないか、又は、ガラスフリットの総質量に対して1質量%以下でPbOを含有している。この形態のガラスフリットは安全性が高い。
ガラスフリットの平均粒子径は、0.5μm以上50μm以下が好ましい。
本開示におけるガラスフリットの平均粒子径は、粒度分布測定装置で測定して得られる粒度分布において、累積体積が50%となるD50粒径である。粒度分布測定装置は、マイクロトラックMT3000II(日機装(株))を使用できる。
ガラスフリットは、本開示の画像形成用シート50を使用して焼成体を製造するときの焼成温度や、被焼成体の軟化点等を考慮して決定すればよい。
ガラスフリットは、本開示の画像形成用シート50を使用して焼成体を製造するときの焼成温度で溶融できればよい。
一例としてのガラスフリットの軟化点は、300℃以上950℃以下である。
本開示における軟化点は、自重で軟化変形する温度を意味する。
(支持体)
本開示の一例としての画像形成用シート50は、支持体31を有する。支持体31を有する画像形成用シート50は、画像形成用層40への画像形成をプリンタで行う場合の、プリンタの搬送性等を良好にできる。
一例としての支持体31は、紙基材、及びフィルム基材の何れか一方、又は双方を含む。フィルム基材は、樹脂基材、樹脂シート等と称される場合もある。
一例としての支持体31は、複数のフィルム基材を含む積層構造である。
一例としての支持体31は、複数の紙基材を含む積層構造である。
一例としての支持体31は、1つ、又は複数の紙基材と、1つ、又は複数のフィルム基材が積層された積層構造である。
支持体31を積層構造とする場合、各基材の間に接着層を設けてもよい。
支持体31の厚みに限定はないが、1μm以上300μm以下が好ましい。
フィルム基材としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、及びポリメチルペンテン等を例示できる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、及びポリプロピレンを例示できる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート等を例示できる。これらフィルム基材は、延伸されたものでもよく、未延伸でもよい。
一例としての支持体31は、ボイド層を含む。ボイド層としては、内部にボイドを有するフィルム基材(樹脂基材でもよい)等を例示できる。ボイド層は、ポリマー中に無機粒子を混練し、その混合物を延伸するときに無機粒子を核としてボイドを生じさせたものや、主体とする樹脂に対して非相溶なポリマーを混合し、その混合物を延伸するときにボイドを生じさせたもの等を例示できる。ポリマーは、1種でもよく、2種以上でもよい。ボイド層が有するボイドは、ミクロボイドや、空孔と称される場合もある。ボイド層は、多孔質層、多孔質フィルム等と称される場合もある。
一例としての支持体31は、1つ、又は複数のフィルム基材を含み、フィルム基材の1つ、又は複数が、ガラスフリットを含有している。
一例としての支持体31は、ガラスフリットが練りこまれたフィルムである。一例としてのフィルムは、フィルムの総質量に対しガラスフリットを10質量%以上50質量%以下で含有している。
一例としてのフィルム基材はガラスフリットを含有しており、フィルム基材の表面がガラスフリットで隆起している。
一例としてのフィルム基材はガラスフリットを含有しており、フィルム基材の表面からガラスフリットが突出している。
一例としてのフィルム基材はガラスフリットを含有しており、フィルム基材の表面がガラスフリットで隆起しておらず、且つ、フィルム基材の表面からガラスフリットが突出していない。
ガラスフリットを含有するフィルム基材の厚みは、ガラスフリットの平均粒子径より厚くてもよく、薄くてもよい。
このことは、ガラスフリットを含有する各層についても同様である。
紙基材としては、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、及びセルロース繊維紙等を例示できる。
これらの支持体31は、画像形成用シート50から支持体31を分離させずに、本開示の画像形成用シート50と被転写体150を一体化して、焼成する場合に好適に使用できる。これらフィルム基材や、紙基材の中でも、ポリオレフィンや、ポリビニルアルコールから構成されたフィルム基材や、上質紙、セルロース繊維紙を好適に使用できる。
(中間層)
本開示の一例としての画像形成用シート50は、支持体31の一方の面側に、中間層32、及び画像形成用層40がこの順番で設けられている(図6参照)。
一例としての中間層32は、単層構造、又は積層構造であり、中間層32を構成する1つ、又は複数の層がガラスフリットを含有している。中間層32が含有しているガラスフリットは1種でもよく、2種以上でもよい。
支持体31、及び画像形成用層40の何れか一方、又は双方がガラスフリットを含有する場合、中間層32は、ガラスフリットを含有しなくてもよい。
一例としての中間層32は、プライマー層32Aを含む単層構造、又は積層構造である(図7、図9参照)。
一例としてのプライマー層32Aは、接着成分を含有している。接着成分としては、ウレタン樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、シアノアクリレート、及び合成ゴム等を例示できる。ポリオレフィンとしては、α-オレフィン-無水マレイン酸共重合体等を例示できる。接着成分を硬化剤で硬化したものを用いてもよい。硬化剤としては、イソシアネート化合物、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を例示できる。
プライマー層32Aの厚みは、0.05μm以上2μm以下が好ましい。
プライマー層32Aがガラスフリットを含有する場合、プライマー層の厚みは、ガラスフリットの平均粒子径より厚くすることが好ましい。ガラスフリットを含有する一例としてのプライマー層32Aの厚みは、ガラスフリットの平均粒子径と同じであるか、又はガラスフリットの平均粒子径より薄い。
ガラスフリットを含有する一例としてのプライマー層32Aの厚みは0.5μm以上50μm以下である。
一例としてのプライマー層32Aは、ガラスフリット、及び接着成分を含有している。中間層32が含有しているガラスフリットの含有量に限定はなく、プライマー層32Aの機能を損ねない含有量とすればよい。一例としてのプライマー層32Aは、当該プライマー層32Aの総質量に対し、ガラスフリットを10質量%以上80質量%以下で含有している。接着成分の含有量は、ガラスフリットの含有量に応じて決定すればよい。一例としてのプライマー層32Aは、プライマー層32Aの総質量に対し接着成分を20質量%以上90質量%以下で含有している。
一例としてのプライマー層32Aは、ガラスフリットを含有していない。
プライマー層32Aの形成方法に限定はなく、プライマー層32Aの成分を溶媒に溶解、又は分散した塗工液を使用し、これを塗布、乾燥して形成できる。
(画像形成用層)
画像形成用層40に限定はなく、溶融型熱転写方式で溶融、軟化させた熱溶融性インキ層2を定着できればよい。
画像形成用層40としては、上記基材で説明したフィルム基材や、紙基材を使用できる。ガラス基材等を使用してもよい。
一例としての画像形成用層40は、有機成分を含有している。
一例としての画像形成用層40は、樹脂を含有している。
一例としての画像形成用層40は、無機成分を含有している。
一例としての画像形成用層40は、ガラスフリットと、有機成分、及び無機成分の何れか一方、又は双方を含有している。
一例としての画像形成用層40は、ガラスフリットが練りこまれた樹脂フィルムである。
一例としての画像形成用層40は、塗工液を塗布、乾燥して形成したものである。
画像形成用層40の成分に限定はなく、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、セルロース樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アイオノマー、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、アクリル酸共重合物、澱粉、デキストリン、にかわ、ゼラチンの動物蛋白、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、天然ゴム、合成ゴムのラテックスエマルジョン、アクリル酸エステルの共重合物、酢酸ビニルエマルジョン、及びソルビット等を例示できる。画像形成用層40の成分はこれ以外でもよい。
本開示の一例としての画像形成用シート50は、少なくとも1つの構成部材が、本開示の画像形成用シート50を使用して焼成体を製造するときの焼成温度で、熱分解、蒸発等しない成分を含有している(但し、ガラスフリットは除く)。
一例としての画像形成用層40は、本開示の画像形成用シート50を使用して焼成体を製造するときの焼成温度で、熱分解、蒸発等しない成分を含有している。一例としての画像形成用層40は、450℃で熱分解、蒸発等しない成分を含有している。上記450℃を、300℃、800℃、1000℃と読み替えてもよい。
一例としての画像形成用層40は、セラミック等を含有している。
画像形成用層40は、1種の成分を含有してもよく、2種以上の成分を含有してもよい。
好ましい形態の画像形成用シート50は、中間層32がガラスフリットを含有しており、画像形成用層40がガラスフリットを含有していない。
好ましい形態の画像形成用シート50は、中間層32、及び画像形成用層40がガラスフリットを含有しており、画像形成用層40が含有しているガラスフリットの含有量が、中間層32が含有しているガラスフリットの含有量よりも少ない。
好ましい形態の画像形成用層40は、当該画像形成用層40に画像を形成するときの、画像形成用層40と熱溶融性インキ層2の密着性を良好にできる。
上記中間層32が含有しているガラスフリットを、支持体31が含有しているガラスフリット、プライマー層32Aが含有しているガラスフリット、剥離層32Bが含有しているガラスフリット等と読み替えてもよい。
一例としての画像形成用層は、画像形成用層の総質量に対するガラスフリットの質量が10質量%以上80質量%以下である。
画像形成用層40の厚みに限定はなく、画像形成用シート50全体の厚みを考慮して決定すればよい。一例としての画像形成用層40の厚みは、0.5μm以上100μm以下である。画像形成用層がガラスフリットを含有する場合、画像形成用層の厚みをガラスフリットの平均粒子径よりも厚くすることが好ましい。ガラスフリットを含有する一例としての画像形成用層40の厚みは、ガラスフリットの平均粒子径と同じであるか、又はガラスフリットの平均粒子径より薄い。
(転写層)
本開示の一例としての画像形成用シート50は、支持体31の一方の面側に転写層35が設けられている(図8、図9参照)。
本開示の一例としての画像形成用シート50は、支持体31の一方の面側に転写層35が設けられ、転写層35の構成部材の少なくとも1つがガラスフリットを含有している。
本開示の一例としての画像形成用シート50は、支持体31の一方の面側に、画像形成用層40が設けられており、転写層35が、画像形成用層40を含む。
本開示の一例としての画像形成用シート50は、支持体31の一方の面側に、中間層32、及び画像形成用層40がこの順番で設けられ、転写層35が、中間層32、及び画像形成用層40を含む。
この形態の画像形成用シート50は、被焼成体100に、画像形成用層40を含む転写層35を転写できる。
一例としての転写層35は、支持体31から最も近くに位置する剥離層32Bを含む。
剥離層32Bは、剥離成分を含有している。剥離成分としては、シリコーンオイル、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ-アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド-アミノ樹脂等を例示できる。剥離層32Bの厚みは、0.5μm以上5μm以下が好ましい。
一例としての剥離層32Bは、ガラスフリットを含有している。この形態におけるガラスフリットの含有量に限定はなく、剥離層32Bの機能を損ねない含有量とすればよい。 一例としての剥離層32Bは、ガラスフリット、及び剥離成分を含有しており、当該剥離層32Bの総質量に対するガラスフリットの質量が10質量%以上80質量%以下であり、剥離成分の質量が20質量%以上90質量%である。
一例としての剥離層32Bは、剥離成分を含有しており、ガラスフリットを含有していない。一例としての剥離層32Bは、当該剥離層32Bの総質量に対する剥離成分の質量が1質量%以上100質量%以下である。
一例としての剥離層32Bは、剥離成分と、剥離性を有しない樹脂成分を含有している。
一例としての中間層32は、支持体31側から剥離層32B、プライマー層32Aがこの順番で積層された積層構造である。
一例としての中間層32は、支持体31側から剥離層32B、プライマー層32Aがこの順番で積層された積層構造(図9参照)であり、剥離層32B、及びプライマー層32Aの何れか一方、又は双方がガラスフリットを含有している。
本開示の一例としての画像形成用シート50は、支持体31が、転写層35と接する離型層を含む。離型層は、転写層35を転写したときに支持体31側に残る層である。離型層と剥離層を併用してもよい。
(分離部材)
本開示の一例としての画像形成用シート50は、支持体31の他方の面側に、当該支持体31から分離できる分離部材45が設けられている(図10~図12参照)。この形態の画像形成用シート50は、支持体31と分離部材45の界面が分離界面となっている。本開示の一例としての画像形成用シート50は、支持体31の他方の面側に分離部材45が設けられた分離部材付き画像形成用シートである。
分離部材45は、熱エネルギーの印加で支持体31側から分離できるものでもよく、熱エネルギーを印加せずに分離できるものでもよい。
分離部材45を有する本開示の画像形成用シート50は、当該分離部材45で画像形成用シート50の厚みを調整できる。例えば、分離部材45の厚みを調整して本開示の画像形成用シート50全体の厚みをプリンタの搬送性に適した厚みとできる。分離部材45を有する本開示の画像形成用シート50は、画像形成用層40に画像を形成するときの搬送性を良好にできる。
分離部材45を有する本開示の画像形成用シート50は、ハンドリング性を良好にできる。
一例としての分離部材45は、単層構造、又は積層構造である。
分離部材45としては、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、剥離フィルム、及び剥離紙等を例示できる。
一例としての分離部材45は、分離部基材、及び分離補助層を含む。一例としての分離補助層は、支持体31と接している。
分離部基材としては、支持体31で説明したフィルム基材や、紙基材を適宜選択して使用できる。分離部基材は単層構造でもよく、積層構造でもよい。
一例としての分離部基材は、分離補助層と接する接着層を含む。
分離補助層としては、離型層等を例示できる。
分離部基材と分離補助層の接着力が、分離補助層と支持体31の接着力よりも高くなるように、各構成部材を選択して、支持体31から分離部材45を分離できるようにしてもよい。一例としての分離補助層は、接着成分を含有している。
一例としての分離部材45は、分離部基材、及び分離補助層を含み、分離部基材が、分離補助層側から、プライマー層、ボイド層、フィルム基材、紙基材がこの順番で積層された積層構造である。分離部基材を、フィルム基材や、紙基材等を含む積層構造とする場合には、これら基材同士を、接着層等を用いて貼り合わせてもよく、ポリエチレン等を使用したECサンドラミネーションで貼り合せてもよい。
分離部材45を有する本開示の画像形成用シート50において、支持体31を、分離部材45と接する粘着層31Bを含む積層構造としてもよい(図11参照)。図11は、支持体が分離部材45側から、粘着層31B、部材31Aがこの順番で積層された積層構造である。この形態の画像形成用シート50は、分離部材45を分離することで、画像形成用シート50に粘着性を付与できる。粘着層31Bの成分としては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル、ウレタン樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂、シリコーン樹脂等を例示できる。これ以外の成分でもよい。
一例としての画像形成用シート50は、複数の分離界面を有する。
一例としての画像形成用シート50は、分離界面、及び転写界面を有する。
一例としての画像形成用シート50は、分離部材45、支持体31、転写層35を有する(図12参照)。図示する形態では、分離部材45と支持体31の間が分離界面となっており、支持体31と転写層35の間が転写界面となっている。
一例としての粘着層31Bは、事後的に粘着性が増大、又は事後的に粘着性が発現する。一例としての粘着層31Bは、加熱等で粘着性が増大する、又は加熱等で粘着性が発現する。
一例としての粘着層31Bは、吸水で粘着性が増大する、又は吸水で粘着性が発現する。
一例としての分離部材45は、吸水で支持体31から分離できる。
一例としての分離部材45は、吸水で溶解する。
吸水で粘着性が増大する、又は吸水で粘着性を発現でき、且つ吸水で溶解できる成分としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、アクリル酸共重合物、澱粉、デキストリン、にかわ、ゼラチンの動物蛋白、セルロース樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、澱粉、天然ゴム、合成ゴムのラテックスエマルジョン、アクリル酸エステルの共重合物、酢酸ビニルエマルジョン、及びソルビット等を例示できる。セルロース樹脂としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等を例示できる。これらの中でも、澱粉、デキストリン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールが好ましい。特に、冷水で容易に膨潤して粘着性を発現するアルファ化澱粉や、水に難溶性、或いは不溶性のデキストリン、ポリビニルピロリドン、及びポリビニルアルコールが好ましい。
また、粘着層31B、分離部材45は、上記成分とともに、粘着層31B、分離部材45の強度を向上させる成分を含有してもよい。このような成分としては、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等を例示できる。
なお、デキストリンのデキストリン当量(DE値)、ポリビニルピロリドンの粘性特性値(K値)、ポリビニルアルコールのケン化度や、重合度を調整することで、吸水で粘着性が増大する、又は吸水で粘着性を発現でき、一方で、吸水で溶解しない性質とできる。
一例としての粘着層31Bは、上記成分の1種、又は2種以上を含有している。
一例としての分離部材45は、上記成分の1種、又は2種以上を含有している。
分離部材45を有する本開示の画像形成用シート50は、分離部材45よりも支持体31側に位置する画像形成用シート50の少なくとも1つの構成部材がガラスフリットを含有している。一例としての画像形成用シート50は、分離部材45、支持体31、プライマー層32A、画像形成用層40がこの順番で積層された積層構造であり、支持体31、プライマー層32A、画像形成用層40の少なくとも1つがガラスフリットを含有している。
本開示の一例としての画像形成用シート50は、当該画像形成用シート50の構成部材が、450℃で熱分解、蒸発等し消滅する成分のみで構成されている(但し、ガラスフリットは除く)。
本開示の一例としての画像形成用シート50は、当該画像形成用シート50の構成部材が、450℃で熱分解、蒸発等しない成分を含む(但し、ガラスフリットは除く)。
上記450℃を、300℃、800℃、1000℃と読み替えてもよい。
<<熱転写シート>>
本開示の実施の形態に係る熱転写シート10(以下、本開示の熱転写シートと言う)は、基材1の一方の面側に、熱溶融性インキ層2、保護層3が面順次に設けられている(図1、図2参照)。
(基材)
基材1は、熱溶融性インキ層2、及び保護層3を保持する。基材1の材料としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等を例示できる。基材1としては、各種プラスチックフィルム、及び各種シート等を例示できる。基材1の厚みに限定はなく、2.5μm以上100μm以下が一般的である。基材1は、複数の構成部材が積層されたものでもよい。
(熱溶融性インキ層)
熱溶融性インキ層2は、無機顔料を含有している。
無機顔料に限定はなく、焼成時の熱で退色しない、又は焼成時の熱で発色するものを使用すればよい。
無機顔料としては、金属の硫化物、金属の酸化物、金属の複合酸化物、セラミック顔料、カーボンブラック、グラファイト、焼成によりイエローを発色する顔料、焼成によりマゼンタを発色する顔料、焼成によりシアンを発色する顔料等を例示できる。これ以外の無機顔料でもよい。
金属の硫化物、金属の酸化物、及び金属の複合酸化物の金属としては、Fe、Ti、Ni、Cr、Mn、Co、Al、Zn、及びCd等を例示できる。
金属の酸化物、及び金属の複合酸化物としては、以下のものを例示できる。
Fe,Cr,Znの酸化物・・・褐色
Zn,Co,Al,Siの酸化物・・・青色
Zn,Co,Alの酸化物・・・青色
Ti,Zn,Co,Ni,Crの酸化物・・・緑色
Ti,Ba,Ni,Pb,Sbの酸化物・・・黄色
Cd,Se,Sの酸化物・・・赤色
Fe,Cu,Mn,Cr,Coの酸化物・・・黒色
Tiの酸化物・・・白色
焼成によりイエローを発色する顔料としては、Pigment Yellow、及びPigment Brown等の名称の複合酸化物顔料を例示できる。
焼成によりマゼンタを発色する顔料としては、Pigment Red、Pigment Violet、Pigment Blue等の名称の複合酸化物顔料を例示できる。
焼成によりシアン発色する顔料としては、Pigment Blue等の名称の複合酸化物顔料を例示できる。
熱溶融性インキ層は、樹脂成分、及びワックスの何れか一方、又は双方を含有している。
樹脂成分としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン、エチルセルロース、及びポリビニルアセタール等を例示できる。
ワックスとしては、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、及び脂肪酸アミド等を例示できる。
上記で例示した成分を含有する熱溶融性インキ層2は、本開示の熱転写シート10を使用した焼成体200の製造の焼成時における、熱溶融性インキ層2が含有している無機顔料と、ガラスフリットの密着性をより良好にできる。
熱溶融性インキ層2の総質量に対する無機顔料の質量は5質量%以上80質量%以下が好ましい。
本開示の一例としての熱転写シート10は、基材1の一方の面側に、複数の熱溶融性インキ層2が面順次に設けられている(図2参照)。
本開示の一例としての熱転写シート10は、基材1の一方の面側に第1の熱溶融性インキ層2A、第2の熱溶融性インキ層2B、第3の熱溶融性インキ層2Cが面順次に設けられている(図2参照)。一例としての第1の熱溶融性インキ層2Aは、焼成によりイエローに発色する無機顔料を含有している。一例としての第2の熱溶融性インキ層2Bは、焼成によりマゼンタに発色する無機顔料を含有している。一例としての第3の熱溶融性インキ層2Cは、焼成によりシアンに発色する無機顔料を含有している。これ以外の無機顔料を含有する熱溶融性インキ層を有してもよい。第1の熱溶融性インキ層2A、第2の熱溶融性インキ層2B、第3の熱溶融性インキ層2Cの並び順は図示する形態に限定されない。
一例としての熱溶融性インキ層2は、ガラスフリットを含有していない。
一例としての熱溶融性インキ層2は、ガラスフリットを含有しており、熱溶融性インキ層の総質量に対するガラスフリットの含有量が60質量%以下である。好ましくは、40質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。この形態の熱溶融性インキ層2は、熱溶融性インキ層中の無機顔料の含有量を多くでき、濃度の高い画像を形成できる。この形態の熱溶融性インキ層2は、本開示の画像形成用シート50の画像形成用層40に画像を形成するときの、画像形成用層40と熱溶融性インキ層2との密着性が良好である。
本開示の一例としての熱転写シート10は、熱溶融性インキ層2、及び保護層3と面順次に設けられた金属層を有する。金属層としては、金、銀を含有する層等を例示できる。これら金属層は、塗工液を塗布、乾燥して形成したものでもよく、蒸着層でもよい。これら金属層を、パール顔料や、メタリック顔料を含有層層としてもよい。
(保護層)
保護層3は、ガラスフリットと、樹脂成分、及びワックス成分の何れか一方、又は双方を含有している。
保護層3が含有しているガラスフリットは、1種でもよく、2種以上でもよい。樹脂成分、及びワックス成分についても同様である。
保護層3の総質量に対するガラスフリットの質量は、5質量%以上80%質量%以下が好ましい。
保護層3の総質量に対する樹脂成分の質量は、20質量%以上95%質量%以下が好ましい。
保護層3の厚みは、2μm以上50μm以下が好ましい。
ガラスフリットとしては、本開示の画像形成用シート50で説明したガラスフリットを適宜選択して使用できる。
樹脂成分としては、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、塩化ビニル、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリルウレタン、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂等を例示できる。本開示の画像形成用シート50の熱溶融性インキ層で説明した成分を適宜選択して使用してもよい。
上記で例示した成分を含有する保護層3は、本開示の熱転写シート10を使用した焼成体200の製造の焼成時における、熱溶融性インキ層2が含有している無機顔料と、ガラスフリットの密着性をより良好にできる。
基材1と保護層3の間に、剥離層を設けてもよい。剥離層は、保護層3とともに転写される層である。基材1と保護層3の間に、離型層を設けてもよい。離型層は、保護層3を転写したときに、基材1側に残る層である。
同様に、基材1と熱溶融性インキ層2の間に、剥離層や、離型層を設けてもよい。
基材1の保護層3とは反対側の面に、耐熱滑性層を設けてもよい。
<<他の実施形態の熱転写シート>>
本開示の他の実施の形態に係る熱転写シート(以下、本開示の他の熱転写シートと言う)は、第1の熱転写シート10A(図3A参照)と、第2の熱転写シート10B(図3B参照)の組合せである。第1の熱転写シート10Aは、基材1の一方の面側に、熱溶融性インキ層2が設けられている。第2の熱転写シート10Bは、基材1の一方の面側に、保護層3が設けられている。
本開示の熱転写シート10が、熱溶融性インキ層2、及び保護層3が面順次に設けられたものであるのに対し、本開示の他の熱転写シートは、熱溶融性インキ層2、及び保護層3を分離した点で相違する。この相違点以外は、本開示の熱転写シート10と共通する。
本開示の一例としての熱転写シート10は、当該熱転写シート10の構成部材が、450℃で熱分解、蒸発等し消滅する成分のみで構成されている(但し、無機顔料、ガラスフリットは除く)。
本開示の一例としての熱転写シート10は、当該熱転写シート10の構成部材が、450℃で熱分解、蒸発等しない成分を含む(但し、無機顔料、ガラスフリットは除く)。
上記450℃を、300℃、800℃、1000℃と読み替えてもよい。
と読み替えてもよい。
<<熱転写シートと画像形成用シートの組合せ>>
本開示の熱転写シートと画像形成用シートの組合せ(以下、本開示の組合せという)は、本開示の熱転写シート10と、本開示の画像形成用シート50の組合せである。
本開示の組合せは、被焼成体と熱転写画像との密着性、及び熱転写画像の耐久性が高い焼成体200を簡便に製造できる。
本開示の熱転写シート10が含有しているガラスフリットの質量と、本開示の画像形成用シート50が含有しているガラスフリットの質量の合計質量は、本開示の熱転写シート10の熱溶融性インキ層2が含有している無機顔料の総質量の1倍以上が好ましく、10倍以上がより好ましい。
本開示の熱転写シート10が含有しているガラスフリットの質量は、本開示の熱転写シート10の熱溶融性インキ層2が含有している無機顔料の総質量の0.5倍以上が好ましく、5倍以上がより好ましい。
本開示の画像形成用シート50が含有しているガラスフリットの質量は、本開示の熱転写シート10の熱溶融性インキ層2が含有している無機顔料の総質量の0.5倍以上が好ましく、5倍以上がより好ましい。
<<焼成体の製造方法>>
本開示の実施の形態に係る焼成体の製造方法(以下、本開示の製造方法と言う)は、画像形成工程、転写工程、一体化工程、焼成工程を含む。
本開示の製造方法は、本開示の画像形成用シート50と、本開示の熱転写シート10を使用する。本開示の熱転写シート10にかえて、本開示の他の熱転写シート(第1の熱転写シート10Aと第2の熱転写シート10B)を使用してもよい。
本開示の熱転写シート10は、画像形成工程、及び転写工程を1つの熱転写シートで行うことができ、焼成体200をより簡便に製造できる。
図13~図17は、本開示の製造方法の一例を示す工程図である。本開示の製造方法は図示する形態に限定されない。各図に示す熱転写シート10や、画像形成用シート50は、本開示の熱転写シートや、画像形成用シート50の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更できる。各図に示す熱転写シート10や、画像形成用シート50に他の構成を付加してもよい。各図に示す熱転写シート10や、画像形成用シート50から一部の構成を除いてもよい。任意の工程を追加してもよい。
<画像形成工程>
画像形成工程は、本開示の熱転写シート10の熱溶融性インキ層2と、本開示の画像形成用シート50の画像形成用層40を重ね(図13A参照)、溶融型熱転写方式で、画像形成用シート50の画像形成用層40に画像60を形成する工程である(図13B参照)。溶融型熱転写方式は、熱転写シート10に画像情報に応じた熱エネルギーを印加し、溶融、又は軟化した熱溶融性インキ層2を、画像形成用層40に転写する画像形成方式である。
画像形成用シート50として、支持体31の他方の面側に分離部材45が設けられた分離部材付き画像形成用シート50を使用する場合、分離部材45を分離する分離工程は、画像形成工程の前でもよく、後でもよい。
<転写工程>
転写工程は、本開示の熱転写シート10の保護層3と、本開示の画像形成用シート50の画像形成用層40を重ね(図示しない)、画像60が形成された画像形成用層40に、保護層3を転写する工程である(図13C参照)。保護層3の転写方法に限定はなく、ヒートロール方式、ホットスタンプ方式、及びサーマルヘッド方式等を例示できる。
<一体化工程>
一体化工程は、被焼成体100と、画像形成用シート50を一体化させて積層体150を得る工程である(図13D参照)。
以下、一体化工程について一例をあげて説明する。
被焼成体100と一体化させる画像形成用シート50の向きに限定はなく、画像形成用層40の画像60が形成される側の面を上面、その反対側を下面としたときに、画像形成用シート50の上面側で被焼成体100と一体化させてもよく、画像形成用シート50の下面側で被焼成体100と一体化させてもよい。
画像形成用シート50の上面側で被焼成体100と一体化させる形態は、焼成工程時に、被焼成体100に画像60が含有している無機顔料を十分に定着できる。
本開示の製造方法に使用できる被焼成体100に限定はなく、焼成時の温度に対する耐久性を有すればよい。被焼成体100としては、セラミックス、ガラス、金属等を例示できる。セラミックスとしては、陶磁器、琺瑯、タイル等を例示できる。
被焼成体100の形状に限定はなく、その全体、又は一部が、曲率や、凹凸構造等を有してもよい。
(画像形成用シートの下面側で一体化する形態の例)
一例としての一体化工程は、画像形成用シート50の下面側で、被焼成体100と画像形成用シート50を一体化させる(図13D参照)。
図13に示す工程図では、画像形成用シート50の支持体31側で被焼成体100と一体化させている。
この形態は、画像形成工程において、画像形成用シート50に反転画像を形成する必要がなく、所望の画像60を有する焼成体を簡便に製造できる。
被焼成体100と画像形成用シート50の支持体31が接するように一体化を行う場合、支持体31がガラスフリットを含有する画像形成用シート50を使用することが好ましい。
(接着層を使用した一体化)
一例としての一体化工程は、被焼成体100、及び画像形成用シート50の下面の何れか一方、又は双方に接着層を設け、この接着層で被焼成体100と画像形成用シート50を一体化させる。
画像形成用シート50と接する面が接着性を有する被焼成体100を使用してもよい。この場合、接着層の貼合を要しない。
被焼成体100と画像形成用シート50を一体化させるための接着層は、接着成分を含有している。接着性成分としては、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリイミド、及び合成ゴム、澱粉、デキストリン、にかわ、ゼラチンの動物蛋白やポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、天然ゴム、合成ゴムのラテックスエマルジョン、アクリル酸エステルの共重合物、酢酸ビニルエマルジョン等を例示できる。また、接着層が含有する接着成分は、1種でもよく、2種以上でもよい。接着層は、接着フィルムでもよく、接着シートでもよい。接着層の厚みは、1μm以上1000μm以下が好ましい。
接着層は、単層構造でもよく、接着性を有する層を積層した積層構造でもよい。一例としての接着層は、接着性を有しない部材の両面に接着性を有する層が設けられた積層構造である。一例としての接着層は、フィルム等の両面に接着性を有する層を設けた積層構造である。一例としての接着層は、接着成分を含有する塗工液を塗布、乾燥して形成したものである。市販の糊(ヤマト糊 ヤマト(株)、アラビックヤマト ヤマト(株)等)の塗布で接着層を形成してもよい。接着層を転写できる接着層転写シートを使用し、接着層を転写で形成してもよい。
(支持体の粘着層を使用した一体化)
一例としての一体化工程は、本開示の画像形成用シート50として、支持体31の画像形成用層40とは反対側に粘着層31Bが設けられたものを使用し、画像形成用シート50の粘着層31Bで被焼成体100と画像形成用シート50を一体化させている(図16E参照)。図16に示す工程図では、分離部材45を有する画像形成用シート50を使用している(図16A参照)。
本開示の画像形成用シート50が、支持体31の他方の面側に分離部材45が設けられ、支持体31が、分離部材45と接する粘着層31Bを有する場合、一体化工程の前に、分離部材45を分離する分離工程を行えばよい。図16に示す工程図では、転写工程(図16C参照)より後に分離部材45を分離している(図16D参照)。転写工程より前に分離部材45を分離してもよい。分離部材45の分離は、画像形成工程(図16B参照)より後が好ましい。
画像形成用シート50の支持体31側で、被焼成体100と画像形成用シート50を一体化させる場合、一体化工程より後に、転写工程を行ってもよい。この場合、転写工程は、焼成工程よりも前に行う。図15に示す工程図は、図13に示す工程図における図13Cと、図13Dを入れ替えた形態を示している。
(画像形成用シートの上面側で一体化する形態の例)
一例としての一体化工程は、画像形成用シート50の上面側で被焼成体100と画像形成用シート50を一体化させる。
図14に示す工程図では、画像形成用シート50の保護層3側で、被焼成体100と画像形成用シート50を一体化させている。図14に示す工程図は、図13における一体化工程の向きを反転させたものである。
この形態では、画像形成工程において、画像形成用シート50に反転画像を形成すればよい。
この形態では、一体化工程より前に転写工程を行う。
(接着層を使用した一体化)
一例としての一体化工程は、被焼成体100、及び画像形成用シート50の上面の何れか一方、又は双方に接着層を設け、この接着層で被焼成体100と画像形成用シート50を一体化させる。
画像形成用シート50と接する面が接着性を有する被焼成体100を使用してもよい。この場合、接着層を設けることを要しない。
(転写層を転写する一体化)
一例としての一体化工程は、画像形成用層40を含む転写層35を有した画像形成用シート50を使用する(図17A参照)。図17に示す工程図では、画像形成工程(図17B参照)、及び転写工程(図17C)の後に、画像形成用シート50の転写層35を被焼成体100に転写して、被焼成体100と転写層35が一体化された積層体150を得ている(図17D参照)。転写層の構成部材の少なくとも1つは、ガラスフリットを含有している。転写層35を有する画像形成用シート50は、支持体31側に分離部材45が設けられてもよい。この形態では、転写層35を転写するより前に、分離部材の分離、及び保護層の転写を行えばよい。
一体化工程で得られる積層体150は、保護層が含有しているガラスフリット、及び画像形成用シートの構成部材が含有しているガラスフリットを含む。
このような積層体150において、被焼成体100に近い側のガラスフリットの含有量を、被焼成体から遠い側のガラスフリットの含有量より少なくしてもよい。
例えば、画像形成用シート50の下面側で被焼成体100と一体化させる場合、画像形成用シート50の構成部材が含有しているガラスフリットの含有量<保護層3が含有しているガラスフリットの含有量の関係を満たすことができる、画像形成用シート50、及び熱転写シート10を使用することが好ましい。
画像形成用シート50の保護層3側で被焼成体100と一体化させる場合、保護層3が含有しているガラスフリットの含有量<画像形成用シート50の構成部材が含有しているガラスフリットの含有量の関係を満たすことができる、画像形成用シート50、及び熱転写シート10を使用することが好ましい。
<焼成工程>
焼成工程は、被焼成体100と画像形成用シート50の積層体150、又は被焼成体100と画像形成用シート50の転写層35の積層体150を焼成する工程である(図13E参照)。焼成工程により、焼成体200を製造できる。焼成工程では、ガラスフリットを溶融できる。本開示の製造方法では、溶融したガラスフリットで、被焼成体100に画像形成用層40の画像を定着できる。溶融したガラスフリットは、被焼成体100に画像形成用層40の画像を定着させる接着層として機能する。溶融したガラスフリットは、画像形成用層40の画像を保護する保護層として機能する。
被焼成体100と画像形成用シート50が一体化した積層体150において、画像形成用層40の画像は、本開示の熱転写シート10の保護層3、及びガラスフリットを含有する本開示の画像形成用シート50の構成部材で挟まれている。
一例としての積層体150は、被焼成体100、支持体31、ガラスフリットを含有する中間層32、画像が形成された画像形成用層40、ガラスフリットを含有する保護層3がこの順番で積層された積層構造である。
一例としての積層体150は、被焼成体100、ガラスフリットを含有する保護層3、画像が形成された画像形成用層40、ガラスフリットを含有する中間層32、支持体31がこの順番で積層された積層構造である。
一例としての積層体150は、被焼成体100、ガラスフリットを含有する保護層3、画像60が形成された画像形成用層40、ガラスフリットを含有する中間層32がこの順番で積層された積層構造である。
本開示の製造方法では、画像60が形成された画像形成用層40が、ガラスフリットを含有する構成部材で挟み込まれた積層体150を焼成している。この積層体150を焼成することで、本開示の熱転写シート10の保護層3が含有しているガラスフリットと、本開示の画像形成用シート50の構成部材が含有しているガラスフリットが溶融混和した、溶融混和層70とできる。
本開示の製造方法は、溶融混和層70で、画像形成用層40に形成された画像60を被焼成体100に定着でき、且つ、溶融混和層70で画像60を保護できる。
焼成温度は、ガラスフリットの軟化点よりも高い温度とすればよい。
一例としての焼成温度は、ガラスフリットの軟化点に50℃を加算した温度より高い。
積層体150が複数のガラスフリットを含有している場合、全てのガラスフリットを溶融できる温度で焼成すればよい。
焼成温度にもよるが、焼成工程において、積層体150の有機成分は、熱分解、蒸発等し消滅する。少なくとも、画像60の無機顔料、及び被焼成体100は消滅しない。ガラスフリットは、焼成により溶融し、溶融混和層となる。
本開示の一実施形態の熱転写シートは、基材の一方の面側に、熱溶融性インキ層、保護層が面順次に設けられ、前記熱溶融性インキ層が、無機顔料を含有し、前記保護層が、ガラスフリットを含有している。
本開示の一実施形態の熱転写シートは、下記(1)~(3)の1つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
(1)前記熱溶融性インキ層を複数含み、前記熱溶融性インキ層の複数が面順次に設けられている。
(2)前記無機顔料が、イエロー、マゼンタ、又はシアンを発色できる無機顔料である。
(3)前記熱溶融性インキ層が、前記ガラスフリットを含有していないか、又は、前記熱溶融性インキ層の総質量に対する前記ガラスフリットの含有量が60質量%以下である。
本開示の一実施形態の画像形成用シートは、ガラスフリットを含有する保護層が設けられた熱転写シートと組合せて使用される画像形成用シートであって、前記画像形成用シートは、画像形成用層を含む単層構造、又は積層構造であり、前記画像形成用シートを構成する少なくとも1つの構成部材が、ガラスフリットを含有している。
本開示の一実施形態の画像形成用シートは、下記(4)~(11)の1つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
(4)支持体の一方の面側に、前記画像形成用層が設けられている。
(5)支持体の一方の面側に、中間層、及び前記画像形成用層がこの順番で設けられている。
(6)前記中間層が、プライマー層を含む、単層構造、又は積層構造であり、前記プライマー層が、前記ガラスフリットを含有している。
(7)前記支持体の他方の面側に、前記支持体から分離できる分離部材が設けられ、前記分離部材よりも前記支持体側に位置する前記画像形成用シートの少なくとも1つの構成部材が前記ガラスフリットを含有している。
(8)前記支持体が、前記分離部材から最も近くに位置する粘着層を含む。
(9)前記支持体の一方の面側に、転写層が設けられ、前記転写層が、前記画像形成用層を含み、前記転写層の構成部材の少なくとも1つが前記ガラスフリットを含有している。
(10)前記転写層が、前記支持体から最も近くに位置する剥離層を含む。
(11)前記剥離層が、前記ガラスフリットを含有している。
本開示の焼成体の製造方法は、上記の画像形成用シートの前記画像形成用層に、無機顔料を含有する熱溶融性インキ層で画像を形成する画像形成工程と、前記画像上に、ガラスフリットを含有する保護層を転写する転写工程と、被焼成体と前記画像形成用シートを一体化させて積層体を得る一体化工程と、前記積層体を焼成する焼成工程とを含む。
本開示の一実施形態の焼結体の製造方法は、下記(12)~(17)の1つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
(12)上記の画像形成用シートを使用し、前記分離部材を分離する分離工程を含む。
(13)前記画像形成工程において、前記画像が形成される側の面を上面、その反対側を下面としたときに、前記一体化工程において、前記上面側で前記画像形成用シートと前記被焼成体を一体化させる。
(14)前記画像形成工程において、前記画像が形成される側の面を上面、その反対側を下面としたときに、前記一体化工程において、前記下面側で前記画像形成用シートと前記被焼成体を一体化させる。
(15)上記の画像形成用シートを使用し、前記一体化工程より前に、前記分離部材を分離する分離工程を含み、前記一体化工程において、前記粘着層で、前記画像形成用シートと前記被焼成体を一体化させる。
(16)上記の画像形成用シートの前記画像形成用層に、画像を形成する画像形成工程と、前記画像上に、ガラスフリットを含有する保護層を転写する転写工程と、被焼成体に前記転写層を転写して、前記被焼成体と前記転写層の積層体を得る一体化工程と、前記積層体を焼成する焼成工程とを含む。
(17)前記画像形成工程、及び前記転写工程を、上記の熱転写シートを使用して行う。
次に実施例、及び比較例を挙げて本開示のシール型熱転写受像シートを説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準であり、固形分に換算する前の値である。
(熱転写シート1の作成)
基材として、厚みが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(5AF56 東レ(株))を使用し、基材の一方の面に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を塗布、乾燥して厚みが1μmの耐熱滑性層を形成した。
基材の他方の面に、下記組成の熱溶融性インキ層用塗工液1(イエロー)、熱溶融性インキ層用塗工液1(マゼンタ)、熱溶融性インキ層用塗工液1(シアン)、及び保護層用塗工液1を、塗布、乾燥し、イエロー熱溶融性インキ層、マゼンタ熱溶融性インキ層、シアン熱溶融性インキ層、及び保護層を面順次に形成し熱転写シート1を得た。イエロー熱溶融性インキ層、マゼンタ熱溶融性インキ層、及びシアン熱溶融性インキ層の厚みは5μmであり、保護層の厚みは20μmである。
<耐熱滑性層用塗工液>
・ポリビニルブチラール 3.6部
(エスレック(登録商標)BX-1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 8.4部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 2.8部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.6部
(ミクロエース(登録商標)P-3 日本タルク工業(株))
・メチルエチルケトン 42.3部
・トルエン 42.3部
<熱溶融性インキ層用塗工液1(イエロー)>
・イエロー無機顔料 50部
(C.I.Pigment Brown 24 TOMATEC(株))
・ポリエステル 7.5部
(バイロン(登録商標)220 東洋紡(株))
・アクリル樹脂 12.5部
(ダイヤナール(登録商標)BR-83 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 15部
<熱溶融性インキ層用塗工液1(マゼンタ)>
・マゼンタ無機顔料 50部
(C.I.Pigment Red 233 TOMATEC(株))
・ポリエステル 7.5部
(バイロン(登録商標)220 東洋紡(株))
・アクリル樹脂 12.5部
(ダイヤナール(登録商標)BR-83 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 15部
<熱溶融性インキ層用塗工液1(シアン)>
・シアン無機顔料 50部
(C.I.Pigment Blue 28 TOMATEC(株))
・ポリエステル 7.5部
(バイロン(登録商標)220 東洋紡(株))
・アクリル樹脂 12.5部
(ダイヤナール(登録商標)BR-83 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 15部
<保護層用塗工液1>
・ガラスフリット 50部
(12-3737M TOMATEC(株))
・ポリエステル 7.5部
(バイロン(登録商標)220 東洋紡(株))
・アクリル樹脂 12.5部
(ダイヤナール(登録商標)BR-83 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 15部
(熱転写シート2の作成)
熱溶融性インキ層用塗工液1(イエロー)、熱溶融性インキ層用塗工液1(マゼンタ)、熱溶融性インキ層用塗工液1(シアン)、及び保護層用塗工液1を、下記組成の熱溶融性インキ層用塗工液2(イエロー)、熱溶融性インキ層用塗工液2(マゼンタ)、熱溶融性インキ層用塗工液2(シアン)、及び保護層用塗工液2に変更して、イエロー熱溶融性インキ層、マゼンタ熱溶融性インキ層、シアン熱溶融性インキ層、及び保護層を面順次に形成した以外は、全て実施例1と同様の方法で、熱転写シート2を作成した。
イエロー熱溶融性インキ層、マゼンタ熱溶融性インキ層、及びシアン熱溶融性インキ層の厚みは8.75μmであり、保護層の厚みは20μmである。
<熱溶融性インキ層用塗工液2(イエロー)>
・イエロー無機顔料 35部
(C.I.Pigment Brown 24 TOMATEC(株))
・ビスマス、ホウケイ酸系ガラスフリット(軟化点:約405℃) 15部
(ASF-1096 AGC(株))
・ポリエステル 7.5部
(バイロン(登録商標)220 東洋紡(株))
・アクリル樹脂 12.5部
(ダイヤナール(登録商標)BR-83 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 15部
<熱溶融性インキ層用塗工液2(マゼンタ)>
・マゼンタ無機顔料 35部
(C.I.Pigment Red 233 TOMATEC(株))
・ビスマス、ホウケイ酸系ガラスフリット(軟化点:約405℃) 15部
(ASF-1096 AGC(株))
・ポリエステル 7.5部
(バイロン(登録商標)220 東洋紡(株))
・アクリル樹脂 12.5部
(ダイヤナール(登録商標)BR-83 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 15部
<熱溶融性インキ層用塗工液2(シアン)>
・シアン無機顔料 35部
(C.I.Pigment Blue 28 TOMATEC(株))
・ビスマス、ホウケイ酸系ガラスフリット(軟化点:約405℃) 15部
(ASF-1096 AGC(株))
・ポリエステル 7.5部
(バイロン(登録商標)220 東洋紡(株))
・アクリル樹脂 12.5部
(ダイヤナール(登録商標)BR-83 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 15部
<保護層用塗工液2>
・ビスマス、ホウケイ酸系ガラスフリット(軟化点:約405℃) 50部
(ASF-1096 AGC(株))
・ポリエステル 7.5部
(バイロン(登録商標)220 東洋紡(株))
・アクリル樹脂 12.5部
(ダイヤナール(登録商標)BR-83 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 15部
(画像形成用シート1の作成)
支持体として、ホワイト原紙(非コート紙、厚さ150μm(三菱製紙(株))を使用し、支持体の一方の面に、下記組成の粘着層用塗工液1を塗布、乾燥して厚みが4μmの粘着層を形成した。粘着層上に、下記組成の画像形成用層用塗工液1を塗布、乾燥して厚みが26μmの画像形成用層を形成し、画像形成用シート1を得た。
<粘着層用塗工液1>
・ポリビニルアルコール 4部
(PVA-217 クラレ(株))
・デキストリン 1部
(ハイコースターPC-11 三和澱粉工業(株)
・水 95部
<画像形成用層用塗工液1>
・ポリエステル 16部
(エリーテル(登録商標)UE-3380 ユニチカ(株))
・ガラスフリット 19部
(12-3737M TOMATEC(株))
・メチルエチルケトン 32.5部
・トルエン 32.5部
(画像形成用シート2の作成)
支持体Aとして、厚みが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(E5001 東レ(株))を使用し、支持体Aの一方の面に下記組成の離型層用塗工液を、塗布、乾燥して厚みが0.25μmの離型層を形成した。
支持体Aの他方の面に、下記組成の剥離層用塗工液を塗布、乾燥して厚みが0.5μmの剥離層を形成した。剥離層上に、下記組成の画像形成用層用塗工液2を塗布、乾燥して厚みが20μmの画像形成用層を形成し、離型層、支持体A、剥離層、画像形成用層をこの順番で積層した積層体1を得た。
支持体Bとして、厚みが100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(S100#100 三菱ケミカル(株))を使用し、支持体Bの一方の面に下記組成の分離補助層用塗工液を乾燥後の厚みが1μmとなるように塗布して分離補助層の塗膜を形成した。分離補助層の塗膜に上記積層体1を重ねた後に、分離補助層の塗膜を乾燥して、支持体B(100μm)、分離補助層、離型層、支持体A(25μm)、剥離層、画像形成用層をこの順で積層した画像形成用シート2を得た。
<離型層用塗工液>
・付加重合剤シリコーン 100部
(KS847H 信越化学工業(株))
・トルエン 200部
<剥離層用塗工液>
・アクリル樹脂 10部
(ダイヤナール(登録商標)BR-87 三菱ケミカル(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
<画像形成用層用塗工液2>
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 10部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル樹脂 10部
(ダイヤナール(登録商標)BR-87 三菱ケミカル(株))
・ビスマス、ホウケイ酸系ガラスフリット(軟化点:約405℃) 22部
(ASF-1096 AGC(株))
・メチルエチルケトン 29部
・トルエン 29部
<分離補助層用塗工液>
・ポリビニルアセタール 5部
(エスレック(登録商標)KS-5 積水化学工業(株))
・メチルエチルケトン 42.5部
・トルエン 42.5部
(接着層転写シートの作成)
基材として、厚みが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(5AF56 東レ(株))を使用し、基材の一方の面に、上記組成の耐熱滑性層用塗工液を塗布、乾燥して厚みが1μmの耐熱滑性層を形成した。
基材の他方の面に、下記組成の接着層用塗工液を塗布、乾燥して厚みが1.5μmの接着層を形成し、接着層転写シートを得た。
<接着層用塗工液>
・ポリエステル 30部
(エリーテル(登録商標)UE-3380 ユニチカ(株))
・メチルエチルケトン 35部
・トルエン 35部
(実施例1)
上記で作成した熱転写シート1、画像形成用シート1、及び評価プリンタ(ライン周期中に、1ライン周期を256等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255まで可変できるマルチパルス方式のプリンタ)を使用し、下記条件1にて、画像形成用シート1の画像形成用層に、熱転写シート1のイエロー熱溶融性インキ層、マゼンタ熱溶融性インキ層、シアン熱溶融性インキ層を転写して熱転写画像を形成した。
次いで、下記条件1にて、熱転写画像上に、熱転写シート1の保護層を転写し、実施例1の印画物を得た。
実施例1の印画物を水に浸し、印画物から画像形成用シート1の支持体を分離した。支持体を分離後の印画物は、粘着層、熱転写画像が形成された画像形成用層、保護層がこの順番で積層された積層体である。
被焼成体として、内壁用タイル(LIXIL(株))を使用し、被焼成体に印画物の粘着層を重ね、被焼成体と印画物を一体化させた一体化物を得た。
一体化物を、10℃/minの条件で820℃まで昇温し、820℃で30min焼成し、実施例1の焼成体を得た。
<条件1>
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子(株))
・発熱体平均抵抗値:5176(Ω)
・主走査方向印字密度:300(dpi.)
・副走査方向印字密度:300(dpi.)
・印画電圧:25.5V(保護層は20V)
・1ライン周期:2(msec.)
・パルスDuty:85%
(実施例2)
上記で作成した熱転写シート2、画像形成用シート2、及び上記評価プリンタを使用し、上記条件1にて、画像形成用シート2の画像形成用層に、熱転写シート2のイエロー熱溶融性インキ層、マゼンタ熱溶融性インキ層、シアン熱溶融性インキ層を転写して熱転写画像を形成した。
次いで、上記条件1にて、熱転写画像上に、熱転写シート2の保護層を転写した。
次いで、上記で作成した接着層転写シートを使用し、保護層上に接着層を転写し、実施例2の印画物を得た。
実施例2の印画物から画像形成用シート2の支持体B(100μm)、及び分離補助層を剥離した。剥離後の印画物は、離型層、支持体A(25μm)、剥離層、熱転写画像が形成された画像形成用層、保護層、及び接着層の積層体である。
被焼成体として、厚みが2mmの耐熱ガラス板を使用し、被焼成体に印画物の接着層を重ね、MSパウチ(THS330 (株)明光商会)を使用して140℃(速度メモリ2)で、支持体A(25μm)と剥離層の界面で剥離し、耐熱ガラス板、接着層、保護層、熱転写画像が形成された画像形成用層、剥離層をこの順番で積層した一体化物を得た。
一体化物を、10℃/minの条件で400℃まで昇温し、400℃で15min焼成し、実施例2の焼成体を得た。
(定着性評価)
各実施例の焼成体の画像側表面に、12mm幅のメンディングテープ(スリーエムジャパン(株))を貼り、180°で剥離したときの画像の状態を確認し、下記評価基準で画像定着性評価を行った。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
A・・・画像が剥がれない
B・・・画像の一部が剥がれる
NG・・・画像が全部剥がれる
(耐久性評価)
各実施例の焼成体の画像側表面を、たわし(パームたわし (株)オーエ)で10往復こすった後の表面状態を目視で確認し、下記評価基準で耐久性評価を行った。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
A・・・画像が欠けない
B・・・画像の一部が欠ける
NG・・・画像の全体が欠ける
(画質評価)
各実施例の焼成体を目視で確認し、下記評価基準で画質評価を行った。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
A・・・画像に灰が付着しておらず、且つ泡の発生がない
B・・・画像の一部に細かい灰が付着、又は細かい泡が発生
NG・・・画像の全体が灰、泡で覆われている
Figure 2022058002000002
1・・・基材
2、2A、2B、2C・・・熱溶融性インキ層
3・・・保護層
10・・・熱転写シート
10A・・・第1の熱転写シート
10B・・・第2の熱転写シート
31・・・支持体
31B・・・粘着層
32・・・中間層
32A・・・プライマー層
32B・・・剥離層
35・・・転写層
40・・・画像形成用層
45・・・分離部材
50・・・画像形成用シート
60・・・画像
70・・・溶融混和層
100・・・被焼成体
150・・・積層体
200・・・焼成体

Claims (20)

  1. 基材の一方の面側に、熱溶融性インキ層、保護層が面順次に設けられ、
    前記熱溶融性インキ層が、無機顔料を含有し、
    前記保護層が、ガラスフリットを含有している、熱転写シート。
  2. 前記熱溶融性インキ層を複数含み、
    前記熱溶融性インキ層の複数が面順次に設けられた、請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記無機顔料が、イエロー、マゼンタ、又はシアンを発色できる無機顔料である、請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記熱溶融性インキ層が、
    前記ガラスフリットを含有していないか、又は、
    前記熱溶融性インキ層の総質量に対する前記ガラスフリットの含有量が60質量%以下である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱転写シート。
  5. ガラスフリットを含有する保護層が設けられた熱転写シートと組合せて使用される画像形成用シートであって、
    前記画像形成用シートは、画像形成用層を含む単層構造、又は積層構造であり、
    前記画像形成用シートを構成する少なくとも1つの構成部材が、ガラスフリットを含有している、画像形成用シート。
  6. 支持体の一方の面側に、前記画像形成用層が設けられた、請求項5に記載の画像形成用シート。
  7. 支持体の一方の面側に、中間層、及び前記画像形成用層がこの順番で設けられた、請求項5に記載の画像形成用シート。
  8. 前記中間層が、プライマー層を含む、単層構造、又は積層構造であり、
    前記プライマー層が、前記ガラスフリットを含有している、請求項7に記載の画像形成用シート。
  9. 前記支持体の他方の面側に、前記支持体から分離できる分離部材が設けられ、
    前記分離部材よりも前記支持体側に位置する前記画像形成用シートの少なくとも1つの構成部材が前記ガラスフリットを含有している、請求項6乃至8の何れか1項に記載の画像形成用シート。
  10. 前記支持体が、前記分離部材から最も近くに位置する粘着層を含む、請求項9に記載の画像形成用シート。
  11. 前記支持体の一方の面側に、転写層が設けられ、
    前記転写層が、前記画像形成用層を含み、
    前記転写層の構成部材の少なくとも1つが前記ガラスフリットを含有している、請求項6乃至9の何れか1項に記載の画像形成用シート。
  12. 前記転写層が、前記支持体から最も近くに位置する剥離層を含む、請求項11に記載の画像形成用シート。
  13. 前記剥離層が、前記ガラスフリットを含有している、請求項12に記載の画像形成用シート。
  14. 焼成体の製造方法であって、
    請求項5乃至10の何れか1項に記載の画像形成用シートの前記画像形成用層に、無機顔料を含有する熱溶融性インキ層で画像を形成する画像形成工程と、
    前記画像上に、ガラスフリットを含有する保護層を転写する転写工程と、
    被焼成体と前記画像形成用シートを一体化させて積層体を得る一体化工程と、
    前記積層体を焼成する焼成工程と、
    を含む、焼成体の製造方法。
  15. 請求項9に記載の画像形成用シートを使用し、
    前記分離部材を分離する分離工程を含む、請求項14に記載の焼成体の製造方法。
  16. 前記画像形成工程において、前記画像が形成される側の面を上面、その反対側を下面としたときに、
    前記一体化工程において、前記上面側で前記画像形成用シートと前記被焼成体を一体化させる、請求項14又は15に記載の焼成体の製造方法。
  17. 前記画像形成工程において、前記画像が形成される側の面を上面、その反対側を下面としたときに、
    前記一体化工程において、前記下面側で前記画像形成用シートと前記被焼成体を一体化させる、請求項14又は15に記載の焼成体の製造方法。
  18. 請求項10に記載の画像形成用シートを使用し、
    前記一体化工程より前に、前記分離部材を分離する分離工程を含み、
    前記一体化工程において、前記粘着層で、前記画像形成用シートと前記被焼成体を一体化させる、請求項14に記載の焼成体の製造方法。
  19. 焼成体の製造方法であって、
    請求項11乃至13の何れか1項に記載の画像形成用シートの前記画像形成用層に、画像を形成する画像形成工程と、
    前記画像上に、ガラスフリットを含有する保護層を転写する転写工程と、
    被焼成体に前記転写層を転写して、前記被焼成体と前記転写層の積層体を得る一体化工程と、
    前記積層体を焼成する焼成工程と、
    を含む、焼成体の製造方法。
  20. 前記画像形成工程、及び前記転写工程を、請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱転写シートを使用して行う、請求項14乃至19の何れか1項に記載の焼成体の製造方法。
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