JP2018013297A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】煙突の内面の展開図を正確でかつ容易に形成する。
【解決手段】煙突の内面を周方向および高さ方向で撮影した複数の画像に対して周方向の方位情報、高さ方向の高さ情報、煙突の傾斜情報、および画像の撮影時期情報を付与した複数の画像データを取得する画像データ取得部10aと、高さ情報および方位情報に基づいて各画像データを同高さで方位順に横方向につなぎ合わせると共に、高さ情報および方位情報に基づいて各画像データを同方位で高さ順に縦方向につなぎ合わせ、かつ、傾斜情報に基づいて縦方向のつなぎ合わせを補正して煙突の内面の展開図を生成する展開図生成部10bと、を備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関する。
従来、例えば、特許文献1には、トンネルなどのコンクリート建造物の壁面の変状(亀裂、剥離)の形状や大きさを点検するために壁面を展開した変状展開図を正確に作成することを目的とした画像撮影方法および画像編集装置について記載されている。かかる方法および装置では、複数のカメラで壁面を撮影し、各撮影視野内の共通撮影部分を含む対象物にレーザビームを照射する。撮影画像上に記録されたレーザビーム像のサイズ、形状、配置などを調べることで撮影画像上における対象物のサイズやゆがみを確認して補正することができ、しかも共通撮影部分のレーザビーム像から各撮影画像の位置合わせやサイズ合わせをして合成画像を得ることができる。
従来、例えば、特許文献2に記載の煙突内部点検方法と装置は、高所での作業を回避して煙突内部の点検作業を安全かつ確実に行うことを目的としている。この煙突内部点検方法は、点検装置を煙突の内部で煙突に沿って移動させながら煙突の内部を点検するため、点検装置を気球により浮上可能に支持し、その気球による点検装置の浮上操作によって点検装置を煙突に沿って移動させて点検する。煙突内部点検装置は、点検装置を浮上可能に支持する気球と、その気球による点検装置の浮上操作を制御する浮上制御手段と、を備える。
従来、例えば、特許文献3に記載の煙突保全用のロボットは、清掃などの作業を自動化し、準備作業工程を減少させると共に、煙突の各種内径や断面形状に容易に対応できて、汎用性の向上を図ることを目的としている。この煙突保全用のロボットは、煙突の塔頂側の開口端部に設置されるワイヤ固定装置と、煙突内でワイヤ固定装置側と煙突底部側との間に張設されるロボット昇降用ワイヤと、ロボット昇降用ワイヤに沿って煙突内を昇降しながら所定の作業を行うロボット本体と、地上側においてワイヤ固定装置およびロボット本体を遠隔操作する支援装置と、を備え、ワイヤ固定装置は、その本体部を煙突塔頂から外部へ出るまで浮揚させる気球と、煙突の径方向へ開閉可能に本体部の外周側に等間隔を隔てて枢支された複数の固定脚と、煙突内で閉脚状態にある固定脚を本体部が塔頂部から外部に出た際に全開されその位置から本体部が下方へ引込み駆動されて開口端部に接触するまで全開状態を維持させる固定脚開閉機構と、を備える。また、ロボット本体は、周方向に等間隔を隔てて配設されて径方向に開閉可能に枢支された複数の押付脚が、上下2段に分けて配列され、押付脚は、煙突の内面に対して突張り作用でロボット本体を軸心に保つように設定されており、先端に煙突の内面に接触する遊動車輪を付設している。
特開平9−161068号公報 特開2006−292298号公報 特開平4−359706号公報
ところで、煙突の点検においては、煙突の内面の変状を確認するために、煙突の周方向全体と煙突の延在方向全体とを撮影した映像を元に、煙突の周方向を展開し延在方向を連続した変状展開図をスケッチにより作成している。このような煙突の変状展開図を作成するに特許文献1の発明のように複数撮影した画像を合成することが考えられる。しかし、煙突は、鉛直方向に延在するだけでなく、鉛直に対して傾いて延在する部分がある。従って、延在方向に画像を合成するにあたり、傾いている部分の画像と傾いていない部分の画像とを合成する必要があることから、このような画像の合成であっても正確でかつ容易に行うことが望まれている。
一方、特許文献2,3の発明は、共に気球により点検装置やロボット本体を煙突に沿って移動させるが、気球が煙突に沿って移動する際、気球の外面が煙突の内面に接触することになる。そして、煙突の内面のライニング(コンクリート)が一部剥離している場合、当該ライニングが気球の外面から突き刺さり気球が破損するおそれがある。従って、このような事態を防ぐことが望まれている。特に、煙突が鉛直部分だけでなく鉛直に対して傾いている部分を有すると、気球の外面が煙突の内面に接触しやすく、上記問題が顕著に現れる。しかも、特許文献2の発明において、気球が煙突に沿って移動する際、気球の傾きによって点検装置が傾いてしまい点検作業に影響を及ぼすおそれがある。そのため、特許文献2の発明の点検装置を、特許文献3の発明の押付脚によって煙突の内面に対して突張り作用で軸心に保つように設定すると、突張り作用で気球の浮揚を妨げてしまうため、余計に気球の外面が煙突の内面に接触しやすくなるおそれがある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、煙突の内面の展開図を正確でかつ容易に形成することのできる画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の一態様に係る画像処理装置は、煙突の内面を周方向および高さ方向で撮影した複数の画像に対して周方向の方位情報、高さ方向の高さ情報、煙突の傾斜情報、および前記画像の撮影時期情報を付与した複数の画像データを取得する画像データ取得部と、前記高さ情報および前記方位情報に基づいて各前記画像データを同高さで方位順に横方向につなぎ合わせると共に、前記高さ情報および前記方位情報に基づいて各前記画像データを同方位で高さ順に縦方向につなぎ合わせ、かつ、前記傾斜情報に基づいて縦方向のつなぎ合わせを補正して前記煙突の内面の展開図を生成する展開図生成部と、を備える。
この画像処理装置によれば、煙突に鉛直に対して傾斜する傾斜部分が存在していても、この傾斜部分の傾斜情報により画像データの縦方向のつなぎ合わせを補正することで、煙突の傾斜部分と傾斜部分以外の部分とを連続させることができるため、煙突の内面の展開図を正確でかつ容易に形成することができる。
また、本発明の一態様に係る画像処理装置では、前記展開図生成部は、横方向につなぎ合わせた各前記画像データを前記傾斜情報に基づいて回転させて縦方向のつなぎ合わせを補正することが好ましい。
この画像処理装置によれば、横方向につなぎ合わせた各画像データを傾斜情報に基づいて回転させることで傾斜ゼロとすることができ、縦方向に連続した展開図を生成することができる。
また、本発明の一態様に係る画像処理装置では、前記展開図生成部は、横方向につなぎ合わせた各前記画像データを前記傾斜情報に基づいてつなぎ代を増減させて縦方向のつなぎ合わせを補正することが好ましい。
この画像処理装置によれば、横方向につなぎ合わせた各画像データを傾斜情報に基づいてつなぎ代を増減させ縦方向につなぐことで傾斜をリセットすることができ、縦方向に連続した展開図を生成することができる。
また、本発明の一態様に係る画像処理装置では、前記展開図が該当する煙突の識別情報、前記展開図を生成する前記画像データにおける撮影時期情報、前記展開図上にて指示された変状部の識別記号、前記変状部の形態である変状情報、および前記変状部の展開図上の位置情報を前記展開図に付与した変状展開図を生成する変状展開図生成部を備えることが好ましい。
この画像処理装置によれば、展開図に対して、該当する煙突の識別、画像データにおける撮影時期、変状部の形態、位置を付与した変状展開図を生成することで、変状部の状態を容易に確認することができる。
また、本発明の一態様に係る画像処理装置では、前記展開図が該当する煙突の識別情報、前記展開図を生成する前記画像データにおける撮影時期情報、前記展開図上にて指示された変状部の識別記号、前記変状部の形態である変状情報、前記変状部の展開図上の位置情報、および補修予定を示す補修情報を関連付けた記録表を生成する記録表生成部を備えることが好ましい。
この画像処理装置によれば、該当する煙突の識別、画像データにおける撮影時期、変状部の形態、位置、補修予定を付与した記録表を生成することで、変状部の状態を容易に確認し管理することができる。また、記録表を生成することで、前回の検査での変状部の状態を容易に確認し、今回の検査での変状部の状態と容易に比較検討することができる。
また、本発明の一態様に係る画像処理装置では、煙突の内部に配置されて前記煙突の内面を周方向に沿って撮像する撮像部と、前記撮像部を前記煙突の延在方向に移動する移動部と、前記撮像部を前記煙突の中央にて支持する支持部と、前記撮像部の方位を検出する方位検出部と、前記撮像部の高さを検出する高さ検出部と、前記撮像部の鉛直に対する傾きを検出する傾斜検出部と、を備える撮像装置から、前記方位情報、前記高さ情報、前記傾斜情報、および前記画像データの撮影時期情報を付与した複数の前記画像データを取得することが好ましい。
この画像処理装置によれば、画像データをつなぎ合わせるための基準を撮像装置により規定しつつ、画像データをつなぎ合わせるうえで必要な情報を撮像装置を介して得ることで、煙突の内面の展開図をより正確でかつ容易に形成することができる。
本発明の一態様に係る画像処理方法は、煙突の内面を周方向および高さ方向で撮影した複数の画像に対して周方向の方位情報、高さ方向の高さ情報、煙突の傾斜情報、および前記画像の撮影時期情報を付与した複数の画像データを取得する画像データ取得工程と、前記高さ情報および前記方位情報に基づいて各前記画像データを同高さで方位順に横方向につなぎ合わせると共に、前記高さ情報および前記方位情報に基づいて各前記画像データを同方位で高さ順に縦方向につなぎ合わせ、かつ、前記傾斜情報に基づいて縦方向のつなぎ合わせを補正して前記煙突の内面の展開図を生成する展開図生成工程と、を含む。
この画像処理方法によれば、煙突に鉛直に対して傾斜する傾斜部分が存在していても、この傾斜部分の傾斜情報により画像データの縦方向のつなぎ合わせを補正することで、煙突の傾斜部分と傾斜部分以外の部分とを連続させることができるため、煙突の内面の展開図を正確でかつ容易に形成することができる。
また、本発明の一態様に係る画像処理方法では、前記展開図生成工程は、横方向につなぎ合わせた各前記画像データを前記傾斜情報に基づいて回転させて縦方向のつなぎ合わせを補正することが好ましい。
この画像処理方法によれば、横方向につなぎ合わせた各画像データを傾斜情報に基づいて回転させることで傾斜ゼロとすることができ、縦方向に連続した展開図を生成することができる。
また、本発明の一態様に係る画像処理方法では、前記展開図生成工程は、横方向につなぎ合わせた各前記画像データを前記傾斜情報に基づいてつなぎ代を増減させて縦方向のつなぎ合わせを補正することが好ましい。
この画像処理方法によれば、横方向につなぎ合わせた各画像データを傾斜情報に基づいてつなぎ代を増減させ縦方向につなぐことで傾斜をリセットすることができ、縦方向に連続した展開図を生成することができる。
また、本発明の一態様に係る画像処理方法では、前記展開図が該当する煙突の識別情報、前記展開図を生成する前記画像データにおける撮影時期情報、前記展開図上にて指示された変状部の識別記号、前記変状部の形態である変状情報、および前記変状部の展開図上の位置情報を前記展開図に付与した変状展開図を生成する変状展開図生成工程をさらに含むことが好ましい。
この画像処理方法によれば、展開図に対して、該当する煙突の識別、画像データにおける撮影時期、変状部の形態、位置を付与した変状展開図を生成することで、変状部の状態を容易に確認することができる。
また、本発明の一態様に係る画像処理方法では、前記展開図が該当する煙突の識別情報、前記展開図を生成する前記画像データにおける撮影時期情報、前記展開図上にて指示された変状部の識別記号、前記変状部の形態である変状情報、前記変状部の展開図上の位置情報、および補修予定を示す補修情報を関連付けた記録表を生成する記録表生成工程をさらに含むことが好ましい。
この画像処理方法によれば、該当する煙突の識別、画像データにおける撮影時期、変状部の形態、位置、補修予定を付与した記録表を生成することで、変状部の状態を容易に確認し管理することができる。また、記録表を生成することで、前回の検査での変状部の状態を容易に確認し、今回の検査での変状部の状態と容易に比較検討することができる。
本発明によれば、煙突の内面の展開図を正確でかつ容易に形成することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置に画像を提供するための撮像装置の構成図である。 図2は、撮像装置におけるガイド部の構成図である。 図3は、撮像装置におけるガイド部の詳細図である。 図4は、撮像装置における撮像部の構成図である。 図5は、撮像装置のブロック図である。 図6は、撮像装置の動作図である。 図7は、撮像装置の他の例の構成図である。 図8は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成図である。 図9は、本発明の実施形態に係る画像処理装置のブロック図である。 図10は、本発明の実施形態に係る画像処理装置により生成される展開図の例を示す図である。 図11は、本発明の実施形態に係る画像処理装置により生成される展開図の例を示す図である。 図12は、本発明の実施形態に係る画像処理装置により生成される展開図の例を示す図である。 図13は、本発明の実施形態に係る画像処理装置により生成される展開図の例を示す図である。 図14は、本発明の実施形態に係る画像処理装置により生成される変状展開図の例を示す図である。 図15は、本発明の実施形態に係る画像処理装置により生成される記録表の例を示す図である。 図16は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る画像処理装置に画像を提供するための撮像装置の構成図である。図2は、撮像装置におけるガイド部の構成図である。図3は、撮像装置におけるガイド部の詳細図である。図4は、撮像装置における撮像部の構成図である。図5は、撮像装置のブロック図である。図6は、撮像装置の動作図である。
本実施形態の画像処理装置は、図1に示すような煙突100の内面100aとして施されたライニング(コンクリート)について、剥離や亀裂などの有無を点検することに適用され、煙突100の内面100aを撮像した画像を処理するものである。
最初に、煙突100の内面100aを撮像する撮像装置について説明する。撮像装置は、浮揚体2と、ガイド部3と、撮像部4と、上下位置規定部5と、操作部6と、表示部7と、を備える。
浮揚体2は、煙突100の内部の空中にて上下に浮揚可能に構成されたものである。例えば、浮揚体2は、煙突100の内部の気体よりも軽い気体が充填される容器である充填部を有し、いわゆる気球として構成される。充填される気体は、暖められた空気やヘリウムなどがある。浮揚体2は、上部および下部が半球状に形成されその間の中央部が円筒状に形成されている。また、浮揚体2は、充填部が上下に複数設けられている。本実施形態では、浮揚体2は、図1に示すように、内部に設けられた隔壁2aにより上下2つの充填部2A,2Bを有している。各充填部2A,2Bは、それぞれ独立して煙突100の内部の気体よりも軽い気体が充填される。なお、浮揚体2は、図には明示しないが、プロペラなどの回転により上下に浮揚する構成であってもよい。
ガイド部3は、支持部として構成されている。ガイド部3は、浮揚体2の外周面から突出して取り付けられている。ガイド部3は、浮揚体2の外周面から突出する棒状体として構成されている。ガイド部3は、図2に示すように、浮揚体2の半球状または円筒状の周方向に所定間隔をおいて、浮揚体2が浮揚する上下方向の軸(半球状または円筒状の中心)の周りに複数配置されている。また、ガイド部3は、浮揚体2が浮揚する上下方向の軸の周りに複数配置されたガイド部群3A,3Bを構成し、このガイド部群3A,3Bが浮揚体2の上下方向に複数配置されている。本実施形態では、2つのガイド部群3A,3Bが、浮揚体2の上下の充填部2A,2Bに対応して浮揚体2の上部および下部にそれぞれ配置されている。なお、図には明示しないが、ガイド部群は浮揚体2の中央部に配置されてもよく、この場合、浮揚体2の中央部に配置され充填部に対応して配置されていることが好ましい。
また、ガイド部3は、浮揚体2の外周面から突出した突出先端に、ローラ3aが設けられている。ローラ3aは、図3に示すように、ガイド部3に対して軸3aaにより回転可能に支持されている。軸3aaは、浮揚体2が浮揚する上下方向の軸の周りに沿って設けられており、この軸3aaに支持されたローラ3aは、浮揚体2が浮揚する上下方向に沿って回転可能に設けられている。
また、ガイド部3は、浮揚体2の外周面から突出した突出方向に伸縮可能に設けられている。図3に示すように、ガイド部3は、その内部に伸縮部3bが挿入されて突出方向に移動可能なことで、伸縮可能に設けられている。伸縮部3bは、ガイド部3に設けられた穴(図示せず)と、自身に設けられた長穴(図示せず)または複数の穴(図示せず)に挿通して取り付けられる固定部3cとしての固定ボルトにより移動位置(伸縮位置)が固定される。上述したローラ3aは、伸縮部3bのガイド部3から延出した先端に取り付けられている。
また、ガイド部3は、浮揚体2に対して着脱可能に設けられている。図3に示すように、ガイド部3は、その基端と浮揚体2の外周面とに設けられた雌雄の面ファスナー3dにより浮揚体2に対して着脱可能に設けられている。なお、図には明示しないが、ガイド部3は、ネジなどにより浮揚体2に対して着脱可能に設けられていてもよい。
撮像部4は、浮揚体2の下部に取り付けられて側方を撮像するものである。撮像部4は、浮揚体2の下部に固定される支持フレーム4aを有する。そして、支持フレーム4aに、撮像手段4bおよび照明部4cが設けられている。図4に示すように、撮像手段4bは、支持フレーム4aに設けられて浮揚体2が浮揚する上下方向の軸の周りに複数設置されて軸の放射方向を撮像するように側方に向けて複数配置されている。照明部4cは、各撮像手段4bの撮像方向を照らすように、各撮像手段4bに対応して支持フレーム4aに設けられ浮揚体2が浮揚する上下方向の軸の周りに複数設置されて軸の放射方向を照らすように側方に向けて配置されている。従って、各撮像手段4bは、照明部4cにより照らされた煙突100の内面100aの全周を撮像することができる。各撮像手段4bは、静止画を撮像するものである。
また、撮像部4は、図1に示すように、上方撮像手段4dを有する。上方撮像手段4dは、浮揚体2の上部に取り付けられて上方を撮像する。上方撮像手段4dは、浮揚体2が煙突100の内部を浮揚している状態で浮揚体2の上方であって煙突100の内面100aを撮像する。上方撮像手段4dは、単体で煙突100の内面100aの全周を撮像できるように魚眼レンズを有することが好ましい。また、上方撮像手段4dは、動画を撮像するものである。なお、上方撮像手段4dは、複数設けられて煙突100の内面100aの全周を撮像するように構成されていてもよい。
上下位置規定部5は、浮揚体2の浮揚位置であって煙突100の内部における上下位置を定めるものである。上下位置規定部5は、図1に示すように、浮揚体2の下部に連結されたワイヤ5a、および煙突100の内部の底に固定されワイヤ5aを巻き取ってワイヤ5aの長さを調整するワイヤ調整機により浮揚体2の上下位置を規定する。ワイヤ調整機は、いわゆるウィンチであって、ワイヤ5aを巻き取る巻取部5bと、モータ5cと、モータ5cの回転動力を巻取部5bの回転として伝達するプーリおよび無端ベルトからなる伝達機構5dと、を備える。すなわち、上下位置規定部5は、浮揚体2と共に撮像部4を煙突100の延在方向に移動する移動部として構成される。
操作部6は、煙突100の内部の地上、または煙突100の外部の地上にてオペレータ50が操作するもので、例えば、撮像部4による撮像開始や撮像停止、撮像部4における照明部4cの点灯や消灯を操作することができる。
表示部7は、オペレータ50が見るもので、撮像部4における上方撮像手段4dの映像を表示するものである。
ここで、上述した撮像装置の各構成を図5のブロック図を参照して説明する。撮像部4は、上述した撮像手段4b、照明部4c、および上方撮像手段4dの他、記憶部4eと、方位検出部4fと、高さ検出部(上下位置規定部5)と、傾斜検出部4gと、制御部4hと、を備える。
記憶部4eは、支持フレーム4aに設けられて撮像手段4bにて撮像された画像データ11aを記憶するものである。
方位検出部4fは、支持フレーム4aに設けられて当該支持フレーム4aの方位を検出するものである。例えば、方位検出部4fは、角度や角速度を検出する計測器であるジャイロスコープが適用される。ジャイロスコープは、少なくとも水平方向の方位を計測できる2軸ジャイロスコープであればよく、高さ方向も計測できる3軸ジャイロスコープであってもよい。
高さ検出部は、支持フレーム4aの高さを検出するもので、本実施形態では上下位置規定部5が用いられる。上下位置規定部5は、巻取部5bの回転角度またはモータ5cの回転角度を検出するエンコーダによりワイヤ5aの長さを計測し、このワイヤ5aの長さに基づいて支持フレーム4aの高さとして検出する。なお、方位検出部4fに3軸ジャイロスコープを適用すれば、当該方位検出部4fを高さ検出部として用いることができる。または、方位検出部4fに3軸ジャイロスコープを適用すれば、上下位置規定部5による高さ検出を方位検出部4fにより補正することができる。
傾斜検出部4gは、支持フレーム4aの鉛直に対する傾斜を検出するもので、例えば、傾斜検出部4gは、重力加速度を測定して傾きを検出する。
制御部4hは、撮像部4を統括して制御するものである。すなわち、制御部4hは、撮像手段4b、照明部4c、上方撮像手段4d、記憶部4e、方位検出部4f、高さ検出部(上下位置規定部5)、傾斜検出部4g、操作部6、および表示部7が接続されている。なお、高さ検出部(上下位置規定部5)、傾斜検出部4g、操作部6、および表示部7は、支持フレーム4aに設けられた通信部4iとオペレータ50の存在する地上に設けられた通信部4jとにより制御部4hに無線通信にて接続されている。なお、高さ検出部(上下位置規定部5)、傾斜検出部4g、操作部6、および表示部7は、有線にて制御部4hに接続されていてもよい。
制御部4hは、オペレータ50による操作部6の点検開始の指令に基づき、照明部4cおよび上方撮像手段4dを駆動すると共に、上下位置規定部5を駆動する。例えば、制御部4hは、上下位置規定部5によるワイヤ5aを500mm引き出して浮揚体2および支持フレーム4aを500mm上昇させ、そこでワイヤ5aの引き出しを5秒間停止させて浮揚体2および支持フレーム4aを静止させる。
制御部4hは、上下位置規定部5においてワイヤ5aの引き出しを停止させた信号を入力した場合、撮像手段4bを駆動し撮像させる。なお、制御部4hは、操作部6からの点検開始の操作指令に基づき照明部4cを駆動せず、上下位置規定部5においてワイヤ5aの引き出しを停止させた信号を入力した場合、照明部4cを駆動してから撮像手段4bを駆動するように制御してもよい。
制御部4hは、撮像手段4bを駆動する際、方位検出部4fからの信号を入力して支持フレーム4aの基準位置の方位(方位情報)を取得し、傾斜検出部4gからの信号を入力して支持フレーム4aの鉛直に対する傾き(傾斜情報)を取得し、かつ高さ検出部(上下位置規定部5)からの信号または方位検出部4fからの高さの信号を入力して支持フレーム4aの高さ(高さ情報)を取得し、これら支持フレーム4aの方位情報、傾斜情報および高さ情報のデータを撮像手段4bの画像データ11aに関連付けて記憶部4eに記憶させる。また、記憶された画像データ11aには、撮影した検査対象の煙突100を識別する識別情報や検査日(撮影日)である撮影時期情報が付与される。識別情報は、例えば、図13に示すような「○○発電所××煙突」などであり、撮影時期情報は、例えば、図13に示すような「検査日:2015年10月01日」などである。
制御部4hは、この上下位置規定部5によるワイヤ5aを500mm引き出した後に5秒間停止させ、撮像手段4bによる撮像および画像データ11aの記憶の動作を続けさせる。なお、上下位置規定部5は、ワイヤ5aを500mm引き出した後に5秒間停止させる動作を停止指令が出るまで連続して行い、制御部4hは、上下位置規定部5からのワイヤ5aの引き出しを停止させた信号のみを入力して撮像手段4bによる撮像および画像データ11aの記憶を行う。
制御部4hは、上記動作中において上方撮像手段4dにて撮像された映像を表示部7に表示させる。オペレータ50は、表示部7に表示された映像を見て、浮揚体2の浮揚状態を監視する。そして、オペレータ50は、表示部7に表示された映像から、撮像手段4bによる煙突100の内部の全ての撮像が終了した場合、または浮揚体2の浮揚状態に異常があった場合を認識したとき、操作部6により点検終了または異常停止の操作を行う。
制御部4hは、オペレータ50による操作部6の点検終了の指令に基づき、上下位置規定部5を駆動し、ワイヤ5aを巻き取って浮揚体2および支持フレーム4aを下降させる。また、制御部4hは、オペレータ50による操作部6の異常停止の指令に基づき、上下位置規定部5を停止させる。なお、浮揚体2の浮揚状態の異常は、例えば、剥離したライニングが浮揚体2に接触し得る場合や、何らかの原因により浮揚体2の浮上が停止した場合などがある。
このように、上述した撮像装置は、煙突100の内部の空中にて浮揚可能に構成された浮揚体2と、浮揚体2の外周面から突出して取り付けられた支持部としてのガイド部3と、浮揚体2の下部に取り付けられて側方を撮像する撮像部4と、浮揚体2の上下位置を定める上下位置規定部5と、を備える。
従って、この撮像装置によれば、浮揚体2が煙突100の内部を浮揚する際、浮揚体2の外周面から突出して取り付けられたガイド部3が煙突100の内面100aに接触するため、浮揚体2の外周面が煙突100の内面100aに接触することを防止する。この結果、浮揚体2を用いて煙突100の内部の点検を行う際に浮揚体2の破損を防ぐことができる。しかも、ガイド部3が煙突100の内面100aに接触するため、撮像部4における煙突100の内部での位置を、例えば煙突100の中央に維持することができ、撮像した画像において煙突100の内面100aまでの距離を同等とすることができる。
また、上述した撮影装置では、ガイド部3は、浮揚体2が浮揚する上下方向の軸の周りに複数配置されたガイド部群3A,3Bを複数有し、各ガイド部群3A,3Bが浮揚体2の上下に配置されていることが好ましい。
この撮像装置によれば、ガイド部群3A,3Bを浮揚体2の上下に配置することで、図6に示すように、例えば、煙突100の斜めに配置されている部分において、浮揚体2の上下をガイド部群3A,3Bにて煙突100の内部で支持することで、浮揚体2の破損を防ぎつつ、浮揚体2を煙突100の配置に沿って斜めに傾けて浮揚させることができる。従って、煙突100の斜めに配置されている部分においても、ガイド部3が煙突100の内面100aに接触するため、撮像部4における煙突100の内部での位置を、例えば煙突100の中央に維持することができ、撮像した画像において煙突100の内面100aまでの距離を同等とすることができる。
また、上述した撮像装置では、ガイド部3は、その突出先端に浮揚体2が浮揚する上下方向に沿って回転可能に設けられたローラ3aを備えることが好ましい。
この撮像装置によれば、ローラ3aにより浮揚体2の上下方向の浮揚を案内することができ、かつ浮揚体2が浮揚する上下方向の軸の周りへの浮揚体2の回転移動を抑えることができる。この結果、撮像部4における撮像の軸の周りへの変位を抑えることができる。
また、上述した撮像装置では、ガイド部3は、その突出方向に伸縮可能に設けられた伸縮部3bと、当該伸縮部3bの伸縮長さを固定する固定部3cと、を備えることが好ましい。
この撮像装置によれば、ガイド部3の突出長さを調整することができ、様々な煙突100の内径に対応する汎用性を得ることができる。
また、上述した撮像装置では、ガイド部3は、浮揚体2に対して着脱可能に設けられていることが好ましい。
この撮像装置によれば、ガイド部3が浮揚体2から外せることで、撮像装置を搬送する際の取り扱いを容易にすることができる。しかも、ガイド部3を突出長さの異なるものに交換することが可能であるため、様々な煙突100の内径に対応する汎用性を得ることができる。
また、上述した撮像装置では、浮揚体2の上部に取り付けられて上方を撮像する上方撮像手段4dを備えることが好ましい。
この撮像装置によれば、浮揚体2の浮揚状態を監視することができる。
また、上述した撮像装置では、浮揚体2は、浮上ガスが充填される充填部2A,2Bを有して浮上可能に構成されており、充填部2A,2Bが上下に複数設けられていることが好ましい。
この撮像装置によれば、上下に複数の充填部2A,2Bを設けることで、1つの充填部2A(2B)から浮上ガスが抜けても、浮上ガスが抜けていない他の充填部2B(2A)により撮像装置が急激に落下する事態を防ぐことができる。
ところで、図7は、撮像装置の他の例の構成図である。図7に示す撮像装置は、上述した浮揚体2を有さない。この撮像装置の他の例は、上下位置規定部5により煙突100の上端の開口部100bから撮像部4の支持フレーム4aをワイヤ5aで吊り下げ、ワイヤ調整機により撮像部4の支持フレーム4aの上下位置を規定する。そして、撮像装置の他の例では、上下位置規定部5が撮像部4を煙突100の延在方向に移動する移動部として構成される。その他の構成については、上述した撮像装置と同様の構成である。なお、図7においてガイド部3は、支持フレーム4aが移動する上下方向の軸の周りに複数配置された1つのガイド部群であるが、ガイド部群を支持フレーム4aに複数配置される。従って、図7に示す撮像装置の他の例によれば、上述した撮像装置の浮揚体2以外に係る効果を同様に得ることができる。
なお、上述した各撮像装置では、撮像部4は、複数の撮像手段4bにより煙突100の内面100aの全周の静止画を撮像するものとして説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、図には明示しないが、撮像部4は、単一の撮像手段を浮揚の停止時に浮揚体2が浮揚する上下方向の軸の周りに回転させながら動画を撮像するようにしてもよい。ただし、本実施形態のように、複数の撮像手段4bにより煙突100の内面100aの全周の静止画を撮像する場合のほうが、処理する画像データの容量が少ないため処理時間が短縮できると共に、静止した画像であるため表示や印刷として見やすく判断を正確に行うことができる。
以下、本実施形態における画像処理装置について説明する。図8は、本実施形態に係る画像処理装置の構成図である。図9は、本実施形態に係る画像処理装置のブロック図である。図10から図13は、本実施形態に係る画像処理装置により生成される展開図の例を示す図である。図14は、本実施形態に係る画像処理装置により生成される変状展開図の例を示す図である。図15は、本実施形態に係る画像処理装置により生成される記録表の例を示す図である。図16は、本実施形態に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
画像処理装置は、例えば、コンピュータであり、図8に示すように、演算処理装置8aや記憶装置(コンピュータプログラム)8bなどにより実現される。また、画像処理装置は、表示装置8cと、入力装置8dと、音声出力装置8eと、ドライブ装置8fと、入出力インターフェース装置8gとを有してもよい。演算処理装置8aは、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む。記憶装置8bは、ROMやRAMのようなメモリおよびストレージを含む。演算処理装置8aは、記憶装置8bに記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施する。表示装置8cは、フラットパネルディスプレイを含む。入力装置8dは、操作されることにより入力データを生成する。入力装置8dは、キーボードおよびマウスの少なくとも一方を含む。なお、入力装置8dが表示装置8cの表示画面に設けられたタッチセンサを含んでもよい。音声出力装置8eは、スピーカーを含む。ドライブ装置8fは、画像処理装置を実行させるためのプログラムなどのデータが記録された記録媒体8hからデータを読み出す。記録媒体8hに記録されたデータは、上述した撮像部4の撮像手段4bにて撮像された画像データが含まれる。記録媒体8hは、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスクなどのように情報を光学的,電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリなどのように情報を電気的に記録する半導体メモリなど、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。入出力インターフェース装置8gは、演算処理装置8aと記憶装置8bと表示装置8cと入力装置8dと音声出力装置8eとドライブ装置8fとの間でデータ通信する。また、入出力インターフェース装置8gは、画像処理装置の外部に設けられたデータベース8iとの間でもデータ通信する。データベース8iは、各種データが記憶されるもので、当該データは、上述した撮像部4の撮像手段4bにて撮像された画像データが含まれる。
そして、画像処理装置は、画像データを処理するため、図9に示すように、画像データ取得部10aと、展開図生成部10bと、変状展開図生成部10cと、記録表生成部10dと、を有する。
画像データ取得部10aは、撮像部4の撮像手段4bにて撮像された図10に示す複数の画像データ11aを記録媒体8hやデータベース8iから取得する。画像データ11aは、撮像した高さ(本実施形態では500mm)ごとで、かつ各撮像手段4bにより撮像された方位ごとに対応しており、上述したように撮像部4のおける支持フレーム4aの方位情報、傾斜情報および高さ情報のデータが関連付けられている。また、画像データ11aは、停止した高さ位置で単一の撮像手段を上下方向の軸の周りに回転させながら撮像した動画の場合は、高さおよび方位ごとの静止画として分割される。
展開図生成部10bは、画像データ取得部10aにて取得した画像データ11aをつなぎ合わせて展開図11を生成する。上述したように、画像データ11aは、方位情報、傾斜情報および高さ情報のデータが関連付けられているため、展開図生成部10bは、高さ情報および方位情報に基づいて、図10に示すように各画像データ11aを同高さで方位順に横方向につなぎ合わせる。また、展開図生成部10bは、高さ情報および方位情報に基づいて、図10に示すように各画像データ11aを同方位で高さ順に縦方向につなぎ合わせる。また、互いに隣接する画像データ11aは、その外周が隣接する画像データ11aと重なるように重なる位置が撮像されたつなぎ代11bを有している。従って、展開図生成部10bは、つなぎ代11b同士を重ねてつなぎ合わせることで互いに隣接する画像データ11aを連続させる。また、展開図生成部10bは、隣接する画像データ11aをつなぎ代11bで重ねる場合、画像データ11aにあらわれる煙突100の内面100aの不陸や粗さや汚れなどによる模様を基準とし、この模様を重ねることで隣接する画像データ11aをつなぎ合わせる。
また、展開図生成部10bは、傾斜情報に基づいて縦方向のつなぎ合わせを補正する。煙突100は、基部が鉛直に対して傾斜して形成されたものがあるが、展開図11は、上下方向に連続しているほうが見易いため、本実施形態の画像処理装置では、画像データ11aに関連付けられた傾斜情報に基づいて傾斜を補正して展開図11を生成する。具体的に、図11に示すように、傾斜が画面の上下方向で傾いている場合は、同高さで方位順に横方向につなぎ合わせた各画像データ11aの横列を傾斜ゼロとなるように回転させ水平を合わせるようにして縦方向でつなぎ合わせる。また、図12に示すように、傾斜が画面の奥行き方向で傾いている場合は、同高さで方位順に横方向につなぎ合わせた各画像データ11aの横列を縦方向とのつなぎ代11bを模様に合わせて増減させて傾斜をリセットするようにして縦方向でつなぎ合わせる。
このように、展開図生成部10bは、方位を横方向に連続して各画像データ11aをつなぎ合わせ、かつ高さを縦方向に連続して各画像データ11aをつなぎ合わせることで展開図11を生成する。この展開図11は、図13に示すように各画像データ11aを1つの番地とし、例えば高さ方向に1から順に番号を付け、方位方向にAから順に記号を付けることで、高さ情報および方位情報が関連付けられていると共に、傾斜情報に基づいて補正されて上下に連続する1つの画像となる。そして、展開図11は、撮影した検査対象の煙突100を識別する識別情報や検査日(撮影日)である撮影時期情報が付与されており、例えば、識別情報として「○○発電所××煙突」と示され、撮影時期情報として「検査日:2015年10月01日」と示される。
変状展開図生成部10cは、展開図生成部10bで生成された展開図11に対し、識別情報や撮影時期情報と共に、展開図11上にて指示された変状部11cの識別記号、変状部11cの形態である変状情報、変状部11cの展開図11上の位置情報を展開図11に付与した変状展開図12を生成する。展開図11上での変状部11cの指示は、表示装置8cに表示された展開図11上の変状部11cをオペレータが入力装置(マウスのクリックや画面上のタッチ)8dにより選択することで行われる。変状展開図生成部10cは、変状部11cの選択時に、オペレータが入力装置(マウスのクリックや画面上のタッチ)8dにより変状部11cの亀裂の長さや剥離の領域をなぞることで亀裂の長さや剥離の面積を画像データ11aの大きさから変状情報として自動的に判断する。または、亀裂の長さや剥離の面積は、オペレータが入力装置(キーボードなど)8dにより入力してもよい。また、変状展開図生成部10cは、選択された変状部11cに識別番号(例えば、図14に示す括弧付き番号)を展開図11に付与する。また、変状展開図生成部10cは、選択された変状部11cの位置情報(変状部11cが存在する画像データ11aの番地)を展開図11に付与する。このように、変状展開図生成部10cは、展開図11に対し、識別情報や撮影時期情報と共に、識別記号、変状情報、および位置情報を付与した変状展開図12を生成する。
記録表生成部10dは、図15に示すように、識別情報、撮影時期情報、識別記号、変状情報、および位置情報と共に、補修予定を示す補修情報を関連付けた記録表13を生成する。識別情報、撮影時期情報、識別記号、変状情報、および位置情報は、変状展開図生成部10cによる変状展開図12の生成により得られる。補修情報は、変状部11cの亀裂長さや剥離面積により補修時期をオペレータが判断し入力装置(キーボードなど)8dにより入力する。または、記録表生成部10dにおいて、予め変状部11cの亀裂長さや剥離面積のしきい値を設定することで補修情報を自動的に判断することも可能である。
そして、画像処理装置は、変状展開図生成部10cにより生成した変状展開図12や、記録表生成部10dにより生成した記録表13を、記憶装置8bに記憶し、あるいは、記録媒体8hやデータベース8iに記憶する。
本実施形態は、画像処理装置による処理(画像処理方法)として、図16に示すように、画像データ取得部10aにより画像データ11aを取得する画像データ取得工程(ステップS1)と、展開図生成部10bにより展開図11を生成する展開図生成工程(ステップS2)と、変状展開図生成部10cにより変状展開図12を生成する変状展開図生成工程(ステップS3)と、記録表生成部10dにより記録表13を生成する記録表生成工程(ステップS4)と、を含む。
上述したように、本実施形態の画像処理装置は、煙突100の内面100aを周方向および高さ方向で撮影した複数の画像に対して周方向の方位情報、高さ方向の高さ情報、煙突100の傾斜情報、および画像の撮影時期情報を付与した複数の画像データ11aを取得する画像データ取得部10aと、高さ情報および方位情報に基づいて各画像データ11aを同高さで方位順に横方向につなぎ合わせると共に、高さ情報および方位情報に基づいて各画像データ11aを同方位で高さ順に縦方向につなぎ合わせ、かつ、傾斜情報に基づいて縦方向のつなぎ合わせを補正して煙突100の内面100aの展開図11を生成する展開図生成部10bと、を備える。
この画像処理装置によれば、煙突100に鉛直に対して傾斜する傾斜部分が存在していても、この傾斜部分の傾斜情報により画像データ11aの縦方向のつなぎ合わせを補正することで、煙突100の傾斜部分と傾斜部分以外の部分とを連続させることができるため、煙突100の内面100aの展開図11を正確でかつ容易に形成することができる。
また、本実施形態の画像処理装置では、展開図生成部10bは、横方向につなぎ合わせた各画像データ11aを傾斜情報に基づいて回転させて縦方向のつなぎ合わせを補正することが好ましい。
この画像処理装置によれば、横方向につなぎ合わせた各画像データ11aを傾斜情報に基づいて回転させることで傾斜ゼロとすることができ、縦方向に連続した展開図11を生成することができる。
また、本実施形態の画像処理装置では、展開図生成部10bは、横方向につなぎ合わせた各画像データ11aを傾斜情報に基づいてつなぎ代11bを増減させて縦方向のつなぎ合わせを補正することが好ましい。
この画像処理装置によれば、横方向につなぎ合わせた各画像データ11aを傾斜情報に基づいてつなぎ代11bを増減させ縦方向につなぐことで傾斜をリセットすることができ、縦方向に連続した展開図11を生成することができる。
また、本実施形態の画像処理装置では、展開図11が該当する煙突100の識別情報、展開図11を生成する画像データ11aにおける撮影時期情報、展開図11上にて指示された変状部11cの識別記号、変状部11cの形態である変状情報、および変状部11cの展開図11上の位置情報を展開図11に付与した変状展開図12を生成する変状展開図生成部10cを備えることが好ましい。
この画像処理装置によれば、展開図11に対して、該当する煙突100の識別、画像データ11aにおける撮影時期、変状部11cの形態、位置を付与した変状展開図12を生成することで、変状部11cの状態を容易に確認することができる。
また、本実施形態の画像処理装置では、展開図11が該当する煙突100の識別情報、展開図11を生成する画像データ11aにおける撮影時期情報、展開図11上にて指示された変状部11cの識別記号、変状部11cの形態である変状情報、変状部11cの展開図11上の位置情報、および補修予定を示す補修情報を関連付けた記録表13を生成する記録表生成部10dを備えることが好ましい。
この画像処理装置によれば、該当する煙突100の識別、画像データ11aにおける撮影時期、変状部11cの形態、位置、補修予定を付与した記録表13を生成することで、変状部11cの状態を容易に確認し管理することができる。また、記録表13を生成することで、前回の検査での変状部11cの状態を容易に確認し、今回の検査での変状部11cの状態と容易に比較検討することができる。
また、本実施形態の画像処理装置では、煙突100の内部に配置されて煙突100の内面100aを周方向に沿って撮像する撮像部4と、撮像部4を煙突100の延在方向に移動する移動部としての浮揚体2や上下位置規定部5と、撮像部4を煙突100の中央にて支持する支持部としてのガイド部3と、撮像部4の方位を検出する方位検出部4fと、撮像部4の高さを検出する高さ検出部(上下位置規定部5)と、撮像部4の鉛直に対する傾きを検出する傾斜検出部4gと、を備える撮像装置から、方位情報、高さ情報、傾斜情報、および画像データ11aの撮影時期情報を付与した複数の画像データ11aを取得することが好ましい。
この画像処理装置によれば、画像データ11aをつなぎ合わせるための基準を撮像装置により規定しつつ、画像データ11aをつなぎ合わせるうえで必要な情報を撮像装置を介して得ることで、煙突100の内面100aの展開図11をより正確でかつ容易に形成することができる。
本実施形態の画像処理方法は、煙突100の内面100aを周方向および高さ方向で撮影した複数の画像に対して周方向の方位情報、高さ方向の高さ情報、煙突100の傾斜情報、および画像の撮影時期情報を付与した複数の画像データ11aを取得する画像データ取得工程と、高さ情報および方位情報に基づいて各画像データ11aを同高さで方位順に横方向につなぎ合わせると共に、高さ情報および方位情報に基づいて各画像データ11aを同方位で高さ順に縦方向につなぎ合わせ、かつ、傾斜情報に基づいて縦方向のつなぎ合わせを補正して煙突100の内面100aの展開図11を生成する展開図生成工程と、を含む。
この画像処理方法によれば、煙突100に鉛直に対して傾斜する傾斜部分が存在していても、この傾斜部分の傾斜情報により画像データ11aの縦方向のつなぎ合わせを補正することで、煙突100の傾斜部分と傾斜部分以外の部分とを連続させることができるため、煙突100の内面100aの展開図11を正確でかつ容易に形成することができる。
また、本実施形態の画像処理方法では、展開図生成工程は、横方向につなぎ合わせた各画像データ11aを傾斜情報に基づいて回転させて縦方向のつなぎ合わせを補正することが好ましい。
この画像処理方法によれば、横方向につなぎ合わせた各画像データ11aを傾斜情報に基づいて回転させることで傾斜ゼロとすることができ、縦方向に連続した展開図11を生成することができる。
また、本実施形態の画像処理方法では、展開図生成工程は、横方向につなぎ合わせた各画像データ11aを傾斜情報に基づいてつなぎ代11bを増減させて縦方向のつなぎ合わせを補正することが好ましい。
この画像処理方法によれば、横方向につなぎ合わせた各画像データ11aを傾斜情報に基づいてつなぎ代11bを増減させ縦方向につなぐことで傾斜をリセットすることができ、縦方向に連続した展開図11を生成することができる。
また、本実施形態の画像処理方法では、展開図11が該当する煙突100の識別情報、展開図11を生成する画像データ11aにおける撮影時期情報、展開図11上にて指示された変状部11cの識別記号、変状部11cの形態である変状情報、および変状部11cの展開図11上の位置情報を展開図11に付与した変状展開図12を生成する変状展開図生成工程をさらに含むことが好ましい。
この画像処理方法によれば、展開図11に対して、該当する煙突100の識別、画像データ11aにおける撮影時期、変状部11cの形態、位置を付与した変状展開図12を生成することで、変状部11cの状態を容易に確認することができる。
また、本実施形態の画像処理方法では、展開図11が該当する煙突100の識別情報、展開図11を生成する画像データ11aにおける撮影時期情報、展開図11上にて指示された変状部11cの識別記号、変状部11cの形態である変状情報、変状部11cの展開図11上の位置情報、および補修予定を示す補修情報を関連付けた記録表13を生成する記録表生成工程をさらに含むことが好ましい。
この画像処理方法によれば、該当する煙突100の識別、画像データ11aにおける撮影時期、変状部11cの形態、位置、補修予定を付与した記録表13を生成することで、変状部11cの状態を容易に確認し管理することができる。また、記録表13を生成することで、前回の検査での変状部11cの状態を容易に確認し、今回の検査での変状部11cの状態と容易に比較検討することができる。
2 浮揚体(移動部)
3 ガイド部(支持部)
4 撮像部
4a 支持フレーム
4b 撮像手段
4c 照明部
4d 上方撮像手段
4e 記憶部
4f 方位検出部
4g 傾斜検出部
4h 制御部
4i 通信部
4j 通信部
5 上下位置規定部(移動部)
5a ワイヤ
5b 巻取部
5c モータ
5d 伝達機構
6 操作部
7 表示部
8a 演算処理装置
8b 記憶装置
8c 表示装置
8d 入力装置
8e 音声出力装置
8f ドライブ装置
8g 入出力インターフェース装置
8i データベース
8h 記録媒体
10a 画像データ取得部
10b 展開図生成部
10c 変状展開図生成部
10d 記録表生成部
11 展開図
11a 画像データ
11b つなぎ代
11c 変状部
12 変状展開図
13 記録表
100 煙突
100a 内面
100b 開口部

Claims (11)

  1. 煙突の内面を周方向および高さ方向で撮影した複数の画像に対して周方向の方位情報、高さ方向の高さ情報、煙突の傾斜情報、および前記画像の撮影時期情報を付与した複数の画像データを取得する画像データ取得部と、
    前記高さ情報および前記方位情報に基づいて各前記画像データを同高さで方位順に横方向につなぎ合わせると共に、前記高さ情報および前記方位情報に基づいて各前記画像データを同方位で高さ順に縦方向につなぎ合わせ、かつ、前記傾斜情報に基づいて縦方向のつなぎ合わせを補正して前記煙突の内面の展開図を生成する展開図生成部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記展開図生成部は、横方向につなぎ合わせた各前記画像データを前記傾斜情報に基づいて回転させて縦方向のつなぎ合わせを補正する請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記展開図生成部は、横方向につなぎ合わせた各前記画像データを前記傾斜情報に基づいてつなぎ代を増減させて縦方向のつなぎ合わせを補正する請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記展開図が該当する煙突の識別情報、前記展開図を生成する前記画像データにおける撮影時期情報、前記展開図上にて指示された変状部の識別記号、前記変状部の形態である変状情報、および前記変状部の展開図上の位置情報を前記展開図に付与した変状展開図を生成する変状展開図生成部を備える請求項1から3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  5. 前記展開図が該当する煙突の識別情報、前記展開図を生成する前記画像データにおける撮影時期情報、前記展開図上にて指示された変状部の識別記号、前記変状部の形態である変状情報、前記変状部の展開図上の位置情報、および補修予定を示す補修情報を関連付けた記録表を生成する記録表生成部を備える請求項1から4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  6. 煙突の内部に配置されて前記煙突の内面を周方向に沿って撮像する撮像部と、
    前記撮像部を前記煙突の延在方向に移動する移動部と、
    前記撮像部を前記煙突の中央にて支持する支持部と、
    前記撮像部の方位を検出する方位検出部と、
    前記撮像部の高さを検出する高さ検出部と、
    前記撮像部の鉛直に対する傾きを検出する傾斜検出部と、
    を備える撮像装置から、前記方位情報、前記高さ情報、前記傾斜情報、および前記画像データの撮影時期情報を付与した複数の前記画像データを取得する請求項1から5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  7. 煙突の内面を周方向および高さ方向で撮影した複数の画像に対して周方向の方位情報、高さ方向の高さ情報、煙突の傾斜情報、および前記画像の撮影時期情報を付与した複数の画像データを取得する画像データ取得工程と、
    前記高さ情報および前記方位情報に基づいて各前記画像データを同高さで方位順に横方向につなぎ合わせると共に、前記高さ情報および前記方位情報に基づいて各前記画像データを同方位で高さ順に縦方向につなぎ合わせ、かつ、前記傾斜情報に基づいて縦方向のつなぎ合わせを補正して前記煙突の内面の展開図を生成する展開図生成工程と、
    を含む画像処理方法。
  8. 前記展開図生成工程は、横方向につなぎ合わせた各前記画像データを前記傾斜情報に基づいて回転させて縦方向のつなぎ合わせを補正する請求項7に記載の画像処理方法。
  9. 前記展開図生成工程は、横方向につなぎ合わせた各前記画像データを前記傾斜情報に基づいてつなぎ代を増減させて縦方向のつなぎ合わせを補正する請求項7または8に記載の画像処理方法。
  10. 前記展開図が該当する煙突の識別情報、前記展開図を生成する前記画像データにおける撮影時期情報、前記展開図上にて指示された変状部の識別記号、前記変状部の形態である変状情報、および前記変状部の展開図上の位置情報を前記展開図に付与した変状展開図を生成する変状展開図生成工程をさらに含む請求項7から9のいずれか1つに記載の画像処理方法。
  11. 前記展開図が該当する煙突の識別情報、前記展開図を生成する前記画像データにおける撮影時期情報、前記展開図上にて指示された変状部の識別記号、前記変状部の形態である変状情報、前記変状部の展開図上の位置情報、および補修予定を示す補修情報を関連付けた記録表を生成する記録表生成工程をさらに含む請求項7から10のいずれか1つに記載の画像処理方法。
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