JP2018012787A - 熱硬化樹脂組成物、それを用いた絶縁材料組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
通常、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂などを用いた熱硬化樹脂組成物、その硬化
物等は、電子基板材料や絶縁材料、接着材料などに好適に使用されており、例えば、電子部品に用いられる封止材、銅張り積層板、絶縁塗料、複合材、絶縁接着剤等の材料として、更に、回路基板の製造に使用される回路基板用接着剤組成物、およびそれを用いた回路基板用積層板、カバーレイフィルム、プリプレグ、電子機器の多層プリント配線板の絶縁層などに使用されている。
例えば、高圧電気・電子部品の設置場所に用いる構成部品や、半導体搭載用パッケージ等の用途に用いられる多層プリント配線板は、黒色を基調とするものが主流となっているため黒色を基調とした熱硬化樹脂組成物が用いられている。また、白色熱硬化樹脂組成物などは、LED(発光ダイオード)等の発光素子が実装されるプリント配線板、及び発光素子用反射板や有機EL発光の反射材、金属層白色フィルムの基材として使用されており、需要が年々増加している。
1)酸無水物に無機充填剤及び硬化促進剤を配合した組成物をA剤、エポキシ樹脂をB剤とする酸無水物硬化型エポキシ樹脂組成物であって、B剤にキナクリドン構造を有する着色剤及びジアゾ系染料を配合したことを特徴とするエポキシ樹脂組成物、それを硬化させてなる高圧電気電子部品(例えば、特許文献1参照)、
2)色ムラや凝集物の無いプリプレグ、又は絶縁樹脂シートを提供するために、(A)無機充填剤を溶剤に分散させた分散液に(B)着色剤を溶解および/または分散させる工程(1)と、その後に、(C)ノボラック型エポキシ樹脂を溶解させる工程(2)を含むことを特徴とする樹脂組成物の製造方法(例えば、特許文献2参照)、
3)反射率が高く、且つ経時による反射率の低下並びに劣化による着色の抑制された白色硬化性樹脂組成物であって、LED等の発光素子が実装されるプリント配線板、及び発光素子用反射板に用いられた場合に、LED等の光を効率よく利用することができる白色硬化性樹脂組成物を提供するために、(A)ルチル型酸化チタン、及び(B)熱硬化性樹脂を含有する白色熱硬化性樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)、
4)十分な光反射率及び成形加工性を有し、しかも耐熱着色性に優れた光反射用熱硬化性樹脂組成物、それを用いた光半導体素子搭載用基板およびその製造方法、並びに、光半導体装置を提供するために、特定物性となるエポキシ樹脂、硬化剤、及び白色顔料を含有してなる光反射用熱硬化性樹脂組成物(例えば、特許文献4参照)、
5)絶縁性、耐熱性に優れ、表面平坦性、密着性、硬化性を高いレベルでバランス良く達成でき、且つ製造プロセス中に必要とされる高温絶縁抵抗性及び耐溶剤性が両方ともに優れた熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びそれを用いたディスプレイ用部材を提供するために、(a)熱硬化性成分としてのカルボキシル基含有樹脂と、(b)エポキシ樹脂と、(c)カーボンブラックなどの黒色着色剤と、(d)硫酸バリウム、シリカ及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種と、を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物(例えば、特許文献5参照)などが知られている。
特に、黒色に着色するためにカーボンブラックを用いると、絶縁性が低下するだけでなく、比誘電率や誘電正接を悪化させるため、高速通信や高速処理などの用途には適さなくなってしまうなどの課題がある。
したがって、着色された熱硬化性樹脂組成物などには、電気特性(低誘電率、低誘電正接)や絶縁性に未だ技術的な課題や限界等があり、隠蔽性、光学特性、遮光性や光反射性、意匠性などの機能を付与すると共に、電気特性(低誘電率、低誘電正接)や絶縁性を更に改善した熱硬化樹脂組成物、それを用いた絶縁材料組成物、回路基板用接着剤組成物、回路基板用積層板、カバーレイフィルム、プリプレグ、フレキシブル配線板などが求められているのが現状である。
また、本発明の熱硬化樹脂組成物を用いた絶縁材料組成物、回路基板用接着剤組成物、回路基板用積層板、カバーレイフィルム、プリプレグ、フレキシブルプリント配線板などは、有機顔料や無機顔料、染料の着色材料によって着色されて、隠蔽性、光学特性、遮光性や光反射性、意匠性などの機能が付与されていても、高絶縁性で、耐熱性、電気特性(低誘電率、低誘電正接)、加工性などに優れる着色された絶縁材料組成物、回路基板用接着剤組成物、回路基板用積層板、カバーレイフィルム、プリプレグ、フレキシブルプリント配線板などが得られる。
本発明の熱硬化樹脂組成物は、下記第1発明〜第4発明にてそれぞれ構成されるものである。
本第1発明は、少なくとも、フッ素系樹脂のマイクロパウダーと、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と、着色材料と、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物と、を含むことを特徴とするものであり、第2発明は、フッ素系樹脂のマイクロパウダーと少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー分散体と、着色材料と、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物と、を少なくとも含むことを特徴とするものであり、第3発明は、フッ素系樹脂のマイクロパウダーと少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー分散体と、着色材料と、非水系溶媒とを少なくとも含む着色材料分散体又は着色材料溶液と、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物と、を少なくとも含むことを特徴とするものであり、第4発明は、フッ素系樹脂のマイクロパウダーと少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と着色材料と非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー着色材料分散体と、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物と、を少なくとも含むことを特徴とするものである。
以下に、本第1発明〜第4発明ごとに、各熱硬化樹脂組成物を詳述する。なお、各発明に共通する成分は、最初の第1発明等で詳述し、第2発明等以降では共通である旨等を記載し、その詳述を省略する。
〈フッ素系樹脂のマイクロパウダー〉
本第1発明に用いるフッ素系樹脂のマイクロパウダーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレン−プロピレン共重合体(FEP)、パーフルオロアルコキシ重合体(PFA)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、テトラフルオロエチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(TFE/CTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)からなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素系樹脂のマイクロパウダーが挙げられる。
上記フッ素系樹脂のマイクロパウダーの中でも、特に、低比誘電率、低誘電正接の材料として、樹脂材料の中で最も優れた特性を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE、比誘電率2.1)の使用が望ましい。
このようなフッ素系樹脂のマイクロパウダーは、乳化重合法や粉砕法などにより得られるものであり、例えば、ふっ素樹脂ハンドブック(里川孝臣編、日刊工業新聞社)に記載されている方法など、一般的に用いられる方法により得ることができる。前記乳化重合により得られたフッ素系樹脂のマイクロパウダーの場合には、凝集・乾燥して、一次粒子が凝集した二次粒子としての微粉末が回収されるものである。
フッ素系樹脂のマイクロパウダーの一次粒子径の測定方法としては、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法、画像イメージング法などによって測定される体積基準の平均粒子径(50%体積径、メジアン径)が用いられるが、予想される一次粒子径に合った測定方法を選定することにより、実際の粒子径に即した測定値を得ることができるものである。
なお、一次粒子径が1μm以下となるようなフッ素系樹脂のマイクロパウダーの場合は、マイクロパウダーの製造段階においてレーザー回折・散乱法や動的光散乱法などによって得られた値を指し示すものであるが、乾燥して粉体状態にしたマイクロパウダーの場合には、一次粒子同士の凝集力が強く、容易に一次粒子径をレーザー回折・散乱法や動的光散乱法などによって測定することが難しいため、画像イメージング法によって得られた値を指し示すものであってもよい。測定装置としては、例えば、FPAR−1000(大塚電子株式会社製)による動的光散乱法や、マイクロトラック(日機装株式会社製)によるレーザー回折・散乱法や、マックビュー(株式会社マウンテック社製)による画像イメージング法などを挙げることができる。
この含有量が5質量%未満の場合には、最終的な熱硬化樹脂などにフッ素系樹脂の有する特性を充分に付与することができず、また、含有量が70質量%を超える場合には、最終的な熱硬化樹脂などの機械的強度が極端に弱くなるなどするため好ましくない。
本第1発明に用いるフッ素系添加剤は、少なくとも含フッ素基と親油性基を有するものであることが必要であり、少なくとも含フッ素基と親油性基を有するものであれば、特に限定されるものではなく、この他に親水性基が含有されているものであってもよい。
少なくとも含フッ素基と親油性基を有するフッ素系添加剤を用いることにより、分散媒となる油性溶剤などの非水系溶媒の表面張力を低下させ、ポリテトラフルオロエチレン表面に対する濡れ性を向上させてポリテトラフルオロエチレンの分散性を向上させると共に、含フッ素基がポリテトラフルオロエチレン表面に吸着し、親油性基が分散媒となる油性溶剤等の非水系溶媒中に伸長し、この親油性基の立体障害によりポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂のマイクロパウダーの凝集を防止して分散安定性を更に向上させるものとなり、当該フッ素系樹脂のマイクロパウダーと、後述する着色材料とをポリイミド前駆体溶液組成物中に均一に且つ安定に微粒子分散等させることができるものとなる。
具体的に用いることできるフッ素系添加剤としては、パーフルオロアルキル基含有のサーフロンS−611などのサーフロンシリーズ(AGCセイミケミカル社製)、メガファックF−555、メガファックF−558、メガファックF−563などのメガファックシリーズ(DIC社製)、ユニダインDS−403Nなどのユニダインシリーズ(ダイキン工業社製)、フタージエント610FMなどのフタージエントシリーズ(ネオス社製)などを用いることができる。
これらのフッ素系添加剤は、用いるポリテトラフルオロエチレンと油性溶剤などの非水系溶媒の種類、着色材料によって、適宜最適なものが選択されるものであるが、1種類、または2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。
さらに、熱硬化樹脂などに、フッ素系樹脂のマイクロパウダーの非水系分散体を添加した際の特性を考慮すれば、0.1〜10質量%が望ましく、さらに0.1〜7質量%が望ましく、特に0.1〜5質量%が最も好ましい。
例えば、フッ素系や非フッ素系に関わらず、ノニオン系、アニオン系、カチオン系などの界面活性剤や分散剤、ノニオン系、アニオン系、カチオン系などの高分子界面活性剤やブチラール(PVB)樹脂などの高分子分散剤などを挙げることができるが、これらに限定されることなく使用することができる。
上記ブチラール(PVB)樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)をブチルアルデヒド(BA)と反応させたビニルブチラール/酢酸ビニル/ビニルアルコールから構成される三元重合体が挙げられ、ブチラール基、アセチル基、水酸基を有した構造であり、これらの3種の構造の比率を変化させることにより、水酸基量やブチラール化度などが異なる各種ブチラール(PVB)樹脂を用いることができ、市販品では積水化学工業社製のエスレックBM−1(水酸基量:34モル%、ブチラール化度65±3モル%、分子量:4万)などのエスレックBシリーズ、KS−10(水酸基量:25mol%、アセタール化度65±3モル%、分子量:1.7万)などのK(KS)シリーズ、SVシリーズ、クラレ社製のモビタールB145(水酸基量:21〜26.5モル%、アセタール化度67.5〜75.2モル%)、同B16H(水酸基量:26.2〜30.2モル%、アセタール化度66.9〜73.1モル%、分子量:1〜2万)などのモビタールシリーズなどを用いることができる。
本第1発明に用いる着色材料としては、無機顔料、有機顔料、染料の中から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
用いることができる無機顔料、有機顔料、染料としては、従来より、カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板などの熱硬化樹脂材料を着色し、隠蔽性、光学特性、遮光性や光反射性、意匠性などの機能を施すために用いられているものであれば、特に限定なれないが、好ましくは、絶縁性、低誘電率化、低誘電正接化などの電気特性、加工性などの性能を損なうことなく、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、無機顔料、有機顔料では、炭素系黒色顔料、酸化物系黒色顔料、白色顔料の中から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
酸化物系黒色顔料としては、例えば、酸化コバルト、四三酸化鉄、酸化第一鉄、酸化マンガン、チタンブラック、酸化クロム、酸化ビスマス、酸化第一錫、酸化第二銅又は銅−鉄−マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、鉄マンガンビスマスブラック、コバルト鉄クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、鉄クロムブラック、マンガンビスマスブラック、マンガンイットリウムブラック、鉄マンガン酸化物スピネルブラック、銅クロマイトスピネルブラック、ヘマタイト、マグネタイト、雲母状酸化鉄、チタンブラック及び鉄を含む金属酸化物、複合金属酸化物などからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
これらの黒色顔料の中で、遮光性に優れるカーボンブラック、市販品では、三菱化学社製の#5、#10、#20、#25、#30、#32、#33、#40、#44、#45、#47、#52、#85、#95、CF9、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、MA230など、エボニック インダストリーズ社製のPrintex25、35、40、45、55、150T、U、V、P、L6などのPrintexシリーズなどを用いることが好ましく、また、電気的信頼性が向上するペリレンブラック顔料、市販品では、BASF社製ルモゲンブラックシリーズ、パリオゲンブラックシリーズなどを用いることが好ましい。また、遮熱特性に優れるアルミニウムフレーク顔料(黒色干渉アルミニウム顔料)も用いることができる。
これらの白色顔料の中でも、遮蔽力の大きい酸化チタン、及び絶縁性の高い微粉末シリカがより好ましく、これらを併用することができ、両者を併用することで、絶縁性と反射性とを共に向上することができる。上記酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタンやルチル型酸化チタンが挙げられる。これらの中でもLED用に用いる場合には、近紫外LED及び青色LEDの波長を反射するアナターゼ型酸化チタンがより好ましい。また、上記微粉末シリカとしては、結晶性シリカ、溶融性シリカ、及び煙霧性シリカが挙げられる。
なお、酸化チタン表面をアルミナ、シリカ処理等、また、シラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤処理して、酸化チタンと光触媒との組合せによる有機質の酸化分解反応を抑制することができるため、熱硬化樹脂組成物を用いた絶縁性材料、カバーレイフィルムなどの寿命を更に延ばすことができる。
用いる染料としては、熱硬化樹脂組成物で用いる芳香族ジアミンなどのジアミン化合物に対して反応性のある置換基をもつものが望ましく、分子内にスルホン酸基あるいはカルボン酸基をもつものが好適である。例えば、酸性染料(ジアミンが塩基性の物質であるので、酸性染料でも塩基に弱いものは除く)などを好適に用いることができる。通常、染料は熱硬化樹脂の分子の中に単に溶解し分散された状態であるのに対し、芳香族ジアミンなどのジアミン化合物がある場合、染料は熱処理によって、熱硬化した高分子マトリックスと一部結合するために、染料は熱硬化樹脂の中を動きにくくなり、耐溶剤性などを更に向上することができる。
本第1発明では、用いる着色材料である、無機顔料、有機顔料、染料の中から熱硬化樹脂材料(絶縁性材料、絶縁膜、カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板等)の用途、着色材料の含有により目的の遮蔽性、遮光性や反射特性を発揮せしめる点などを勘案して、上述の如く、最適な好ましい着色材料が選択される。
本第1発明において用いる樹脂組成物としては、少なくとも、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、熱硬化樹脂組成物のベース樹脂となるものであり、電子機器における絶縁性や接着性など、使用に適するものであれば特に限定されることなく用いることができる。
用いることができるシアン酸エステル樹脂(シアネートエステル樹脂)としては、例えば、少なくとも2官能性の脂肪族シアン酸エステル、少なくとも2官能性の芳香族シアン酸エステル、またはこれらの混合物が挙げられ、例えば、1,3,5−トリシアナトベンゼン、1,3−ジシアナトナフタレン、1,4−ジシアナトナフタレン、1,6−ジシアナトナフタレン、1,8−ジシアナトナフタレン、2,6−ジシアナトナフタレン、および2,7−ジシアナトナフタレンから選択された少なくとも1種の多官能シアン酸エステルの重合体、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂またはこれらに水素を添加したもの、ビスフェノールF型シアン酸エステル樹脂またはこれらに水素を添加したもの、6FビスフェノールAジシアン酸エステル樹脂、ビスフェノールE型ジシアン酸エステル樹脂、テトラメチルビスフェノールFジシアン酸エステル樹脂、ビスフェノールMジシアン酸エステル樹脂、ジシクロペンタジエンビスフェノールジシアン酸エステル樹脂、またはシアン酸ノボラック樹脂などの少なくとも1種が挙げられる。また、これらのシアン酸エステル樹脂の市販品も用いることができる。
これらのエポキシ樹脂は1種類、または2種類以上を併用して用いることもできるものである。
本第1発明に用いることができるエポキシ樹脂は、1分子中に1個以上のエポキシ基があれば上記樹脂に限定されるものではないが、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、クレゾールノボラック系等が好適である。
本第1発明において、上記シアン酸エステル樹脂(シアネートエステル樹脂)、エポキシ樹脂はそれぞれ単独で、または、これらを併用することができ、併用の場合は質量比で1:10〜10:1の範囲で併用することができる。
用いることができる活性エステル化合物としては、一般に1分子中に2個以上の活性エステル基を有する化合物が好ましく、例えば、カルボン酸化合物、フェノール化合物又はナフトール化合物などが挙げられる。カルボン酸化合物としては、例えば、酢酸、安息香酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
これらの活性エステル化合物は1種類、または2種類以上を併用して用いることもできるものである。市販の活性エステル化合物としては、例えば、EXB−9451、EXB−9460(DIC株式会社製)、DC808、YLH1030(ジャパンエポキシレジン株式会社製)などを挙げることができる。
これらの活性エステル化合物の使用量は、用いる熱硬化樹脂組成物のベース樹脂と用いる活性エステル化合物の種類により決定されるものである。
更に、前記活性エステル化合物には、必要に応じて、活性エステル化合物硬化促進剤を用いることができる。
この活性エステル化合物硬化促進剤としては、有機金属塩または有機金属錯体が使用され、例えば、鉄、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガン、スズなどを含む有機金属塩または有機金属錯体が使用される。具体的には、前記シアネートエステル硬化促進剤は、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸鉄、オクチル酸銅、オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルトなどの有機金属塩;アセチルアセトネート鉛、アセチルアセトネートコバルトなどの有機金属錯体が挙げられる。
これらの活性エステル化合物硬化促進剤は、金属の濃度を基準として、反応性および硬化性、成形性の点から、前記用いる樹脂100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部で含ませることができる。
これらの硬化剤の使用量は、用いるエポキシ樹脂と用いる硬化剤の種類により決定されるものである。
本発明の樹脂組成物においては、さらに無機充填剤、熱可塑性樹脂成分、ゴム成分、難燃剤、着色剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、密着性付与材など、電子機器向けの熱硬化樹脂組成物において一般的に用いられている材料を組み合わせて用いることもできる。
例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2−ヘプタノン、シクロヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソペンチルケトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキシルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジオキサン、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルモノグリシジルエーテル、エチルモノグリシジルエーテル、ブチルモノグリシジルエーテル、フェニルモノグリシジルエーテル、メチルジグリシジルエーテル、エチルジグリシジルエーテル、ブチルジグリシジルエーテル、フェニルジグリシジルエーテル、メチルフェノールモノグリシジルエーテル、エチルフェノールモノグリシジルエーテル、ブチルフェノールモノグリシジルエーテル、ミネラルスピリット、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−ビニルピリジン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロポリエーテル、ジメチルイミダゾリン、テトラヒドロフラン、ピリジン、フォルムアミド、アセトアニリド、ジオキソラン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、フェノール、N−メチル−2−ピロリドン,N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ハロゲン化フェノール類、各種シリコーンオイル、からなる群から選ばれる1種類の溶媒、またはこれらの溶媒を2種以上含んでいるものが挙げられる。
これらの非水系溶媒の中で、好ましくは、用いる材料や熱硬化樹脂の用途等により変動するものであるが、アセトアニリド、ジオキソラン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン,N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ハロゲン化フェノール類、キシレン、アセトンが挙げられる。
これらの非水系溶媒の含有量は、熱硬化樹脂組成物の粘度調整などのために好適な含有量となるように調整される。
本第1発明の熱硬化樹脂組成物は、少なくとも、上記フッ素系樹脂のマイクロパウダーと、上記少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と、上記着色材料と、上記シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物と、を含むことを特徴とするものであり、例えば、非水系溶媒に、上記フッ素系樹脂のマイクロパウダーと、上記少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と、上記着色材料と、上記シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物とを所定量を添加、混合等して、ディスパーやホモジナイザーなどによる撹拌のほか、超音波分散機、プラネタリーミキサー、3本ロールミル、ボールミル、ビーズミル、ジェットミルなどの各種攪拌機、分散機を用いることにより調製することができる。
この第1発明の熱硬化樹脂組成物では、フッ素系樹脂のマイクロパウダーと、上記少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と、上記着色材料と、上記シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物とを非水系溶媒に所定量を添加、混合することにより、最終的な熱硬化樹脂組成物で必要とされるシアン酸エステル樹脂、エポキシ樹脂などの総樹脂濃度となるように調整することにより、フッ素系樹脂パウダー、着色材料が凝集することなく均一に存在させることが可能となり、比誘電率と誘電正接が低く、接着性、耐熱性、寸法安定性、難燃性などにも優れた特性を発揮できるようになるものである。
本第1発明の熱硬化樹脂組成物は、少なくとも、上記フッ素系樹脂のマイクロパウダーと、上記少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と、上記着色材料と、上記シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物と、を含むものであり、公知のエポキシ樹脂組成物などの熱硬化樹脂組成物と同様な方法により成型、硬化して硬化物、絶縁性材料などとすることができる。成型方法、硬化方法は公知のエポキシ樹脂組成物などの熱硬化樹脂組成物と同様の方法をとることができ、本第1発明の熱硬化樹脂組成物固有の方法は不要であり、特に限定されるものでない。
また、本第1発明の熱硬化樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤や分散剤、消泡剤等の各種添加剤、シリカ粒子やアクリル粒子などのフィラー材料やエラストマーなどを用いることが出来るものである。
さらに、本第1発明の熱硬化樹脂組成物において、該熱硬化樹脂組成物はカールフィッシャー法による水分量が、5000ppm以下〔0≦水分量≦5000ppm〕であることが好ましい。材料からの水分混入や製造段階における水分混入など考えられるが、最終的に熱硬化樹脂組成物の水分量を5000ppm以下にすることで、フッ素系樹脂のマイクロパウダーや着色材料(顔料)が凝集することなく均一に存在させることが可能となり、より保存安定性に優れた熱硬化樹脂組成物を得ることができる。
本第2発明の熱硬化樹脂組成物は、上述のフッ素系樹脂のマイクロパウダーと上記少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と上記非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー分散体と、着色材料と、上記シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物とを少なくとも含むことを特徴とするものであり、上記各成分等の詳述は上記第1発明と同様であるので、その説明を省略する。
本第2発明では、上記第1発明に較べ、予め、フッ素系樹脂のマイクロパウダーと少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー分散体を調製したものを用いるものであり、この分散体に、着色材料と、上記シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物とを所定量添加、混合することなどによりフッ素系樹脂のマイクロパウダー、並びに、着色材料が組成物中に凝集や沈降することなく均一に微粒子分散等した熱硬化樹脂組成物が得られるものである。
この平均粒子径としては、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下であることが望ましい。より安定な分散体となるからである。
さらに、本第2発明の熱硬化樹脂組成物においても、上述した本第1発明の熱硬化樹脂組成物と同様に、カールフィッシャー法による水分量が、5000ppm以下〔0≦水分量≦5000ppm〕であることが好ましい。材料からの水分混入や製造段階における水分混入など考えられるが、最終的に熱硬化樹脂組成物の水分量を5000ppm以下にすることで、フッ素系樹脂のマイクロパウダーや着色材料(顔料)が凝集することなく均一に存在させることが可能となり、より保存安定性に優れた熱硬化樹脂組成物を得ることができる。
本第3発明の熱硬化樹脂組成物は、フッ素系樹脂のマイクロパウダーと少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と上記非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー分散体と、着色材料と非水系溶媒とを少なくとも含む着色材料分散体又は着色材料溶液と、上記シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物とを少なくとも含むことを特徴とするものであり、上記各成分等の詳述は上記第1発明などと同様であるので、その説明を省略する。
本第3発明では、上記第1、第2発明に較べ、予め、フッ素系樹脂のマイクロパウダーと少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー分散体と、着色材料と非水系溶媒とを少なくとも含む着色材料分散体又は着色材料溶液を調製したものを用いるものであり、この分散体や溶液に、上記シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を所定量添加、混合することなどによりフッ素系樹脂のマイクロパウダー、並びに、着色材料が組成物中に凝集や沈降することなく均一に微粒子分散等した熱硬化樹脂組成物が得られるものである。
分散に用いる装置としては、上述のフッ素系樹脂のマイクロパウダー分散体と同様に、例えば、ディスパー、ホモミキサーなどのミキサー類や、超音波分散機、3本ロール、湿式ボールミル、ビーズミル、湿式ジェットミルなどの分散機などを用いて撹拌、混合、分散することにより、作製することができるものである。
上記着色材料分散体は、分散状態において着色材料(顔料)の動的光散乱法またはレーザー回折・散乱法による体積基準の平均粒子径(50%体積径、メジアン径)が、3μm以下となるものが好ましい。この着色材料(顔料)を3μm以下の粒子径となるように分散することにより、例えば、ディスパー、ホモミキサーなどのミキサー類や、超音波分散機、3本ロール、湿式ボールミル、ビーズミル、湿式ジェットミル、高圧ホモジナイザーなどの分散機を用いて分散することにより、低粘度で長期保存した場合でも安定な分散体を得ることができるものである。
この平均粒子径としては、好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下であることが望ましい。より安定な分散体となるからである。
溶解に用いる装置としては、ディスパー、ホモミキサーなどのミキサー類や、超音波照射装置など、撹拌、混合、溶解が可能な装置であればいずれも用いることが可能であり、溶解性の低い着色材料(染料)を用いる場合には、非水系溶媒を加温しながら撹拌するなどして溶解することもできるものである。
本第4発明の熱硬化樹脂組成物は、フッ素系樹脂のマイクロパウダーと少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と着色材料と上記非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー着色材料分散体と、上記シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物とを少なくとも含むことを特徴とするものであり、上記各成分等の詳述は上記第1発明などと同様であるので、その説明を省略する。
本第4発明では、上記第1、第2、第3発明に較べ、予め、フッ素系樹脂のマイクロパウダーと少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と着色剤と非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー着色材料分散体を用いるものであり、この分散体に上記シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を所定量添加、混合することなどによりフッ素系樹脂のマイクロパウダー、並びに、着色材料が組成物中に凝集や沈降することなく均一に微粒子分散等した熱硬化樹脂組成物が得られるものである。
分散に用いる装置としては、上述のフッ素系樹脂のマイクロパウダー分散体や着色材料分散体と同様に、例えば、ディスパー、ホモミキサーなどのミキサー類や、超音波分散機、3本ロール、湿式ボールミル、ビーズミル、湿式ジェットミルなどの分散機などを用いて撹拌、混合、分散することにより、作製することができるものである。
また、上記第1発明〜第4発明においては、上記非水系溶媒を用いるものであるが、他の溶媒と組み合わせて用いることや他の溶媒を用いることもできるものであり、用いる熱硬化樹脂組成物の用途(回路基板を含む配線板、カバーレイフィルム、絶縁材料など)により好適なものが選択される。
本発明の熱硬化樹脂組成物より得られる硬化物、絶縁性材料などは、公知のエポキシ樹脂組成物などの熱硬化樹脂組成物と同様な方法により成型、硬化して硬化物、絶縁性材料などとすることができる。成型方法、硬化方法は公知のエポキシ樹脂組成物などの熱硬化樹脂組成物と同様の方法をとることができ、フッ素系樹脂のマイクロパウダー、着色材料が均一に微粒子分散等され、顔料や染料によって着色されて、隠蔽性、光学特性、遮光性や光反射性、意匠性などの機能が付与されていても、高絶縁性で、耐熱性、電気特性(低誘電率、低誘電正接)、加工性などに優れる着色された硬化物、熱硬化樹脂絶縁膜などの絶縁性材料などが得られることとなる。
熱硬化樹脂絶縁膜の製造方法としては、例えば、フッ素系樹脂のマイクロパウダーが分散され、所定の着色、例えば、黒色又は白色の熱硬化樹脂、熱硬化樹脂フィルム、熱硬化樹脂絶縁材料を作製する場合、熱硬化樹脂用基材、熱硬化樹脂フィルム用基材の表面に上記で得られた熱硬化樹脂組成物を塗布して膜状物(塗膜)を形成させ、該膜状物を加熱処理して、溶媒を除去、硬化処理を行うことにより得ることができる。
用いることができる基材としては、例えば、液体や気体を実質的に透過させない程度の緻密構造を有していれば、形状や材質で特に限定されるものではなく、通常のフィルムを製造する際に用いられるそれ自体公知のベルト、金型、ロール、ドラムなどのフィルム形成用基材、その表面に熱硬化樹脂膜を絶縁保護膜として形成する回路基板などの電子部品や電線、表面に皮膜が形成される摺動部品や製品、熱硬化樹脂膜を形成して多層化フィルムや銅張積層基板を形成する際の一方のフィルムや銅箔などを好適に挙げることができる。
また、これらの基材に、熱硬化樹脂組成物を塗布する方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法、スリットコート法などのそれ自体公知の方法を適宜採用することができる。
この基材に塗布されて形成された熱硬化樹脂組成物からなる膜状物、フィルム、絶縁材料等は、例えば、減圧下又は常圧下で室温以下など比較的低温で加熱する方法で脱泡しても構わない。
熱硬化樹脂、熱硬化樹脂フィルム、熱硬化樹脂絶縁材料は用途に応じて、その厚さが適宜調整され、例えば、厚みが0.1〜200μm、好ましくは3〜150μm、より好ましくは5〜130μmの熱硬化樹脂膜、フィルムが好適に用いられる。
また、着色熱硬化樹脂絶縁膜などの着色熱硬化樹脂絶縁材料等中のフッ素系樹脂の着色材料の濃度は、特に限定されるものではないが、本発明の熱硬化樹脂組成物を硬化させた硬化物の全体質量に対して、好ましくは、0.1〜30質量%、より好ましくは、1〜20質量%、さらに好ましくは、5〜20質量%程度が好適である。着色材料の濃度が小さすぎると、隠蔽性、光学特性、遮光性や光反射性、意匠性等を発揮せしめるという効果がなく、また、着色材料の濃度が大きすぎると熱硬化樹脂の電気特性、機械特性などが低下することになる。
また、上記第1発明〜第4発明の各熱硬化樹脂組成物から得られる黒色熱硬化樹脂フィルムなどの黒色熱硬化樹脂材料では、保護する電子部品や実装部品における遮蔽性、光学特性、遮光性に優れるものとなる。
本発明の回路基板用接着剤組成物は、記第1発明〜第4発明の各熱硬化樹脂組成物を用いて得られるものであり、前記シアン酸エステル樹脂またはエポキシ樹脂内に分散したゴム成分がさらに含有してもよいものである。
本発明の回路基板用接着剤組成物は、配線や基板を曲げることのできるフレキシブルな印刷回路基板などの製造に使用するためには、組成物自体も十分な柔軟性(Flexible、以下同様)を有しなければならないが、このような柔軟性を補うために、前記回路基板用接着剤組成物にはゴム成分がさらに含まれることが好ましい。
これらのゴム成分の含有量は、本発明の効果を更に発揮せしめる点、接着力と耐熱性の点から、前記樹脂(シアン酸エステル樹脂またはエポキシ樹脂)100質量部に対して1〜80質量部、好ましくは10〜70質量部、より好ましくは20〜60質量部である。
また、本発明の回路基板用接着剤組成物は、上記成分以外に必要に応じて、上記以外の硬化促進剤、消泡剤、着色剤、蛍光体、変性剤、変色防止剤、無機フィラー、シランカップリング剤、光拡散剤、熱伝導性フィラー等の従来公知の添加剤を適宜量配合することができる。
上記以外の硬化(反応)促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類およびその塩類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、トリフェニルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩類、アミノトリアゾール類、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等の錫系、オクチル酸亜鉛等の亜鉛系、アルミニウム、クロム、コバルト、ジルコニウム等のアセチルアセトナート等の金属触媒類等が用いられる。これらの硬化(反応)促進剤は単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明の回路基板用接着剤組成物は、更に、積層物、成型物、接着物、塗膜、フィルム等の各形態にすることができる。
本発明の回路基板用接着剤組成物は、フッ素系樹脂のマイクロパウダー、着色材料が安定的に均一に分散された色むらも凝集物もない黒色、白色などに着色された熱硬化樹脂組成物を用いて回路基板用接着剤組成物が得られるので、比誘電率と誘電正接が低く、接着性、耐熱性、寸法安定性、難燃性などにも優れた特性を有するため、回路基板用接着材料に好適であり、例えば、それを用いた回路基板用積層板、カバーレイフィルム、プリプレグ、ボンディングシートなどの製造に使用できる。前記カバーレイフィルムまたはプリプレグ、ボンディングシートなどは、回路基板、例えば、柔軟性金属箔積層板のような柔軟性印刷回路基板(FPCB)に適用できるものであって、これらの製造に本発明の回路基板用接着剤組成物を使用する場合、更に比誘電率と誘電正接が低く、接着性、耐熱性、寸法安定性、難燃性などにも優れた特性を有する回路基板用接着剤組成物が実現可能になる。
本発明の回路基板用積層板は、絶縁性フィルムと、金属箔と、該絶縁性フィルムと該金属箔との間に介在する接着剤層の構成を少なくとも含む回路基板用積層板であって、該接着剤層が上記構成の回路基板用接着剤組成物で構成されることを特徴とするものである。
本実施形態の回路基板用積層板Aは、絶縁性フィルム10上に、金属箔30が積層され、該絶縁性フィルム10と金属箔30との間に介在した接着性樹脂層20を少なくとも含むものであり、該接着性樹脂層20が上記構成の色むらも凝集物もない黒色、白色などに着色された回路基板用接着剤組成物で構成(接合)される。
図2は、本発明の回路基板用積層板の実施形態の他例となる金属箔積層板(FPCB)を、断面態様で示す概略図である。
本実施形態の回路基板用積層板Bは、図1の片面構造に代え、図2に示すように、両面構造を採るものであり、絶縁性フィルム10の両面に、金属箔30、30が積層され、該絶縁性フィルム10と金属箔30,30との各間にそれぞれ介在した接着性樹脂層20、20を少なくとも含むものであり、該接着性樹脂層20、20が上記構成の色むらも凝集物もない黒色、白色などに着色された回路基板用接着剤組成物で構成(接合)される。
用いることができる絶縁性フィルム10としては、例えば、ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、ポリエステル、パラ系アラミド、ポリ乳酸、ナイロン、ポリパラバン酸、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、からなる群より選ばれる1種類以上のフィルムが挙げられ、好ましくは、ポリイミド(PI)フィルムである。
また、これらの材料から成形されるフィルムには、上記接着性樹脂層20との界面密着力などを更に向上させる点から、好ましくは、そのフィルム表面に、低温プラズマなどで更に表面処理したフィルムを用いることができる。
前記絶縁性フィルム10の厚さは、十分な電気絶縁性と金属箔積層板の厚さ、および柔軟性などを勘案して、好適な範囲で選択可能であり、好ましくは、5〜50μm、より好ましくは、7〜45μmが望ましい。
金属箔の厚さは、電気伝導性、絶縁性フィルムとの界面密着性、積層板の柔軟性、耐折り曲げ性の向上や、回路加工においてファインパターンを形成しやすいという点、配線間の導通性の点などを勘案して好適な範囲が設定でき、例えば、1〜35μmの範囲内が好ましく、より好ましくは5〜25μmの範囲内、特に好ましくは8〜20μmの範囲内である。
また、使用する金属箔は、マット面の表面粗さRz(十点平均粗さ)が0.1〜4μmの範囲内であることが好ましく、0.1〜2.5μmの範囲内がより好ましく、特に、0.2〜2.0μmの範囲内であることが好ましい。
次に、本発明のカバーレイフィルムは、絶縁性フィルムと、該絶縁性フィルムの少なくとも一方の面に接着剤層が形成されたカバーレイフィルムであって、該接着剤層が上記構成の回路基板用接着剤組成物であることを特徴とするものである。
図3は、本発明のカバーレイフィルムの実施形態の一例を、断面態様で示す概略図である。
本実施形態のカバーレイフィルムCは、フレキシブルプリント配線板(FPC)用などの表面保護フィルム等として用いるものであり、絶縁性フィルム40上に、接着性樹脂層50が形成されたものであり、接着性樹脂層50上に保護層となる紙やPETフィルムなどのセパレーター(剥離フィルム)60が接合されたものである。なお、このセパレーター(剥離フィルム)60は、作業性、保存安定性などを勘案して、必要に応じて、設けられるものである。
また、これらの材料から成形されるフィルムには、上記接着性樹脂層50との界面密着力などを更に向上させる点から、好ましくは、そのフィルム表面に、低温プラズマなどで更に表面処理したフィルムを用いることができる。
特に、カバーレイフィルムの耐熱性、寸法安定性、機械特性などを勘案すると、ポリイミド(PI)フィルムが好ましく、特に、低温プラズマ処理されたポリイミドフィルムをカバーレイフィルムに使用することが好ましい。
前記絶縁性フィルム40の厚さは、十分な電気絶縁性と保護性、および柔軟性などを勘案して、好適な範囲で選択可能であり、好ましくは、5〜200μm、より好ましくは、7〜100μmが望ましい。
本発明のプリプレグは、カーボン系繊維、セルロース系繊維、ガラス系繊維、またはアラミド系繊維からなる群より選ばれる1種類以上の繊維により形成される構造体に、少なくとも上記構成となる色むらも凝集物もない黒色、白色などに着色された本発明の回路基板用接着剤組成物が含浸されていることを特徴とするものである。
本発明において、プリプレグは、多層フレキシブルプリント配線板などの構成材として用いることができ、ダストフリー、ローフローのプリプレグであって、上記繊維中に上述の接着剤組成物を含浸させた後、乾燥して半硬化した状態のシートなどとして提供できる。
このように構成される本発明のプリプレグは、多層フレキシブルプリント配線板などの層間構成材と接着を兼ねた材料として用いることにより、比誘電率と誘電正接が低く、接着性、耐熱性、寸法安定性、難燃性などにも優れた特性を有する色むらも凝集物もない黒色、白色などに着色されたプリプレグが提供される。
本発明において、電子機器は、上記第1発明〜第4発明の各熱硬化樹脂組成物より得られる熱硬化樹脂絶縁材料を用いたものであり、例えば、優れた電気特性(低比誘電率、低誘電正接)、電気絶縁性が要求される各種電子機器、例えば、薄型携帯電話、ゲーム機、ルーター装置、WDM装置、パソコン、テレビ、ホーム・サーバー、薄型ディスプレー、ハードディスク、プリンター、DVD装置をはじめ、各種電子機器の本体や部品などの絶縁材料などに用いることができる。
実施例及び比較例の各熱硬化樹脂組成物に用いるフッ素系樹脂マイクロパウダー分散体、フッ素系樹脂マイクロパウダー着色材料分散体、着色材料分散体を下記に示す各調製法により調製した。
下記表1に示す配合処方にて、非水系溶媒中に少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤を充分に撹拌混合、溶解した後、フッ素系樹脂のマイクロパウダーとしてPTFEマイクロパウダーを添加して、さらに撹拌混合を行った。その後、得られたPTFE混合液を、横型のビーズミルを用いて、0.3mm径のジルコニアビーズにて分散してフッ素系樹脂マイクロパウダー分散体Aを調製した。
下記表2に示す配合処方にて、非水系溶媒中に少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤を充分に撹拌混合、溶解した後、フッ素系樹脂のマイクロパウダーとしてPTFEマイクロパウダーを、着色材料として黒色顔料又は白色顔料を添加して、さらに撹拌混合を行った。その後、得られたPTFE+顔料混合液を、横型のビーズミルを用いて、0.3mm径のジルコニアビーズにて分散して顔料含有のフッ素系樹脂マイクロパウダー着色材料分散体B、Cを調製した。
下記表3に示す配合処方にて、非水系溶媒中に少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤を充分に撹拌混合、溶解した後、着色材料として黒色顔料又は白色顔料を添加して、さらに撹拌混合を行った。その後、得られた顔料混合液を、横型のビーズミルを用いて、0.3mm径のジルコニアビーズにて分散して着色材料分散体D、Eを調製した。
上記で調製したフッ素系樹脂マイクロパウダー分散体、フッ素系樹脂マイクロパウダー着色材料分散体、着色材料分散体を用いて下記表4に示す配合処方で混合した後、充分にディスパーにて撹拌して各熱硬化樹脂組成物を得た。
得られた各熱硬化樹脂組成物について下記評価方法により、沈降性、再分散性について評価した。
これらの結果を下記表4に示す。
各熱硬化樹脂組成物について各種粒子(フッ素系樹脂マイクロパウダー、顔料粒子)の沈降状態を室温(25℃)下、30分静置した後、目視で確認し、下記各評価基準で沈降性、再分散性の各状態を官能評価した。
沈降性の評価基準:
○:下部に沈降層が見られないもの
△:下部に沈降層が見られるもの(再分散が容易)
×:下部に沈降層が見られるもの(再分散がしづらい)
再分散性の評価基準:
○:沈降物が撹拌した際に容易に再分散したもの
×:沈降物が撹拌した際に再分散がしづらいもの
これに対して、比較例1〜3において、比較例1、2はフッ素系樹脂マイクロパウダー、着色材料(顔料)を含有しない通常の熱硬化樹脂組成物であり、沈降性、再分散性の評価はなく、一方、比較例3〜6はフッ素系樹脂マイクロパウダーを含有しない着色材料(黒色顔料、白色顔料)を含有する熱硬化樹脂組成物である。
また、得られた実施例1〜10及び比較例1〜6の各熱硬化樹脂組成物の水分量を測定したところ、カールフィッシャー法による各水分量は、それぞれ、800〜2500ppmの範囲内であった。
実施例1〜10、比較例1〜6によって得られた熱硬化樹脂組成物を絶縁材料組成物として用い、ポリイミドフィルム(厚さ:25μm)の片側全面に乾燥後の厚さが約25μmとなるようにコーターを用いて均一な厚さになるよう塗布し、約120℃で約10分間乾燥した後、これを180℃で60分間加熱して硬化させることにより、絶縁材料組成物が硬化した評価サンプルを作製した。
得られた評価サンプルの比誘電率をJIS C6481−1996の試験規格に準じて、インピーダンス分析器(Impedence Analyzer)を用いて1GHzで測定した。また、体積抵抗率をJIS C2151の試験規格に準じて測定した。結果を下記表5に示す。
実施例1〜10、比較例1〜6によって得られた熱硬化樹脂組成物を回路基板用接着剤組成物として用いた。
ポリイミドフィルム(厚さ:25μm)の片側全面に、実施例1〜10、比較例1〜6によって得られた各回路基板用接着剤組成物を、乾燥後の厚さが約10μmとなるようにコーターを用いて均一な厚さになるよう塗布して接着性樹脂層を形成させた後、これを乾燥して半硬化状態にした。そして、前記ポリイミドフィルムの反対側の面にも、同様の接着性樹脂層を形成して、接着性のシートを作製した。
次に、前記接着性のシートの両面に銅箔(厚さ:約12μm、マット面の粗度(Rz):1.6μm)を積層した後、170℃で40kgf/cm2の圧力で圧着、170℃で5時間後硬化して、回路基板用積層板を製造した。
得られた実施例21〜30、比較例13〜18の回路基板用積層板を、評価サンプルとした。
ポリイミドフィルム(厚さ:25μm)の片側全面に、実施例1〜10、比較例1〜6によって得られた各回路基板用接着剤組成物を、乾燥後の厚さが約25μmとなるようにコーターを用いて均一な厚さになるよう塗布し、約120℃で約10分間乾燥した後、離型コーティングされた厚さ125μmの離型紙をラミネートして、カバーレイフィルムを製造した。
実施例31〜40、比較例19〜24のカバーレイフィルムを、カバーレイフィルムのポリイミドフィルム/カバーレイフィルムの接着面/銅箔(12μm)の順に積層した後、これを180℃、40kgf/cm2の圧力で60分間ホットプレスして、評価サンプルを作製した。
比誘電率は、JIS C6481−1996の試験規格に準じて、インピーダンス分析器(Impedence Analyzer)を用いて1GHzで測定した。
50mm×50mmサイズのサンプルを調整し、120℃、0.22MPa、12時間吸湿処理した後、260℃で1分間処理してサンプルの状態を肉眼で観察した。評価基準として、剥がれ、変形、膨れなどの異常がなければ「○」、剥がれ、変形、膨れなどの異常があれば「×」とした。
100mm×10mmに切断したサンプルを用意し、テンシロンを用いて形成された接着層の接着強度を測定した。
(実施例41〜50、比較例25〜30:プリプレグ)
厚さ約100μmのNEガラスクロスに、実施例1〜10、比較例1〜6によって得られた各回路基板用接着剤組成物を含浸させた後、約120℃で約10分間乾燥して、全体の厚さが約125μmとなる熱硬化性プリプレグを製造した。
実施例41〜50、比較例25〜30のプリプレグを、ポリイミドフィルム(12.5μm)/プリプレグ/ポリイミド(12.5μm)の順に積層した後、これを180℃、40kgf/cm2の圧力で60分間ホットプレスして、評価サンプルを作製した。
比誘電率は、JIS C6481−1996の試験規格に準じて、インピーダンス分析器(Impedence Analyzer)を用いて1GHzで測定した。
50mm×50mmサイズのサンプルを調整し、120℃、0.22MPa、12時間吸湿処理した後、260℃で1分間処理してサンプルの状態を肉眼で観察した。評価基準として、剥がれ、変形、膨れなどの異常がなければ「○」、剥がれ、変形、膨れなどの異常があれば「×」とした。
100mm×10mmに切断したサンプルを用意し、テンシロンを用いて形成された接着層の接着強度を測定した。
また、上記表8に示しているように、実施例1〜10の熱硬化樹脂組成物を用いた実施例41〜50のプリプレグは、黒色や白色に着色されているにもかかわらず、比較例1〜6の熱硬化樹脂組成物を用いた比較例25〜30のプリプレグよりも誘電率が低く、耐熱性や接着性は同等なものが得られることが判明した。
20 接着性樹脂層(回路基板用接着剤組成物層)
30 金属箔
Claims (15)
- 少なくとも、フッ素系樹脂のマイクロパウダーと、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と、着色材料と、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物と、を含むことを特徴とする熱硬化樹脂組成物。
- フッ素系樹脂のマイクロパウダーと少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー分散体と、着色材料と、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物と、を少なくとも含むことを特徴とする熱硬化樹脂組成物。
- フッ素系樹脂のマイクロパウダーと少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー分散体と、着色材料と非水系溶媒とを少なくとも含む着色材料分散体又は着色材料溶液と、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物と、を少なくとも含むことを特徴とする熱硬化樹脂組成物。
- フッ素系樹脂のマイクロパウダーと少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤と着色材料と非水系溶媒とを少なくとも含むフッ素系樹脂マイクロパウダー着色材料分散体と、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物と、を少なくとも含むことを特徴とする熱硬化樹脂組成物。
- 前記フッ素系樹脂のマイクロパウダーが、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化エチレン−プロピレン共重合体、パーフルオロアルコキシ重合体、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンからなる群から選ばれる1種以上のフッ素系樹脂のマイクロパウダーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の熱硬化樹脂組成物。
- 前記着色材料が、無機顔料、有機顔料、染料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の熱硬化樹脂組成物。
- 前記着色材料が炭素系黒色顔料、酸化物系黒色顔料、白色顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の熱硬化樹脂組成物。
- 前記フッ素系樹脂マイクロパウダー分散体において、分散された状態のフッ素系樹脂マイクロパウダーの平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする請求項2乃至7に記載の熱硬化樹脂組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか一つに記載の熱硬化樹脂組成物を用いて得られることを特徴とする絶縁材料組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか一つに記載の熱硬化樹脂組成物を用いて得られることを特徴とする回路基板用接着剤組成物。
- 絶縁性フィルムと、金属箔と、該絶縁性フィルムと該金属箔との間に介在する接着剤層の構成を少なくとも含む回路基板用積層板であって、該接着剤層が請求項10に記載の回路基板用接着剤組成物であることを特徴とする回路基板用積層板。
- 前記絶縁性フィルムが、ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、ポリエステル、パラ系アラミド、ポリ乳酸、ナイロン、ポリパラバン酸、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、からなる群より選ばれる1種類以上のフィルムであることを特徴とする請求項11に記載の回路基板用積層板。
- 絶縁性フィルムと、該絶縁性フィルムの少なくとも一方の面に接着剤層が形成されたカバーレイフィルムであって、該接着剤層が請求項10に記載の回路基板用接着剤組成物であることを特徴とするカバーレイフィルム。
- 前記絶縁性フィルムが、ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、ポリエステル、パラ系アラミド、ポリ乳酸、ナイロン、ポリパラバン酸、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、からなる群より選ばれる1種類以上のフィルムであることを特徴とする請求項13に記載のカバーレイフィルム。
- カーボン系繊維、セルロース系繊維、ガラス系繊維、またはアラミド系繊維からなる群より選ばれる1種類以上の繊維により形成される構造体に、少なくとも請求項1乃至8のいずれか一つに記載の熱硬化樹脂組成物が含浸されていることを特徴とするプリプレグ。
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