JP2006083201A - ポリテトラフルオロエチレン水性分散液及び被覆物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルキルフェノールを原料としない界面活性剤を使用し、PTFE塗膜の密着性や耐薬液性やクラック発生の問題がなく、優れた塗膜が得られるPTFE水性分散液を提供する。
【解決手段】ポリテトラフルオロエチレン微粒子が分散されている水性乳化重合液に、質量半減温度が200〜300℃の範囲にある低温熱分解型非イオン系界面活性剤がポリテトラフルオロエチレンに対して1〜10質量%、質量半減温度が320〜400℃の範囲にある高温熱分解型非イオン系界面活性剤がポリテトラフルオロエチレンに対して1〜10質量%配合されており、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の含有量が30〜70質量%であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという。)微粒子を含有する水性分散液およびそれを用いて得られる被覆物品に関する。
PTFE水性分散液は、通常、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという。)モノマーを水中で乳化重合させて得られる乳化重合液に、界面活性剤を添加して安定化し、濃縮し、必要に応じて粘度やぬれ性を調整するために界面活性剤等を配合して得られる。
PTFE水性分散液の用途としては、ガラス繊維布や金属板等の耐熱基材に塗布後、100℃前後で水分を乾燥させる乾燥工程ののち、焼付け工程を経て加工されるものが挙げられる。この場合、耐熱基材表面にはPTFE塗膜が形成され、PTFEの特長である撥水性、非粘着性、電気的特性、低摩擦係数等の機能が付与される。PTFE水性分散液の塗布膜の焼付け加工は、PTFEが熱分解して劣化しないように360〜390℃程度で行なわれる。
このPTFE水性分散液の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノール系界面活性剤が以前から用いられてきた(特許文献1参照)。
しかしながら、近年、ポリオキシエチレンアルキルフェノール系界面活性剤の原料であるアルキルフェノールは、環境への懸念から生産量が減少しており、アルキルフェノールを原料としない界面活性剤への代替が求められている。
このため、特許文献2〜4に例示する各種のポリオキシアルキレン脂肪族エーテル系界面活性剤が提案されている。
しかし、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル系界面活性剤は、熱分解温度が低いため、焼付け工程中で熱分解ガスが急激に発生し、PTFE塗膜の密着性や耐薬液性が低下する場合があった。乾燥工程と焼付け工程との間に200〜300℃の予備焼成工程を導入すれば改善されるが、当該設備の導入および厳密な温度コントロールが必要となる問題がある。
また、界面活性剤の配合量を少なくすれば熱分解ガスの発生量も減少するが、PTFE塗膜にクラックが発生しやすくなり、PTFE水性分散液の保存安定性が低下する問題もある。
特公昭45−39829号公報 特開昭47−6538号公報 特開平8−269285号公報 特開平11−152385号公報
本発明は、アルキルフェノールを原料としない界面活性剤を使用し、PTFE塗膜の密着性や耐薬液性やクラック発生の問題がなく、優れた塗膜が得られるPTFE水性分散液およびそれを用いて得られる被覆物品の提供を目的とする。
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン微粒子が分散されている水性乳化重合液に、質量半減温度が200〜300℃の範囲にある低温熱分解型非イオン系界面活性剤がポリテトラフルオロエチレンに対して1〜10質量%、質量半減温度が320〜400℃の範囲にある高温熱分解型非イオン系界面活性剤がポリテトラフルオロエチレンに対して1〜10質量%配合されており、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の含有量が30〜70質量%であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン水性分散液を提供する。
また、本発明は、上記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液において、質量半減温度が200〜300℃の範囲にある低温熱分解型非イオン系界面活性剤と質量半減温度が320〜400℃の範囲にある高温熱分解型非イオン系界面活性剤の配合割合が質量比で20:80〜80:20であるポリテトラフルオロエチレン水性分散液を提供する。
また、本発明は、上記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液において、質量半減温度が200〜300℃の範囲にある低温熱分解型非イオン系界面活性剤が一般式(1)で表される化合物であり、質量半減温度が320〜400℃の範囲にある高温熱分解型非イオン系界面活性剤が一般式(2)で表される化合物であるポリテトラフルオロエチレン水性分散液を提供する。
Figure 2006083201
(式中、Rは炭素数8〜18の1級または2級の飽和アルキル基であり、Aはオキシエチレン基数5〜20およびオキシプロピレン基数0〜2からなるポリオキシアルキレン基である。)
Figure 2006083201
(Rは炭素数7〜19の飽和または不飽和アルキル基であり、X、YおよびZはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基またはオキシエチレン基およびオキシプロピレン基を含有するポリオキシアルキレン基であり、X、YおよびZのポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基およびポリオキシアルキレン基におけるオキシエチレン基数およびオキシプロピレン基数の合計数は2〜40であり、m、nおよびpはそれぞれ0または1である。)
また、本発明は、上記のポリテトラフルオロエチレン水性分散液を物品に被覆し、ポリテトラフルオロエチレンの被覆層を形成させていることを特徴とする被覆物品を提供する。
本発明のPTFE水性分散液は、物品に塗布して乾燥、焼付けを施して被覆物品を得る場合に、焼付け工程での熱分解ガスの急激な発生が緩和されるために、塗膜の密着性や薬液遮断性が良好であり、クラックの発生を防止できる。
本発明のPTFE水性分散液に含有されるPTFEは、乳化重合法で得られるPTFE微粒子である。PTFE微粒子の平均粒径は0.1〜0.5μmが好ましく、0.15〜0.4μmがより好ましく、0.2〜0.35μmが特に好ましい。平均粒径がこの範囲より小さいと製造時の収量が低く、この範囲より大きいとPTFE微粒子が沈降しやすく保存安定性が充分でない場合がある。この範囲にあると、製造時の収量が高く、保存安定性にも優れる。該PTFE微粒子は、乳化重合法により製造でき、たとえば、ふっ素樹脂ハンドブック(里川編、日刊工業新聞社、1990年)の第28頁に記載されるような公知の乳化重合法により製造できる。
本発明において、PTFEの平均分子量は、50万〜3000万が好ましく、80万〜1500万がより好ましく、100万〜1200万が特に好ましい。平均分子量がこの範囲より低いと塗膜の密着性や機械的強度が低下する。また、平均分子量がこの範囲より高いものは工業的に製造が困難である。なお、PTFEの平均分子量は、前述のふっ素樹脂ハンドブックの第36頁に記載のように、示差熱分析で測定される結晶化熱から計算される値である。
本発明において、PTFEには、TFEの単独重合体のみでなく、クロロトリフルオロエチレン等のハロゲン化エチレン、ヘキサフルオロプロピレン等のハロゲン化プロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等のフルオロビニルエーテル等のコモノマーの微量を含有する、実質的に溶融加工できない、変性PTFEも含まれる。
本発明において、PTFE水性分散液のPTFE微粒子濃度は30〜70質量%であり、40〜68質量%が好ましく、40〜65質量%がより好ましい。PTFE濃度がこの範囲より低いと、PTFE水性分散液の粘度が低く、保存安定性が充分でない。また、この範囲より高いと水性分散液の製造時の濃縮工程での歩留まりが低い。この範囲であると、PTFE微粒子の分散安定性が良く、濃縮工程での歩留まりが高い。
本発明のPTFE水性分散液には、質量半減温度が200〜300℃の範囲にある低温熱分解型非イオン系界面活性剤、および質量半減温度が320〜400℃の範囲にある高温熱分解型非イオン系界面活性剤が含有される。
本発明において、重量半減温度とは、熱分析装置を用いて、界面活性剤を空気雰囲気中で毎分10℃で昇温させたときの、質量残存率が50%となる温度を意味する。
PTFE水性分散液の安定剤として、低温熱分解型非イオン系界面活性剤が単独で使用された場合には、焼付け工程中で界面活性剤の熱分解ガスが急激に発生するため、塗膜の密着性や耐薬液性が低下する。一方、高温熱分解型非イオン系界面活性剤が単独で使用された場合には、熱分解温度が高すぎるために、焼付け工程での界面活性剤の熱分解が不充分となり、塗膜の着色が起こり易く、耐薬液性が低下しやすい。本発明のように、低温熱分解型非イオン系界面活性剤と高温熱分解型非イオン系界面活性剤とを併用すると、高温熱分解型非イオン系界面活性剤の熱分解の温度範囲が広くなるため、焼付け工程での界面活性剤の熱分解ガスの急激な発生がなく、良好なPTFE塗膜を得ることができる。
本発明において使用する低温熱分解型非イオン系界面活性剤は、質量半減温度が200〜300℃の範囲にあるものであり、220〜290℃の範囲にあるものが好ましく、240〜280℃の範囲にあるものがより好ましい。低温熱分解型非イオン系界面活性剤の質量半減温度がこの範囲より低いと、焼付け工程での熱分解ガスの急激な発生が生じPTFE塗膜の密着性や耐薬液性が低下する。また、この範囲より高いと界面活性剤の熱分解が不充分となり、PTFE塗膜の着色や物性低下を生ずる。
本発明において使用する低温熱分解型非イオン系界面活性剤の含有量は、PTFE質量に対して1〜10質量%であり、1.5〜8質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。この範囲より少ない場合、PTFE塗膜にクラックを生ずるため好ましくない。また、この範囲より多いと焼付け工程での熱分解ガスの急激な発生があり好ましくない。
本発明において使用する低温熱分解型非イオン系界面活性剤としては、一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン脂肪族エーテル系界面活性剤が、PTFE微粒子の安定化効果が高く、ぬれ性が良好であり好ましい。
Figure 2006083201
(式中、Rは炭素数8〜18の1級または2級の飽和アルキル基であり、Aはオキシエチレン基数5〜20およびオキシプロピレン基数0〜2からなるポリオキシアルキレン基である。)
一般式(1)において、疎水基である1級または2級の飽和アルキル基の炭素数は8〜18の範囲が本発明に適しているが、炭素数10〜16が好ましく、炭素数12〜15がより好ましい。飽和アルキル基が短かすぎるとPTFE水性分散液のぬれ性が低下し、逆に飽和アルキル基が長すぎるとPTFE水性分散液の粘度が不安定になる。また、飽和アルキル基が分岐している場合、塗布時にはじきやあばたや厚みむら等の不具合を生じにくく好ましい。
一般式(1)において、親水基であるAは、オキシエチレン基数5〜20およびオキシプロピレン基数0〜2からなるポリオキシアルキレン基である。オキシエチレン基数は7〜12の場合がぬれ性が好ましく、特にオキシプロピレン基数1〜2の場合、消泡性が良く好ましい。オキシエチレン基数が多すぎるとPTFE水性分散液のぬれ性が低下し、オキシエチレン基数が少なすぎるとPTFE水性分散液の粘度が不安定になるため好ましくない。
本発明で用いることのできる低温熱分解型非イオン系界面活性剤の具体例としては、たとえば、C1327O(CO)9−10H、C1021CH(CH)CHO(CO)10H、C13CH(C13)O(CO)H、C1021CH(CH)CHO(CO)10H、C1021CH(CH)CHO(CO)OH、C1225O(CO)H、C17O(CO)Hなどの分子構造をもつ界面活性剤が挙げられる。
本発明において、界面活性剤は一定の分布を有する複数物質であってもよく、界面活性剤を構成する、アルキル基の炭素原子数やオキシエチレン基数やオキシプロピレン基数などは、各分布における平均値を意味する。また、各数値は整数に限らない。また、本発明において使用する界面活性剤は、市販のものを単独もしくは複数種混合して使用することができる。
本発明において使用する高温熱分解型非イオン系界面活性剤は、質量半減温度が320〜400℃の範囲にあるものであり、330〜380℃の範囲にあるものが好ましく、340〜370℃の範囲にあるものがより好ましい。質量半減温度がこの範囲より低いと、焼付け工程で界面活性剤の熱分解ガスが急激に発生しやすく好ましくない。また、この範囲より高いと、熱分解しにくいため、PTFE塗膜の着色やPTFE塗膜の物性低下を生ずる。
本発明において使用する高温熱分解型非イオン系界面活性剤の含有量は、PTFE質量に対して1〜10質量%であり、1.5〜8質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。この範囲より少ない場合、PTFE塗膜にクラックを生ずるため好ましくない。また、この範囲より多いと、PTFE塗膜の着色や、PTFE塗膜物性の低下を生ずる。
また、質量半減温度が200〜300℃の範囲にある低温熱分解型非イオン系界面活性剤と質量半減温度が320〜400℃の範囲にある高温熱分解型非イオン系界面活性剤の配合割合は、質量比で20:80〜80:20の範囲であることが好ましく、30:70〜70:30の範囲であることがより好ましく、40:60〜70:30の範囲であることが特に好ましい。
本発明において使用する高温熱分解型非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪族エステル系界面活性剤、ポリオキシアルキレン不飽和脂肪族エステル系界面活性剤、ポリオキシアルキレン不飽和脂肪族エステル系界面活性剤が好ましく挙げられ、いずれか単独または混合して使用できる。
本発明において使用できるポリオキシアルキレンソルビタン脂肪族エステル系界面活性剤とは、ソルビタンに炭素数8〜20の脂肪酸を1〜3モル縮合反応させ、さらにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを0〜40モル付加反応させた界面活性剤である。ソルビタンはソルビットを脱水させて得られる環状構造を有する異性体の混合物であり、分子中に4基の水酸基を有している。
この水酸基に脂肪酸を縮合反応させ、さらにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させたものがポリオキシアルキレンソルビタン脂肪族エステル系界面活性剤であるが、多数の異性体が存在する。代表的な構造例を一般式(2)に示すが、アルキル基やポリオキシエチレン基やポリオキシプロピレン基やポリオキシアルキレン基の付加位置は一定ではなく、多数の異性体が存在するため、本発明のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪族エステル系界面活性剤の化学構造は一般式(2)には限定されない。一般式(2)以外のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪族エステル系界面活性剤としては、界面活性剤入門(三洋化成工業(株)発行、発行日1981年10月)の第115〜119頁に記載されているものなどが挙げられる。
Figure 2006083201
(式中、Rは炭素数7〜19の飽和または不飽和アルキル基であり、X、YおよびZはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基またはオキシエチレン基およびオキシプロピレン基を含有するポリオキシアルキレン基であり、X、YおよびZのポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基およびポリオキシアルキレン基におけるオキシエチレン基数およびオキシプロピレン基数の合計数は2〜40であり、m、nおよびpはそれぞれ0または1である。)
本発明において使用できるポリオキシアルキレンソルビタン脂肪族エステル系界面活性剤において、付加されたアルキル基は1級であっても2級であってもよく、飽和アルキル基であっても不飽和アルキル基であってもよい。アルキル基の炭素数は7〜19の範囲が本発明に適しているが、炭素数10〜18が好ましく、より好ましくは炭素数12〜17である。アルキル基が短いとPTFE水性分散液のぬれ性が低下し、逆にアルキル基が長すぎるとPTFE水性分散液の粘度が不安定になる。また、アルキル基が分岐している場合、塗布時にはじきやあばたや厚みむら等の不具合を生じにくく好ましい。
本発明において使用できるポリオキシアルキレンソルビタン脂肪族エステル系界面活性剤において、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基またはポリオキシアルキレン基を示すX、YおよびZにおけるオキシエチレン基およびオキシプロピレン基の合計数は2〜40が好ましく、オキシエチレン基数が2〜30でありオキシプロピレン基数が0〜5が好ましく、オキシエチレン基数が2〜25でありオキシプロピレン基数が0〜2が特に好ましい。X、YおよびZにおけるオキシエチレン基およびオキシプロピレン基の合計数が大きすぎるとPTFE水性分散液のぬれ性が低下する。
本発明において使用できるポリオキシアルキレンソルビタン脂肪族エステル系界面活性剤の具体例として、ソルビタンにラウリン酸を縮合させたソルビタンラウリン酸モノエステル(花王製、商品名「レオドールSP−L10」)、ソルビタンにオレイン酸を縮合させたソルビタンオレイン酸モノエステル(花王製、商品名「レオドールSP−O10V」)、ソルビタンにラウリン酸1モルおよびエチレンオキシドを6モル付加させたポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸モノエステル(花王製、商品名「レオドールTW−L106」)、ソルビタンにオレイン酸1モルおよびエチレンオキシドを20モル付加させたポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸モノエステル(花王製、商品名「レオドールTW−O120V」)などが挙げられる。
本発明において使用するポリオキシアルキレン不飽和脂肪族エステル系界面活性剤は、一般式(3)で示される。
COO−L−H (3)
(式中、Rは炭素数7〜19の不飽和アルキル基であり、Lはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基またはオキシエチレン基およびオキシプロピレン基を含有するポリオキシアルキレン基であり、Lにおけるオキシエチレン基およびオキシプロピレン基の合計数は2〜40である。)
一般式(3)において、Rの炭素数は7〜19の範囲が本発明に適しているが、炭素数10〜18が好ましく、より好ましくは炭素数12〜17である。アルキル基が短かすぎるとPTFE水性分散液のぬれ性が低下し、逆にアルキル基が長すぎるとPTFE水性分散液の粘度が不安定になる。また、アルキル基が分岐している場合、塗布時にはじきやあばたや厚みむら等の不具合を生じにくく好ましい。
一般式(3)における不飽和基は、エチレン基またはアセチレン基であり、不飽和アルキル基中の不飽和基の個数および位置は特に限定されない。一般式(3)における不飽和アルキル基は、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸の不飽和アルキル基部分である、CH(CHCH=CH(CH−、CH(CHCH=CHCHCH=CH(CH−、CHCHCH=CHCHCH=CHCHCH=CH(CH−である場合、入手が容易であり、本発明において使用するのに好ましい。
一般式(3)において、一般式(3)において、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン基またはオキシエチレン基およびオキシプロピレン基を含有するポリオキシアルキレン基を示すLにおいて、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基の合計数は5〜30が好ましく、オキシエチレン基数が6〜25でありオキシプロピレン基数が0〜5が好ましく、オキシエチレン基数が7〜20でありオキシプロピレン基数が0〜2が特に好ましい。ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基またはポリオキシアルキレン基が大きすぎるとPTFE水性分散液のぬれ性が低下する。また、小さすぎるとPTFE水性分散液の粘度が不安定になるため好ましくない。
一般式(3)の界面活性剤の具体例として、C1733COO(CO)10H、C1733COO(CO)12H、C1733COO(CO)12OH、C1731COO(CO)10H、C1731COO(CO)12(CO)Hなどが挙げられる。
本発明において使用するポリオキシアルキレン不飽和脂肪族エーテル系界面活性剤は、一般式(4)で示される。
O−M−H (4)
(式中、Rは炭素数8〜20の不飽和アルキル基であり、Mはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基またはオキシエチレン基およびオキシプロピレン基を含有するポリオキシアルキレン基であり、Mにおけるオキシエチレン基およびオキシプロピレン基の合計数は2〜40である。)
一般式(4)において、Rとして示す不飽和アルキル基は1級であっても2級であってもよい。Rの炭素数は8〜20の範囲が本発明に適しているが、炭素数11〜19が好ましく、炭素数12〜18がより好ましい。アルキル基が短かすぎるとPTFE水性分散液のぬれ性が低下し、逆にアルキル基が長すぎるとPTFE水性分散液の粘度が不安定になる。また、アルキル基が分岐している場合、塗布時にはじきやあばたや厚みむら等の不具合を生じにくく好ましい。一般式(4)における不飽和基は、エチレン基またはアセチレン基であり、不飽和アルキル基中の個数および位置は特に限定されない。
一般式(4)における不飽和アルキル基は、CH(CHCH=CH(CH−、CH(CHCH=CHCHCH=CH(CH−、CHCHCH=CHCHCH=CHCHCH=CH(CH−である場合、入手が容易であり、本発明において使用するのに好ましい。
一般式(4)において、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基またはポリオキシアルキレン基を示すMにおいて、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基の合計数は5〜30が好ましく、ポリオキシエチレン基数が6〜25でありポリオキシプロピレン基数が0〜5が好ましく、ポリオキシエチレン基数が7〜20でありポリオキシプロピレン基数が0〜2が特に好ましい。ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基またはポリオキシアルキレン基が大きすぎるとPTFE水性分散液のぬれ性が低下する。また、小さすぎるとPTFE水性分散液の粘度が不安定になるため好ましくない。ポリオキシアルキレン基においてオキシエチレン基およびオキシプロピレン基の両方が存在する場合は、ブロック構造が好ましい。
本発明で用いられる一般式(4)で表わされるポリオキシアルキレン不飽和脂肪族エーテル系界面活性剤の具体例としては、C1835O(CO)12H、C1833O(CO)12H、C1835O(CO)12OH、C1833O(CO)12OHなどが挙げられる。
低温熱分解型非イオン系界面活性剤および高温熱分解型非イオン系界面活性剤を合計した界面活性剤の総重量中で、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基の合計含有量は、45〜80質量%の範囲が好ましく、50〜75質量%の範囲がより好ましく、55〜70質量%の範囲が特に好ましい。
本発明のPTFE水性分散液は、TFEの乳化重合で得られたPTFE濃度が10〜40質量%の乳化重合液に界面活性剤を添加し、公知の電気濃縮法、加熱濃縮法、その他の方法で濃縮した後に、界面活性剤や水を追加配合して得られる。界面活性剤は、低温熱分解型非イオン系界面活性剤を加えて濃縮した後に高温熱分解型非イオン系界面活性剤を加えてもよく、高温熱分解型非イオン系界面活性剤を加えて濃縮後に低温熱分解型非イオン系界面活性剤を加えてもよく、高温熱分解型非イオン系界面活性剤および低温熱分解型非イオン系界面活性剤の混合物を各工程で加えてもよいが、低温熱分解型非イオン系界面活性剤を主に使用して濃縮することが、濃縮工程が安定するため好ましい。なお、界面活性剤を添加する乳化重合液には、TFEの乳化重合時に使用したフッ素系界面活性剤が含まれていてもよい。このようなフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロオクタン酸アンモニウムなどが挙げられる。
本発明のPTFE水性分散液には水が含有されるが、この水はPTFE乳化重合液に含まれる水であってもよく、濃縮工程後に追加される水であってもよい。
なお、本発明において、PTFE水性分散液には、フッ素化された脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合系界面活性剤等の非イオン系界面活性剤、ポリエチレンオキサイド系増粘剤、ポリウレタン会合型増粘剤、シリコーン系添加剤、フッ素系添加剤、防腐剤、などが微量含有されていてもよい。
通常、乳化重合で得られるPTFE水性分散液のpHは2〜4程度であるが、PTFE水性分散液の粘度安定化および保存安定性のため、pHは8.0〜11.0にすることが好ましく、9.0〜11.0のpHがさらに好ましい。pHの調整のためには、アンモニアやアンモニア水の添加が好ましい。
本発明のPTFE水性分散液の粘度は、通常100mPa・sが好ましく、3〜70mPa・sがより好ましく、5〜50mPa・sが特に好ましい。
本発明のPTFE水性分散液には、各種配合剤や水を加え、水性塗料や水性混合物としても使用できる。
配合剤としては、水性アクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、水性アクリルシリコーン樹脂、水性アルキド樹脂、水性紫外線硬化樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性エポキシ樹脂、等の塗料成分が挙げられる。また、塗料成分に加えて、フッ素系やシリコーン系等の非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、チキソトロピ性付与剤、無機塩類、水溶性有機溶剤、トルエン、キシレン等の有機溶媒、アンモニア等の防腐剤、レベリング剤、酸化チタン、酸化カドミウム、酸化鉄、酸化クロム等の顔料、コバルトブルー、カーボンブラック、硝子粉末、中空ガラスビーズ、黒鉛微粒子、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、雲母又は酸化チタン被覆雲母粉末等の着色剤等、を併用できる。
本発明の被覆物品は、PTFE水性分散液を物品に被覆し、PTFEの被覆層を形成させていることにより得られる。
たとえば、PTFE水性分散液を物品に塗布後、塗布層を乾燥させ、乾燥後に塗布層に焼付けを施してPTFEの被覆層を形成させた被覆物品を得ることができる。乾燥は、種々の温度範囲で行うことができるが、80〜110℃が好ましい。PTFE水性分散液の塗布層の焼付けは、PTFEが熱分解して劣化しないように好ましくは330〜500℃の範囲、より好ましくは360〜390℃で行なわれる。物品としては、たとえば、ガラス繊維布、カーボン繊維布、アラミド繊維布などの耐熱繊維布や、アルミニウム板、鉄板、ステンレス板などの金属板や、ガラス板、アルミナ板、ジルコニア板などの耐熱基材などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、例1〜4が実施例であり、例5〜7は比較例である。使用した界面活性剤の分子構造を表1に示す。また、サンプルの作製方法及び各項目の評価方法を以下に示す。
Figure 2006083201
注)表中、C1327O(CO)OHは、C1021CH(CH)CHO(CO)OH(分岐)とC1327O(CO)OH(直鎖)の質量比1:1の混合物である。
[界面活性剤の質量半減温度]パーキンエルマー社製熱分析装置(TGA7)を用い、白金容器に入れた約10ミリグラムの界面活性剤を、空気雰囲気中で毎分10℃で昇温させ、熱分解曲線を得たのち、質量残存率が50%となる温度を読み取った。
[PTFE濃度及び界面活性剤濃度]JIS K6893に準じて、PTFE水性分散液または濃度液の10gをアルミ皿にとり、120℃で1時間乾燥後の残存質量%のx及び380℃で35分焼付け後の残存質量%のyを求めた。yをPTFE濃度(%)とした。また、(x−y)/x×100を界面活性剤濃度(%/PTFE)とした。なお、濃縮液に添加した界面活性剤の濃度は、添加量をそのまま界面活性剤濃度と見なした。
[粘度]ブルックフィールド型粘度計を用い、23℃60rpmでの粘度を測定した。
[pH]JIS K6893に準じて、ガラス電極を用いたpHメーター(堀場製作所製)を使用し、23℃で測定した。
[PTFEの平均分子量]120℃1時間乾燥後380℃で35分乾燥後のPTFEの10mgを採取し、示差熱分析装置(SSC5200、セイコー電子社製)を用いて、380℃から室温まで10℃/分で冷却したときの295℃と325℃の間に生ずる結晶化熱を測定し、下記式(5)から平均分子量を算出した。
M=2.1×1010ΔHc−5.16 式(5)
ここで、Mは平均分子量、ΔHcは結晶化熱(cal/g)である。
[PTFEの平均粒径]PTFE水性分散液を希釈し、レーザー散乱方式の粒度測定機(LA920、堀場製作所製)を使用して得られたメジアン径を平均粒径とした。
[クラック限界厚]10cm角で厚み0.5mmの平滑かつ清浄なアルミ板上に2ccのPTFE水性分散液を滴下し、塗布クリアランスが0〜200μmの間で連続的に変化する塗布用アプリケーターを用いて塗付し、120℃で1時間乾燥後、380℃で35分間焼付けた。厚く塗布された部分にクラックが発生し塗膜が薄くなるにつれて消えるが、クラックの消えた個所の厚みをパーマスコープを用いて5ヶ所測定し平均値を求めた。
[PTFE塗膜の色]縦10cm横5cm厚み0.1mmのあらかじめ400℃1時間カラ焼きしたガラス繊維布を、PTFE水性分散液に浸漬後垂直に引き上げ、120℃オーブンで10分間乾燥し、380℃で10分間焼付けた。このガラス繊維布に対し、スガ試験機製カラーコンピューターSM5−IS2Bで色相値Labを測定した。なお黄色の着色度を示すbの値が3.5以上の場合は不良とした。
[PTFE塗膜の外観]縦10cm横5cm厚み0.5mmのサンドブラスト加工したアルミ板を、PTFE水性分散液に浸漬後、垂直に引き上げ、120℃オーブンで10分間乾燥し、380℃で10分間焼付けた。アルミ板上に形成されたPTFE塗膜の均一性について、目視観察を行なった。
[PTFE塗膜の密着性]アルミ板上に焼付けられたPTFE塗膜に対し、JIS K5400に準じ、1mm角でクロスカットされた100マスのPTFE塗膜に対し、セロテープ剥離後の残存率を調べた。残存率が95%以下は不良とした。
[PTFE塗膜の耐薬液性]PTFE塗膜が焼付けられたアルミ板のエッジ部をマスキングし、5%塩酸水溶液に2時間浸漬し、PTFE塗膜の剥がれの有無を調べた。
[例1]
乳化重合により、PTFE平均分子量が315万であり、PTFE微粒子の平均粒径が0.25μmであり、PTFE濃度が25質量%であり、pHが3.2であり、パーフルオロオクタン酸アンモニウムをPTFEに対し約2000ppm含有する乳化重合液(A)を得た。この乳化重合液(A)に対して、表1に示す界面活性剤(a)をPTFEに対して4質量%添加し、電気濃縮法で濃縮した後、濃度が28質量%であるアンモニア水を0.3質量%添加し、PTFE濃度が66.0質量%であり界面活性剤(a)濃度がPTFEに対して2.5質量%である濃縮液(B)を得た。濃縮液(B)に、表1に示す界面活性剤(e)をPTFEに対して2.5質量%添加し、水を添加して、PTFE濃度が60質量%でありpHが9.4であるPTFE水性分散液(1)を得た。
このPTFE水性分散液(1)を塗布し焼付けたガラス繊維布は、ほとんど着色が認められず外観が良好であった。また、PTFE水性分散液(1)を塗布し焼付けたアルミ板は、密着性が良好であり、耐薬液性も良好であった。結果を表2に示す。
[例2]
例1と同じ乳化重合液(A)に、表1に示す界面活性剤(b)をPTFEに対して4質量%添加し、電気濃縮法で濃縮後、アンモニア水0.3質量%を添加し、PTFE濃度が66.2質量%であり界面活性剤(b)濃度がPTFEに対して2.4質量%である濃縮液(C)を得た。この濃縮液(C)に、界面活性剤(b)をPTFEに対して2.6質量%追加し、表1に示す界面活性剤(h)をPTFEに対して5.0質量%添加し、さらに水を添加してPTFE濃度が55質量%でありpHが9.3であるPTFE水性分散液(2)を得た。
このPTFE水性分散液(2)を塗布し焼付けたガラス繊維布は、ほとんど着色や黄変が認められず外観良好であった。また、PTFE水性分散液(2)を塗布し焼付けたアルミ板は、密着性および耐薬液性が良好であった。結果を表2に示す。
[例3]
例1と同じ濃縮液(B)に、界面活性剤(a)をPTFEに対して0.5質量%追加し、表1に示す界面活性剤(i)をPTFEに対して2.0質量%添加し、水を添加してPTFE濃度が60質量%でありpHが9.4であるPTFE水性分散液(3)を得た。このPTFE水性分散液(3)を塗布し焼付けたガラス繊維布やアルミ板の評価結果は良好であった。結果を表2に示す。
[例4]
例1と同じ乳化重合液(A)に、表1に示す界面活性剤(c)をPTFEに対して5質量%添加し、電気濃縮法で濃縮後、アンモニア水0.3質量%を添加し、PTFE濃度が65.8質量%であり界面活性剤(c)濃度がPTFEに対して2.7質量%である濃縮液(D)を得た。この濃縮液(D)に、表1に示す界面活性剤(f)をPTFEに対して2.8質量%添加し、さらに表1に示す界面活性剤(g)をPTFEに対して1.0質量%添加し、水を添加して、PTFE濃度が60質量%でありpHが9.4であるPTFE水性分散液(4)を得た。このPTFE水性分散液を塗布し焼付けたガラス繊維布やアルミ板の評価結果は良好であった。結果を表2に示す。
[例5]
例1と同じ濃縮液(B)に、水を添加して、PTFE濃度が60質量%であるPTFE水性分散液(5)を得た。このPTFE水性分散液(5)のクラック限界厚は8.2μmと小さかった。またPTFE水性分散液(5)を塗布し焼付けたアルミ板にはクラックが発生し、耐薬液性も好ましくなかった。結果を表2に示す。
[例6]
例1と同じ乳化重合液(A)に、表1に示す界面活性剤(e)をPTFEに対して4.5質量%添加し、電気濃縮法で濃縮後、アンモニア水0.3質量%を添加し、PTFE濃度が65.5質量%であり界面活性剤(e)濃度がPTFEに対して2.4質量%である濃縮液(E)を得た。この濃縮液(E)に、界面活性剤(e)をPTFEに対して3.7質量%添加し、水を添加してPTFE濃度が60質量%でありpHが9.2であるPTFE水性分散液(6)を得た。
このPTFE水性分散液(6)を塗布し焼付けたガラス繊維布は、黄変が認められ、色相を示すb値が5.35と大きく、好ましくなかった。このPTFE水性分散液(6)を塗布し焼付けたアルミ板の耐薬液性も好ましくなかった。結果を表2に示す。
[例7]
例6と同じ濃縮液(E)に、表1に示す界面活性剤(d)をPTFEに対して3.0質量%添加し、水を添加して、PTFE濃度が60質量%でありpHが9.4であるPTFE水性分散液(7)を得た。このPTFE水性分散液(7)を塗布し焼付けたアルミ板は、密着性が不良であり、耐薬液性も好ましくなかった。結果を表2に示す。


Figure 2006083201
本発明のPTFE水性分散液は、そのまままたは配合剤を添加してPTFE水性分散液組成物として、調理器具の表面にPTFE塗膜を被覆焼付け加工する用途、ガラス繊維布やアラミド繊維布やカーボン繊維布などの耐熱性織布へコーティングし焼付け加工する用途に使用できる。
本発明のPTFE水性分散液は、ビスコース等の増粘成分を加え、凝固浴中に加圧紡出して繊維状体を形成し、加熱焼成してPTFE繊維を作製する用途にも有用である。
また、本発明のPTFE水性分散液は、化学肥料や石灰などの土壌改良剤やセメントなどと混練して発塵防止する用途、電池製造において二酸化マンガン等の活物質粉末と混練してフィブリル化させ電極基板に固定する用途、ガラス繊維編組紐や不織布などの多孔質体に吸収させ乾燥しパッキンに加工する用途など、従来PTFE水性分散液が利用されてきた多くの用途に使用できる。

Claims (4)

  1. ポリテトラフルオロエチレン微粒子が分散されている水性乳化重合液に、質量半減温度が200〜300℃の範囲にある低温熱分解型非イオン系界面活性剤がポリテトラフルオロエチレンに対して1〜10質量%、質量半減温度が320〜400℃の範囲にある高温熱分解型非イオン系界面活性剤がポリテトラフルオロエチレンに対して1〜10質量%配合されており、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の含有量が30〜70質量%であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
  2. 質量半減温度が200〜300℃の範囲にある低温熱分解型非イオン系界面活性剤と質量半減温度が320〜400℃の範囲にある高温熱分解型非イオン系界面活性剤の配合割合が質量比で20:80〜80:20である請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
  3. 質量半減温度が200〜300℃の範囲にある低温熱分解型非イオン系界面活性剤が一般式(1)で表される化合物であり、質量半減温度が320〜400℃の範囲にある高温熱分解型非イオン系界面活性剤が一般式(2)で表される化合物である請求項1または2に記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
    Figure 2006083201
    (式中、Rは炭素数8〜18の1級または2級の飽和アルキル基であり、Aはオキシエチレン基数5〜20およびオキシプロピレン基数0〜2からなるポリオキシアルキレン基である。)
    Figure 2006083201
    (式中、Rは炭素数7〜19の飽和または不飽和アルキル基であり、X、YおよびZはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基またはオキシエチレン基およびオキシプロピレン基を含有するポリオキシアルキレン基であり、X、YおよびZのポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基およびポリオキシアルキレン基におけるオキシエチレン基数およびオキシプロピレン基数の合計数は2〜40であり、m、nおよびpはそれぞれ0または1である。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液を物品に被覆し、ポリテトラフルオロエチレンの被覆層を形成させていることを特徴とする被覆物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113388428A (zh) * 2021-04-12 2021-09-14 西北大学 一种煤中低温热解半焦钝化组合物

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