(実施形態1)
図1に、本実施形態の電力システム1の概要構成を示す。電力システム1は、宅内に設置される様々な電気機器104によって消費される電力量を監視し、電気機器104の動作を制御する。
本実施形態では、電気機器104とは、具体的には、空気調和機104A、換気システム104B、電気調理器104C、給湯システム104Dである。ただし、電気機器104の種類はこれらに限られず、電気によって動作し、コントローラ105によって制御可能な機器であればよい。
電力システム1全体のうち、宅内ネットワークにある発電システム101と蓄電システム102と自立切替盤103と電気機器104とコントローラ105とからなる部分を宅内システム110という。宅内システム110を管理システムと呼ぶことがある。宅外ネットワークにあるサーバ130と端末装置140と通信ネットワーク150とからなる部分を宅外システム120という。
宅内ネットワークには、太陽光などを用いた発電システム101、蓄電池を備える蓄電システム102、外部の商用電源からの電力を導く宅外電力線と宅内電力線とを連結又は分離する自立切替盤103、一つ以上の電気機器104、コントローラ105が含まれる。
宅内電力線は、自立切替盤103を介して、外部の商用電源と接続される。
宅内ネットワークに含まれる上記各装置及びシステムは、宅内電力線に接続されており、商用電源と発電システム101と蓄電システム102とのうち少なくともいずれか一つから電力の供給を受けることにより動作する。
発電システム101と蓄電システム102と自立切替盤103と電気機器104は、それぞれ、図示しない無線通信装置を備え、無線によりコントローラ105と通信が可能である。ただし、通信の一部又は全部は有線により行われてもよい。
宅内電力線の複数箇所には、図示しない電力計測装置が設置されており、発電システム101から宅内電力線へ流れる電力量や、蓄電システム102から宅内電力線へもしくは宅内電力線から蓄電システム102へ流れる電力量、電気機器104により消費される電力量等が測定される。電力計測装置による計測結果はコントローラ105に送信される。
宅内システム110は、サーバ130と端末装置140と通信ネットワーク150とから構成される宅外システム120と繋がっている。通信ネットワーク150は、典型的にはインターネットである。ユーザは、宅内ネットワークにある電気機器104を、宅外ネットワークにある端末装置140を用いた遠隔操作により、宅内にいなくても、宅外から動作させることが可能である。
端末装置140は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット型端末等である。ユーザは、宅内はもちろんのこと、宅外に端末装置140を持ち歩き、端末装置140を使って電力システム1を遠隔操作することができる。
電力システム1の運転モードには、二種類の運転モードがある。一つは、自立切替盤103によって宅内電力線が商用電源と繋げられ、商用電源から電力の供給を受ける連携モードである。連携モードでは、発電システム101によって発電された電力を商用電源へ供給する(売電する)ことも可能である。
もう一つは、自立切替盤103によって宅内電力線が商用電源から切り離され、商用電源から電力の供給を受けずに、発電システム101によって発電された電力、及び/又は、蓄電システム102に蓄えられた電力を宅内に供給する自立モードである。
運転モードの切り替えは、自立切替盤103によって検出される、商用電源からの電力の供給状態を示す検出結果に基づいて、自立切替盤103によって行われる。典型的には、商用電源が停電すると自立モードに設定され、商用電源が停電していない間には連携モードに設定される。
次に、電気機器104のハードウェア構成について、図2を用いて説明する。ここでは、電気機器104として空気調和機104Aを採用する。空気調和機104Aは、室外機20と室内機30とから構成される。
室外機20は、部屋の外に設置される。圧縮機21は、供給された冷媒を圧縮し、例えばロータリー圧縮機、スクロール圧縮機から構成される。圧縮機21は、圧縮後の高温高圧の冷媒を、圧縮機21の吐出側の流路20Bを介して、四方弁22に吐出する。流路20Bには、吐出温度センサ25が配置されている。吐出温度センサ25は、圧縮機21から吐出された冷媒の温度を計測する。
四方弁22は、圧縮機21の下流側に設けられている。四方弁22は、冷媒の還流方向を切り替えることで、暖房運転サイクルと冷房運転サイクルとのいずれかに切り換える。四方弁22は、制御ユニット40によって制御される。
熱交換器23は、流入した冷媒を蒸発又は凝縮させることで、空気と熱交換させる。これにより、空気は冷却又は加熱される。例えば、冷房運転時においては、熱交換器23は、凝縮器として機能して、流入した冷媒を凝縮させる。また、暖房運転時においては、熱交換器23は、蒸発器として機能して、流入した冷媒を蒸発させる。
膨張弁24は、流入した冷媒を膨張させる。冷媒は等エンタルピ膨張し、低圧の冷媒に変化する。膨張弁24は、生成された低圧冷媒を、流路20Cを介して送出する。
室内機30は、室内に設置される。熱交換器31は、パイプの中を冷媒が通過することで、周囲の空気と熱交換して、冷媒を冷却又は加熱する。例えば、冷房運転時においては、熱交換器31は、蒸発器として機能して、流入した冷媒を蒸発させる。これにより、熱交換器31は、周囲の空気から熱を吸収し、周囲の空気を冷却する。また、暖房運転時においては、熱交換器31は、凝縮器として機能して、流入した気体冷媒を凝縮させる。これにより、熱交換器31は、周囲の空気に熱を放出し、周囲の空気を加熱する。
本実施形態においては、熱交換器31と流路30Aと、上述した室外機20の圧縮機21と四方弁22と熱交換器23と膨張弁24と吐出温度センサ25等によって、冷却サイクル回路50が構成される。
送風機32は、送風ファンと、送風ファンを回転するファンモータとを有する。送風機32は、送風ファンの回転により、熱交換器31によって熱交換された空気を室内に供給する。吹出口には、複数の風向板が取り付けられている。風向板は、送風機32からの空気の供給方向を制御する。送風機32からの空気は、吹出口から室内へ吹き出される。
温度湿度センサ34は、室内の温度と湿度を計測する。送風機32の送風ファンが回転すると、室内の空気は開口から取り入れられる。温度湿度センサ34は、室内機30に形成された開口の近傍に配置されており、室内の温度と湿度を精度良く計測できる。
室外機20の流路20Aと室内機30の流路30Aとは、接続配管11とフレアナット12とによって接続される。この接続配管11及びフレアナット12によって、冷却サイクル回路50は、外部から密閉された回路に構成される。また、室外機20の流路20Aには、閉止弁13が設けられている。閉止弁13は、冷却サイクル回路50の冷媒の流れを閉止したり、開放したりする。
制御ユニット40は、CPU(Central Processing Unit)、主記憶部、補助記憶部、コントローラ105と通信するための通信モジュール、及びこれら各部を相互に接続するバスを有する。制御ユニット40の主記憶部は、RAM(Random Access Memory)等から構成され、CPUの作業領域として用いられる。補助記憶部は、ROM(Read Only Memory)、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含む。制御ユニット40の補助記憶部は、CPUが実行するプログラム及び各種パラメータ等を記憶している。
制御ユニット40には、ケーブル等を介して、温度湿度センサ34と吐出温度センサ25が接続されている。制御ユニット40は、温度湿度センサ34からの室内の温度と湿度を示す信号と、吐出温度センサ25から吐出温度を示す信号とを取得する。
制御ユニット40は、四方弁22及び送風機32のファンモータに接続されている。制御ユニット40は、CPUの指示に基づいて四方弁22を制御し、冷媒の還流方向を切り替える。また、制御ユニット40は、CPUの指示に基づいて回転数に応じた電圧を加え、送風機32の送風ファンの回転を制御する。
制御ユニット40のCPUは、補助記憶部に記憶されたプログラムを実行し、上記各部の統括的な制御を行う。なお、制御ユニット40は、図1においては室外機20内に配置されているが、これに限られない。例えば、室外制御ユニットと室内制御ユニットとで構成され、室外機20に室外制御ユニットが、室内機30に室内制御ユニットが、それぞれに配置されてもよい。
このように構成された空気調和機104Aは、送風、冷房、除湿、暖房を行うことにより、室内の空気調和を行う。
次に、コントローラ105のハードウェア構成について、図3を用いて説明する。コントローラ105は、電力システム1の全体を監視し、制御する。
入力部301は、ボタン、キーボード、タッチパネル等の入力デバイスを備える。入力部301は、ユーザからの指示入力を受け付ける。
表示部302は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを備える。
記憶部303は、不揮発性メモリを備え、各種プログラムやデータを記憶する。
通信部304は、NIC(Network Interface Card)を備え、宅内ネットワークの各装置又はシステムと通信する。また、通信部304は、通信ネットワーク150を介してサーバ130と通信する。
制御部305は、CPU(Central Processing Unit)、オペレーティングシステム(OS)などのプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、ワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)等を備える。制御部305は、記憶部303に記憶されているプログラムを実行し、コントローラ105の全体を制御する。
なお、サーバ130のハードウェア構成もコントローラ105と同等であり、詳しい説明を省略する。サーバ130は、少なくとも、記憶部、通信部、制御部を備える。
次に、端末装置140のハードウェア構成について、図4を用いて説明する。
無線通信部401は、アンテナ421を用いて、無線通信により、通信ネットワーク150に接続されたサーバ130やその他のコンピュータと様々なデータを送受信する。
音声処理部402は、ユーザの発声音等をマイクロフォン423によって集音し、音声処理部402が備えるA/Dコンバータにより音声信号に変換して制御部407に入力する。また、音声処理部402は、記憶部406に記憶されている音声データをデコードして再生し、音声をスピーカ422に出力する。
表示部403は、制御部407又は表示部403が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって画像データを加工処理した後、フレームバッファに記録する。フレームバッファに記録された画像情報は、垂直同期などの予め定められた同期タイミングで画像信号に変換され、LCD(Liquid Crystal Display)424に出力される。LCD424の表面には、ユーザによる接触の有無や位置を検知する複数のタッチセンサを備えたタッチパネル425が重畳して配置されている。なお、LCD424とタッチパネル425を合わせてタッチスクリーンとも言う。
外部I/F404は、フラッシュメモリカード等の外部メモリ等と接続可能であり、データの入出力を行うことができる。また、外部I/F404は、USB(Universal Serial Bus)接続により端末装置140と外部機器とを接続して、外部機器との間でデータの入出力を行うことができるインタフェースを備える。なお、外部I/F404は、その他の外部機器との接続を可能にするインタフェースを更に備えていてもよい。
入力部405は、タッチパネル425からの操作信号を受け付けて、操作信号に対応するキーコード信号を制御部407に入力する。制御部407は、入力されたキーコード信号に基づいて操作内容を決定する。ユーザは、タッチパネル425を用いて任意の文字データを入力したり操作指示を入力したりすることができる。操作指示には、例えば、アプリケーションの起動や終了の指示、電気機器104を遠隔操作する指示等がある。
記憶部406は、ROM、RAMを備える。ROMには、端末装置140の全体の制御に必要なオペレーティングシステムやプログラム等が予め記憶される。RAMには、制御部407が行う処理に必要なデータやプログラム等が一時的に記憶される。また、RAMの一部領域は不揮発性メモリ領域になっており、端末装置140の設定データ、アドレス帳などの個人データ、ダウンロードしたデータ等を記憶する。
制御部407は、記憶部406に記憶されているOSやプログラムを実行し、端末装置140の全体を制御する。制御部407は、各部に制御信号およびデータを送信、または、各部から応答信号およびデータを受信する。
端末装置140として、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ等を用いることができる。
ユーザは、端末装置140を用いて、電気機器104を遠隔制御する指示を出すことができる。端末装置140は、遠隔操作の指示をユーザから受け付けると、操作対象の電気機器104を示すデータと操作内容を示すデータを含む遠隔操作コマンドをサーバ130へ送信する。サーバ130は、遠隔操作コマンドを端末装置140から受信すると、受信した遠隔操作コマンドが予め登録された端末装置140からのものであることを認証した後、コントローラ105へ転送する。遠隔操作コマンドを受信したコントローラ105は、遠隔操作コマンドに基づいて電気機器104を制御する。
本実施形態では、端末装置140は、遠隔操作コマンドをコントローラ105へ直接送信するのではなく、まず端末装置140がサーバ130へ遠隔操作コマンドを送信し、次にサーバ130が遠隔操作コマンドをコントローラ105へ送信する。ただし、端末装置140がサーバ130を介さず直接コントローラ105へ遠隔操作コマンドを送信するようにしてもよい。
次に、本実施形態の電力システム1によって行われる処理について説明する。
図5に、電力システム1の機能的な構成を示す。
コントローラ105は宅内の電気機器104等と通信する。また、コントローラ105は通信ネットワーク150を介してサーバ130と通信する。更には、端末装置140はサーバ130と通信する。コントローラ105と電気機器104との間、あるいは、コントローラ105とサーバ130との間、あるいは、サーバ130と端末装置140との間で、障害や故障により、一時的に通信できない状況が発生することがある。通信経路のどこかで通信障害が発生したまま電気機器104が何ら制限なく動作を可能とすると、思わぬ事故を招きかねない。そこで、本実施形態では、通信経路上で通信障害が発生した場合には、電気機器104は、なるべく安全を確保できるように、第1モードから、予め決められた第2モードへ、切り替える。
本実施形態では、コントローラ105とサーバ130との間で通信障害が発生した場合を例にとって詳しく説明する。
コントローラ105の制御部305は、通信部304を制御して、遠隔操作コマンドを受信したか否かにかかわらず定期的にサーバ130と通信する。コントローラ105の制御部305は、例えば10秒毎や1分毎というように、サーバ130と正常に通信が可能か否かを判別するために用いられるハートビート信号をサーバ130へ送信する。サーバ130は、ハートビート信号をコントローラ105から受信すると、レスポンス信号をコントローラ105へ送信する。
コントローラ105の制御部305は、ハートビート信号を送信した時刻から予め決められた閾時間以内に、ハートビート信号に対するレスポンス信号を受信すれば、コントローラ105とサーバ130との間に通信障害が発生していないと判別する。
コントローラ105の制御部305は、ハートビート信号を送信した時刻から予め決められた閾時間以内に、ハートビート信号に対するレスポンス信号を受信しないと、コントローラ105とサーバ130との間に通信障害が発生したと判別する。
なお、コントローラ105の制御部305は、レスポンス信号を閾時間以内に受信しない場合に、ハートビート信号の送信を予め決められた回数だけリトライし、それでもレスポンス信号を受信しないと、コントローラ105とサーバ130との間に通信障害が発生したと判別してもよい。
あるいは、サーバ130がコントローラ105へハートビート信号を定期的に送信してもよい。そして、コントローラ105の制御部305は、ハートビート信号をサーバ130から前回受信してから予め決められた閾時間以内に再びハートビート信号を受信しない場合に、コントローラ105とサーバ130との間に通信障害が発生したと判別してもよい。
コントローラ105の制御部305が、遠隔操作に用いられ、遠隔操作コマンドを送受信する通信経路上において、通信障害が発生したか否かを判別する通信状態判別部501として機能する。
なお、コントローラ105とサーバ130との間の通信経路そのものは正常であるものの、サーバ130がハングアップして無応答になった場合も、ハートビート信号の送受信とレスポンス信号の送受信が失敗する。このため、以下の説明において、コントローラ105とサーバ130との間の通信障害には、サーバ130がハングアップしたことによる障害も含まれる。
コントローラ105の制御部305は、コントローラ105とサーバ130との間に通信障害が発生したと判別すると、通信部304を制御して、通信障害が発生した旨の通知(以下「障害通知」という。)を電気機器104へ送信する。
障害通知には、障害が発生したと判別された時刻が含まれる。障害の原因が判明している場合には、コントローラ105の制御部305は、障害が発生した時刻だけでなく、障害の原因を示す情報を障害通知に含めて電気機器104へ送信する。
コントローラ105の制御部305は、通信障害が発生していない場合であっても、通信部304を制御して、通信障害が発生していない旨の通知(以下「非障害通知」という。)を電気機器104へ定期的に送信する。
つまり、予め決められた送信タイミングになると、コントローラ105の制御部305は、障害通知と非障害通知のうちいずれか一方を電気機器104へ送信する。制御部305は、通信障害が発生していれば障害通知を電気機器104へ送信し、通信障害が発生していなければ非障害通知を電気機器104へ送信する。送信タイミングは、例えば10秒毎や1分毎というように、予め決められた時間間隔おきに設定される。
障害通知又は非障害通知の送信タイミングの時間間隔は、上述のコントローラ105とサーバ130との間でハートビート信号とレスポンス信号が送受信される時間間隔よりも長いか、もしくは同じであることが望ましい。
コントローラ105の制御部305と通信部304が協働して、障害通知と非障害通知を電気機器104へ送信する送信部502として機能する。また、電気機器104の制御ユニット40が、障害通知と非障害通知をコントローラ105から受信する受信部503として機能する。
通信障害の発生は、ハートビート信号とレスポンス信号の送受信状況に基づいて検出されるだけでなく、遠隔操作コマンドの送受信時に検出されることもある。コントローラ105の制御部305は、遠隔操作コマンドのサーバ130からの受信後であって、電気機器104の第1モードから第2モードへの切り替え前に、コントローラ105とサーバ130との間に通信障害が発生したと判別すると、遠隔操作コマンドの電気機器104への送信を一時待機するか、もしくは、遠隔操作コマンドの電気機器104への送信を中止する。
遠隔操作コマンドの電気機器104への送信を一時待機する場合、コントローラ105の制御部305は、通信障害が発生したと判別した時刻から予め決められた待機時間以内に通信障害が復旧すれば、一時待機していた遠隔操作コマンドの電気機器104への送信を実行する。通信障害が発生したと判別した時刻から予め決められた待機時間以内に通信障害が復旧しなければ、コントローラ105の制御部305は、電気機器104へ、遠隔操作コマンドを送信せず、障害通知を送信する。
あるいは、コントローラ105の制御部305は、通信障害が発生したと判別した時刻から予め決められた待機時間以内に通信障害が復旧すると、遠隔操作を許可するか否かを、サーバ130を介して端末装置140へ問い合わせる。そして、制御部305は、遠隔操作を許可する旨の返答を、サーバ130を介して端末装置140から受信すると、一時待機していた遠隔操作コマンドの電気機器104への送信を実行する。遠隔操作を許可する旨の返答を、サーバ130を介して端末装置140から受信しないか、もしくは、遠隔操作を許可しない旨の返答を、サーバ130を介して端末装置140から受信すると、コントローラ105の制御部305は、障害通知を電気機器104へ送信する。
コントローラ105の制御部305は、通信障害が発生したと判別した時刻から予め決められた待機時間以内に通信障害が復旧し、遠隔操作コマンドを電気機器104へ送信し、遠隔操作コマンドに対するレスポンス信号を電気機器104から受信すると、通信障害の復旧後に遠隔操作を行った旨のレポートを、サーバ130を介して端末装置140へ送信してもよい。
次に、電気機器104の制御ユニット40は、障害通知又は非障害通知をサーバ130から受信すると、電気機器104の動作モードを、第1モードから、第1モードよりも機能が制限される第2モードへ、と切り替えるための切替条件が満たされるか否かを判別する。
第1モードは、通信障害が発生していない間に選択される動作モードであり、通常モードとも呼ばれる。第2モードは、通信障害が発生したときに、より安全性を確保することを目的とした、機能が制限される動作モードである。
電気機器104の制御ユニット40が、切替条件が満たされるか否かを判別する切替判別部504として機能する。
切替条件とは、具体的には、「通信障害が発生したと判別された時刻が、予め決められた期間内であること」である。制御ユニット40は、例えば毎日8時から20時までといったように、ユーザからの入力もしくは予め定められたアルゴリズムに基づいて、期間を設定する。そして、制御ユニット40は、通信障害が発生したと判別された時刻がこの期間内に含まれれば、切替条件が満たされたと判別し、第1モードから第2モードへと切り替える。通信障害が発生したと判別された時刻がこの期間内に含まれなければ、制御ユニット40は、切替条件が満たされていないと判別し、動作モードを切り替えない。
切替条件に、「切替条件の判別時に遠隔操作コマンドによる動作中である」という条件を含めてもよい。制御ユニット40は、遠隔操作コマンドによる動作中であって、且つ、通信障害が発生したと判別された時刻が、予め決められた期間内であれば、切替条件が満たされると判別してもよい。この場合、遠隔操作コマンドによらずに、ユーザが電気機器104の操作パネルを直接操作することにより第1モードで動作しているのであれば、通信障害が発生しても、第2モードに切り替わることはない。
切替条件は、「障害通知を受信してから、非障害通知を受信することなく、予め決められた時間以上が経過したこと」でもよい。制御ユニット40は、第1の時刻に障害通知を受信し、第1の時刻の後、非障害通知を受信することなく、予め決められた時間が経過すると、切替条件が満たされたと判別し、第1モードから第2モードへと切り替える。第1の時刻に障害通知を受信した後、予め決められた時間が経過していない第2の時刻に非障害通知を受信すると、制御ユニット40は、切替条件が満たされていないと判別し、動作モードを切り替えない。
切替条件は、「障害通知を閾回数以上続けて受信したこと」でもよい。例えば閾回数を二回としたとき、制御ユニット40は、第1の時刻に障害通知を受信し、第1の時刻より後の第2の時刻に、非障害通知を受信することなく、再び障害通知を受信すると、切替条件が満たされたと判別し、第1モードから第2モードへと切り替える。第1の時刻に障害通知を受信し、第2の時刻に非障害通知を受信すると、制御ユニット40は、切替条件が満たされていないと判別し、動作モードを切り替えない。
切替条件は、「障害通知又は非障害通知を前回受信してから予め決められた時間が経過しても、障害通知と非障害通知のいずれも受信しないこと」でもよい。制御ユニット40は、第1の時刻に障害通知を受信し、第1の時刻から予め決められた時間が経過した第2の時刻になっても、障害通知と非障害通知のいずれも受信しないと、切替条件が満たされたと判別し、第1モードから第2モードへと切り替える。あるいは、制御ユニット40は、第1の時刻に障害通知ではなく非障害通知を受信し、第2の時刻になっても障害通知と非障害通知のいずれも受信しないと、切替条件が満たされたと判別し、第1モードから第2モードへと切り替える。第1の時刻に非障害通知を受信し、第2の時刻に再び非障害通知を受信すると、制御ユニット40は、切替条件が満たされていないと判別し、動作モードを切り替えない。
切替条件はこれらに限定されない。また、切替条件が満たされるか否かを電気機器104が判別するタイミングは、障害通知をサーバ130から受信したときに限られない。例えば、制御ユニット40は、切替条件が満たされるか否かを判別するプログラムをバックグラウンドで常に実行していてもよい。
電気機器104の制御ユニット40は、切替条件が満たされるか否かを判別する判別処理の実行間隔を可変にしてもよい。制御ユニット40は、第1モード時において、実行間隔を標準値に設定して判別処理を実行する。一定期間、非障害通知を受信し続けると、制御ユニット40は、判別処理を実行する間隔を標準値より長い値に設定する。これにより、通信処理にかかる負荷や通信量を削減できる。
例えば、障害通知と非障害通知のどちらかが一分毎に送受信され、判別処理の実行間隔を同じく一分毎とする場合において、非障害通知を一時間受信し続けると、すなわち、連続して非障害通知を60回続けて受信すると、制御ユニット40は、判別処理の実行間隔を二分毎に延長する。これにより、通信の負荷は半分に減る。ただし、具体的な時間の長さは任意である。
制御ユニット40は、判別処理の実行間隔を延長可能な時間帯と延長不可能な時間帯とを設定し、延長可能な時間帯において非障害通知を一定期間受信し続けると、判別処理を実行する間隔を標準値より長い値に設定してもよい。一方、制御ユニット40は、延長不可能な時間帯において非障害通知を一定期間受信し続けても、判別処理を実行する間隔を延長せず標準値のままとしてもよい。
例えば、遠隔操作の指示が送受信される頻度が比較的高いと推定される昼間を延長不可能な時間帯に設定し、遠隔操作の指示が送受信される頻度が比較的低いと推定される夜間を延長可能な時間帯に設定する。ただし、それぞれの時間帯の定義は任意である。
制御ユニット40は、遠隔操作コマンドの受信履歴を記憶し、直近の予め決められた期間内(例えば過去一週間以内等)の受信履歴から、遠隔操作コマンドの受信回数が基準回数より多い時間帯を判別し、判別した時間帯を延長不可能な時間帯に設定し、他の残りの時間帯を延長可能な時間帯に設定してもよい。つまり、コントローラ105とサーバ130との間の通信頻度が比較的高い時間帯に、より安全を確保するために動作モードを切り替えやすくしてもよい。
あるいは、コントローラ105の制御部305は、一定期間、非障害通知を送信し続けると、障害通知又は非障害通知の送信間隔を標準値より長い値に設定してもよい。これに加え、電気機器104の制御ユニット40は、一定期間、非障害通知を受信し続けると、判別処理の実行間隔を標準値より長い値に設定してもよい。
なお、電気機器104の制御ユニット40は、障害通知を受信すると、障害が復旧したか否かの問い合わせを、障害が復旧するまでの間、コントローラ105へ繰り返し送信し、この問い合わせに対する応答に基づいて、切替条件が満たされるか否かを判別してもよい。
電気機器104の制御ユニット40は、切替条件が満たされると判別すると、第1モードから第2モードへ切り替える。第2モードにおける動作内容は、機器毎にあるいは機器の種類毎に異なっていてもよい。
電気機器104の制御ユニット40が、遠隔操作コマンドに基づいて動作し、切替条件が満たされると判別されると第1モードから第2モードへと切り替える動作部505として機能する。
本実施形態のように電気機器104が空気調和機である場合、制御ユニット40は、切替条件が満たされると判別すると、切替条件が満たされると判別した時刻から予め決められた猶予時間が経過した後、運転を停止させる。例えば、冷房運転中であれば、制御ユニット40は、猶予時間中は冷房運転を続けるものの、猶予時間の経過後に冷房運転を停止し、待機状態にする。
同じ空気調和機であっても、切替条件が満たされると判別すると直ちに運転を停止する空気調和機と、猶予時間の経過後に運転を停止する空気調和機とがあってもよい。
猶予時間の長さは任意である。猶予時間をゼロとすれば、制御ユニット40は、切替条件が満たされると判別すると直ちに運転を停止することになる。
例えば、電気機器104が換気システムである場合、制御ユニット40は、切替条件が満たされると判別すると、最低限確保しなければならない送風量に抑えて運転する。
例えば、電気機器104が電気調理器である場合、制御ユニット40は、切替条件が満たされると判別すると、直ちに運転を停止する。
例えば、電気機器104が給湯システムである場合、制御ユニット40は、切替条件が満たされると判別すると、遠隔操作を禁止し、ユーザによる直接的な指示のみ(給湯システムが有する操作パネルに対するユーザ操作のみ)を受け付ける。
このように、第2モードでは、制御ユニット40は、第1モードよりも一部又は全部の能力を制限して運転を続けるか、もしくは、運転を停止する。
制御ユニット40は、第1モードから第2モードへこれから切り替えることを示す切替通知(事前切替通知)、及び/又は、第1モードから第2モードへ切り替えたことを示す切替通知(事後切替通知)を、コントローラ105へ送信する。
電気機器104の制御ユニット40が、事前切替通知及び/又は事後切替通知をコントローラ105へ送信する送信部506として機能する。コントローラ105の制御部305が、事前切替通知及び/又は事後切替通知を電気機器104から受信する受信部507として機能する。
制御ユニット40は、第1モードから第2モードへ切り替える前に、第1モードから第2モードへ切り替える旨を、例えば警報音の再生、LED(Light Emitting Diodes)の点灯、画像の表示等により、ユーザに報知してもよい。
制御ユニット40は、第1モードから第2モードへ切り替える前に、端末情報に基づいて、第1モードから第2モードへ切り替える旨を予め登録された端末へ通知してもよい。制御ユニット40は、端末情報の登録をユーザから受け付け、端末情報を予め記憶しておけばよい。端末情報とは、例えば、端末名、IP(Internet Protocol)アドレス、電子メールアドレス、電話番号等である。
あるいは、制御ユニット40は、第1モードから第2モードへ切り替える前の代わりに、もしくは、第1モードから第2モードへ切り替える前に加えて、第1モードから第2モードへ切り替えた後に、第1モードから第2モードへ切り替えた旨を、例えば警報音の再生、LEDの点灯、画像の表示等により、ユーザに報知してもよい。
制御ユニット40は、第1モードから第2モードへ切り替える前の代わりに、もしくは、第1モードから第2モードへ切り替える前に加えて、第1モードから第2モードへ切り替えた後に、端末情報に基づいて、第1モードから第2モードへ切り替えた旨を予め登録された端末へ通知してもよい。
制御ユニット40は、第1モードから第2モードへ切り替える旨の事前切替通知、及び/又は、第1モードから第2モードへ切り替えた旨の事後切替通知を、宅内ネットワーク内にブロードキャストにて送信してもよい。この場合、制御ユニット40は、端末情報を予め記憶しなくてよい。
ブロードキャストにて送信される場合、切替通知は、第1モードから第2モードへ切り替える電気機器104以外の他の装置(例えば蓄電システム102等)にも送信される。切替通知を受信した他の装置は、電気機器104が第1モードから第2モードへ切り替えたことをユーザへ報知してもよい。これにより、ユーザが動作モードの切り替えを認識する機会が多くなり、動作モードの切り替えを周知させる効果が高まる。
制御ユニット40は、第1モードから第2モードへ切り替える旨の事前切替通知、及び/又は、第1モードから第2モードへ切り替えた旨の事後切替通知を、宅内ネットワーク10内にマルチキャストにて送信してもよい。切替通知の送信先には、少なくとも、コントローラ105が含まれるものとする。
次に、電力システム1によって行われる切替処理の流れについて、図6のフローチャートを用いて説明する。ここでは、切替処理の開始前、電気機器104が第1モード(通常モード)で運転中であるものとし、障害通知を受信すると、電気機器104が第1モードから第2モードに切り替える。
まず、コントローラ105の制御部305は、コントローラ105とサーバ130との間で正常に通信できるか否かを確認するために、ハートビート信号をサーバ130へ送信する(ステップS601)。サーバ130は、ハートビート信号をコントローラ105から受信する。
サーバ130は、ハートビート信号をコントローラ105から受信すると、ハートビート信号に対する応答としてレスポンス信号をコントローラ105へ送信する(ステップS602)。コントローラ105は、レスポンス信号をサーバ130から受信する。
ここで、もし、コントローラ105とサーバ130との間の通信に障害が発生すると、コントローラ105とサーバ130との間のハートビート信号及び/又はレスポンス信号の送受信が失敗し、コントローラ105はハートビート信号を送信した時刻(もしくは送信しようと試みた時刻)から閾時間が経過してもレスポンス信号を受信しないこととなる。
コントローラ105の制御部305は、コントローラ105とサーバ130との間の通信状態を判別する(ステップS603)。
すなわち、コントローラ105の制御部305は、ハートビート信号を送信した時刻から閾時間が経過するまでの間にレスポンス信号を受信しない場合、コントローラ105とサーバ130との間の通信に障害が発生したと判別し、ハートビート信号を送信した時刻から閾時間が経過するまでの間にレスポンス信号を受信した場合、コントローラ105とサーバ130との間の通信に障害が発生していないと判別する。
また、コントローラ105の制御部305は、ハートビート信号のサーバ130への送信に失敗した場合も、コントローラ105とサーバ130との間の通信に障害が発生したと判別する。
なお、通信障害が発生したと判別した後も、ステップS601におけるハートビート信号の送受信、及び、ステップS602におけるレスポンス信号の送受信がリトライされる。コントローラ105の制御部305は、通信障害が発生したと判別した後、通信障害が復旧したか否かを繰り返し判別する。
コントローラ105の制御部305は、コントローラ105とサーバ130との間の通信に障害が発生していると判別した場合、障害通知を電気機器104へ送信する(ステップS604)。電気機器104の制御ユニット40は、障害通知をコントローラ105から受信する。
なお、コントローラ105の制御部305は、コントローラ105とサーバ130との間の通信に障害が発生していないと判別した場合、障害通知の代わりに、非障害通知を電気機器104へ送信する。電気機器104の制御ユニット40は、非障害通知をコントローラ105から受信する。非障害通知を受信した場合には、電気機器104の制御ユニット40は、第1モードのまま運転を継続し、第2モードには切り替えない。既に第2モードに切り替えた後であれば、電気機器104の制御ユニット40は、第2モードでの運転を継続する。
電気機器104の制御ユニット40は、切替条件が満たされるか否かを判別する(ステップS605)。
切替条件が満たされると判別した場合、電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替える(ステップS606)。切替条件が満たされないと判別した場合、電気機器104の制御ユニット40は、切替処理を終了し、第1モードでの運転を継続する。
電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替えた後、第1モードから第2モードに切り替えた旨の切替通知をコントローラ105へ送信する(ステップS607)。コントローラ105の制御部305は、切替通知を電気機器104から受信する。
切替通知には、第1モードから第2モードに切り替えた時刻と、第1モードから第2モードに切り替えた電気機器104を識別する識別情報(機器の名称やIPアドレス等)とが含まれる。
コントローラ105とサーバ130との間の通信が復旧すると、コントローラ105の制御部305は、電気機器104が第1モードから第2モードに切り替えた旨の切替通知をサーバ130へ通知する。サーバ130は、電気機器104が第1モードから第2モードに切り替えた旨の切替通知を端末装置140へ通知する。端末装置140の制御部407は、電気機器104が第1モードから第2モードに切り替えたことを示すメッセージや画像をLCD424に表示する。
なお、電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替える前に、第1モードから第2モードに切り替える旨の切替通知をコントローラ105へ送信してもよい。この場合、切替通知には、切替条件が満たされた時刻と、第1モードから第2モードに切り替える電気機器104を識別する識別情報とが含まれていればよい。
あるいは、電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替える前に、第1モードから第2モードに切り替える旨の切替通知を、コントローラ105の代わりに、もしくは、コントローラ105に加えて、ユーザが所有する携帯電話機等、予め登録された端末へ送信してもよい。
例えば、電気機器104の制御ユニット40は、携帯電話回線等、宅内ネットワークと宅外ネットワークのいずれとも異なる第3の通信ネットワークを介して、切替通知を、予め登録された端末へ送信する。切替通知を受信した端末は、電気機器104が第1モードから第2モードに切り替える旨をユーザに報知し、切り替えるか否かの入力をユーザから受け付ける。そして、この端末は、切り替える旨のユーザからの入力を受け付けると、第1モードから第2モードに切り替える旨を電気機器104に通知する。この通知を受信した電気機器104は、第1モードから第2モードに切り替える。
本実施形態によれば、電気機器104は、コントローラ105とサーバ130との間の通信に障害が発生すると、自動的に、より安全を確保できる動作へと切り替えることができる。電力システム1は、通信障害の発生により電気機器104の遠隔操作に支障を来したり安全な運転に支障を来したりするおそれがあると判別すると、自動的に、より安全を確保できる動作へと切り替えることができる。
本実施形態では、ハートビート信号がコントローラ105からサーバ130へ送信され、レスポンス信号がサーバ130からコントローラ105へ送信される。しかし、ハートビート信号がサーバ130からコントローラ105へ送信され、レスポンス信号がコントローラ105からサーバ130へ送信されるようにしてもよい。この場合、ハートビート信号は、予め決められた閾時間毎に、サーバ130からコントローラ105へ送信され、コントローラ105の制御部305は、前回ハートビート信号を受信した時刻から閾時間が経過するまでの間に次のハートビート信号を受信しない場合に、コントローラ105とサーバ130との間の通信に障害が発生したと判別すればよい。
コントローラ105とサーバ130の間の通信障害の発生は、コントローラ105がサーバ130から遠隔操作コマンドを受信した後に判別される可能性もある。コントローラ105の制御部305は、遠隔操作コマンドのサーバ130からの受信後であって、遠隔操作コマンドの電気機器104への送信前に、コントローラ105とサーバ130との間に通信障害が発生したと判別すると、遠隔操作コマンドの電気機器104への送信を中止してもよい。あるいは、コントローラ105の制御部305は、コントローラ105とサーバ130との間の通信が復旧するまで、遠隔操作コマンドの電気機器104への送信を待機し、コントローラ105とサーバ130との間の通信が復旧した後、待機していた遠隔操作コマンドの電気機器104への送信を実行してもよい。
また、コントローラ105の制御部305は、遠隔操作コマンドを電気機器104へ送信した後に、コントローラ105とサーバ130との間に通信障害が発生したと判別すると、電気機器104に遠隔操作コマンドによる制御の実行を中止させてもよい。
あるいは、コントローラ105の制御部305は、遠隔操作コマンドを電気機器104へ送信した後に、コントローラ105とサーバ130との間に通信障害が発生したと判別すると、電気機器104を第1モードから第2モードへ切り替えさせてもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態では、電気機器104が第1モード(通常モード)で運転中に、電気機器104とコントローラ105との間の通信に障害が発生したケースについて説明する。
本実施形態では、ハートビート信号は、電気機器104からコントローラ105へ定期的に送信され、レスポンス信号は、ハートビート信号に対する応答として、コントローラ105から電気機器104へ送信される。
電気機器104の制御ユニット40は、ハートビート信号をコントローラ105へ送信する(ステップS701)。コントローラ105の制御部305は、ハートビート信号を電気機器104から受信する。
コントローラ105の制御部305は、ハートビート信号を電気機器104から受信すると、ハートビート信号に対する応答としてレスポンス信号を電気機器104へ送信する(ステップS702)。電気機器104は、レスポンス信号をコントローラ105から受信する。
ここで、もし、電気機器104とコントローラ105との間の通信に障害が発生すると、電気機器104とコントローラ105との間のハートビート信号及び/又はレスポンス信号の送受信が失敗し、電気機器104はハートビート信号を送信した時刻(もしくは送信しようと試みた時刻)から閾時間が経過してもレスポンス信号を受信しないこととなる。
電気機器104の制御ユニット40は、電気機器104とコントローラ105との間の通信状態を判別する(ステップS703)。
すなわち、電気機器104の制御ユニット40は、ハートビート信号を送信した時刻から閾時間が経過するまでの間にレスポンス信号を受信しない場合、電気機器104とコントローラ105との間の通信に障害が発生したと判別し、ハートビート信号を送信した時刻から閾時間が経過するまでの間にレスポンス信号を受信した場合、電気機器104とコントローラ105との間の通信に障害が発生していないと判別する。
また、電気機器104の制御ユニット40は、ハートビート信号のコントローラ105への送信に失敗した場合も、電気機器104とコントローラ105との間の通信に障害が発生したと判別する。
なお、電気機器104とコントローラ105との間の通信経路そのものは正常であるものの、コントローラ105がハングアップして無応答になった場合も、ハートビート信号の送受信とレスポンス信号の送受信が失敗する。このため、電気機器104とコントローラ105との間の通信障害には、コントローラ105がハングアップしたことによる障害も含まれる。
通信障害が発生したと判別した後も、ステップS701におけるハートビート信号の送受信、及び、ステップS702におけるレスポンス信号の送受信がリトライされる。電気機器104の制御ユニット40は、通信障害が発生したと判別した後、通信障害が復旧したか否かを繰り返し判別する。
電気機器104の制御ユニット40は、切替条件が満たされるか否かを判別する(ステップS704)。
切替条件は、例えば、「通信障害が発生したと判別した時刻が、予め決められた期間内であること」である。制御ユニット40は、例えば毎日8時から20時までといったように、ユーザからの入力もしくは予め定められたアルゴリズムに基づいて、期間を設定する。そして、制御ユニット40は、通信障害が発生したと判別した時刻がこの期間内であれば、切替条件が満たされたと判別し、第1モードから第2モードへ切り替える。通信障害が発生したと判別した時刻がこの期間内に含まれないのであれば、制御ユニット40は、切替条件が満たされていないと判別し、第1モードから第2モードへ切り替えない。
切替条件に、「切替条件の判別時に遠隔操作コマンドによる動作中である」という条件を含めてもよい。制御ユニット40は、遠隔操作コマンドによる動作中であって、且つ、通信障害が発生したと判別された時刻が、予め決められた期間内であれば、切替条件が満たされると判別してもよい。この場合、遠隔操作コマンドによらずに、ユーザが電気機器104の操作パネルを直接操作することにより第1モードで動作しているのであれば、通信障害が発生しても、第2モードに切り替わることはない。
切替条件は、「通信障害が発生したと判別した時刻から、予め設定した期間が経過しても、通信障害が復旧しないこと」でもよい。制御ユニット40は、第1の時刻に通信障害が発生したと判別し、第1の時刻から予め設定した期間が経過する第2の時刻までの間に、ステップS701におけるハートビート信号の送受信とステップS702におけるレスポンス信号の送受信のうち少なくとも一方が成功しないと、切替条件が満たされたと判別し、第1モードから第2モードへ切り替える。第1の時刻から第2の時刻までの間に、ステップS701におけるハートビート信号の送受信とステップS702におけるレスポンス信号の送受信の両方が成功すれば、制御ユニット40は、切替条件が満たされていないと判別し、第1モードから第2モードへ切り替えない。
切替条件が満たされると判別した場合、電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替える(ステップS705)。切替条件が満たされないと判別した場合、電気機器104の制御ユニット40は、切替処理を終了し、第1モードでの運転を継続する。
電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替えた後、第1モードから第2モードに切り替えた旨の切替通知を、ユーザが所有する携帯電話機等、予め登録された端末へ送信してもよい。
あるいは、電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替える前、第1モードから第2モードに切り替える旨の切替通知を、予め登録された端末へ送信してもよい。
電気機器104とコントローラ105との間の通信が復旧すると、電気機器104の制御ユニット40は、自動的に、第2モードから第1モードに戻してもよい。
あるいは、電気機器104とコントローラ105との間の通信が復旧すると、電気機器104の制御ユニット40は、電気機器104が有する操作パネル等へのユーザによる直接的な操作があった後、第2モードから第1モードに戻してもよい。
また、電気機器104とコントローラ105との間の通信が復旧すると、電気機器104の制御ユニット40は、第2モードから第1モードに戻すか否かをコントローラ105に問い合わせ、第2モードから第1モードに戻す旨の指示をコントローラ105から受信した後、第2モードから第1モードに戻してもよい。
例えば、コントローラ105の制御部305は、第2モードから第1モードに自動的に戻してよいか否かの入力をユーザから予め受け付け、受け付けた内容を示すデータを記憶部303に記憶しておき、この記憶されたデータに基づいて、第2モードから第1モードに戻すか否かを決定する。
更には、電気機器104とコントローラ105との間の通信が復旧すると、電気機器104の制御ユニット40は、第2モードから第1モードに戻すか否かを、予め登録された端末に問い合わせ、第2モードから第1モードに戻す旨の指示をこの端末から受信した後、第2モードから第1モードに戻してもよい。
本実施形態によれば、電気機器104は、電気機器104とコントローラ105との間の通信に障害が発生すると、自動的に、より安全を確保できる動作へと切り替えることができる。電力システム1は、通信障害の発生により電気機器104の遠隔操作に支障を来したり安全な運転に支障を来したりするおそれがあると判別すると、自動的に、より安全を確保できる動作へと切り替えることができる。
本実施形態では、ハートビート信号が電気機器104からコントローラ105へ送信され、レスポンス信号がコントローラ105から電気機器104へ送信される。しかし、ハートビート信号がコントローラ105から電気機器104へ送信され、レスポンス信号が電気機器104からコントローラ105へ送信されるようにしてもよい。この場合、ハートビート信号は、予め決められた閾時間毎に、コントローラ105から電気機器104へ送信される。電気機器104の制御ユニット40は、前回ハートビート信号を受信した時刻から閾時間が経過するまでの間に次のハートビート信号を受信しない場合に、電気機器104とコントローラ105との間の通信に障害が発生したと判別すればよい。
電気機器104とコントローラ105との間の通信障害の発生は、コントローラ105がサーバ130から遠隔操作コマンドを受信した後に判別される可能性もある。コントローラ105の制御部305は、遠隔操作コマンドのサーバ130からの受信後であって、遠隔操作コマンドの電気機器104への送信前に、電気機器104とコントローラ105との間に通信障害が発生したと判別すると、電気機器104とコントローラ105との間に通信障害が発生し遠隔操作が出来ない旨の通知を、遠隔操作コマンドの送信元である端末装置140へサーバ130を介して送信してもよい。
電気機器104とコントローラ105との間の通信障害の発生は、遠隔操作コマンドによる制御を開始した後に判別される可能性がある。電気機器104の制御ユニット40は、遠隔操作コマンドによる制御の開始後に、電気機器104とコントローラ105との間に通信障害が発生したと判別すると、遠隔操作コマンドによる制御を中止し、第1モードから第2モードに切り替えてもよい。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。本実施形態では、電気機器104が第1モードで動作中に、サーバ130と端末装置140との間の通信に障害が発生したケースについて説明する。
本実施形態では、ハートビート信号は、サーバ130から端末装置140へ定期的に送信され、レスポンス信号は、ハートビート信号に対する応答として、端末装置140からサーバ130へ送信される。
サーバ130の制御部は、ハートビート信号を端末装置140へ送信する(ステップS801)。端末装置140の制御部407は、ハートビート信号をサーバ130から受信する。
端末装置140の制御部407は、ハートビート信号をサーバ130から受信すると、ハートビート信号に対する応答としてレスポンス信号をサーバ130へ送信する(ステップS802)。サーバ130は、レスポンス信号を端末装置140から受信する。
ここで、もし、サーバ130と端末装置140との間の通信に障害が発生すると、サーバ130と端末装置140との間のハートビート信号及び/又はレスポンス信号の送受信が失敗し、サーバ130はハートビート信号を送信した時刻(もしくは送信しようと試みた時刻)から閾時間が経過してもレスポンス信号を受信しないこととなる。
サーバ130の制御部は、サーバ130と端末装置140との間の通信状態を判別する(ステップS803)。
すなわち、サーバ130の制御部は、ハートビート信号を送信した時刻から閾時間が経過するまでの間にレスポンス信号を受信しない場合、サーバ130の制御部との間の通信に障害が発生したと判別し、ハートビート信号を送信した時刻から閾時間が経過するまでの間にレスポンス信号を受信した場合、サーバ130の制御部との間の通信に障害が発生していないと判別する。
また、サーバ130の制御部は、ハートビート信号の端末装置140への送信に失敗した場合も、サーバ130の制御部との間の通信に障害が発生したと判別する。
なお、サーバ130と端末装置140との間の通信経路そのものは正常であるものの、端末装置140がハングアップして無応答になった場合も、ハートビート信号の送受信とレスポンス信号の送受信が失敗する。このため、サーバ130と端末装置140との間の通信障害には、端末装置140がハングアップしたことによる障害も含まれる。
通信障害が発生したと判別した後も、ステップS801におけるハートビート信号の送受信、及び、ステップS802におけるレスポンス信号の送受信がリトライされる。サーバ130の制御部は、通信障害が発生したと判別した後、通信障害が復旧したか否かを繰り返し判別する。
サーバ130の制御部は、サーバ130と端末装置140との間の通信に障害が発生していると判別した場合、障害通知をコントローラ105へ送信する(ステップS804)。コントローラ105の制御部305は、障害通知をサーバ130から受信する。
サーバ130と端末装置140との間の通信に障害が発生していないと判別した場合には、サーバ130の制御部は、障害通知の代わりに、非障害通知をコントローラ105へ送信する。コントローラ105の制御部305は、非障害通知をサーバ130から受信する。
障害通知をサーバ130から受信すると、コントローラ105の制御部305は、障害通知を電気機器104へ送信する(ステップS805)。電気機器104の制御ユニット40は、障害通知をコントローラ105から受信する。
なお、非障害通知を受信すると、コントローラ105の制御部305は、非障害通知を電気機器104へ送信する。電気機器104の制御ユニット40は、非障害通知をコントローラ105から受信する。
電気機器104の制御ユニット40は、切替条件が満たされるか否かを判別する(ステップS806)。
切替条件が満たされると判別した場合、電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替える(ステップS807)。切替条件が満たされないと判別した場合、電気機器104の制御ユニット40は、切替処理を終了し、第1モードでの運転を継続する。
電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替えた後、第1モードから第2モードに切り替えた旨の切替通知をコントローラ105へ送信する(ステップS808)。コントローラ105の制御部305は、切替通知を電気機器104から受信する。
コントローラ105の制御部305は、切替通知を電気機器104から受信すると、切替通知をサーバ130へ送信する(ステップS809)。サーバ130の制御部は、切替通知をコントローラ105から受信する。
なお、電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替える前に、第1モードから第2モードに切り替える旨の切替通知をコントローラ105へ送信してもよい。
あるいは、電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替える前に、第1モードから第2モードに切り替える旨の切替通知を、コントローラ105の代わりに、もしくは、コントローラ105に加えて、ユーザが所有する携帯電話機等、予め登録された端末へ送信してもよい。
サーバ130と端末装置140との間の通信が復旧すると、サーバ130の制御部は、電気機器104が第1モードから第2モードに切り替えた旨の切替通知を端末装置140へ通知する。端末装置140の制御部407は、電気機器104が第1モードから第2モードに切り替えたことを示すメッセージや画像をLCD424に表示する。
なお、電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替える前に、第1モードから第2モードに切り替える旨の切替通知をコントローラ105へ送信してもよい。
あるいは、電気機器104の制御ユニット40は、第1モードから第2モードに切り替える前に、第1モードから第2モードに切り替える旨の切替通知を、コントローラ105の代わりに、もしくは、コントローラ105に加えて、ユーザが所有する携帯電話機等、予め登録された端末へ送信してもよい。
本実施形態によれば、電気機器104は、サーバ130と端末装置140との間の通信に障害が発生すると、自動的に、より安全を確保できる動作へと切り替えることができる。電力システム1は、通信障害の発生により電気機器104の遠隔操作に支障を来したり安全な運転に支障を来したりするおそれがあると判別すると、自動的に、より安全を確保できる動作へと切り替えることができる。
本実施形態では、ハートビート信号がサーバ130から端末装置140へ送信され、レスポンス信号が端末装置140からサーバ130へ送信される。しかし、ハートビート信号が端末装置140からサーバ130へ送信され、レスポンス信号がサーバ130から端末装置140へ送信されるようにしてもよい。この場合、ハートビート信号は、予め決められた閾時間毎に、端末装置140からサーバ130へ送信され、サーバ130の制御部は、前回ハートビート信号を受信した時刻から閾時間が経過するまでの間に次のハートビート信号を受信しない場合に、サーバ130と端末装置140との間の通信に障害が発生したと判別すればよい。
サーバ130と端末装置140との間の通信障害の発生は、サーバ130が端末装置140から遠隔操作コマンドを受信した後に判別される可能性がある。サーバ130の制御部は、遠隔操作コマンドの端末装置140からの受信後であって、遠隔操作コマンドのコントローラ105への送信前に、サーバ130と端末装置140との間に通信障害が発生したと判別すると、遠隔操作コマンドのコントローラ105への送信を中止してもよい。あるいは、サーバ130の制御部は、サーバ130と端末装置140との間の通信が復旧するまで、遠隔操作コマンドのコントローラ105への送信を待機し、サーバ130と端末装置140との間の通信が復旧した後、待機していた遠隔操作コマンドのコントローラ105への送信を実行してもよい。
また、サーバ130の制御部は、遠隔操作コマンドをコントローラ105へ送信した後に、サーバ130と端末装置140との間に通信障害が発生したと判別すると、電気機器104に遠隔操作コマンドによる制御の実行を中止させる中止コマンドをコントローラ105へ送信してもよい。中止コマンドを受信したコントローラ105は、中止コマンドを電気機器104へ送信し、遠隔操作コマンドによる制御の実行を中止させる。
あるいは、サーバ130の制御部は、遠隔操作コマンドをコントローラ105へ送信した後に、サーバ130と端末装置140との間に通信障害が発生したと判別すると、電気機器104を第1モードから第2モードに切り替えさせる切替コマンドをコントローラ105へ送信してもよい。切替コマンドを受信したコントローラ105は、切替コマンドを電気機器104へ送信し、第1モードから第2モードへ切り替えさせる。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。切替条件が満たされるか否かの判別は、電気機器104ではなく、コントローラ105によって行われてもよい。
図9に、電力システム1の機能的な構成を示す。切替判別部504は、電気機器104ではなく、コントローラ105に設けられる。コントローラ105の制御部305が、切替判別部504として機能する。
コントローラ105の制御部305は、ステップS601におけるハートビート信号の送受信が正常に行われたか否か、及び、ステップS602におけるレスポンス信号の送受信が正常に行われたか否かを判別することにより、コントローラ105とサーバ130との間に通信障害が発生しているか否かを判別する。
そして、コントローラ105の制御部305は、切替条件が満たされるか否かを判別する。
切替条件は、例えば、「通信障害が発生したと判別した時刻が、予め決められた期間内であること」である。コントローラ105の制御部305は、例えば毎日8時から20時までといったように、ユーザからの入力もしくは予め定められたアルゴリズムに基づいて、期間を設定する。そして、制御部305は、通信障害が発生したと判別した時刻がこの期間内に含まれれば、切替条件が満たされたと判別する。通信障害が発生したと判別した時刻がこの期間内に含まれなければ、制御ユニット40は、切替条件が満たされていないと判別する。
切替条件に、「切替条件の判別時に、電気機器104が遠隔操作コマンドによる動作中である」という条件を含めてもよい。制御部305は、電気機器104が遠隔操作コマンドによる動作中であって、且つ、通信障害が発生したと判別された時刻が、予め決められた期間内であれば、切替条件が満たされると判別してもよい。この場合、遠隔操作コマンドによらずに、ユーザが電気機器104の操作パネルを直接操作することにより第1モードで動作しているのであれば、通信障害が発生しても、第2モードに切り替わることはない。
切替条件は、「通信障害が発生したと判別してから、通信障害が復旧したと判別することなく、予め決められた時間以上が経過したこと」でもよい。コントローラ105の制御部305は、第1の時刻に通信障害が発生したと判別し、第1の時刻の後、通信障害が復旧したと判別することなく(つまりハートビート信号に対するレスポンス信号を受信することなく)、予め決められた時間が経過すると、切替条件が満たされたと判別する。第1の時刻に通信障害が発生したと判別した後、予め決められた時間が経過していない第2の時刻に通信障害が復旧したと判別すると、切替条件が満たされていないと判別する。
切替条件は、「閾回数以上続けて、通信障害が発生したと判別したこと」でもよい。例えば閾回数を二回としたとき、コントローラ105の制御部305は、第1の時刻に障害が発生したと判別し、第1の時刻より後の第2の時刻に、通信障害が続いていると判別すると(もしくは通信障害が復旧したと判別することなく、再び通信障害が発生したと判別すると)、切替条件が満たされたと判別する。第1の時刻に通信障害が発生したと判別し、第2の時刻に通信障害が復旧したと判別すると、制御部305は、切替条件が満たされていないと判別する。
切替条件が満たされると判別した場合、コントローラ105の制御部305は、切替条件が満たされたことを示す障害通知を電気機器104へ送信する。
切替条件が満たされないと判別した場合、コントローラ105の制御部305は、切替条件が満たされないことを示す非障害通知を電気機器104へ送信する。
コントローラ105の制御部305は、予め決められた時間間隔で、障害通知と非障害通知のどちらか一方を電気機器104へ送信することが望ましい。
そして、電気機器104の制御ユニット40は、障害通知をコントローラ105から受信すると、第1モードから第2モードへ切り替える。電気機器104の制御ユニット40は、非障害通知をコントローラ105から受信すると、第1モードでの運転を続ける。
非障害通知を受信した時点で既に第2モードで動作中であれば、電気機器104の制御ユニット40は、第2モードから第1モードへ切り替えてもよい。
あるいは、制御ユニット40は、第2モードから第1モードへ切り替えるか否かを端末装置140に問い合わせ、第2モードから第1モードへ切り替える旨の指示を端末装置140から受信した後に、第2モードから第1モードへ切り替えてもよい。
また、制御ユニット40は、第2モードから第1モードへ切り替えるか否かを、ユーザが所有する携帯電話機等、予め登録された端末に問い合わせ、第2モードから第1モードへ切り替える旨の指示をこの端末から受信した後に、第2モードから第1モードへ切り替えてもよい。
制御ユニット40は、第2モードから第1モードに切り替える前に、第2モードから第1モードに切り替える旨の切替通知を、コントローラ105、及び/又は、ユーザが所有する携帯電話機等、予め登録された端末へ、送信する。
もしくは、制御ユニット40は、第2モードから第1モードに切り替えた後に、第2モードから第1モードに切り替えた旨の切替通知を、コントローラ105、及び/又は、ユーザが所有する携帯電話機等、予め登録された端末へ、送信する。
本実施形態によれば、コントローラ105は、サーバ130と端末装置140との間の通信に障害が発生すると、電気機器104を、自動的に、より安全を確保できる動作へと切り替えさせることができる。電力システム1は、通信障害の発生により電気機器104の遠隔操作に支障を来したり安全な運転に支障を来したりするおそれがあると判別すると、電気機器104を、自動的に、より安全を確保できる動作へと切り替えさせることができる。
なお、コントローラ105の制御部305は、通信障害が発生したと判別すると、切替条件が満たされるか否かを判別することなく、通信障害が発生したことを示す障害通知を電気機器104へ送信し、この障害通知を受信した電気機器104は、直ちに、第1モードから第2モードへ切り替えてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
上記各実施形態では、コントローラ105とサーバ130との間の通信に障害が発生したケースと、電気機器104とコントローラ105との間の通信に障害が発生したケースと、サーバ130と端末装置140との間の通信に障害が発生したケースとを別々に説明した。しかし、通信障害は同時に複数箇所で発生する可能性がある。そこで、上記各実施形態を任意に組み合わせて実施することにより、通信障害が同時に複数箇所で発生した場合にも、より高い安全性を確保することができる。
サーバ130と端末装置140とコントローラ105は、上記実施形態に示すようにそれぞれ単体で動作可能なコンピュータであってもよいし、通信ネットワーク150を介したいわゆるクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
電気機器104が上記の受信部503と切替判別部504と送信部506を備える代わりに、電気機器104に外付けで追加された通信アダプタが受信部503と切替判別部504と送信部506を備えてもよい。電気機器104は、通信アダプタを介して、遠隔操作コマンドを受信したり、切替通知をコントローラ105へ送信したりしてもよい。
遠隔操作コマンドの具体的な内容は、本発明によって限定されない。例えば、空気調和機104Aであれば、遠隔操作コマンドには、目標温度の変更、動作モード(冷房、暖房、除湿、送風等)の変更、電源のオン・オフ、動作の予約等を指示するコマンドがある。
上記の電力システム1の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical disk)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
以上説明したように、本発明によれば、より高い安全性を確保することができる。