以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付す。
図1に、本発明の実施形態に係る空調システム10であって、本発明に係る通信システムとして機能する空調システム10の全体構成を示す。空調システム10は、例えば、一般家庭の家屋、集合住宅若しくは各種の施設等のビル、又は工場等に設置され、空調対象空間である空調エリアの空調を行うシステムである。空調とは、空調エリアの空気の温度、湿度、清浄度又は気流等を調整することであって、具体的には、暖房、冷房、除湿、加湿及び空気清浄等を含む。
空調システム10は、蒸気圧縮式のヒートポンプを搭載した空調システムであって、室内機30において温度調整された空気を対流させることによって空調エリアの空調を行う対流式の空調システムである。空調システム10は、図示しない商用電源、太陽光発電設備又は蓄電設備等から電力の供給を得て動作する。
図1に示すように、空調システム10は、室外に設置される室外機20と、室内に設置される複数の室内機30a,30bと、を備える。室外機20と室内機30a,30bとは、通信ネットワーク15、及び、図示しない冷媒配管を介して接続されている。このように、空調システム10は、1台の室外機20が複数の室内機30a,30bに接続された空調システムであって、1台の室外機20で複数の空調エリアを空調することができる分散配置型の空調システムである。このような分散配置型の空調システムは、マルチタイプの空調システム又はマルチエアコン等ともいう。なお、室内機30a,30bの数は2台に限らず任意である。
室外機20は、空調エリアの外であって主に屋外に設置されており、屋外の空気と冷媒との間で熱交換する機器である。室外機20は、2台の室内機30a,30bのそれぞれを通信相手として通信する通信装置として機能する。
図2に、室外機20の構成を示す。図2に示すように、室外機20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、空調動作部24と、を備える。これらはそれぞれ、第1の制御部、第1の記憶部、第1の通信部、及び、第1の空調動作部ともいう。これら各部はバス29を介して接続されている。
制御部21は、何れも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びRTC(Real Time Clock)等を備えており、室外機20の制御に係る各種の演算を実行する演算部である。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、DSP(Digital Signal Processor)等ともいう。制御部21において、CPUは、ROMに格納されたプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、室外機20を統括制御する。
記憶部22は、例えば、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性の半導体メモリであって、いわゆる二次記憶装置(補助記憶装置)としての役割を担う。記憶部22は、制御部21が各種処理を行うために使用する各種プログラム及びデータ、並びに、制御部21が各種処理を行うことにより生成又は取得する各種データを記憶する。
通信部23は、予め定められた通信インタフェースを備えており、制御部21の制御の下、通信ネットワーク15を介して室内機30a,30bのそれぞれと通信する。通信ネットワーク15は、空調機器又は設備機器等の間で通信するための専用のネットワークであって、周知の規格に則ったネットワークである。通信ネットワーク15は、有線であってもよいし、無線であってもよい。
通信部23は、2つの異なる通信方式である通信方式1又は通信方式2での通信機能を備えており、通信方式1又は通信方式2で通信相手と通信する。通信相手とは、具体的には、通信ネットワーク15を介して室外機20と接続された室内機30a又は室内機30bである。通信方式1及び通信方式2は、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)による非同期型シリアル通信方式(調歩同期通信方式ともいう。)、又は、SPI(Serial Peripheral Interface)によるクロック同期型シリアル通信方式等である。
より詳細に説明すると、通信方式1は、通信方式2に比べて古いバージョンの通信方式であって、相対的に速度が遅い通信方式である。これに対して、通信方式2は、通信方式1に比べて新しいバージョンの通信方式であって、相対的に速度が速い通信方式である。通信部23は、通信方式2に対応していない機器とも通信方式1で通信可能な上位互換性を有するために、古いバージョンの通信方式1と新しいバージョンの通信方式2との双方で通信可能な機能を備えている。なお、通信方式1を、第1の通信方式又は従来の通信方式等といい、通信方式2を、第2の通信方式又は新たな通信方式等という。
通信部23は、通信方式1又は通信方式2のうち、制御部21によって予め選択された一方の通信方式を介して室内機30a,30bのそれぞれと通信する。具体的に説明すると、通信部23は、選択された通信方式を介して室内機30a,30bにデータを送信し、選択された通信方式を介して室内機30a,30bからデータを受信する。なお、通信部23は、通信方式1と通信方式2とを同時に用いては通信しない。
空調動作部24は、室外機20の本来的な機能を実現するための構成部である。具体的に説明すると、空調動作部24は、いずれも図示しないが、冷媒配管を流れる冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒と屋外の空気との間で熱交換する室外熱交換器、屋外の空気を吸い込んで室外熱交換器に供給する室外送風機、冷媒を減圧して膨張させる膨張弁、及び、冷媒配管中の冷媒の流れる方向を切り替える四方弁等を備える。これら、圧縮機、室外熱交換器、膨張弁及び四方弁は、図示しない冷媒配管によって、室内機30a,30bのそれぞれの室内熱交換器と環状に接続されている。これにより、ヒートポンプ(冷凍サイクル)が構成されている。空調動作部24は、制御部21の制御の下、通信ネットワーク15を介して室内機30a,30bと協調動作し、空調エリアの空調を行う。
続いて、室内機30a,30bの構成について説明する。室内機30a,30bのそれぞれは、空調エリアに温度調整された空気を供給できるような場所に設置されている。室内機30a,30bのそれぞれより吹き出される冷風又は温風により、空調エリアが冷暖房される。室内機30aは、第1の室内機であって、室外機20の第1の通信相手の機器として機能し、室内機30bは、第2の室内機であって、室外機20の第2の通信相手の機器として機能する。室内機30a,30bは、それぞれ同等の機能を備えている。以下では、室内機30aと室内機30bとを区別せずに称する場合には、室内機30と総称する。
図3に、室内機30(室内機30a,30bのそれぞれ)の構成を示す。図3に示すように、室内機30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、空調動作部34と、を備える。これらはそれぞれ、第2の制御部、第2の記憶部、第2の通信部、及び、第2の空調動作部ともいう。これら各部はバス39を介して接続されている。
制御部31は、何れも図示しないが、CPU、ROM、RAM及びRTC等を備えており、室内機30の制御に係る各種の演算を実行する演算部である。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、DSP等ともいう。制御部31において、CPUは、ROMに格納されたプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、室内機30を統括制御する。
記憶部32は、例えば、フラッシュメモリ、EPROM又はEEPROM等の不揮発性の半導体メモリであって、いわゆる二次記憶装置(補助記憶装置)としての役割を担う。記憶部32は、制御部31が各種処理を行うために使用する各種プログラム及びデータ、並びに、制御部31が各種処理を行うことにより生成又は取得する各種データを記憶する。
通信部33は、2つの異なる通信方式である通信方式1又は通信方式2での通信機能を備えており、通信方式1又は通信方式2で通信相手と通信する。通信相手とは、具体的には、通信ネットワーク15を介して室内機30と接続された室外機20である。通信方式1及び通信方式2は、それぞれ室外機20の通信部23が備えているものと同様に、例えば、UARTによる非同期型シリアル通信方式、又は、SPIによるクロック同期型シリアル通信方式等である。
より詳細に説明すると、通信方式1は、通信方式2に比べて古いバージョンの通信方式であって、相対的に速度が遅い通信方式である。これに対して、通信方式2は、通信方式1に比べて新しいバージョンの通信方式であって、相対的に速度が速い通信方式である。通信部33は、通信方式2に対応していない機器とも通信方式1で通信可能な上位互換性を有するために、古いバージョンの通信方式1と新しいバージョンの通信方式2との双方で通信可能な機能を備えている。
通信部33は、通信方式1又は通信方式2のうち、制御部31によって予め選択された一方の通信方式を介して室外機20と通信する。具体的に説明すると、通信部33は、選択された通信方式を介して室外機20にデータを送信し、選択された通信方式を介して室外機20からデータを受信する。なお、通信部33は、通信方式1と通信方式2とを同時に用いては通信しない。
室外機20の通信部23と室内機30の通信部33とは、通信方式1又は通信方式2のうち、共に同じ通信方式が選択されている場合に、正常に通信が可能である。選択された通信方式に齟齬がある場合、パリティエラー又はストップビットエラー等、物理層レベルのエラーが発生する。
空調動作部34は、室内機30の本来的な機能を実現するための構成部である。具体的に説明すると、空調動作部34は、いずれも図示しないが、冷媒配管を流れる冷媒と空調エリア内の空気との間で熱交換する室内熱交換器、及び、室内熱交換器で熱交換された空気を空調エリア内に吹き出す室内送風機等を備える。空調動作部34は、制御部31の制御の下、通信ネットワーク15を介して室外機20の空調動作部24と協調動作し、空調エリアの空調を行う。
空調システム10のユーザは、空調システム10のユーザインタフェースとして機能するリモコンを操作して、2台の室内機30a,30bのうちの所望の室内機に対して、例えば「冷房」、「除湿」、「暖房」又は「送風」等の運転指令を送信することができる。リモコンから送信された運転指令は、室内機30a又は室内機30bから通信ネットワーク15を介して室外機20に伝達される。
例えば、「冷房」又は「除湿」の運転が指令された場合、室外機20の制御部21は、圧縮機から吐出された冷媒が室外熱交換器に流入するように四方弁の流路を切り替え、膨張弁を開き、圧縮機を駆動させる。圧縮機が駆動すると、圧縮機から吐出された冷媒は、室外熱交換器へ流入し、室外空気と熱交換して冷やされる。室外熱交換器で冷やされた冷媒は、膨張弁で減圧された後、室内熱交換器へ流入し、室内空気と熱交換して温められる。室内熱交換器で温められた冷媒は、再び圧縮機に吸入される。このように、室内熱交換器の配管内には低圧低温の冷媒が流れ、室内熱交換器の表面は低温になっており、そこを通過する室内空気が冷やされる。室内送風機は、室内熱交換器を通過する冷気を、空調エリアへ送風する。
これに対して、「暖房」の運転が指令された場合、室外機20の制御部21は、圧縮機から吐出された冷媒が室内熱交換器に流入するように四方弁の流路を切り替え、膨張弁を開き、圧縮機を駆動させる。圧縮機が駆動すると、圧縮機から吐出された冷媒は、室内熱交換器へ流入し、室内空気と熱交換して冷やされる。室内熱交換器で冷やされた冷媒は、膨張弁で減圧された後、室外熱交換器へ流入し、室外空気と熱交換して温められる。室外熱交換器で温められた冷媒は、再び圧縮機に吸入される。このように、室内熱交換器の配管内には高温高圧の冷媒が流れ、室内熱交換器の表面は高温になっており、そこを通過する室内空気が温められる。室内送風機は、室内熱交換器を通過する暖気を、空調エリアへ送風する。
このような空調機能を有する空調システム10において、1台の室外機20と2台の室内機30a,30bとは、室外機20をマスタ装置、室内機30a,30bをスレーブ装置としたマスタ・スレーブ方式で通信する。上述したように、空調システム10には、通信方式1と通信方式2という2つの通信方式が混在している。そのため、室外機20及び室内機30a,30bは、通信相手がどのような通信方式に対応しているかを確認し、通信方式1と通信方式2とのうちから適切な通信方式を選択して通信する。以下、このような室外機20及び室内機30a,30bの機能について、詳細に説明する。
図4に、室外機20及び室内機30a,30bの機能的な構成を示す。図4に示すように、室外機20は、機能的に、切替部210と、通信方式判定部220と、切替要求送信部230と、通信エラー判定部240と、通信エラー監視部250と、を備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部22に格納される。制御部21が、ROM又は記憶部22に記憶されたプログラムを実行することによって、各部の機能を実現する。
切替部210は、通信部23が通信相手である室内機30a又は室内機30bと通信する通信方式を、通信方式1と通信方式2との間で切り替える。具体的に説明すると、切替部210は、通信方式1と通信方式2とのどちらの通信方式を用いるかを状況に応じて判定し、室内機30a又は室内機30bと通信するための通信方式を設定する。このような切替部210の機能は、制御部21が通信部23と協働することによって実現される。
以下、図5に示す室外機20の状態遷移図を参照しながら、切替部210の切り替え処理について説明する。図5に示すように、室外機20の制御部21は、動作状態がリセットされ、その後、そのリセットが解除されると、機器の立ち上げ中の状態である状態A1に移行する。状態A1において、室外機20の制御部21は、各種設定を初期化することで、機器を動作可能な状態に起動させる。
状態A1における立ち上げ処理(初期化処理)において、制御部21は、通信部23の通信方式を、従来の通信方式である通信方式1に設定する。そして、制御部21は、通信部23を介して通信方式1で室内機30a,30bと通信することにより、室内機30の台数を決定し、各室内機30の通信アドレスを設定する。また、制御部21は、通信方式1での通信により、各室内機30の機種情報、設定情報及び状態情報等を取得する。機種情報とは、室内機30がどのような機能を有しているかを示す情報である。設定情報とは、室内機30の現在の設定温度、設定湿度及び設定風速等を示す情報である。状態情報とは、各室内機30が運転中か運転停止中か等の動作状態を示す情報である。このような立ち上げ処理が完了後、制御部21は、室内機30の通信方式を判定するための状態A2に移行する。
状態A2において、通信方式判定部220は、通信部23による通信方式1での室内機30a,30bのそれぞれとの通信を介して、室内機30a,30bのそれぞれが通信方式2に対応しているか否かを判定する。ここで、室内機30が通信方式2に対応しているとは、室内機30が通信方式2で通信する機能を備えており、通信方式2で通信可能であることを意味する。
具体的に説明すると、通信方式判定部220は、状態A1における立ち上げ処理において設定された通信方式1を用いて各室内機30と通信することにより、各室内機30が対応している通信方式を確認する。そして、通信方式判定部220は、各室内機30からの応答に基づいて各室内機30の通信方式の情報を取得し、各室内機30が対応している通信方式に、通信方式2が含まれるか否かを判定する。上述したように、室内機30a,30bのそれぞれが通信方式1と通信方式2とに対応している場合、通信方式判定部220は、室内機30a,30bのそれぞれが通信方式2に対応していると判定する。このような通信方式判定部220の機能は、制御部21が通信部23と協働することによって実現される。
なお、状態A1において各室内機30から取得した機種情報又は設定情報等の中に、各室内機30が対応している通信方式に関する情報が含まれている場合、通信方式判定部220は、状態A2において、通信方式を判定するために改めて各室内機30と通信する必要はない。そのため、状態A2において、各室内機30が対応している通信方式を確認する処理を省略することができる。
仮に、室内機30a,30bの少なくとも1台が新たな通信方式である通信方式2に対応していなければ、通信方式を判定する状態A2において、通信方式判定部220は、室内機30a,30bの少なくとも1台が通信方式2に対応していないと判定する。この場合、制御部21は、通信方式2では室内機30a,30bの全てと通信することができない。そのため、通信方式判定部220による判定の結果、室内機30a,30bの少なくとも1台が通信方式2に対応していないと判定された場合、切替部210は、通信部23の通信方式を通信方式1のまま切り替えず、制御部21は、通信方式1で通常の通信を行う状態A3に移行する。
状態A3において、通信部23は、従来の通信方式である通信方式1で、通信相手である室内機30a,30bのそれぞれと通信する。具体的に説明すると、通信部23は、空調システム10の制御に必要な情報を、通信方式1で各室内機30と通信する。例えば、通信部23は、各室内機30が運転中か運転停止中か等の動作状態を示す状態情報、及び、冷房、暖房又は送風等の動作モードを示す情報等を、各室内機30から取得する。また、通信部23は、温度、湿度又は風速等の設定情報を各室内機30から取得し、或いは、このような設定情報を各室内機30に送信して各室内機30の動作条件を設定する。さらに、通信部23は、各室内機30の吸い込み温度及び湿度等、各種センサで得られた計測値を、各室内機30から取得する。
これに対して、室内機30a,30bのそれぞれが通信方式2に対応している場合、通信方式を判定する状態A2において、通信方式判定部220は、室内機30a,30bのそれぞれが通信方式2に対応していると判定する。この場合、制御部21は、通信方式2で室内機30a,30bの全てと通信することができる。そのため、通信方式判定部220によって室内機30a,30bのそれぞれが通信方式2に対応していると判定された場合、切替要求送信部230は、室内機30a,30bのそれぞれと通信方式2での通信を開始するため、室内機30a,30bの通信方式を通信方式2に切り替える要求(以下、「切替要求」という。)を、室内機30a,30bのそれぞれに送信する。
この切替要求は、各室内機30に対して通信方式を通信方式2に切り替える旨を要求するメッセージを含んでいる。各室内機30は、切替要求を受信すると、自機の現在の通信方式が通信方式1に設定されている場合には、通信方式を通信方式2に切り替え、自機の現在の通信方式が通信方式2に設定されている場合には、通信方式を通信方式2のまま維持する。切替要求送信部230は、通信部23を介して通信方式1で各室内機30と通信することにより、このような切替要求を各室内機30に送信する。このような切替要求送信部230の機能は、制御部21が通信部23と協働することによって実現される。
状態A2において切替要求を送信すると、切替部210は、通信部23が室内機30a,30bのそれぞれと通信するための通信方式を、通信方式1から通信方式2に切り替える。そして、制御部21は、通信方式2で通常の通信を行う状態A4に移行する。
状態A4において、通信部23は、新たな通信方式である通信方式2で、通信相手である室内機30a,30bのそれぞれと通信する。具体的に説明すると、通信部23は、状態A3における通信方式1での通信と同様に、空調システム10の制御に必要な情報を、通信方式2で各室内機30と通信する。このとき、各室内機30から取得する情報の内容、各室内機30に対して設定する情報の内容、及びこれらの情報をやり取りするための通信フォーマット等は、状態A3における通信方式1での通信におけるものと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
このように、通信部23が通信方式2で室内機30a,30bのそれぞれと通信している場合において、通信エラー判定部240は、通信エラーが発生したか否かを判定する。通信エラーとは、室外機20と各室内機30との間で正常な通信が不能となるエラーである。通信エラー判定部240は、通信エラーとして、例えば、パリティエラー、ストップビットエラー、タイムアウト、及び、フレームエラー等といった通信エラーを検出する。
ここで、パリティエラーとは、通信データのパリティチェックによって検出されるエラーである。ストップビットエラーとは、通信データの終了を通知するために設けられたストップビットが正常に検出されないことによるエラーである。タイムアウトとは、通信元からの要求に対して規定時間経っても通信相手から応答が得られないことによるエラーである。フレームエラーとは、通信データにおけるフレームの少なくとも一部が解析不能であることによるエラーである。
通信エラー判定部240は、通信部23が通信方式2で室内機30a,30bのそれぞれと通信している場合において、通信エラーが発生すると、この通信エラーが室外機20と室内機30との間における通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当するか否かを判定する。ここで、通信方式の不一致に起因する通信エラーとは、室外機20と室内機30とが、通信方式1と通信方式2とのうち互いに異なる通信方式で通信したことが原因で発生する通信エラーである。例えば、室外機20が室内機30と通信方式2で通信している状態において、室内機30がリセットされる、再起動される、又は設定が変更される等、何らかの理由によって室内機30の通信方式が通信方式2から通信方式1に変わった場合に、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生する。
通信エラー判定部240は、通信部23で通信エラーが発生すると、通信エラーの種類を判定する。そして、通信エラー判定部240は、発生した通信エラーが、通信方式の不一致に起因する特定の種類の通信エラーに該当する場合に、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生したと判定する。なお、この特定の種類の通信エラーは、必ずしも通信方式の不一致が原因で発生するものでなくてもよく、通信方式の不一致が原因で発生する可能性がある通信エラーであればよい。
具体的に説明すると、通信エラーには、通信方式が不一致の場合に発生する可能性があるものと、通信方式が一致している場合にも発生する可能性があるものとが存在する。両者は一部重複する。例えば、上述した通信エラーのうち、パリティエラー、ストップビットエラー及びタイムアウトは、通信方式の不一致が原因で発生する可能性が高い。一方で、フレームエラーは、ノイズによってフレームの一部が変化することにより、或いは室内機30が誤ったデータを送信したことが原因で発生するため、通信方式が一致している場合にも発生する。
そのため、通信エラー判定部240は、通信エラーが発生した場合において、その通信エラーがパリティエラー、ストップビットエラー又はタイムアウトであれば、その通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当すると判定する。一方で、通信エラー判定部240は、通信エラーが発生した場合において、その通信エラーがフレームエラーであれば、その通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当しないと判定する。このように、通信方式が一致している場合にも発生する通信エラーを除外することで、正確に通信方式の不一致を検出することができる。
通信エラー判定部240は、2台の室内機30a,30bのうちの少なくともいずれかの室内機30との間で通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生したと判定すると、この通信エラーと、この室内機30の通信アドレスとを、通信エラー監視部250に通知する。このような通信エラー判定部240の機能は、制御部21が通信部23と協働することによって実現される。
通信エラー監視部250は、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生すると、この通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えたか否かを監視する。具体的に説明すると、通信エラー監視部250は、通信エラー判定部240から通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生したことを示す通知を受けると、同じ種類の通信エラーが連続して発生したか否かを監視する。そして、通信エラー監視部250は、同じ種類の通信エラーが連続して発生した場合に、その発生回数が閾値を超えたか否か、及び、その継続時間が閾値を超えたか否かを判定する。
通信エラーの発生回数の閾値は、例えば30回又は50回等に予め設定される。通信エラーの継続時間の閾値は、例えば1分又は2分等に予め設定される。なお、これらの閾値は、予め固定値に設定されることに限らず、室外機20の立ち上げ中における通信エラー率、又は発生した通信エラーの種類等に応じて、動的に決められるものであってもよい。
通信エラー監視部250は、通信エラーの発生回数が閾値を超えたか、又は、通信エラーの継続時間が閾値を超えた場合、通信異常が発生した旨を切替部210に通知する。このような通信エラー監視部250の機能は、制御部21によって実現される。
室内機30a,30bのうちのいずれかの室内機30との通信において、通信方式の不一致に起因する通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えた場合、その室内機30とは通信方式2で通信不可能であると見なすことができる。そのため、切替部210は、通信エラー監視部250による監視の結果、通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えた場合、通信部23が室内機30a,30bのそれぞれと通信するための通信方式を、通信方式2から通信方式1に切り替える。これにより、室内機30a,30bのそれぞれとの通信を、通信方式2での通信から通信方式1での通信に切り替える。
このとき、切替要求送信部230は、室内機30a,30bのそれぞれと通信方式1で通信するため、室内機30a,30bの通信方式を通信方式1に切り替える切替要求を、室内機30a,30bのそれぞれに送信する。これにより、空調システム10全体の通信方式が通信方式1に切り替えられる。なお、通信方式の不一致に起因する通信エラーの原因となった室内機30は、既に通信方式1に設定されているため、この切替要求を受信しても、自機の通信方式を通信方式1のまま切り替えない。これに対して、通信方式2に設定されている他の室内機30は、この切替要求を受信すると、自機の通信方式を通信方式2から通信方式1に切り替える。
通信部23の通信方式を通信方式1に切り替えると、制御部21は、通信方式2で通信する状態A4から、通信方式を判定する状態A2に戻る。状態A2において、通信方式判定部220は、再度、室内機30a,30bのそれぞれが通信方式2に対応しているか否かを判定する。言い換えると、通信方式判定部220は、切替部210によって通信部23の通信方式が通信方式2から通信方式1に切り替えられた後で、室内機30a,30bのそれぞれが通信方式2に対応しているか否かを判定する。
判定の結果、通信方式判定部220によって室内機30a,30bのどちらもが通信方式2に対応していると判定された場合、切替要求送信部230は、室内機30a,30bの通信方式を通信方式2に切り替える切替要求を、室内機30a,30bのそれぞれに送信する。そして、切替部210は、通信部23の通信方式を通信方式1から通信方式2に切り替える。その結果、状態A4における通信方式2での通信が再開される。
このように、室外機20は、通信エラーの発生によって通信方式1での通信に切り替わった後、再度、各室内機30の通信方式を判定して通信方式2での通信に切り替えることで、高速な通信方式2に復帰することができる。
なお、通信方式判定部220によって室内機30a,30bの少なくとも1台が通信方式2に対応していないと判定された場合、すなわち前回とは異なる判定結果が得られた場合、新たな判定結果に基づいて通信方式1で通信する動作を続けてもよいし、エラーとして室外機20の動作を停止又はリセットしてもよい。
続いて、室内機30a,30bの機能について説明する。図4に示すように、室内機30a,30bのそれぞれは、機能的に、切替部310と、切替要求受信部330と、通信エラー判定部340と、通信エラー監視部350と、を備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部32に格納される。制御部31が、ROM又は記憶部32に記憶されたプログラムを実行することによって、各部の機能を実現する。
切替部310は、通信部33が室外機20と通信する通信方式を、通信方式1と通信方式2との間で切り替える。具体的に説明すると、切替部310は、通信方式1と通信方式2とのどちらの通信方式を用いるかを状況に応じて判定し、室外機20と通信するための通信方式を設定する。このような切替部310の機能は、制御部31が通信部33と協働することによって実現される。なお、室外機20の切替部210を第1の切替部というのに対して、室内機30の切替部310を第2の切替部という。
以下、図6に示す室内機30の状態遷移図を参照しながら、切替部310の切り替え処理について説明する。図6に示すように、室内機30の制御部31は、動作状態がリセットされ、その後、そのリセットが解除されると、機器の立ち上げ中の状態である状態B1に移行する。状態B1において、室内機30の制御部31は、各種設定を初期化することで、機器を動作可能な状態に起動させる。
状態B1における立ち上げ処理(初期化処理)において、制御部31は、通信部33の通信方式を、従来の通信方式である通信方式1に設定する。そして、制御部31は、通信部33を介して通信方式1で室外機20と通信することにより、室内機30の台数、及び、自機の通信アドレス等の情報を取得する。また、制御部31は、室外機20からの要求に応じて、自機の機種情報、設定情報及び状態情報等を室外機20に送信する。このような立ち上げ処理が完了後、制御部31は、通信方式1で通常の通信を行う状態B2に移行する。
状態B2において、通信部33は、従来の通信方式である通信方式1で、室外機20と通信する。具体的に説明すると、通信部33は、空調システム10の制御に必要な情報を、通信方式1で室外機20と通信する。例えば、通信部33は、室外機20からの要求に応じて、自機の設定情報、状態情報、動作モードを示す情報、及び、各種センサで得られた計測値等を、室外機20に送信する。また、通信部33は、ユーザがリモコンを操作した場合には、リモコンが受け付けた操作内容を取得して、室外機20に送信する。
このとき、通信部33は、室外機20の通信方式判定部220から、自機が対応している通信方式の確認を受けた場合には、この確認に対して応答することで、自機が対応している通信方式を室外機20に伝える。
状態B2において、切替要求受信部330は、室外機20から送信された切替要求を受信する。この切替要求は、上述したように、室内機30a,30bのそれぞれが通信方式2に対応していると判定された場合に、室外機20の切替要求送信部230によって送信された、室内機30a,30bの通信方式を通信方式2に切り替える要求である。このような切替要求受信部330の機能は、制御部31が通信部33と協働することによって実現される。
切替要求受信部330が切替要求を受信すると、切替部310は、通信部33が室外機20と通信するための通信方式を、通信方式1から通信方式2に切り替える。そして、制御部31は、通信方式2で通常の通信を行う状態B3に移行する。
状態B3において、通信部33は、新たな通信方式である通信方式2で、室外機20と通信する。具体的に説明すると、通信部33は、状態B2における通信方式1での通信と同様に、空調システム10の制御に必要な情報を、通信方式2で室外機20と通信する。このとき、室外機20に送信する情報の内容、及びこれらの情報をやり取りするための通信フォーマット等は、状態B2における通信方式1での通信におけるものと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
このように、通信部33が通信方式2で室外機20と通信している場合において、通信エラー判定部340は、通信エラーが発生したか否かを判定する。室外機20の通信エラー判定部240と同様に、通信エラー判定部340は、通信エラーとして、例えば、パリティエラー、ストップビットエラー、タイムアウト、及び、フレームエラー等といった通信エラーを検出する。
通信エラー判定部340は、通信部33が通信方式2で室外機20と通信している場合において、通信エラーが発生すると、この通信エラーが室外機20と室内機30との間における通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当するか否かを判定する。例えば、室内機30が室外機20と通信方式2で通信している状態において、室外機20がリセットされる、再起動される、又は設定が変更される等、何らかの理由によって室外機20の通信方式が通信方式2から通信方式1に変わった場合に、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生する。
通信エラー判定部340は、通信部33で通信エラーが発生すると、通信エラーの種類を判定する。そして、通信エラー判定部340は、発生した通信エラーが、特定の種類の通信エラーに該当する場合に、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生したと判定する。
例えば、通信エラー判定部340は、通信エラーが発生した場合において、その通信エラーがパリティエラー又はストップビットエラーであれば、その通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当すると判定する。一方で、通信エラー判定部340は、通信エラーが発生した場合において、その通信エラーがフレームエラーであれば、その通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当しないと判定する。なお、通信エラーがタイムアウトである場合については、通信エラー判定部340は、その通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当すると判定してもよいし、該当しないと判定してもよい。
通信エラー判定部340は、室外機20との間で通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生したと判定すると、この通信エラーを通信エラー監視部350に通知する。このような通信エラー判定部340の機能は、制御部31が通信部33と協働することによって実現される。なお、室外機20の通信エラー判定部240を第1の通信エラー判定部というのに対して、室内機30の通信エラー判定部340を第2の通信エラー判定部という。
通信エラー監視部350は、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生すると、この通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えたか否かを監視する。具体的に説明すると、通信エラー監視部350は、通信エラー判定部340から通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生したことを示す通知を受けると、同じ種類の通信エラーが連続して発生したか否かを監視する。そして、通信エラー監視部350は、同じ種類の通信エラーが連続して発生した場合に、その発生回数が閾値を超えたか否か、及び、その継続時間が閾値を超えたか否かを判定する。
通信エラーの発生回数の閾値は、例えば30回又は50回等に予め設定される。通信エラーの継続時間の閾値は、例えば1分又は2分等に予め設定される。なお、これらの閾値は、予め固定値に設定されることに限らず、室内機30の立ち上げ中における通信エラー率、又は発生した通信エラーの種類等に応じて、動的に決められるものであってもよい。或いは、閾値は、室外機20からのメッセージによって設定されるものであってもよい。
通信エラー監視部350は、通信エラーの発生回数が閾値を超えたか、又は、通信エラーの継続時間が閾値を超えた場合、通信異常が発生した旨を切替部310に通知する。このような通信エラー監視部350の機能は、制御部31によって実現される。なお、室外機20の通信エラー監視部250を第1の通信エラー監視部というのに対して、室内機30の通信エラー監視部350を第2の通信エラー監視部という。
室外機20との通信において、通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えた場合、その室外機20とは通信方式2で通信不可能であると見なすことができる。そのため、切替部310は、通信エラー監視部350による監視の結果、通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えた場合、通信部33が室外機20と通信するための通信方式を、通信方式2から通信方式1に切り替える。これにより、室外機20との通信を、通信方式2での通信から通信方式1での通信に切り替える。
また、通信エラーが発生しておらず、正常に通信できている場合であっても、切替要求受信部330が室外機20から切替要求を受信すると、切替部310は、通信部33が室外機20と通信するための通信方式を、通信方式2から通信方式1に切り替える。この場合は、具体的には、自機以外の室内機30との通信において通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生した際に、室外機20が空調システム10全体の通信方式を通信方式1に切り替える切替要求を送信した場合に相当する。
通信部33の通信方式を通信方式1に切り替えると、制御部31は、通信方式2で通信する状態B3から、通信方式1で通信する状態B2に戻る。状態B2において、切替要求受信部330が室内機30から切替要求を受信すると、切替部310は、通信部33の通信方式を通信方式1から通信方式2に切り替える。その結果、状態B3における通信方式2での通信が再開される。
このように、室内機30a,30bのそれぞれは、室外機20からの要求に応じて、又は、自機で通信エラーを検出することにより、通信方式1で通信する状態B2と通信方式2で通信する状態B3とを行き来する。
以上のように機能する室外機20及び室内機30において実行される処理の流れについて、以下、図7及び図8に示すフローチャートを参照して説明する。
図7に示すフローチャートは、室外機20によって実行される、室内機30a,30bのそれぞれとの通信処理の流れを示している。図7に示すフローチャートは、室外機20が起動した状態からの通信処理の流れを示しており、例えば、室外機20がリセットされる、又は再起動される等によって、室外機20が起動すると、開始する。
室外機20が起動すると、室外機20の制御部21は、立ち上げ処理を実行する(ステップS101)。具体的に説明すると、制御部21は、通信部23の通信方式を、従来の通信方式である通信方式1に設定する。そして、制御部21は、通信方式1で室内機30a,30bのそれぞれと通信することにより、室内機30a,30bの機種情報、設定情報及び状態情報等を取得する。
立ち上げ処理を完了すると、制御部21は、全ての室内機30が、新たな通信方式である通信方式2に対応しているか否かを判定する(ステップS102)。具体的に説明すると、制御部21は、立ち上げ処理において設定された通信方式1を用いて各室内機30と通信することにより、各室内機30が通信方式2で通信する機能を備えているか否かを確認する。ステップS102において、制御部21は、通信方式判定部220として機能する。
なお、立ち上げ処理において取得した機種情報又は設定情報等の中に、各室内機30が対応している通信方式に関する情報が含まれている場合、制御部21は、立ち上げ処理において取得した情報に基づいて、全ての室内機30が通信方式2に対応しているか否かを判定する。
判定の結果、全ての室内機30が通信方式2に対応している訳ではない、すなわち、室内機30a,30bの少なくともいずれかが通信方式2に対応していないと判定した場合(ステップS102;NO)、制御部21は、通信方式1で室内機30a,30bと通信する(ステップS103)。具体的に説明すると、制御部21は、通信部23を介して通信方式1で各室内機30と通信することにより、空調システム10の制御に必要な情報を取得及び設定する。なお、ステップS103において、通信部23が通信方式1で室内機30と通信している場合には、切替部210として機能する制御部21は、室内機30との間における通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生しても、通信方式を切り替えない。
ステップS102において、室内機30の少なくともいずれかが通信方式2に対応していないと判定した場合、通信方式2では全ての室内機30と通信することができない。そのため、制御部21は、以降はステップS103に留まり、通信方式1での室内機30a,30bのそれぞれとの通信を継続する。
これに対して、全ての室内機30が通信方式2に対応していると判定した場合(ステップS102;YES)、制御部21は、室内機30a,30bのそれぞれと通信方式2での通信を開始するため、室内機30a,30bの通信方式を通信方式2に切り替える切替要求を、室内機30a,30bのそれぞれに送信する(ステップS104)。ステップS104において、制御部21は、切替要求送信部230として機能する。
切替要求を送信すると、制御部21は、通信部23の通信方式を通信方式2に切り替える(ステップS105)。ステップS105において、制御部21は、切替部210として機能する。そして、制御部21は、通信方式2で室内機30a,30bと通信する(ステップS106)。具体的に説明すると、制御部21は、通信部23を介して通信方式2で各室内機30と通信することにより、空調システム10の制御に必要な情報を取得及び設定する。
通信方式2で通信している場合において、制御部21は、通信エラーが発生したか否かを判定する(ステップS107)。通信エラーが発生したと判定した場合(ステップS107;YES)、制御部21は、発生した通信エラーが、通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当するか否かを判定する(ステップS108)。
具体的に説明すると、制御部21は、例えば、パリティエラー、ストップビットエラー、又は、タイムアウト等の通信エラーが発生した場合、発生した通信エラーが、通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当すると判定する。一方で、制御部21は、フレームエラーが発生した場合、発生した通信エラーが、通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当しないと判定する。ステップS107,S108において、制御部21は、通信エラー判定部240として機能する。
発生した通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当すると判定した場合(ステップS108;YES)、制御部21は、この通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS109)。具体的に説明すると、制御部21は、同じ種類の通信エラーが、例えば30回又は50回等の回数、又は、1分又は2分等の時間に亘って連続して発生したか否かを判定する。ステップS109において、制御部21は、通信エラー監視部250として機能する。
通信エラーが発生していない場合(ステップS107;NO)、通信エラーが発生しても、発生した通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当しない場合(ステップS108;NO)、及び、発生した通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当しても、この通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えていない場合(ステップS109;NO)、制御部21は、ステップS106に戻り、通信方式2での室内機30a,30bのそれぞれとの通信を継続する。
これに対して、通信方式の不一致に起因する通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えた場合(ステップS109;YES)、制御部21は、室内機30a,30bの通信方式を通信方式1に切り替える切替要求を、室内機30a,30bのそれぞれに送信する(ステップS110)。そして、制御部21は、通信部23の通信方式を通信方式1に切り替え(ステップS111)、通信方式1で室内機30a,30bと通信する(ステップS112)。すなわち、室内機30a,30bのそれぞれとの通信を、通信方式2での通信から通信方式1での通信に切り替える。ステップS111において、制御部21は、切替部210として機能する。
このように、通信エラーの発生によって通信方式1での通信に切り替えた後、制御部21は、処理をステップS102に戻し、再度、全ての室内機30が通信方式2に対応しているか否かを判定する。そして、全ての室内機30が通信方式2に対応していると判定すると、制御部21は、室内機30a,30bの通信方式を通信方式2に切り替える切替要求を送信し、室内機30a,30bのそれぞれとの通信方式2での通信を再開する。以降、制御部21は、室内機30a,30bのそれぞれが通信方式2に対応している限り、同様の処理を繰り返す。
続いて、室内機30a,30bの処理の説明に移る。図8に示すフローチャートは、室内機30a,30bのそれぞれによって実行される、室外機20との通信処理の流れを示している。図8に示すフローチャートは、室内機30が起動した状態からの通信処理の流れを示しており、例えば、室内機30がリセットされる、又は再起動される等によって、室内機30が起動すると、開始する。
室内機30が起動すると、室内機30の制御部31は、立ち上げ処理を実行する(ステップS201)。具体的に説明すると、制御部31は、通信部33の通信方式を、従来の通信方式である通信方式1に設定する。そして、制御部31は、通信方式1で室外機20と通信することにより、自機の機種情報、設定情報及び状態情報等を室外機20に送信する。
立ち上げ処理を完了すると、制御部31は、室外機20から切替要求を受信したか否かを判定する(ステップS202)。具体的に説明すると、制御部31は、室外機20の処理におけるステップS104で送信される、室内機30a,30bの通信方式を通信方式2に切り替える要求を受信したか否かを判定する。ステップS202において、制御部31は、切替要求受信部330として機能する。
切替要求を受信していない場合(ステップS202;NO)、制御部31は、従来の通信方式である通信方式1で、室外機20と通信する(ステップS203)。具体的に説明すると、制御部31は、通信部33を介して通信方式1で室外機20と通信することにより、空調システム10の制御に必要な情報を送信及び取得する。なお、ステップS203において、通信部33が通信方式1で室外機20と通信している場合には、切替部310として機能する制御部31は、室外機20との間における通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生しても、通信方式を切り替えない。
切替要求を受信すると(ステップS202;YES)、制御部31は、通信部33の通信方式を通信方式2に切り替える(ステップS204)。ステップS204において、制御部31は、切替部310として機能する。そして、制御部31は、通信方式2で室外機20と通信する(ステップS205)。具体的に説明すると、制御部31は、通信部33を介して通信方式2で室外機20と通信することにより、空調システム10の制御に必要な情報を送信及び取得する。
通信方式2で通信している場合において、制御部31は、室外機20から切替要求を受信したか否かを判定する(ステップS206)。具体的に説明すると、制御部31は、室外機20の処理におけるステップS110で送信される、室内機30a,30bの通信方式を通信方式1に切り替える要求を受信したか否かを判定する。ステップS206において、制御部31は、切替要求受信部330として機能する。
切替要求を受信していない場合(ステップS206;NO)、制御部31は、通信エラーが発生したか否かを判定する(ステップS207)。通信エラーが発生したと判定した場合(ステップS207;YES)、制御部31は、発生した通信エラーが、通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当するか否かを判定する(ステップS208)。
具体的に説明すると、制御部31は、例えば、パリティエラー又はストップビットエラー等の通信エラーが発生した場合、発生した通信エラーが、通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当すると判定する。一方で、制御部31は、フレームエラーが発生した場合、発生した通信エラーが、通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当しないと判定する。ステップS207,S208において、制御部31は、通信エラー判定部340として機能する。
発生した通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当すると判定した場合(ステップS208;YES)、制御部31は、この通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS209)。具体的に説明すると、制御部31は、同じ種類の通信エラーが、例えば30回又は50回等の回数、又は、1分又は2分等の時間に亘って連続して発生したか否かを判定する。ステップS209において、制御部31は、通信エラー監視部350として機能する。
通信エラーが発生していない場合(ステップS207;NO)、通信エラーが発生しても、発生した通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当しない場合(ステップS208;NO)、及び、発生した通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当しても、この通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えていない場合(ステップS209;NO)、制御部31は、ステップS205に戻り、通信方式2での室外機20との通信を継続する。
これに対して、通信方式の不一致に起因する通信エラーの発生回数又は継続時間が閾値を超えた場合(ステップS209;YES)、制御部31は、通信部33の通信方式を通信方式1に切り替え(ステップS210)、通信方式1で室外機20と通信する(ステップS211)。また、ステップS206において切替要求を受信した場合にも(ステップS206;YES)、制御部31は、通信部33の通信方式を通信方式1に切り替え(ステップS210)、通信方式1で室外機20と通信する(ステップS211)。すなわち、室外機20との通信を、通信方式2での通信から通信方式1での通信に切り替える。ステップS210において、制御部31は、切替部310として機能する。
このように、通信方式1での通信に切り替えた後、制御部31は、処理をステップS202に戻し、再度、室外機20から切替要求を受信したか否かを判定する。そして、切替要求を受信すると、制御部31は、通信部33の通信方式を通信方式2に切り替え、室外機20との通信方式2での通信を再開する。以降、制御部31は、同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態に係る空調システム10によれば、通信方式1又は通信方式2で通信する1台の室外機20と2台の室内機30a,30bとを備え、室外機20が、通信方式2で室内機30と通信している場合において、室内機30との間における通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生すると、室内機30と通信する通信方式を通信方式2から通信方式1に切り替える。室外機20が室内機30と通信している最中に、室内機30がリセットされたり、再起動されたりすることで通信方式が変わっても、それに応じて通信方式を切り替えることで、安定して室内機30と通信することができる。
このとき、通信エラー判定部240が通信エラーの種類を判定し、通信方式が不一致の可能性がある通信エラーを通信エラー監視部250に通知することで、高精度で通信方式の不一致を検出することができる。そのため、通信方式を的確に切り替えることができ、安定して通信相手と通信することができる。
また、室外機20は、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生したことにより通信部23の通信方式が通信方式1に切り替えられた後で、再度、室内機30a,30bのそれぞれが通信方式2に対応しているか否かを判定し、通信部23の通信方式を通信方式2に切り替える。これにより、通信速度が速い通信方式2で通信エラーが発生しても、通信速度が遅い通信方式1に切り替えることで通信への影響を抑えつつ、通信速度が速い通信方式2に復帰させることができる。
特に、1台の室外機20に複数の室内機30が接続されている分散配置型の空調システム10においては、室外機20又は室内機30のうちの一部の機器のみ交換された結果、新しい通信方式の機器と従来の通信方式の機器とが混在するケースがしばしば起こる。本実施形態に係る空調システム10は、このように複数の通信方式が混在する通信システムにおいて、複数の通信方式のうちから的確に通信方式を切り替えることで、安定して通信相手と通信することができる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、1台の室外機20と2台の室内機30a,30bとを備える空調システム10を例にとって、本発明に係る通信システムについて説明した。しかしながら、本発明に係る通信システムは、空調システムに限らず、空調システム以外の家電機器、パーソナルコンピュータ又はスマートフォン等を含む一般的な情報機器間において有線又は無線で通信する通信システムであってもよい。
また、空調システム10が通信システムとして機能する場合であっても、上記実施形態とは逆に、室内機30が通信装置として機能し、室外機20が通信相手の機器として機能してもよい。この場合、室内機30が、室外機20の通信方式を判定する通信方式判定部220と、室外機20に通信方式の切替要求を送信する切替要求送信部230とを備え、室外機20が、室内機30から送信された切替要求を受信する切替要求受信部330とを備える。
また、上記実施形態では、2台の室内機30a,30bが、通信装置の通信相手の機器として機能した。しかしながら、本発明において、通信装置の通信相手となる機器の数は2であることに限らない。上記実施形態において説明した空調システム10の構成は、通信装置が少なくとも1つの通信相手と通信する通信システムに適用可能である。通信相手が1つである場合、通信装置は、この1つの通信相手との間で、上述した通信方式判定部220及び切替要求送信部230等の処理を実行する。但し、通信装置が多くの通信相手と通信する場合の方が、いずれかの通信相手との間で通信方式の不一致による通信エラーが発生する可能性が高くなるため、本発明による効果が発揮される場面がより増えると考えられる。
また、通信装置の通信相手として機能する機器は、通信エラー判定部340及び通信エラー監視部350を備えなくてもよい。通信相手として機能する機器は、通信エラー判定部340及び通信エラー監視部350を備えていない場合、通信エラーを判定することによっては通信方式を切り替えず、通信装置からの切替要求のみに応じて通信方式を切り替える。
また、通信装置において、通信エラー判定部240が通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生したと判定し、切替部210が自機の通信方式を通信方式2から通信方式1に切り替える際、切替要求送信部230は、通信方式2から通信方式1に切り替える切替要求を通信相手に送信しなくてもよい。例えば、通信装置の通信相手として機能する機器が、通信エラー判定部340を備えており、通信方式の不一致に起因する通信エラーを判定することによって通信方式を切り替える機能を備えている場合には、通信装置から切替要求を受信しなくても、通信装置の通信方式が通信方式1に切り替わったことを検出して、自機の通信方式を通信方式1に自発的に切り替えることができる。また、通信装置の通信相手として機能する機器が、通信エラー判定部340を備えていなくても、通信相手の全てが通信方式2に対応している限り、通信装置は、各通信相手に切替要求を送信して通信方式2での通信を再開する。そのため、切替要求送信部230が通信方式2から通信方式1に切り替える切替要求を通信相手に送信せずとも、暫く待てば通信方式2での通信が再開される。
また、通信装置において、切替要求送信部230は、通信方式判定部220によって少なくとも1つの通信相手のそれぞれが通信方式2に対応していると判定された場合、通信相手の通信方式を通信方式2に切り替える要求を複数回、通信相手のそれぞれに送信してもよい。切替要求を複数回送信することで、送信の際にノイズ又は通信環境等によって通信エラーが発生しても、切替要求をより確実に通信相手に通知することができる。なお、切替要求を送信する回数は、任意に決めることができ、予め決められてROM又は記憶部22等に記憶される。
また、通信装置において、通信エラー判定部240は、切替要求送信部230が切替要求を送信した後、予め定められた時間が経過するまでは、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生したか否かを判定しなくてもよい。言い換えると、切替部210は、切替要求送信部230が切替要求を送信した後、予め定められた時間が経過するまでは、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生しても、通信部23の通信方式を、通信方式2から通信方式1に切り替えなくてもよい。これは、通信方式の切り替え時は、通信装置と通信相手との間で切り替え前の通信方式と切り替え後の通信方式とが混在する状態になるため、通信方式が一致していないと判定され、通信方式が不要に切り替えられてしまうからである。この予め定められた時間は、切替要求を送受信するために要する時間(切替要求を複数回送信する場合には、全ての切替要求が送受信され終わるまでに要する時間)に設定することができる。
同様に、通信相手において、通信エラー判定部340は、切替要求受信部330が切替要求を受信した後、予め定められた時間が経過するまでは、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生したか否かを判定しなくてもよい。言い換えると、切替部310は、切替要求受信部330が切替要求を受信した後、予め定められた時間が経過するまでは、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生しても、通信部33の通信方式を、通信方式2から通信方式1に切り替えなくてもよい。
また、上記実施形態では、通信エラー判定部240,340は、通信エラーが発生すると、この通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当すると判定した場合に、この通信エラーを通信エラー監視部250,350に通知した。しかしながら、通信エラー判定部240,340は、通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当しない通信エラー(例えば、ノイズ又は通信環境等による通信エラー)も、通信エラー監視部250,350に通達してもよい。この場合、通信エラー監視部250,350は、通信方式の不一致に起因する通信エラーと、通信方式の不一致に依らない通信エラーとを、別個に監視する。
具体的に説明すると、通信エラー監視部250,350は、通信方式の不一致に起因する通信エラーについては、上記実施形態と同様に、発生回数及び継続時間を監視する。一方で、通信エラー監視部250,350は、通信方式の不一致に依らない通信エラーについては、発生回数、継続時間、及び、予め定められた時間における発生割合等を監視し、これらの少なくとも1つが閾値を上回った場合に、切替部210,310に通知する。切替部210,310は、通信エラー監視部250,350から通知を受けた場合、通信部23,33の通信方式を通信方式1に切り替える。言い換えると、切替部210,310は、通信エラー判定部240,340によって発生した通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当しないと判定された場合にも、通信部23,33の通信方式を、通信方式2から通信方式1に切り替える。
さらに、通信装置において、通信方式判定部220は、通信エラー判定部240によって発生した通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当すると判定された場合は、上記実施形態と同様に、再度、通信相手が通信方式2に対応しているか否かを判定する。この場合、通信速度が速い通信方式2に再度復帰することができる。一方で、通信方式判定部220は、通信エラー判定部240によって発生した通信エラーが通信方式の不一致に起因する通信エラーに該当しないと判定された場合には、通信相手が通信方式2に対応しているか否かを判定しない。そのため、通信相手が通信方式2に対応していても、切替部210は、通信部23の通信方式を通信方式2から通信方式1に切り替えた後、通信部23の通信方式を通信方式1から通信方式2に切り替えない。この場合、高速通信では通信品質が保てないと見なし、通信速度が遅い通信方式1のまま通信を続ける。これにより、通信エラーの種類によって、適切な通信方式を選択することができる。
上記実施形態では、室外機20と室内機30a,30bとは、低速な通信方式1と高速な通信方式2という2つの通信方式で通信可能であり、通信方式の不一致に起因する通信エラーが発生すると、通信部23,33の通信方式を通信方式2から通信方式1に切り替えた。しかしながら、通信方式1と通信方式2とは、通信方式が異なるものであれば、通信速度は同じであってもよい。また、本発明に係る通信システムにおいて、通信装置とその通信相手とは、3つ以上の通信方式で通信可能であり、3つ以上の通信方式の中から通信方式を切り替えるように構成することもできる。このように、本発明は、異なる複数の通信方式で通信可能であれば、どのような通信システム及び通信装置にも適用することができる。
上記実施形態では、室外機20の制御部21において、CPUがROM又は記憶部22に記憶されたプログラムを実行することによって、切替部210、通信方式判定部220、切替要求送信部230、通信エラー判定部240及び通信エラー監視部250のそれぞれとして機能した。室内機30a,30bの制御部31において、CPUがROM又は記憶部32に記憶されたプログラムを実行することによって、切替部310、切替要求受信部330、通信エラー判定部340及び通信エラー監視部350のそれぞれとして機能した。しかしながら、本発明において、制御部21,31は、専用のハードウェアであってもよい。専用のハードウェアとは、例えば単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせ等である。制御部21,31が専用のハードウェアである場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現してもよいし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現してもよい。
また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現してもよい。このように、制御部21,31は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は、これらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
本発明に係る通信装置及び通信相手のそれぞれの動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータ又は情報端末装置等に適用することで、当該パーソナルコンピュータ又は情報端末装置等を、本発明に係る通信装置及び通信相手のそれぞれとして機能させることも可能である。
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk ROM)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、又は、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して配布してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。