WO2018207237A1

WO2018207237A1 - 空気調和機及び空気調和システム

Info

Publication number: WO2018207237A1
Application number: PCT/JP2017/017389
Authority: WO
Inventors: 後藤　裕二
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2017-05-08
Filing date: 2017-05-08
Publication date: 2018-11-15
Also published as: JP6727426B2; JPWO2018207237A1

Abstract

空気調和機（１０）は、室内機（１１）と、室外冷却ファン（１２５）を備える室外機（１２）と、室外機（１２）の周囲に存在する人を検出する室外人感センサ（１２１）と、室外（１０２）の照度を検出する照度センサと、室外冷却ファン（１２５）を制御するファン制御部とを備え、ファン制御部は、室外人感センサ（１２１）及び照度センサからの検出情報に基づき、室外冷却ファン（１２５）の回転速度を段階的に変化させることを特徴とする。

Description

空気調和機及び空気調和システム

　本発明は、照度センサ及び人感センサを用いた空気調和機及び空気調和システムに関する。

　特許文献１に開示される従来の空気調和機の室外機は、熱交換器と、熱交換器を冷却するためのファンと、人の接近を検出する検出手段とを備え、検出手段が室外機への不審な人物の接近を検出したとき、ファンを回転させるように構成されている。特許文献１に開示される従来の空気調和機によれば、室内に人が不在の場合でも室内に人がいるように見せかけて不審者の室内への侵入を抑制することができる。

特開２００３－４２７９号公報

　しかしながら、従来の技術では、室外冷却ファンの回転速度が一定であり、また防犯上注意が必要な夜間かどうかの判断ができないため、防犯効果が低いという課題があった。

　本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、防犯効果を高めることができる空気調和機を得ることを目的とする。

　上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の空気調和機は、室内機と、室外冷却ファンを備える室外機と、室外機の周囲に存在する人を検出する室外人感センサと、室外の照度を検出する照度センサと、室外冷却ファンを制御するファン制御部とを備え、ファン制御部は、室外人感センサ及び照度センサからの検出情報に基づき、室外冷却ファンの回転速度を段階的に変化させることを特徴とする。

　本発明に係る空気調和機は、防犯効果を高めることができるという効果を奏する。

本発明の実施の形態１に係る空気調和機の構成を示す構成図本発明の実施の形態１に係る空気調和機の主な機能構成を示すブロック図本発明の実施の形態１に係る空気調和機が室外冷却ファンを回転させるか否かを決定する動作を説明するためのフローチャート本発明の実施の形態１に係る空気調和機が室外冷却ファンの回転速度を変更する動作を説明するためのフローチャート本発明の実施の形態２に係る空気調和機が設置された建物と、建物の周囲に設置されたフェンスとを示す図本発明の実施の形態２に係る空気調和機の動作を説明するためのフローチャート本発明の実施の形態３に係る空気調和システムの主な機能構成を示すブロック図本発明の実施の形態１，２に係る空気調和機が備える処理回路のハードウェア構成の一例を示す図

　以下に、本発明の実施の形態に係る空気調和機及び空気調和システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

実施の形態１．
　図１は本発明の実施の形態１に係る空気調和機の構成を示す構成図である。図２は本発明の実施の形態１に係る空気調和機の主な機能構成を示すブロック図である。図３は本発明の実施の形態１に係る空気調和機が室外冷却ファンを回転させるか否かを決定する動作を説明するためのフローチャートである。図４は本発明の実施の形態１に係る空気調和機が室外冷却ファンの回転速度を変更する動作を説明するためのフローチャートである。

　図１に示すように、実施の形態１に係る空気調和機１０は、室内機１１と、室外機１２と、冷媒管１３と、室内機１１を操作するリモートコントローラ１４とを備える。

　室内機１１は、空調対象空間である建物１００の室内１０１に設置され、室外機１２は、建物１００の室外１０２の床面に設置され、冷媒管１３は、建物１００の室外１０２側の壁面に固定される。リモートコントローラ１４は、建物１００の室内１０１に備え付けられ、室内機１１との間で無線又は有線で情報で送受信を行う。

　室内機１１及び室外機１２は、冷媒管１３により相互に接続され、また不図示の通信線及び電力線により相互に接続される。室内機１１は、室内１０１に存在する人を検出する室内人感センサ１１１と、室内１０１の照度を検出する室内照度センサ１１２とを備える。

　室内人感センサ１１１には赤外線センサを例示できる。赤外線センサは、室内機１１に存在する人の顔又は体の表面から放射される赤外線を計測して、計測した赤外線を、室内機１１の周囲に人が存在することを示す検出情報として出力する。なお室内人感センサ１１１はこれらに限定されず、室内１０１に人が存在するか否かを検知できるセンサであればよく、例えばセンサ自らが赤外線を出射し、反射した赤外線を検知する構造のセンサでもよいし、一定の周波数の超音波を出射し、反射した超音波を検知するセンサでもよい。

　室内照度センサ１１２には、室内１０１の照明から出射された光、又は建物１００の窓を介して室内１０１に入射した太陽光を、フォトダイオードで集めて光電変換を行い、照度に応じた電圧を増幅して出力する光電変換回路を例示できる。

　室外機１２は、室外機１２の周囲に存在する人を検出する室外人感センサ１２１と、室外１０２の照度を検出する室外照度センサ１２２と、冷媒を圧縮する圧縮機１２３と、室外熱交換器１２４と、室外機１２の内部に空気の流れを生じさせる室外冷却ファン１２５とを備える。

　室外人感センサ１２１には、一定周波数の超音波を発信すると共に反射波を受信する超音波センサを例示できる。なお室外人感センサ１２１は超音波センサに限定されず、室外機１２の周囲に存在する人から室外機１２までの距離を計測できるセンサであればよく、例えばセンサ自らが赤外線を出射し、反射した赤外線を検知する赤外線方式のセンサでもよいし、センサ自らがレーザ光を出射し、反射した光を複数の受光素子を用いて検知するレーザ方式のセンサでもよい。室外照度センサ１２２には、室内照度センサ１１２と同様の回路を例示できる。

　室内機１１、室外機１２、冷媒管１３、圧縮機１２３、室外熱交換器１２４、不図示の室内熱交換器、及び不図示の膨張弁により、一つの冷凍サイクルが実現される。冷凍サイクルに冷媒が循環することにより、室内１０１の空気と室外１０２の空気との間で熱交換が行われる。これにより室内１０１の空気調和が実現される。室外冷却ファン１２５が回転することにより室外機１２の内部に空気の流れが生じて、室外熱交換器１２４に空気が通流する。室外熱交換器１２４に空気が通流することにより、室外熱交換器１２４に循環する冷媒の熱が空気中に放射され、又は室外熱交換器１２４に循環する冷媒に空気中の熱が冷媒に吸収される。これにより室内１０１の空気調和が行われる。

　図２に示すように、空気調和機１０の室内機１１は、前述した室内人感センサ１１１及び室内照度センサ１１２を備えると共に、判定部１１３と、制御部１１４と、記憶部１１５とを備える。判定部１１３及び制御部１１４はファン制御部１２０を構成する。

　制御部１１４は、図１のリモートコントローラ１４で設定された運転モード及び設定温度に従い空調制御を行うため、室外機１２の圧縮機１２３及び室外冷却ファン１２５の回転数を制御すると共に、室内機１１が備える不図示の送風ファンの回転数を制御する。運転モードには、冷房運転、暖房運転、除湿運転又は送風運転といった各種の動作モードが含まれる。当該動作モードは、リモートコントローラ１４により変更可能である。このように構成された空気調和機１０は、通常の運転時すなわちリモートコントローラ１４が操作されたときに設定された運転モードに従い室外冷却ファン１２５を回転させる。さらに、空気調和機１０は、運転モードが設定されていないときでも、防犯たのために、室内人感センサ１１１及び照度センサから得られた検出情報を用いて、室外冷却ファン１２５の回転速度を段階的に変化させるように構成されている。この「照度センサ」には室内照度センサ１１２及び室外照度センサ１２２が含まれる。

　以下では図３及び図４を用いて、室外冷却ファン１２５の回転速度を段階的に変化させる動作を説明する。なお図３及び図４には、図２に示すファン制御部１２０による回転速度変更機能が有効にされているときに実行される回転速度変更動作の処理が例示されている。図３において、判定部１１３は、室内人感センサ１１１からの検出情報を用いて、室内１０１に人が存在するか否かを判定する（ステップＳ２１）。判定部１１３は、室内１０１に人が存在しない場合（ステップＳ２１：Ｎｏ）、室外人感センサ１２１を用いて、室外機１２の近くに人が存在するか否かを判定する（ステップＳ２２）。判定部１１３は、室外機１２の近くに人が存在する場合（ステップＳ２２：Ｙｅｓ）、室外冷却ファン１２５が回転中か否かを判定する（ステップＳ２３）。室外冷却ファン１２５が回転中であると判定された場合（ステップＳ２３：Ｙｅｓ）、制御部１１４は、室外冷却ファン１２５の回転速度を変更する（ステップＳ２４）。室外冷却ファン１２５の回転速度を変更する動作の詳細は後述する。

　室外冷却ファン１２５が停止していると判定された場合（ステップＳ２３：Ｎｏ）、制御部１１４は、室外冷却ファン１２５の回転を開始させる（ステップＳ２５）。ステップＳ２５の処理の後、再びステップＳ２１の処理が実行される。なお、既に室外冷却ファン１２５の回転が開始している場合には、ステップＳ２５の処理は実行されずにステップＳ２１の処理が実行される。

　ステップＳ２１において、室内１０１に人が存在する場合（ステップＳ２１：Ｙｅｓ）、制御部１１４は、一定時間経過したか否かを判定する（ステップＳ２６）。具体的には、制御部１１４は、記憶部１１５に記憶された設定時間又は制御部１１４に設定された設定時間と、リモートコントローラ１４により空気調和機１０の運転が開始された時点からの経過時間とを比較する。経過時間が設定時間を超えていないときには一定時間経過していないと判定し、経過時間が設定時間を超えたときには一定時間経過したと判定する。なお、上記の一定時間は、通常の運転モードとは無関係に、すなわち防犯目的で室外冷却ファン１２５を回転させていることを不審者に知徳されることを防止するために設けられている。また上記の経過時間は、空気調和機１０の運転が開始された時点から時間に限定されず、例えばリモートコントローラ１４によって後述する回転速度変更機能が有効にされた時点からの経過時間でもよい。

　ステップＳ２６において、一定時間経過していない場合（ステップＳ２６：Ｎｏ）、ステップＳ２１の処理が実行される。なお、制御部１１４は、既に室外冷却ファン１２５の回転が開始している場合、室外冷却ファン１２５の回転を継続させる。これは、室内１０１に人が存在して空気調和機１０の運転が実行されているときに、室外冷却ファン１２５の回転が急に停止すると不自然に感じられることを防ぐためである。また制御部１１４は、既に室外冷却ファン１２５の回転が停止している場合、室外冷却ファン１２５の回転を停止させたままにする。

　ステップＳ２６において、一定時間経過した場合（ステップＳ２６：Ｙｅｓ）、制御部１１４は、室外冷却ファン１２５の回転を停止させる（ステップＳ２７）。ステップＳ２７の処理の後、再びステップＳ２１の処理が実行される。なお、既に室外冷却ファン１２５の回転が停止している場合には、ステップＳ２７の処理は実行されずにステップＳ２１の処理が実行される。

　ステップＳ２２において、室外機１２の近くに人が存在しない場合（ステップＳ２２：Ｎｏ）、制御部１１４は、ステップＳ２６の処理を実行する。ステップＳ２６において、一定時間経過していない場合（ステップＳ２６：Ｎｏ）、ステップＳ２１の処理が実行される。なお、制御部１１４は、既に室外冷却ファン１２５の回転が開始している場合、室外冷却ファン１２５の回転を継続させる。これは、空気調和機１０の運転実行中に室外１０２の周囲から不審者が存在しなくなった時点で、室外冷却ファン１２５の回転が急に停止すると不自然に感じられることを防ぐためである。また制御部１１４は、既に室外冷却ファン１２５の回転が停止している場合には、室外冷却ファン１２５の回転を停止させたままにする。

　図４において、判定部１１３は、室内照度センサ１１２からの検出情報を用いて、室内１０１の明るさを判定する（ステップＳ３０１）。具体的には、判定部１１３は、室内照度センサ１１２からの検出情報を一定周期で記憶部１１５に記憶させ、現時刻よりも一定時間前に記憶された第１の照度と現時刻で計測された第２の照度を比較し、第２の照度が第１の照度を超えている場合、室内１０１が明るいと判定し、第２の照度が第１の照度以下の場合、室内１０１が暗いと判定する。なお、判定部１１３における照度判定動作はこれに限定されず、記憶部１１５に予め記憶された判定用室内照度又は判定部１１３に予め設定された判定用室内照度と、室内照度センサ１１２からの検出情報で得られる照度計測値とを比較し、照度計測値が判定用室内照度を超えたか、照度計測値が判定用室内照度以下であるかを判定することで、室内１０１の明るさを判定してもよい。

　室内１０１が暗いと判定された場合（ステップＳ３０１：Ｎｏ）、制御部１１４は、室外冷却ファン１２５の回転速度を一定量上げる制御を行う（ステップＳ３０２）。例えば、記憶部１１５には複数の回転速度インデックスが記憶されており、この回転速度インデックスは、設定温度と現在の室内温度との温度差や運転モードに応じて室外冷却ファン１２５の回転速度を段階的に変化させるための回転速度設定値である。室内１０１が暗いと判定されたときの制御部１１４は、回転速度インデックスを＋１とし、現在の室外冷却ファン１２５の回転速度を一段階増加させる制御を行う。ステップＳ３０２の後、ステップＳ３０４の処理が実行される。

　ステップＳ３０１において、室内１０１が明るいと判定された場合（ステップＳ３０１：Ｙｅｓ）、制御部１１４は、室外冷却ファン１２５の回転速度を一定量下げる制御を行う（ステップＳ３０３）。すなわち制御部１１４は、回転速度インデックスを－１とし、現在の室外冷却ファン１２５の回転速度を一段階減少させる制御を行う。

　次に判定部１１３は、室外照度センサ１２２からの検出情報を用いて、室外１０２の明るさを判定する（ステップＳ３０４）。具体的には、判定部１１３は、室外照度センサ１２２からの検出情報を一定周期で記憶部１１５に記憶させ、現時刻よりも一定時間前に記憶された第３の照度と現時刻で計測された第４の照度を比較し、第４の照度が第３の照度を超えている場合、室外１０２が明るいと判定し、第４の照度が第３の照度以下の場合、室外１０２が暗いと判定する。なお、判定部１１３における照度判定動作はこれに限定されず、記憶部１１５に予め記憶された判定用室外照度又は判定部１１３に予め設定された判定用室外照度と、室外照度センサ１２２からの検出情報で得られる照度計測値とを比較し、照度計測値が判定用室外照度を超えたか、照度計測値が判定用室外照度以下であるかを判定することで、室外１０２の明るさを判定してもよい。

　室外１０２が暗いと判定された場合（ステップＳ３０４：Ｎｏ）、制御部１１４は、室外冷却ファン１２５の回転速度を一定量上げる制御を行う（ステップＳ３０５）。すなわち室外１０２が暗いと判定されたときの制御部１１４は、回転速度インデックスを＋１とし、現在の室外冷却ファン１２５の回転速度を一段階増加させる制御を行う。ステップＳ３０５の後、ステップＳ３０７の処理が実行される。

　ステップＳ３０４において、室外１０２が明るいと判定された場合（ステップＳ３０４：Ｙｅｓ）、制御部１１４は、室外冷却ファン１２５の回転速度を一定量下げる制御を行う（ステップＳ３０６）。すなわち制御部１１４は、回転速度インデックスを－１とし、現在の室外冷却ファン１２５の回転速度を一段階減少させる制御を行う。

　次に判定部１１３は、室外人感センサ１２１からの検出情報を用いて、室外機１２から人までの距離が遠くなったか否かを判定する（ステップＳ３０７）。具体的には、判定部１１３は、室外人感センサ１２１からの検出情報を用いて、室外１０２から人までの距離を推定する。距離の推定は、室外人感センサ１２１が屋外の人に向けて超音波を発信してから室外人感センサ１２１が反射波を受信するまでの時間を計測することにより行われる。推定距離は記憶部１１５に記憶され、判定部１１３は、現時刻よりも一定時間前に記憶された第１の推定距離と現時刻で計測された第２の推定距離を比較し、第２の推定距離が第１の推定距離を超える場合、室外機１２から人までの距離が遠くなったと判定し、第２の推定距離が第１の推定距離以下の場合、室外機１２から人までの距離が近くなったと判定する。

　室外機１２から人までの距離が近くなった場合（ステップＳ３０７：Ｎｏ）、制御部１１４は、室外冷却ファン１２５の回転速度を一定量上げる制御を行う（ステップＳ３０８）。ステップＳ３０８の後、ステップＳ３１０の処理が実行される。

　室外機１２から人までの距離が遠くなった場合（ステップＳ３０７：Ｙｅｓ）、制御部１１４は、室外冷却ファン１２５の回転速度を一定量下げる制御を行う（ステップＳ３０９）。

　次に、制御部１１４は、回転速度インデックスが最小値未満であるか否かを判定する（ステップＳ３１０）。回転速度インデックスが最小値未満である場合（ステップＳ３１０：Ｙｅｓ）、制御部１１４は、最小回転速度を示す最小回転速度インデックスに設定する（ステップＳ３１１）。ステップＳ３１１の後、ステップＳ３１２の処理が実行される。

　回転速度インデックスが最小値未満でない場合（ステップＳ３１０：Ｎｏ）、制御部１１４は、回転速度インデックスが最大値を超えているか否かを判定する（ステップＳ３１２）。回転速度インデックスが最大値を超えている場合（ステップＳ３１２：Ｙｅｓ）、制御部１１４は、最大回転速度を示す最大回転速度インデックスに設定する（ステップＳ３１３）。ステップＳ３１３の後、ステップＳ３１４の処理が実行される。

　回転速度インデックスが最大値を超えていない場合（ステップＳ３１２：Ｎｏ）、制御部１１４は、室外冷却ファン１２５の回転速度の設定を更新することにより、回転速度を変更する（ステップＳ３１４）。

　以上のように実施の形態１に係る空気調和機１０のファン制御部１２０は、室外人感センサ１２１及び照度センサ（室内照度センサ１１２又は室外照度センサ１２２）からの検出情報に基づき、室外冷却ファン１２５の回転速度を段階的に変化させる。また空気調和機１０のファン制御部１２０は、室内１０１に人が存在するか否かを判定し、さらに室外１０２の周囲に人が存在するか否かを判定した上で、室外冷却ファン１２５を回転させるか否かを判定する。また空気調和機１０は、室内１０１に人が存在し、又は室外１０２の周囲に人が存在しない場合には、室外冷却ファン１２５の回転を停止させる。この場合、空気調和機１０は、一定時間経過したときに室外冷却ファン１２５の回転を停止させることで、不審者がいなくなった時点で即座に室外冷却ファン１２５の回転を停止させるような不自然な動作を防止している。すなわち、室外機１２の周囲の人の有無で室外冷却ファン１２５の動作を即座に変化させると、防犯のために室外機１２を稼働させていることを不審者に知られてしまうため、一定時間を設けることでこのようなことを防止している。

　また室外冷却ファン１２５の回転速度は、室内１０１及び室外１０２の照度に応じて変更される。これにより、犯罪発生率が高まる傾向のある夜間では、室外冷却ファン１２５の回転速度が速くなる方向に変化し、室外１０２から不審者までの距離のみで室外冷却ファン１２５の回転速度を変化させる場合に比べて、防犯効果をより高めることが可能である。

　また、室外機１２の室外人感センサ１２１の検出情報や室外冷却ファン１２５の回転速度は、室内機１１、室外機１２又はリモートコントローラ１４が有する記憶部に記憶させてもよい。これにより、いつでも室内機１１や室外機１２の過去の情報を取り出すことができ、過去の情報を利用して防犯対策をより強化することができる。

　またリモートコントローラ１４には、室外冷却ファン１２５の回転速度を変化させる回転速度変更機能を有効にするか無効にするかを任意に切り替える切替機能を設けてもよい。切替機能を設けることにより、ユーザは、回転速度変更機能を有効にするか無効にするかを任意に切り替えることが可能となり、ユーザの利便性が向上すると共に、例えば日中の明るい時間帯に数時間外出するような場合に、室内１０１に人が不在であっても室外冷却ファン１２５を動作させる必要がないときには、回転速度変更機能を無効にすることにより、配達人や近隣住民の検出による室外冷却ファン１２５の不要動作を防止し、電力消費を抑制できる。

　またファン制御部１２０は、室内機１１、室外機１２又はリモートコントローラ１４にタイマ機能を持たせ、タイマで計測される時間が一定時間経過したときに、上記の回転速度変更機能を有効にするか無効にするかを自動で切り替えるように構成しても良い。これによりユーザは、回転速度変更機能を毎回設定しなくても、一定時間経過時に自動的に回転速度変更機能を有効にし又は無効にすることができる。従って、万一、上記の回転速度変更機能をユーザが設定し忘れた場合でも回転速度変更機能を有効にできるため、ユーザの負担を軽減しながら防犯効果を高めることができる。

実施の形態２．
　実施の形態１では、周囲の状況に応じて室外冷却ファン１２５の回転速度を変更するようにしたものであるが、実施の形態２では、より一層防犯効果を高めるため、室外１０２以外の場所に、室外人感センサ１２１とは異なる人感センサなどを設置する例を説明する。

　図５は本発明の実施の形態２に係る空気調和機が設置された建物と、建物の周囲に設置されたフェンスとを示す図である。図５には、フェンス２００と、フェンス２００で囲まれた建物１００とが示され、フェンス２００と建物１００との間のスペースには、室外機１２の周囲以外の場所に存在する不審者である人を検出する人感センサ４１と、不審者を牽制するための牽制部である照明４２とが設置される。すなわち室外１０２以外の場所に、人感センサ４１と照明４２とが設置される。

　牽制部は、照明４２に限定されず、警告音や警告メッセージを発するスピーカでもよいし、警告メッセージを表示する表示器でもよいし、水を噴射する水噴射機でもよい。人感センサ４１は、室外１０２のうち、室外機１２以外の場所に設置されていればよく、例えば建物１００の壁面に設置されたものでもよいし、フェンス２００に設置されたものでもよい。また照明４２の設置場所は、図示例の場所に限定されず、建物１００の壁面やフェンス２００でもよい。人感センサ４１及び照明４２は、不図示の配線により、図２に示す判定部１１３に接続されている。人感センサ４１は、図１に示す室外人感センサ１２１と同様の構造のセンサが用いられる。

　実施の形態２に係る空気調和機１０の動作を説明する。図６は本発明の実施の形態２に係る空気調和機の動作を説明するためのフローチャートである。図３に示すフローチャートとの相違点は、図６ではステップＳ２２０及びステップＳ２２１の処理が追加されている点である。その他の処理は図３に示す処理と同様である。

　実施の形態１では、室外機１２付近の不審者を検出可能であるが、室外機１２から離れた場所、例えば室外機１２から数[ｍ]以上離れた場所に存在する不審者は検出できない。実施の形態２に係る空気調和機１０の判定部１１３は、図１に示す室外人感センサ１２１からの検出情報を用いて、室外機１２の周囲に人が存在するか否かを判定すると共に、人感センサ４１からの検出情報を用いて、建物１００の周囲に人が存在するか否かを判定する。

　具体的には、図６のステップＳ２２において、判定部１１３は、室外機１２の近くに人が存在しないと判定した場合（ステップＳ２２：Ｎｏ）、ステップＳ２２０の処理を実行する。ステップＳ２２０において、判定部１１３は、判定部１１３が人感センサ４１からの検出情報を用いて、建物１００の周囲に人が存在するか否かを判定する。建物１００の周囲に人が存在する場合（ステップＳ２２０：Ｙｅｓ）、制御部１１４は、ステップＳ２３からステップＳ２５の処理を実行する。すなわち、制御部１１４は、室外冷却ファン１２５が回転しているか否かを判定して、室外冷却ファン１２５の回転速度を変更し（ステップＳ２４）、又は室外冷却ファン１２５の回転を開始する（ステップＳ２５）。また制御部１１４は、回転速度を変更した後、又は室外冷却ファン１２５の回転を開始した後、照明４２を点灯させる（ステップＳ２２１）。

　建物１００の周囲に人が存在しない場合（ステップＳ２２０：Ｎｏ）、制御部１１４は、ステップＳ２６及びステップＳ２７の処理を実行する。

　以上のように実施の形態２に係る空気調和機１０は、室外機１２に設置された室外人感センサ１２１以外の人感センサ４１を利用して不審者を検出し、室外冷却ファン１２５の回転速度を変更することで、防犯効果を一層高めることが可能である。

　また実施の形態２に係る空気調和機１０は、室外１０２のうち、室外機１２の周囲以外の場所に設置される牽制部を備え、ファン制御部１２０は、室外人感センサ１２１からの検出情報に基づき、室外冷却ファン１２５の回転速度を変更すると共に、牽制部により、室外機１２に近づく人を牽制する。これにより、室外冷却ファン１２５の回転速度のみ変更する場合に比べて、防犯効果をより一層高めることが可能である。

実施の形態３．
　実施の形態１，２では、室外冷却ファン１２５の回転速度が周囲の状況によって変更される、実施の形態３では、室内機１１及び室外機１２の情報を外部のユーザに提供する構成例を説明する。

　図７は本発明の実施の形態３に係る空気調和システムの主な機能構成を示すブロック図である。実施の形態３に係る空気調和システム３００は、実施の形態１又は２に係る空気調和機１０と、外部サーバ６０と、外部情報端末７０とを備える。空気調和機１０は、外部サーバ６０との通信を行う通信機能を備える。外部サーバ６０は、空気調和機１０及び外部情報端末７０の双方と通信可能に構成され、外部情報端末７０は、外部サーバ６０と通信可能に構成される。

　空気調和機１０が備える通信機能は、室外人感センサ１２１からの検出情報を、インターネットなどのネットワーク技術を用いて、外部サーバ６０経由で外部情報端末７０に送信する。すなわち、空気調和機１０で受信された室外人感センサ１２１からの検出情報は、外部サーバ６０を介して外部情報端末７０へ送信される。このように検出情報が外部情報端末７０に送信されることにより、外部情報端末７０を有するユーザは、外出中であっても、室外機１２に近づく不審者を知ることができ、より防犯効果を高めることが可能である。

　また外部情報端末７０に、ファン制御部１２０による上記の回転速度変更機能を有効にするか無効にするかを切り替える機能を設けてもよい。これにより外出先のユーザは外部情報端末７０を操作することで回転速度変更機能を有効にするか無効にするかを任意に切り替えることが可能となり、ユーザの利便性が向上すると共に防犯効果をより高めることができる。

　図８は本発明の実施の形態１，２に係る空気調和機が備える処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。図２に示す判定部１１３及び制御部１１４は、図８に示すプロセッサ４０１がメモリ４０２に記憶されたプログラムを実行することで実現される。また図２に示す記憶部１１５は、メモリ４０２により実現される。なお図２に示す室内機１１の機能のうち、一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ４０１及びメモリ４０２を用いて実現してもよい。

　以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

　１０　空気調和機、１１　室内機、１２　室外機、１３　冷媒管、１４　リモートコントローラ、４１　人感センサ、４２　照明、６０　外部サーバ、７０　外部情報端末、１００　建物、１０１　室内、１０２　室外、１１１　室内人感センサ、１１２　室内照度センサ、１１３　判定部、１１４　制御部、１１５　記憶部、１２０　ファン制御部、１２１　室外人感センサ、１２２　室外照度センサ、１２３　圧縮機、１２４　室外熱交換器、１２５　室外冷却ファン、２００　フェンス、３００　空気調和システム、４０１　プロセッサ、４０２　メモリ。

Claims

　室内機と、
　室外冷却ファンを備える室外機と、
　前記室外機の周囲に存在する人を検出する室外人感センサと、
　室外の照度を検出する照度センサと、
　前記室外冷却ファンを制御するファン制御部と
　を備え、
　前記ファン制御部は、前記室外人感センサ及び前記照度センサからの検出情報に基づき、前記室外冷却ファンの回転速度を段階的に変化させることを特徴とする空気調和機。
　室内に存在する人を検出する室内人感センサを備え、
　前記ファン制御部は、前記室内人感センサからの検出情報に基づき室内に存在すると判定したときに前記室外冷却ファンの回転を停止させ、又は前記室外人感センサからの検出情報に基づき前記室外機の周囲に人が存在しないと判定したときに前記室外冷却ファンの回転を停止させることを特徴とする請求項１に記載の空気調和機。
　前記ファン制御部は、前記室外機の周囲に人が存在しないと判定したとき、前記室外冷却ファンの回転を一定時間経過後に停止させることを特徴とする請求項２に記載の空気調和機。
　前記室内機を操作するリモートコントローラを備え、
　前記室外人感センサからの検出情報を、前記室内機、前記室外機又は前記リモートコントローラに記憶させることを特徴とする請求項１から３の何れか一項に記載の空気調和機。
　前記室内機を操作するリモートコントローラを備え、
　前記リモートコントローラは、前記ファン制御部による前記室外冷却ファンの回転速度を変更する機能を有効又は無効にするかを任意に切り替える切替機能を備えることを特徴とする請求項１から４の何れか一項に記載の空気調和機。
　前記室内機を操作するリモートコントローラを備え、
　前記室内機、前記室外機又は前記リモートコントローラが備えるタイマで計測される時間が一定時間経過したとき、前記ファン制御部による前記回転速度の変更が有効にされ又は無効にされることを特徴とする請求項１から５の何れか一項に記載の空気調和機。
　室外のうち前記室外機の周囲以外の場所に存在する人を検出する人感センサを備え、
　前記ファン制御部は、前記室外人感センサからの検出情報に加えて、前記人感センサからの検出情報を用いて、前記室外冷却ファンの回転速度を変更することを特徴とする請求項１から６の何れか一項に記載の空気調和機。
　室外のうち前記室外機の周囲以外の場所に設置される牽制部を備え、
　前記ファン制御部は、前記室外人感センサからの検出情報に基づき、前記回転速度を変更すると共に、前記牽制部により前記室外機に近づく人を牽制することを特徴とする請求項１から７の何れか一項に記載の空気調和機。
　請求項１から８の何れか一項に記載の空気調和機と、
　前記空気調和機と通信可能な外部サーバと、
　前記外部サーバと通信可能な外部情報端末と
　を備え、
　前記空気調和機で受信された前記室外人感センサからの検出情報は、前記外部サーバを介して前記外部情報端末へ送信されることを特徴とする空気調和システム。
　前記外部情報端末は、前記ファン制御部による前記回転速度の変更を有効にし又は無効にする機能を備えることを特徴とする請求項９に記載の空気調和システム。