JP2010276204A - 空気調和装置の通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】立ち上げ中に、室外機および室内機がそれぞれ誤配線を検知するための処理を行うことにより、様々なパターンの誤配線を検知することを可能とした空気調和装置の通信システムを構築する。
【解決手段】1または複数の室内機1と1または複数の室外機4とを冷媒配管接続して空気調和を行う空気調和装置において、各機器間の通信を行うための通信システムであって、各室内機1および各室外機4は、立ち上げ時に信号の送受信処理を行い、信号の受信の有無、受信数または受信に係る信号の内容に基づいて、誤配線されているかどうかを判断する処理を行う室内機処理装置101、室外機処理装置401を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、空気調和装置の通信システムに関するものである。特に、空調管理等を行うために各機器間を通信できるように接続した配線について誤配線を検知等するシステムに関するものである。
従来の空気調和機自動アドレス設定システムでは、空気調和機における室外機のシリアル番号を基にアドレス設定ユニットを決定する。このアドレス設定ユニットが一定のシーケンスに従って、空気調和機内の室外機および室内機に対してアドレスを設定している。
また、従来の空気調和機自動アドレス設定システムでは、室内機・室外機それぞれに対し、制御用のアドレスを設定する制御用アドレス設定動作と、室内機に対し、対応する室外機を設定する系統アドレス認識動作の2段階によりアドレス設定が行われている。そして、系統アドレス認識動作において、他系統からの信号を室外機が受信した場合には、室外機に備えられた誤配線認識手段により誤配線を検知することを可能としている(例えば特許文献1、2参照)。
特開平8−170851号公報 特開2000−88321号公報
このように、従来の空気調和機自動アドレス設定システムでは、室外機に備えられた誤配線認識手段により誤配線を検知しているため、誤配線認識手段を介さずに通信が行われるようなパターンの誤配線の場合、誤配線を検知できないという問題があった。
また、従来の空気調和機自動アドレス設定システムでは、シリアル番号を基に一定のシーケンスによりアドレスの自動設定が行われる。このため、例えばユニット(室外機、室内機)の物理的な配置等に基づいてアドレスを設定しようとすると、シリアル番号を考慮してユニットを設置等の必要があるという問題点があった。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、立ち上げ中に、室外機および室内機がそれぞれ誤配線を検知するための処理を行うことにより、様々なパターンの誤配線を検知することを可能とした空気調和装置の通信システムを構築するものである。
この発明に関わる空気調和装置の通信システムは、1または複数の室内機と1または複数の室外機とを冷媒配管接続して空気調和を行う空気調和装置において、各機器間の通信を行うための通信システムであって、各室内機および各室外機は、立ち上げ時に信号の送受信処理を行い、信号の受信の有無、受信数または受信に係る信号の内容に基づいて、誤配線されているかどうかを判断する処理を行う制御装置を備える。
この発明の空気調和装置の通信システムにおいては、立ち上げ時に、システム内の室内機、室外機のそれぞれの制御装置が、信号の送受信等を行い、それぞれ誤配線を検知するための処理を行うようにしたので、立ち上げ途中に様々なパターンの誤配線の検知を行うことができる。
本発明に係る空気調和装置の通信システムの構成を表す図である。 室内機処理装置101が行う立ち上げ時の処理のフローチャートである。 室外機処理装置401が行う立ち上げ時の処理のフローチャートである。 正常に接続している室内機1が誤配線を検知するフローチャートである。 正常に接続している室外機4が誤配線を検知するフローチャートである。 正常に接続された空気調和装置の通信システムを表す図である。 立ち上げ処理が正常に行われる場合の信号の流れを表す図である。 実施の形態1の誤配線された空気調和装置の通信システムを表す図である。 立ち上げ処理時に誤配線が生じている場合の信号の流れを表す図である。 実施の形態2の誤配線された通信システムを表す図である。 機器の追加により誤配線が生じている場合の信号の流れを表す図である。
実施の形態1.
図1は本発明の空気調和装置の通信システムの構成を表す図である。図1において、室内機1A〜1Cは、熱交換器(図示せず)等を有し、対称空間の空気調和(空調)を行う装置である。通信系統の処理を行う装置については、室内機1A〜1Cは、それぞれ室内機処理装置101A〜101C、室内機記憶装置102A〜102Cおよび室内機表示装置103A〜103Cを有している。本実施の形態では、室内機処理装置101A〜101Cは、例えばマイクロコンピューター等からなり、例えば立ち上げ(起動)時において、誤配線の検知に係る処理等を行う。また、室内機記憶装置102A〜102Cは、例えばアドレス設定装置(図示せず)により、外部から設定されたシステム内における固有のアドレスのデータ(以下、アドレスという)を記憶する。また、例えば室内機処理装置101A〜101Cが誤配線検知等、処理を行うためのプログラム等も記憶するようにしてもよい。報知装置である室内機表示装置103A〜103Cは、それぞれ室内機処理装置101A〜101Cの指示に基づく表示を行う。本実施の形態では、室内機表示装置103A〜103Cは、例えばLED(Light Emitting Diode:発光素子)等からなり、誤配線検知に係る旨の表示を行うものである。ここでは発光等による表示を行うようにしているが、音等で報知を行うようにしてもよい。
一方、室外機4A〜4Cは例えば圧縮機(図示せず)等を有し、それぞれ室内機1A〜1Cとの間で冷媒配管が接続されて冷媒回路を形成する。そして、室内機1A〜1Cが空調を行うために必要な熱量を供給する。通信系統に係る装置については、室外機4A〜4Cは、室外機処理装置401A〜401C、室外機記憶装置402A〜402Cおよび室外機表示装置403A〜403Cを有している。室外機処理装置401A〜401Cも、例えばマイクロコンピューター等からなり、本実施の形態においては、例えば立ち上げ(起動)時において、アドレス設定に係る処理、誤配線の検知に係る処理等を行う。また、室外機記憶装置402A〜402C、室外機表示装置403A〜403Cは、それぞれ室内機記憶装置102A〜102Cおよび室内機表示装置103A〜103Cと同様の機能を果たす装置である。ここで、本実施の形態の室外機4A〜4Cは、室内機1A〜1Cと異なり、アドレス設定装置を有しておらず、室内機1A〜1Cの指示に基づいてアドレスを設定し、室外機記憶装置402A〜402Cに記憶する。このため、指示に基づくアドレスを設定するまでの間、室外機記憶装置402A〜402Cは、アドレスとしてデフォルト値(初期設定値。実際の運転時には設定されることがないアドレス)を記憶しているものとする。
ここで、室内機1A〜1Cは、それぞれ室内系端子台2A〜2Cを有し、室内系伝送線14A〜14Cを介して室外機4A〜4Cと1対1の関係で通信接続(以下、接続という)し、通信を行う。このため、図1において、室外機4A〜4Cは、直接的には、それぞれ室内機1A〜1Cとしか通信を行わず、他の機器と通信を行う場合には、室内機1A〜1Cを介して行うものとする。また、室外機4A〜4Cは、それぞれ室内機1A〜1Cとの間で通信を行い、運転制御等を行うことができる。
また、室内機1A〜1Cは、室内系端子台2A〜2Cとは別系統の通信を行うための集中系端子台3A〜3Cを有し、集中系伝送線13A〜13Cを介して集中管理装置5等と接続する。ここで、室内機1A〜1Cの室内機処理装置101A〜101Cは、立ち上げ処理を行っている間は、室内系端子台2A〜2Cと集中系端子台3A〜3Cとの間で、内部的なデータの授受を遮断する。このため、配線が正常であれば、立ち上げ処理中の室内機1A〜1Cおよび室外機4A〜4Cは、室内系端子台2A〜2C、室内系伝送線14A〜14Cを介してのみ通信を行うことができる。以下、各装置について特に区別を行う必要がない場合には、添え字を省略して記載するものとする。
集中管理装置5は空気調和装置の運転状態を管理する装置である。ここで、集中管理装置5は、集中系伝送線13Cとは別系統の伝送線11を介してI/F(インターフェース)6と接続されている。また、I/F6は公衆回線等12に接続しており、これにより、集中管理装置5は、公衆回線等12を介して遠隔地にある端末との通信を行うことができる。遠隔監視装置8はI/F7と伝送線11を介して公衆回線等12と接続されている。遠隔監視装置8は、例えば公衆回線等12を介して集中管理装置5と通信を行い、室内機1、室外機4が立ち上げ時に誤配線を検知した場合、その旨を管理者用端末9、サービスマン用端末10に、電子メール等を送信し、ビル管理者、サービスマンに連絡することができる。ここで、図1のシステムでは室内機1A〜1C、室外機4A〜4Cを3台ずつ記載しているが、台数は制限するものではない。また、遠隔監視装置8の台数についても制限するものではない。
以上のような構成の通信システムにおいて、室内機1、室外機4は、それぞれ誤配線の検知に係る処理を行う。
図2は室内機処理装置101が行う立ち上げ処理における誤配線検知等に係る処理のフローチャートを表す図である。図2に基づいて、室内機1の室内機処理装置101が行う処理について説明する。ここで、室内機処理装置101は、自己のアドレス以外のアドレスを送信先とする信号に係るコマンド等に関しては処理を行わないものとして説明する。室内機処理装置101は、電源ONによる立ち上げ直後に、室外機4のデフォルト値のアドレスを送信先として、立ち上げ中の室外機4の存在を確認するためのコマンド(以下、室外機確認コマンドという)を含む信号を室内系端子台2を介して送信する(S101)。以下、コマンド等の通信については、そのコマンドを含む信号の送受信により行うものとする。
室内機処理装置101は立ち上げ処理開始からの所定の時間であるタイムアウト時間が経過しても、室外機確認コマンドに対する応答が無いと判断すると、アドレスを設定すべき室外機4が接続されていないものと検知し(S102〜104)、これにより誤配線を検知した旨を室内機表示装置103に表示させて(S114)、異常終了として処理を終了する。
また、室外機確認コマンドに対する応答があったと判断した場合において(S102)、複数の応答があったものと判断すると(S105)、立ち上げ中の室外機4が複数接続しているものと検知する(S106)。そして、誤配線検知した旨を室内機表示装置103に表示させて(S114)、異常終了として処理を終了する。
一方、室外機確認コマンドに対して1台の室外機4からのみ応答があったものと判断すると(S102、S105)、既に立ち上げが完了している室外機4に対し、誤配線により立ち上げ中の室内機1が接続されていることを検知させるためのコマンド(以下、室内機検知コマンドという)を、例えば送信先を設定しない一斉同報にて送信する(S107)。例えば、室内機検知コマンドを受信した室外機4は、立ち上げ中であるか、既に立上げが完了しているかの判断を行う。そして、立ち上げ中の室外機4からは室内機1の存在を確認するコマンド(以下、室内機確認コマンドという)が送信される。室内機1は室内機確認コマンドを受信すると(S108)、室内機確認コマンドに対する応答を送信する(S109)。
1台の室内機1のみから室内機確認コマンドに対する応答の旨を含む信号を受信した室外機4からは、その室内機1に対してアドレス設定を要求するコマンド(以下、設定要求コマンドという)が送信される。設定要求コマンドを受信すると(S110)、室内機記憶装置102に記憶された自己のアドレス+50を、要求に係る室外機4のアドレスとして設定するコマンド(以下、アドレス設定コマンドという)を送信する(S113)。そして、正常終了として処理を終了する。
一方で、タイムアウト時間を経過しても、室外機4からの設定要求コマンドを受信しないものと判断すると(S111)、要求に係る室外機4には複数の室内機1が接続されているものと検知する(S112)。そして、誤配線検知した旨を室内機表示装置103に表示させて(S114)、異常終了として処理を終了する。
図3は室外機処理装置401が行う立ち上げ時の誤配線検知等に係る処理のフローチャートを表す図である。図3に基づいて、室外機4の室外機処理装置401が行う処理について説明する。室外機処理装置401についても、自己のアドレス以外のアドレスを送信先とする信号に係るコマンド等に関しては処理を行わないものとして説明する。室外機処理装置401は、電源ONによる立ち上げ直後に、室内機1から送信される室外機確認コマンドを受信すると(S201)、室外機確認コマンドに対する応答を送信する(S204)。
一方、室外機処理装置401は、タイムアウト時間が経過しても、室外機確認コマンドの受信がないと判断すると、アドレス設定処理を行う室内機1が接続されていないものと検知し(S202、203)、誤配線検知した旨を室外機表示装置403に表示させて(S213)、異常終了として処理を終了する。
また、S204において応答を送信した後、さらに、立ち上げ中の室外機4同士が接続されていることを検知するためのコマンド(以下、室外機検知コマンドという)を送信する(S205)。例えば、立ち上げ中の室外機4同士が接続されていると、室外機検知コマンド送信とほぼ同じタイミングで他の立ち上げ中の室外機4からも室外機検知コマンドが送信されてくることになる。このため、室外機検知コマンドを受信したものと判断すると(S206)、立ち上げ中の室外機4同士が接続されているものと検知し(S207)、誤配線検知した旨を室外機表示装置403に表示させて(S213)、異常終了として処理を終了する。
室外機確認コマンドに対する応答を1台の室外機4からのみ受信した室内機1は、上述のS107のように、室内機検知コマンドを送信する。室外機処理装置401は、室内機検知コマンドを受信すると(S208)、室内機確認コマンドを送信する(S209)。
室外機4は室内機確認コマンドに対する室内機1の応答を複数受信したと判断すると(S210)、室内機1が複数接続されているものと検知する(S211)。そして、誤配線検知した旨を室外機表示装置403に表示させて(S213)、異常終了として処理を終了する。
一方、室内機確認コマンドに対して1台の室内機1からのみ応答を受信したと判断すると(S210)、室外機4は室内機1に対して設定要求コマンドを一斉同報にて送信する(S212)。
上述のS113のように、設定要求コマンドを受信した室内機1からは、アドレス設定コマンドが送信される。このアドレス設定コマンドを受信すると(S214)、コマンドに含まれるアドレスを室外機記憶装置402に記憶させる(S215)。そして、正常終了として処理を終了する。
図4は既に正常に配線されて通信および運転を行っている室内機1が誤配線を検知する場合の処理のフローチャートを表す図である。室内機処理装置101は、定常処理実行中(S301)において、室内系伝送線14を介して接続している室外機4から、立ち上げ中の室内機1が接続されている誤配線を検知した旨の発報(信号送信)を受信したかどうかを判断する(S302)。発報を受信したものと判断すると、誤配線検知に係る割り込み処理を開始し(S303)、誤配線検知した旨を室内機表示装置103に表示させる(S304)。さらに、集中管理装置5に誤配線検知した旨を発報して(S305)、定常処理実行(S301)に戻る。
発報を受信した集中管理装置5は、さらに公衆回線12等を介して遠隔監視装置8に誤配線検知した旨の信号を送信する。遠隔監視装置8は、管理者用端末9、サービスマン用端末10等に電子メールを送信し、誤配線を通知する。このため、空気調和装置に対し、遠隔地にいるビル管理者、サービスマン等に知らせることができる。
図5は既に正常に配線されて通信および運転を行っている室外機4が誤配線を検知する場合の、室外機処理装置401による割り込み処理のフローチャートを表す図である。室外機処理装置401は、定常処理実行中(S401)において、上述のS107のように、立ち上げ中の室内機1からの室内機検知コマンドを受信したかどうかを判断する(S402)。本来、正常に配線されていれば、立ち上げが完了している室外機4には、立ち上げ中の室内機1から室内機検知コマンドが送信されることはない。それにも関わらず、室内機検知コマンドを受信したものと判断すると、誤配線がなされているものとして、誤配線検知に係る割り込み処理を開始する(S403)。室外機記憶装置402に記憶された自己のアドレスがデフォルト値でないことを確認し、誤配線検知した旨を室外機表示装置403に表示させる(S404)。そして、室内系伝送線14を介して接続している室内機1にその旨を発報して(S405)、定常処理実行(S401)に戻る。
図6は、室内機1と室外機4とが3台ずつ正常に接続された空気調和装置の通信システムを表す図である。室内機1A〜1Cは、上述したように、正常に立ち上げ処理が完了するまでの間、室内系端子台2A〜2Cと集中系端子台3A〜3Cとの内部的なデータの授受を遮断する。
ここで、室内機1A〜1Cには、上述したアドレス設定装置により1〜50までのアドレスを重複しないように設定される。そしてここでは、立ち上げ処理開始時に、設定された自己のアドレスを室内機記憶装置102に記憶しているものとする(ここでは例として、室内機1A〜1Cに対して、それぞれ1、2、3とするアドレスが設定されているものとする)。一方、アドレス設定装置を有していない室外機4A〜4Cには、立ち上げ処理開始時においてアドレスを設定することが出来ないため、アドレスとしてデフォルト値が室外機記憶装置402A〜402Cに記憶されているものとする。
図7は正しく配線がなされ、立ち上げ処理が正常に行われる場合の信号の流れを表す図である。図7は、先述した図2〜図5において、室内機処理装置101および室外機処理装置401により正常終了までの処理が行われた場合の流れを表している。ここでは、各室内機1、室外機4が一斉に立ち上げ処理を行う場合について説明する。
各室内機1は起動直後に室外機4のデフォルト値のアドレスに対し、室外機確認コマンドを送信する。正常に接続されている場合、立ち上げ中に1台の室内機1と通信が可能なのは1台の室外機4のみとなる(ここでは室内機1Aと室外機4A、室内機1Bと室外機4B、室内機1Cと室外機4Cがそれぞれ通信可能となる)。このため、1台の室外機4のみから応答が送信(返信)される。
一方、室外機4は、室外機確認コマンドを受信し、応答を送信した後、室外機検知コマンドを一斉同報にて送信する。正常に接続されている場合、立ち上げ処理中は、室外機4同士の通信は遮断されているため、室外機4が他の室外機4からの室外機検知コマンドを受信して誤配線を検知することはない。
また、室内機1は、立ち上げ中の室外機確認コマンドの応答を、1台の室外機4からのみ受信したことを受けて、立ち上げ完了した室外機4に対する室内機検知コマンドを一斉同報にて送信する。ここで、室外機4A〜4Cは立ち上げ処理中であり、アドレスはデフォルト値であるため、室外機4A〜4Cは室内機検知コマンドを受信しても処理を行わず、誤配線を検知することはない。
室外機4は室内機検知コマンドを受信した後、室内機1のアドレスとして設定可能な全アドレス(ここではアドレス1〜50)に対し室内機確認コマンドを送信する。ここでは室外機4A〜4Cと室内機1A〜1Cとは、それぞれ1対1の関係で通信を行っているため、1台の室内機1のみから応答が送信される。
室外機4は、室内機確認コマンド送信に対し、1台からのみ応答が送信されたことを受け、対応する室内機1からのアドレス設定を受けるため、設定要求コマンドを一斉同報にて送信する。
室内機1は、設定要求コマンドを受信した後、デフォルト値のアドレスを送信先として、アドレス設定コマンドを送信して立上げ処理を完了する。ここでは、室内機1A〜1Cは室外機4A〜4Cとそれぞれ1対1の関係で接続されているため、1台の室内機1からのアドレス設定コマンドは1台の室外機4にのみ送信される。
各室外機4はアドレス設定コマンドを受信すると、自己のアドレスをそれぞれ51、52、53に設定し、立ち上げ処理を完了する。このように、正常に室内機1と室外機4が接続されている場合に立ち上げ処理を行うと、各室外機4に対し、対応する室内機1のアドレスに対応したアドレス(対応する室内機1のアドレス+50)が設定される。
図8は実施の形態1に係る誤配線がなされた空気調和装置の通信システムを表す図である。図8では、室内機1Bと室外機4Bとについて、室内系伝送線14Bが集中系端子台3Bに接続されている。また、室内機1Cと室外機4Cとの関係について、室内系端子台2Cと集中系端子台3Cとの間を端子台渡り伝送線15Cによって接続している。ここで、室内機1A、1B、1Cに対して、それぞれ1、2、3とするアドレスが設定されている。また、室外機4A、4B、4Cについては、それぞれデフォルト値のアドレスが室外機記憶装置402A、402B、402Cに記憶されているものとする。本発明の空気調和装置の通信システムを上記のような誤配線が行われた系統に適用したものを実施の形態1とする。
図9は立ち上げ処理において、誤配線が生じている場合の信号の流れを表す図である。先述した図2〜図5の異常終了の処理が行われるまでの流れを表している。図9に基づいて、誤配線によって接続された場合において、一斉に立ち上げ処理を行った際の誤配線検知の手順を説明する。
各室内機1は起動直後に室外機4のデフォルト値のアドレスに対し、室外機確認コマンドを送信する。正常に接続されている室内機1Aには室外機4Aのみから応答が送信される。
室内機1Bは室内系端子台2Bに接続されている室外機4が存在しないため、室外機確認コマンドに対する応答をタイムアウト時間までに受信することができない。このため、誤配線検知した旨を表示して異常終了として処理を終了する。
また、室内機1Cは、室内系端子台2Cおよび室内系伝送線14Cを介して接続されている室外機4Cから応答が送信される。また、室内系端子台2C、端子台渡り伝送線15C、集中系端子台3C、集中系伝送線13C、室内機1Bの集中系端子台3Bおよび室内系伝送線14Bを介して、室外機4Bからも応答が送信される。このため、立ち上げ中の室外機4が複数接続されているものとして、誤配線検知した旨を表示して異常終了として処理を終了する。
一方、室外機4は、室外機確認コマンドを受信し、応答を送信した後、室外機検知コマンドを一斉同報にて送信する。室外機4Aは室内機1Aと正常に接続されており、室外機4Aは他の室外機4から送信された室外機検知コマンドを受信することはない。
一方、室外機4Bおよび室外機4Cは、室内系端子台2C、端子台渡り伝送線15C、集中系端子台3C、集中系伝送線13C、室内機1Bの集中系端子台3Bおよび室内系伝送線14Bを介して接続されている。このため、互いが送信した室外機検知コマンドを互いに受信する。したがって、立ち上げ中の室外機4同士が接続されている誤配線であるものと検知して、誤配線検知した旨を表示して異常終了として処理を終了する。
また、室内機1Aは、立ち上げ中の室外機確認コマンドの応答を、室外機4Aからのみ受信したことを受けて、立ち上げ完了した室外機4に対する室内機検知コマンドを一斉同報にて送信する。ここで、室外機4Aは立ち上げ処理中であり、アドレスはデフォルト値であるため、室内機検知コマンドを受信しても処理を行わず、誤配線を検知することはない。
室外機4Aは室内機検知コマンドを受信した後、室内機1のアドレスとして設定可能な全アドレス(ここではアドレス1〜50)に対し室内機確認コマンドを送信する。ここでは室内機1Aから応答が送信される。
室外機4Aは、室内機確認コマンド送信に対し、室内機1Aから応答が送信されたことを受け、室内機1Aからのアドレス設定を受けるため、設定要求コマンドを送信する。
室内機1Aは、設定要求コマンドを受信した後、デフォルト値のアドレスを送信先として、アドレス設定コマンド(ここでは自己のアドレス+50である51が設定アドレスとなる)を室外機4Aに送信して完了する。
室外機4Aはアドレス設定コマンドを受信すると、自己のアドレスを51に設定し、立ち上げ処理を完了する。
上記のように、図8に示した誤配線状態で、立ち上げ処理を行った場合、正常に接続された室内機1Aと室外機4Aとについては、正常に立ち上げ処理を終了する。一方、誤配線された室内機1Bおよび1C並びに室外機4Bおよび4Cは、立ち上げ処理において誤配線を検知するため、異常終了する。このようにして、一斉立ち上げにおいて空気調和装置の通信システムにおける誤配線を検知することができる。
以上のように、実施の形態1の通信システムによれば、室内機1の室内機処理装置101、室外機4の室外機処理装置401が、それぞれ立ち上げ時に誤配線検知等に係る処理を行うようにしたので、誤配線を立ち上げ時に検知し、対処することが可能となる。そして、室内機1が、アドレス設定装置により設定された自己のアドレスに対応するアドレスを室外機4に設定することができるため、室外機等のシリアル番号によらず、通信系統、冷媒系統を明確にすることが可能な任意のアドレス設定を行うことができる。
実施の形態2.
上述の実施の形態1では、複数の室内機1と室外機4とが誤配線によって接続された状態で、一斉立ち上げを行った場合における誤配線検知の例を示した。本実施の形態は、既に正常に接続している通信系統に、新たに室内機1および室外機4を追加して接続する際に、誤配線を行ってしまった場合の誤配線検知に係る手順を説明する。
図10は実施の形態2に係る誤配線がなされた空気調和装置の通信システムを表す図である。図10は、室内機1と室外機4とを2台ずつ有する空気調和装置を表している。室内機1Aと室外機4Aとは、正常に接続されて既に通信を行い、空調等の運転を行っている。ここで、室内機1Aのアドレスは1であり、室外機4Aのアドレスは51であるものとする。また、室内機1Bと室外機4Bとの関係については、室内系端子台2Bと集中系端子台3Bとの間を端子台渡り伝送線15Bによって接続している。ここで、室内機1Bのアドレスは2であり、室外機4Bのアドレスはデフォルト値であるものとする。
図11は追加に係る立ち上げ処理において、誤配線が生じている場合の信号の流れを表す図である。図11に基づいて、誤配線によって接続された場合における、追加の立ち上げ処理を行った際の誤配線検知の手順を説明する。
室内機1Bは起動直後に室外機4のデフォルト値のアドレスに対し、室外機確認コマンドを送信する。ここで、正常に運転している室外機4Aは、室内系端子台2Aおよび集中系端子台3A、集中系伝送線13B、集中系端子台3Bを介して室内機1Bとの通信が可能であるが、既にアドレスが51に設定されているため、室外機確認コマンドに対する処理を行わない。そのため、室外機4Bからのみ応答が送信される。
室外機4Bは室外機確認コマンドを受信し、応答を送信した後、室外機検知コマンドを一斉同報にて送信する。室内機1Aおよび室外機4Aは正常に接続され、通信を行っている。このため、室外機4Aに対し、室内系伝送線14A、室内系端子台2A、集中系端子台3A、集中系伝送線13B、集中系端子台3B、端子台渡り伝送線15B、室内系端子台2Bおよび室内系伝送線14Bを介して室外機検知コマンドが送信される。しかしながら、室外機4Aは既に立ち上げが完了し、アドレスが51に設定されているため、室外機検知コマンドに対する処理を行わない。
室内機1Bは、立ち上げ中の室外機確認コマンドの応答を、室外機4Bからのみ受信したことを受けて、室内機検知コマンドを立ち上げ完了した室外機4に対する一斉同報にて送信する。ここで、室外機4Bは立ち上げ処理中であり、アドレスはデフォルト値であるため、室内機検知コマンドを受信しても処理を行わない。
一方、室外機4Aは、端子台渡り伝送線15B、集中系端子台3B、集中系伝送線13B、集中系端子台3A、室内系端子台2Aおよび室内系伝送線14Aを介して、室内機検知コマンドを受信する。ここで、室外機4Aは既に正常な接続により通信を行っており、立ち上げ処理中ではない。また、アドレスが51に設定されている(デフォルト値でない)。そのため、受信した室内機検知コマンドに基づいて、立ち上げ中の室内機1が接続されているものとして、誤配線検知した旨を表示する。また、正常な接続で通信を行っている室内機1Aに対しその旨を発報する。
室内機1Aは、室外機4Aから誤配線を検知した旨の発報を受信すると、誤配線検知した旨を表示し、集中管理装置5に発報する。上述したように、集中管理装置5から、例えば遠隔地にいるビル管理者、サービスマン等に通知される。
室外機4Bは室内機検知コマンドを受信した後、室内機1のアドレスとして設定可能な全アドレスに対し室内機確認コマンドを送信する。ここでは室内機1Aおよび室内機1Bから応答の旨の信号が送信されることになるため、室外機4Bは室内機が複数接続されているものとして、誤配線検知した旨を表示して異常終了として処理を終了する。
また、室内機1Bは室外機4Aからの設定要求コマンドを受信することができないため、立ち上げ処理を完了することが出来ない。そして、タイムアウト時間が経過すると立ち上げ処理を異常終了する。
上記のように、図10に示した誤配線状態で、立ち上げ処理を行った場合、誤配線された室内機1Bは立ち上げ処理を完了することが出来ずにタイムアウト時間が経過するため、誤配線検知した旨を表示して異常終了する。また、室外機4Bについても、誤配線検知した旨を表示して異常終了する。
そして、既に正常に接続されていた室内機1Aおよび室外機4Aについては、新たに接続された通信系統が誤配線であることを検知して誤配線検知した旨を表示する。そして、集中管理装置5に対しその旨を発報する。これにより、ビル管理者等に通知可能となる。
以上のように、実施の形態2の通信システムによれば、立ち上げの際に誤配線に対する対処を行うことで、既に正常に接続されている室内機1、室外機4の通信等に影響しないように素早く対応することができる。また、誤配線の影響を受けて検知をした室内機1、室外機4が誤配線検知の旨を室外機表示装置403に表示させるようにしたので、通信システムにおける影響範囲を特定することができる。さらに、既に立ち上がりを完了した室内機1から、集中管理装置5に誤配線検知の旨を発報するようにしたので、集中管理装置5から、公衆回線12等を介して遠隔地にいるビル管理者、サービスマン等にも誤配線を知らせることができる。
1,1A〜1C 室内機、2,2A〜2C 空気調和室内機室内系端子台、3,3A〜3C 空気調和室内機集中系端子台、4,4A〜4C 室外機、5 集中管理装置、6,7 インターフェース(I/F)、8 遠隔監視装置、9 管理者用端末、10 サービスマン用端末、11 伝送線、12 公衆回線、13,13A〜13C 集中系伝送線、14,14A〜14C 室内系伝送線、15B,15C 端子台渡り伝送線、101,101A〜101C 室内機処理装置、102,102A〜102C 室内機記憶装置、103,103A〜103C 室内機表示装置、401,401A〜401C 室外機処理装置、402,402A〜402C 室外機記憶装置、403,403A〜403C 室外機表示装置。

Claims (9)

  1. 1または複数台の室内機と1または複数台の室外機とを冷媒配管接続して空気調和を行う空気調和装置の各機器間における通信を行うための通信システムであって、
    各室内機および各室外機は、
    立ち上げ時に、信号の送受信処理を行い、前記信号の受信の有無、受信数または受信に係る信号の内容に基づいて、誤配線されているかどうかを判断する処理を行う制御装置を備えることを特徴とする空気調和装置の通信システム。
  2. 前記室内機の前記制御装置は、誤配線されていないと判断すると、あらかじめ設定された通信に係るアドレスに基づいて、配線接続に係る前記室外機にアドレスを設定する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の空気調和装置の通信システム。
  3. 正しく配線された前記室内機および前記室外機を有する空気調和装置の通信システムに、追加機器に係る配線接続が行われると、
    前記正しく配線された前記室内機および前記室外機の制御装置は、前記追加機器の前記立ち上げ時の処理により送信される信号の内容に基づいて、前記追加機器に係る誤配線の有無を判断する処理を行うことを特徴とする請求項1または2記載の空気調和装置の通信システム。
  4. 前記正しく配線された前記室内機の制御装置は、システム内の誤配線を判断すると、前記空気調和装置の機器を集中管理する集中管理装置に誤配線の旨を発報することを特徴とする請求項3記載の空気調和装置の通信システム。
  5. 前記集中管理装置は、さらに、公衆回線を介して通信可能な端末に対し、誤配線の旨を発報することを特徴とする請求項4記載の空気調和装置の通信システム。
  6. 前記各室内機および前記各室外機は報知装置をさらに備え、
    前記制御装置は、誤配線されていると判断すると前記報知装置に誤配線の旨を報知させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気調和装置の通信システム。
  7. 1台の室内機と1台の室外機とを配線接続する室内系統と、複数台の室内機を配線接続する集中系統とにより、通信の配線を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気調和装置の通信システム。
  8. 前記室内機の制御装置は、
    前記室外機に送信した信号に基づく応答が所定時間内にない、または、複数の応答があると配線接続された前記室外機が1台でないとし、また、前記室外機からアドレスの設定要求がされないと判断すると、前記室外機に配線接続された室内機が複数台であるとして、誤配線していると判断することを特徴とする請求項7記載の空気調和装置の通信システム。
  9. 前記室外機の制御装置は、
    前記室内機からの信号が所定時間内にないと前記室内機が配線接続されていないとし、前記室内機に送信した信号に基づく応答が複数の応答があると複数台の前記室内機が配線接続されているとし、また、前記他の室外機からの信号を受信すると複数台の前記室外機が配線接続されているとして、誤配線していると判断することを特徴とする請求項7または8記載の空気調和装置の通信システム。
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