JP2018008186A - 水不溶性金属捕集剤、貴金属の回収方法および貴金属回収設備 - Google Patents

水不溶性金属捕集剤、貴金属の回収方法および貴金属回収設備 Download PDF

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Fumi Ono
芙美 大野
竜一 安齋
Ryuichi Anzai
竜一 安齋
祥来 井上
Yoshiki Inoue
祥来 井上
諭 佐久間
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諭 佐久間
康治 森
Koji Mori
康治 森
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Akihiro Ishii
明宏 石井
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Fumiaki Sato
史彬 佐藤
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Abstract

【課題】金等の貴金属が溶存した水溶液から、該水溶液中に他の金属が溶存している場合でも、貴金属を効率良く選択的に回収できる水不溶性金属捕集剤、貴金属の回収方法および貴金属回収設備の提供。【解決手段】下記式(1)(ここで、R1はCnH2nであり、nは0〜3の整数である)で表される側基を有する構成単位を含む水不溶性重合体からなる水不溶性貴金属捕集剤。金、銀およびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属(A)が溶存している水溶液から貴金属(A)を選択的に回収する方法であって、下記工程(i)および(ii)を含む、貴金属の回収方法。(i)前記水溶液と前記水不溶性貴金属捕集剤とを接触させて、貴金属(A)を前記水不溶性貴金属捕集剤に捕集させる工程;(ii)前記工程(i)の後、前記水溶液から前記水不溶性貴金属捕集剤を分離する工程;[化1]【選択図】なし

Description

本発明は、水不溶性金属捕集剤、貴金属の回収方法および貴金属回収設備に関する。詳しくは、金、銀およびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属を選択的に回収できる水不溶性金属捕集剤、貴金属の回収方法および貴金属回収設備に関する。
貴金属製品工場等で生じるメッキ廃液には、金等の貴金属が溶存しており、メッキ廃液から貴金属を回収することが行われている。たとえば金を含むメッキ廃液の場合、電解還元装置で濃度数ppmまで金を回収し、その後、残存する金を捕集剤で回収することが行われている。
従来、捕集剤としては、イオン交換樹脂や活性炭が使用されている。イオン交換樹脂や活性炭は、溶存している金を吸着することで捕集する。
しかし、これらの捕集剤は、吸着速度が遅い、吸着量が少ない、選択性が低い等の問題がある。たとえば、メッキ廃液には、金のほか、コバルト、亜鉛、ニッケル、銅等が含まれており、これらの金属も前記の捕集剤に捕集される。
イオン交換樹脂や活性炭以外に、金属が溶存した水溶液から金属を回収する捕集剤として、下記(1)〜(3)等が提案されている。
(1)ポリビニルアミンを1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオールで架橋した0.2−0.5mmの粒状の不溶解性重合体や、該不溶解性重合体にクロロ酢酸ナトリウム塩を反応させた、グリシン構造を有する不溶解性重合体(非特許文献1)。
(2)ポリアリルアミン等のアミン系ポリマーと、ポリビニルアルコール等の親水性ポリマーとを含むポリマーブレンド繊維(特許文献1)。
(3)ポリオレフィン系繊維を材質とする高分子基材に反応活性点を生成させた後、グラフト重合法によりアリルアミン、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなどの反応性モノマーを重合させてグラフト鎖を形成した吸着材(特許文献2)。
前記(1)の不溶解性重合体を金属が溶存した水溶液に供給すると、不溶解性重合体と金属とが結合して錯体を形成する。金属が結合した不溶解性重合体は、固液分離により容易に回収できる。
前記(2)のポリマーブレンドは、たとえば繊維状に成形され、金属が溶存した水溶液に浸漬される。これにより溶存する金属がアミン系ポリマーと反応してコンプレックスを形成し、ポリマーブレンド繊維を水溶液中から取り出すことで金属を回収できる。
前記(3)の吸着材も、金属が溶存した水溶液に浸漬させて用いられる。
所望されない化合物(カルボニルおよび/またはスルホニル化合物)の組成物からの除去等に使用可能な材料として、下記(4)が提案されている。
(4)ポリ(アミノアルキレン)を、逆相懸濁重合条件または逆相乳化重合条件下、≧2の官能価の架橋単位で架橋する該ビーズ状ポリマーマトリックス(特許文献3)。
親水性重合体の含水ゲルは粘着性が高く、容器の壁などに付着しやすいことが知られている(特許文献4の第2頁左下欄第1〜5行、特許文献5)。ポリアリルアミン架橋体、ポリエチレンイミン架橋体等のアミノ基を有する架橋(共)重合体も同様な密着性を有する(特許文献6の段落0016、段落0017)。そのため、親水性重合体は、高度に架橋させた粒状形態や繊維形態の状態で使用されることが多い。
Makromolekulare Chemie(1969), 121, 129−146
国際公開第2007/018138号 特開2005−154973号公報 特表2008−510022号公報 特開平3−41104号公報 特開2005−262802号公報 特開2003−300786号公報
非特許文献1では、(1)の不溶解性重合体の回収対象として、金、銀、パラジウム等の貴金属は検討されていない。特許文献3〜6でも、貴金属を回収することは検討されていない。
特許文献1〜2では、コバルト、亜鉛、ニッケル、銅等の他の金属が併存するなかで金、銀、パラジウム等を効率良く選択的に回収することについて検討されていない。
本発明は、金等の貴金属が溶存した水溶液から、該水溶液中に他の金属が溶存している場合でも、貴金属を効率良く選択的に回収できる水不溶性金属捕集剤、貴金属の回収方法および貴金属回収設備を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]下記式(1)で表される側基を有する構成単位を含む水不溶性重合体からなる水不溶性貴金属捕集剤。
[2]前記水不溶性重合体が架橋構造を有する、[1]に記載の水不溶性金属捕集剤。
[3]前記水不溶性重合体が下記式(2)で表される側基を有する構成単位をさらに含む、[1]または[2]に記載の水不溶性金属捕集剤。
[4]前記水不溶性重合体中のアミノ基の質量が、前記水不溶性重合体の質量に対して0.05倍以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の水不溶性金属捕集剤。
[5]前記水不溶性重合体中のアミノ基の質量が、前記水不溶性重合体の質量に対して0.2倍以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の水不溶性金属捕集剤。
[6]金、銀およびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属(A)が溶存している水溶液から前記貴金属(A)を選択的に回収する方法であって、下記工程(i)および(ii)を含む、貴金属の回収方法。
(i)前記水溶液と、[1]〜[5]のいずれかに記載の水不溶性金属捕集剤とを接触させて、前記貴金属(A)を前記水不溶性金属捕集剤に捕集させる工程;
(ii)前記工程(i)の後、前記水溶液から前記水不溶性金属捕集剤を分離する工程;
[7]金、銀およびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属(A)と、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属(B)とが溶存している水溶液から前記貴金属(A)を選択的に回収する方法であって、下記工程(i)および(ii)を含む、貴金属の回収方法。
(i)前記水溶液と、[1]〜[5]のいずれかに記載の水不溶性金属捕集剤とを接触させて、前記貴金属(A)を前記水不溶性金属捕集剤に捕集させる工程;
(ii)前記工程(i)の後、前記水溶液から前記水不溶性金属捕集剤を分離する工程;
[8]前記工程(i)にて、前記水溶液と前記水不溶性金属捕集剤との接触が、pH0.1〜6.5の条件下で行われる、[6]または[7]に記載に記載の貴金属の回収方法。
[9]前記工程(i)にて、前記水不溶性金属捕集剤と接触させる前に、前記水溶液のpHを、前記水不溶性金属捕集剤と接触させた後のpHが0.1〜6.5となるように調整する、[8]に記載の貴金属の回収方法。
[10]前記工程(i)にて、前記水不溶性金属捕集剤と接触させた後、それらが接触した状態で、前記水溶液のpHを0.1〜6.5に調整する、[8]に記載の貴金属の回収方法。
[11]前記工程(i)における前記pHが5以下である、[8]〜[10]のいずれかに記載の貴金属の回収方法。
[12]前記工程(i)における前記pHが3.5以上である、[8]〜[11]のいずれかに記載の貴金属の回収方法。
[13]下記工程(iii)をさらに含む、[6]〜[12]のいずれかに記載の貴金属の回収方法。
(iii)前記工程(ii)で前記水溶液から分離した水不溶性金属捕集剤と、pHが0.1〜6.5の酸水溶液とを接触させる工程;
[14]前記工程(iii)における前記pHが5以下である、[13]に記載の貴金属の回収方法。
[15]前記工程(iii)における前記pHが3.5以上である、[13]または[14]に記載の貴金属の回収方法。
[16]前記水不溶性金属捕集剤と接触させる前の前記水溶液が、前記貴金属(A)のコロイド粒子をさらに含む、[6]〜[15]のいずれかに記載の貴金属の回収方法。
[17][1]〜[5]のいずれかに記載の水不溶性金属捕集剤が充填された容器と、前記貴金属(A)が溶存している水溶液を前記容器に送液する装置とからなる貴金属回収設備。
[18][1]〜[5]のいずれかに記載の水不溶性金属捕集剤が内部で流動可能に収容された容器と、前記貴金属(A)が溶存している水溶液を前記容器に送液する装置とからなる貴金属回収設備。
Figure 2018008186
Figure 2018008186
ここで、RはC2nであり、nは0〜3の整数であり、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。
本発明の水不溶性金属捕集剤、貴金属の回収方法、貴金属回収設備によれば、金等の貴金属が溶存した水溶液から、該水溶液中に他の金属が溶存している場合でも、貴金属を効率良く選択的に回収できる。
第一の態様の貴金属回収設備の一例を示す概略図である。 第二の態様の貴金属回収設備の一例を示す概略図である。 製造例1において得られた架橋ポリビニルアミンの13C NMRスペクトルを示す図である。 実施例1の結果(金の吸着率)を示すグラフである。 実施例2の結果(金の吸着率)を示すグラフである。 実施例4の結果(パラジウムの吸着率)を示すグラフである。 実施例7、比較例1、2の結果(金およびニッケルの吸着率)を示すグラフである。 実施例8、比較例3、4の結果(金および銅の吸着率)を示すグラフである。 実施例9、比較例5、6の結果(金および亜鉛の吸着率)を示すグラフである。 実施例10の結果(カラム出口から流出した水溶液中の金濃度と通水時間との関係)を示すグラフである。
本発明において、「水不溶性」とは、25℃において水100gに対する溶解量が0.05g未満であることを意味する。
「側基」とは、重合体の主鎖に直接結合している基を示す。
「構成単位」とは、重合や架橋に使用された単量体、架橋剤に由来する構造である。この構造は、重合後の反応によって変化していてもよい。
≪水不溶性金属捕集剤≫
本発明の水不溶性金属捕集剤(以下「水不溶性貴金属捕集剤(X)」ともいう)は、貴金属を捕集するために用いられる水不溶性の捕集剤である。
水不溶性貴金属捕集剤(X)は、下記式(1)で表される側基(以下「側基(1)」ともいう)を有する構成単位(以下「構成単位(u1)」ともいう)を含む水不溶性重合体からなる。水不溶性貴金属捕集剤(X)を構成する前記水不溶性重合体は1種でもよく2種以上でもよい。
Figure 2018008186
式(1)中、RはC2nであり、C2nにおけるnは0〜3の整数である。つまり、Rは、単結合または炭素数1〜3のアルキレン基である。
としては、貴金属の捕集量の点で、単結合(n=0)またはCH(n=1)が好ましく、単結合が特に好ましい。
構成単位(u1)としては、例えば下記式(1−1)で表される構成単位、下記式(1−2)で表される構成単位等が挙げられる。
Figure 2018008186
式(1−1)、(1−2)中、Rは前記と同じであり、好ましい態様も同じである。
構成単位(u1)としては、上記の中でも、式(1−1)で表される構成単位が好ましい。
前記水不溶性重合体は、下記式(2)で表される側基(以下「側基(2)」ともいう)を有する構成単位(以下「構成単位(u2)」ともいう)をさらに含むことが好ましい。
電解還元装置で処理された貴金属排水中には、金、銀、パラジウム等の貴金属のコロイド粒子が含まれることが有る。また、パラジウムコロイド粒子含有水溶液が酸素などの酸化剤と接触した場合、パラジウムコロイド粒子が酸化されて、イオンとなり溶解する場合が有る。前記水不溶性重合体が構成単位(u2)をさらに含むと、このような場合において、貴金属のコロイド粒子も効率良く捕集することが出来る。
Figure 2018008186
式(2)中、Rは前記と同じであり、好ましい態様も同じである。
は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、貴金属のコロイド粒子の捕集能の点で、水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
構成単位(u2)としては、例えば下記式(2−1)で表される構成単位、下記式(2−2)で表される構成単位等が挙げられる。
Figure 2018008186
式(2−1)、(2−2)中、R、Rはそれぞれ前記と同じであり、好ましい態様も同じである。
構成単位(u2)としては、上記の中でも、式(2−1)で表される構成単位が好ましい。
前記水不溶性重合体は、必要に応じて、構成単位(u1)および(u2)以外の他の構成単位をさらに有することができる。水不溶性重合体に含まれる他の構成単位は1種でも2種以上でもよい。
他の構成単位としては、たとえば、以下に例示される単量体に由来する構成単位等が挙げられる。
ビニルエステル、N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール及び4−メチル−1−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等。
ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシイソブチル、メタクリル酸ヒドロキシイソブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−(ジメチルアミノエチル)、メタクリル酸−2−(ジメチルアミノエチル)、アクリル酸−3−(ジエチルアミノエチル)、メタクリル酸−3−(ジエチルアミノエチル)、アクリル酸−3−(ジメチルアミノプロピル)、メタクリル酸−3−(ジメチルアミノプロピル)、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−ブチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、パーフルオロオクチルメチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート等が挙げられる。
N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミドとしては、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−nプロピルアクリルアミド、N−nプロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−アリルアクリルアミド、N−
アリルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メチル,N−エチルアクリルアミド、N−メチル,N−エチルメタクリルアミド、N,N―ジアリルアクリルアミド、N,N―ジアリルメタクリルアミド、N―メチル,N−アリルアクリルアミド、N―メチル,N−アリルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリロイルモルホリン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド等が挙げられる。
他の構成単位として、アミジン基を有する構成単位を有していてもよい。
アミジン基は、N=C−N構造を含む基である。
例えばN−ホルムアミドの重合体(前記式(2−1)中のRが単結合である構成単位を有する重合体)を酸または塩基で加水分解すると、N−ホルムアミド単位とN−ビニルアミン単位(前記式(1−1)中のRが単結合である構成単位)とを有する重合体が得られる。酸性または塩基性の条件下では加水分解が進行する一方、中性条件下では隣接するN−ホルムアミド単位のホルムアミド基とN−ビニルアミン単位のアミノ基とが下記のように反応し、各基が結合した炭素原子およびそれらの間の1つの炭素原子とともに6員環のアミジン基を形成することがある。
−NHCHO+HN− → −N=CH−NH−
他の構成単位として、以下に例示される多官能単量体に由来する構成単位を有していてもよい。これらの多官能単量体は、架橋剤として機能する。
メチレンビスアクリルアミド等のアルキレンビスアクリルアミド、N,N’−アクリロイルエチレンジアミン、N,N’−ジビニルエチレン尿素、N,N’−ジビニルプロピレン尿素、エチリデン−ビス−3−(N−ビニルピロリドン)、N,N’−ジビニル−2,2’−ジイミダゾリルブタン、1,1’−ビス(3,3’−ビニルベンズイミダゾリン−2−オン)−1,4−ブタン、ジアクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸エチレングリコール、アクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジアクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、アクリル酸ビニル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ジビニルジオキサン及びペンタエリトリチルトリアリルエーテル、エピクロロヒドリン、ジブロモエタン、ジクロロエタン、シュウ酸ジクロリド、マロン酸ジクロリド、コハク酸ジクロリド、アジピン酸ジクロリド、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ピロメリット酸無水物、グリセロールα,α’−ジアリルエーテル、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、トリアリルアミン、トリアリルアミン塩酸等。
これらの中では、架橋部分の安定性の点で1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、グリセロールα,α’−ジアリルエーテル、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩等が好ましい。
前記水不溶性重合体は、前記構成単位(u1)を含むことから、アミノ基を含む。
前記水不溶性重合体中のアミノ基(−NH)の質量は、貴金属の捕集効率の点で、前記水不溶性重合体の質量に対して0.05倍以上であることが好ましく、0.2倍以上がより好ましい。
前記水不溶性重合体中のアミノ基の質量の上限は、前記水不溶性重合体が水不溶性である限り特に限定されず、構成単位(u2)や他の構成単位の含有量を考慮して適宜設定される。
前記水不溶性重合体中の構成単位(u1)の含有量は、前記水不溶性重合体中のアミノ基の質量が前記の好ましい下限値以上となる量が好ましい。
構成単位(u1)の含有量の上限は、水不溶性貴金属捕集剤(X)が水不溶性である限り特に限定されず、構成単位(u1)と構成単位(u2)と他の構成単位との合計が100モル%となる範囲で適宜設定される。
前記水不溶性重合体中の構成単位(u1)と構成単位(u2)とのモル比(構成単位(u1):構成単位(u2))は、99.9:0.1〜10:90の範囲内が好ましく、99:1〜30:70の範囲内がより好ましい。
前記水不溶性重合体中の構成単位(u1)と構成単位(u2)との合計の含有量は、全構成単位の合計(100モル%)に対し、10〜99.9モル%が好ましく、30〜99モル%がより好ましい。
前記水不溶性重合体は水不溶性であり、前記水不溶性重合体からなる水不溶性貴金属捕集剤(X)も水不溶性である。
水不溶性貴金属捕集剤(X)が水不溶性であることにより、貴金属が溶存した水溶液と水不溶性貴金属捕集剤(X)とを接触させて貴金属を水不溶性金属捕集剤(X)に捕集させた後、前記水溶液から水不溶性金属捕集剤(X)を容易に分離できる。
水不溶性貴金属捕集剤(X)の代わりに、構成単位(u1)を含む水溶性重合体を用いた場合、貴金属と水溶性重合体とで錯体を形成するが、水に溶解したままなので、貴金属を回収できない。
水溶性重合体を、貴金属と錯体を形成させて不溶化した後に分離することにより、貴金属を回収する方法があるが、貴金属が過剰の条件では、貴金属の回収率が低くなり、水溶性重合体を過剰量使用すると、過剰量分の水溶性重合体が残存することになる。過剰量の水溶性重合体が残存した水溶液を排水処理設備で処理した場合、本来沈殿しているはずの重金属水酸化物と錯体を作って溶出させることにより、処理後の水の重金属濃度が高くなったり、水溶性重合体の存在が原因で処理後の水のCOD(化学的酸素要求量)が高くなるなどの問題が生じる恐れがある。
以上のような問題が生じない状況であれば、水溶性重合体が水不溶性貴金属捕集剤(X)に含まれていてもよい。また、以上のような問題が生じない量の水溶性重合体が水不溶性貴金属捕集剤(X)に含まれていてもよい。
構成単位(u1)を有する水不溶性重合体としては、典型的には、架橋構造を有するものが挙げられる。構成単位(u1)は極性が高く、これを含む鎖状重合体は水溶性を示しやすい。重合体中に架橋構造(網目構造)を導入することで、水不溶性とすることができる。
構成単位(u1)を有し、かつ架橋構造を有する水不溶性重合体としては、構成単位(u1)を含む水溶性重合体(以下「水溶性重合体(Y1)」ともいう)を後架橋した架橋重合体(X1)、構成単位(u1)を含む重合体を製造する際、多官能単量体を共重合させて得られる重合体(X2)等が挙げられる。
水溶性重合体(Y1)は、構成単位(u1)のほか、構成単位(u2)をさらに有することができる。また、必要に応じて、水溶性を損なわない範囲で、構成単位(u1)および(u2)以外の他の構成単位をさらに有することができる。
水溶性重合体(Y1)中の構成単位(u1)の含有量は、全構成単位の合計(100モル%)に対し、10モル%以上が好ましく、30モル%以上がより好ましい。構成単位(u1)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、貴金属の捕集効率がより優れる。
水溶性重合体(Y1)中の構成単位(u1)と構成単位(u2)とのモル比は、99.9:0.1〜10:90の範囲内が好ましく、99:1〜30:70の範囲内がより好ましい。
水溶性重合体(Y1)中の構成単位(u1)と構成単位(u2)との合計の含有量は、全構成単位の合計(100モル%)に対し、10モル%以上が好ましく、30モル%以上がより好ましい。構成単位(u1)と構成単位(u2)との合計の含有量の上限は特に限定されず、100モル%であってもよい。
水溶性重合体(Y1)としては、Rが単結合である構成単位(u1)の10〜99.9モル%と、Rが単結合である構成単位(u2)の0.1〜90モル%とからなるものが好ましい。
水溶性重合体(Y1)は、市販のものを用いてもよく、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
水溶性重合体(Y1)の製造方法としては、たとえば、構成単位(u2)を含む重合体を加水分解する方法が挙げられる。構成単位(u2)を含む重合体を加水分解することで、構成単位(u2)の−NHCHOがNHとなり、構成単位(u1)が生成する。加水分解の条件(加水分解に用いる酸または塩基の使用量、加水分解時間等)によって、構成単位(u1)と構成単位(u2)とのモル比を調整できる。
架橋重合体(X1)は、前記水溶性重合体(Y1)を後架橋することで得られる。
水溶性重合体(Y1)の後架橋方法としては、たとえば、水溶性重合体(Y1)と架橋剤とを反応させる方法が挙げられる。
架橋剤としては、典型的には、アミノ基と反応するものが用いられ、たとえばエピクロロヒドリン、ジブロモエタン、ジクロロエタン、シュウ酸ジクロリド、マロン酸ジクロリド、コハク酸ジクロリド、アジピン酸ジクロリド、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ピロメリット酸無水物等が挙げられる。これらの中では、架橋部分安定性の点で、エピクロロヒドリン、ジブロモエタン、エチレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
架橋剤は、側基(1)が残存し、かつ架橋後の水溶性重合体(Y1)が水不溶性となる量で使用される。
架橋剤の使用量は、水溶性重合体(Y1)中の側基(1)の1モルに対し、0.001〜0.05モルが好ましく、0.005〜0.03モルがより好ましい。
水溶性重合体(Y1)と架橋剤との反応は、公知の方法により実施できる。たとえば水溶性重合体(Y1)の水溶液に架橋剤を添加し、10〜100℃に加熱する方法が挙げられる。
重合体(X2)は、たとえば、構成単位(u2)に対応する単量体(ビニルホルムアミド等)と多官能単量体とを含む単量体混合物を重合し、得られた重合体を加水分解することにより製造できる。前記単量体混合物は、必要に応じて、構成単位(u2)に対応する単量体および多官能単量体以外の他の単量体を含んでいてもよい。
単量体混合物の重合方法は、特に制限されず、通常のラジカル重合法が用いられ、塊状重合、水溶液重合、逆相懸濁重合、逆相乳化重合等のいずれも選択することが出来る。重合反応は、一般に、不活性ガス気流下、温度30〜100℃で実施される。溶媒中で単量体混合物の重合を行う場合、単量体混合物の濃度は通常5〜80質量%、好ましくは10〜70質量%である。重合pHは、単量体混合物溶液調合時の安定性から5〜9に調節することが好ましい。
単量体混合物の重合方法としては、上記の中でも逆相懸濁重合が好ましい。
逆相懸濁重合では、界面活性剤および分散剤の存在下、分散媒中に単量体混合物の水溶液を分散させ、重合を行う。
逆相懸濁重合に用いられる水の量、全単量体の合計質量に対して、通常0.1〜3質量倍、好ましくは0.2〜2質量倍、さらに好ましくは0.3〜1質量倍である。水の量が上記の範囲より多い場合は、生成する重合体の分子量が低下傾向となり、上記の範囲より少ない場合は水滴の分散が不充分となるおそれがある。
分散媒としては、典型的には、炭化水素系分散媒が用いられる。
炭化水素系分散媒としては、水と共沸する炭化水素が好ましい。例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の鎖状飽和炭化水素、沸点65〜250℃(好ましくは80℃〜180℃)の石油留分の石油留分、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
分散媒は、単量体混合物の水溶液の全質量に対し、通常0.5〜10質量倍、好ましくは1〜5質量倍の範囲で用いられる。
また、分散媒の使用量は、通常、水の全使用量の20質量%以上、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。
分散媒中に単量体混合物および水を分散させる方法としては、特に限定されないが、予め分散媒中に水を添加し、攪拌により懸濁相を形成させ、そこに、重合させる単量体を、そのまま、または、残りの水を加えた水溶液として添加する方法が好ましい。
重合に用いられる界面活性剤は、逆相懸濁系にて、所望の粒性形状、粒子径を形成し得るものであればよい。例えば、HLB(Hydrophilic Lipophilic Balance)が通常9〜20、好ましくは12〜19のノニオン系界面活性剤が使用される。
HLBが上記範囲内のノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、モリグリセリド、ソルビトールアルキルエステル、スクロースアルキルエステル等が挙げられる。具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート等が挙げられる。これらのノニオン系界面活性剤はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記の中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが好ましい。
界面活性剤の使用量は、微細な粒子を得るため、分散媒に対し、0.5〜3質量%が好ましく、1〜2.5質量%がより好ましい。界面活性剤の使用量が上記の範囲より多い場合は乳化が生じ易くなり、上記の範囲より少ない場合は粒子径の肥大化を招くおそれがある。
界面活性剤の添加方法は、特に限定されないが、単量体に接触させる以前に分散媒中に添加して分散させる方法が好ましい。
重合開始剤としては、一般的なラジカル重合開始剤を用いることができる。中でもアゾ化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性のアゾ化合物であり、例えば2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパンの塩酸塩、硫酸塩および酢酸塩、アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブチルアミジンの塩酸塩、硫酸塩および酢酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、全単量体の合計質量に対し、通常100〜10000質量ppm、好ましくは500〜7000質量ppmの範囲である。
重合開始剤の添加方法は、特に限定されないが、単量体に接触させる以前に分散媒中に添加して分散させる方法が好ましい。
重合の際、場合によっては、重合安定剤として、塩化アンモニウム、塩化カルシウム等の添加物が使用される。
前記添加物の使用量は、全単量体の合計質量に対し、通常0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%である。
重合温度は、通常30〜100℃、好ましくは50〜80℃である。
重合時間は、通常0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
なお、重合に際しては、重合熱が発生するため、通常、重合系を冷却することにより、重合温度が上記範囲内に保持されるように調節される。
重合を実施するには、例えば、界面活性剤、重合開始剤等を含有する分散媒を重合温度に保持し、窒素ガス気流中、単量体混合物の水溶液を、攪拌下へ分散媒中に添加することによる方法が例示されるが、単量体混合物、水、界面活性剤、重合開始剤等の混合順次に特に限定されるものではない。
得られる重合体の分子量の調節は、重合条件によっても行えるが、必要に応じて、イソプロピルアルコール、アリルアルコール等のアルコール類、チオグリコール酸、チオグリセロール等のメルカプタン類、次亜リン酸ナトリウム等の亜燐酸塩類等の連鎖移動剤を使用することができる。
構成単位(u2)を有する重合体の加水分解は、酸または塩基の存在下で行われる。
酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、りん酸、酢酸等が挙げられる。
塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
酸または塩基の量は、構成単位(u2)に対応する単量体(N−ビニルホルムアミド等)に対し、0.05〜10モル当量が好ましく、0.1〜5モル当量がより好ましい。
加水分解温度は、通常30〜120℃、好ましくは50〜100℃である。50℃以上とすることにより、比較的短時間で所望の加水分解率が得られる。100℃以下とすることにより、熱による分子量低下等の副反応を抑制できる。
加水分解時間は、通常0.5〜10時間、好ましくは1〜7時間である。
水不溶性貴金属捕集剤(X)は、貴金属を捕集するために用いられる。貴金属としては、金、銀およびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
水不溶性貴金属捕集剤(X)は、好適には、金、銀およびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属(A)と、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属(B)とが溶存している水溶液から前記貴金属(A)を選択的に回収するために用いられる。
貴金属を捕集する際の水不溶性貴金属捕集剤(X)の使用形態は特に限定されず、たとえば粒状、ゲル状、繊維状、粉状等が挙げられる。
少量であれば5℃において水100gに対する溶解量が0.05g以上の水溶性貴金属捕集成分が含まれていても問題はないが、前記貴金属(A)の回収量の点で、水溶性貴金属捕集成分を除去することが好ましい。水溶性貴金属捕集成分の除去方法としては、水溶性貴金属捕集成分が全て溶解する量の水で水不溶性貴金属捕集剤(X)を洗浄する等の既知の除去方法が挙げられる。
<作用効果>
本発明の水不溶性貴金属捕集剤(X)によれば、貴金属が溶存している水溶液中から貴金属を効率良く選択的に回収できる。例えば、金、銀およびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属(A)と、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属(B)とが溶存している水溶液から、前記貴金属(A)を効率良く選択的に回収できる。すなわち、水不溶性貴金属捕集剤(X)は、水に溶存している貴金属(A)および金属(B)のうち、貴金属(A)を効率良く捕集することができ、例えば、水不溶性貴金属捕集剤(X)の質量の2倍程度の貴金属(A)を捕集できる。その一方で、金属(B)はほとんど捕集しない。
また、水不溶性貴金属捕集剤(X)は水に不溶性であるため、簡単な操作で水溶液から分離できる。その際、水不溶性貴金属捕集剤(X)に捕集されず水溶液中に溶存している金属(B)は、回収されずに水溶液中に残る。
そのため、前記水溶液と水不溶性貴金属捕集剤(X)とを接触させ、前記水溶液から水不溶性貴金属捕集剤(X)を分離する簡単な操作で、貴金属(A)を効率良く選択的に捕集できる。
≪貴金属の回収方法≫
本発明の貴金属の回収方法は、金、銀およびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属(A)が溶存している水溶液から前記貴金属(A)を選択的に回収する方法である。
前記水溶液には、さらに、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属(B)が溶存していることが好ましい。すなわち、本発明の貴金属の回収方法は、金、銀およびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属(A)と、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属(B)とが溶存している水溶液から前記貴金属(A)を選択的に回収する方法であることが好ましい。
本発明の貴金属の回収方法は、下記工程(i)および(ii)を含む。
(i)前記水溶液と、前記水不溶性金属捕集剤(X)とを接触させて、前記貴金属(A)を前記水不溶性金属捕集剤(X)に捕集させる工程。
(ii)前記工程(i)の後、前記水溶液から前記水不溶性金属捕集剤(X)を分離する工程。
本発明の貴金属の回収方法は、下記工程(iii)をさらに含むことができる。
(iii)前記工程(ii)で前記水溶液から分離した水不溶性貴金属捕集剤(X)と、pHが0.1〜6.5の酸水溶液とを接触させる工程。
<水溶液>
工程(i)で水不溶性貴金属捕集剤(X)と接触させる前の水溶液に溶存している貴金属(A)は、一種でもよく二種以上でもよい。
前記水溶液中の貴金属(A)は、通常、貴金属(A)が安定に溶存できる点から、他の原子または原子団と結合した化合物の形態で存在している。化合物の形態としては、たとえばクロリド錯体、シアノ錯体、亜硫酸錯体等が挙げられる。
水不溶性貴金属捕集剤(X)と接触させる前の水溶液中の貴金属(A)の濃度は特に限定されないが、0.1〜100質量ppmであることが好ましく、0.5〜50質量ppmがより好ましい。貴金属(A)の濃度が前記範囲の下限値以上であれば、貴金属(A)の回収率がより優れ貴金属(A)の回収量がより優れる。
水不溶性貴金属捕集剤(X)と接触させる前の前記水溶液に金属(B)が溶存している場合、該水溶液に溶存している金属(B)は、一種でもよく二種以上でもよい。
前記水溶液中の金属(B)は、単体の形態で存在していてもよく、化合物の形態で存在していてもよい。
前記水溶液中の金属(B)の濃度は特に限定されないが、0.1質量ppm以上であることが好ましく、0.5〜10000質量ppmがより好ましい。金属(B)の濃度が2ppm以上であれば、本発明の回収方法を適用することの有用性が高い。
金属(B)として複数の金属を含む場合、複数の金属それぞれの含有量が2質量ppm以上であることが好ましい。
前記水溶液は、反応に支障が無い範囲で、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン等の溶剤を含んでもよい。
前記水溶液には、貴金属(A)および金属(B)以外の他の成分が溶解又は分散していてもよい。
たとえば前記水溶液は、貴金属(A)のコロイド粒子をさらに含んでもよい。本発明では、水溶液中に溶存している貴金属(A)だけでなく、貴金属(A)のコロイド粒子も捕集することができる。
前記水溶液に、貴金属(A)および金属(B)以外の他の金属が含まれてもよい。
前記水溶液としては、例えば、廃メッキ液、メッキ後の基板を洗浄した水、工場(たとえば触媒工場、メッキ試薬製造工場、メッキ工場等)排水、汚染土壌から回収した金属溶液、廃プリント配線基板などの廃棄物から酸などで貴金属を溶出させた液等が挙げられる。
<工程(i)>
工程(i)では、貴金属(A)が溶存している水溶液と水不溶性貴金属捕集剤(X)とを接触させる。これにより、貴金属(A)が水不溶性貴金属捕集剤(X)に捕集される。
前記水溶液と水不溶性貴金属捕集剤(X)とを接触させる方法としては、特に限定されない。たとえば、
a)前記水溶液に水不溶性貴金属捕集剤(X)を投入する方法、
b)水不溶性貴金属捕集剤(X)が、内部で流動可能に収容された容器に前記水溶液を通液する方法、
c)水不溶性貴金属捕集剤(X)が充填された容器(カラム、充填塔等)に前記水溶液を通液する方法、
等が挙げられる。
a)の方法の場合、投入する水不溶性貴金属捕集剤(X)の質量(固形分)は、水溶液中の貴金属(A)の質量に対し、0.1〜100倍が好ましく、0.2〜50倍がより好ましく、0.3〜30倍がさらに好ましい。水不溶性貴金属捕集剤(X)の質量が前記範囲の下限値以上であれば、貴金属(A)の回収効率がより優れる。水不溶性貴金属捕集剤(X)の質量が前記範囲の上限値以下であれば、水不溶性貴金属捕集剤(X)の使用量を低減でき、経済的に有利である。
a)の方法の場合、前記水溶液と水不溶性貴金属捕集剤(X)とを接触させる時間(水溶液と水不溶性貴金属捕集剤(X)とが接触した時点から次の工程(ii)で水溶液から水不溶性貴金属捕集剤(X)を分離するまでの時間)は、1分以上が好ましく、10分以上がより好ましい。
b)の方法は、例えば、流動床、膜分離活性汚泥法(MBR法)に近い形態で水不溶性貴金属捕集剤(X)を懸濁させた領域に前記水溶液を通液する方法により行うことができる。
b)の方法、c)の方法では、工程(i)と後述する工程(ii)を連続的に行うことができる(例えば後述する(4)の方法、(5)の方法)。
b)またはc)の方法の場合、水溶液の通液条件は、当該領域または容器と同じ容量の水溶液を通液するのに要する時間を1分以上とすることが好ましく、10分以上とすることがより好ましい。
前記水溶液と水不溶性貴金属捕集剤(X)とを接触させる際の温度は、0〜100℃が好ましく、5〜50℃がより好ましい。
前記水溶液と水不溶性貴金属捕集剤(X)との接触は、pH0.1〜6.5の条件下で行われることが好ましい。
金属(B)は、水不溶性貴金属捕集剤(X)に捕集されにくい。また、pH0.1〜6.5の条件下では、金属(B)の水に対する溶解性が高く、水溶液中の金属(B)の大部分が溶存している。そのため、次の工程(ii)で水溶液から水不溶性貴金属捕集剤(X)を分離する際、水不溶性貴金属捕集剤(X)に捕集された貴金属(A)が水不溶性貴金属捕集剤(X)とともに水溶液中から回収される一方、水不溶性貴金属捕集剤(X)に捕集されずに溶存している金属(B)は水溶液中に残る。そのため、回収される金属に占める貴金属(A)の割合をより高くすることができる。
pHが6.5超であると、金属(B)の水に対する溶解度が低く、水溶液中で析出することが有る。そのため、次の工程(ii)で水溶液から水不溶性貴金属捕集剤(X)を分離する際、金属(B)が水不溶性貴金属捕集剤(X)に付着した状態で回収されるおそれがある。
ただし、後述する工程(iii)を行う場合は、水不溶性貴金属捕集剤(X)に金属(B)が付着していても、工程(iii)でpH0.1〜6.5の酸水溶液と接触させることで金属(B)が溶解、除去されるため、工程(i)をpH6.5超の条件下で行っても、前記のように、回収される金属に占める貴金属(A)の割合をより高くすることができる。
前記水溶液と水不溶性貴金属捕集剤(X)とをpH0.1〜6.5の条件下で接触させる方法としては、たとえば、以下の(α1)、(α2)等が挙げられる。
(α1)前記水不溶性重合体と接触させる前に、前記水溶液のpHを、前記水不溶性重合体と接触させた後のpHが0.1〜6.5となるように調整する方法。
(α2)前記水溶液と前記水不溶性重合体と接触させた後、それらが接触した状態で、前記水溶液のpHを0.1〜6.5に調整する方法。
前記方法(α2)において、水溶液と水不溶性重合体(X)とを接触させている間のpHは、一定でもよく、0.1〜6.5の範囲内で変動してもよい。
前記pHは、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア等を使用して調整できる。
前記pHは、貴金属(A)の捕集量の観点から、pHは3.5〜5であることが好ましい。
前記pHは、前記水溶液と水不溶性貴金属捕集剤(X)とが接触している間の温度における値である。たとえば20℃で接触させる場合は20℃におけるpHであり、30℃で接触させる場合は30℃におけるpHである。
<工程(ii)>
工程(ii)では、工程(i)で水不溶性貴金属捕集剤(X)と接触させた水溶液から水不溶性貴金属捕集剤(X)を分離する。これにより、水不溶性貴金属捕集剤(X)に捕集された貴金属(A)が、水不溶性貴金属捕集剤(X)とともに回収される。
水不溶性貴金属捕集剤(X)の分離は、公知の方法により実施できる。例えば、(1)フィルターやろ布等を使用して、減圧濾過、加圧ろ過、遠心分離を行い、ろ残を回収するろ過法;(2)精密ろ過膜または限外ろ過膜を使用し、前記水溶液から水と溶解物を分離し、水不溶性貴金属捕集剤(X)のスラリー濃度を高めて回収する膜分離法(MBR法と同様の技術);(3)自然沈殿、遠心沈殿、凝集剤等を使用する沈殿法;(4)成形した水不溶性貴金属捕集剤(X)を容器に充填することにより固定し、該容器に前記水溶液を流通させる方法;(5)成形した水不溶性貴金属捕集剤(X)を容器に、該容器の内部で流動可能に収容し、該容器に前記水溶液を供給し、該水溶液中で前記水溶性貴金属捕集剤(X)を流動させ、その後、前記水不溶性貴金属捕集剤(X)は容器中に留め、前記水溶液のみを容器から流出させる方法;等を使用できる。
例えば前記a)の方法のように工程(i)で水溶液中に水不溶性貴金属捕集剤(X)を投入した場合は、ろ過法(減圧ろ過、加圧ろ過)により水不溶性貴金属捕集剤(X)を回収すればよい。前記b)の方法のように工程(i)で水不溶性貴金属捕集剤(X)を懸濁させた部分に前記水溶液を通液する方法では、膜分離により水不溶性貴金属捕集剤(X)を回収すればよい。前記c)の方法のように工程(i)で水不溶性貴金属捕集剤(X)を充填した容器に水溶液を通液した場合は、通液を停止し、容器の水溶液を排液した後、容器から水不溶性貴金属捕集剤(X)を回収すればよい。
膜分離法においては、不溶性貴金属捕集剤(X)の濃度を高めたスラリーをろ過法、沈殿法などで処理してもよい。
前記(4)の方法、(5)の方法はそれぞれ、後述する第一の態様の貴金属回収設備、第二の態様の貴金属回収設備により実施できる。
回収された水不溶性貴金属捕集剤(X)は、圧搾機、遠心機などを使用してさらに脱水してもよい。
水不溶性貴金属捕集剤(X)に捕集された貴金属(A)の形態は、水溶液中に溶存している際の形態と同じであってもよく異なってもよい。それらの形態が異なる例として、水溶液中に溶存している際の形態が錯体である場合に、水溶液で貴金属(A)と錯体を形成している他の原子または原子団(Cl、CN等)の一部が式(1)で表される側基のNHに置換される例が挙げられる。
<工程(iii)>
工程(iii)では、工程(ii)で前記水溶液から分離した水不溶性貴金属捕集剤(X)と、pHが0.1〜6.5の酸水溶液とを接触させる。これにより、工程(ii)で分離した水不溶性貴金属捕集剤(X)に、前記水溶液中に析出していた金属(B)が付着していても、金属(B)が酸水溶液に溶解して除去され、回収される金属に占める貴金属(A)の割合をより高くすることができる。
また、工程(iii)を行う場合、工程(i)をpH6.5超の条件下で行っても、回収される金属に占める貴金属(A)の割合をより高くすることができる。
回収対象の貴金属(A)が溶存した水溶液のpHを0.1〜6.5とするよりも、工程(iii)を行う方が、酸性の水溶液の取り扱い量を少なくできる点で、工程(i)をpH6.5超の条件下で行い、工程(iii)を行うことが好ましい。
酸水溶液における酸としては、水溶液のpHが0.1〜6.5となるものであればよく、たとえば前記でpHの調整に使用する酸として挙げたものが挙げられる。
前記pHは、5以下、つまり0.1以上5以下であることがより好ましい。また、水酸化鉄など、溶解度の低い金属を除く目的では、pH4以下がさらに好ましく、3以下が特に好ましい。
前記pHは、水不溶性貴金属捕集剤(X)と酸水溶液とが接触している間の温度における値である。
工程(i)〜(iii)の操作は、連続工程又はバッチ式のいずれで行ってもよい。
工程(ii)又は(iii)の後、回収された水不溶性貴金属捕集剤(X)に結合した貴金属(A)を回収する工程を行ってもよい。水不溶性貴金属捕集剤(X)からの貴金属(A)の回収は、たとえば、水不溶性貴金属捕集剤(X)を焼却することにより実施できる。
<作用効果>
本発明の貴金属の回収方法にあっては、水不溶性貴金属捕集剤(X)を用いることで、貴金属(A)と金属(B)とが溶存している水溶液から貴金属(A)を効率良く選択的に回収できる。すなわち、水不溶性貴金属捕多段流動集剤(X)は、水に溶存している貴金属(A)および金属(B)のうち、貴金属(A)を効率良く捕集することができ、たとえば、水不溶性貴金属捕集剤(X)の質量の2倍程度の貴金属(A)を捕集できる。その一方で、金属(B)はほとんど捕集しない。
また、水不溶性貴金属捕集剤(X)は水に不溶性であるため、簡単な操作で水溶液から分離できる。その際、水不溶性貴金属捕集剤(X)に捕集されず水溶液中に溶存している金属(B)は、回収されずに水溶液中に残る。
そのため、前記水溶液と水不溶性貴金属捕集剤(X)とを接触させ、前記水溶液から水不溶性貴金属捕集剤(X)を分離する簡単な操作で、貴金属(A)を効率良く選択的に捕集できる。
≪貴金属回収設備≫
本発明の貴金属回収設備の第一の態様は、前記水不溶性金属捕集剤(X)が充填された容器と、前記貴金属(A)が溶存している水溶液を前記容器に送液する装置とからなる。
第一の態様の貴金属回収設備において、水不溶性金属捕集剤(X)は、該容器に前記水溶液を送液し、容器内を流通させた際に流動しないように、容器に固定される。
容器としては、例えばカラム、充填塔、沈澱槽等が挙げられる。
前記水溶液を容器に送液する装置としては、例えば前記容器に接続された配管と、前記配管に取り付けられた送液ポンプとを備える装置が挙げられる。
図1に、第一の態様の貴金属回収設備の一例を示す。
本例の貴金属回収設備10は、被処理水(貴金属(A)が溶存している水溶液)の貯槽11と、充填塔13(容器)と、第一の流路15と、第一の流路15に設けられた送液ポンプ17と、第二の流路19と、を備える。
充填塔13には、水不溶性金属捕集剤(X)が充填されている。
第一の流路15の上流端は貯槽11に接続され、下流端は充填塔13の下部に接続されている。送液ポンプ17を動作させることにより、貯槽11内の被処理水を、第一の流路15を介して充填塔13に送液できるようになっている。つまりこの例では、第一の流路15および送液ポンプ17が、被処理水を容器に送液する装置として機能する。
第二の流路19の上流端は充填塔13の上部に接続されており、充填塔13を通過した被処理水(処理水)が充填塔13から流出するようになっている。
貴金属回収設備10において、貯槽11に被処理水が収容された状態で送液ポンプ17を動作させ、被処理水を充填塔13に送液すると、充填塔13内で被処理水と水不溶性金属捕集剤(X)とが接触し、被処理水中の貴金属(A)が水不溶性金属捕集剤(X)に捕集される。被処理水は、貴金属(A)の濃度が低減された処理水となって充填塔13から排出される。水不溶性金属捕集剤(X)はそのまま充填塔13内に残留し、処理水と水不溶性金属捕集剤(X)とが分離される。
本発明の貴金属回収設備の第二の態様は、前記水不溶性金属捕集剤(X)が内部で流動可能に収容された容器と、前記貴金属(A)が溶存している水溶液を前記容器に送液する装置とからなる。
第二の態様の貴金属回収設備において、水不溶性金属捕集剤(X)は、容器に固定されておらず、該容器に前記水溶液を送液し、容器内を流通させた際に流動する。
容器としては、例えば流動槽、多段流動槽等が挙げられる。
前記水溶液を容器に送液する装置としては、例えば前記容器に接続された配管と、前記配管に取り付けられた送液ポンプとを備える装置が挙げられる。
図2に、第二の態様の貴金属回収設備の一例を示す。
本例の貴金属回収設備20は、被処理水(貴金属(A)が溶存している水溶液)の貯槽21と、流動槽23(容器)と、第一の流路25と、第一の流路25に設けられた送液ポンプ27と、第二の流路29と、を備える。
流動槽23は、円筒状の胴部と、胴部の上方に配置された上部と、胴部の下方に配置された下部とを備え、胴部には、水不溶性金属捕集剤(X)が流動可能に収容されている。胴部と上部との境界部分、および胴部と下部との境界部分にはそれぞれ、網23a、23bが設けられている。この網23a、23bによって、胴部内の水不溶性金属捕集剤(X)が流出しないようになっている。
第一の流路25の上流端は貯槽21に接続され、下流端は流動槽23の下部に接続されている。送液ポンプ27を動作させることにより、貯槽21内の被処理水を、第一の流路25を介して流動槽23に送液できるようになっている。つまりこの例では、第一の流路25および送液ポンプ27が、被処理水を容器に送液する装置として機能する。
第二の流路29の上流端は流動槽23の上部に接続されており、流動槽23を通過した被処理水(処理水)が流動槽23から流出するようになっている。
貴金属回収設備20において、貯槽21に被処理水が収容された状態で送液ポンプ27を動作させ、被処理水を流動槽23に送液すると、流動槽23内で水不溶性金属捕集剤(X)が流動するとともに、被処理水と水不溶性金属捕集剤(X)とが接触し、被処理水中の貴金属(A)が水不溶性金属捕集剤(X)に捕集される。被処理水は、貴金属(A)の濃度が低減された処理水となって流動槽23から排出される。水不溶性金属捕集剤(X)はそのまま流動槽23内に残留し、処理水と水不溶性金属捕集剤(X)とが分離される。
本発明の貴金属回収設備は、前記本発明の貴金属の回収方法を実施するための設備として有用である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
特に記載のない場合、「%」、「ppm」及び「ppb」はそれぞれ「質量%」、「質量ppm」及び「質量ppb」である。
金属濃度は、偏光ゼーマン原子吸光光度計 ZA3700(株式会社日立ハイテクサイエンス製)を使用して測定した。
(製造例1)
攪拌機、滴下ロートおよびジャケットを備えた反応容器にシクロヘキサン480mL、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB14)5.6g、塩化アンモニウム5.5g、水39g、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.4gを加え、窒素を混合しながら、55℃加温撹拌下N−ビニルホルムアミド116g、次亜リン酸ナトリウム0.02g、50%ポリエチレングリコール2000水溶液7.6g、ジアリルアミン2.2g(N−ビニルホルムアミドに対して2質量%)、水26gを滴下ロートに入れ3時間かけて滴下し、その後57℃で2時間保持して粒状の架橋N−ビニルホルムアミド重合体を得た。
続いて、攪拌機およびジャケットを備えた反応容器に架橋N−ビニルホルムアミド重合体純分12g、48%水酸化ナトリウム水溶液14.1g、水123g、亜ジチオン酸ナトリウム0.48g、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム0.12gを加え、50℃で30分間、その後80℃で3時間撹拌した。反応終了後、ろ過、水洗浄して粒状の架橋ポリビニルアミンを得た。膨潤時の粒径はおよそ1〜2mmであった。該架橋ポリビニルアミンを純分で約5mg取り、100gの水に懸濁させたところ、溶解は見られなかった。
13C 核磁気共鳴(NMR)(270MHz、DO)測定を実施したところ、得られた架橋ポリビニルアミンは、全構成単位(100モル%)に対し、アミノ基が75.7モル%、ホルミル基が9.9モル%、アミジン基が7.2モル%であった。13C NMRスペクトルを図3に示す。
(製造例2)
攪拌機、滴下ロートおよびジャケットを備えた反応容器にシクロヘキサン480mL、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB14)5.6g、塩化アンモニウム5.5g、水39g、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.4gを加え、窒素を混合しながら、55℃加温撹拌下N−ビニルホルムアミド112g、次亜リン酸ナトリウム0.02g、50%ポリエチレングリコール2000水溶液7.6g、グリセロールα,α’−ジアリルエーテル5.5g(N−ビニルホルムアミドに対して5質量%)、水26gを滴下ロートに入れ3時間かけて滴下し、その後57℃で2時間保持して粒状の架橋N−ビニルホルムアミド重合体を得た。
その後、製造例1と同様の操作を行い粒状の架橋ポリビニルアミンを得た。膨潤時の粒径はおよそ0.5〜2.5mmであった。該架橋ポリビニルアミンを純分で約5mg取り、100gの水に懸濁させたところ、溶解は見られなかった。
13C NMR(270MHz、DO)測定を実施したところ、得られた架橋ポリビニルアミンは、全構成単位(100モル%)に対し、アミノ基が76.4モル%、ホルミル基が9.3モル%、アミジン基が7.1モル%であった。
(製造例3)
ディスクアトマイザー式スプレードライヤー(大川原化工機株式会社製、M型ディスクアトマイザー)を用い、ディスク回転数30000rpm、乾燥装置入り口温度140℃にて、下記の条件でディスク噴霧乾燥処理して、粉体粒子を作製した。
ポリアリルアミン水溶液(濃度40%、ニットーボーメディカル株式会社、製品名:PAA−HCL−10L)に48%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH10にした溶液を15g/minで送液し、エピクロロヒドリン(東京化成工業株式会社)を0.6g/minで送液し、アトマイザの手前で混合させて噴霧した。噴霧乾燥と同時に架橋反応が進行した。
得られた粉体粒子を、洗浄後の水が中性になるまで水で洗浄して、架橋ポリアリルアミンを得た。該架橋ポリアリルアミンを純分で約5mg取り、100gの水に懸濁させたところ、溶解は見られなかった。
(実施例1)
1000ppm塩化金(III)酸水溶液を水で希釈し、続いて水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH1.6、4.3、6.0に調整し、10ppm金水溶液を調製した。反応容器に10ppm金水溶液40g、貴金属捕集剤として製造例1の架橋ポリビニルアミンを濃度10ppmになるように純分0.4mg加え、室温で6時間撹拌した。その後、孔径0.2μmのフィルターでろ過し、ろ液中の金属濃度(ppm)を分析した。その測定値から、下記式により吸着率(%)を算出した。結果を図4に示す。図4中、PVAMは架橋ポリビニルアミンを示し、以下においても同様である。
吸着率(%)=(貴金属捕集剤添加前の水溶液中の金属濃度−ろ液中の金属濃度)/貴金属捕集剤添加前の水溶液中の金属濃度×100
(実施例2)
pH4.0の10ppm金水溶液に架橋ポリビニルアミンを濃度100または200ppmになるように加え、室温で1時間撹拌した以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を図5に示す。
(実施例3)
pH4.2の1ppm金水溶液に架橋ポリビニルアミンを濃度10ppmになるように加え、室温で3時間撹拌した以外は実施例1と同様の操作を行った。吸着率は66%であった。
(実施例4)
金水溶液に代えて塩化パラジウム(II)水溶液を用いてpH2.2、3.1、3.6の10ppmパラジウム水溶液とし、室温で5時間撹拌した以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を図6に示す。
(実施例5)
製造例1の架橋ポリビニルアミンに代えて製造例3の架橋ポリアリルアミンを濃度10ppmになるように純分0.4mg用い、pH4.0の10ppm金水溶液とし、室温で1時間撹拌した以外は実施例1と同様の操作を行った。ろ液中の金濃度は0.22ppmであり、吸着率は98%であった。
(実施例6)
pH4.4の1ppm金水溶液に架橋ポリアリルアミンを濃度10ppmになるように加えた以外は実施例5と同様の操作を行った。ろ液中の金濃度は0.03ppmであり、吸着率は97%であった。
(実施例7)
1000ppm塩化金(III)酸水溶液と1000ppm硝酸ニッケル(II)水溶液とを混合し、その混合液を水で希釈し、続いて水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH4.1に調整し、10ppm金・10ppmニッケル水溶液を調製した。反応容器に10ppm金・10ppmニッケル水溶液40g、貴金属捕集剤として製造例1の架橋ポリビニルアミンを濃度10ppmになるように純分0.4mg加え、室温で3時間撹拌した。その後、孔径0.2μmのフィルターでろ過し、ろ液中の金属濃度を分析した。結果を図7に示す。図7に示すように、架橋ポリビニルアミンは金を79%吸着する一方、ニッケルは8%しか吸着せず、金選択性を示した。
(比較例1)
架橋ポリビニルアミンの代わりに、イオン交換樹脂(三菱化学社製「ダイヤイオンWA10」)を5倍量(50ppm)使用した以外は、実施例7と同様の操作を行った。結果を併せて図7に示す。図7に示すように、イオン交換樹脂は金を吸着したがニッケルも吸着しており、実施例7と比較して金選択性が低かった。また、架橋ポリビニルアミンの5倍量を使用したにもかかわらず、金吸着量が実施例7よりも少なかった。
(比較例2)
架橋ポリビニルアミンの代わりに、活性炭(和光純薬工業社製、顆粒状)を2倍量(20ppm)使用した以外は、実施例7と同様の操作を行った。結果を併せて図7に示す。図7に示すように、活性炭は金を吸着したがニッケルも吸着しており、実施例7と比較して金選択性が低かった。また、架橋ポリビニルアミンの2倍量を使用したにもかかわらず、金吸着量が実施例7よりも少なかった。
(実施例8)
ニッケル水溶液に代えて硝酸銅(II)水溶液を用いてpH4.0に調整し、10ppm金・10ppm銅水溶液とした以外は実施例7と同様の操作を行った。結果を図8に示す。図8に示すように、架橋ポリビニルアミンは金選択性を示した。
(比較例3、4)
架橋ポリビニルアミンの代わりに、イオン交換樹脂(三菱化学社製「ダイヤイオンWA10」)を5倍量(50ppm)または活性炭(和光純薬工業社製、顆粒状)を2倍量(20ppm)使用した以外は、実施例8と同様の操作を行った。結果を併せて図8に示す。図8に示すように、イオン交換樹脂と活性炭は実施例8と比較して金選択性が低かった。また、架橋ポリビニルアミンの5倍量または2倍量を使用したにもかかわらず、金吸着量が実施例8よりも少なかった。
(実施例9)
ニッケル水溶液に代えて硝酸亜鉛(II)水溶液を用いてpH4.0に調整し、10ppm金・10ppm亜鉛水溶液とした以外は実施例7と同様の操作を行った。結果を図9に示す。図9に示すように、架橋ポリビニルアミンは金選択性を示した。
(比較例5、6)
架橋ポリビニルアミンの代わりに、イオン交換樹脂(三菱化学社製「ダイヤイオンWA10」)を5倍量(50ppm)または活性炭(和光純薬工業社製、顆粒状)を2倍量(20ppm)使用した以外は、実施例9と同様の操作を行った。結果を併せて図9に示す。図9に示すように、イオン交換樹脂と活性炭は実施例9と比較して金選択性が低かった。また、架橋ポリビニルアミンの5倍量または2倍量を使用したにもかかわらず、金吸着量が実施例9よりも少なかった。
(実施例10)
貴金属捕集剤として製造例2の架橋ポリビニルアミン純分0.23gを内径17.4mmのカラム内に充填した。このカラムを充填塔13として用いて、図1に示す構成の貴金属回収設備を作製した。
1000ppm塩化金(III)酸水溶液を水で希釈し、続いて水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH4.0に調整し、10ppm金水溶液を調製した。これを前記カラムの下部から5.3mL/minで通水した。結果を図10に示す。図10は、流出Au濃度(カラム出口から流出した水溶液中の金濃度)(ppb)を縦軸に、通水時間(通水開始からの経過時間)(h)を横軸にとったグラフである。図10に示すように、架橋ポリビニルアミンは金を素早く吸着することがわかった。また、通水時間176時間に達した時点でも飽和状態に達しておらず、架橋ポリビニルアミン1g当たり少なくとも2.5g以上の金を吸着できることがわかった。
(実施例11)
貴金属捕集剤として製造例2の架橋ポリビニルアミン純分27gを内径20cm、高さ20cm、上下を40メッシュのステンレス製の網で区切られた円筒形流動槽に入れた。この円筒形流動槽を流動槽23として用いて、図2に示す構成の貴金属回収設備を作製した。
1000ppm塩化金(III)酸水溶液を水で希釈し、0.35ppm金水溶液を調製した。これを前記円筒形流動槽の下部から1L/minで通水し、貴金属捕集剤を流動させた。通水2時間後、流出水を採取し、孔径0.2μmのフィルターでろ過し、ろ液中の金濃度を分析した。金濃度は0.1ppmであった。
10,20 貴金属回収設備
11,21 貯槽
13 充填塔
15,25 第一の流路
17,27 送液ポンプ
19,29 第二の流路
23 流動槽

Claims (18)

  1. 下記式(1)で表される側基を有する構成単位を含む水不溶性重合体からなる水不溶性貴金属捕集剤。
    Figure 2018008186
    ここで、RはC2nであり、nは0〜3の整数である。
  2. 前記水不溶性重合体が架橋構造を有する、請求項1に記載の水不溶性金属捕集剤。
  3. 前記水不溶性重合体が下記式(2)で表される側基を有する構成単位をさらに含む、請求項1または2に記載の水不溶性金属捕集剤。
    Figure 2018008186
    ここで、RはC2nであり、nは0〜3の整数であり、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。
  4. 前記水不溶性重合体中のアミノ基の質量が、前記水不溶性重合体の質量に対して0.05倍以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水不溶性金属捕集剤。
  5. 前記水不溶性重合体中のアミノ基の質量が、前記水不溶性重合体の質量に対して0.2倍以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水不溶性金属捕集剤。
  6. 金、銀およびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属(A)が溶存している水溶液から前記貴金属(A)を選択的に回収する方法であって、下記工程(i)および(ii)を含む、貴金属の回収方法。
    (i)前記水溶液と、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水不溶性金属捕集剤とを接触させて、前記貴金属(A)を前記水不溶性金属捕集剤に捕集させる工程;
    (ii)前記工程(i)の後、前記水溶液から前記水不溶性金属捕集剤を分離する工程;
  7. 金、銀およびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属(A)と、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属(B)とが溶存している水溶液から前記貴金属(A)を選択的に回収する方法であって、下記工程(i)および(ii)を含む、貴金属の回収方法。
    (i)前記水溶液と、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水不溶性金属捕集剤とを接触させて、前記貴金属(A)を前記水不溶性金属捕集剤に捕集させる工程;
    (ii)前記工程(i)の後、前記水溶液から前記水不溶性金属捕集剤を分離する工程;
  8. 前記工程(i)にて、前記水溶液と前記水不溶性金属捕集剤との接触が、pH0.1〜6.5の条件下で行われる、請求項6または7に記載に記載の貴金属の回収方法。
  9. 前記工程(i)にて、前記水不溶性金属捕集剤と接触させる前に、前記水溶液のpHを、前記水不溶性金属捕集剤と接触させた後のpHが0.1〜6.5となるように調整する、請求項8に記載の貴金属の回収方法。
  10. 前記工程(i)にて、前記水不溶性金属捕集剤と接触させた後、それらが接触した状態で、前記水溶液のpHを0.1〜6.5に調整する、請求項8に記載の貴金属の回収方法。
  11. 前記工程(i)における前記pHが5以下である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の貴金属の回収方法。
  12. 前記工程(i)における前記pHが3.5以上である、請求項8〜11のいずれか一項に記載の貴金属の回収方法。
  13. 下記工程(iii)をさらに含む、請求項6〜12のいずれか一項に記載の貴金属の回収方法。
    (iii)前記工程(ii)で前記水溶液から分離した水不溶性金属捕集剤と、pHが0.1〜6.5の酸水溶液とを接触させる工程;
  14. 前記工程(iii)における前記pHが5以下である、請求項13に記載の貴金属の回収方法。
  15. 前記工程(iii)における前記pHが3.5以上である、請求項13または14に記載の貴金属の回収方法。
  16. 前記水不溶性金属捕集剤と接触させる前の前記水溶液が、前記貴金属(A)のコロイド粒子をさらに含む、請求項6〜15のいずれか一項に記載の貴金属の回収方法。
  17. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の水不溶性金属捕集剤が充填された容器と、前記貴金属(A)が溶存している水溶液を前記容器に送液する装置とからなる貴金属回収設備。
  18. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の水不溶性金属捕集剤が内部で流動可能に収容された容器と、前記貴金属(A)が溶存している水溶液を前記容器に送液する装置とからなる貴金属回収設備。
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