JP7168181B2 - 金の回収方法及び金回収設備 - Google Patents

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Description

本発明は、金の回収方法及び金回収設備に関する。
本願は、2017年12月27日に、日本に出願された特願2017-250325号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
貴金属は極めて貴重な金属であり、少量しか産出しない。特に金は鉱石中の存在量がきわめて少ない。鉱石中の金の精錬方法としては、古くは水銀によるアマルガメーション等の方法が用いられたが、現在では青化法による方法が一般的である。青化法では、金を含む鉱石を粉砕し、青化液を用いて金をシアノ錯体として抽出し、金シアノ錯体を含む青化液と鉱石を分離し、金を回収する。青化液からの金の回収方法としては、例えば、金シアノ錯体の金を亜鉛等の金属で置換し、金を沈殿させる方法や、金シアノ錯体を活性炭に吸着させる方法が用いられる。
上記のようなプロセスからの排液中には、極めて少ないながらも金シアノ錯体が存在する。希少な金を回収、再利用することは、重大な課題である。
従来、水中の金属の回収には、活性炭やイオン交換樹脂が使用されている。活性炭やイオン交換樹脂は、溶存している金属を吸着することで捕集する。
しかし、これらの捕集剤は、吸着速度が遅い、吸着量が少ない、選択性が低い等の問題がある。
金シアノ錯体は金が形成する錯体の中でも非常に安定であり、これらの捕集剤では、青化法による排液のような低濃度の金シアノ錯体溶液から金を効率良く回収することは困難である。
イオン交換樹脂や活性炭以外に、金属が溶存している水溶液から金属を回収する捕集剤として、下記(1)~(3)等が提案されている。
(1)アミノ基を有する高分子ゲル(非特許文献1)。
(2)ポリビニルアミン架橋重合体粒子(特許文献1)。
(3)アミン系ポリマーと親水性ポリマーとの混合剤(特許文献2)。
しかし、いずれの文献においても、金を回収する場合に捕集剤で捕集するのは金イオンであり、金シアノ錯体を捕集することについては記述がなく、これらの捕集剤を、金鉱石からの金回収等の主流を占める、金シアノ錯体を経由する方法に応用できるかどうかは検討されていない。
一方、金メッキ工程等から排出される金シアノ錯体を有する排水に、二価の銅イオンと還元剤を加え、金シアノ錯体を沈殿分離する方法が提案されている(特許文献3)。
しかし、この方法では、金に対し過剰の銅塩と還元剤を添加する必要があり、経済的ではない。また、凝集沈殿させるための反応槽が必要であり、吸着塔等に比べ、装置が巨大になる場合がある。
特開2017-70909号公報 特許第4981671号公報 特公平4-075285号公報
化学工学論文集、第43巻、第4号、p199-206、2017
本発明は、金シアノ錯体を含む溶液から、該溶液中の金シアノ錯体が低濃度である場合でも、該溶液中に他の金属が溶存している場合でも、金を効率良く回収できる金の回収方法及び金回収設備を提供することを目的とする。
本発明は以下の様態を有する。
[1]ビニルアミン単位を含む架橋樹脂を用いて、金シアノ錯体を含む溶液から金を回収する金の回収方法。
[2]ビニルアミン単位を含む架橋樹脂と、金シアノ錯体を含む溶液とを接触させ、前記架橋樹脂と前記溶液とを分離する金の回収方法。
[3]前記溶液が、青化法において金を回収した後の排液である[1]又は[2]の金の回収方法。
[4]前記溶液が、青化法において活性炭による吸着処理、又は亜鉛添加による沈殿処理により金を回収した後の排液である[3]の金の回収方法。
[5]前記架橋樹脂中の前記ビニルアミン単位の少なくとも一部が酸と塩を形成しており、前記酸が鉱酸、ギ酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である[1]~[4]のいずれかの金の回収方法。
[6]前記溶液が、金以外の金属を含む夾雑イオンを含み、前記溶液と前記架橋樹脂とを、pH3.5以下で接触させる、[1]~[5]のいずれかの金の回収方法。
[7]ビニルアミン単位を含む架橋樹脂が内部で流動可能に収容された容器と、金シアノ錯体を含む溶液を前記容器に送液する装置とを備える金回収設備。
本発明の金の回収方法又は金回収設備によれば、金シアノ錯体を含む溶液から、該溶液中の金シアノ錯体が低濃度である場合でも、該溶液中に他の金属が溶存している場合でも、金を効率良く回収できる。
第一の態様の金回収設備の一例を示す概略図である。
本発明の金の回収方法では、ビニルアミン単位を含む架橋樹脂を用いて、金シアノ錯体を含む溶液から金を回収する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
架橋樹脂における「単位」とは、重合や架橋に使用された単量体や架橋剤に由来する構造である。この構造は、重合後の反応によって変化していてもよい。
(架橋樹脂)
架橋樹脂は、ビニルアミン単位を含む。
ビニルアミン単位においては、アミノ基(-NH)の水素原子の1つが炭素数1~6のアルキル基で置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、炭素数1~6のアルキル基が好ましい。
ビニルアミン単位は、酸と塩を形成していてもよい。
本発明者は、架橋樹脂中のビニルアミン単位の少なくとも一部が酸と塩を形成している場合に、塩を形成していない場合に比べて、金の吸着性が優れることを見出した。したがって、架橋樹脂中のビニルアミン単位の少なくとも一部は酸と塩を形成していることが好ましい。
酸としては、ビニルアミン単位と塩を形成可能であればよく、例えば塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸等が挙げられる。酸としては、加水分解の反応性がより優れる点で、塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸、ギ酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
アミノ基の水素原子の1つが置換基で置換されていてもよく、酸と塩を形成していないビニルアミン単位、つまり遊離型のビニルアミン単位は、例えば、下記式(1)で表される。
アミノ基の水素原子の1つが置換基で置換されていてもよく、酸と塩を形成しているビニルアミン単位、つまり塩型のビニルアミン単位は、例えば、下記式(2)で表される。
Figure 0007168181000001
(式(1)及び式(2)中、Rは水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、Aは、1/nモルの酸を示す。nは酸の価数を示す。)
におけるアルキル基、Aにおける酸はそれぞれ前記と同様である。
ビニルアミン単位は、典型的には、N-ビニルカルボン酸アミド単位の加水分解により形成される。加水分解を塩基の存在下で行うと、酸と塩を形成していないビニルアミン単位が生成する。加水分解を酸の存在下で行うと、塩型のビニルアミン単位が生成する。加水分解を塩基の存在下で行った場合、得られた架橋樹脂に酸を加えることで、ビニルアミン単位の少なくとも一部を塩型とすることができる。架橋樹脂中のビニルアミン単位の少なくとも一部が酸と塩を形成していると金の吸着性が優れるため、架橋樹脂中のビニルアミン単位の少なくとも一部は酸と塩を形成していることが好ましい。全ビニルアミン単位に対する塩型のビニルアミン単位の割合(塩型のビニルアミン単位/(遊離型のビニルアミン単位+塩型のビニルアミン単位))は1モル%以上が好ましく、5モル%以上がさらに好ましく、10モル%以上が特に好ましい。ビニルアミンを含む樹脂は様々な用途に用いられるが、一般にビニルアミン単位中に酸のような不純物を含むと、十分な性能が期待できなくなる。しかし本発明においては、酸をビニルアミン単位中にあえて含むことで金の吸着率を上げることができる。また、架橋樹脂の製造工程において他の不純物を除くために水洗を行っても、酸がビニルアミン単位と塩を形成していることにより酸はビニルアミン単位中に残り、不要な不純物のみを効率的に除去できる。
架橋樹脂は、架橋構造を含む。
架橋構造は、典型的には、架橋性単量体を共重合することにより形成される。この場合、架橋樹脂は、架橋性単量体単位を含む。
架橋性単量体は、重合性官能基を2以上有する。重合性官能基としては、例えばビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
架橋性単量体としては、例えば、芳香族ポリビニル化合物(ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン等)、ポリ(メタ)アクリレート(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等)、メチレンビスアクリルアミド、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ジアリル-ジアルキルアンモニウム塩、ポリアリルエーテル化合物(テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、及びペンタエリスリトールテトラアリルエーテル等)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン等が挙げられる。これらの架橋性単量体はいずれか1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アリロキシ」も同様である。
本発明では架橋性単量体としては、耐加水分解性に優れる点で、ポリアリルエーテル化合物が好ましい。
架橋樹脂は、N-ビニルカルボン酸アミド単位をさらに含んでいてもよい。
N-ビニルカルボン酸アミドとしては、例えば、CH=CH-N(R)COR(式中、Rは前記と同義であり、Rは水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を示す。)で表される化合物が挙げられる。アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、炭素数1~6のアルキル基が好ましい。
N-ビニルカルボン酸アミドの具体例としては、N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-ビニルプロピオンアミド、N-メチル-N-ビニルプロピオンアミド、N-ビニルブチルアミド、N-ビニルイソブチルアミド等が挙げられる。これらのN-ビニルカルボン酸アミドはいずれか1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
架橋樹脂は、アミジン基を有する単位をさらに含んでいてもよい。
アミジン基は、N=C-N構造を含む基である。
例えばN-ビニルホルムアミド単位を含む重合体を酸又は塩基で加水分解すると、N-ビニルホルムアミド単位とビニルアミン単位とを有する重合体が得られる。酸性又は塩基性の条件下では加水分解が進行する一方、中性条件下では隣接するN-ビニルホルムアミド単位のホルムアミド基とビニルアミン単位のアミノ基とが下記のように反応し、各基が結合した炭素原子及びそれらの間の1つの炭素原子とともに6員環のアミジン基を形成することがある。
-NHCHO+HN- → -N=CH-NH-
架橋樹脂は、ビニルアミン単位、架橋性単量体単位、N-ビニルカルボン酸アミド単位及びアミジン基を有する単位以外の他の単量体単位をさらに含んでいてもよい。
他の単量体としては、N-ビニルカルボン酸アミド等と共重合が可能であれば特に限定されない。例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル-トリメチルアンモニウム塩、(メタ)アクリロイルオキシアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、N-ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルペンジルトリアルキルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。他の単量体はいずれか1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
架橋樹脂中、ビニルアミン単位の含有量は、全単位の合計モル量に対し、10~99.5モル%が好ましく、30~99.5モル%がより好ましい。ビニルアミン単位の含有量が前記下限値以上であると、金シアノ錯体の吸着性がより優れる。
架橋樹脂中のビニルアミン単位のうち、塩型のビニルアミン単位の割合は、全てのビニルアミン単位の合計モル量に対し、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、100モル%であってもよい。塩型のビニルアミン単位の割合が前記下限値以上であると、金シアノ錯体の吸着性がより優れる。
架橋樹脂中、N-ビニルカルボン酸アミド単位の含有量は、全単位の合計モル量に対し、0~90モル%が好ましく、0~70モル%がより好ましい。N-ビニルカルボン酸アミド単位の含有量が前記上限値以下であると、金シアノ錯体の吸着性がより優れる。
架橋樹脂中、アミジン基を有する単位の含有量は、全単位の合計モル量に対し、10~80モル%が好ましく、20~70モル%がより好ましい。アミジン基を有する単位の含有量が前記下限値以上であると、金シアノ錯体の吸着性がより優れる。アミジン基を有する単位の含有量が前記上限値超にするには、長時間の反応が必要なため、現実的ではない。
架橋樹脂中、架橋性単量体単位の含有量は、全単位の合計質量に対し、1~10質量%が好ましく、2~7質量%がより好ましい。架橋性単量体単位の含有量が少ないほど、架橋樹脂の架橋密度が低くなる。架橋密度が低いと、金を回収する際の架橋樹脂の膨潤度が上昇し、表面積が増加するため、吸着量も増加すると考えられる。一方で、架橋密度があまりに低いと、架橋樹脂の機械的強度が低下し、容易に架橋樹脂が破壊され吸着材として機能しなくなるおそれがある。架橋性単量体単位の含有量が前記範囲内であると、十分な機械的強度を確保しつつ、吸着量を増加できる。
架橋樹脂は、架橋構造を含むため、水不溶性である。水に不溶性であるため、金シアノ錯体を含む溶液から架橋樹脂を簡単な操作で分離できる。
「水不溶性」とは、25℃において水100gに対する溶解量が0.05g未満であることを意味する。
架橋樹脂は、粒状、繊維状、ゲル状、粉状等の形状に成形されていてもよい。
粒状である場合、架橋樹脂の平均粒径は、0.1~3mmが好ましく、0.1~1mmがより好ましい。平均粒径が前記下限値以上であると、取扱性がより優れる。平均粒径が前記上限値以下であると、金シアノ錯体の吸着性がより優れる。
架橋樹脂の平均粒径は、水での膨潤時の値であり、粒度分布計により測定される。
<架橋樹脂の製造方法>
ビニルアミン単位を含む架橋樹脂は、例えば、下記の工程1及び工程2を含む製造方法により製造できる。
工程1:N-ビニルカルボン酸アミドと、架橋性単量体と、必要に応じてN-ビニルカルボン酸アミド及び架橋性単量体と共重合が可能な他の単量体とを含む単量体混合物を、重合開始剤を用いて重合し、N-ビニルカルボン酸アミド単位及び架橋構造を含む重合体を得る工程。
工程2:前記工程1の後、前記重合体を、酸又は塩基の存在下で加水分解する工程。
N-ビニルカルボン酸アミド、架橋性単量体、他の単量体はそれぞれ前記と同様であり、好ましい態様も同様である。
工程1で使用するN-ビニルカルボン酸アミドとしては、前記の中でも、ビニルアミン単位への誘導の容易さに優れる点で、N-ビニルホルムアミドが好ましい。
単量体混合物中のN-ビニルカルボン酸アミドの割合は、全単量体の合計モル量に対し、10~100モル%が好ましく、50~100モル%がより好ましい。
架橋性単量体の割合は、全単量体の合計質量に対し、1~10質量%の範囲が好ましく、2~7質量%の範囲がより好ましい。
工程1において、単量体混合物の重合方法は、特に制限されない。単量体混合物の重合方法としては、通常のラジカル重合法が用いられる。例えば、塊状重合、水溶液重合、逆相懸濁重合、逆相乳化重合等のいずれも選択できる。
重合反応は、通常、不活性ガス気流下、温度30~100℃で実施される。溶媒中で単量体混合物の重合を行う場合、単量体混合物の濃度は、通常、5~80質量%であり、好ましくは10~70質量%である。重合時のpHは、単量体混合物調合時の安定性から、5~9に調節することが好ましい。
単量体混合物の重合方法としては、上記の中でも逆相懸濁重合が好ましい。逆相懸濁重合で単量体混合物を重合することにより、0.1~3mmの平均粒子径を持つ粒状の架橋樹脂を容易に得ることができる。
逆相懸濁重合では、界面活性剤及び分散剤の存在下、分散媒中に単量体混合物の水溶液を分散させ、重合を行う。
逆相懸濁重合に用いられる水の量は、全単量体の合計質量に対して、通常0.1~3質量倍、好ましくは0.2~2質量倍、さらに好ましくは0.3~1質量倍である。水の量が上記の範囲より多い場合は、生成する重合体の分子量が低下傾向となり、上記の範囲より少ない場合は水滴の分散が不充分となるおそれがある。
分散媒としては、典型的には、炭化水素系分散媒が用いられる。
炭化水素系分散媒としては、水と共沸する炭化水素が好ましい。例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の鎖状飽和炭化水素、沸点65~250℃(好ましくは80℃~180℃)の石油留分の石油留分、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
分散媒は、単量体混合物の水溶液の全質量に対し、通常0.5~10質量倍、好ましくは1~5質量倍の範囲で用いられる。
また、分散媒の使用量は、通常、水の全使用量の20質量%以上、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。
分散媒中に単量体混合物及び水を分散させる方法としては、特に限定されない。例えば、予め分散媒中に水を添加し、攪拌により懸濁相を形成させ、そこに、重合させる単量体を、そのまま、又は、残りの水を加えた水溶液として添加する方法が好ましい。
重合に用いられる界面活性剤は、逆相懸濁系にて、所望の粒性形状、粒子径を形成し得るものであればよい。例えば、HLB(Hydrophilic Lipophilic Balance)が通常9~20、好ましくは12~19のノニオン系界面活性剤が使用される。
HLBが上記範囲内のノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、モリグリセリド、ソルビトールアルキルエステル、スクロースアルキルエステル等が挙げられる。具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート等が挙げられる。これらのノニオン系界面活性剤はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記の中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが好ましい。
界面活性剤の使用量は、微細な粒子を得るため、分散媒に対し、0.5~3質量%が好ましく、1~2.5質量%がより好ましい。界面活性剤の使用量が上記の範囲より多い場合は乳化が生じ易くなり、上記の範囲より少ない場合は粒子径の肥大化を招くおそれがある。
界面活性剤の添加方法は、特に限定されない。例えば、単量体に接触させる以前に分散媒中に添加して分散させる方法が好ましい。
重合開始剤としては、一般的なラジカル重合開始剤を用いることができる。中でもアゾ化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性のアゾ化合物であり、例えば2,2’-アゾビス-2-アミジノプロパンの塩酸塩、硫酸塩及び酢酸塩、アゾビス-N,N’-ジメチレンイソブチルアミジンの塩酸塩、硫酸塩及び酢酸塩、4,4’-アゾビス-4-シアノ吉草酸のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、全単量体の合計質量に対し、通常100~10000質量ppm、好ましくは500~7000質量ppmの範囲である。
重合開始剤の添加方法は、特に限定されない。例えば、単量体に接触させる以前に分散媒中に添加して分散させる方法が好ましい。
重合の際、場合によっては、重合安定剤として、塩化アンモニウム、塩化カルシウム等の添加物が使用される。
前記添加物の使用量は、全単量体の合計質量に対し、通常0.1~20質量%、好ましくは1~15質量%である。
重合温度は、通常30~100℃、好ましくは50~80℃である。
重合時間は、通常0.5~10時間、好ましくは1~5時間である。
なお、重合に際しては、重合熱が発生するため、通常、重合系を冷却することにより、重合温度が上記範囲内に保持されるように調節する。
重合を実施するには、例えば、界面活性剤、重合開始剤等を含有する分散媒を重合温度に保持し、窒素ガス気流中、単量体混合物の水溶液を、攪拌下、分散媒中に添加することによる方法が例示される。ただし、単量体混合物、水、界面活性剤、重合開始剤等の混合順次に特に限定されるものではない。
得られる重合体の分子量の調節は、重合条件によっても行えるが、必要に応じて、イソプロピルアルコール、アリルアルコール等のアルコール類、チオグリコール酸、チオグリセロール等のメルカプタン類、次亜リン酸ナトリウム等の亜燐酸塩類等の連鎖移動剤を使用できる。
工程1で得られた重合体は、N-ビニルカルボン酸アミド単位と架橋性単量体単位とを含む。工程2で重合体を加水分解すると、重合体中のN-ビニルカルボン酸アミド単位の一部又は全部がビニルアミン単位に変換され、ビニルアミン単位を含む架橋樹脂が得られる。
工程2の重合体の加水分解は、酸又は塩基の存在下で行う。
酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸等が挙げられる。
塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
酸又は塩基の量は、重合体中のN-ビニルカルボン酸アミド単位に対し、0.05~10モル当量が好ましく、0.1~5モル当量がより好ましい。
加水分解温度は、通常30~120℃、好ましくは50~100℃である。50℃以上とすることにより、比較的短時間で所望の加水分解率が得られる。100℃以下とすることにより、熱による分子量低下等の副反応を抑制できる。
加水分解時間は、通常0.5~10時間、好ましくは1~7時間である。
加水分解後の架橋樹脂中のビニルアミン単位は、酸で加水分解した場合、使用した酸と塩を形成して塩型となっている。一方、塩基で加水分解した場合は、塩を形成していない。つまりビニルアミン単位のアミノ基が単独で存在している。
上述したように、架橋樹脂中のビニルアミン単位の少なくとも一部が塩を形成している場合に、金の吸着性がより優れる。そのため、加水分解を酸の存在下で行うことが好ましい。又は加水分解を塩基の存在下で行い、その後、得られた架橋樹脂に酸を加え、ビニルアミン単位の少なくとも一部を塩型とすることが好ましい。
塩基の存在下での加水分解後に添加する酸の量は、ビニルアミン単位に対し、10~100モル%が好ましく、50~100モル%がより好ましい。添加する酸の量が上限値以下であれば過剰な酸による純度低下防止の点で好ましく、添加する酸の量が下限値以上であれば金の吸着性向上の点で好ましい。
(金シアノ錯体を含む溶液)
前記架橋樹脂を用いて金を回収する溶液は、金シアノ錯体を含む。
前記溶液は、典型的には、水溶液である。
前記溶液中の金シアノ錯体の濃度は、特に限定されない。例えば、0.1~200質量ppmが好ましく、0.5~100質量ppmがより好ましい。従来の回収方法では、金シアノ錯体の濃度が前記上限値以下であると、金を効率良く回収することが難しい。本発明では、金シアノ錯体の濃度が前記上限値以下であっても、金を効率良く回収できる。
前記溶液は、金以外の金属を含む夾雑イオンを含んでいてもよい。
夾雑イオンにおける金属としては、例えばニッケル、コバルト、銅、亜鉛等が挙げられる。夾雑イオンとしては、これらの金属のイオン、錯体等が挙げられる。錯体としては、シアノ錯体、クロリド錯体等が挙げられる。夾雑イオンの具体例としては、ニッケルシアノ錯体、コバルトシアノ錯体、銅シアノ錯体、ニッケルイオン、コバルトイオン、銅イオン、亜鉛イオン等が挙げられる。前記溶液中に含まれる夾雑イオンは一種でもよく二種以上でもよい。
前記溶液中の夾雑イオンの濃度は、例えば0.1~1000質量ppmであってよい。
前記溶液としては、青化法において金を回収した後の排液であることが好ましい。
前述のとおり、青化法では、鉱石等に含まれる金をシアノ錯体として抽出し、回収する。抽出には青化液が用いられる。金の回収は、一般に、活性炭による吸着処理、又は亜鉛添加による沈殿処理により行われる。吸着処理では、青化液を用いて抽出された金シアノ錯体を含む液(貴液)に活性炭を添加して金シアノ錯体を吸着させ、金シアノ錯体を吸着した活性炭を回収する。沈殿処理では、貴液に亜鉛を添加し、金シアノ錯体の金を亜鉛で置換して金を沈殿させ、沈殿した金を回収する。しかし、このとき金を完全に回収することは難しく、金を回収した後の排液には金シアノ錯体が含まれる。前記架橋樹脂を用いれば、極めて有用な資源である金を、廃棄される排水中から回収し、活用することが可能である。
前記排液中の金シアノ錯体の濃度は、典型的には、0.1~200質量ppmである。また、前記排液中には、金シアノ錯体のほか、夾雑イオンとして亜鉛シアノ錯体等が含まれることが多い。
(金の回収方法)
金シアノ錯体を含む溶液からの金の回収は、たとえば、以下の工程i及び工程iiを含む方法により実施できる。
工程i:ビニルアミン単位を含む架橋樹脂と、金シアノ錯体を含む溶液とを接触させる工程、
工程ii:前記工程iの後、前記架橋樹脂と前記溶液とを分離する工程。
<工程i>
工程iでは、前記架橋樹脂と前記溶液とを接触させる。これにより、前記溶液中の金シアノ錯体が前記架橋樹脂に捕集される。
前記架橋樹脂と前記溶液とを接触させる方法としては、特に限定されない。例えば以下の方法(a)、方法(b)、方法(c)等が挙げられる。
(a)前記溶液に前記架橋樹脂を投入する方法。
(b)前記架橋樹脂が、内部で流動可能に収容された容器に、前記溶液を通液する方法。
(c)前記架橋樹脂が充填された容器(カラム、充填塔等)に前記溶液を通液する方法。
(a)の方法の場合、前記溶液に投入する前記架橋樹脂の質量(固形分)は、前記溶液中の金シアノ錯体の質量に対し、0.1~100倍が好ましく、0.2~50倍がより好ましく、0.3~30倍がさらに好ましい。前記架橋樹脂の質量が前記範囲の下限値以上であれば、金シアノ錯体の回収効率がより優れる。前記架橋樹脂の質量が前記範囲の上限値以下であれば、前記架橋樹脂の使用量を低減でき、経済的に有利である。
(a)の方法において、前記溶液と前記架橋樹脂とを接触させる時間(前記溶液と前記架橋樹脂とが接触した時点から次の工程iiで前記溶液と前記架橋樹脂とを分離するまでの時間)は、1分以上が好ましく、10分以上がより好ましい。
(b)の方法は、例えば、流動床、膜分離活性汚泥法(MBR法)に近い形態で粒状の前記架橋樹脂を懸濁させた領域に前記溶液を通液する方法により行うことができる。
(b)の方法、(c)の方法では、工程iと後述する工程iiを連続的に行うことができる(例えば後述する(4)の方法)。
(b)又は(c)の方法の場合、前記溶液の通液条件は、当該領域又は容器と同じ容量の前記溶液を通液するのに要する時間を1分以上とすることが好ましく、10分以上とすることがより好ましい。当該領域又は容器と同じ容量の前記溶液を通液するのに要する時間が下限値以上であれば金の吸着量が向上する点で好ましく、当該領域又は容器と同じ容量の前記溶液を通液するのに要する時間が上限値以下であれば処理時間の短縮の点で好ましい。
前記架橋樹脂と前記溶液とを接触させる際の温度は、0~100℃が好ましく、5~50℃がより好ましい。
本発明者らは、前記溶液が前記夾雑イオンを含む場合、前記架橋樹脂と前記溶液との接触を、比較的低pHの条件下で行うことで、金を選択的に捕集できることを見出した。
前記溶液が前記夾雑イオンを含む場合、前記架橋樹脂と前記溶液との接触は、pH4以下で行うことが好ましく、pH3.5以下で行うことがより好ましい。下限にも言及すればpH0.1~4の範囲内で行うことが好ましく、pH0.1~3.5の範囲内で行うことがより好ましい。
前記架橋樹脂が金シアノ錯体を吸着するのは、錯体の配位子の一部が前記架橋樹脂中のビニルアミンのアミノ基と交換することによると考えられる。金シアノ錯体は金が形成する錯体の中でも安定であるが、金シアノ錯体が存在している溶液のpHが低くなると反応性が高くなる。pHが3.5以下であれば、金シアノ錯体の反応性が高くなり、前記架橋樹脂への吸着率が高くなる。一方、pHが低くなると金属のシアノ錯体の前記架橋樹脂への吸着率は低くなる。しかし金シアノ錯体は他の金属のシアノ錯体に比べpH低下による吸着率の低下が小さいため、pHの低い領域では金シアノ錯体の選択性が高くなると考えられる。pHが3.5以下であるとこの傾向が顕著になり、金シアノ錯体を選択的に回収することができる。
pHが0.1以上であれば、pH調整において酸を多量に添加する必要がなく、容易にpH調整を行うことができる。
前記pHは、前記架橋樹脂と前記溶液とが接触している間の温度における値である。例えば20℃で接触させる場合は20℃におけるpHであり、30℃で接触させる場合は30℃におけるpHである。
前記pHは、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア等を使用して調整できる。
金シアノ錯体を含む溶液が、青化法において金を回収した後の排液である場合、架橋樹脂と当該排液とを接触させる方法としては、上述の方法(a)、方法(b)、方法(c)のいずれも使用できる。
青化法において金を回収した後の排液と架橋樹脂を接触させる際に、当該排液のpHは4.0以下が好ましく、3.5がより好ましく、0.1~4がさらに好ましく、0.1~3.5が特に好ましい。
pHが前記上限値以下であれば、青化法において金を回収した後の排液中の金シアノ錯体の前記架橋樹脂への吸着率が高くなる。さらに金シアノ錯体は他の金属のシアノ錯体に比べpH低下による吸着率の低下が小さいため、pHが前記上限値以下であれば、青化法において金を回収した後の排液から金シアノ錯体を選択性に回収することができる。
青化法において金を回収した後の排液と架橋樹脂とを接触させる際の温度は0~100℃が好ましく、5~50℃がより好ましい。
青化法において金を回収した後の排液と架橋樹脂とを接触させる際の時間は1分以上が好ましく、10分以上がより好ましい。
<工程ii>
工程iiでは、工程iで接触させた前記架橋樹脂と前記溶液とを分離する。これにより、前記架橋樹脂に捕集された金シアノ錯体が前記架橋樹脂とともに回収される。
前記架橋樹脂の分離及び回収は、例えば、下記の(1)~(4)に記載の方法で実施できる。ただし、架橋樹脂の分離及び回収の方法は、これらの例示に限定されない。
(1)フィルターやろ布等を使用して、減圧ろ過、加圧ろ過、遠心分離を行い、ろ残を回収するろ過法。
(2)精密ろ過膜又は限外ろ過膜を使用し、前記溶液から水と溶解物を分離し、前記架橋樹脂のスラリー濃度を高めて回収する膜分離法(MBR法と同様の技術)。
(3)自然沈殿、遠心沈殿、凝集剤等を使用する沈殿法。
(4)成形した前記架橋樹脂を容器に、前記容器の内部で流動可能に収容し、前記容器に前記溶液を供給し、前記溶液中で前記架橋樹脂を流動させ、その後、前記架橋樹脂は容器中に留め、前記溶液のみを容器から流出させる方法。
例えば、前記(a)の方法のように、工程iで前記溶液中に前記架橋樹脂を投入した場合は、前記(1)の方法により前記架橋樹脂を回収すればよい。
前記(b)の方法のように、工程iで前記架橋樹脂を懸濁させた領域に前記溶液を通液する方法では、前記(2)の方法により前記架橋樹脂を回収すればよい。
前記(c)の方法のように、工程iで前記架橋樹脂を充填した容器に前記溶液を通液した場合は、通液を停止し、前記容器の溶液を排液した後、前記容器から前記架橋樹脂を回収すればよい。
前記(2)の方法においては、前記架橋樹脂の濃度を高めたスラリーをろ過法、沈殿法等で処理してもよい。
回収された架橋樹脂は、圧搾機、遠心機等を使用してさらに脱水してもよい。
本発明の金の回収方法の好ましい一態様では、前記架橋樹脂が内部で流動可能に収容された容器と、前記溶液を前記容器に送液する装置とを備える金回収設備(以下、第一の態様の金回収設備ともいう。)を用いて工程i~iiを行う。
第一の態様の金回収設備において、前記架橋樹脂は、容器に固定されておらず、前記容器に前記溶液を送液し、前記容器内を流通させた際に流動する。
容器としては、例えば流動槽、多段流動槽等が挙げられる。
前記溶液を容器に送液する装置としては、例えば前記容器に接続された配管と、前記配管に取り付けられた送液ポンプとを備える装置が挙げられる。
図1に、第一の態様の金回収設備の一例を示す。
本例の金回収設備20は、金シアノ錯体を含む溶液の貯槽21と、流動槽23(容器)と、第一の流路25と、第一の流路25に設けられた送液ポンプ27と、第二の流路29と、を備える。
流動槽23は、円筒状の胴部と、胴部の上方に配置された上部と、胴部の下方に配置された下部とを備える。流動槽23の胴部には前記架橋樹脂が流動可能に収容されている。胴部と上部との境界部分、及び胴部と下部との境界部分にはそれぞれ、網23a、23bが設けられている。この網23a、23bによって、胴部内の前記架橋樹脂が流出しないようになっている。
第一の流路25の上流端は貯槽21に接続され、下流端は流動槽23の下部に接続されている。送液ポンプ27を動作させることにより、貯槽21内の前記溶液を、第一の流路25を介して流動槽23に送液できるようになっている。つまりこの例では、第一の流路25及び送液ポンプ27が、前記溶液を容器に送液する装置として機能する。
第二の流路29の上流端は流動槽23の上部に接続されており、流動槽23を通過した溶液が流動槽23から流出するようになっている。
金回収設備20において工程i~iiは、以下のようにして実施できる。
貯槽21に前記溶液が収容された状態で送液ポンプ27を動作させ、前記溶液を流動槽23に送液すると、流動槽23内で前記架橋樹脂が流動するとともに、前記溶液と前記架橋樹脂とが接触し、前記溶液中の金シアノ錯体が前記架橋樹脂に捕集される。前記溶液は、金シアノ錯体の濃度が低減されて流動槽23から排出される。前記架橋樹脂はそのまま流動槽23内に残留する。結果、前記溶液と前記架橋樹脂とが分離される。
前述のとおり、架橋樹脂の架橋度が低いと、金を回収する際の架橋樹脂の膨潤度が上昇し、表面積が増加するため、吸着量も増加する。一方で、架橋密度があまりに低いと、架橋樹脂の機械的強度が低下する。第一の態様の金回収設備では、架橋樹脂が流動するため、通常のカラム充填などでは壊れてしまう低架橋度の架橋樹脂でも使用が可能である。よって、第一の態様の金回収設備によれば、更に接触効率が高く、吸着速度も速くなる。そのため、第一の態様の金回収設備は、本発明の回収方法を実施するための設備として有用である。
工程i~iiの操作は、連続工程又はバッチ式のいずれで行ってもよい。
工程iiの後、回収された架橋樹脂に結合した金シアノ錯体を回収する工程を行ってもよい。架橋樹脂からの金シアノ錯体の回収は、たとえば、架橋樹脂を焼却することにより実施できる。
以上説明した本発明の金の回収方法にあっては、ビニルアミン単位を含む架橋樹脂を用いるため、金シアノ錯体を含む溶液から金を効率良く回収できる。前記架橋樹脂は、ビニルアミン単位を含むため、金シアノ錯体を含む溶液から金シアノ錯体を効率良く捕集できる。また、前記架橋樹脂は水に不溶性であるため、簡単な操作で水溶液から分離できる。そのため、たとえば、前記架橋樹脂と前記溶液とを接触させ、分離する簡単な操作で金シアノ錯体を効率良く回収できる。金の回収は、前記溶液中の金シアノ錯体が低濃度である場合や、溶液中に他の金属が溶存している場合(前記夾雑イオンが含まれている場合)であっても可能である。特にpHが4以下であれば、前記架橋樹脂の他の金属に対する吸着性が低くなり、夾雑イオンが捕集されずに溶液中に残りやすくなる。そのため、金を選択的に回収できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
特に記載のない場合、「%」、「ppm」及び「ppb」はそれぞれ「質量%」、「質量ppm」及び「質量ppb」である。金属濃度は、偏光ゼーマン原子吸光光度計ZA3700(株式会社日立ハイテクサイエンス製)を使用して測定した。室温は21℃であった。
(製造例1)
攪拌機、滴下ロート及びジャケットを備えた反応容器にシクロヘキサン480mL、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB14)5.6g、塩化アンモニウム5.5g、水39g、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩0.4gを加え、窒素を混合しながら、55℃加温撹拌下、N-ビニルホルムアミド116g、次亜リン酸ナトリウム0.02g、50%ポリエチレングリコール2000水溶液7.6g、ジアリルアミン2.2g(N-ビニルホルムアミドに対して2質量%)、水26gを滴下ロートに入れ3時間かけて滴下し、その後57℃で2時間保持して粒状の架橋N-ビニルホルムアミド重合体を得た。
続いて、攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に架橋N-ビニルホルムアミド重合体(純分)12g、48%水酸化ナトリウム水溶液14.1g、水123g、亜ジチオン酸ナトリウム0.48g、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム0.12gを加え、50℃で30分間、その後80℃で3時間撹拌した。反応終了後、ろ過、水洗浄して粒状の架橋ポリビニルアミン(架橋樹脂)を得た。膨潤時の粒径はおよそ1~2mmであった。該架橋ポリビニルアミンを純分で約5mg取り、100gの水に懸濁させたところ、溶解は見られなかった。
13C 核磁気共鳴(NMR)(270MHz、DO)測定を実施したところ、得られた架橋ポリビニルアミンは、全単位(100モル%)に対し、アミノ基が75.7モル%、ホルミル基が9.9モル%、アミジン基が7.2モル%であった。したがって、ビニルアミン単位が75.7モル%、N-ビニルホルムアミド単位が9.9モル%、アミジン基を有する単位が7.2モル%であった。
(製造例2)
製造例1で濾過を行う前の架橋ポリビニルアミン反応液に、ギ酸を添加し、30分間撹拌した。その後、製造例1と同様に、ろ過、水洗浄して粒状の架橋ポリビニルアミンを得た。前記ギ酸の量は、前記架橋ポリビニルアミン中のアミノ基(ビニルアミン単位)に対して100モル%である。
(実施例1)
金シアノ錯体であるシアン化金(I)カリウムの含有量が全量に対し73ppm(金シアノ錯体濃度として63ppm、金濃度として50ppm)、ニッケルシアノ錯体であるシアン化ニッケル(I)カリウム・一水和物の含有量が全量に対し441ppm(ニッケルシアノ錯体濃度として370ppm、ニッケル濃度として100ppm)となる水溶液を調製し、塩酸でpHを5.8、3.5又は2.2に調整した。
反応容器に前記水溶液(pHが5.8、3.5、2.2のいずれか)40gを入れ、製造例1の架橋ポリビニルアミンを添加し、室温で6時間撹拌した。架橋ポリビニルアミンは、水溶液と架橋ポリビニルアミンとの合計中の架橋ポリビニルアミン濃度が500ppmになるように、純分で0.02g加えた。その後、孔径0.2μmのフィルターでろ過し、ろ液中の金属濃度(ppm)を分析した。その測定値から、下記式により吸着率(%)を算出した。結果を表1に示す。表1中、PVAMは架橋ポリビニルアミンを示し、以下においても同様である。
吸着率(%)={(架橋ポリビニルアミン添加前の水溶液中の金属濃度(ppm)-ろ液中の金属濃度(ppm))/架橋ポリビニルアミン添加前の水溶液中の金属濃度(ppm)}×100
(実施例2)
製造例1の架橋ポリビニルアミンの代わりに、製造例2の架橋ポリビニルアミンを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸着率(%)を算出した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の金シアノ錯体、及びニッケルシアノ錯体を含む水溶液の代わりに、青化法において金を回収した後の排液を用い、pHを3.5に調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸着率(%)を算出した。結果を表1に示す。なお、青化法において金を回収した後の排液中には、金シアノ錯体が排液全量に対して20ppm(金濃度として14ppm)含有されていた。
(実施例4)
貴金属捕集剤として製造例1の架橋ポリビニルアミン27gを内径20cm、高さ20cm、上下を40メッシュのステンレス製の網で区切られた円筒形流動槽に入れた。この円筒形流動槽を流動槽23として用いて、図1に示す構成の貴金属回収設備を作製した。金シアノ錯体であるシアン化金(I)カリウムの含有量が全量に対し73ppm(金シアノ錯体濃度として63ppm、金濃度として50ppm)を前記円筒形流動槽の下部から1L/minで通水し、貴金属捕集剤(架橋樹脂)を流動させた。通水2時間後、流出水を採取し、孔径0.2μmのフィルターでろ過し、ろ液中の金濃度を分析した。その測定値から、吸着率(%)を算出した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で調製した水溶液(塩酸によるpH調整前)に、架橋ポリビニルアミンの代わりにギ酸を500ppm加えてpHを3.5に調整し、室温で6時間撹拌した。その後、孔径0.2μmのフィルターでろ過し、ろ液中の金属濃度(ppm)を分析し、その測定値から実施例1と同様にして吸着率(%)を算出した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で調製した水溶液(塩酸によるpH調整前)に、架橋ポリビニルアミンの代わりに活性炭(和光純薬工業社製、顆粒状)を500ppm加えてpHを3.5に調整し、室温で6時間撹拌した。その後、孔径0.2μmのフィルターでろ過し、ろ液中の金属濃度(ppm)を分析し、その測定値から実施例1と同様にして吸着率(%)を算出した。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1で調製した水溶液(塩酸によるpH調整前)に、架橋ポリビニルアミンの代わりにイオン交換樹脂(三菱化学社製「ダイヤイオンWA10」)を500ppm加えてpHを3.5に調整し、室温で6時間撹拌した。その後、孔径0.2μmのフィルターでろ過し、ろ液中の金属濃度(ppm)を分析し、その測定値から実施例1と同様にして吸着率(%)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0007168181000002
実施例1の結果から、ビニルアミン単位を含む架橋樹脂は、2.2、3.5、5.8のいずれのpHにおいても、また他の金属錯体であるニッケルシアノ錯体が共存していても、金シアノ錯体を十分な吸着率で吸着することが確認された。特に、pH4以下の低pH域では、他の金属錯体の吸着率が金シアノ錯体の吸着率よりも低く、金シアノ錯体を選択的に吸着できることが確認された。
実施例2の結果から、ビニルアミン単位を塩型とすることにより、特にpH4以下の場合に、金シアノ錯体の吸着量を増加できることが確認された。また、ビニルアミン単位を塩型とした場合でも、実施例1と同様に、低pH域で金シアノ錯体を選択的に吸着できることが確認された。
実施例3の結果から、青化法において金を回収した後の排液中の金シアノ錯体においても、十分な吸着率で吸着することが確認された。
実施例4の結果から、本発明の金の回収方法に好ましい金回収設備を用いると、金シアノ錯体を素早く、かつ低濃度まで吸着できることが確認された。
比較例1の結果から、ビニルアミン単位を含む架橋樹脂を使用しない場合、金シアノ錯体は水溶液中に溶存し、回収できないことが確認された。
比較例2、3の結果から、ビニルアミン単位を含む架橋樹脂の代わりに、活性炭、及びイオン交換樹脂を使用した場合、ビニルアミン単位を含む架橋樹脂に比べ、金シアノ錯体の吸着率が低いことが確認された。
本発明の金の回収方法及び金回収設備では、ビニルアミン単位を有する架橋樹脂を用いるため、金シアノ錯体が低濃度である場合でも、金シアノ錯体を含む溶液から金シアノ錯体を高効率で回収でき、ひいては金を高効率で回収できる。金シアノ錯体とともに他の金属が存在している場合に、金シアノ錯体を選択的に回収することもできる。
本発明の金の回収方法及び金回収設備は、青化法において金を回収した後の排液から、微量に残存する金を回収するために利用できる。
10,20 金回収設備
11,21 貯槽
13 充填塔
15,25 第一の流路
17,27 送液ポンプ
19,29 第二の流路
23 流動槽

Claims (7)

  1. ビニルアミン単位を全単位の合計モル量に対し10~99.5モル%、N-ビニルカルボン酸アミド単位を全単位の合計モル量に対し0~90モル%、アミジン基を有する単位を全単位の合計モル量に対し10~80モル%、架橋性単量体を全単位の合計質量に対し1~10質量%含む架橋樹脂を用いて、金シアノ錯体を0.1~200質量ppmむ溶液から金を回収する金の回収方法。
  2. 前記架橋樹脂と、金シアノ錯体を含む溶液とを接触させ、前記架橋樹脂と前記溶液とを分離する請求項1に記載の金の回収方法。
  3. 前記溶液が、青化法において金を回収した後の排液である請求項1又は2に記載の金の回収方法。
  4. 前記溶液が、青化法において活性炭による吸着処理、又は亜鉛添加による沈殿処理により金を回収した後の排液である請求項3に記載の金の回収方法。
  5. 前記架橋樹脂中の前記ビニルアミン単位の少なくとも一部が酸と塩を形成しており、前記酸が鉱酸、ギ酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1~4のいずれか一項に記載の金の回収方法。
  6. 前記溶液が、金以外の金属を含む夾雑イオンを含み、
    前記溶液と前記架橋樹脂とを、pH3.5以下で接触させる請求項1~5のいずれか一項に記載の金の回収方法。
  7. ビニルアミン単位を全単位の合計モル量に対し10~99.5モル%、N-ビニルカルボン酸アミド単位を全単位の合計モル量に対し0~90モル%、アミジン基を有する単位を全単位の合計モル量に対し10~80モル%、架橋性単量体を全単位の合計質量に対し1~10質量%含む架橋樹脂が内部で流動可能に収容された容器と、金シアノ錯体を0.1~200質量ppm含む溶液を前記容器に送液する装置とを備える金回収設備。
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