JP2018003214A - 中空紡績糸とこれを用いた織物又は編物及びその製造方法 - Google Patents

中空紡績糸とこれを用いた織物又は編物及びその製造方法 Download PDF

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【課題】紡績糸の中空部を保持し、保温性が高く、膨らみ感を有する中空紡績糸とこれを用いた織物又は編物及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の中空紡績糸(5)は、衣料用繊維(2)と熱融着繊維(3)を含む混紡紡績糸であり、衣料用繊維(2)の少なくとも一部は熱融着繊維(3)により融着されて熱融着部を構成し、かつ内部に中空部を有し、この中空部は融着部により保持されている。この糸は、衣料用繊維(2)と熱融着繊維(3)と水溶性繊維(4)を含む繊維を混紡し、紡績糸(1)とし、前記紡績糸(1)を少なくとも一部使用して織物又は編物とし、熱処理して熱融着繊維(3)を融解し、次に加熱水により水溶性繊維(4)を溶解し除去することにより得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、中空紡績糸とこれを用いた織物又は編物及びその製造方法に関する。
パーカー、ジャケット、セーター等の外衣(アウター衣料)は、通常、生地の単位面積当たりの質量が重く、衣料としても重くなる問題があった。質量が軽くなると肩こりなどを防げ、着心地も良好になる。しかし、単に質量を軽くすると生地が薄くなり、寒さを防げないという問題がある。従来技術として、保温性を向上させるために生地のバルキー性を上げる方法があり、そのバルキー性を上げるため、紡績糸に水溶性ビニロン繊維を混紡する提案がある(特許文献1〜2)。一方、天然繊維と合成繊維のそれぞれの長所を生かすため天然繊維と生分解性バインダー繊維を混紡した紡績糸が提案されている(特許文献3)。
特開2015−078470号公報 特開2005−068596号公報 特開2004−091962号公報
しかし、前記従来技術は、紡績糸に水溶性ビニロン繊維を混紡し、生地にした後に溶解させたとき、中空部が潰れてしまうことがあり、中空状態を保持することが困難であった。そのため、保温性、膨らみ感がいまだに不足でありさらなる改良が求められていた。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、紡績糸の中空部を保持し、膨らみ感を有する中空紡績糸とこれを用いた織物又は編物及びその製造方法を提供する。
本発明の中空紡績糸は、衣料用繊維と熱融着繊維を含む混紡紡績糸であり、前記熱融着繊維の少なくとも一部は該熱融着繊維同士が融着されて融着部を構成し、かつ内部に中空部を有し、前記中空部は前記融着部により保持されていることを特徴とする。
本発明の織物又は編物は、中空紡績糸を少なくとも一部に含む織物又は編物であって、前記中空紡績糸は、衣料用繊維と熱融着繊維を含む混紡紡績糸であり、前記熱融着繊維の少なくとも一部は該熱融着繊維同士が融着されて融着部を構成し、かつ内部に中空部を有し、前記中空部は前記融着部により保持されていることを特徴とする。
本発明の織物又は編物の製造方法は、衣料用繊維と熱融着繊維と水溶性繊維を含む繊維を混紡し、紡績糸とし、前記紡績糸を少なくとも一部使用して織物又は編物とし、前記織物又は編物を熱処理して前記熱融着繊維を融解し、次に、前記水溶性繊維を溶解させ除去することを特徴とする。
本発明は、衣料用繊維と熱融着繊維を含む紡績糸であって、前記熱融着繊維の少なくとも一部は該熱融着繊維同士が融着されて融着部を構成し、かつ内部に中空部を有し、前記中空部は前記融着部により保持されることにより、膨らみ感を有する。すなわち、紡績糸内の中空部は織物又は編物とした後、あるいは衣料にした後も潰れることがなく、保持されることにより、膨らみ感を有する。
図1Aは本発明の一実施形態の溶解前の混紡紡績糸の模式的断面図、図1Bは同、溶解後の中空紡績糸の模式的断面図である。 図2は本発明の一実施例で使用する芯鞘構造の熱融着繊維の模式的断面図である。 図3は同、芯鞘構造の熱融着繊維の熱処理温度と接着力の関係を示すグラフである。 図4は本発明の一実施形態の溶解前の混紡紡績糸の走査型電子顕微鏡(SEM)側面写真(倍率80)である。 図5は同、溶解後の中空紡績糸のSEM側面写真(倍率80)である。 図6は同、溶解後の中空紡績糸をさらに拡大したSEM側面写真(倍率150)である。 図7は本発明の一実施形態の溶解前の混紡紡績糸のSEM断面写真(倍率160)である。 図8は同、溶解後の中空紡績糸のSEM断面写真(倍率160)である。
本発明は、紡績糸の原料繊維に特徴があることから、紡績糸から説明する。本発明で使用する紡績糸は、衣料用繊維と熱融着繊維と水溶性繊維を含む繊維を混紡し、紡績糸とする。熱融着繊維は融着して中空部を保持するために必要である。水溶性繊維は水溶性ビニロン繊維等がある。熱水に溶解して最終的には織物又は編物には残らず、溶解した部分は空隙(中空)となる。
前記少なくとも3成分の繊維(衣料用繊維と熱融着繊維と水溶性繊維)は混紡する。混紡は混綿混紡、練条混紡等どのような混紡であっても良い。混紡により前記3成分の繊維は均一に混合される。混紡とした後は常法に従い紡績糸とする。紡績糸はリング紡績糸でもよいし、ボルテックス紡績糸でもよく、特に限定するものではない。
次に、前記紡績糸を少なくとも一部使用して織物又は編物とする。前記紡績糸のみで織物又は編物とすることもできる。得られた織物又は編物は、熱処理して前記熱融着繊維を融解する。融着繊維の融解により、前記3成分の繊維の少なくとも一部は融着される。次に、加熱水により前記水溶性繊維を溶解させる。水溶性繊維を溶解により、溶解した部分は空隙(中空)となり、中空部が形成される。
このようにして得られた中空紡績糸は、衣料用繊維と熱融着繊維を含む混紡紡績糸であり、前記熱融着繊維の少なくとも一部は該熱融着繊維同士が融着され、かつ内部に中空部を有し、前記中空部は前記融着により保持されている。この中空部は、織物又は編物、あるいは衣料となった後も、融着構造により潰れることがなく保持される。
前記中空紡績糸を100質量%としたとき、前記衣料用繊維の混率は10〜90質量%であり、前記熱融着繊維の混率は90〜10質量%であるのが好ましい。さらに好ましくは、前記衣料用繊維の混率は20〜80質量%であり、前記熱融着繊維の混率は80〜20質量%であり、より好ましくは前記衣料用繊維の混率は30〜70質量%であり、前記熱融着繊維の混率は70〜30質量%である。前記の範囲であれば、衣料の保温性と中空部の保持に好ましい。
前記衣料用繊維は、天然繊維、再生セルロース繊維及び合成繊維からなる群から選ばれる少なくとも一つの繊維が好ましい。例えば天然セルロース繊維、アクリル系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、レーヨン繊維等の再生セルロース繊維及びウール繊維からなる群から選ばれる少なくとも一つの繊維が好ましい。この中でもセルロース繊維が好ましく、とくに好ましくは天然セルロース繊維である。天然セルロース繊維としては、コットン、麻等がある。
前記熱融着繊維はポリエステル系芯鞘構造の複合繊維であり、芯成分が高融点ポリエステル、鞘成分が低融点共重合ポリエステルであるのが好ましい。ポリエステルは衣料用として優れた繊維であり、また前記芯鞘構造であると、芯成分は繊維形状を維持し、鞘成分は融解して融着に使われ、織物又は編物の風合いを軟らかく保つことができる。芯成分の高融点ポリエステルは、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)やポリエチレンテレフタレート(PET,融点250〜260℃)が好ましく、カチオン染料可染タイプの5−ナトリウムスルホイソフタレートが共重合されているポリエステルであっても良い。鞘成分が低融点共重合ポリエステルはPETより融点が40℃以上低いのが好ましく、さらに好ましくは45℃以上低いのが好ましい。このようなポリエステル系芯鞘構造の複合繊維は、例えば東レ社製、商品名"サフメット"がある。
前記水溶性繊維の混紡割合は、衣料用繊維と熱融着繊維と水溶性繊維を含む繊維の合計を100質量%としたとき、10〜60質量%が好ましく、さらに好ましくは15〜55質量%であり、より好ましくは20〜50質量%である。前記の範囲であれば、水溶性繊維を溶解した後の中空部の割合が高く、膨らみ感を高く保てる。
前記中空紡績糸は、前記衣料用繊維は50質量%以上が天然セルロース繊維であり、50質量%以下の範囲でさらに他の繊維を混紡しても良い。他の繊維はアクリル系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、レーヨン繊維等の再生セルロース繊維及びウール繊維から選ばれる少なくとも一つの繊維が好ましい。
本発明の織物又は編物の製造方法においては、熱処理はテンターによる熱処理が好ましい。テンターを使用すると一定の幅で熱処理でき、収縮を押さえることができる。
前記水溶性繊維の溶解処理は、通常染色前に行う。ただし、製品として問題ない範囲で溶解処理と染色処理を兼ねてもよい。
本発明に適用できる織物としては、平織、斜文織(綾織)、朱子織、変化平織、変化斜文織、変化朱子織、変わり織、紋織、片重ね織、二重組織、多重組織、経パイル織、緯パイル織、絡み織等がある。編み物としては、丸編、緯編、経編、パイル編等を含み、平編、天竺編、フライス編(リブ編,ゴム編,畔編)、スムース編(両面編)、ゴム編、パール編、デンビー組織、コード組織、アトラス組織、鎖編組織、挿入組織等がある。水溶性繊維を溶解除去した後の仕上がりの織物又は編物の単位面積当たりの質量(目付)は50〜400g/m2が好ましく、さらに好ましくは60〜350g/m2である。
以下図面を用いて説明する。以下の図面において同一符号は同一物を示す。図1Aは本発明の一実施形態の溶解前の混紡紡績糸の模式的断面図、図1Bは同、溶解後の中空紡績糸の模式的断面図である。まず図1Aに示すように、混紡紡績糸1は衣料用繊維、例えばセルロース繊維(コットン繊維)2:40質量%、熱融着繊維3:20質量%、水溶性ビニロン繊維4:40質量%が均一混紡された紡績糸である。この紡績糸は所定の実撚りが掛けられている。この混紡紡績糸1を使用して織物又は編物とし、得られた織物又は編物を熱処理して熱融着繊維を融解し、次に加熱水により水溶性ビニロン繊維を溶解させると、図1Bの中空紡績糸5のようになる。水溶性ビニロン繊維の部分は溶解除去され中空部となり、セルロース繊維(コットン繊維)2と熱融着繊維3が残るが、熱融着繊維3により熱融着繊維3とセルロース繊維(コットン繊維)2は融着した構造となる。これにより、中空部は周囲の融着構造により潰されることなく保持される。この結果、紡績糸の直径は処理前と後でほとんど変わらない。これが膨らみ感を良好にしている。
図2は本発明の一実施例で使用する芯鞘構造の熱融着繊維の模式的断面図である。この熱融着繊維3は、芯成分6がポリエチレンテレフタレート(PET,融点255〜260℃)であり、鞘成分7が低融点共重合ポリエステルである。低融点共重合ポリエステルの融点は一義的に決まらず、図3に示すように100〜200℃の範囲にある。図3はこの熱融着繊維の熱処理温度と接着力の関係を示すグラフであり、熱融着繊維とPET繊維の50質量%/50質量%混紡不織布(繊維長51mm、質量40g/m2、幅25mm)を熱処理時間2分間で熱処理し、熱処理温度と接着力の関係を調べたものである。この図から融点範囲が広いことが分かる。
図4は本発明の一実施形態の溶解前の混紡紡績糸の走査型電子顕微鏡(SEM)側面写真(倍率80)、図5は同、溶解後の中空紡績糸のSEM側面写真(倍率80)、図6は同、溶解後の中空紡績糸をさらに拡大したSEM側面写真(倍率150)である。図6の側面写真には融着部が存在していることが分かる。図7は本発明の一実施形態の溶解前の混紡紡績糸のSEM断面写真(倍率160)、図8は同、溶解後の中空紡績糸のSEM断面写真(倍率160)である。溶解前は側面写真、断面写真とも構成繊維が緻密にまとまっているが、溶解処理後の糸は内部に中空部(空隙)があることが分かる。また、溶解処理後の糸の断面写真には融着部が観察され、この融着部により中空部(空隙)は保持されている。なお、図7及び図8の断面写真に関しては、糸表面にアセトンで希釈した薄いマニュキアを糸表面に塗り、乾燥後に糸を切断し、当該切断面を写真撮影した。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<原料繊維>
(1)衣料用繊維
衣料用繊維としてコットン繊維を使用した。
(2)熱融着繊維
熱融着繊維としてポリエステル系芯鞘構造の複合繊維、東レ社製、商品名"サフメット"T−9611(繊度2.2decitex,繊維長38mm)を使用した。この繊維は強度3.4cN/decitex,破断伸度39%である。
(3)水溶性繊維
水溶性繊維として、クラレ社製、水溶性ビニロン繊維、繊度1.7decitex、繊維長32mmを使用した。
<糸直径と編地厚み>
・糸直径は、静置状態の紡績糸の光学顕微鏡写真を観察し、25点の平均値とした。
・編地厚みは、静置状態の編地をダイヤルシックネスゲージで測定し、5点の平均値とした。
(実施例1)
<紡績糸の製造>
コットン繊維を25質量%、熱融着繊維を25質量%、水溶性ビニロン繊維を50質量%使用し、カード機で混紡してウェブとし、スライバーとし、粗糸とし、リング紡績機で紡績糸とした。得られた紡績糸は綿番手10番(繊度:531.5decitex)、撚り数12.02回/インチ、Z撚り、撚り係数K=3.80(撚り係数K=t/√S、但し、tは撚り数(回/インチ)、Sは番手によって求める。)であった。強伸度特性は、単糸強力(単糸引張り強さ)1180g,破断伸度15%であった。
<編物の製造>
(1)編み組織:天竺編組織とした。
(2)糸使い:上記で得られた混紡紡績糸100質量%の単糸使いとした。
(3)単位面積当たりの質量(目付):246g/m2
<乾熱処理>
得られた編物をテンターにかけて190℃の温度で2分間熱処理し、熱融着繊維を融着させた。なお、乾熱処理をあまり高温で行うと、水溶性ビニロン繊維が変質し、熱水で溶解しなくなる可能性があるのであまり高温にしない配慮が必要である。
<熱水処理>
乾熱処理後の編物を熱水処理した。染色は常法で行い、95〜100℃の温度で30分間熱処理し、この工程で水溶性ビニロン繊維を溶解除去した。
<評価結果>
得られた編物の評価結果は、膨らみについては表1にまとめて示す。表1において、「処理」は「乾熱処理+加熱水処理」のことである。また、紡績糸の処理後の直径は、紡績糸自体を編物と同様に処理した結果である。 風合いは官能評価により検査したところ良好であった。
(実施例2)
混紡紡績糸の番手を20番(繊度:265.7decitex)とし、撚り数16.99回/インチ(撚り係数K=3.80)、単糸強力(単糸引張り強さ)560g,破断伸度12%、編物質量(目付)170g/m2とした以外は実施例1と同様に実施した。得られた編物の評価結果は、膨らみについては表1にまとめて示す。風合いは官能評価により検査したところ良好であった。
(実施例3)
コットン繊維を40質量%、熱融着繊維を20質量%、水溶性ビニロン繊維を40質量%使用し、混紡紡績糸の番手を30番(繊度:177.2decitex)、撚り数21.91回/インチ(撚り係数K=4.00)、単糸強力(単糸引張り強さ)310g,破断伸度10%、編物質量(目付)130g/m2とした以外は実施例1と同様に実施した。得られた編物の評価結果は、膨らみについては表1にまとめて示す。風合いは官能評価により検査したところ良好であった。
表1から明らかなとおり、処理前後の紡績糸の直径及び編地の厚みは大きく変化していなかった。例えば実施例1は紡績糸の番手10sであり、実施例2は同20sで2倍異なっており、実施例1の紡績糸には50質量%の水溶性繊維が混紡されていることから、これが溶解除去すると番手自体は実施例2の処理前の番手と同一になるが、紡績糸の直径及び編地の厚みは大きく変化していないことが確認できた。この理由は、紡績糸の内部の中空部が融着構造によって保持されているからである。なお、実施例3の編地の処理後の厚みが処理前よりも厚くなっているのは、編地の乾熱処理と染色時の加熱水処理により、構成繊維の収縮によるものと推定される。
(実施例4)
実施例1の混紡紡績糸をフラット面の地糸とし、実施例3の糸をパイル糸としてパイル織物を編成した。この編物を実施例1と同様に乾熱処理と染色時の加熱水処理を行った。処理後の編物は質量(目付)が200g/m2であった。フラット面は膨らみ感があり、官能評価による保温性も良好であった。
本発明はパーカー、ジャケット、セーター等の外衣(アウター衣料)、シャツ、パンツ、スポーツ衣料、ホームウエアなどにも適用できる。
1 混紡紡績糸
2 衣料用繊維(コットン繊維)
3 熱融着繊維
4 水溶性ビニロン繊維
5 中空部を有する紡績糸
6 芯成分
7 鞘成分

Claims (9)

  1. 衣料用繊維と熱融着繊維を含む混紡紡績糸であり、
    前記熱融着繊維の少なくとも一部は該熱融着繊維同士が融着されて融着部を構成し、かつ内部に中空部を有し、
    前記中空部は前記融着部により保持されていることを特徴とする中空紡績糸。
  2. 前記中空紡績糸を100質量%としたとき、前記衣料用繊維の混率は10〜90質量%であり、前記熱融着繊維の混率は90〜10質量%である請求項1に記載の中空紡績糸。
  3. 前記衣料用繊維は、天然繊維、再生セルロース繊維及び合成繊維からなる群から選ばれる少なくとも一つの繊維である請求項1又は2に記載の中空紡績糸。
  4. 前記熱融着繊維はポリエステル系芯鞘構造の複合繊維であり、芯成分が高融点ポリエステル、鞘成分が低融点共重合ポリエステルである請求項1〜3のいずれかに記載の中空紡績糸。
  5. 前記衣料用繊維は50質量%以上が天然セルロース繊維であり、50質量%以下の範囲でさらに他の繊維を含む請求項1〜4のいずれかに記載の中空紡績糸。
  6. 中空紡績糸を少なくとも一部に含む織物又は編物であって、
    前記中空紡績糸は、衣料用繊維と熱融着繊維を含む混紡紡績糸であり、
    前記熱融着繊維の少なくとも一部は該熱融着繊維同士が融着されて融着部を構成し、かつ内部に中空部を有し、
    前記中空部は前記融着部により保持されていることを特徴とする織物又は編物。
  7. 衣料用繊維と熱融着繊維と水溶性繊維を含む繊維を混紡し、紡績糸とし、
    前記紡績糸を少なくとも一部使用して織物又は編物とし、
    前記織物又は編物を熱処理して前記熱融着繊維を融解し、
    次に、前記水溶性繊維を溶解させ除去することを特徴とする織物又は編物の製造方法。
  8. 前記熱処理は、テンターによる熱処理である請求項7に記載の織物又は編物の製造方法。
  9. 前記水溶性繊維の混紡割合は、衣料用繊維と熱融着繊維と水溶性繊維を含む繊維の合計を100質量%としたとき、10〜60質量%である請求項7又は8に記載の織物又は編物の製造方法。
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