JPWO2020162506A1 - 抗ピリング紡績糸、その製法、及び抗ピリング紡績糸により構成される抗ピリング織編物 - Google Patents

抗ピリング紡績糸、その製法、及び抗ピリング紡績糸により構成される抗ピリング織編物 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020162506A1
JPWO2020162506A1 JP2020571241A JP2020571241A JPWO2020162506A1 JP WO2020162506 A1 JPWO2020162506 A1 JP WO2020162506A1 JP 2020571241 A JP2020571241 A JP 2020571241A JP 2020571241 A JP2020571241 A JP 2020571241A JP WO2020162506 A1 JPWO2020162506 A1 JP WO2020162506A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pilling
spun yarn
fibers
fiber
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020571241A
Other languages
English (en)
Inventor
哲史 遠山
英樹 北川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kowa Co Ltd
Original Assignee
Kowa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kowa Co Ltd filed Critical Kowa Co Ltd
Publication of JPWO2020162506A1 publication Critical patent/JPWO2020162506A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D15/00Woven fabrics characterised by the material, structure or properties of the fibres, filaments, yarns, threads or other warp or weft elements used
    • D03D15/40Woven fabrics characterised by the material, structure or properties of the fibres, filaments, yarns, threads or other warp or weft elements used characterised by the structure of the yarns or threads
    • D03D15/41Woven fabrics characterised by the material, structure or properties of the fibres, filaments, yarns, threads or other warp or weft elements used characterised by the structure of the yarns or threads with specific twist
    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02JFINISHING OR DRESSING OF FILAMENTS, YARNS, THREADS, CORDS, ROPES OR THE LIKE
    • D02J13/00Heating or cooling the yarn, thread, cord, rope, or the like, not specific to any one of the processes provided for in this subclass
    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D15/00Woven fabrics characterised by the material, structure or properties of the fibres, filaments, yarns, threads or other warp or weft elements used
    • D03D15/20Woven fabrics characterised by the material, structure or properties of the fibres, filaments, yarns, threads or other warp or weft elements used characterised by the material of the fibres or filaments constituting the yarns or threads
    • D03D15/283Woven fabrics characterised by the material, structure or properties of the fibres, filaments, yarns, threads or other warp or weft elements used characterised by the material of the fibres or filaments constituting the yarns or threads synthetic polymer-based, e.g. polyamide or polyester fibres
    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04BKNITTING
    • D04B1/00Weft knitting processes for the production of fabrics or articles not dependent on the use of particular machines; Fabrics or articles defined by such processes
    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04BKNITTING
    • D04B21/00Warp knitting processes for the production of fabrics or articles not dependent on the use of particular machines; Fabrics or articles defined by such processes
    • D04B21/06Patterned fabrics or articles
    • D04B21/08Patterned fabrics or articles characterised by thread material
    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06CFINISHING, DRESSING, TENTERING OR STRETCHING TEXTILE FABRICS
    • D06C11/00Teasing, napping or otherwise roughening or raising pile of textile fabrics
    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06CFINISHING, DRESSING, TENTERING OR STRETCHING TEXTILE FABRICS
    • D06C23/00Making patterns or designs on fabrics
    • D06C23/02Making patterns or designs on fabrics by singeing, teasing, shearing, etching or brushing

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

熱可塑性合成繊維の短繊維を含む抗ピリング紡績糸、該抗ピリング紡績糸で構成することにより、ピリングの発生が抑制され、かつ、布地の強度低下や風合いの悪化が抑制された織編物を提供する。本発明は、熱可塑性合成繊維の短繊維を含む抗ピリング紡績糸であって、該短繊維の毛羽先端部の溶融玉と、該溶融玉の研磨痕とを有することを特徴とする前記抗ピリング紡績糸、その製法、及び該抗ピリング紡績糸から構成された抗ピリング織編物に関する。

Description

本発明は、熱可塑性合成繊維の短繊維を含む抗ピリング紡績糸、その製法、及び該抗ピリング紡績糸により構成される抗ピリング織編物に関する。
合成繊維は、通常、紡糸を経てフィラメントとして作られ、例えば、ポリエステル系やポリアミド系など多くの繊維は溶融紡糸で作られ、アクリル系繊維は湿式紡糸で作られる。また、レーヨンやキュプラなどの再生セルロース繊維、アセテート繊維などの半合成繊維も、フィラメントとして作られる。合成繊維は、フィラメントとして作られたものを切断して短繊維(ステープル)としても用いられている。
合成繊維は、綿や麻、絹、羊毛等の天然繊維と比べると一般的に軽くて丈夫(強く切れにくい)という特徴を有するものの、天然繊維はふんわりとした独特の風合いを有するものが多く、主に衣料品の原材料として好ましく使用されている。天然繊維の有するふんわりとした風合いを合成繊維で達成するためには、合成繊維の紡績糸(以下、スパン糸ともいう。)で織編物を製織すればよいのであるが、合成繊維の紡績糸から製造された織編物では、ピリングが発生しやすいことが知られている。ピリングとは、着用中や洗濯中に布地表面が摩擦され、布地表面が毛羽立ち、毛羽が絡み合い、小さな毛玉(ピル)ができることをいい、特に、繊維中にポリエステルやポリアミドなどの合成繊維が含まれていると、該繊維が強く切れにくいため毛玉が発生しやすくなる。発生した毛玉が脱落すればよいのであるが、これらの合成繊維は引っ張られると切れずに伸びるため、一旦、毛玉が発生すると脱落しにくく、外観を損なうとともに織編物の劣化を促進する。そのため、衣料品や洗濯を繰り返す製品等の用途に、合成繊維の紡績糸を使用した織編物を製造する場合にはピリングの発生を抑制するための対策(すなわち、抗ピリング対策)が不可欠となる。
織編物全般における抗ピリング対策としては、製織または編成された織編物に対して毛焼き、繊維強度の低減(アルカリ減量処理)、研磨(構成繊維の分繊化)、シャリング(剪毛加工、刈り込み)等の方法が知られているが、合成繊維の紡績糸を用いた織編物の抗ピリング対策としては、いずれも不十分であるため、衣料製品開発の検討段階において合成繊維の紡績糸を用いる選択肢は除かれる傾向にある。
また、織編物を構成する合成繊維の紡績糸自体の抗ピリング(以下、抗ピルともいう。)に関しては、以下の従来技術がある。
例えば、以下の特許文献1には、合成繊維を構成するモノマーに、ピリング耐性を向上させるモノマーを配合して共重合させた改質合成繊維により抗ピリング性及高収縮性(嵩高性)を付与することが開示されている。すなわち、得られた改質合成繊維から布帛を形成した後、さらに該布帛から縫製品などの製品を製造した後、それらの繊維、布帛又は製品を、水の存在下に110℃以上の温度で熱処理するとポリエステルの部分的な化水分解が生じてポリエステルの重合度が低下し、良好な抗ピリング性が繊維に付与される。しかしながら、使用可能な繊維素材がポリエステルに限られており、さらに繊維の改質により合成繊維が本来有する特性や風合いが失われ、繊維強度の低下やコストの上昇を伴うといった問題がある。
同様に、以下の特許文献2には、原料となるポリエステルに低重合度ポリエステルに特定のポリカーボネートを特定量添加することによって、毛羽、断糸の発生がなく、軽度なアルカリ処理で十分な抗ピル効果を有する繊維が得られることが記載されている。
同様に、以下の特許文献3には、ポリエステル繊維にヒドラジド基を含ませることにより抗ピル性を付与することが記載されている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載される技術はいずれも、繊維強度を低下させるものであり、素材本来の強度や風合いを損なうものであるために様々なテキスタイルを得るための汎用性に欠けるものであった。
そこで、最近では、繊維強度を低下させずに抗ピル効果を実現させるために、抗ピル性の改善された紡績糸の開発が試みられている。
例えば、村田機械製作所製VORTEX(登録商標)糸が知られている。VORTEX(ボルテックス)(登録商標)精紡では、エア(圧縮空気)の旋回流によって繊維の先端が糸の中心に集束され、常に糸の中心が真っすぐで無撚りの状態となる一方で、後端が他の繊維に巻き付くように外層を形成し(すなわち、糸の中心は撚りが甘く、外側は完全な撚り構造となっている)「エアの旋回流によって糸が紡がれる」という方法である。かかる方法から生み出された糸がVORTEX(登録商標)糸であり、糸の内層に繊維がしっかり保持された繊維の動きにくい構造を有するため、「もっとも毛羽の少ない紡績糸」とされる。
以下の特許文献4には、外側に強度の低い繊維(ピリングが発生しにくい)、内側に強度の強い繊維を使用し、旋回気流式精紡装置で紡糸した紡績糸が提案されている。
以下の特許文献5には、旋回気流式精紡装置で紡糸する紡績糸において、太さむらを有する紡績糸を構成する芯繊維の毛羽状短繊維と該芯繊維の外周に巻き付けられた短繊維とを交絡させることで、芯糸が、短繊維に対してずれて、芯ずれが発生することがなく、また、芯繊維の外側に巻き付けられた短繊維の芯繊維からの脱落が減少して(すなわち、ピルの発生原因となる脱落繊維の減少により)抗ピル性を向上させることが記載されている。
前記した旋回気流式精紡機を使用した紡績による紡績糸(ボルテックス糸(登録商標))に加え、以下の非特許文献1に記載されるように、リング紡績によるリング紡績糸、空気紡績によるオープンエンド糸、結束紡績による結束紡績糸等が知られている。
リング紡績糸は、無撚の部分はなく、糸の内部から外部にわたって、一定の撚りが入り、糸幅にはバラツキがあり、糸幅が狭いところに撚りが集中し、広いところでは、撚りが甘くなり、長い毛羽がでやすい。オープンエンド糸では、中心から外側まで全ての繊維に撚りが入っており、糸の表面近くの繊維の中には、撚り方向が不揃いで、中心付近とは撚りが逆向きのものがある。結束紡績糸では、無撚り状の繊維束を結束繊維が定常的に縛り付けている紡績糸である。オープンエンド糸と結束紡績糸では、毛羽はリング糸より少ないとされる。
しかしながら、ボルテックス糸(登録商標)やオープンエンド糸、結束紡績糸では、特殊な紡績機械が必要である。
また、以下の特許文献6には、特殊なポリエステル樹脂や特殊な紡績機械を用いず、サイロスパン方式、ラッッピング方式等の精紡交絡、リング紡績糸において、繊維断面形状を異型化(すなわち、特殊な形状の熱可塑性合成繊維)とすることにより、毛羽数を減少させることが記載されている。
さらに、以下の特許文献7には、熱可塑性合成繊維マルチフィラメント仮撚捲縮加工糸を回転擦過体に接触走行させて、該糸条に毛羽立て加工を施すに際して、回転擦過体通過後に引続き連続して該糸条の融点ないし融点より5℃低い温度範囲で熱処理を行い、しかる後に巻取る毛羽糸の製造方法が記載されている。特許文献7には、織編製品表面上での毛羽の強さ、伸びが小さいと毛玉はできにくいこと、毛羽の長さが短く、毛羽密度が小さいと毛玉はできにくいこと、および毛羽繊維の繊維長さが短いと毛玉ができにくいことが教示されている。特許文献7には、上記熱所理の最大の要点は、毛羽糸の糸条幹部はできるだけ熱劣化させることなく毛羽糸の枝部、すなわち、毛羽単繊維をできるだけ熱劣化させることで、毛羽の強さ、伸び、曲げ剛性等を著しく低下させピリング防止を図ろうとするものであると記載されている。また、特許文献7には、融点より高い温度では毛羽単繊維の全面融化が生じ、毛羽立てができず、手触り、風合いが悪くなると記載されている。特許文献7に記載された技術は、抗ピリングを目的とするものであるが、加熱処理対象が、紡績糸ではなく、また、加熱処理条件も本願発明と異なるものである。
以上、織編物を構成する合繊繊維の紡績糸自体の抗ピリングに関する従来技術は、特殊な紡績機械や特殊な形状の熱可塑性合成繊維が必要であり、紡績方法や繊維原料に制限があるため、より汎用的で簡便な方法による抗ピリング方法の確立が求められている。
特開2016−108702号公報 特公昭62−33347号公報 特開平11−335969号公報 特開2001−192943号公報 特開2005−120500号公報 特開2008−133584号公報 特開昭55−122038号公報
浅野忠七男ら「新しい結束紡績糸」SEN-I GAKKAISHI(繊維と工業) Vol. 38, No. 5 (1992) P-211-216
前記した従来技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、特定の紡績方法や特定の繊維原料の使用によらずピリングの発生が抑制され、かつ、強度低下や染着ムラの発生も抑制された織編物を製造するための熱可塑性合成繊維の短繊維を含む紡績糸及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、熱可塑性合成繊維の短繊維を含む紡績糸を毛焼きし、当該紡績糸中の短繊維の端部又はループ部に溶融玉を形成し、しかる後、形成された溶融玉を、研磨により擦過して研磨痕を形成することにより抗ピリング紡績糸を製造し、かかる紡績糸を用いて、抗ピリング性が極めて優れ、かつ、強度低下や染着ムラの抑制された織編物を製造することができることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]熱可塑性合成繊維の短繊維を含む抗ピリング紡績糸であって、該短繊維の毛羽先端部の溶融玉と、該溶融玉の研磨痕とを有することを特徴とする前記抗ピリング紡績糸。
[2]前記熱可塑性合成繊維は、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリオレフィン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリ青化ビニリデン径、ポリ尿素系、ポリスチレン系、ポリウレタン系、及びポリフルオロエチレン系からなる群から選ばれる少なくとも1種の繊維である、前記[1]に記載の抗ピリング紡績糸。
[3]前記[1]又は[2]に記載の抗ピリング紡績糸から構成された抗ピリング織編物。
[4]前記抗ピリング織編物を構成する糸は全て、前記熱可塑性合成繊維の短繊維を含む、前記[3]に記載の抗ピリング織編物。
[5]JIS L 1930 C4M法(タンブル使用)に従う洗濯10回後の、JIS L 1076 A法(ICI形試験機を用いる方法)に従う抗ピリング等級が、いずれも3等級以上である、前記[3]又は[4]に記載の抗ピリング織編物。
[6]以下の工程:
原糸として熱可塑性合成繊維の短繊維を含む紡績糸を、接触又は非接触型加熱ヒーターで該熱可塑性合成繊維の融点以上の温度に加熱する毛焼きにより、該短繊維の毛羽先端部又はループ部に溶融玉を形成する工程;及び
スレッドガイドを用いて得られた溶融玉を研磨により擦過して研磨痕を形成する工程;
を含む、前記[1]又は[2]に記載の抗ピリング紡績糸の製造方法。
[7]前記[1]又は[2]に記載の抗ピリング紡績糸あるいは前記[6]に記載の方法により製造された抗ピリング紡績糸を用いて製織又は編成する工程;
を含む、前記[3]〜[5]のいずれかに記載の抗ピリング織編物の製造方法。
本発明に係る熱可塑性合成繊維の短繊維を含む抗ピリング紡績糸は、紡績方法を問わず、これを用いて織編物を製造する際の染色(もみ洗い)や該織編物製品使用者による使用・洗濯等において、「もっとも毛羽の少ない紡績糸」とされる村田機械製作所製ボルテックス(登録商標)と同等の優れた抗ピル性を発揮することができる。また、本発明に係る抗ピリング紡績糸の製造方法は、原料紡績糸としてその紡績方法を問わず、一般的なリング紡績糸にも適用可能である。
また、本発明に係る熱可塑性合成繊維の短繊維を含む抗ピリング織編物は、毛羽は毛焼きにより生じた溶融玉として一部残存するものの、溶融玉の大部分は研磨により擦過、除去され、研磨痕として存在するため、抗ピリング性が極めて優れ、かつ、製造段階や繰り返し使用後も著しい強度低下や、風合いの悪化が抑制された織編物である。そのため、本発明は、所望の風合いや外観を有する様々な衣料品やその他繊維製品への、これまで実用化が困難であった合成繊維の紡績糸を用いた織編物の適用を可能にする。原糸として使用する合成繊維の種類は熱可塑性である限り、何ら制限することなく自由に選択することが可能である。また、本発明は、起毛処理を施した織編物等にも適用可能である。それゆえ、本発明に係る熱可塑性合成繊維の短繊維を含む抗ピリング織編物、例えば、天然繊維のような柔らかな風合いを有しつつ、天然繊維よりも軽くて丈夫な衣料品の提供や、繰り返し使用しても丈夫で劣化しにくいシーツや寝具用カバー等の様々な繊維製品への適用を可能にする。
本実施形態の抗ピリング紡績糸を製造するための装置の一例を示す概略図である。 接触型加熱ヒーターの図面に代わる写真である。 溶融玉を研磨により擦過して研磨痕を形成するためのスレッドガイドの図面に代わる写真である。 ポリエステル100%紡績糸の処理前(比較例1)、毛焼き後(比較例2)、研磨(カット)後(実施例1)の写真である。 処理前(比較例1)、毛焼き後(比較例2)、研磨(カット)後(実施例1)のポリエステル100%紡績糸を用いて編成された天竺組織の編物の写真である。 ポリエステル65%・レーヨン35%混紡糸の処理前(比較例3)、毛焼き後(比較例4)、研磨(カット)後(実施例3)の写真である。 処理前(比較例3)、毛焼き後(比較例4)、研磨(カット)後(実施例2)のポリエステル65%・レーヨン35%混紡糸を用いて編成された天竺組織の編物の写真である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の1の実施形態は、熱可塑性合成繊維の短繊維を含む抗ピリング紡績糸であって、該短繊維の毛羽先端部の溶融玉と、該溶融玉の研磨痕とを有することを特徴とする前記抗ピリング紡績糸である。かかる抗ピリング紡績糸は、以下の工程:
原糸として熱可塑性合成繊維の短繊維を含む紡績糸を、接触又は非接触型加熱ヒーターで該熱可塑性合成繊維の融点以上の温度に加熱する毛焼きより、該短繊維の毛羽先端部又はループ部に溶融玉を形成する工程;及び
スレッドガイドを用いて得られた溶融玉を研磨により擦過して研磨痕を形成する工程;
を含む方法により製造することができる。
本明細書中、用語「熱可塑性合成繊維」とは、加熱により溶融し溶融玉が形成されるものである限り、特に制限されないが、化学的に合成された高分子からできた化学繊維、例えば、ポリアミド系、例えば、ナイロン、ナイロン66(東レプロミラン(登録商標))、ナイロン6(東レナイロン、ニチレイナイロン、旭化成ナイロン他)、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン4、ナイロン7、ナイロン9、ナイロン12、アラミド(登録商標);ポリビニルアルコール系、例えば、ビニロン(登録商標)、クラレビニロン、ニチボービニロン他;ポリ塩化ビニリデン系、例えば、サラン(登録商標)、クレハロン(登録商標);ポリ塩化ビニル系、例えば、単独重合物、ニップ(登録商標)、テビオン(登録商標)、エンビロン(登録商標)、ニシカロン(登録商標)、共重合物、後塩素化物;ポリエステル系、例えば、東レテトロン(登録商標)、テイジンテトロン、東洋紡エステル他、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート);ポリアクリロニトリル系、例えば、アクリロニトリル単独重合物、アクリロニトリル共重合物、トレロン(登録商標)、エクスラン(登録商標)、カシミロン(登録商標)、ボンネル(登録商標)他;ポリエチレン系、例えば、サンライン(登録商標)、ハイゼックス(登録商標)、カネライト(登録商標)他;ポリプロピレン系、例えば、三菱パイレン(登録商標)、日東紡ポリプロ(登録商標)他;ポリ青化ビニリデン系;ポリ尿素系;ポリスチレン系;ポリウレタン系、例えば、オペロン(登録商標)、スパンデックス(登録商標)他;ポリフルオロエチレン系、例えば、テフロン(登録商標)、トヨフロン(登録商標)等の合成繊維が挙げられる。
例えば、ポリエステル系繊維の短繊維の溶融点は255〜260℃であり、ポリアミド系繊維であるナイロンの短繊維の溶融点は215℃〜220℃であり、ポリアクリル系繊維の溶融点は明瞭でないが、軟化点は190〜240℃であり、ポリオレフィン系繊維であるポリプロピレンの短繊維の溶融点は165〜173℃である。これに反し、天然繊維である綿(アプランド)は235℃で分解し、275〜456℃で燃焼し、羊毛(メリノ)は130℃で熱分解し、205℃で焦げ、300℃で炭化する。また、再生セルロース繊維である、レーヨンやキュプラは、軟化、溶融せず、160℃〜300℃で着色し分解しはじめる。本実施形態における熱可塑性合成繊維は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリビニルアルコール系、ポリオレフィン系、及びポリウレタン系からなる群から選ばれる繊維が好ましく、より好ましくはポリエステル系、ポリアミド系又はポリアクリル系繊維である。
本明細書中、用語「短繊維」とは、短い長さで切れている短繊維(ステープル)をいい、熱可塑性合成繊維の短繊維である場合には、一般に長繊維(フィラメント)として作られたものを切断したものである。短繊維の長さは、紡績加工性の観点から、20〜70mmが好ましく、より好ましくは30〜60mm、さらに好ましくは38〜51mmである。短繊維の繊度(単糸繊度)は、紡糸性及び布地の強度保持の観点から、0.01〜10デニールが好ましく、より好ましくは0.8〜5デニール、さらに好ましくは1.0〜2.5デニールである。単糸繊度が、0.01デニール未満では、汚れ易くなり、毛羽が発生し先端が集束して毛玉を作り易くなり、他方、10デニール超では、毛羽の発生は少なくなるが、強力が増すため、いったん生じた毛玉が脱落し難くなり、風合いも悪くなる。短繊維の断面形状は、丸断面であっても丸断面以外の異形断面であってもよい。
本明細書中、用語「紡績糸(スパン糸)」とは、短繊維をほぐし、くしけずるようにして繊維を並べ、撚りをかけて束ねた糸条をいう。
前記したように、紡績糸としては、リング紡績によるリング紡績糸、空気紡績によるオープンエンド糸、結束紡績による結束紡績糸、旋回気流式精紡機を使用した紡績による紡績糸(ボルテックス糸(登録商標))等が挙げられる。リング紡績糸は、無撚の部分はなく、糸の内部から外部にわたって、一定の撚りが入り、糸幅にはバラツキがあり、糸幅が狭いところに撚りが集中し、広いところでは、撚りが甘くなり、長い毛羽がでやすい。オープンエンド糸では、中心から外側まで全ての繊維に撚りが入っており、糸の表面近くの繊維の中には、撚り方向が不揃いで、中心付近とは撚りが逆向きのものがある。結束紡績糸では、無撚り状の繊維束を結束繊維が定常的に縛り付けている紡績糸である。オープンエンド糸と結束紡績糸では、毛羽はリング糸より少ないとされる。
紡績糸としては、加熱による溶融玉の形成容易性の観点から、一種の熱可塑性合成繊維の短繊維のみからなるものが好ましいが、二種以上の熱可塑性合成繊維の短繊維の混紡糸であっても構わない。また、熱可塑性合成繊維の短繊維と他の天然繊維と混紡糸であってもよく、複合繊維糸、フィラメント糸との交撚糸、精紡合撚糸であってもよい。本実施形態の抗ピリング織編物としては、該織編物を構成する糸が全て、熱可塑性合成繊維の短繊維を含む抗ピリング紡績糸である織編物であることが好ましい。紡績糸の番手は7〜120番手(760〜44デニール)が好ましい。7番手未満では、これを用いて製織又は編成された織編物の厚みが大きくなり、120番手超では該織編物の強力が低下する。また、紡績糸の撚数は、60〜1500回/mが好ましい。
本明細書中、用語「織編物」とは、織物又は編物(丸編地、経編地、緯編地)のことをいう。衣類製品として所望の効果を発揮する観点から、織物又は編物が好ましい。織物は紡績糸100%で構成されるものが好ましいが、経糸に長繊維、緯糸に紡績糸を用いた交織物もソフトで反発性のある風合いが得られるため好ましい。織物組織、編物組織は特に制限はない。
本明細書中、用語「毛羽」とは、紡績糸の外表面から立毛した短繊維の端部又はループ部をいい、紡績糸の内部に存在する短繊維の端部は毛羽とはいわない。
本明細書中、用語「溶融玉」とは、接触又は非接触型加熱ヒーターで該熱可塑性合成繊維の融点以上の温度に加熱する毛焼きより、該短繊維の毛羽先端部又はループ部の単繊維が溶融し、略球状に変形したものをいう。
本明細書中、用語「研磨痕」とは、得られた溶融玉を、例えば、スレッドガイドを用いて研磨、擦過して形成される、溶融玉の研磨痕をいう。
以下、接触又は非接触型加熱ヒーターで該熱可塑性合成繊維の融点以上の温度に加熱する毛焼き、溶融玉の研磨痕の形成について説明する。
(毛焼き)
接触又は非接触型加熱ヒーターで該熱可塑性合成繊維の融点以上の温度に加熱する毛焼きにより、該紡績糸の外側表面に存在する毛羽の先端部又はループ部に溶融玉を形成させる。このとき、紡績糸の内部に埋もれている短繊維の端部に溶融玉ができたとしても、紡績糸の外側表面には現れないため、紡績糸の風合いを悪くすることはない。ガスバーナーからの火炎による直接毛焼(ガス毛焼)を用いることもできるが、加熱温度の最適制御の観点から、図2に示す接触型ヒーター(3)との該紡績糸外側表面との接触による間接毛焼(接触毛焼)によって行うことが好ましい。尚、非接触型加熱ヒーター(図示せず。)による加熱も可能であるが、溶融玉を形成するための調整が難しい。ポリエステルとナイロンは、溶融点が210〜260℃であるので、直接毛焼でも溶融玉を形成することができるが、紡績糸への過度な加熱を防止する観点から、又は融点が400℃程度のアラミド等の素材については、接触型加熱ローラーの温度をより高温にした短時間に熱が伝わる間接毛焼(接触毛焼)が好ましい。毛焼条件は特に制限はないが、ピリングの発生原因となる布地表面に存在する毛羽先(毛羽の先端)又はループ部に溶融玉を形成させられればよい。毛焼き工程に供給する紡績糸の通過速度(毛焼き加工速度)は、20〜120m/分が好ましく、より好ましくは40〜100m/分である。尚、紡績糸が天然繊維を含む場合には、ガス毛焼きにより天然繊維の毛羽を炭化させ焼き切れば、ピリングが抑制されるためガス毛焼きが好ましい。紡績糸の外側表面に存在する毛羽先端部又はループ部に、糸の周囲全体に亘り溶融玉を形成させることが好ましい。そのためには、紡績糸を回転させながら接触加熱ヒーターに所定時間、接触させることが好ましい。
(研磨)
上記毛焼きにより、紡績糸の外側表面の単繊維の毛羽先端部又はループ部に形成された溶融玉を、例えば、図3に示すスレッドガイド(5)を用いて研磨、擦過し、除去して、研磨痕を形成することができる。紡績糸の外側表面に形成された溶融玉を糸の周囲全体に渡り研磨痕に変換することが好ましい。そのためには、紡績糸を回転させながら、所定の速度でスレッドガイドに通すことが好ましい。図1に示すように、加熱ヒーター(3)により溶融玉が形成された毛焼き後の紡績糸は、スレッドガイド(5)により紡績糸外側表面の溶融玉が擦過、除去され、研磨痕が形成される。研磨痕が形成された紡績糸は巻取り装置(7)により巻き取られる。
従来の研磨による抗ピリング対策は、構成繊維を分繊化(フィブリル化)することであったが、本実施形態における研磨は、毛焼によって生じさせた溶融玉を削り取るために施すものである。例えば、スレッドガイドを紡績糸に接触させ、擦過すると、溶融玉は紡績糸内部に入り込むことができないため、優先的に研磨、擦過、除去され、紡績糸の損傷が最小限に抑えられる。したがって、このような研磨により、熱可塑性合成繊維の毛焼きの最大の問題であった溶融玉が紡績糸の外側表面に残存することにより、これを用いて製織、編成される織編物のがさつき、風合いや外観の悪化という問題が解消され、さらに織編物の強度低下が抑制される。また、本発明者らは、毛焼きによりその先端部に溶融玉が形成された毛羽であれば、毛羽(毛先)が逃げにくくなるため、素材紡績糸を損ねることなく、擦過により溶融玉を研磨、除去することが可能となり、抗ピリング性に極めて優れた紡績糸、これを用いて製織又は編成された織編物を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
以下、本実施形態の抗ピリング織編物の製造の一例について説明する。
本発明の他の実施形態は、前記抗ピリング紡績糸から構成された抗ピリング織編物である。かかる抗ピリング織編物は、前記抗ピリング紡績糸を用いて製織又は編成する工程;
を含む方法により製造することができる。
前記抗ピリング紡績糸を経糸及び/又は緯糸として用いて製織し、生機にし、得られた生機に糊抜き精錬を施し、その後、以下の仕上げ加工を施すことができる。
また、前記抗ピリング紡績糸を用いて、丸編機により天竺組織等の編物とすることもできる。
糊抜き精錬、仕上げ工程等の方法は特に制限はなく、常法を採用することができる。
(熱セット)
次いで、合成繊維の不均一な熱履歴の影響を解消するために熱処理を行う。熱セットを行うことは、織編物の寸法安定性や均一な染色を達成するために好ましい。ポリエステル繊維やナイロン繊維の場合、一般に180℃で30秒〜1分間程度の熱処理となる。
(染色)
染色に特に制限はない。染色には、浸染(もみ染め)と連続染色があり、浸染が一般的である。ポリエステルについては一部連続染色が行われるが、風合いが硬化し柔軟性が損なわれる。浸染においては、染め前に毛焼を行うと溶融玉と地の染色性が異なり染班を生じるが、本実施形態においては、布地表面の溶融玉が研磨により除去されるため、染班が発生するという問題は生じない。毛焼が不均一であると染筋が発生する。どうしても毛焼による染筋を解決できない場合には、紡績糸を染色した後に、毛焼及び研磨を行ってもよい、すなわち、毛焼前染色及び毛焼後染色のいずれでもよい。
(仕上げ乾燥)
次いで、乾燥して仕上げる。
以上の製造方法によって抗ピリング対策が施された織編物は、毛焼工程と研磨工程を経ている抗ピリング紡績糸から構成されているため、顕微鏡で確認すると、紡績糸の外側表面に一部残存する単繊維の先端部又はループ部の溶融玉と、溶融玉が擦過されて生じた研磨痕とが存在する。
前記した毛焼き工程と研磨工程を含む抗ピリング対策を施した抗ピリング紡績糸を用いて構成した織編物では、抗ピリング対策を施していない熱可塑性合成繊維の短繊維を含む紡績糸で構成した織編物の抗ピリング等級が1〜2級であったとしても、抗ピリング等級を3級以上、好ましくは4級以上、より好ましくは4.5級以上にすることができ、また、アルカリ加水分解処理等を経ていないため、強度の低下や風合いの悪化も抑制された織編物にすることができる。本実施形態の抗ピリング対策を施した抗ピリング紡績糸を用いて構成した織編物は、以下の実施例に示すように、洗濯を繰り返しても抗ピリング性能が持続することから、耐久性にも優れている。
以下、本発明を、実施例、比較例により具体的に説明する。
抗ピリング試験は、JIS L 1076 A法(ICI形試験機を用いる方法)に従って5時間実施した。試験結果は試験片4枚の判定結果の平均値とした。編物編成直後、又は洗濯10回後に実施した。洗濯は、JIS L 1930 C4M法(タンブル使用)に従い10回実施した。
染着性試験は天竺組織で編成した編物のポリエステルサイドを液流機中で分散染料により染色した試験編地を用意し、毛焼工程で生じた溶融部分と他の部分との染着差を目視することにより実施した。
[実施例1]
2インチ紡績機械でリング紡績したポリエステル100%紡績糸(30番手、1.6デニール、繊維長51mm)を250℃に加熱した接触加熱ヒーターに糸速80m/分で通過させ接触毛焼きし、冷却後にスレッドガイドに通過させて研磨を施し、先の接触毛焼で生成した毛羽先の溶融玉を除去し、本実施形態の抗ピリング紡績糸を得た。
[比較例1]
毛焼き工程及び研磨工程を省略した以外は、実施例1と同様の紡績糸を用いた。
[比較例2]
研磨工程を省略した以外は、実施例1と同様の紡績糸を用いた。
[実施例2]
2インチ紡績機械でリング紡績したポリエステル65%・レーヨン35%混紡糸(30番手、1.3デニール、繊維長44mm)を250℃に加熱した接触加熱ヒーターに糸速80m/分で通過させ接触毛焼きし、冷却後にスレッドガイドに通過させて研磨を施し、先の接触毛焼で生成した毛羽先の溶融玉を除去し、本実施形態の抗ピリング紡績糸を得た。
[比較例3]
毛焼き工程及び研磨工程を省略した以外は、実施例2と同様の紡績糸を用いた。
[比較例4]
研磨工程を省略した以外は、実施例2と同様の紡績糸を用いた。
[抗ピリング試験]
実施例1、2、比較例1〜4で得た紡績糸を用いて天竺組織で編物を編成し、抗ピリング試験を実施した。
[染着性試験]
実施例1、2、比較例2、4で得た紡績糸を用いて編成した天竺組織の編物で染着性試験を実施した。以下の評価基準で、染着性を判定した:
〇:色ムラがない
×:色ムラがある。
結果を以下の表1に示す。
Figure 2020162506
表1から、実施例1、2では、毛焼き及び研磨を経た抗ピリング紡績糸であるため、これを用いて編成された編物の抗ピリング等級が、洗濯10回後でも4.5級又は4級であり、抗ピリング性が極めて優れ、風合いも良く、強度の低下もなかった。一方、毛焼き及び研磨を経ることなく製造された紡績糸で構成された比較例1、3の試験反の抗ピリング等級は洗濯10回で2級又は1級であり、多数のピリングが発生した。比較例2、4では、抗ピリング等級が4.5級又は4級となり、実施例1、2と同様の高い抗ピリング性が認められたが、毛焼によって生じた溶融玉が布地表面に多数存在することにより、布地の肌触りが悪く、布地の染着性についても色ムラが発生し商品価値を損なうものであった。
本発明に係る熱可塑性合成繊維の短繊維を含む抗ピリング紡績糸は、紡績方法を問わず、これを用いて織編物を製造する際の染色(もみ洗い)や該織編物製品使用者による使用・洗濯等において、「もっとも毛羽の少ない紡績糸」とされる村田機械製作所製ボルテックス(登録商標)と同等の優れた抗ピル性を発揮することができる。また、本発明に係る抗ピリング紡績糸の製造方法は、原料紡績糸としてその紡績方法を問わず、一般的リング紡績糸にも適用可能である。
1 巻糸体
2 フィードローラー1(FR1)
3 加熱ヒーター
4 フィードローラー2(FR2)
5 スレッドガイド
6 フィードローラー3(FR3)
7 巻取り装置

Claims (7)

  1. 熱可塑性合成繊維の短繊維を含む抗ピリング紡績糸であって、該短繊維の毛羽先端部の溶融玉と、該溶融玉の研磨痕とを有することを特徴とする前記抗ピリング紡績糸。
  2. 前記熱可塑性合成繊維は、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリオレフィン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリ青化ビニリデン径、ポリ尿素系、ポリスチレン系、ポリウレタン系、及びポリフルオロエチレン系からなる群から選ばれる少なくとも1種の繊維である、請求項1に記載の抗ピリング紡績糸。
  3. 請求項1又は2に記載の抗ピリング紡績糸から構成された抗ピリング織編物。
  4. 前記抗ピリング織編物を構成する糸は全て、前記熱可塑性合成繊維の短繊維を含む、請求項3に記載の抗ピリング織編物。
  5. JIS L 1930 C4M法(タンブル使用)に従う洗濯10回後の、JIS L 1076 A法(ICI形試験機を用いる方法)に従う抗ピリング等級が、いずれも3等級以上である、請求項3又は4に記載の抗ピリング織編物。
  6. 以下の工程:
    原糸として熱可塑性合成繊維の短繊維を含む紡績糸を、接触又は非接触型加熱ヒーターで該熱可塑性合成繊維の融点以上の温度に加熱する毛焼きにより、該短繊維の毛羽先端部又はループ部に溶融玉を形成する工程;及び
    スレッドガイドを用いて得られた溶融玉を研磨により擦過して研磨痕を形成する工程;
    を含む、請求項1又は2に記載の抗ピリング紡績糸の製造方法。
  7. 請求項1又は2に記載の抗ピリング紡績糸あるいは請求項6に記載の方法により製造された抗ピリング紡績糸を用いて製織又は編成する工程;
    を含む、請求項3〜5のいずれか1項に記載の抗ピリング織編物の製造方法。
JP2020571241A 2019-02-06 2020-02-05 抗ピリング紡績糸、その製法、及び抗ピリング紡績糸により構成される抗ピリング織編物 Pending JPWO2020162506A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019019643 2019-02-06
JP2019019643 2019-02-06
PCT/JP2020/004410 WO2020162506A1 (ja) 2019-02-06 2020-02-05 抗ピリング紡績糸、その製法、及び抗ピリング紡績糸により構成される抗ピリング織編物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2020162506A1 true JPWO2020162506A1 (ja) 2021-12-02

Family

ID=71948053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020571241A Pending JPWO2020162506A1 (ja) 2019-02-06 2020-02-05 抗ピリング紡績糸、その製法、及び抗ピリング紡績糸により構成される抗ピリング織編物

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPWO2020162506A1 (ja)
TW (1) TW202039947A (ja)
WO (1) WO2020162506A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113373566B (zh) * 2021-05-26 2022-04-08 苏州普路通纺织科技有限公司 一种涡流混纺粗支纱线及其生产工艺
CN115748037A (zh) * 2022-11-24 2023-03-07 桐乡市华家那羊绒服饰有限公司 一种羊绒/三醋酸/桑蚕丝混纺纱线的半精纺生产工艺

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57210063A (en) * 1981-06-16 1982-12-23 Teijin Ltd Production of spun like knitted fabric
JPH01139841A (ja) * 1987-07-20 1989-06-01 Toray Ind Inc 抗ピル性合成繊維布帛およびその製造法
US8214976B2 (en) * 2009-04-29 2012-07-10 Xiaoming Tao Method and apparatus for pilling reduction
CN104611944A (zh) * 2014-12-09 2015-05-13 南通市嘉宇斯纺织集团有限公司 天枢绒及其生产方法
CN106757670A (zh) * 2016-12-20 2017-05-31 江苏金太阳纺织科技股份有限公司 一种抗起球磨毛面料及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020162506A1 (ja) 2020-08-13
TW202039947A (zh) 2020-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU703334B2 (en) A composite yarn and a process for producing same
JP5623563B2 (ja) スパンデックスおよび硬質糸を含む弾性シャツ布地の製造方法
US9353465B2 (en) Bulked yarn and wound yarn for production of woven or knit fabric, woven or knit fabric, and method for producing the same
US8276358B2 (en) Process of manufacturing ultra-soft yarn and fabric thereof
TWM548177U (zh) 再生織物結構
TWI785088B (zh) 抗起毛毬布料及其製法
JP5869719B1 (ja) 表面品位が均一な編物
GB2587120A (en) Fibers, woven fabric including the fibers, and methods of manufacturing the same
WO2020162506A1 (ja) 抗ピリング紡績糸、その製法、及び抗ピリング紡績糸により構成される抗ピリング織編物
JP5177571B2 (ja) 嵩高紡績糸の製造装置および製造方法
JP5599686B2 (ja) ポリエステル潜在捲縮加工糸及びその製造方法
JP6480753B2 (ja) 芯鞘型複合繊維、これを用いた繊維構造物及び芯鞘型複合繊維を用いた紡績糸の製造方法
CN109943931B (zh) 一种纱线及其纺纱方法和面料
JP4475011B2 (ja) 肌着用編地
CN108138399B (zh) 保温性优异的针织物及其制造方法
JP2015036460A (ja) 繊維製品の製造方法
JP7284882B1 (ja) 編地、その製造方法及びそれを含む衣料
CN116113734B (zh) 双层结构纺织纱线和编织品
CN109371523B (zh) 易打理的毛料用的原料捻线的制造方法
JP2018003214A (ja) 中空紡績糸とこれを用いた織物又は編物及びその製造方法
JP2024122607A (ja) 編地、及びそれを含む衣料
JP2023119590A (ja) 二層構造紡績糸および織編物
CN117716077A (zh) 多层结构短纤维纱、其制造方法、坯布及衣类
JP2021161550A (ja) ポリエステル複合仮撚糸
JPH07316941A (ja) 縫 糸